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1951-07-13 第10回国会 参議院 外務委員打合会 閉会後第1号
公式Web版
会議録情報
0
昭和二十六年七月十三日(金曜日) 午前十時四十三分開会 ――――――――――――― 本日の
会議
に付した事件 ○
講和
に関連する諸問題並びに
国際情
勢等
に関する
調査
の件 (対
日講和条約草案
に関する件) ―――――――――――――
大隈信幸
1
○
委員長
(
大隈信幸
君) それでは
只今
から
外務委員打合会
を開きます。今日は
講和
に関連する諸問題並びに
国際情勢等
に関する
調査
の
継続
をいたすわけでありますが、御
承知
の
よう
にこないだの十日に
AP電
といたしまして、対
日講和条約
の
草案
の
発表
がございましたし、引続きまして今暁正式にこの
草案
が
発表
されたわけでございまして、これによりまして
日本
が現在及び将来に亘
つて
影響するところは非常に大きなものがあるわけであ
つて
、
国民
は全
国民
挙げて非常な関心を持
つて
これに対しているわけでございますので、参議院といたしましても、特に
外務委員会
といたしましても、早速この問題を取上げまして、今日からこれを
研究
して行きたいと思います。どうぞ
政府側
におきましても、遠慮なく御
意見
の御
発表
を頂きたい。と同時に、
委員
の
各位
にも熱心に御出席を頂きまして、御協力を頂きたいということを
最初
に申上げたいと思います。
政務局長
、何か御
発言
がございましたらお願いいたします。
島津久大
2
○
説明員
(
島津久大君
) お手許に今暁
発表
になりました
日本国
との
平和条約
の
草案
、これの外務省で
仮訳
をいたしましたものを差上げてございます。この
草案
が
発表
になりまして、今後これにつきまして、配付を受けた各国から又
意見
が出ることと考えられます。従いましてこれが
平和条約
の最終的な案とは勿論考えられないのでございますが、大体まあ
条約
上今日まで主要な点について
十分ダレス大使
を
中心
として討議が尽された模様でありますから、大きな違いは先ずないものではないかと想像いたします。又そういう
よう
な
関係国
の
意見
が集まりましてその上で
最終案
ができまして、九月早々に
調印
の運びになる予定と聞いておりますから、従いまして私
ども事務当局
といたしましても、できる限り迅速にこの
草案
につきまして
研究
を進めまして、
国会
の御
研究
に資したいと考えておるのでございます。何分今日出ましたばかりで、十分まだ
検討
を尽しておりません。従いましてこれに関連しまして種々
資料
が必要と存じます。これもできる限り速かに整備いたしまして、御参考に供したいと考えます。従いましてこの際
草案
全体につきまして逐条的に御
説明
申上げるのも如何かと考えますので、或いは御
質問
によりまして、今日の段階におきまして御答弁申上げられる点は申上げるということにいたしたいと思います。極く大まかな点だけを
最初
に極く短時間に概括的な御
説明
だけは順序といたしまして申上げることにいたしたいと思います。 この
草案
全体につきまして、
ダレス大使
が最近声明を
発表
されておるのであります。その
趣旨
によりますると、この
草案
を
作つた手続
というものが、多数の
関係国
の
会議
によらないで、個別的な折衝によつたということが、第一点として挙げられております。第二点といたしましては、
日本
に対して将来永久に亘る制限というものを課さないという
特徴
が挙げられておるのであります。大体この
草案
を見ますというと、制限的なものが殆んど全く出て参らないのであります。これは大きな
特徴
であろうと考えられます。そういたしまして全体から見まして、
前文
ではこの
条約
を結ぶ
日本
乃至は
連合国
の意図、目的、そういうものが調われておるのであります。これは
前文
にある
通り
でございまして、特に御
説明
の必要はなかろうかと存じます。 次に章を分けて申上げますと、第一章は、
戰争状態
の終結であります。第二章は、
領土条項
であります。ここに(a)から(f)まで列挙いたしております
よう
に、
日本
の
領土
から離れる
地域
というものが列挙されておるのであります。従来いろいろ報道がございましたが、とれによ
