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1951-02-20 第10回国会 衆議院 郵政委員会 第2号
公式Web版
会議録情報
0
昭和
二十六年二月二十日(火曜日) 午後一時五十三分
開議
出席委員
委員長
池田正之輔君
理事
飯塚
定輔君
理事
風間
啓吉
君
理事
白井
佐吉
君
理事
吉田 安君
石原
登君
江田斗米吉
君
尾関
義一
君 坪川 信三君 降旗 徳弥君 山本 久雄君 土井 直作君
柄澤登志子
君
出席国務大臣
郵 政 大 臣
田村
文吉君
出席政府委員
郵政事務次官
大野 勝三君
郵政事務官
(
郵務局長
)
浦島喜久衞
君
郵政事務官
(
簡易保險局
長) 金丸 徳重君
委員外
の
出席者
專 門 員 稲田 穰君 專 門 員 山戸 利生君
—————————————
二月一日
委員岡村利右衞門
君
辞任
につき、その
補欠
とし て
尾関義一
君が
議長
の
指名
で
委員
に選任された。 同月十三日
委員玉置實
君
辞任
につき、その
補欠
として
江田
斗米吉
君が
議長
の
指名
で
委員
に選任された。 同月二十日
委員尾関義一
君
辞任
につき、その
補欠
として久
野忠治
君が
議長
の
指名
で
委員
に選任された。
—————————————
一月十六日
簡易生命保險及び郵便年金積立金
の
融資再開促
進に関する
請願外
六件(
今村忠助
君
紹介
)(第 六七号)
南瀬高駅前
に
郵便局設置
の
請願
(
龍野喜一郎
君
紹介
)(第一一四号) 三都
郵便局
に
集配事務開始
の
請願
(
玉置實
君紹 介)(第一二八号) 同月二十五日
駒形郵便局復活
の
請願
(
西村直己
君
紹介
)(第 一八九号)
宮沢郵便局
に
集配事務開始
の
請願
(
池田正之輔
君
紹介
)(第二四八号) 二月八日
真滝郵便局舎新築
の
請願
(
淺利三朗
君外一名紹 介)(第四五五号) 秦野町に
特定郵便局設置
の
請願
(小
金義照
君紹 介)(第四五六号) 旭町
郵便局復活
の
請願
(
白井佐吉
君
紹介
)(第 四五七号)
山中局
を無
集配特定郵便局
に
昇格
の
請願
(千賀 康治君
紹介
)(第四五八号)
道下簡易郵便局
を無
集配郵便局
に
昇格
の
請願
(
鍛冶良作
君
紹介
)(第四九八号) 同月十三日
簡易生命保險及び郵便年金積立金
の
融資再開促
進に関する
請願
(
平野三郎
君
紹介
)(第五四〇 号) 那珂湊町に
特定郵便局設置
の
請願
(
塚原俊郎
君
紹介
)(第五四一号)
海外同胞救出
の
記念切手発行
に関する
請願
(受
田新吉
君
紹介
)(第六四八号) 野崎村
大字沢
に
簡易郵便局設置
の
請願
(高塩三 郎君
紹介
)(第六四九号) 同月十九日
狩宿部落
に
簡易郵便局設置
の
請願
(
青野武一
君
紹介
)(第七八七号) の
審査
を本
委員会
に付託された。
—————————————
本日の
会議
に付した事件
郵政行政
に関する件
—————————————
池田正之輔
1
○
池田委員長
これより
会議
を開きます。 議事に入る前に御報告いたします。昨年十二月十一日の
委員会
におきまして
年賀郵便特別取扱い
の
実施等
に伴う
郵便事業
の最繁忙時たる年末年始における
郵便事業
の
運行状況実施調査
のための
委員派遣承認申請
の件は、同月十五日の
議院運営委員会
におきまして、留保ということに相なりました。御了承願います。以上御報告いたします。 それでは
郵政行政
に関する件を議題といたします。まず
田村郵政大臣
より、
行政一般
、特に二十六年度
郵政省関係予算
に関し、
説明
を聽取いたします。
石原登
2
○
石原
(登)
委員
郵政大臣
の御
説明
を聞く前に、私二、三
委員長
に
お尋ね
したいのでありまするが、実は本
国会
が始ま
つて
から相当期間経過いたしまして、しかも重大な
法案
でありまするところの
予算案
も、もうすでに衆議院においては
審議
が結了されようとしているまぎわに至るまで、
郵政委員会
は今日まで一度も開会いたしておりません。この間私どもは、
郵政事業
の問題をめぐ
つて
相当重要な問題が起
つて
おりまするから、
專門員
を通じてたびたび
委員会
の開催を
要求
いたしております。これに対しては
專門員
の諸君もかなり努力したというようなことを私聞いておるのでありますが、しかし今日までどうして
委員会
が開かれなかつたか、この点をまず
委員長
に私
お尋ね
いたしたいのであります。まじめに笑わないで答弁してもらいたい。
池田正之輔
3
○
池田委員長
少しおそくなりましてまことに申訳ありません。
石原登
4
○
石原
(登)
委員
そういうことでなしに、まじめに答弁してもらいたい。何かにやく笑
つて
おる。そういうことではいけません。非常に重大な問題があるので、私はこういう問題があるから、ああいう問題があるからとい
つて
、たびたび申し上げておる。もうすでに
国会
も終りになろうとしているのに、今ごろにな
つて委員会
を開く。しかも
予算
はすでに通ろうというのに、
郵政省
の二十六年度の
予算
が今ごろ出て来ておる。私はこれでは
委員会
としてまことに面目次第もないものである、かように
考え
ておるわけであります。何かその間に特別の事情でもあるのか、あるいは
委員長
がそういうような必要を認めなか
つたの
か、そういうような
認識
がなか
つたの
か、この点を明らかにしてもらいたいと思う。
池田正之輔
5
○
池田委員長
認識
が足りなか
つたの
でしような。
柄澤登志子
6
○
柄澤委員
ただいまそちらの
与党
の
委員
の方から御
発言
があつたと思いますけれども、
一般会計
から三十五億繰入れるということが、これは
大蔵委員会
で問題になりまして、すでにもう通過しておるというような
状態
に対して
郵政委員会
は一度も開かれない。これは当然
連合審査
と申しますか、そういうような形で十分に
慎重審議
をやるべきものであると思うのでありますけれども一体
郵政委員会
というものは
飾りもの
なのかどうか。そんなに
大蔵省
の言う
通り
に何でもしなければならないのかどうか。
郵政大臣
は
飾りもの
なのかどうかというようなことも、やはりこの際、
与党
の方が御
発言
になりましたのを、ここで答弁をそらしてというのでなしに、
ほんとう
にはつきり言
つて
いただきたいと思うのでございます。きようも実はもうたびたび秘書をやりまして、土十六年度の
予算
を何とか早く手に入れたいと思
つて
おりますのに、出ておらない。
郵政事業特別会計歳入歳出予算参考書
というような、相当厖大なものができるはずでありまして、
郵政委員会
としてはそれをやはり
責任
をも
つて
検討するのが、
議会政治
の
建前
ではないかと思います。今後また
郵便貯金特別会計法
というようなものも出るということも聞いておりますし、ぜひこの機会に
気持
を新たにして出発するという
建前
で、ひとつただいまの
与党
の
委員
の
質問
には、
委員長
がお答え願いたい、私もかように
考え
ます。
池田正之輔
7
○
池田委員長
柄澤
君にお答えします。実はこのごろの
議会
はお
天気
みたいなもので、お
天気
だと思うと雨が降つたり、いろいろかわる。ということは、私は今度の
予算委員会
が、実はうかつにもそんなに進んでいるとは思わなかつた。これが大体実はポイントだつた。というのは、近年の
