○濱口專門員 日程第一、
失業対策事業費国庫補助に関する
陳情の
要旨は、秋田県南秋田郡北浦町は、地形的から見て農耕地の局限を受け、それに加え人口の自然増加及び北海道方面への漁業労務の出かせぎの制限のため、はなはだ憂慮すべき失業
状態に到達している。同町としては、これが対策として前年度まで種々改修工事等を
施行して来たのであるが、町財政としては、現在最も窮乏の極にあ
つて、とうていこれ以上の失業救済はできない
状態であるから、
昭和二十五年度第二・四半期以降の失業応急
事業を国庫補助をも
つて実施されたいと希望しているものであります。
日程第二、
失業救済事業の
施行に関する
陳情の
要旨は、近時失
業者は日増しに増加しつつある現状であ
つて、この
失業対策はきわめて重大であり、迅速に措置すべき問題である。しかも失
業者は不均衡に都市に集中される傾向にあるので、その
事業も円滑に遂行できないのみでなく、各都市ともその
負担の増大に苦慮している。ついてはこれが解決策として、
失業救済事業に要する経費は全額国庫
負担とすることを
陳情しているものであります。
日程第三、
日雇労務者に対する
冬期間燃料費全額国庫負担に関する
陳情の
要旨は、日雇い
労務者は、まことに困窮しており、ことに冬期間の燃料購入費の暴騰は、物価の上昇と相ま
つてとうてい日雇い
労務者の賃銀では捻出できない
状態で、このままに放置しておくならば、
社会不安は助長の一途をたどり、まじめな労働者までも動揺せしめる結果となることは明らかである。しかしこの救済対策としての燃料費の支出は、現在の
地方財政ではとうていまかない切れないので、日雇い労働者に対し国庫による冬期間燃料費の
負担を実施されたいとするものであります。
日程第四、
地方労働基準審議会経費の
増額に関する
陳情の
要旨は、経済界の行き詰まりにより、中小企業は
賃金の不拂い遅拂いを初めとして、幾多困難な労働問題を引起しており、適正な
労働基準の運用の必要性をますます痛感せしめるに至
つておる。しかるに
地方労働基準審議会の年間予算ははなはだ少額であ
つて、旅費の配賦もなく、年二回の会合をなすにすら十分でない
実情であるから、同会合を年四回開催するに必要な諸経費の予算措置を講じられたいというのであります。
日程第五、
国際労働知識の
普及に関する
陳情の
要旨は、一国の
労働条件の
改善には、国際的
協力を必要とするが、それには
国民一般が国際労働事情に関する正確な知識を持つことが先決問題である。ついては、これが
労働条件の
改善に万全を期するために、学校教育、
社会教育並びに
社会厚生各般の施策において、ILOその他の国際労働の正確な知識が
国民一般に
普及するよう、すみやかに特別の措置を講ずることを希望しているものであります。
日程第六、
失業対策事業の
事務費増額等に関する
陳情の
要旨は、現在
失業対策事業費は、認定
事業に要する
労務者一人につき一日百五十八円の三分の二を補助し、事務費は延人員に対し一人一日十一円二十五銭の三分の二の補助であるが、資材費は全然考慮されていない。しかし資材費が
事業費の五割程度を占める場合もあるので、資材費も補助対象とし、また事務費は一人一日十五円程度に
増額することを希望しておりまする
日程第七、
自由労務者の
賃金値上げに関する
陳情の
要旨は、昨今の市場物価の高騰により、
自由労務者は現行の
賃金ではとうてい生活することが不可能である。ついては、国家公務員、
地方公務員の
賃金ベースが、この物価高騰により引上げられたことを考慮し、
自由労務者にも最低生活が堅持できうるよう、適切なる措置を講じてほしいというのであります。
日程第八、
家族労働従事者に
労働基準法適用の
陳情の
要旨は、
労働基準法第八条の適用を除外されている家族労働による機業場が、最近の人絹景気その他によ
つて續出し、なお一途増加の傾向にあり、福井県下産業界に占める比重も少くない
実情にあるが、基準法の適用外にあるため、一般に
労働条件、安全衞生施設においてはなはだ劣悪な
状態にあり、特に労働者災害の原因になりやすい機械、電気、アセチレン溶接裝置等の安全裝置も考慮されず、またこれらに対して取締りの現行法上措置の方法なく、従
業者は危険に放置されている現状である。ついては、これら従
業者を危害疾病から守り、国家経済再興に寄與せしめるためにも、災害防止並びに健康保持の最低基準確保の措置を講ずるは当然のことであるから、すみやかに
関係条文の
改正または基準法に準ずる法令の制定等を実施されたいとするものであります。
日程第九、
失業対策事業費の
賃金單価引上げの
陳情の
要旨は、鳥取県における失
業者は、漸次自由労働者として固定化し、現在すでに千五百名を越えているが、同県に適用されている
失業対策事業の
賃金單価は、重軽労働を合せて平均百五十八円という、他府県に比して著しい低額なものである。ついては、現行の平均
賃金單価を二百円に引上げられ、同県の平均が労働日数を
全国平均稼働日数二十日間並に稼働できうるよう、政府の
失業対策事業のわくを拡大されたいとするものであります。
日程第一〇、
日雇労務者の
賃金値上げ等に関する
陳情の
要旨は、朝鮮動乱の余波を受け、物価等の急騰の中に、日雇い労働者は依然として低
賃金に縛られているが、特に島根、鳥取
地方は
全国最低地として特別扱いであるため、同地の日雇い労働者は、生きる権利をも奪われているほどである。これらのほとんどは戰争未亡人、復員者、引揚者等であり、悲惨な生活の中に自力で生きる喜びを知
つており、また
社会への復帰を念願しているもので、去月二十六日より人権主張無期限ストに突入したのであるが、これら日雇い労働者の現状を理解され、次項のすみやかな実施を考慮されたい。一、日雇い労働者に男女平均
賃金一日二百五十円を與えること、二、完全就労をはかることを希望しております。
日程第一一、
失業対策事業の
割当是正等に関する
陳情の
要旨は、
失業対策について次の事項の適切なる措置を講ぜられたい。一、北海道に対する
失業対策事業の割当は、他府県に比較して小いが、これは冬季対策を軽視した措置であるから、
全国的に均衡のとれた適正割当を実施すること、二、
失業対策事業による労銀は
全国画一的に二百九円とな
つているが、北海道のように燃料、衣料等の生計に多額の費用を要する地帶では、不公平きわまるものであるから、これを特殊事情に応じた賃銀に引上げることを
陳情しております。