○
井出委員 ただいま職業教育法に対して、
基本的な人間形成というふうな
立場と離れてはいかぬとおつしやることは、ま
つたく私も同感であります。どうかそういう線で職業教育法ができるように御配慮願いたいと思います。文部
大臣の御都合の時間になりましたので、文部
大臣に対する
質問はこの
程度で終ります。
続いて、
大蔵大臣がおいででございますから若干時間お尋ねしたいと思います。池田さんには、もうすでに大筋のところは、私の同僚の
川崎君からお尋ねをしてございますので、以下私の申し上げますことは若干個別的な、あるいは技術的な面にも相なるかと思いますが、どうかその場合は
政府委員でけつこうでございますから、お答え願いたいと思います。
明年度の
予算をも
つて大蔵大臣としては五回目の
予算作成である。
従つて非常にその点手ぎわがお上手になられて、御自身もまあ現在の環境下においては満足すべき
予算であるというように自画自賛をいたされておるようでございます。
〔
委員長退席、西村(久)
委員長代理着席〕
これはいろいろな批判があるとは存じますが、なるほどこの
予算を拜見いたしますと、一応そつのない
予算だという
考え方はでき得ると思います。たとばまあインヴエントリー・フアイナンスが一番問題になりましようが、そうい
つたことは別といたしまして、たとえば公共事業費な
どもちよつぴりふやしてある、あるいはまた地方財政平衡交付金などにも若干配慮が見られる、適当には生活保護費、社会保險費にも配慮があるというようなぐあいに、確かにそういう点では御苦心に
なつたと思うのであります。けれ
ども何と申しましようか、官僚的あるいは技術的にそういう
意味でけつこうな
予算かもしれませんが、ほんとうにこのどこに筋が通
つておるかというような点になりますると、私
どもも若干批判を持
つておるのでございます。
大臣が何かこの春書かれました随想のようなものを見ますると、次のようなことを述べていらつしやる。「現在の六千何百円ベースというような給與水準をと
つてみても、これで公務員の文化生活を保障するものだとはいかに鉄面皮でも言えた義理ではないし、現在の米価にしても、これで米の正当な再生産費をカバーし切
つているなどと主張することももちろんできないわけである。さらに税の問題になると、年収三万円以下の者に税をかけるということはいかにも無理であ
つて、よく非難を受けるように最低生活費に食い込んだ重税であると言われてもしかたがなかろう。」これなどを拜見しますと、なかなか池田
大蔵大臣しおらしいと思う。まあ池田さんを人は傲岸不屈だと批評いたしますが、私は案外こういうところに本音をお出しにな
つておるんじやないか、とかように思うのでございます。それはその
程度にいたしましてこれから
質問に入ります。
私
どもはこの
予算を拜見いたしまして、一応次のような批判をいたしたのでございます。二十六年度
予算案というものは、依然として萎縮財政の域を脱しない。まずその一点としてインヴエントリー・フアイナンス五百億を一般会計でまかないつつあること。第二点、朝鮮動乱のその後の影響を見込んでおらない。
従つてこれは補正が必至であろう。第三点は減税千億ということをあなたは公約なされましたけれ
ども、これは事実上はいわゆる税法上の減税七百億でも
つてごまかされてしま
つた、こういうこと。第四点といたしましては、前国会に引続き
食糧緊急増産その他の農業復興経費がやはり非常に少い。さらにまた社会政策的経費の統一ある思慮を欠いている。財政金融政策の上に一貫性を見出し得ない。
貿易政策等においても、ことに
輸入関係などにおいて不備の点がある。産業の近代化、資本の蓄積に対しましても弱点を露呈している。さらに中小企業金融の改善等に対しては、ま
つたくこれを無視しているというような批評も一応
考えているのでございますが、そこで以下こまかい点にわたりまして少しずつお伺いしたいのであります。
先ほど
安定本部長官にも伺いましたが、この
予算を組み立てられます上において、人件費、物件費というようなものの基礎をどこに求めておられるか、こういう問題でございます。人件費は昨年の補正
予算のときの給與ベースにまあ基準があると存じますが、物件費などは一体物価水準をどこに求めていらつしやるか。これはなかなか激動やまない物価の趨勢でございますから、これをどこに基準をおいたかということは、やはりこの
予算を遂行する上の大きな問題でございます。これを最初にお伺いをいたします。