議会
の様子を見ていると、
予算委員会
が、私もこの前まで
予算委員会
の
理事
をや
つて
おりましたが、大体今までは遅れているので、だからまだいいなというところに、実は私の
認識
が足りなかつた。そこに一つの重大な何があつたわけです。そこで先週御
承知
のように開く
予定
でありましたところが、
ちようど雪
が降りまして不可能に
終つた
、こういう
実情
ですから、ひとつ御了承願います。
柄澤登志子
8
○
柄澤委員
それではまあそういう事態に、
ちよ
つと自然の成行きでそうな
つたの
とは違うと思うのてございますけれども、
委員長会議
もお開きにな
つて
いらつしやるはずでございますから、御存じがないとは言えないと思います。
委員長会議
で、
予算委員会
の経過というものはおわかりにな
つて
いらつしやるはずだと思うのです。特にそういう総合的な
建前
から、
与党
として
議会対策
をやられていらつしやると思うのでございますけれども、今後ぜひその中に
郵政関係
の問題について、少くとも
連合審査
というところまで持
つて
行くように、当
委員会
としての
決議
をや
つて
いただきたい、こういうふうにほかの
委員
の方にも提案したいと思います。
池田正之輔
9
○
池田委員長
何の
決議
ですか。
柄澤登志子
10
○
柄澤委員
郵政事業
に関しまする重要な
法案
などが、
郵政委員会
も開かれず、ほかの
委員会
でも
つて
どんどん決定されて、多数決で通
つて
いるわけでございまして、それには
委員長
もやはり賛成なさ
つて
いらつしやると思う。ないと思うのです。ですからそういう問題が
審議
されますときには、やはり
郵政委員会
を開く、あるいは
連合審査
をやるというふうなことを
——郵政委員会
を無視しておるという今の
方針
に対しまして、もし
委員長
がそれをお認めになりましたならば、ぜひ各
委員
ともお諮り願いまして、
決議
をや
つて
いただきたい、かように
考え
ます。
池田正之輔
11
○
池田委員長
今後柄沢さんの言われるように
運営
して行きたいと思います。
石原登
12
○
石原
(登)
委員
私は
委員長
にどういうわけではありませんけれども、今
委員長
は
認識
が足りなかつたと簡單に言われた。しかし私は
專門員
に対しては数回
要求
しておる。これがあなたに通じないはずはないし、そういう問題は、今日
郵政事業
を通じて
国民
に相当大きな影響があるということを、いくら何でもあなたが御
承知
にならないはずはないと思う。ましてやあなたは
議会
においては相当の先輩で、
議会
の
運用
がどういうふうに進んでおるか、しかも今年の
国会
が選挙を控えて、いつごろ
予算
が上るかということは、あなたは百も二百も
承知
のはずだと思う。どうかこういう点は、もう少し
委員会
も活動できるように、そうして今私は
郵政事業
は
危機
に立
つて
おると思うのですが、その
危機
に立
つて
おる
郵政事業
に対して、われわれは何とかして助けて行かなければならない大きな
責任
があると私は
考え
ておる。この点も特にお
考え
を願いたいと思います。 それから私はこのついでに
郵政大臣
に
お尋ね
をいたしますが、私が
認識
する範囲においては、今私は
郵政省
の
危機
だと思
つて
おる。こういう時期において
国会
を無視したような
——
今の
委員長
のお話によ
つて
、私はこう思うのです。少くともこういう時期において、
大臣
は
委員長
に対して、
国会
に対して積極的な
協力
を
ほんとう
に求められなか
つたの
かどうか。この点を一応私は
お尋ね
いたしておきたいと思います。
田村文吉
13
○
田村国務大臣
ただいま
お尋ね
のようなことにつきまして、特に私の方から
委員長
に、
委員会
を開いていただくというようなことの
要請
は、特にいたしませんでございました。しかし現在の
実情
については大体御了承かとも思いますし、また私でなくても
政府委員
の中から、なるべく各
委員
の方々にはおわかりになるように、
連絡
をとる
方針
でいつでもおりますつもりでありました。あるいはお
考え
になるようなことで、一、二もつと早く申し上げるべきであつたというようなこともあつたかもしれませんけれども、大体はそういう
方針
で
連絡
をよく申し上げて行きたいと、こう
考え
ております。
石原登
14
○
石原
(登)
委員
私はかねがね、これは單なる風説だろうと思うのですけれども、
国会
内においても、どうも
郵政省
はこの
国会
に対する
協力
の求め方が、非常に熱意が足らない、こういうことを感じておる
委員
が多いと私は思います。これは非常に不幸なことであ
つて
、少くとも今日の
政治
を運行して行く上において、
郵政省
としては一番
国会
の
郵政委員会
に
協力
を求むべきであ
つて
、またその
協力
を通じて、私はこの
郵政省
の
事業
を
ほんとう
に
国民
の
要請
に沿うように持
つて
行くべきものだと、かように
考え
ております。しかし今非常に重要な問題が山積しておるのにかかわらず、
郵政大臣
が積極的にそういうような
協力
を求められなかつたということについて、私は衷心から遺憾に存じます。どうかこういう点は今後大いにお改めを願いたい。このことだけは特に私は御要望申し上げたいと存じます。 それからさらに最近の問題ではいろいろあるのでございまするが、この二十日くらい前ですか、毎日の
新聞
に、
郵政事業
のあり方について、ほとんど嘲笑的な
記事
を私は連日見た。いわゆる日曜配達の問題について、全
国民
の非常に不満やる方ないような
気持
がはつきりと現われておりまして、どの
新聞
を見ましても、
ゴシツプ欄
で
扱つて
、私はここにその
記事
を持
つて
来ておりませんけれども、相当非難があつた。こういうような大事な問題をきめるにしても、まるで
政府当局
だけでか
つて
にそういうことをやられる。もちろんそういうものは
法律
で
縛つて
はおりませんけれども、これは少くとも
国会
とも相談されて、そういうものに対するところの
運営
については、十分
考え
てもらわなくてはならぬと
考え
ております。いずれ
大臣
の
説明
があるそうでありまするから、その
説明
をお聞きした上で、あとで
質問
しますけれども、私は
大臣
の
説明
があります前に、以上のことを申し上げまして、一応私の
質問
をここで保留いたしておきます。
池田正之輔
15
○
池田委員長
それでは
田村郵政大臣
の御
説明
を求めます。
田村文吉
16
○
田村国務大臣
それでは私から
所管事項
につきまして、
概略
の御
説明
を申し上げまして、
委員各位
の御
参考
に供したいと存じます。 先般、第九
臨時国会
の本
委員会
におきまして、
業務
の概況につき一
通り
御
説明
申し上げたので、本日は本
国会
に提出いたしておりまする
明年度予算案
と、その後起りました二、三の問題につきまして、御
説明
申し上げたいと存じます。まず
最初
に、
昭和
二十六年度の
郵政省所管予算
について、
概略
の御
説明
を申し上げます。 〔
委員長退席
、
飯塚委員長代理着席
〕 まず
最初
に、
郵政事業特別会計予算
でありますが、この
予算
の
総額
は、
歳入歳出とも
に五百七十億六千四百二十四万五千円を計上しておるのでありまして、このうちには
事業外
