○
政府委員(
山崎小五郎君)
委員長の御指名によりまして私から現在
国土総合開発関係がどういうふうに進みつつあるかということを一応御
参考までにお話し申上げます。
お
手許に
国土総合開発業務予定表というぺらぺらな一枚の紙が綴じてなくお配りしてありますが、それを先ず御覧下さいますと、大体五月上旬から六月の上旬ぐらいまでに、
国土総合開発基本調査の
取りまとめをすることに
なつております。この
基本調査の
取りまとめにつきましては、
あとから簡単に御
説明申上げます。その次に、七月の上旬から下旬までにつきまして、
総理大臣から諮問がありましたころの
特定地域の
指定に関する
審議をいたしたいと思います。そうして八月の上旬に、
特定地域の
指定に関する
総理大臣に対する
報告をまとめ上げたいと
委員会では思
つております。
総理大臣に
報告をいたしまして、内閣におきまして取上げられましたる
特定地域につきましては、大体八月の下旬からその
内容の
審議に入り、同時に各今
地方で立案されておりまするところの
府県の
総合開発計画につきましても、
審議会にかか
つて来ることに
なつておりますので、審査をすることに
なつております。これらの
計画は、日にちがございませんので、大体
地方ででき上つたものが中央に参りますので、これはいつ頃まで来るか見当がつかないのでございますが、一応
審議会なり事務所といたしましては、
府県で折角できました
開発計画は、成るべく二十七年度の予算に間に合わせてもらいたいと存じまして、一応七月か八月頃までに
取りまとめをいたしまして、或る
程度二十七年度の予算に織込んで行くというふうに締めくくりをして行きたいと、こういうふうに存じております。こういうふうな大体、現在もうすでに
国土開発につきまして、相当熱意のある各
委員会が
地方にできておりまして、
審議が進められておりますが、この
地方におきまする
国土計画がすでに着手になりますまでに、今まで
審議会といたしましてどういうことをしたかということにつきまして、どういうことをいたしましてここまでの段階に達しておるかということを簡単に御
説明申上げます。
お
手許に
国土総合開発関係業務資料というのがございますが、その
最初の頁に
資料一覧というのがございます。この
目次を一応御覧願いますと、この
目次の5以下でございますが、これをちよつと
説明いたします前に、今まで
審議会が大体昨年の八月の二十九日に第一回の
会議を
総理大臣官邸でいたしまして、それから今日まで約八カ月でございますが、
審議会といたしましては十四回
会議を開いております。それから
審議会の
分科会といたしまして
地域設定分科会、
開発目標分科会、
経済効果分科会、
技術分科会、
人口分科会、
資金部会がそれぞれ専門の立場で
審議会の要請に応じましてそれぞれの事項を
審議したのでありますが、
地域分科会が大体八回、
開発目標分科会が十二回、
経済効果分科会が十七回、
技術分科会が六回、
人口分科会が三回、
資金部会が五回、合せて
分科会といたしましては五十一回の
会議を開きました。大体法律によりまして
審議会の
委員三十人に
なつておりますが、これらの
分科会の
仕事をやりますために
専門委員として大体七、八十人
程度の人の、それぞれ
専門家の参集を願いまして
会議を重ねて参つたのであります。これらの
分科会並びに
審議会におきまして今まで
審議決定いたしました事項が只今申上げまする
目次に出ておるわけでございます。それで
審議会として決定いたしましたそれは
目次の5以下でございますが、それを簡単に読上げます。
5
国土総合開発審議会議事規則
6
国土総合開発幹事会設置並びに
運営規則、
7
国土総合開発計画の
運営方針
8
国土総合開発基本調査実施要綱及び
部門別調査要領並びに様式
9
建設総合価格指数表
10
国土総合開発基本調査の
建設部門事業別計画作成規模参考
11
国土調査に対する
要望事項
12
経済効果測定の
基本方針
13
都道府県総合開発計画作成要綱
並びに要目
14
自立経済計画にもとづく第一期
計画目標
15 第一期
資金供給見込
16
特定地域指定の基準
17 十年後に於ける
開発目標
17—1 同じく(
農林水産部門)
17—2 同じく(
鉱工業部門)
18 将来
人口推計
19
経済効果測定方法について
20
河川総合開発調査協議会廃止に
伴う
河域部会の設置について大体これだけのことを決定いたしております。
これらの