つて
正確にどこどこが離れるということがわかるわけであります。
領土
に関連いたしまして、北緯二十九度
以南
については特別に一条を設けてございます。
地域
に次ぎまして、
日本
から離れる
地域
、或いはこれに準ずる
地域
と
日本本土
との間の
財産
の
承継相続
、そういう
よう
な
関係
の
条項
が入
つて
おります。これは将来
日本国
とそういう
当局
との特別の取りきめによるということが謳われておりますので、これは
講和条約
が成立いたしました後の問題に残されることと考えられます。 第三章安全に関しましては
專ら国連憲章
の
原則
が基本にな
つて
おるのでありまして、
国連憲章
第二条に掲げた
義務
のうち、特に、こういう
よう
な
義務
を受諾するということが、第五条の
冒頭
に掲げてございます。これは御
承知
の
よう
に、第二条に
原則
が一項から七項まであるのでございます。そのうちの第三、第四、第五この主要な
条項
が、この
条文
の(a)の(i)(
ii
)(i
ii
)この三項に大体そのまま盛られておるのであります。
日本
がそういう
よう
な
義務
を受諾いたしますと同時に、
連合国
は
日本
との
関係
においてこの第二条の
原則
に従うべきことを
確認
すると申しまして、これは五条の(b)でございますが、
連合国側
も又この
原則
に従うということを
確認
いたしたのでございます。その(c)項といたしまして、
憲章
第五十一条に掲げた個別的又は
集団的自衛
の、固有の
権利
を有すること、及び
日本国
が集団的安全保障取りきめを自発的に締結できることを承認するという重要な一項が加わ
つて
おります。次に第六条といたしまして、
占領軍
の撤退、
外国軍隊
の駐屯、それに関連いたしまして、
占領軍
が保有しております
財産
の
返還
、そういう
よう
な
規定
が出て参るのでございます。以上が安全に関する
条項
であります。 第四章は
政治
及び
経済条項
でございまして、第七条には二国間の
条約
の復活に関して
規定
いたしております。第八条は従前の諸種の
条約関係
と
日本
との
関係
というものを謳
つて
おるのでございまして、例えば(a)項におきましては第二次
大戰後
の
戰争状態終了
乃至は
平和回復
のための取りきめ、この
効力
の承認の問題、(b)項につきましては
コンゴー盆地
、
ダーダネルスボスフオラス海峡
の船舶の
航行
に関する問題、乃至はローザンヌの
条約
、即ちトルコの
領土
に関する
関係
、乃至は
ドイツ
の
賠償支払
に関する
関係
、そういうものの
関係
が語
つて
ございます。九条は
漁業
。十条は
中国
における
日本
の
特権関係
。第十一条は戰犯、十二条は
日本
が
経済関係
の
協定
を将来
連全国
と結ぶ用意があるか、その間の
協定
ができるまでの間どういう
措置
をとるか、
最恵国待遇
、その他の具体的な
暫定掛冠
について
規定
をいたしております。十三条は
航空
の問題であります。以上が
政治
乃至
経済関係
の
条項
であります。 次の章、第五章に参りますと、
請求権
と
財産
の問題でございます。
冒頭
に、
日本
が
原則
として
賠償
を支払うべきであるけれども、実際は
弁済
の
能力
に欠けておるということを申しまして、
尤も次
の
よう
なことはしなければならんということで、
賠償
に関連しまして、最も
損害
を受けた国との間に今後
交渉
をするという形にな
つて
おります。同時に
在外財産
の
処置
、それに関する
例外
、そういう
よう
な具体的な
規定
がございます。そういたしまして、この
賠償
、或いは
在外財産
の
規定
の
最後
に、十四条の
最後
でありますが、この
条約
による
規定
、この
条約
による
関係
の
規定
がない場合には、
連合国
はすべての
請求権
を
放棄
する。つまりこの
条約
に書かれた以外には
請求権
はもうないのだということが明らかにされております。第十五条は
在日連合国財産
の
処置
でありまして、
手続
乃至はその
返還
のいたし
よう
が書いてあるわけであります。これに続きまして
工業所有権
、
著作権
の問題、そういう問題が挙げられております。第十六条になりますと、
捕虜
の
補償
の問題でありまして、その
補償