の
收支
として、
收入
印紙及び
失業保險印紙
の売りさばき
関係
の
收支
が、
歳入歳出とも
に八十四億三千六百万円が含まれておりますので、
事業
本来の
業務
に属する額は、
歳入歳出とも
に四百八十六億二千八百二十四万玉千円と相なるのであります。まず
歳入予算
について申し上げますと、
郵政事業
の
收入
はこれを大別して、
自己收入
と他
会計
からの繰入れ
收入
との二つにわかれているのでございます。
自己收入
は御
承知
の
通り
、
郵便事業
における
切手
、
はがき等
の
收入
及び
貯金事業
のうち、
郵便為替
、
振替貯金
の
手数料等
、
郵政事業
本来の
業務
から生ずる
收入
でありまして、二十六年度におけるこれらの
收入
は雑
收入
九億円余を合せて、百八十六億九千六百七十万四千円を
予定
いたしているのであります。次に他
会計
からの繰入れ
收入
でございますが、これは
郵便貯金業務
、
国税金
の
收納事務
、
保險年金業務
、
特定郵便局
における
電気通信業務等
の
運営
に必要な
経費
の
財源
として、それぞれの
会計
から繰入れられるものが二百五十五億五千六百六十四万三千円、主として
郵便事業
において生じまする
歳入不足
の補填のため
一般会計
からの繰入金が三十五億八千三百八十三万五千円、これを合せまして二百九十一億四千四十七万八千円を計上いたしているのでありますが、このほかに二十六年度におきましては、
郵便局舎等
の
建設
に必要な
財源
に充てるため、他の
会計
から
設備負担金
として繰入れられる
経費
が二億九千百六万三千円、
公債発行
による
公債金
が五億円、以上
合計
四百八十六億二千八百二十四万五千円を、
業務收入
とし七
予定
いたしている次第でございます。 これに対しまして
歳出予算
といたしましては、
郵便事業
の
維持運営
に直接必要な
経費
として百六十二億九千二十四万五千円、
為替貯金事業
の
運営
に直接必要な
経費
が七十九億一千三十五万円、
保險年金事業
の
運営
に直接必要な
経費
が八十億六千三百八十万三千円、
特定局
における
電気通信業務
の
運営
に直接必要な
経費
が四十一億二千五百八十五万四千円、以上の
業務
を
運営
するための間接的な
経費
、すなわち総
係費
が九十九億三千二百十三万円、
郵便局舎
、
合宿所等
の
施設
に必要な
経費
として
局舎
の建築、
土地買收等
の直接的な
経費
、すなわち
工事費
が十三億一千三百九十二万六千円、これに伴う間接的な
経費
が一億一千二百七十万五千円、
予備費
一千万円を計上しており、さらにこのほか、
恩給負担金
及び借入金の
利子等
を他の
会計
に繰入れる
経費
として八億六千八百二十三万二千円、
合計
四百八十六億二千八百二十四万五千円を計上いたしているのでございますが、この
経費
をさらに
人件費
、
物件費
に大別してみますと、
人件費
が、三百十二億五千五百三十九万九千円、
物件費
が百六十二億三千二百二十一万五千円、その他十一億四千六十三万一千円と相な
つて
おりまして、この比率を見ますると、
人件費
が六四・二%、
物件費
が三三・五%、その他二・三%とな
つて
いるのでございます。 なお
建設工事費
の内訳を
説明
申し上げますと、
普通郵便局
が五三局、その他
庁舎
の新増築及びこれに必要な
土地
の
買收費
が十一億一千八百五十万六千円、
従事員
の宿舎の
建設
その他諸
施設
に要する
経費
が一億九千五百四十二万円とな
つて
いるのでありますが、特に
普通郵便局舎
の
建設
につきましては、
郵便物
の
安全性
を確保するためと、建物の終局の
経済性
とを
考え
まして、その八割
程度
を
鉄筋コンクリート造り
で
建設
いたす
計画
でございます。
郵便事業
の
赤字
の問題につきましては(前回の本
委員会
においても申し上げたかと思いますが、
赤字
の
原因
は
ベース・アツプ等
による
人件費
の増高等いろいろ
考え
られますが、いまだに
郵便物の数
が
戰前
の
程度
に回復せず、また
料金
の点にも問題があると
考え
られるのでありますが、
政府
といたしましては種々研究いたしました結果、
政治
的な考慮から、さしむき
料金
の調整は避けまして、
歳入
の
不足
は
一般会計
から繰入れるということに相な
つたの
であります。従いまして
増收
の道は、一に
終戰後急激
に減少いたしました
郵便物数
の
増加
をはかる以外にないのであります。すなわち
昭和
十七年度に比べて、
昭和
二十四年度の
通常郵便物の数
は、十七年度の五七%、また
小包郵便物の数
はその三一%とな
つて
おりまして、本
年度上半期
では、それぞれ
通常郵便物の数
が二八%、
小包郵便物の数
は一五%
程度
であります。かかる
実情
にかんがみまして、当省といたしましては、
郵便物利用
の勧奨に種々努力いたしているのでありまして、今
国会
におきましても、
郵便法
の 一部
改正
を御
審議
願い、
事業経営
上の
要求
と
利用者側
の要望を織り込みまして、
現行制度
に所要の
改正
を加え、
事業
を
整備充実
し、
サービス
の向上をはかりたいと目下取
運び
中であります。 なお先ほど申し上げました各
業務
を
運営
して行くための人員は、二十六年度におきましては
事務量
の
増加
もありますが、
郵便事業財政
の現状にかんがみ、極力自粛いたしまして、前年度
定員法定員
二十六万六百四十人に対しまして二十六年度は二十五万九千八百七十四人、前年度より七百六十六人の
減少要求
をいたしている次第でございます。 次に
郵便貯金特別会計
の
予算
について申し上げますが、この
会計
の
歳入予算
は、
資金運用部
に預け入れる
郵便貯金資金
の
利子收入
百一億二千七百五十万六千円、これに対しまして
歳出予算
は、
郵便貯金
の
預入者
に対する
利子
の
支払い
に必要な
経費
が四十一億一千四百七十五万七千円、
郵便貯金
の実際の
業務
は、すべて
郵政事業特別会計
を通じて行
つて
いるので、この
取扱い
に必要な
経費
の
財源
に充てるため、同
会計
に繰入れる
経費
が七十五億三千八百二十七万六千円、
合計
百十六億五千三百三万三千円とな
つて
いるのでありまして、
歳入不足額
十五億二千五百四十二万七千円は、
一般会計
から補給を受けることとな
つて
いる次第でございます。なおこの
会計
は二十六年度から新たに発足する
予定
のもので、
郵便貯金事業
に関する部面を、従来の
大蔵省預金部特別会計
から切り離しまして、
事業
の
收支
を明確にして、
事業経理
の
合理化
をはかるため、別の
特別会計
を設けることに目下取
運び
中のもので、いずれ本
国会
におきまして
関係法律案
の御
審議
を願う
運びとなつているのでありますが
、この
特別会計
の
運営
について
概略
を申し上げてみますと、
郵便貯金
として受入れた
資金
を、今回
預金部
を改組して、新たにできまする
資金運用部
に預託し、この
預託金
に対する
利子收入
で、
郵便貯金
の
利子支払い
と、
業務取扱い経費
をまかな
つて
行く仕組とな
つて
おります。かように
貯金事業
も
独立採算
で行く
建前
でありますが、初年度の二十六年度におきましては、
資金運用部
から受入れる
利子收入
だけでは、必要な
経費
をまかなうことが困難でありますので、その