内容につきましては、お
手許に差上げておりまする
資料で、これは又相当それを集約したものでございますが、一応
結論を書いたものを差上げておりますが、その中で特に重要なものにつきまして、簡単に御
説明申上げておきます。お
手許に
国土総合開発関係業務の概要についてという集約したものが出してございますので、それにつきまして簡単に御
説明申上げます。
先ずこの第一にきめてありましたことが、
府県別現況の分析でございます。これはこの前も
審議会か、この
委員会でございましたかどうか知りませんが、参議院、衆議院におきましても、これは
現況分析を
取りまとめましたものを
説明をいたしておりますが、大体各
府県の人口、
資源、産業、
経済、社会、いろいろの
現状把握をやりまして、各
地域、県というものが
日本全体の立場においてどういうふうな
経済的、社会的な状態にあるか、どういう地位、
規模にあるかというふうなことをまとめまして、大体
一つの図表に示したものでございまして、これは現在
地方で実際に各
府県が
国土計画を立案いたします場合に、自分の県のことは非常によくわか
つておりますが、他の県との
関係、
日本全体の
状況というものを把握するに役に立
つておりまして、各
府県から非常なる要望がございましたが、そのほか
地方自治庁、或いは大蔵省、
文部省等も非常に歓迎されまして、相当部数これは今そういう意味で
参考に供されております。
次に
国土総合開発計画の
基本方針でございますが、これもこの
方針が決定いたしましたときに、議会のほうにおきましても御
説明申しておりますし、この
参考資料の中に詳しく書いたものが入れてございますので、後ほどお読みを願いたいと存じまするが、大体
基本方針を要約して申上げますと、
日本の
国土計画というものは
治山治水によりまする
災害防除、
食糧増産、
電力開発というものを
日本の
国土計画の枢軸にしたらいい、それから
特定地域につきましては、以上申上げましたようなものの重要なる地位、そのほか
地下資源の重要なものを持
つている
地域のこの
資源の
開発、或いは大きい
工場地帯の
立地条件のために極めて緊要なるものを
指定地域にしたらいいだろう、それから
計画期間は大体十年として
計画を立てるが、十年まで
開発効果が出て来ませんといろいろの
経済の現実に間に合いませんので、
立地計画を大体二十八年度で一応やる、二十八年度まで見込みましたのは、
自立経済審議会におきまして、いわゆる二十八年度を目途といたしまして、
日本の
経済自立をやる、そのために必要なる
生産というものを、
国土計画において分担してその目的を達して行く、こういうふうな大
方針で行きます。詳細は、具体的の
内容はこの中に入れてございますので、おひまのときに御覧頂きたいと思います。
次に第三の
国土総合開発の
基本調査でございますが、これは安本と、それから
各省と
十分調査の
方法を相談いたしまして、第一部
調査と第二部
調査というのをやつたのでございます。従来こういう方面の
調査につきましても、
各省がばらばらにやつおりますために、
調査が徹底を欠きますし、或いは部分的な
調査になりまして、結局
調査というものが、或る省でや
つておる
調査をほかの省で利用するということがなかなかうまくできませんので、なかなか
調査費もうまく取れないというような事情もございまして、この
国土計画に関する
調査は
各省一つ総合的に一緒にやろうじやないかということで、第一部
調査と第二部
調査をやつたのでございますが、第一部
調査は、大体各
地方の自然
経済的な特性を大体
数字の上で現わしているものでございます。第二部
調査は、各
地方が具体的な
開発計画を立てましたときに、その
地域の
開発目標を
調査する、或いはそれの
経済効果を判定するために必要なる
数字を集めたのでございまして、大体第一部
調査は二月に
調査を完了いたしております。第二部
調査は六月までに完了でございます。大体この
基本調査ができますと、
日本の
国土全体を大きく見まして、
日本の
国土計画の骨格は、どういうふうな姿であるのが一番合理的であるかというふうな骨格がそれによ
つて出て来ると存じております。これも今
昼夜兼行でそれを図化表し、
数字を整理しておるような
状況でございまして、いずれそれができ上りましたら
委員会のほうにも御
報告を申上げたいと存じております。
その次が第四の
都府県総合開発計画様式の決定でございますが、これは具体的に
