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説明員(大澤實君) 五百十三号から御
説明申上げます。五百十三号は電力
事情が悪化した場合に自家用の火力発電所を持
つておる会社に対しましてそれの発電、それを火力発電をさせまして、そしてその会社が電力を買
つたとした場合との差額、差損、これを補填しよう、補助しようとこういう趣旨の
方法を二十二
年度の末期に行われたわけでありますが、その中の
一つとしまして北海道炭礦汽船に対しまして、北海道で炭横汽船が持
つている火力発電所を動員させて、そうして先ほど申しました損失を補助しようということで、二千万円というものを
支出されておりますが、実際にその発電
経費の
内容というものを調べて見ますると、その中の、これは火力発電所がたしか二カ所か三カ所で持
つていたと思うのでありますが、その中の清水沢発電所というのに、実際について調べて見ましたところが、この発電
経費に計上しております人件費というものが、この発電期間というのが二十三年の一月から三月までの三カ月間であ
つたのでありますが、その他の期間の人件費をこれに加算している、或いは増産準備金として一応留保している金額があるのでありますが、これもこの発電期間相応額以上を計上している。それから非戰災者特別税というような、年間に
支払うべきものをたまたまこの期間に、非戦災者特別税を支
払つたということで、その
総額を発電
経費に充てているというような事態で、その他改修工事費とか、或いは改修工事費も同じような
状態でありまして、その他この期間に
購入された油入の消弧リアクトル、或いは耐火煉瓦、ストーカリングというようなものを殆んど一年間の分を
購入されたのが、たまたまこの期間であ
つたというので、この発電の期間に計上してあるというので、こうしたものは年間に按分したその期間、発電動員された期間というものだけの所要量、所要
経費を入れていいのではなかろうかというので、検査院としての意見を示したわけでありますが、その結果百二十八万円というふうなものは、そうしたいわゆる除外すべきものであ
つたということになりまして、これは当局のほうで返納されるように処理された次第であります。
次の五百十四号は、旧軍需省が兵器等製造
事業特別助成法によりまして機械を
購入されまして、軍需工場などに貸付けてあ
つたものが、その処理が非常に遅延しておりまして、その会社の報告台数というものは実際に調べて見ますると相当の違いがあるということが、
会計検査院が実地に見ました数会社について見ましても、ここに書いてありますように、表に示してありますような違いがありまして、これは勿論いろいろな、或いは戦災でなく
なつたとか、或いは連合国軍の進駐によ
つて紛失したとかいろいろな理由があるのでありますが、そうした理由を早く究めて、そうして忘失のものを忘失としてはつきり処理するというような
手続をとらるべきものが、数年に
亘つてその処置がとられてないのは、
整理がよろしくない、こういう趣旨で掲げてあります。
次の五百十五号でありますが、これはアルコールを売渡す場合に、いわゆゆる変性アルコール、工業用に供する変性アルコール、これは非常に値段が安くなるわけであります。変性アルコールとして代金を徴収したのでありますが、その変性したという事実が確認できない、変性するときには
政府職員が立会
つて、そうしてアルコールの変性を実施させて、変性済証明書というものを交付しまして、そうして
最後に、所定の工業用途に供したときに使用済証明書を交付する、こういう
手続にな
つておるのでありますが、
会計検査院が札幌商工局ほか五商工局につきまして、その個々の
資料を調べて見ますると、そのうち八十七件、九百七十キロリツターというものがどうも変性したということをはつきりこちらが確認し得る
資料が整
つてないというような事態でありまして、この変性の確認
手続というものが比較的ルーズであ
つたのではなかろうか、変性アルコールの売渡しに対する処置が非常にルーズであ
つたのではなかろうか、こういう趣旨で掲げてあります。なお同じような次第でありますが、高い一般定価で売渡したものを、その後変性したということが証明つきますれば、その工業用変性アルコールとの差額を払戻すということにな
つておりますが、この払戻したうちの二十九件、十九キロリツトル分というものにつきましても、先ほど申しましたと同じようにこの変性済、又或いは工業用に使用済という事実を確認する
資料、これが整
つてない、こういう
状態でありまして、非常にこの変性確認という
手続がルーズではなかろうかという趣旨で掲げてある次第であります。
次の五百十六号でありますが、これはアルコールの賠償金、いわゆる
購入代金でありますが、これを二十二年産の干甘藷を原料として
生産されたものとして、単価キロリツトル当り四万二千円という代金で支
払つたものが六十二キロリツトル分あ
つたわけでありますが、実際に調べて見ますると、それは二十一年産の干甘藷を原料としたものでありまして、これは甘藷の取得価格が二十一年産のは安か
つた関係上、アルコールとして収納する場合もその賠償価格はキロリツトル当り三万円であるのが至当であるのに、それを誤
つて四万二千円という代金で
支払つている、これは取扱が疎漏であ
つたということになると思います。そしてこの分はその後たしか回収されている次第であります。
次の五百十七号の案件でありますが、これは
東京通商産業局の千葉と石岡の両アルコール工場で、二十二年の四月から二十四年九月までの長い期間に亘りまして、工場で
生産しますアルコール、これのうちの一部を別途に帳簿外に保留いたしまして、そしてこれを職員に無償で渡したり、或いは低価で売渡したり、そうしてその
購入売渡代金を別途において
経理されてほかの用途において使われた、こういう次第でありまして、その
総額が二方七千リツトル大体販売したとしますれば、千百万円に該当するものがそうして帳簿外に
経理された。これが非常に
やり方として拙い、拙いと言いますか妥当でない。極めて不当な
方法であるというので掲げたのであります。
次の五百十八号でありますが、これは同じく千葉のアルコール工場で、アルコール原料である糖密を持
つているのでありますが、その在庫量を二十四年の九月に実地を調べましたところ、帳簿上の残高は五百八十トンにな
つているのに、現品を検量しますと五百十四トンで六十五トン
程度の不足がある、而もその五百十四トンという現品には相当量の加水がしてある、これは試験所の分析試験の結果わか
つたのでありますが、加水がしてあるというようなことでありまして、物品の管理が甚だ当を得ないということで、ここに掲げた次第であります。以上御
説明を終ります。