不足分
は、先ほど申し上げましたごとく、
一般会計
から繰入れを受けるということにな
つて
おります。
郵便貯金
も、
経済
の
安定化
が進むに伴いまして、大体
増加
の趨勢をたどり、二十五年一月末の現在高は、一千五百十六億円余に達しております。それでも
戰前
に比べまして、その間の
経済状態
の変化を考慮いたしますると、まだまだ比較的少いのでありまして、
郵便貯金
の現在高は、
昭和
十年当時のわずか四十六倍
程度
にすぎないのであります。この点
赤字
を生ずる大きい
原因
と
考え
られるのでありますが、二十五年度の三百五十億円に対しまして、二十六年度は四百億円の
増加
を
目標
としている次第でございます。
郵便貯金
の
資金コスト
は、二十五年度は大体六分八厘六毛
程度
でありまして来年度は
平均残高
も一千八百四十億円
程度
となり、
資金コスト
は
支払い利子
が二分二厘九毛、
事業取扱い経費
が四分九毛、合せまして六分三厘三毛と、五厘
程度
改善
される
見込み
でありますが、これでもなお
資金
の利回り五分五厘に対し、八厘三毛の逆ざやでありまするので、この分だけ
收入
不足
となる
勘定
でございます。われわれといたしましては、かような
收支
のアンバランスを克服して、一日も早く
独立採算
を確立すべく努力いたしますとともに、二十六年度は
横書式貯金通帳
の
発行
、戰時中疎開した
貯金原簿
の復元、あるいは
庁舎
の
改善
による
貯金原簿等重要証拠書類
の
保全対策等
、
事業
の
整備充実
と
サービス
の
改善
に努める所存であります。 次は、
簡易生命保險及び郵便年金特別会計予算
でございますが、この
会計
の
歳入
といたしましては、
保險勘定
におきましては、
保險料收入
が三百九十六億六汗四百余万円、
積立金
及び
余裕金
の
預金利子收入等
が二十二億円余、
合計
四百十八億六千五百万円余とな
つて
おります。これに対しまして
歳出予算
は、
保險金
の
支払い
に必要な
経費
が十七億六千七百万円、
保險
の失効、
解約等
に伴
つて
必要といたします
澤付金等
が八十三億九千百万円、
簡易生命保險業務運営
のために必要な
経費
の
財源
に充てるために
郵政事業特別会計
に繰入れを必要とする
経費
百八億一千八百万円、
予備費
五億円、
総額
二百十四億七千五百余万円を計上いたしているのでございます。さらに
年金勘定
の
歳入
といたしましては、
年金
の掛金及び
積立金利子等
五億百余万円、これに対しまして
歳出予算
は、
年金
の
支払い等
に必要な
経費
が三億五千九百万円余、
郵政事業特別会計
に繰入れを必要とする
経費
が二千五百万円、
予備費
が八百万円、
合計
三億九千二百余万円を
予定
いたしている次第でございますが、この
会計
におきましては、
歳出経費
に比較いたしまして、二百四億九千八百余万円の
歳入超過
とな
つて
いるのでありますが、これは
会計法
に定めるところに従いまして、
積立金
として処理いたすことに相な
つて
おるのでございます。
簡易保險事業
におきましても、
経理
のバランスを回復するため、諸
経費
の節約はもとより、積極的に良質新
契約
の
募集
と、
既契約
の
維持強化
による
事業收入
の
増加
に努めておるのでありまして昨年度、これは
暦年制
でありますが、十五億円の
募集目標
を立て、この
目標達成
にあらゆる努力を尽しました結果、一〇〇%にはわずかながら及ばなか
つたの
でありますが、
目標額
に対し九三・七%に当る十四億五百万円を獲得いたしました。この結果二十五年度の決算におきましては、目下の
見込み
では、数年来初めて若干の黒字となり、ようやく
收支均衡
の端緒をつかみ得る見通しであります。この一月からスタートいたしました二十六年度の
募集計画
においては、最近の
募集状況
を考慮して、
新規募集
の
目標
を、第一回
保險料額
で表現しますと、十億円ということにいたしましたが、なお先ほど申し上げました
通り
、
歳入予定額
は約四百十八億円で、
歳出予定額
約二百十四億円を差引いて、約二百四億円の
歳入超過
となり、
事業費率
も二七%とな
つて
、二十二年度の三分の一近くまで低下する
見込み
でありまして
国民生活
の安定、復興に伴いまして、
事業
の再建、復興に向
つて
着々堅実な歩みをいたしている次第でございます。 次は
郵政省
所管の
一般会計
予算
について申し上げます。この
会計
の
予算
総額
は百二十三億四百余万円とな
つて
おりましてこの内訳は、
郵政省
基幹職員に必要といたします
経費
が百三十六万六千円、
郵政事業特別会計
の
歳入不足
補填のため同
会計
へ繰入れを必要とする
経費
三十五億八千三百八十三万五千円、
郵便貯金特別会計
への繰入金が十五億二千五百四十二万七千円、
年金
及び恩給の支給に必要とする
経費
七十一億七千三百九十六万八千円、簡易生命
保險
事業
の戰争危險による死亡に基く損失補填のため、同
会計
へ繰入れを必要とする
経費
二千万円と相な
つて
いるのでございます。 以上で
郵政省
所管の各
会計
の
昭和
二十六年度
予算
、及びこれに関連して
業務
内容についても若干
説明
申し上げたのでありまするが、もしさらに詳細の
説明
が必要でございましたら、
政府委員
をして
説明
いたさせます。 次に今
国会
に
郵政省
で提出を
予定
しております
法律
案は四件ございます。
郵便法
の一部
改正
と、貯金
関係
の三
法律
の一部
改正
でありますが、このほかに簡易
郵便局
法の一部
改正
が議員側から提案される模様でありますから、これを合せまして全部で五件となる
予定
であります。
改正
案の内容は、いずれも
事業
の
整備充実
をはかり、
サービス
を向上して、利用者の利便をより一層増進しようとするものであります。その具体的内容につきましては、
郵便法
の一部
改正
は一応
関係
筋の御承認を得たのでありますが、その他の
改正
案につきましては目下折衝中でありまして、なるべくすみやかに提案いたしまして、御
審議
を願いたいとせつかく努力いたしております。詳細の
説明
はその際申し上げたいと存じます。 次に日曜日の郵便配達
業務
廃止の問題につきまして申し上げます。先ほど申し上げた
通り
、
郵便事業
は来年度におきましても相当の
赤字
が予想され、その
不足分
は
一般会計
から繰入れることと相な
つて
おりますが、かかる
事業経理
の現状にかんがみまして、合理的、
経済
的経営をはかるため、比較的影響の少いと思われる日曜日の配達を一部やめたらどうかと
考え
まして、研究に着手したのであります。欧米各国では、すでに久しい以前から実行していることではありますが、わが国では何分にも日曜配達は、七十数年の長い間続けて参つたものでありますから、これを発止するには、利用者及び
業務
運営
上に與える影響や効果を、十分に検討する必要があると思われますので、まず全国から二百数十局を選びまして、テストケースとして一月十四日の第二日曜日から実施を試みているのであります。いずれその結果を見ました上で、全面的に実施するかどうかを慎重に検討して決定したいと
考え
ております。 次にお年玉付年賀はがきにつきましては、本年度は四億枚
発行
し、昨年十一月十五日から発売いたしましたが、各方面の御
協力
と
従事員
の努力によりまして、一月九日に完売となりました。ただ配達遅延その他