地方の
開発計画ができましたときに、
地方の
審議会にかけまして、中央の
審議会にかけるわけでございますが、それを
審議いたします場合に、
開発計画の
報告様式が非常にまちまちでございますと、審査が、調整及び優劣をきめるのが非常に困難でございまして、これも現況の部、
開発計画の部、それから
開発効果の部、その他それに添付いたしまする
地図等も全部統一いたしまして大体
フオームを全く
一つに統制をいたしまして、それからそれに書き込みまする
数字の
算出ベース等も全部統一して、同じ
ベースで計算した
数字を書いてございます。これは
あとから御
参考にその具体的な
フオームをお示しいたしますが、これは非常なる難作業で、二カ月に亘りまして
各省と協議をいたしまして、厖大なる
フォームを整備したのでございます。これは
審議会から
内閣総理大臣のほうへ
報告いたしまして、
総理大臣におきまして
閣議了解を得まして、
地方にそれを流しまして、
地方は今
計画しておりまする
計画をこの
フオームに整理いたしまして
報告することにな
つて立案が進んでおるような
状況でございます。これもその
骨子は、この印刷の中に少し詳しく書いたものがございますので、おひまなときに御覧おき願いたいと思います。
次に
経済効果の問題でございますが、これは
日本の
国土計画というものが科学的な
一つの進歩をするということになりますると、
開発に
一つの
開発目標を総合的に定めてやらせるという
方法をとつたことと、もう
一つ、
経済効果を
測定してその
開発計画の配列並びに実施の順位を決めて行くという
方法をきめたことが
一つの大きなポイントと存じます。これは相当
日本としましては、いろいろこういうことをや
つて見たいというような希望は、
各省その他実際に予算を査定しております安本その他いろいろ希望があつたのでございますが、相当むずかしい問題でございましてなかなかこれが
一つの案ができなかつたのでございますが、
委員会といたしましては、このため特別な
分科会を設けまして、
有沢東大教授を
委員長といたしまして、各大学の
専門家その他実際の
技術屋のかたも加わられまして、十何回に亘りまする
会議を開きまして、一応の成案を得たのでございます。これも詳しく
説明いたしますと非常にむずかしくなりまするので、ただ
結論だけを簡単に申上げたいと思います。これは大体この
測定の
方法といたしまして、こういうふうな
公共施設の
経済効果というものは、どういうふうな観点から見るべきかという先ず根本問題が
一つあることでございます。これの
一つの極端な
見方は、極めて資本主義的な、
採算さえとればよいという非常な資本主義的な
見方もございましようし、それから
一つには非常に社会主義的な
見方で、全く
採算を度外視した
見方もございますが、大体
委員会できめました
経済効果の
考え方を申上げますと、費用の
便益比率と、
投資所得比率によ
つて経済効果を考えて行くのでございます。これをちよつと簡単にわかりやすく申しますと、費用の
便益比率というものは、
施設を作りまして、その
施設が生むところの
生産額、或いは
輸送施設でありますれば、
輸送量その他いろいろの問題がございます。こういうようなものから上ります
生産の
便益額と申しますか、その額と、その
施設を維持
運営する費用、即ち
管理費、
補修費、
利子償却費、こういうようなものと比較して、その
採算のいいものがやはりよろしい。やはりそれを維持
運営することが赤字であると困るというのが大体この
便益比率の
考え方でございます。そういう
採算をとるものの中でも、又
投資所得比率のよいものが一番望ましい。
投資所得比率という
考え方も、これはこういう公益的な
仕事でございますので、純然たる資本主義的な
考え方でなくして国家の
所得総額、
国民所得の総額の
増加額と申しますか、この
施設をやりましたために国民的な立場においてどういう利益が起
つて来たか、それに対してその
施設を建設いたします
投資額はどの割合にかかるものであるかというふうな比較をやりまして、そういう利益の多いものを成るべく少い
建設費で賄えれば一番これが望ましい
施設である。まあこういうふうな構想に
なつております。プリンシプル的な
考え方は極めて簡単でありまするが、これらの便益というものをどういう範囲に考えるか、これは直接的なもの、間接的なものをどの
程度にまで考えるか、或いは
