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政府委員(大久保太三郎君) それから円の面におきましてははつきりした記憶はございませんが、
貿易特別会計から引継がれました若干の円資金でスタートいたしました。ところがこの十二月、一月、二月、三月の四カ月の、言い換えますれば二十四
年度の
外貨の受け払いの当時の
計画でございますけれ
ども、当時の
計画といたしましては、受払い共にバランス、それでその
金額は四カ月に一億七千三百万
ドルであるという
見込でスタートを切
つたのでございます。ところが実際はこれとかなり食い違いまして、この四カ月の受取りは、
外貨の受取りは一億千八百万
ドル、支払いのほうが一億三千二百万
ドルで、差引きいたしまして八千六百万
ドル外貨の蓄積が生じたわけでございます。これはどういう理由かと考えて見ますると、
輸出は丁度十二月から民間
輸入に移行されまして、非常に手続も簡易となりました
関係で非常に予想外に促進された。ところが
輸入のサイドにおきましては、まだ一月から実施されました
外貨予算の制度、これが当初はどういうプログラムを作るかということで、かなりその検討に手間取りましたので、その発表がかなり時期がずれておる。それから
外貨の、特に
ドルの使用につきまして、昨今とは余程考え方が変りましたが、かなり保守的と申しますか、コンサアバテイブな
輸入方法がとられた。そういう結果こういう
実績に
なつたのではないかと思
つております。でこういう
外貨の受取り超過という
状況は、すぐに外為特別会計の円資金に響くわけでございます。外為特別会計といたしましては、
外貨の受取りがございますれば、その額だけ円の支払いが起る。
外貨の支払いがあればその額だけ直ちに円の収入が生ずる。円と
外貨と裏腹にな
つておる
関係でございます。ところがこの八千六百万
ドル、これを円に換算いたしますと三百十億円の円の支払超過になるわけですが、当時の
計画といたしましては、
貿易特別会計から入れて頂くという
計画であ
つたのでありますが、それが貿特の資金繰り等の
関係によりまして、変りまして、
日本銀行の借入金で百九十七億、それから
政府輸出の分でございますが、これが特別会計から
貿易特別会計の方へ支払うべき金が百十三億であ
つたのでございますが、これを次の
年度に繰延べまして、つまり日銀の
年度越しの借入れを百九十七億、今の貿特への支払いの繰延べを百十三億こういたしまして、その三百十億の一円の歳入不足を賄
つて行く、そういうことにいたしましたわけでございます。本
年度に入りましてからのこの収支の
状況を申上げますと、これは本
年度の補正
予算とも関連いたしまして、他の
委員会におきましては御
説明申上げた点でございまするけれ
ども、簡單に申上げますと、円の収入即ちこれは
外貨の払いでございますけれ
ども、これが非常に予想よりも少い。一方為替の買取り、即ち円の支払いのほうは
輸出の増進を反映いたしまして非常に殖えて参
つたのでございます。支払いのほうから申しますと、四月に二百二十億、これは外国為替買取費でございます。つまり
輸出によるビルの買取り、それから
特需による円資金の供給、つまり
ドルを対価といたしまして円資金を供給いたします。それから
貿易外の受取り、これを全部含めてでございますが、四月に二百二十億、五月に二百四十六億、六月に二百五十億、七月に二百八十億、この辺までは大体少しづつ毎月殖えて参りました。補正前の
予算におきましては、この買取費を月二百二十億ぐらい見てお
つたわけでございますが、予想
通り参りましたのが四、五月頃だけでございます。八月になりまして確かに
朝鮮事変の影響が現われて参りまして、三百四十四億、それから九月は
輸出の
関係で心持ち減りまして三百三十五億、十月になりまして四百四十二億、台替りいたしまして、十一月も依然として伸張いたしまして四百七十四億、十二月はまだ
実績が出ておりませんが、予想を加えまして四百五十億前後じやないかと見ております。それから収入の面でございますけれ
ども、
輸入の当時の遅延が響きまして四月には三十三億、五月に百九十六億、六月に二百四十一億、七月に百十二億、八月に三百三十九億、こういう
数字でございます。かなりまあ支払いのほうに比べまして時期的なズレと総額の減少が認められます。九月になりまして……。それまでに八月までのことをまとめて申上げたほうがおわかりになり易いと思いますが、そうい
つたように歳入の歳出に対する不足というものが当初からずつと現われて参りまして、四月には百八十億
見当、五月には五十一億、六月十五億と減りましたが、七月には百五十九億、八月には六億と非常に凸凹でございますけれ
ども、歳入不足がずつと八月まで毎月多少とも現われて参りました。これを賄いますために、外為といたしましては当初の
予算で与えられております五百億の借入限度を使用いたしまして日銀借入、或いは国庫余祐金の繰替使用、或いはたしか七月頃と思いますが、外国為替資金証券、これの発行によりまして円の不足をカバーして参
つたのであります。ついでに申上げますと、これは月末の残高でございますが、四月には百九十四億の一時借入金、五月には三百二十二億の一時借入金、六月には二百六十七借、七月に四百十七億、八月に四百二十五億、借入限度を僅かに七十五億を残す
状態に
なつたのでございます。九月になりまして先ほど
ちよつと申上げましたように、下旬に日銀のユーザンス制度というものが実施されまして、この制度におきましては、為替銀行が信用状を発行いたしますと、その信用状の全額につきまして
日本銀行から
外貨を借入れる、
日本銀行はその
外貨を為替特別会計から買入れる。その際に円を為替特別会計に支払
つてくれるわけでございますが、本来ならば為替特別会計に円の入りますのは信用状の開設後約二カ月遅れまして、船積書類が
到着しましたときに為替銀行はお客から、業者から円を取りまして、それで外為特別会計にその円を入れて決済するというのでございますから、つまりこの会計の円の収入の面におきましては 約二カ月分の信用状につきまして円資金を前取りするという方法でございますので、そういうシステムができました九月におきましては、先ほど御
説明申上げましたように、日銀に売為替をいたしました代金として百一億入りました。そういう
関係がございまして、俄然この円資金の
状況は非常に楽になりました。この制度のできます前日は僅か三億円ぐらいしか残高がなか
つたのでございますが、俄然殖えまして、九月の歳入は先程申上げましたが、歳出のほうは三百三十七億……。