取扱い
につきまして、いろいろ批判を聞いておりますので、かかる点につきましては、十分利用者の声を尊重し、でき得る限りその線に沿
つて
改善
を加えまして、より親しまれ、愛される年賀はがきをつくり上げたいと思
つて
おります。 次に外国
郵便為替
について、その後の状況を申し上げます。外国
郵便為替
は、前会も申し上げた
通り
、アメリカとは一昨年十二月から、またカナダとは一年遅れて昨年十二月から再開せられ、本年一月末までに約百三十五万ドルの本邦向け送金を
取扱い
、外貨の獲得及び
国民
の福利増進に多大の貢献をいたしておりますが、目下のところは本邦向け送金だけの、いわゆる片為替でありますが、さきに加入を認められた万国郵便連合の為替約定及び振替約定が、昨年十月二日に公布せられ、為替
業務
については先月二十三日総司令部民間通信局から覚書が参り、わが国振出しの
業務
についても開始準備をするよう勧告がありましたので、目下連合加盟国との交渉及び国内法令の制定のため準備を進めておりますので、広く為替の相互振出しが実現するのも遠くないと存じます。 最後に
郵便法
第五条違反事件の摘発について申し上げます。御
承知
の
通り
郵便法
第五条は、
事業
の独占に関する規定でありまして、国営の
郵便事業
は、均一
料金
で平等の
サービス
を提供することを、経営の基本
方針
としておりますので、近距離の便利な区間だけ民営でやられることは、この経営の基礎を脅かすことになりますので、この規定が設けられておるのであります。今回の私設
郵便局
は、この規定に違反し、
事業
の再建復興に支障ありと認めましたので、思い切
つて
全国的取締りを実施したのであります。申すまでもなくわれわれといたしましては、絶えず
郵便事業
の
整備充実
に心がけ、
サービス
の向上に努めて参り冒して、昨今では
経済状態
の
安定化
と相ま
つて
、終戰後の一時的混乱
状態
を脱却し、ようやく
戰前
に近い
状態
まで立ち直
つて
来たのでありますが、いまなおこの種違反行為が跡を絶たず、かなりの組織を持つた私設
郵便局
が生れ、それがともかくも成り立
つて
いるという事実は、われわれの
郵便事業
におきまして、まだまだ
サービス
向上のため
改善
、くふうの余地が残されていることを示されるものであると
考え
ますので、
業務
運営
上さらに一段と
改善
を加えまして、私設
郵便局
の存立の余地を残さないところまで充実して行く覚悟であります。 以上で私の
説明
を終りますが、なお詳細な点については、御
質問
によりお答え申し上げることにいたします。
坪川信三
17
○坪川
委員
私は今
大臣
の一般
郵政事業
の御報告を拝聽いたしまして、非常に失望いたしたのであります。それは先ほど
石原
君も御指摘になりまして、
郵政省
の
危機
ということをさされましたが、それが何であるかということであります。それは最近
新聞
に出ておりますところの、
積立金
の
運用
権の問題であろうと思います。私は事務当局の方々の御苦労のほども推察いたしておるのでありまするが、昨日も私はやはり
郵政事業
の
危機
だと思いまして、
大蔵省
に行きましていろいろと調べて参
つたの
でありますが、非常にその
運用
権の帰属の問題について、進展いたしておるのであります。その問題に対して何ら
大臣
が触れておられないということであります。私は日ごろ
大臣
に対しましては、非常に親愛、敬愛の情を深くしており、また識見、手腕に対しましても尊敬いたしておるのでありますが、この問題は
郵政省
にと
つて
はまことに重大な問題であろうかと思うのであります。
新聞
に出ております
関係
から、地方からどんどんと電報が参
つて
おるような状況でありますが、これに対する今までの経過並びに見通しにつきまして、
大臣
の確信をお伺いいたしたいと思います。
田村文吉
18
○
田村国務大臣
私が特に
説明
を加えなかつたわけではございませんが、多分この問題について御
質問
もあるだろう、その際に別にあらためて申し上げた方がよろしかろう、こう
考え
ておりましたので、
説明
はいたしませんでしたが、大体この中にも申し上げましたように、
保險
及び
年金
の
積立金
再開の問題は、すでに衆議院、参議院におきましても再開の
決議
があり、また閣議におきましても、私が就任いたしましてからも、この問題について特に閣議の決定を見ましてこれは
郵政省
の
保險
局において再開
運用
すべきものと、こういうふうに決定いたしておりました。その後これの事務的の
取扱い
上につきましては、大蔵当局の方ともいろいろ折衝をして、一つの成案を得まして、やがてこれが実施に移される段階に達したと
考え
ておりましたときに、突如今度ドツジ氏から大蔵
大臣
に対する書簡が参りました。大体
郵便貯金
も、また簡易
保險
も、すべて
資金運用部
というものをつく
つて
、そこに統一をして、これを最も安全な方法において
国民
の利益のために使う、かような書面が参
つて
おるのでありまして、これに対しましては、前
国会
でも御
説明
いたしたかと思いまするが、私も特にドツジ氏に面会いたしまして、
国民
は戰争が済んだあかつきにおいては、当然返されるべきものとして、すでに
国会
の
決議
にもなり、また閣議で決定したほど、
国民
としては深い熱望を持
つて
おる問題である。であるから今のようなドツジ氏のメモランダムでこれを軽く変更されるということについて、非常に不満があるということ、つまりそれは戰時中の規定であ
つて
、戰後においては当然
郵政省
に返すことが常道であるということも、るる申し上げて御了解を得ようとしたのでありましたが、今日の
状態
は、諸君はどう
考え
るかしらぬが、依然として非常時の
状態
である、かような
状態
下において
資金
は統一されて
運用
されるということがどうしても必要なことであるので、このような書面を出したということでございました。とにかくさようなことでございまするので、これは臨時的にはやむを得ない措置と私も
考え
まして、ドツジ・メモランダムに従
つて
進む。従いまして
大蔵省
内に
資金運用部
のできることもやむを得ない、こう
考え
て進んで参
つて
お
つたの
でありまするが、私どもの根本観念は、あくまでもこれは一時的の措置であり、恒久的には必ず
郵政省
に返さるべきものだ、かような
考え
方を持
つて
おるのでありまして、その根本趣旨にはしいて異議はないのであります。過去においてすでに
運用
をや
つて
しま
つて
いる金、あるいは
保險
法六十九条におきまして、
保險
積立金
の
運用
についてはこれこれという
運用
規定もあるのでありますが、そういうものも全部と
つて
しまつたらどうかというような
大蔵省
側の御意見もあります。決してりくつのないことではありますまいが、しかしさような過去にすでに
運用
している金自体を引継ぐとか、あるいは今の根本規定自体をなくしてしまうとかいうようなことは、あまりにも事務的である。
保險金
の
運用
方法を、根本的にそういうふうに
考え
られるということは、いかにも遺憾に存じまするので、この点については
大蔵省
側の了解を得べく、事務当局において今折衝中であります。私も大体さような
考え
を持
つて
おりまするので、その意味において事務当局を督励してや
つて
おる次第であります。 なおもう一つ問題がありまするのは、在来單に
保險
の金だけではなく、貯金の金に関しましても、