経費のほうにおいても河川とか道路というものの償却というものは、どういう年限で考えたらいいのか、或いは一応
利子率を考えた場合に、利子はどの
程度考えたらいいか、いろいろそこに各
フアクターごとに問題がたくさんあるわけでございますが、一応そういうものを十分研究いたされまして、
一つの
フォームができ上りました。その
フォームがただ理論倒れになりまして現実に間に合わないといけないというので、これを
各省に
調査検討願いまして、大体この
程度ならばよいであろうという一応の方式ができたわけでございます。これはすでにもう各
府県に対しましても、
説明会をいたしまして、各
府県もこの趣旨に
従つて立案をしております。こういうやり方をいたしますと、従来ともいたしましたようなこの
公共事業費その他につきまして
経費の
ふつかけをするというようなことになりますと、いわゆる
経費の
ふつかけをいたしますと、
投資額は殖えるわけでありますので、いわゆる
投資所得比率が悪くなりますので、成るべく各
府県が立案をいたします場合に
経費を少くして、その
効果を上げて行くという工夫をすることに
なつて来なくちやならんと存じております。こういう意味で非常なこれは画期的な意味のありますることをや
つておるのでありますが、何しろ初めてでございますし、まだいろいろの点において議論があると存じますが、一応今できました案に基きましてや
つて見まして、実情に応じて今後どしどし修正、訂正、改善を加えて行きたいと存じております。これにつきましても、この
資料の中に
経済効果測定方法についてという一冊の冊子にまとま
つておりますので、後ほどひまのときにお読みを頂きますれば非常に結構と思います。
次が
特定地域指定の基準でございます。これもお
手許に差上げてございます
資料の中に詳しいのが出ておるのでございますが、大体これの
骨子を申上げますると、
特定地域で考えておりますのは、やはり
重要資源の
開発地域、それから
国土保全として重要な
地域、それから
大都市周辺地域で輸送その他いろいろの点で工場の
生産が停滞しておるというような所の改善をやるというふうな
地域、そのほか
観光地帯とか、いろいろな地帯も考えられまするが、一応四種類のこの
特定地域というものを考えております。
資源については、先ほどの
審議会で
基本方針をきめまして、その趣旨に基きましてやはり
特定地域におきましても、動力とか食糧とか原材料には重点が置かれることは当然でございます。
災害についてもやはり相当その
地域が
経済力を持
つておりまして、そこが
災害を受けたことによ
つて日本全体に非常に大きな悪影響を及ぼす、又
大都市の
周辺地域についてもそういうふうなことでございますが、ただ
特定地域として考える場合には、これを
総合開発計画でそういう点を改善して行くというのが合理的であり、又国家全体から
経済的であるという
地域を考えるべきであ
つて、ただ広急のための一時的な所は
総合開発計画として取上げる必要はない、こういうふうに考えたわけであります。
次に7の昭和三十五年及び二十八年度までの
開発目標でございますが、これは
国土審議会におきまして、
最初の
基本方針といたしまして、二十八年までの第一期
計画は
自立経済審議会におきまして
結論を出しまして、その
生産目標に応じてや
つて行くというふうに一応
国土計画の
目標も
自立経済審議会の
生産目標に沿
つて考えることに
なつております。同時に
国土計画は僅か三年くらいでまとまるものがございませんので、大体十年
計画くらいならいいだろう、又
治山治水等については十年以上に延びるものもできますが、一応十年というもので
開発計画を或る
程度完成をして行くという
考え方をしようということになりまして、
地方では
開発計画を立て、それから第一期、第二期
計画というように分けてやることに
なつておりますが、この十年
計画を立てます場合におきましても、
目標をどこに置くかということで非常に
計画の立て方が違
つて来ますし、或いは優劣のきめ方が違
つて来るわけでありまして、
地方におきましても、十年
計画を立てる場合にも一応の
目標を
一つ与えてもらいたいということでありますので、
分科会におきましていろいろ
審議いたしましたが、十年後の
目標ということは余り細かくきめますと、時々刻刻に変
つて参ります
経済情勢から到底不可能であるということになりまして、大体
経済効果分科会におきまして十年後に
なつてもとにかくここ
暫らく日本としては絶対に必要なものを解決して行くということで、大体十年後の
