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説明員(石井昭正君)
只今検査院のほうから御
説明がございました件につきまして
運輸省といたしまして一応御
説明申上げます。
五百二十七号の
予算を超えて
工事を施行しその
経理当を得ないものという件でございますが、この件は誠に
検査院の御指摘の
通りのような方法を講じておりますが、その内容について御了承を得たいと思いますることは、御承知のように
昭和二十四年、二十三年の補正
予算からはドツジ氏が参りまして、それまでの国庫
予算と
一般財政
予算等に大メスを加えまして、いわゆるドツジ
予算というものができ上りましたその際でございまして、この二十三年の補正
予算並びに二十四年度の本
予算を通じまして十五カ月
予算として結局ドツジ
予算というものが設立いたしまして、それによりまして日本の財政上の一転期を画しましたことは御承知の
通りだと思うのであります。そこで
国鉄の
予算でございまするが、それまでにおきましては常にこの災害復旧に関しまするところのものは追加
予算で認められるということがまあ常識でもあり、当然そうなるものと考えておりました。常に追加
予算によ
つてその
経理がつくという考え
かたで、災害に対しましては復旧
工事をいたしてお
つたわけでございます。ところがこの二十三年度に当りましては、これはそういう意味合におきまして二十四年度の
国鉄予算のごときは要求の殆んど半額にまで支出を削られたというような状態の
予算でございましたが、追加
予算につきましても同じくそういう大きなメスを加えられているわけでございまして、結局この災害復旧
関係の
工事が追加
予算で認められなか
つたというので、結局災害復旧
工事をいたしましたけれども併しながら
一般の通常の
工事というものがそのためにやりくりでまああと廻しになる。追加
予算を頂いて当然
処理できるという考え
かたで
工事をいたしたために結局つじつまが合わなくな
つてしま
つた。止むを得ずこの二つの方法の
処理によ
つて糊塗をいたしたということに相成ろうかと思うのであります。
でこれは誠に私ども考えましても、
予算がないのに
工事をしたということはいかんことかと思うのでありまするが、併しながら災害復旧はこれはゆるがせにすることもできませんし、又災害復旧によ
つて埋められた
一般工事の穴は当然追加
予算でお認め願えるという、非常にまあ多年の慣習と事業の
性質上当然であるという考え
かたで
施工したことによ
つてこういう結果にな
つたと思うのであります。併しながらこの点につきましては
経理のやり
かたといたしましては決して当を得たと言えないものとは存じておりますが、その点の
事情は止むを得ざるものもあ
つたのではないかというふうに御了解願えれば幸せなことであります。それからこの修繕
工事において、新設的なものも中にはあるというお話でございまするが、修繕
工事と申しましてもやはり損益勘定で
処理をいたす、
経費として
処理いたす
工事でありまして、若し健全なる財政でございまするならば、この
経費のほうで新設
工事を
相当起したところでも或る
程度の
工事をしても差支ないのではないかと思うのでございます。かような
工事につきましては特別繕修
工事といたしまして財産
処理をいたして、そのできましたものは固定資産に編入する
手続はいたしております。ただ御指摘のありましたところの
工事につきましては、さような
程度で常識的な限度を超えておる、或いは指定以外の
工事を
実施したというようなものがままなか
つたとは言い切れないかと存じまするが、その点に関しまして
検査院の御指摘を十分受けなければ相成らんかと感ずる次第でございます。
以上のようなわけでございまして、この辺におきましては均衡
予算の嚴重なる施行というようなふうに全部お考え
かたも切替りましたし、又支出行為認証制度も
実施されたので、今後はかような意味の方法を以てこういう使用方法をいたすこともございませんように、相成
つたことと存ずるのであります。
五百二十八の問題でございまするが、これはアイオン台風によりまして山田線が不通とな
つた。これは非常に社会問題でございまして、而も山田線が茂市まで開通することができますれば、盛岡方面との連絡はとれなくても宮古、釜石方面まで、茂市から続いておりますところの小本線は生きるのでございます。従いましてこの蟇目、茂市間というものを急速に列車が通るようにいたしますれば、小本線全線が生きまして、先ほど申上げましたような岩手のシヤモツトが
鉄道輸送でできる。このシヤモツトは耐火煉瓦の原料といたしましては日本にこれ以外に産出するところがないというような品物でございまするので、山田線が、小本線が開通いたしまするまでも、やはり止むを得ずトラツク
輸送をや
つております。非常に山間の僻地をトラツクを動かしておりますがトラツク事業自体といたしましても非常にむずかしい
輸送でございます。
又経済上から言いましても
輸送費が非常に嵩みまして、岩手シヤモツトを
