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島村政府委員 出資
関係の協同組合は、先ほど申し上げた
通り、約一万ばかりあります。その中で終戰後農業会から職員を引継ぎ、財産を引継ぎ、
経済界の混乱のうちにいろいろな物資の取扱いをしたという、さまざまな原因はあつたかと思いますが、現在の農業
経済の実態から
考えますと、協同組合によ
つて農村の
資金面、あるいは
経済面の拡充をはか
つて行かなければならぬということは、
お話の
通りであります。そこでその八割の協同組合が、今どういう情勢にあるかということを簡單に申し上げますと、率直に申し上げまして、昨年の今ごろはちようど二十四
年度の決算期であ
つて、赤字組合も
相当多かつたと思います。それから
事業の
執行、
経営上におきましても、よほど不安な状態で推移したこともあつたと思うのであります。ところが再建整備の問題が起きると同時に、協同組合自身も
相当自粛をいたしまして、おそらく他の企業であつたならば、破産の状態であつた組合も、企業の
合理化をはかり、人員の整理を行い、村におきましてはみずから組合員を督励をして、企業の
合理化の結果による再建が立
つて来たと思います。従いまして現在の程度におきましては、その八割のものは、もはやわれわれが昨年のこのごろ
考えたような貧弱な状態ではないということを私は確信をいたしております。もちろんその中には
経営不振のものがあることも事実であります。その一例として、昨年のこのごろは貯
拂い停止をやつたのが、全国で約三百ばかりあつたと思いますが、今日ではほとんどないという情勢にな
つております。また
事業の
経営におきましても漸次改善の趨向が
見えまして、その八割は自力によ
つて再建し得る情勢にあると思うのであります。ただこれは見方の問題で、そう甘い問題ではないというお
考えもあると思うのでありますが、少くとも
国家がこの協同組合育成のために、いろいろな
資金あるいは
国家資本を投ずる場合におきましては、みずから再建整備に立つその二割のものに対してするということで、十分とは申し上げませんが、まずそれを第一段階にやる、
あとの多数の組合につきましては、御案内の
通り、さきに
法律の改正をし、財務基準に関する政令を出しまして、本
年度の
予算におきましても府県なり中央において
相当増員をいたしまして、財務基準の政令によ
つて手にとるごとく毎日の協同組合の姿が組合員によく徹底しかつこれは貸借対照表に、その財務の状態が明るく、鏡に写すごとく出るような方向に持
つて行きまするように、国としてもこれを指導育成して行くという建前をと
つて、
法律の改正を行つたような次第でありまして、漸次改善しつつあります。なお連合会等に対する育成の問題につきましては、その財務基準の政令を基本としてそれぞれ連合会自身が自主的に、單位組合の指導に当るというような方法も、あわせて
考えられておるのでありまして、今後
農村経済との結びつきを、協同組合によ
つてさらに強化して行きたいという
考えをも
つて進んでいるわけであります。