開発目標というものは、
主要食料と
エネルギーと木材と塩と、
主要地下資源の
開発ということを
骨子として行くという
一つの
方針をきめたわけでございます。結局十カ年
開発計画というものは、以上申しましたようなものと、更に
治山治水の
災害の防除というようなことが十年
開発計画の
骨子になるわけでございます。然らば十年後のこういうものにつきまする
増産目標をどういう
程度に置いたかということを簡単に御
説明を申上げます。そこに十年後における
開発目標というものがございますが、これをちよつと簡単に御
説明を申上げます。
先ず第一に
主要食糧でございますが、米につきましては、大体
供給量というのがその
目標に
なつておるのでございます。米が大体八千百万石、麦が三千七百万石でございます。合わせますと大体一億二千万石まで
増産をして行く、勿論これは単なる
開発で皆これだけの
増産を……大体現在米麦合わせますと約八千万石でございますので、大体三千九百万石ぐらいの
増産をするということでございますが、これを全部
国土の
開発、いわゆる開墾、干拓でや
つて行くというふうなことでなくて、一応その中の二千百万石を、
あとは農業の
技術改善によ
つて或いは肥料の製造とかいろいろのことでや
つて行くということで
計画を立案することに
なつております。その次に
エネルギーでございますが、この
エネルギーの中で一番
国土開発計画と
関係の大きい電気の、裏に
なつております水力のほうを御
説明申上げます。裏の頁を
一つ御覧下さい。これは水力は上のほうが新規に
なつておりまして、これが七百三十八万
キロワツトでございますが、現在は六百四十八万
キロワツトでございます。それで一応七百万
程度の
キロワツトに殖やして行くということに
なつております。それから塩は二百四十六万四千トンというものが
増産目標に
なつております。それから鉄鉱は、その次の頁の一番下に書いてございますが、一応
供給量といたしまして百四十万トン、亜鉛が十一万二千トン、それから硫黄が十六万トンですか、
硫化鉱が百二十六万トン。それから木材が、大体用材が六千九百四十五万石、
薪炭林が七千二百三十六万石というふうに一応出たのでございます。これは
結論だけ出しますと極めて簡単でございますが、この作業をいたしますにしても、一応政府におきましての
目標ということになりますと、或る
程度の
合理性を持たして考えて行かなければなりませんので、相当な苦心をいたしまして、
専門家にお集まりを願いまして考えたのでございますが、勿論これは十年後のいろいろの前提、推定が入
つておりますので、決してがつちりした
数字でございませんので、一応
地方というものが
開発計画を考えるときに、
日本の国全体としてはこれだけの
程度のものが一応合理的にできれば欲しいという
数字がこれに出て来たのであります。これと
あとで御
説明いたしますが、建設に出すことができますところの資金の力、金がどの
程度財政に出し得るかということから、
日本の
国土計画の
規模が、方向がきま
つて来たわけでございます。
次に
技術分科会でございますが、これはここに書いてございまするように、先ず
最初に
国土計画に対して相当必要な
緊要度を持
つておりまするいろいろの試験、研究のような課題がございまするので、それを
各省と
打合せまして整理いたしまして、今
文部省その他
各省にその試験、研究を移しつつあります。これはまあ
文部省がこういう方面の基本研究をやることになりまして、応用研究を
各省がやるということになりまして、予算がそれぞれ
各省についてございますので、
国土計画の立場につきましてもいろいろの考えなくちやならん問題につきまして整理をいたしまして、
審議会にかけまして、
総理大臣にお願いをいたしまして、
各省に依頼しておるのでございます。その次に
経済効果分科会から依頼されましたこの
公共施設の耐用年限の検討をしたことでございます。これは先ほど申しましたように、
経済効果を考えますときに、この耐用年限をどういうふうに考えて行くかということが、非常に根本問題の
一つに
なつて来るわけでありますが、これは一般の産業
施設につきましては、大蔵省が税の立場から
一つの基準を持
つておつたのでありますが、道路、河川というような
公共施設につきましては全然そういうものがなかつたのであります。これを
技術分科会で技術的に取上げまして、
一つの案を作りまして、これも決定したわけでございます。
