○勝間田
委員 ただいま
川崎君の
質問に対しまして
吉田総理が答弁といたしまして、もし
川崎君の言われるような
考えであるならば、社会党は共産党のお先棒をかついでおると
考えますという今御答弁があられたのでありますが、これはきわめて重大な問題だと思うのでありまして、まず一つ、二つの点についてお尋ねした、と思うのであります。一つはいわゆる
川崎君の
質問の中に若干違つた点がある。その点についてば
吉田総理もひとつ
知識を改めていただきたい。すなわちわが党の主張いたしておるのは一つは
全面講和である。この
全面講和については先ほど来首相がさらさら答弁されたように、なるべく
全面講和は望ましい、できれば
全面講和はほしいとまで申された。先ほど速記に書いてあると思うが、そういう態度をと
つておる点については、われわれの
全面講和ということは、結局単なる理想ではない。現に当面しておるところの現在の
情勢から見ても、われわれが国を深憂するところから出ておるところのものであります。これは
吉田総理といえども国のためにほんとうに心配されたと思うのであります。国を思う立場から、われわれは現在の
情勢に対してあくまでも
全面講和であ
つてほしいというわれわれの党の態度から出発しておるのであります。しかもさらにもう一つの問題は、いわゆる中立の堅持ということを言われておりました。これも先ほど
川崎君は、永世中立の堅持と言われましたけれども、二年間前からの大会以来、すなわち第五回大会、第六回大会、第七回大会を通じてはつきり申し上げておりまするのは、われわれは偏狭な永世中立をとろうとはしない。これは
経済的な基礎も明らかでないし、同時に現在においては、国際的
なつながりを持つた中立性がわれわれは望ましいのであるという
考えからいたしまましてわれわれは
国連加入における
日本憲法第九條との
関係から見て、いわゆる非武装憲法の立場におる
国連加入が国際的中立の立場である。その立場をわれわれは
考えているのでありましていわゆる従来普通世間で言われるところの単なる永世中立をわれわれは
考えているものでは断じてない。その点もはつきり御認識をいただきたいのであります。同時に私は現在の
軍事基地の設定の問題にいたしましても、われわれは
ポツダム宣言におきまして御案内の
通りに、もし占領政策も終るならば、
連合軍は即時撤退することが約束されている。今日において
日本の
軍事基地がほしいという者があるとすれば、われわれはそれを疑わざるを得ない。これも私が
日本の国の
独立と平和を望む国を思う至情から出ておる問題であります。かかる問題に対して従来今日まで單なるそれを理想論として、單なるそれをから念仏として
考えておつたいわゆる保守
政党の
考え方というものに対して、われわれは非常な不満を持
つているのであります。かかる
考え方から行きますならば、私どもは
日本憲法をほんとうに忠実に守
つて、四年前の憲法に忠実に
従つて、今日
日本の絶対平和を守るということが、今日におけるところの
日本国民の一
人々々の
考えであります。今日
世界に第三次戦争の危機があるかどうか知りま
せんけれども、今日
日本国民が希求している問題は、戰争に絶対加入したくない、われわれはもう一ぺん銃をとりたくない、これはおそらく私は、あなたが農村の村々に行
つてお聞きになるならば、一
人々々
お答えになると思う。その
方法には幾つもあると思いますけれども、憲法の立場から
考えてわれわれはこの三つの
原則を持
つているのでありまして、共産党の
考えどがうあろうと、何の
考えがどうあろうと、われわれはそんなことは少しも
考えているところではないのであります。われわれの一番望むところは、今日の
共産主義勢力というものに対して、どこに一番大きな脅威があるか、その脅威の根本をわれわれはついて行
つて、同時に
日本を不幸な事実に陷れることなく、われわれの平和を守
つて行こうという決意から出て来るものであります。今日における
世界の社会民主
主義者が何を
考えているか、あなたはよくお
考えのことと思います。われわれはよく反動のあらしの中に立
つても、同時に凶惡なる一つの思想の上に立
つても、あくまでも社会民主
主義を守
つて行こうという熱意にかられて、しかもそれは祖国愛の見地に立
つてわれわれや
つているのでありまして、今日とかく
世界情勢が混乱いたしますならば、ただちにあれは何々
主義に通ずるとか、何々
主義に通ずるとかいう一片の誹謗によ
つて物事を片づけて行こうとするそういう浅薄な
考え方というものは、私はとらざるところであります。われわれの党の名誉にかけて、今日における
吉田総理の心境が真実なものであるかどうか、これをお
伺いしたいのであります。