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大野政府委員 お尋ねでございますから、私から一言お答えをいたしたいと思います。
ドツジさんの
書簡が出まして、
運用再開が当分望めなくな
つたという
解釈につきましては、ま
つたく
大臣がただいま御説明にな
つた通りに私
どもも
考えております。というわけは、昨年久しきにわたりまして、当
国会におかれまして、
運用はよろしくすみやかに
郵政省の手にもどすようにすべきだという御決定が、再度にわた
つてなされておりますし、それに基いて
政府は
運用再開についての方針を
閣議において決定いたしました。それに基いて関係
当局に、昭和二十一年の一月に出されました経済科学局長の
書簡の撤回を、懇請して参
つたのであります。そういうわけで、この
運用再開につきまして、爾来いろいろと関係
当局とも
折衝に切衝を重ねまして、ようやく昨年の暮れごろになりまして、
運用再開の望みがかなり濃くな
つて参りました。つまりまだ最終的に、ただいま申しましたマーカツト局長の
書簡を撤回されるところまでは至
つておりませんでしたけれ
ども、大体それは撤回される、言いかえますと
運用再開なり、
国会の御
意思なり、
政府の方針なりに同調されるのではないかという希望が、非常に濃くな
つて参りました。それに応じましてわれわれの方としましては、事務的な準備をそれぞれ整えて参
つてお
つたのでありますが、たまたま再び
ドツジ氏が来朝せられまして、予算その他についてのいろいろのお仕事をなさ
つておいでにな
つたのでありますが、昨年の暮れごろに至りまして、どうも司令部の
運用再開の最終的の承認が、相当むずかしくなりそうだという形勢が、新たに起
つて参りました。そこでそれはどういうわけであるかというので、ただいま
大臣の
お話にもございましたように、
大臣が直接
ドツジさんに会われて、
運用の再開は
国民の
輿論であり、
国会の
意思である。
政府もぜひその
通りに懇請したいというという
趣旨を、言葉だけでなく、書きものにして差出されまして、十分
お話をなさ
つたのでありますが、そのときに
ドツジ氏が明瞭に、法律的に言えば
日本まだ戰争は終
つていないじやありませんか、非常時はまだ続いておりますよと
はつきりと言われて、この
政府の
意思を拒否されたのであります。
はつきりとノーと言われたのであります。してみれば
——ドツジ氏の
書簡をどう
解釈するかはそれは自由であります。しかし
書簡を出した人
自身がそう言
つておるのでありますから、このくらい
はつきりした
解釈はないのであります。しからばわれわれは涙をのんで、それに従わざるを得ないというのが、われわれの
立場でありますから、
解釈の点について何らの不一致もございません。