について如何なる財源を使うかということになりますと、
戰争中
の
中立国
、乃至は旧敵国にある
日本
の
財産
を
国際赤十字
に引渡す。そうしてその
補償
に充てるという
趣旨
であります。そのほか
捕獲審検所
の問題、乃至は
戰争状態存在
前に存在した
義務
及び契約の
処置
、或いは
対外債務
の問題これが十八条であります。第十九条は
日本
の
請求権
の
放棄
、乃至は
日独
間の
請求権
の問題。第二十条は
ドイツ財産
の処分の
関係
であります。二十一条になりますと、ここに
中国
と
朝鮮
はこれこれの
利益
を受ける。つまり
中国
につきましては
特殊権益
を
日本
が
放棄
するということ、これは十条、それから
日本
の
在外資産
の問題、これは第十四条の(a)2でございます。そういう
利益
を受ける。入らない場合にもこういう
利益
を受ける。
朝鮮
はこの
条約
の第二条独立であります。領域の
条項
の初めに出て参ります。それと第九条
漁業
及び第十二条
通商関係
の
最恵国待遇
の問題、こういう
よう
な
利益
を受ける資格を持つということが書かれております。 第六章は
紛争
の解決でありまして、国際司法裁判所の
関係
が二十二条であります。 第七章は
最終条項
でありまして、二十三条の初めは発効の条件であります。二十四条は
批准書
の寄託。二十五条は
只今
申上げました
よう
な
連合国
の
定義
であります。この
条約
で
連合国
と申しますのは、
日本
に対して
戰争状態
にある国であ
つて
、この
条約
に署名し、且つ批准したものをいう、これが
連合国
という
定義
になるわけであります。従来
連合国
の
定義
につきましては明確でなかつた点が多いと思うのであります。この
条約
の上から責任が明確にな
つて
参るわけであります。二十六条は
加入
乃至別途
条約
の締結。 大体以上が
草案
の本文になるわけでありまして、これ以外に
宣言
といたしまして、
二つ
に分かれた
宣言
がなされる。これは
日本側
が、
日本国政府側
が
宣言
する形式でありまして、第一の
宣言
は
加入国
間の
国際文書
、多数
国条約
の
関係
でありまして、この二項に、
条約
の
効力発生
の後六カ月以内に、次の
よう
な
国際文書
に正式に
加入
する
意向
であるという
趣旨
を
日本
が
宣言
するわけでありまして、その
意向
として、その
内容
としまして、(1)から(9)までの
条約協定
その他が掲げられておるのでありまして、麻薬、或いは
裁判関係
、
経済統計
、税関の
関係
、
航空
、或いは海上の人命安全、
戰争犠牲者
の保護、その他の
条約
が掲げられておるのでありまして、かなり多数且つ厖大な
内容
をなすものであります。 次の
害言
はここにお読みになります
通り
、戰死者の墓、墓地、
記念碑
という
関係
でありまして、これに関しまして
連合国
で
委員会
、
代表団
、そういう機関ができますとしまして
日本側
は必要となることのある
協定
を締結するために
交渉
を行うということが
日本政府
の立場から
宣言
されるというわけであります。 極くあらましでございますが、一応の御
説明
は以上の
通り
であります。
大隈信幸
3
○
委員長
(
大隈信幸
君) 御
質問
ございましたら……。
曾禰益
4
○
曾祢益
君 私は先ほど
委員長
が仰せられた
よう
に、従来この
委員会
におきまして
講和
問題に関する
継続
的な
研究
をしておりました
関係
で、このいよいよ公表されました
米英共同草案
に関する
研究
を今日から続けてや
つて
頂きたいと存ずるのであります。なお又根本問題といたしましては、私たちの会派のほうでは
政府
に対しまして速かに
臨時国会
を開催いたしまして
調印
前におきましてもこの
条約
の正式の審議といいますか、
予備審査
といいまするか、
政府
から
提案
してもら
つて
審査するということを
政府
に要求したいと思
つて
おるのでございます。併しそれはそれといたしまして、先ほど申しました
よう
に、
委員会
の
継続研究
の一環といたしまして是非この会合が引続き行われることに賛成でございます。そこで本日は
只今政府委員
から簡単な御
説明
がありましたし、まだ十分に
資料
も頂いておりませんので余り詳しい御
質問
は差控えたいと存じます。そうしてこれは各
条項別
に非常に詳細な
