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政府委員(足羽則之君) それでは二十六年度の
日本国有鉄道の
予算について御
説明を
申上げたいと思います。お手許に
予算参考
資料として差上げてあるのでございますが、そのうちで第一表が歳入歳出
予算比較表でございまして、それから第二表は
昭和二十六年度の歳入歳出表の基礎になる資金計画がここに挙げてあるつもりでございます。それからなおずつと飛びまして、第十二表にこの工事経費、
只今お話のありました建設改良の工事経費約三百十二億の金の大体の
内容がどういうふうな
内容に
なつておるかということが、ここに概略を挙げて表にしてお手許に差上げてあるはずでございます。なおその次の十三表は二十六年度の
予算定員表でございまして、二表から十一表まではそれに
関係しての更に第二次的な参考の表、こういうふうに御承知願いたいと思うのでございますが、なおこの表で足りない点がございましたら、又あとで御指摘頂きますれば、お手許に差上げたいと、こういうふうに
考えております。
先ず初めにこの概括的な
説明を
申上げたいと思うのでございますが、先ず第一に事業計画を
申上げますと、事業計画といたしましては、輸送の計画と申しますか、輸送計画を
申上げるわけでございますが、二十六年度におきましては、この輸送上の計画としては、やはり
施設、車輌の整備増強と保守の向上を図る、こういうことを主眼点にいたしまして、輸送力の強化をする、又サービスの向上を図る、こういう
目的を以て計画を立てておるわけでございます。大体どのくらいの輸送量が
考えられるかと申しますと、昨年度来旅客は少しずつ漸減の趨勢を辿
つて参りまして、貨物は漸増の趨勢を示しておる、極く大ざつぱに
申上げますと、そういう姿に
なつております。旅客の輸送人員は二十六年度の
予算におきましては、対前年度、この二十五年度に対して一・九%減の二十九億四千四百万人。少し輸送人員の数では減
つておりますが、併し一人当りの輸送距離が延びております
関係で全体の輸送量、人キロで示すのでございますが、これでは〇・一%増の六百七十六億七千五百万人キロ、こういうふうに想定をいたしております。つまり頭数は少し減りましたが、一人当りの輸送距離が延びておりますので、人キロで現わす輸送の量は少し殖えておる。併し大体この二十五年度の旅客の輸送量は大体まあ変らない、こういう想定でございます。
貨物の輸送トン数は一億三千四百万トン、こういうふうに
予算に計上いたしてありまして、これは対前年増三%でございます。ただトンキロにおきましては、つまり貨物輸送距離とそれから輸送する数量、これをかけ合
わした全体の輸送の量、そのトンキロにおきましては、三百十八億九千六百万トンキロで、これも対前年増三%増で、これは前年度、今年度も大体同様の貨物の足を大体想定いたしまして、これは輸送トン数も、それから輸送トンキロにおきましても、大体三%の増、微増をいたしておる、こういうふうに想定をいたしたわけでございます。それでこれに要する列車キロは一億八千六百万キロでございまして、対前年度七%の増加に
なつております。国営自動車におきましては、旅客の輸送人員は七千二百万人、六億六千百万人キロ、貨物の輸送トン数は百八十万トンでございまして、三千万トンキロでありまして、これに要する総合キロは四千六百万キロ、こういうふうに
なつております。
船舶におきましては、旅客の輸送人員八百四十万人、二億五千八百万人キロ、貨物輸送トン数は五百二十万トン、四億四千五百万トンキロ、こういうふうに
なつております。これの
数字といたしましては、この表といたしましては、参考表として、
資料として差上げてありまする第九表に、その算出の基礎を表にしてお手許まで差上げてあるわけでございます。第九表でございます。以上が大体今年度の輸送計画、大体の仕事の量の、輸送する仕事の量の
内容でございますが、工事計画を次に
申上げます。
工事計画といたしましては、現在の
施設の維持及び取替え補充に十分注意いたしまして、必要な輸送力の増加に十分力を注ぐ、大体こういう点が先ず第一の点でございます。次にそれについて御
説明申上げます点は、この輸送力の増強として、まあ一番手取り早いものは車輌の増備であろうかと思うのでございますが、その主なものといたしましての車輌
関係を御