郵政省
の現業の諸君が非常に苦労をして金を集めて来ている。しかしこれは審
議会
というものに一応かけてや
つて
おるわけでありまするけれども、その審
議会
がややもすれば形式的になりまして、ほとんどそういうものについて
発言
権が強くないと言
つて
もいいくらいな
状態
下にありますることは、ひとり貯金の問題だけでなく、
保險金
の再開の問題にいたしましても、われわれとしては重大な関心を持ちまするので、この審
議会
を実際に有効適切なものにいたすべく、これも事務当局間において
大蔵省
側と検討中であります。今日はさような
状態
にあることを御報告申し上げておきます。
坪川信三
19
○坪川
委員
大臣
のお言葉を拝聽いたしまして一応
大臣
の御苦衷もわかるのでありますが、一時的な問題であるから、暫時忍ばなければならぬというお
気持
が、多分
大臣
のお心の中にまだあるのじやないかと思うのであります。私どもはこの問題につきましては、一時的であるから、これを取返さなければならぬという観点から、この問題を前から叫んでおるのであります。聞くところによりますると、
大蔵省
におきましては、
預金部
資金
の特別措置
改正
法案
を出す手配までや
つて
おるような
状態
でありまして、その問題に関連いたしましてすでに閣議にも提出するような
状態
に相成
つて
おると思いますが、その間の
状態
はどうでありますか。
田村文吉
20
○
田村国務大臣
今の
郵政大臣
は、その問題について根本的にそれをくつがえす意思がなくて 一時的ならやむを得ない、こういう
考え
だというお話でありまするが、私もその
通り
であります。しかしこれは現在の
状態
下におきまして、ドツジ・メモランダムが出て、それを根本的にくつがえすような
考え
方を、今日持
つて
進むことはできない
状態
じやないか、こう私は
考え
ております。ただこれはあくまでもやむを得ざる一時的の措置であ
つて
永久的にはさようなものではないのだ、こういうことをしつかりと握
つて
おきたい、こういう点が私の苦心いたしております点でありまして、もし先生のようなお
考え
で、あくまでこれはと
つて
おくべきだ、決して渡すべきでない。過去においてもとしてあつたものは取返すべきだ。こういうことであると、私の現在進んでおります道とは異
つて
おるのでありまして私はそこまで
考え
ておりませんことを率直に申し上げます。
飯塚定輔
21
○
飯塚
委員長
代理
大臣
の
説明
に対して質疑の通告がありますから、これを許します。
石原
君。
石原登
22
○
石原
(登)
委員
ただいまの
大臣
の答弁は、私はちと解しかねるのであります。実は私は、
大臣
が
郵政大臣
に就任されたときに、非常に期待をいたしました。それはなぜかと申しますと、
郵政省
は全国に一万数千の組織を持
つて
いる。この一万数千の組織を活用するならば、これはたいへんりつぱな国家的なものができると思つた。ところが今までの
大臣
はみな
経済
家でなくて、
政治
屋ばかりもあつたために、物を効果的に使うという面に非常に事が欠けておつだ。そこに、長年
経済
界にお働きになり、しかもその道の達人であられるところの
田村
さんが
郵政大臣
に就任せられたので、私はこれは非常にいいことだと思
つて
大いに期待をいたしておりました。さらにまた
郵政省
の
事業
の内容については、私どもしろうとがざつと検討いたしましても、これをもつと合理的な企業として
改善
すべき余地もたくさん残
つて
いる、かように
考え
ます。こういう面から
考え
合せまして私どもは
郵政大臣
の就任を心から歓迎し、心から期待いたしてお
つたの
であります。 そこで話は別になりますが、ただいまの坪川君から問題として投げられました
郵便貯金
と
保險
年金
の
資金運用部
に対するところの扱いの問題であります。私がまず第一番に聞きたいのは、大体銀行屋の例にと
つて
みましても、預金だけを吸收する銀行で、貸出しを一切行わない銀行があるとするならば、この銀行は成立つかどうか、またそういうような銀行を
ほんとう
に預金をする
経済
人あるいは利用者があるかどうか、こういう問題であります。私はこういう愚にもつかない
質問
を申し上げる意思は毛頭なか
つたの
でありますけれども、
大臣
のただいまのお話では、これはそうせざるを得ない、こういうような
考え
だというお答えがありましたから、そうすると何か大きな
要求
があれば、たとい
事業
自体が危殆に瀕しても、それをあえて行うということが、
大臣
のこれまでの数十年来の
事業経営
上の信念であつたろうと思います。私はこういうことではとうていできないと思います。いかように株主から
要求
があ
つて
も、いかように
政府
筋から
要求
があ
つて
も、そういうことによ
つて
その会社の経営が立たないという確信があるならば、当然そういうものは引受けらるべきものではないと
考え
ておるのであります。私はこういう点について強力な命令があるならば、強力な要望があるならば、信念もそういうふうに持
つて
行くのだという
考え
方は、間違
つて
おるのではないかと思います。もちろんきれいごとに物事を済ませることはけつこうでありますけれども、そのために、この
事業
は国家
事業
でありますゆえに、その国家
事業
が成立しないということになると、これはたいへんな問題だと思う。私は今こそ
郵政大臣
は、
郵政省
を通じて
国民
に奉仕する。この大事な
事業
について真から検討してもらわなければならない、真から反省してもらわなければならない時期であると
考え
るのですが、こういうような私どもの見解に対しまして、
大臣
はいかようにお
考え
でございますか、まずこの点から
お尋ね
申し上げたいと思います。
田村文吉
23
○
田村国務大臣
ただいま集めた
資金
は、その集めた人が
運用
することが当然ではないか、民間における銀行等の経営においては当然のことである、こういうお言葉でございますが、私は民間においては当然であると思います。しかし国が一つの大きな仕事をやる上からいたしまして、金を集めるなら集めても、しかしその
運用
については、今日のような事態
——
品物に対する統制はだんだん解かれているにもかかわらず、金に対する統制はますますはげしくなる事態においては、さようなことが行われて行くということも、やむを得ないことではないかと
考え
ております。ただいまのお話の中にありました貯金のことにつきましては、すでに昔から集めるのは集めるのでありますが、その
運用
は
預金部
でや
つて
おります。今問題にな
つて
おりますのは、
保險金
の問題だと思いますが、これは過去においては
郵政省
みずからこれを
運用
しておりましたのが、
大蔵省
の
預金部
に入
つて
おる、こういう事柄なんでありまして、これはわれわれから言えば、当然元の
状態
に返すべきではないか、すでにその時期でないかということで、閣議も決定いたしてお
つたの
ですが、これに対してドツジ氏の見解が違
つて
おりましたために、しかもメモランダムによ
つて
こうさるべきだということで、これについて私は特にドツジ氏から聞いたわけではありませんが、
政府
筋の了解するところによりますと、最高命令に近いものとしての言渡しがその当時あつた、さような意味からいたしましてその趣旨には従わなければならない、こういうわけでありまして、根本的な理論から申しますと、今
石原