研究
をして行かなければならないと存ずるのでありまするが、今日はさ
よう
なわけと、又一面におきまして
同僚委員各位
も余り多数おいでにな
つて
おらない
関係
もございまするので、二、三の点につきまして
政府委員
の御
意見
を伺いたいと存じます。続けて
質問
してよろしうございますか。
大隈信幸
5
○
委員長
(
大隈信幸
君) どうぞ。
曾禰益
6
○
曾祢益
君 それでは余り系統立てずに、あちらこちらピツク・アツプして二、三
質問
させて頂きたいと思います。 この第二章の
領土
の問題についてでありまするが、先ず第二条の
権利
、
権原
及び
請求権
を
放棄
することでございまするが、この
権利
、
権原
及び
請求権
というのは、
領土権
その他どの
程度
のものを普通に
権利
、
権原
及び
請求権
と
条約用語
として使
つて
おるのでございまし
よう
か。それと第四条との
関係
におきまして個別的にいろいろな
請求権
の問題があると思うのでありますが、殊に
日本
から分離します
朝鮮等
につきまして、
領土権
を第二条の(a)によ
つて日本
が
放棄
することは、これははつきりしていると思いますが、それに附随するいろいろな公の
不動産
、動産それらの問題、
債務
の
継承
の問題、個人の
請求権
の問題、これらの
関係
は第二条、第四条との
関係
でごどうなるのかということを
ちよ
つと概括的に御
説明
願いたいと思います。
島津久大
7
○
説明員
(
島津久大君
) この第二章の
書きよう
でありますが、大体
権利
、
権原
、
請求権
ということにな
つて
おりますが、これは従来私も
前例等
を詳細
承知
いたしておりませんが、
領土
が離れる場合大体こういう
よう
な
書きよう
を従来の
条約
でしておる
よう
に
承知
しております。こういう
地域
に対する主権が移るという
よう
なことでなくて、こういう
よう
なすべての、英文ではライト・タイトル・アンド・クレイム、そういう
よう
な実際
上領土権
を主体とした公法的な
権利
、それが二十二条に謳
つて
あると一応考えております。四条はむしろ私法上の問題が主ではないかと考えております。なお併し、この問題は
十分実例等
につきまして
検討
をいたさないと確定的なことは申上げられないのであります。
曾禰益
8
○
曾祢益
君 大体今の御
説明
で第二条のほうの
権利
、
権原
及び
請求権
は、主として
領土権
を
中心
とした公法的な
権利
である。而して
権利
、
権原
及び
請求
、権というものは、
慣例語
であるか使
つて
おるのだ、こういう御
説明
であり、又第四条のほうは、主として私的な
請求権
のことというふうにお考えの
よう
でございまするが、その御
意見
はわかりましたが、重要なことでありまするから、十分に
先例等
も御
研究
の上で、又その中間に位するのではなかろうかと思ういろいろな、例えば公法的な
権利
の中に
国有鉄道
とかその他
不動産
、こういう
不動産
がどうなる。或いは逆に
日本
の負
つて
お
つた債務
の
継承
は
分離国側
のほうに負わせるのか負わせないのか、これらの問題についての
先例
並びに御
解釈
を御
研究願つて
、
あと
でお答え頂きたいと思います。 それから第三条でありまするが、第三条は第二条と
違つて
、いわゆる
権利
、
権原
及び
請求権
を
放棄
すると、
領土権放棄
という形をと
つて
おらない
よう
に見受けられます。そこで第三条の
意味
するところは、
二つ
の
義務
を
日本
に課しておる。第一は、これら二十九度
以南
の
地域
を、
アメリカ
合衆国を唯一の
施政権者
とする
信託統治
に置くことの
国際連合
に対する
アメリカ
の
提案
に同意する。これは
信託統治制度
の下に置こうという
アメリカ
の
提案
はまだ出されてないのでありまして、当然にこれは
講和
後になると思うのであります。その
提案
があつた場合には同意するというあらかじめの同意をここに与えておることが
一つ
。いま
一つ
は、その
提案
が行われ、或いは行われないかも知れないのですが、行われ且つ可決するまでの間は、合衆国が現状の
よう
に一切の
権利
を、権力を行使することを
日本
が認める。この
二つ
の
義務
を
日本
が負
つて
おる
よう
に思うのでありますが、これらの
関係
におきまして