説明申上げますと、貨車及び電気機関車、電車、客車、そういうものの新造のほかに客貨車の改造等をいたしまして、これはあとで御
説明申上げますが、
相当な車輌費を、前年度に比べて
相当多額の車輌費を計上いたしております。そして二十六年度のこの收入の確保と、それから滞貨を一掃して輸送を円滑にする、こういう点に重点を置いておる次第であります。
次に従来しばしば問題に
なつております電化の問題でございますが、この
経営合理化という観点から見ましても、非常にまあ主要なる問題として
考えられる電化設備につきましては、東海道線の米原、浜松間の電化計画にも来年度から着手できるように
なつて参りました。そのほか上野、高崎間は本年度中に完成をする予定で
予算に計上いたしてございます。その他前年度から継続をいたしております信濃川の第三期の工事、山辺の発電所の建設工事も計上されております。特に本年度におきましては、戰後初めてと申してよろしい新線建設の
予算といたしまして、津軽線と、それから赤穂線と窪川線のこの三線を計上いたした次第でございます。以上によります工事費の総額は、設備の補充に要する経費を計上いたしました損益勘定の修繕費三百六億円と、それから設備の取替、改良及び建設に要する経費を計上いたしましたこの工事勘定の経費三百十二億円で、合計六百十八億円でございます。この工事勘定の中で、工事勘定の三百十二億の
内容につきましては、
先ほど御
説明いたしましたように、第十二表にその概要を挙げて御参考に供している次第であります。
次にこの要員計画でございますが、以上の計画を
実施するに要しまする職員の数は、損益勘定と工事勘定、中間勘定、この三勘定を併せまして四十六万八千八百六十五人、こういう
予算定員を計上いたしておりまして、これは
昭和二十五年度の三月三十一日の現在員四十九万七千二十七人を基礎といたしまして、二十五年と二十六年度の職員の自然減少率をそれぞれ三%として、新規補充は原則としていたさないと、こういう
考えかたで以上の四十六万八千八百六十五人、この
予算定員とな
つたのでございます。なお今後は職員の勤労意欲向上と相待
つて、この定員を以て
経営の万全を
図つて参りたい、こういう
考え方で
予算は組まれているわけであります。なおそれに関します表はお手許に差上げてあります第十三表に、
簡單でございますが、その総計を挙げております。
以上を元にして、この二十六年度
予算でございますが、先ず第一に歳入歳出
予算について御
説明を
申上げたいと思います。歳入歳出
予算といたしましては、第一表を御覧頂きたいと思うのでありますが、以上の諸計画を織り込みました
予算の総額は、歳入歳出共に二千三百二十一億円余でございまして、この中には工事勘定における財源といたしまして、損益勘定から受け入れまする百九十二億円と六百十七億円の貯蔵品購入費、即ち各勘定の物品費と振替となる重複分、これが八百九億円が計上されておりますので、それを差引きいたしますと、実際は千五百十二億円となります。これを
昭和二十五年度の
予算、千四百一億円と比較いたしますと、純増は百十一億円となります。この表では二段目の前年度
予算額というところに、貯蔵品收入として五百九十二億八千幾らという金が挙
つているのでありますが、これは昨年度はこの貯蔵品収入という
項目がございませんので、これは今年度それが
予算に上りましたために、それに対応するものを昨年度の
数字として参考のために挙げまして、比較して実はわかり易くいたした表でございます。
只今御
説明申上げましたように、その貯蔵品購入費の
関係と、それからこの工事勘定の財源として損益勘定から受入れた百九十二億という重複分がありますので、
先ほど申上げたような
説明になるわけであります。
以上これを
内容的に見ますと、工事経費が六十六億、出資金が六千七百万円、経常費が二十八億……第二表を見て頂きたいと思うのでございますが、経常費が二十八億、利子その他十六億円でございます。工事経費は総額で三百十二億円でございまして、その主なるものは車輌費と電化設備費等でありまして、そのあらましは、先に工事計画のところで
申上げました
通りでございます。
次に出資金の六千七百万円でございますが、これは帝都高速度交通営団の神田、池袋間の新線建設に伴う国有鉄道よりの出資及び拂込でございます。出資金は第一表の右の下のほうから六行目あたりに六千七百万円と書いてあります。