さんの言われるようなことが
考え
られ、少くとも
保險金
に対しては、当然さようなことが
事業
を発達させる上からい
つて
願わしいことであり、そうあるべきだと私も
考え
ております。また貯金の問題にいたしましても、やはり銀行がやると同様なことをや
つて
しかるべきものではないか、こういう根本的な
考え
方には、何らかわりはないわけであります。
石原登
24
○
石原
(登)
委員
ただいまの答弁でよくわかりましたが、さつきの坪川君に対する答弁からすると、私はさように
考え
ていない。今の
大蔵省
でつく
つて
おるような
方針
だという答弁であつたように聞いたので、それではまことに遺憾千万だと存じたのですが、しからば
大臣
は当然こういうものについては、
郵政省
が
運営
すべきものであるという
考え
方については、いささかも
考え
がかわ
つて
いないわけですね。
田村文吉
25
○
田村国務大臣
その
通り
であります。
石原登
26
○
石原
(登)
委員
それを聞いて安心いたしました。しからばそういうような確信があり、またそれでなければ
郵政事業
の完全なる
運営
ができない、こういうことでありますれば、そのためには私どもはあらゆる努力を尽すべきであると
考え
ております。そこで先ほども坪川君から
質問
がありました
通り
、この措置はある一時的な措置だ、こういうふうに解していられるようでありますが、私どもはそうなまやさしい問題ではないと思
つて
おります。私は
郵政事業
にはそう大して詳しくはないのでありまするけれども、この
郵政事業
の
保險
あるいは貯金、それから
年金
、これらの
資金
運用
の問題については、最近特にやかましくなりましたけれども、これはもう数十年来の、おそらく
郵政省
始
つて
以来の大きな要望ではないかと思つおります。またわれわれの構想からいたしましても、これはやはり
郵政省
が
運営
することによ
つて
、
ほんとう
に
資金
が元に還元されましていわゆる地方に還元されまして地方の
経済
効果をよけいに上げることができる、こういうような確信に実は立
つて
いるわけであります。ですから私どもが議論を申し上げているのは、ただ單に郵政従業員の満足感を十分ならしめるというような立場だけではなしに、今日地方の非常に逼迫しておりますところの金融の窮境を打開するためには、どうしてもここから糸をほぐして行かなければいかぬ、こういうふうな観点に立つからであります。簡單に申し上げましても、都会では銀行に金を預ける。ところが地方では預けようと思いましても、
郵便局
以外には預ける場所がない。最近農業協同組合あたりで預金の吸收をなしておりますが、これは預けたが最後どうなるかわからぬ、非常に安全でない。そこで地方の人たちは、好むと好まざるとにかかわらず、
郵便局
に預金するよりほかないわけです。ところがそういうふうに
郵便局
に預金された金は、
政府
の国家目的の
資金
として、最も安い
利子
で、国家万民のために利用される。ところが都会では、金を持つた人は銀行できわめて高い
利子
で金を預けられる。さらにまた今日は銀行屋と結託して、法定以上の高い金利でこれを
運用
しておる、こういうような相違がある。金持の金は国家的に利用されないで、むしろ貧乏人の金が国家的に利用される。私はこういうような不合理は、少くとも
郵政省
の場合では、これは修正されて行かなくちやならない、こういうようなことをかねがね
考え
ておりました。ですから今
郵政省
に預けている金というのは、これは決して
政府
の金であるからというので、安心して預けているわけではなくて、これは預けるよりほかに方法がないから、実は
郵便局
に預けているのだ、かように私は見ているわけであります。そういうことがあつたとするならば、この金を直接預
つて
いる
責任
者であるところの
郵政大臣
は、この金を最も効果的に活用し、最も高率に
運用
してやるのが、私は一番大事な
責任
だ、かように
考え
ております。国家のためだからというので、ある一部の
——
もつと端的に言うならば、貧乏人の金だけが、そういうような
国民
のみんなのために犠牲に供せられる。こういうようなものの
考え
方は、当然修正されて行くべきだと
考え
るわけでございますが、この点に対して
大臣
はいかようにお
考え
にな
つて
おりますか。
田村文吉
27
○
田村国務大臣
ドツジ氏はメモランダムの中で、どういうことを言
つて
いるかといいますと、第一に
考え
なければならぬのは、その預金が一番確実であるということが、預金者としては第一に
考え
ることである。ややもすると第三者がその金を利用しようと
考え
るが、それに乘じられないようにしなければならないということを言
つて
おるのであります。仰せの
通り
、いわゆる庶民階級の金は、地方の遠隔の地にあ
つて
、銀行を利用する方法もないというようなところでは、
郵便局
の方にお入れにな
つて
お預けを願
つて
いることには間違いないのでありまするので、
郵政省
といたしましては、まず第一に預金者の身の上を
考え
て、第一に安全、第二にはいかにしてこれを有利なものにするか、こういうことになるかと私ども
考え
ております。有利なるということは、言いかえれば預金
利子
が上り、
保險
の料率が下
つて
来るということが、
保險
者としては願い、預金者としては願われることであろうと
考え
ております。さようなわけでございます。るので、今度の
資金運用部
の
資金
の
運用
にあたりましては、いわゆる預金者の代表として代理として、相当に強い関心を持つべきであり、場合によ
つて
はこれが監視、監督、監査をするような性格も持つべきである、こういうふうに
考え
まするので、今度の
資金運用部
資金
の
運用
の
法律
に対しましては、ひとり
郵政大臣
だけではありません。厚生
大臣
も健康
保險
組合の金を預か
つて
おる。かような意味で、それに触れて行政上の監督を十分になし得る地位に置きたい、かようなふうに
考え
まして、立法についてもその観念を十分に入れるように努力いたしておるのであります。一方の
預金部
資金
を主として一
運用
する局に当る人にいたしますと、あまりめんどうのないことの方が願わしいであろうと思います。さようなことから多少、
大蔵省
あるいは
郵政省
の間において、意見の合わないような点も起り得るかと
考え
ておるのでありまするが、この点につきましてはぜひひとつ私ども預金者にかわり、
保險
者にかわ
つて
、全
国民
のためにこれを監督する、こういう立場だけは十分にはつきりいたしたいというので、努力しておる次第でございますので、さよう御
承知
を願います。
石原登
28
○
石原
(登)
委員
二、三
お尋ね
してみますと、こういうような
事業
自体に対するところの
認識
は、私も
大臣
も全然かわ
つて
いないのでありまして、むしろ
経済
的な観念におきましては、われわれよりも
大臣
の方がこの問題を痛感しておられるように答弁にうかがわれるのですが、そうであるとするならば、私は少くとも
郵政省
のこういう大事な最高の
責任
者として、この問題解決については一段の熱意と努力が払われなければならない、かように
考え
ております。
大臣
が各方面に、あるいはダレスさんあたりにもお会いに
なつ
たということを聞いております。それであれば、この問題に対するところの
要請
が相当強力なものであるということは、実は私どもも知
つて
