○角田
委員 今
大臣から、特別俸給のことについて御研究にな
つて、近くこれは何らかの措置を講じたいということでありますので、それはそれといたしますが、この際
天野文部
大臣と、廣川農林
大臣もちようどお見えにな
つておるので、ここに吉川教授の書いておるのをここで読み上げまして、
天野文部
大臣に一層の御
努力を願いたい。これは決して
天野文部
大臣の御名誉にも不名誉にもならない事項であります。吉川教授は先ほど申しました「学者のう
つたえ」の中で、こうい
つて最後を結んでおります。これは論語の一節を引きまして「『邦に道有るときに、貧しくして且つ賎しきは、恥なり。邦に道無きときに、富みて且つ貴きは、恥なり。』いまの
日本は有道の邦なのであろうか。無道の邦なのであろうか。誰かの説に、田中耕太郎さんや
天野貞祐さんが、文部
大臣であるかぎり、学者の待遇の改善はなかなかむつかしかろう。何となれば、それらの人たちは、学者出身であり、あまりにも小さな数字になれた人たちである。むしろ大野伴睦、廣川弘禪などという人たちに文部
大臣にな
つてもら
つたらよかろう、という説がある。また一説では、それらの人たちは、われわれの月給を、一日か二日で使
つてしまう人たちだろうから、われわれの月給を日給とまちがえて、そのままにすごすだろうという説をなすものもある。何にしても、今の
日本の
政府に、あまり多くを期待するのは、無理なようである。そうだとすれば、か
つての中国がそうであり、またヨーロツパでも
アメリカでも部分的にはそうであるように、金もちが学者のうしろ立てになるべきであろう。かりにもしたとえば私に年五十万円だま
つてくれる人があるとすれば、私は
日本の東洋学を、もつともつと進歩させることをうけあうのだが。」こういうことが書いてあるのであります。こういうふうに言われておりますのは、これはほんとうの今日の学者の要求であることを御
承知くださいまして、文部
大臣の一層の御
努力を願いたいのであります。
なお続いて六・三制と地方教育費の関係について一点だけ文部
大臣にお尋ね申し上げたいのであります。六・三制というと何か寄付というふうに
考えられております。寄付といえば、PTA、こうい
つたようなわけで、今日六・三制というと、何か寄付によ
つてまかなわれておる。こういうふうな印象がいまだ農村にはあるのであります。そしてわれわれは農村のPTAというものは寄付によ
つて発達し、
育成されて来たのだ、こういう感すら持
つておるのでありますが、非常に地方財政が困
つておりまして、そこに平衡交付金が参りますが、教育費には充てないで、むしろ急ぐ土木、ごとに災害でもありますと、そつちの方に持
つて行
つて教育費の方にまわらない、こういうのが実情であります。そこでこれは
新聞で私は拝見いたしましたので、はつきりしたことは申し上げられないのでありますが、何でも文部省の調査だというものによりますと、一部十六県の調査によりますと、小学校では教育予算の七二%がPTAその他の寄付によ
つてまかなわれておる。中学校におきましては、六六%が寄付によ
つてまかなわれておる。これは文部省の調査だという
新聞によ
つて私は見ておるのであります。実際実情が、その
通り全部ではありませんけれども、そういうふうにな
つております。だんだん聞くところによりますと、教育
委員会法の一部を
改正して、たとえば予算見積り書をつく
つて教育
委員会の方で決定したものを知事が左右できないとか何とかいうことによるか、あるいは教育費の国庫負担、二十四年まで実施しておりましたものについて復活する
方法はないか、あるいは教育税を新たに設けてこの道を講じたいとい
つたようなことを文部省でいろいろ
考えおられるそうでありますが、この点についての文部
大臣の最近の御見解あるいはその御態度等をこの際承
つておきたいと思います。