○加藤
政府委員 大臣から御
説明申し上げるべきでありますが、さしつかえがございますので、私から御
説明を申し上げたいと思います。
最初に
予算の梗概
説明に先だち、電気通信
事業の概況について申し上げます。まず市内電話について御
説明いたします。加入電話について申し上げますと、
終戰後五箇年の努力によりまして、ほぼ
戰前の数に達したことは前
国会において申し上げましたが、
昭和二十五年四月より十月末までの
増加累計は約十二万八千でありまして、現在百十三万五千に達しております。しかしこれはすべてが前の
通りに復旧したのではなく、戰災大都市の復旧率は五〇ないし七〇%でしかなく、依然として多数の未開通加入者が大都市に浅
つており、結局非戰災の中小都市の空
施設利用によ
つて、全国的に見て上述の数に達したものであります。大都市における通話完了率の
向上につきましては、調査会を設けて、重点的に諸施策を講じ、漸次効果を上げつつありますが、なお一層これが
改善に努力いたしたいと存じます。次に公衆電話利用の現状につきましては、現在全国の公衆電話数は約四千個であります。公衆電話の一日の
平均利用度数が四十二回
程度に
なつていまして、この
料金の收納率は五七%前後と
なつております。一般的にこの收納率は、都市の自動式公衆電話の場合は悪く、三三%、手動式の場合はよく六三%に
なつております。当省といたしましては、公衆電話の本質にかんがみ、これが整備にますます努力いたしたいと考えております。
市内電話の障害数は、
昭和十三
年度と比較し、
平均約二倍に
なつております。そこで昨年七月より明確な統一ある、しかも迅速な処理を目的とした市内電話試験統制を、各県庁所在地及び主要都市につき実施したのであります。また昨年末におきましては東京、大阪、京都、神戸及び横浜各市の電話局におきまして、一箇月四回以上の重複障害加入者に対し、申告を待たず積極的に点検し、完全修理する方法をとり、良好な結果を得ておりますので、今後におきましては一層この点に留意し、障害数の漸減をはかりたいと存じます。
有料発信市外通話につきましては、逐月
増加の一途をたど
つておりまして、二十五年十月中の有料発信市外通話度数は、二千七百三十八万度となり、
戰前の最高であつた十八
年度の月
平均に対しまして、約一七%の三百八十八万度超過いたしております。これを二十五
年度の上半期全体について見ますと、月
平均二千四百万度に達し、二十四
年度の同期に比較しますと三〇・七%
増加しており、二十五
年度におきましては、
戰前最高の実績を突破することと存じております。
また市外電話回線の障害は逐次減少し、一月一回線当りの障害時分は一一・一分となりましたが、今後におきまして一層障害の減少、品質の
向上をはかり、大声や聞き直しのない市外通話にいたすよう、
改善施策を講じたいと存じます。内国発信電報につきましては、二十五
年度十月中の発信通数は七百七十一万八千通に達し、前年同月に比較いたしますと六・七%
増加し、二十五年十月までの累計は四千七百三十一万通で、二十四年の同期と比較いたしますと七・一%
増加しております。
電信
サービスの
改善につきましては、不断に努力しているのでありますが、速度の点につきましてはすでに
戰前の水準に回復しようとしているにかかわらず、正確度については、遺憾ながらなお
戰前の状態にはるかに及ばないので、昨年来電信運用の施策の重点を電報の誤謬絶滅に集中し、各電報取扱局においてもこれに呼応して、あらゆる努力をして参
つたのであります。その結果二十五年八月には、一万字当り四十五字に短縮することができたのであります。しかしながら
戰前の一万字当り二十字に比し、その半ばを達成したにすぎないので、引続き努力を継続して行くつもりであります。
次に国際
電気通信業務量の飛躍的
増加について申し上げます。わが国の国際電気通信の
業務量は、その後においても海外貿易の好転と相ま
つて、激増の一途をたど
つて、十一月の電報
取扱い数は、
戰前の一箇月最高二十三万三千余通を突破し、十二月にはクリスマス祝賀通信の利用等もあ
