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藤田参考人 それでは先ほどの発言に
関連して
お尋ねがあ
つたようでありますから申し上げます。
委員長から私の発言を求められたそうでありますが、私には聞えませんでしたので、その点を解明しておきます。
要するに高井
社長についての事実問題でありまするが、私
どもの理解では、労働組合は自主的に結成をいたしましてしかもその活動においても、終始自主的に行わなければならない、このように
考えております。しかるにこの労働組合自体の
組織に干渉したり、あるいは形式的な援助をするとか、そうい
つたやり方は、現行労働組合法上許されていない不当労働行為であるというふうに
考えております。しからばその事実は何であるか。電産が終戰後
昭和二十二年五月に結成いたしまして、その間あるいは電産は共産党の組合とかいろいろなことを言われて来ました。しかし今日においては、少くとも民主的に
運営をしていると
言つて決して恥じないと私は
思つております。この民主的な組合に対して、高井
社長は事あるごとにこの
組織をぶちこわすための工作を進めて来た。(「具体的に言え」と呼ぶ者あり)具体的には、一昨年の九月を機会に、この電産の中で特に
関東配電の
従業員を割
つて、御用化するという形に出て来た。当時電産の地方
委員長をや
つていた吉田一吉、副
委員長の片山その他を便嗾いたしまして、これに高井
社長直属の木川田常務部長を通じ、さらに課長、係長という線を通じ、すなわち職制の線を通じて、各職場ごとに電産から割
つて、そして御用組合をつくるようにという形で工作が進められて来たのであります。
従つてその声が出て来て、爾後今日においては、電産という組合と御用組合との差別的な扱いをいたしております。たとえば昨年末に、電産は不幸にしてストライキに突入せざるを得ないようにな
つたのでありますが、これも原因するところは
関東に問題があ
つた。電産の組合員であり
関東配電の
従業員には二百円という差額をつけて御用組合の人には、同じ職場で机を並べていても二百円を支払
つて、今日でも脱退して来れば二百円を払いましよう、こういう形で出て来ております。しかもまた差別的な扱いをするという
文書の証拠も三件と
つております。それは、御用組合の方との妥結でこの金を支払うのだ、こういう
文書をはしなくもわれわれは入手しております。こういう形でたまたま再
編成に際会いたしまして、この際御用組合の方に入らなければ、二百円はおろか身分が保障されない、そういう宣伝でも
つて、一般の
従業員は、二百円なんかはそう大したことはないけれ
ども、この際再
編成に際会して、御用組合に入らないがゆえに、不利益な取扱いをされては困る、こういう主観から、また職制を通ずる圧迫から、年末には約七百名がその方に流れて行
つたのであります。しかとここに無視できないのは、今日この再
編成をめぐ
つて、御用組合の中には、かくかくの事情で入
つたのであるが、われわれの身分保証は、一応違
つた組合であるけれ
ども——これは今一万余り、約二万近くにな
つております。電産は十二万おりますが、この十二万の電産の本部に押しかけて、どうかわれわれの身分保障、あるいは権利の擁護をしてください、こういう形で今日見え、杉本
委員長あるいは例の
松永、あるいはそうい
つた人たちにはどんどん、聞くところによると電報あるいは押しかけて
行つて談判をしておるというような事情があるのであります。これは要するに、この再
編成という、
従業員にと
つて最も利害関係のある、今度の
会社に入れてもらえるか、あるいは係長であ
つた者がうんとポストを下げられたり、とたんに北海道の方に追いやられたり、こういうような不安のあるこの心理状態をうまくつかんで、先ほど申し上げたような線を逐次進めて来ておるのであります。しかしながらこの人たち、つまりこの御用政策に、一応表面乘らざるを得ない
立場にある人たちは、先ほど申し上げたように、今日電産をたよりに進んでおると同時に、高井
社長が就任することには、全面的に
反対をいたして、その行動に移
つておるわけでありますので、この点は……(「追放とどういう関係があるか」と呼ぶ者あり)追放とは要するに……十六原則がある」と呼ぶ者あり)十六原則もあるが、今日の労働組合法ができたそのゆえんを、皆さん知
つていただけばわかるのであります。保護助成の線で労働組合法もでき、あるいは労働
委員会もできた。それは今日労働組合の役員で、現に追放されている人がある。こういうような産報化した人たちは今日解除されようとしているけれ
ども、追放されている。それは別の事情でそのようにな
つておる。こういうことにま
つたく合致するのが彼高井なんです。
従つて彼は追放にも値する人物であるという主張をするものであります。なおそのほかの具体的な事例といたしましては、われわれ電産の組合が
会議をする場合は、今日労組法で定められていて、その経費は負担されないようにな
つております。これはわれわれも了解して協定をいたしております。しかし一方それらの御用組合の会合はすべて出勤扱いになります。すなわち御用組合と実質的の組合の間に大きく差別待遇をされている。そうしてここに不当労働行為が現実に行われて来ておる。あるいは昨年の八月の世にいうレツドパージの際にも、これに便乘して解雇をいたしました。しかしこれについては、現保利労働大臣も便乘解雇だと憤慨したので、遂に最近若干名を元に返さざるを得ないという実態も出て来ています。それらの状態から、私
どもといたしましては、以上申し上げたものと、そのほかの具体的な事例もくつつけて、法によるところの不当労働行為として告発をいたすことに決定いたしております。