領土権
の
放棄
のことを謳
つて
おらないのは、第二条と異な
つて
おるのは如何に
解釈
すべきか、
領土権
は将来
日本
に返るという
意味
のことをも、この
規定
の
趣旨
から見ればその余地が残
つて
おると
解釈
すべきか、して差支えないかどうか、この点は如何でございまし
よう
か。
島津久大
9
○
説明員
(
島津久大君
)
只今
御
指摘
の第三条の
関係
の御
意見
の点は、まあ大変重要な問題でございまして、
ちよ
つとこの
解釈
を簡単には申上げかねると思うのでありますが、殊にまあ
信託統治
の
性質如何
、或いはその態様という
よう
な問題も関連すると存じますので、この点は
十分研究
をさして頂きたいと思います。
曾禰益
10
○
曾祢益
君 それでは御回答は
あと
で願うことにいたします。第十条の
中国関係
の
権利
の
放棄
でありまするが、これは具体的に言いますというと、
北京最終議定書
及びその
附属書等
から生ずる「特典及び
特権
を含む
中国
におけるすべての特殊の
権利
及び
利益
を
放棄
し、」こういうことでありまするが、これはいろいろな広汎な
権利
があると思うのですが、簡単に言うならば、従来
言つて
お
つた治外法権
とか、或いは
北京議定書
に基く
駐兵権
とか、そういういわゆる不
対等条約
に基く一切の
特権
と、こういう
意味
なのか、それともどういうふうに
解釈
したらいいかお伺いしたいると思います。
島津久大
11
○
説明員
(
島津久大君
) 第十条につきましては、
曾祢委員
のお説と同様に考えております。
曾禰益
12
○
曾祢益
君
内国民待遇
を与える場合に、
日本
として或る種の
産業
やなんかについて
相互主義
によるほかは、絶対的に
内国民待遇
を与えなければいけないものであるかどうか。従来の
日本
の
法制
は終戰後大分改正されまして殆んど一切の、公的な
権利
は別といたしまして、
政治
的の
発言権
というのは別といたしまして、一切の
産業等
に対する
日本
人だけに限
つて
おる
よう
な
法制
は、殆んどやめたというふうに私は記憶しているのですが、例えば
鉱業権
、マイニングですね、こういうものとかいろいろあると思いますが、これは
相互主義
に従うという限りにおいては、一切
内国待遇
を与えなければならないのか、それとも或る種の
産業
については
例外
たり得るがどうか、如何ですか。
島津久大
13
○
説明員
(
島津久大君
)
只今
の点は、これは勿論
原則
としまして
相互主義
に基くわけでございますが、これは十二条の(d)を御覧になりますと、「この条の適用上、
差別的措置
であ
つて
、その
措置
がそれを適用する
当事国
の
通商条約
に通常
規定
されている
例外
に基くか、あるいはその
当事国
の対外的の
財政状態
又は
国際収支
(海運若しくは航海に関するものを除く。)を守る必要に基くか、あるいは重大な安全上の
利益
を維持する必要に基いており、且つ、その
措置
が事態に相応しており且つはしいままな又は不合理な方法で適用されるものでないものは、それぞれ
内国民待遇
又は
最恵国待遇
の許与を害するものとは認めない。」という
例外
はあるわけであります。
曾禰益
14
○
曾祢益
君 そこでこの(d)の
解釈
なんですが、
通商条約
に通常
規定
されておる
例外
とは
例養
いろいろあるのであります、例えば
内川航行
は当然の
例外
として
内国民待遇
は與えなくてもいいわけですね。その他のその
あと
に書いてある、「あるいは」以下の「その
当事国
の対外的の
財政状態
又は
国際収支
」「あるいは重大な安全上の
利益
を維持する必要に基いており、且つ、」まあ妥当なものについてはいいというのですが、その
解釈
には一体国際的にそうはつきりした
基準
があるのですか。こういうことを設けておいて、
日本
から見れば妥当だと
言つて
或る種の
産業
は
内国民待遇
をしないといつた場合、
同様紛争
の種になる虞れはないかということを伺いたい。
島津久大
15
○
説明員
(
島津久大君
) 最近締結されております
通商条約
には大体の
基準
ができておると
承知
いたします。具体的のことは
只今資料
を持
つて
おりません。
曾禰益
16
○
曾祢益
君 わかりました。第十四条ですが、(a)にある「
連合国
に対して適当な