使いますところの製鉄業の採卵のほうから言いましても、この問題の解決は一刻も早くしなければならんというような
状況でございました。且つ又山田線の茂市から盛岡寄りのほうは、これはもう全く治山治水の観点から見て直ちに応急復旧するということが殆んど不可能であります。この僅かな茂市蟇目間を早く復旧することによりまして、
只今申上げましたシヤモツトの……、大体その沿線の住民に対しまして非常に大きな利益を与えたということは、これは
国鉄が開業いたしております鉄道が不通となりましたからには、一刻も早く
輸送のできる方法を講ずるということが鉄道の使命であり、又それが公共的な使命を持
つた鉄道として
国鉄が運営されているゆえんのものであろうと思うのであります。本復旧
工事とラツプいたしましたが、併しながらこれは本復旧
工事につきましては、やはりその
工事費の
関係等につきましても、
関係方面の了解等も得なければならんという
性質上、必ずしも恒久復旧の目当が確実についているにもかかわらず応急復旧をしたということにも相成らんかと思うのでありますが、なお仮にそういたしましても、本復旧が完成するまでの間応急復旧で鉄道を扱うことは、これは鉄道の
性質上私は当然ではないかという感じがいたしている次第でございます。
次に(五二九)の著しく多額の
工事費を支払
つたもの、これは福井の震災の直後におきまして、震害復旧
工事を急速に施行しなければならなくな
つたというために契約前において請負人に……、
現場においていろいろ
工事内容をよく知
つたのでございますがこれは同時に沢山の
工事を施行した
関係上、見積書の内容に不備な点がございまして、それが請負
代金の支払いにおきましてその内容の突合せが非常に不十分であ
つて、
検査院の御報告のような結果にな
つたので誠に遺憾に存ずる次第でございまして、
只今震災直後いろいろのごたごたがあ
つたのでという言葉もありました。それにしても誠に粗漏な点でございまするので
関係者に対しましては将来ともこの種の事故のないように巖重にいたしますし、
責任者の
処分も行な
つている次第でございます。
(五三〇)の
国鉄共済組合に対し国庫負担金を過払したもの、これは御報告の
通りでございます。ただベース改訂がたびたび行われました結果、事務的に損を生じました。誠に遺憾と存じます。
責任者に対しましても
十分注意をし、戒告
処分といたしております。
五百三十一の夜勤加給の支払に当りまして所得税の源泉徴収を行う点でありますが、これも
検査院の御報告の
通りでございますが、この点につきましてはこの給与が税の対象となるという点につきまして
見解の相違があ
つたわけでございます。完全なる実費弁償であるというような考え
かたでいたしたわけでございます。併しその後いろいろ税法の精神も変
つて、非常に給与というものの対象をきびしくされるという税法上の
見解もきびしくな
つておりましたので、いろいろ問題も起りましたので、国税庁と折衝いたしました結果、
昭和二十四年の七月に国税庁から二十三年一月以降の分について不足税額を徴収する、二十二年度以前についてはこれは徴収しないという通牒を出して頂いたわけでございます。その通牒の趣旨に副
つて給料から適当に区分控除をいたしまして、源泉徴収の分を追徴いたしたのでございます。
五百三十二の
経費の年度区分をみだ
つたものでございますが、これは各
工事を買収予定なしに施行したものでございまして、買収当時はいろいろ地主との間にも条件が多々ございましたので、条件をつけ了承してお
つたのでざざいますがその後やはり思うように参りませんので、再三強硬な措置を以て督促をいたしました。結局府県の
事情等が遅れて、まあ
年度内におきましては、これは私どものほうでは五〇%乃至八〇%と考えておりますのがその
程度の出来高しかできなか
つたのであります。結局竣工扱いとして
支障のないものと認めて
決算いたした次第でございます。誠に遺憾な点がございますので将来
十分注意をいたしたい、又
責任者に対しましても巖重な
注意を与えました次第でございます。
それから五百三十三、三十四の
職員の犯罪により国に損害を与えたもの、これは
検査院の御指摘の
通り誠に遺憾でございます。将来
注意してこの種の事故の根絶に努力いたしたいと考えておる次第でございますが、こういうこの種の事故が終戰直後非常に何と申しますか、綱紀の紊乱と申しますか、精神の弛緩と申しますか、いろいろ国情の同時に世情上いろいろございましたことは
相当事実がございまして、ひとり鉄道ばかりではございませんで内部におきましてもこういうものがございましたことは遺憾でございます。幸いにだんだんと減少して参りまた。なお御指摘のような
事件も見たのでありまするが、その後も
十分注意し又計理、制度におきましても十分刷新を加え、監督いたしております。今後はかような
事件がだんだんもつと減少して参ることと信じております。これらのものがいずれも司法
処分によりまして有罪が確定、又は目下裁判が継続中でございますが巖重に
処分し、又
責任者に対しましても
処分を行う所存でございます。