○保利国務大臣 お答えいたします。いろいろ総理府統計でや
つております労働力調査、あすこに現われます完全失業者、この数字は昨年の前
国会でも大分指摘せられたのでありますが、五十五万というたいへんな記録を出してお
つたわけであります。その後四十六万、四十一万と累月逓減いたしまして、一番新しい十一月の調べによりますと、三十六万に落ちて参
つております。全体の失業者の把握をいたしますのには、非常に困難を感じますけれども、比較的実態に近いと思われますのは、職業安定所の窓口から見ました数字が私どもとしてはともかくも当面の対策上の一番手近かな資料として用いるわけであります。
その数字は、昨年八月、これはすべての統計が大体において失業者の最高記録を出している月だと思います。それによりますと、常用の
関係におきまして、職業安定所に来る求職希望者が約九十万、それが一月に至りまして七十二万九千というように減
つて参りました。日雇いの
関係で申しますと、有効登録と申しますか、登録者の数が昨年八月で四十七万あ
つたのでありますが、十一月に至りまして四十一万というようにな
つております。それに対しまして常用の
関係で私ども非常に関心を拂
つておりますのは、求人の
関係、失業者の吸收をはかる求人の趨勢がどういうふうにな
つているかと申しますと、五月、六月ごろは十五、六万ぐらいの求人数であ
つた。それが八月には十九万、十一月には二十三万四千というような数を示して、かなり特需、あるいは貿易
関係の産業において、たとえば紡績工業、金属工業、建設業、運輸業等におきまして、堅実な雇用
増加の足取りをして参
つております。日雇いの
関係におきましても、これは民間求人の需要が起りますと同時に、またあわせて御協力をいただいております失業対策事業の拡充によりまして、日々出頭して参ります出頭労務者、それが八月は三十四万であ
つたのが、十一月は二十八万というように逆にな
つて参りまして、最も注意を拂うべき日雇い労務者の就労状況も、八月以降堅実な足取りで逐月上昇して参りまして、十一月には十九日を越し、十二月には二十日を上まわるという
状態を呈しております。さらに常用の
関係を見ますと、もう
一つのポイントとして失業保險の給付
関係から見ましても、八月は四十一万四千人というような相当の数を示してお
つたのでありますが、十一月には三十三万八千人というように逓減して参
つておりまして、逐月八月を頂点としまして、どの面におきましても、堅実な足取りで改善の方向に向
つております。今日も依然としてその状況を続けておることと確信いたしております。