賠償
を行い、且つ、同時にその負担する他の
債務
を
弁済
する
能力
に欠けていることが認められる。」このところですが、「
連合国
に対して適当な
賠償
」のほうはわかりますが、「その負担する他の
債務
を
弁済
」というのは
占領費
という
よう
なことがすぐ頭に浮ぶのですが、その他どういうものを予想しておるかということはおわかりでし
よう
か。
島津久大
17
○
説明員
(
島津久大君
) これはどの
債務
という限定した、或いは具体的に明確にされておりませんので、大体一切の
債務
ということになると思うのでございますが、何がこれに当るかということは、まあ大体
アメリカ
の例を取
つて
見ますと、
アメリカ
に負
つて
ある
債務
で
弁済
すべきものを想像すればそういう見当だろうと思います。はつきりしたることはまだ申上げられません。
曾禰益
18
○
曾祢益
君 私の開き方が非常に廻りくどかつたと思うのですが、当然に
占領費
のごときは含んでおると思いますが、そのほかに
日本側
から見て
日本国
の
債務
と
言つて
ある限りは
対外債務
、それから
国民
……まあ
対外債務
、つまり公債とかその他の
弁済
の
能力
がないというふうに、若し
規定
がそういう
意味
ならば非常に有難い
規定
になるわけなんで、どの
程度
これを
解釈
するかということはその後にいろいろ
例外
としてやらなきやならない
補償等
に関連して非常に重大な問題となると思いますので、その点を伺いたいわけです。
島津久大
19
○
説明員
(
島津久大君
)
債務
につきましては、先ほど概括的な御
説明
を申上げました際に、十四条の一番末項であります(b)、二十頁の一番
最後
に、こういう場合を除いた
債務
ということにな
つて
おります。十四条は、「この
条約
に別段の定がある場合を除き、
連合国
は、
連合国
のすべての
賠償請求権
、
戰争遂行
中に
日本国
及び
日本国民
が
とつ
た行動から生ずる
連合国
及び
連合国民
の他の
請求権並び
に
占領
の直接
軍事費
に関する
連合国
の
請求権
を
放棄
する。」この
条約
に書いてある場合だけということになります。
曾禰益
20
○
曾祢益
君 そうしますと
賠償請求権
のほかにここにある負担する他の
債務
というものは、
賠償請求権
のほかは、(b)に書いてあるものが
補償債務
と、こういう
意味
ですか。
島津久大
21
○
説明員
(
島津久大君
) (b)に書いてある
よう
なものを除いた
債務
でございます。
曾禰益
22
○
曾祢益
君 除いた
債務
……。そうじやないんでし
よう
。ここはですね、一般的に
賠償
とか
損失補償
とか
占領費
とかということをやる
能力
がない。
債務
の免除で本
債務
の
確認
でもないわけですね。非常にだから幅の広い、
能力
がないんだというのだから、これは
日本
から見ればいろいろな
債務
をここにあれも払わなきやならない、これも払わなきやならない、だから或る種の国から
言つて
来る
よう
な特殊な
補償
も
原則
としてはできないのだという有利な
規定
じやないかと思うから、
債務
というのはこれは幅広く
解釈
することができるんじやないか。然る上で(b)のところでこの
条約
に明定した
義務
以外は
放棄
してくれているわけでし
よう
。ここはだから
債務
の
確認
でもなければ押付けでもなく、
能力
がないんだ、それを同時にやることは……、そうじやないんですか。
島津久大
23
○
説明員
(
島津久大君
)
只今
の御
解釈
の
通り
と思います。この「他の
債務
を
弁済
する
能力
」というのは、
債務
を
弁済
する
能力
がないという点に重点があるので、その
債務
がなんであるかということはこれで明定してないと思いますが……。
曾禰益
24
○
曾祢益
君 そこでまあ
サービス
とか製造という
よう
なものによる
補償
の一端にするということですが、これはこの
条文
の精神から
言つて
、これらの
サービス等
については当然に
日本国
としては
無償
に提供すると、こういう
意味
なんですか。
島津久大
25
○
説明員
(
島津久大君
) これは
協定
の
内容
次第によると思うのであります。どういう形になりますか、これは今後の問題と考えられます。
曾禰益
26
○
曾祢益
君 それは
有償無償