つて、その取扱量は実に三十万通を越える活況を呈したのであります。二十五年一箇出間の国際電報通数は二百十一万余通で、すでに
戰前の水準を上まわり、最高にいま一歩といところであります。国際電話につきましても、
戰前は年間最高約五千度数
程度でありましたが、最近は一箇月に五千余度数で、二十五
年度の統計は六万三千七百度数と、けた違いの数字を示しているのでありましてこのまま推移するとすれば、
收入におきましても
昭和二十四
年度十四億円に対しまして、
昭和二十五
年度は約三十余億円を予想されるのであります。一方これら輻湊する通信の円滑な疏通をはかるために、対外連絡回線の新設及び通信方式の
改善整備並びに従事員の量的、質的
向上等に鋭意努力している次第であります。次に御
審議を願
つております
昭和二十六
年度電気通信
事業特別会計予算につき申し上げます。
昭和二十六
年度予算は、
歳入歳出ともに六百二十一億五千余万円を
予定して、本
国会に提出しているのであります。この金額の
内訳を申し上げますと、
歳入においては、一、電信
收入が七十九億六千百余万円、二、電話
收入が三百七十五億一千八百余万円、三、増設電話の工事
收入が七億八千六百余万円、四、医療
施設、電話番号簿による広告、物件売拂代、職員宿舎の貸付等による
收入が十三億三千五百余万円、五、その他手持ち在庫品の使用が七億円、六、連合單通信設備を
建設する
設備負担金として
終戰処理費からの受入れが三億五千万円、七、電信電話等の
建設事業に要する
財源として
大蔵省資金運用部から受入れるものが百三十五億円であります。
次に歳出では
損益勘定で三百九十四億五千四百余万円、すなわち一、電信電話の
維持運営に必要な
経費が百十一億二千九百余万円、二、電気通信
施設の保守に必要な
経費が百十四億四千余万円、三、
管理共通事務に必要な
経費四十六億六千五百余万円、四、電気通信
施設の実用化と試作試験等に要する
経費が六億九千九百余万円、五、部内の医務機関の
維持運営に必要な
経費が六億六千百余万円、六、電話架設のための引込線工事に必要な
経費が四億八千六百余万円、七、増設電話受託工事に要する
経費が七億五千五百余万円、八、電信電話
業務の一部を
郵政事業特別会計に委託するために必要な
経費が六十一億一千三百余万円、九、公債及び
借入金等の
利子と
公債発行に伴う取扱費等が十八億八千六百余万円、十、その他十六億一千四百余万円であります。
建設助走では二百二十六億九千七百余万円で、すなわち一、電信電話設備の
建設に百五十三億六千百余万円、二、
局舎建設に二十三億一千五百万円、三、機械器具の整備、電気通信研究
施設の拡充その他に九億九千三百余万円、四、これらの
建設に伴う
人件費調査費等が四十億二千八百余万円でありまして、これが
財源としましては、一、
預金部資金から公債として受入れが百三十五億円、二、
損益勘定からの受入れが八十八億四千七百余万円、三、
終戰処理費からの受入れが三億五千万円、計二百十六億九千七百余万円であります。
この
予算によりますと、
昭和二十六
年度の電気通信の取扱量は、電報において発信、著信、中継信を合せ、これを物数に換算して六億七千三百万余通で、
昭和二十五
年度に比し二千六百万余通の増、市外通話において五億一千六百万余通話時で、一億三千二百万余通話時の
増加に
なつております。
次に電気通信
施設面では、
昭和二十六
年度中に電報電話局は委託局を含めて百五十局、開通加入者数七万五千、市外電話回線七万キロを
増加し、
昭和二十六
年度末には電報電話局(委託局を含む)一万三千八百七十九局、開通加入者数百二十八万一千余、電信回線二千百五十七回線、市外電話回線百三十二万一千余キロとなる
予定であります。
また以上の
計画を遂行するため、
昭和二十六
年度の従業員の定員は、
昭和二十五
年度に比し、八千二百三十二名を
増加し、十五万二千八百七十四名を必要とすることに
なつております。
以上
概要を申し上げまして、なるべくすみやかに愼重
審議の上、御可決あらんことを切望いたしまして、御
説明を終りたいと思います。