次が
人口推計でございますが、これは
人口分科会と、それから厚生省の人口研究所におきまして、十年後の人口増加というものの推定をしたのでございます。これは
あとから表が出ておりますので、御覧を願いたいと思いますが、現在八千三百二十万人ほどおるのが、十年後には九千五百万、大体一千二百万人の人が自然増加をするというふうに考えておりますが、これの今
地方別な流動
状況、或いは雇用
状況というものも、
国土計画の立場からは一応考慮する必要がございますので、その
調査を進めておるわけでございます。
最後に資金
関係でございますが、現在十年後までの資金
計画の推定はなかなか困難でございますので、今いろいろの
専門家が集まりまして、一応の推定を出しておりますが、取りあえず第一期の三カ年の資金
計画は、
自立経済審議会におきまして一応の推定ができましたので、その
数字を受けまして、
国土計画のほうにおきましても、その資金の枠で
国土計画のスケールを考えようじやないかということに
なつております。これはお
手許に
資料が、
資金供給見込というのが、折り込んだ薄いペらぺらの紙のが一枚ございますが、これを
一つ御覧願いますと、大体この三カ年間のこういうものに対しまする資金の供給財源といたしまして、
公共事業費が二十六年、七年、八年を合せまして、国費、
地方費を合せまして、約七千億、それから公企業におきまして、これは国有林野と電通、国鉄、郵政でございますが、これが合せまして大体二千億、それから産業資金、これは農林、交通その他というのは、これは電気、石炭等でございますが、二つ合せまして約三千億、それから一般の公共住宅が三百億、合せまして一兆二千四百四十七億というスケールで考えておるわけでございます。これは勿論まだ外資の導入とか、見返資金とか、そういうものは全然考えてないのでございまして、一応のことでございますが、この
数字は
自立経済審議会のほうにおきまして一応の推定を願いました
数字を出しております。
大体以上でいろいろ
地方から
開発計画を具体的に、まあ
地方だけじやなくして、中央の立場から一応構想として考えて、一応どういうふうなことを考えておるか、どういうくらいの腹づもりであるかというふうなことを、
地方として
開発計画を立てますに必要なものは、以上申しました各
分科会できめまして
地方に流しておりますので、
地方はそれを趣旨として、それにまあ
地方の特殊事情等を加えまして、更に具体的ないろいろの希望を入れて、
開発計画は、すでに
審議会が各
地方にできて立案に着手しております。中央におきましてはこれらのみならず、更に
地方のいろいろの
開発計画が出て来ました場合に、それを総合調整いたしますためには、更に詳しいデータも必要でございますし、
考え方も必要でございますので、中央といたしましては又これを総合調整するに必要なるデータを整理いたしまして今後
開発計画の調整をやる場合に、或いは取捨選択をやりますときの基準になります基準データを皆まあ整理をしているような
状況でございます。これらの問題は安本、
各省が各ブロツク別に、各県と
打合せをいたしまして、或いは中央にも御賛成を願いまして、数回に亘りまして詳しくお話もいたしてありますし、意見も聞いてお
つて、
地方におきましてはすでに着々いろいろの
計画を進められておる
地域もございます。ただまあいろいろな
関係で相当こういうふうな掘下げました
国土計画を立てて行くということになりますと、短期間に作りますと、なかなか雑駁なものにもなる虞れがございますが、とい
つてどうも
計画ばかりで、余り実行にかかりませんと問題になりませんので、成るべく
地方としては努力してもらいまして、できるだけ
一つ二十七年度の
公共事業費の予算の編成までにはこの一期
計画の、或いは十カ年
計画の構想というものをまとめ上げて、予算の編成にそれを織込んで行く、
骨子にして行くというふうに
地方からも希望されまして、大体五月末日までにできるものは一応いたす、できないものは中間
報告をいたしてもらいまして、一応の構想をまとめようという段階に
なつておるような
状況でございます。
あとは今後の予定と組織等がございますが、これは先の表でも御
説明いたしましたし、その
審議会のあれも先ほどちよつと
説明をいたしましたので、御
説明を省略させて頂きます。
あとまあ利根のほうの問題もございますが、今私から御
説明申上げました点その他につきまして御質問でもございますればお答えいたします。