という
よう
なことは、この
条項
のあれとしては
規定
されておらなくて、個別的な話合いによ
つて
きめらるべきものであると、か
よう
に
解釈
してよろしうございますか。
島津久大
27
○
説明員
(
島津久大君
) その
よう
に
解釈
いたしております。
曾禰益
28
○
曾祢益
君 この(a)の1による
日本国
の
義務
は、まあこういう
趣旨
により速かにここに
規定
された国、即ち
戰争中日本
に
占領
され且つ
損害
を与えられた
連合国
にして希望するもの、これとの間にこの
趣旨
で
交渉
に入るということだけのまあ
義務
の
よう
に思うのですが、
交渉
に入る以上は誠意を以てやることは当然でありますが、何カ月内に必ず作れという
よう
なことはこの
条項
からは必ずしも出て来ないと思うのですが……。
島津久大
29
○
説明員
(
島津久大君
) 文面上御
指摘
の
通り連合国
と速かに
交渉
を開始するものとするということで、それ以上に要求されておることはなるいと思います。
曾禰益
30
○
曾祢益
君
あと
もう少しお願いしたいのです。十六条の
戰争中
の
捕虜
に対する
補償
の一部に充てるこの
規定
でありますが、
中立国
にあつた主な
日本
及び
日本国民
の
資産
は
赤十字国際委員会
に引渡済じやないかと思うのですが、その点はどうなんですか。実情はどうなんですか。新たに引渡す
よう
なものが巨額にあるのですか。
島津久大
31
○
説明員
(
島津久大君
) その点は実情を取調べましてお答を申上げたいと思います。どの
程度
で引渡済であるか、或いはどの
よう
な段階にあるか、これは
調査
いたしたいと思います。
曾禰益
32
○
曾祢益
君 新聞にも何かこの
解釈
問題についての見解が出ておりましたが、二十三条の問題でありますが、この
効力発生
の要件である
日本
の批准及び主たる
占領
国としての、
アメリカ
を含めた
連合国
の、ここに掲げた
連合国
の過半数の批准の寄託ということが書いてあるのですが、これは若しここに掲げました国全部が
調印
しない場合には、ここに掲げた国の中で
調印
したものの過半数の批准寄託によ
つて
効力
を発生するものであるか。やはりここに掲げた十四カ国ですが、
アメリカ
を含む十四カ国の過半数の八カ国でなければ
効力
を発生しないのか。その点に関する御
解釈
はきまつたのですか。
島津久大
33
○
説明員
(
島津久大君
) 確定的な
解釈
はございません。
曾禰益
34
○
曾祢益
君 そうするとその点いずれ……併し重要なことですから有権的な
解釈
が速かになされなければならないと思いますが、適当な速かなる機会に伺えますか。
島津久大
35
○
説明員
(
島津久大君
) お説の
通り
大変重要な問題でございまして、当然これは確定的な
解釈
が下されると思うのであります。一応事務的に私どもの見ましたところでは文脈上は今後署名する国の名前がここに上るわけでございますから
調印
する国ということでよかろうかと考えておるのでありますが、いずれ確定次第御報告申上げます。
曾禰益
36
○
曾祢益
君 確定的なあれではないけれども、今ここに書いてあるのは仮定的に書いてある、正式に考えるとここに署名を現実にする国が書かれてあるから特別な場合には三カ国或いは一カ国という
よう
な場合もあるということを予想しておられるわけですか。
島津久大
37
○
説明員
(
島津久大君
) 一カ国、二カ国というほどまで極端には考えてはおりませんが、理窟から申すとそうなる。
曾禰益
38
○
曾祢益
君 署名する国……。
島津久大
39
○
説明員
(
島津久大君
) 署名する国です。
曾禰益
40
○
曾祢益
君 今は仮に十四カ国……。
島津久大
41
○
説明員
(
島津久大君
) そうです。
曾禰益
42
○
曾祢益
君 大体の御
趣旨
はわかりました。それから二十六条ですが、この
規定
はここに書いております
よう
に、
連合国
宣言
に署名し、又は
加入
しており、
日本
に対して
戰争状態
にあり、その
条約
の署名国でない国と
日本国
との間に
日本
はこの
条約
と実質的に同一条件で、いわゆる二カ国間の
平和条約
を締結する用意を
日本
としては
義務
として負う。併しその
義務
は
条約
の実施後三年間で満了する。それ以上は
日本
は
義務
はい。こういう
よう
なふうに書いてあると思うのですが、これはどの国であ
つて
もここに書いてある四十二年一月一日の
連合国
宣言
に署名し又は
加入
しており、
日本
に対して
戰争状態
にありながら、それだけの要件はあるけれども、
条約
に署名しなかつた国である限りはいずれの国との間にも同じ
関係
を持つのだと思うのですが、つまり特定の、例えば
中国
なら
中国
というものだけを予想しておる
規定
かも知れないが、この案文から行けば、例えばソヴイエト連邦が署名をしなかつたという場合にはやはりこの
条項
の適用を受けるというふうに
解釈
してよろしいかどうか。一般的そういう
規定
であるかどうか、この点をお伺いしたい。
島津久大
43
○
説明員
(
島津久大君
) 二十六条の文面からいたしますと、この
よう
な条件に相当する国はどの国を問わない一般的な
規定
と考えます。
曾禰益
44
○
曾祢益
君 そういたしますると、この
条約
に原署名国でなかつたものの
加入
というほうは、これはダレス
草案
のほうには何かあつた
よう
に思うのですが、あれは変つたわけですか、今度は……。
加入
条項
はどつかありましたかね。どうなんです。なく
なつ
ちやつたのですか。
島津久大
45
○
説明員
(
島津久大君
) 独立の
加入
条項
はございませんで、二十三条の
規定
によるか、或いはこの二十六条、
只今
お話の
条文
、これで行くことにな
つて
おります。
曾禰益
46
○
曾祢益
君 そうすると大分変つたわけですね。この前は
加入
条項
があ
つて
、それで個別的のあれも途が開かれておつたわけですね。但しこの
条約
によ
つて
得るよりも
日本
がより大きな
利益
を挙げてはならないという
よう
な
条項
があつた。それで
加入
条項
の場合とそれから個別的な双務
平和条約
という
よう
なものがあつたのが、今度変
つて
加入
条項
のほうはもうなくな
つて
原署名国にならない限りは三年以内にこの二十六条によ
つて
個別的にやれ、この一本に
なつ
たわけですか。そうですね。
島津久大
47
○
説明員
(
島津久大君
) 大体そういうことと思いますが、前の案というのもこれは実は何回の案か存じませんが……。
曾禰益
48
○
曾祢益
君 前の案というのはU・Pの案で
政府
はお持ちの
よう
だけれども、遂に日の目を見なかつた案です。
島津久大
49
○
説明員
(
島津久大君
) 以前の考え方は今回の
よう
に批准の点は別といたしまして、大多数の国が
調印
をするという形でなくて、以前は極く少数の国だけが原署名国として
調印
をして、それで
効力
が発生した
あと
でどんどん
加入
して来るという
よう
な考え方であつた
よう
に思いますが、現在はこういう考え方です。
曾禰益
50
○
曾祢益
君 私どもまだ勉強が足りないので、これ以上伺うあれもありませんので、私は今日はこの
程度
にさして頂きまして、次の
委員会
の日取りをおきめ願いまして
継続
で
研究
会をして頂く。それまでに
政府
当局
からもう少し
資料
を頂きたい。殊にいろいろな問題がありまして、今概括的に御
説明
を伺つたけれども、簡単に何か筋書きの
よう
な、これはこうだという
よう
なことを書いて頂くと一々
条約
の全文を読まなくてもわかるところが非常に多いと思います。
大隈信幸
51
○
委員長
(
大隈信幸
君) 私
一つ
だけ
ちよ
つと伺
つて
おきたいのですが、イタリーとの
講和条約
と、今度の
関係国
の……根本的な相違について何か御
説明
が頂けたら頂きたいと思います。
島津久大
52
○
説明員
(
島津久大君
) これもできれば比較の表の
よう
なものができれば御
説明
しやすいと思いますが、
ちよ
つと思いつきましたところは、
日本
の戰争責任という
よう
なものが謳
つて
ございます。又軍備の制限、これはイタリー
条約
に具体的に
規定
してあるわけであります。そういう点も
違つて
おります。その他賄料として差上げます。
大隈信幸
53
○
委員長
(
大隈信幸
君) それでは本日の打合会はこれを以ちまして終ります。 午前十一時四十一分散会 出席者は左の
通り
。
委員長
大隈 信幸君 理事 曾祢 益君 事務局側 常任
委員会
專門 員 坂西 志保君 常任
委員会
專門 員 久保田貫一郎君
説明員
外務省
政務局長
島津 久大君