おる。しからばそれを何とか打開して、あるいは打開できない場合には次善の策を講じて、少くともこの
事業
の最高
責任
者として、その
責任
を全うし得るだけの処置と、それを全うするだけの方法を
考え
なくてはならぬと私は
考え
ておる。この
運用
部をこしらえ、そこで一元
運用
をしろ、こういうふうな強い要望があつたことは、これはもうわれわれだけでなしに、天下万民知
つて
おるのでありますが、その命令みたいなものに、しからば
郵政省
はどのように善処すべきであるか。このことについて私は相当真剣に
考え
なければならぬと思う。先ほどの御
説明
の中では、今度の
資金
運用
の審
議会
の中で、自主的な
発言
力を持とうというような御
説明
のようでありましたが、これはもうまるでお話だけであ
つて
、従来の経過から
考え
てみましても、これはとうていその実を発揮することができぬ。また新しくつくられようという
法案
の中で、この審
議会
の構成の内容を見ましても、これはまつたく希望であ
つて
、とうていそれを実質的に反映せしめることはできないであろう。はなはだ失礼ながら私はさように
考え
ておる。しかも今回の
大蔵省
の容易にしようというこの
資金運用部
の
法案
です。この
法案
の立案について、これに最も実質的に大きな力と影響を持つところの
郵政省
が、まるでタツチしていない、全然知らない、そうしていつの間にかこういうものがつくられて、突如として次官
会議
に出される。こういうことは、まつたく
郵政省
としては怠慢しごくであると私は断ぜざるを得ない。少くともこの問題は大事な問題であり、
国会
でも
決議
までして、
国民
から何千、何万という要望が来ておることを自覚し、その
責任
を痛感するならば、
運用
部の
法案
の作成については、むしろこちらで試案を持ち出して、こういうことで行こうではないか、こういうふうな動きがなければならぬと、私はかように
考え
るわけであります。しかもそういうような要望が、皆さん方が使
つて
おられる三十数万にわたるところの第一線の郵政従業員は、真から期待しておる、心から願
つて
おる。それだけでなしに、
国民
もこの
運用
のいかんが、
国民
経済
に相当影響があるということを痛感しておるがゆえに、
国会
に対して、あるいは
政府
に対しても、これはもうたいへんな努力を払
つて
それを要望しておる。しかしながら今
郵政省
のやり方を見ておると、この
国民
的な要望、この多くの従業員の、それこそ血を吐くような熱望に対して少しも報いてないと申し上げても過言でないと私は思います。たとえて申しますならば、今講和
会議
も始まろうとしておる。講和条約が調印されるならば、おそらく日本の一切の主権は回復されるわけであります。その間の期間もきわめて短い期間だと想像される。そして最近では日本の意思をくむために、また日本人とよりよい融和的なアメリカになるために、わざわざダレスさんが日本に来られた。そして日本のあらゆる階層の人たちと、非常な努力をされて、日本人の意見を十分聞こうとされておる。ところがこの問題でも、小さいような問題ではありますが、少くとも
国会
においてすでに衆参両院で二回も
決議
された問題であります。そういう問題が一係官の意思によ
つて
くつがえされる。あるいはダレズさんはこういう問題の内容は全然知らぬかもわからぬ。私はそういうことを知らして、向う側の反省を求めることも、一つの方法じやなかつたろうかと思う。さらにまた、いくらどのようなこういう命令的なものがあつたにしても、全
国民
の声を卒直に表明したならば、こういうような乱暴なものが、いくら大蔵官僚が乱暴であるといつた
つて
、こういうようなむちやな
法案
なんかできるはずはないと私は思う。これは何としても
郵政省
の皆さん方が、あまりにも手放しにしておられた。あまりにもこの問題に対して怠慢であつたと、私はこう言わざるを得ない。問題の本質は動かせないにしても、そこに何としても皆さんの
責任
があるならば、
国民
の
気持
がわかり、従業員の
気持
がわかるならば、もつと
大蔵省
に対して強力な働きかけがあ
つて
しかるべきものだと、かように私は
考え
るわけであります。私ははなはだ恐縮ですが、この問題に対して
大臣
はどんなふうに努力したか。この努力に対して具体的な答弁が願いたいと、かように
考え
るわけであります。
田村文吉
29
○
田村国務大臣
お前の努力が、
郵政省
の努力が、足りないじやないかというおしかりでありまして、恐縮に存じますが、最善の努力と方法をや
つて
おるのであります。あるいはダレス氏が見えたときにも、さような問題まで持出しておくべきじやないか、こういうような御趣旨のようにもとれたのでありまするが、これは現在の占領治下におきまして、日本の
国民
感情にそぐわないような
法律
が現在でも残
つて
おり、またそういう
法律
がつくられつつあるというようなことも全然ないとは私ども申されませんが、さようなことがかりにありましたならば、平和ができ上つたときにすぐ改めるというよりは、今のうちにできるだけお話をつけまして、占領政策の根本に間違いのない限りにおいては、これに従
つて
、しかも日本
国民
に適したふうに改めるように努力して参ることについては、私どももいささか
考え
て努力いたします。なおダレスさんがおいでにな
つたの
にどうであつたかということは、これは私どもとして、さような問題をダレス氏まで訴えるべき筋合いでもないと
考え
ましたので、あえてそういう手を尽しませんでした。なおいろいろ御注意をいただきますような部分につきましては、その御注意によ
つて
啓蒙されまして新しい方面に努力するということについては、少しもやぶさかでありません。のみならず、進んでそういうことについての努力はいたしたいと
考え
ておるのでありますが、あるいは過去において皆様からごらんにな
つて
こういう方面にもつと骨折るべきではないかというようなお
考え
方もあつたかと存じますが、大体の
方針
につきましては、先刻申し上げましたように、少くも
保險金
の再開につきましては、これまでの民意のあつた問題でありますので、これは今はやむを得ない、かようなメモランダムでやむを得ないとしましても、できるだけ早く平常の
状態
にもどしていただきたい、こういうようなことに努力いたして参りたいと思
つて
おるのでありますが、ただ若干大した効果のないことで、あまりに
関係
方面にかえ
つて
誤解されたりして、御了解を困難にするというようなことは、むろん私どもとしては避けて参りたいと
考え
ておりますが、お説の点につきましては、できるだけ巧妙な、賢い方法で進んで行きたいと、こう
考え
ております。
石原登
30
○
石原
(登)
委員
大臣
の苦衷はよくわかりますので、非常にお気の毒だ、かように
考え
ておるわけであります。そこで先ほどの
大臣
のお話の中に、万一こういうような
法律
ができても、これはきわめて暫定的なものである、まあこういうようなお話もあつたようでありますが、そういうようなものについて何か、
大臣
はこれは暫定的なものであるということに対する確固とした、いわゆるこの
考え
の根本になるような材料でもありますのかどうか。私もいわゆる向うからのメモランダムに基いて、こういうような
資金運用部
ができなければならぬ、これはもう占領下だからやむを得ないことだと思う。ただこのために、しかもこれは間違つたものである、間違つたものではあるが、向うの命令であるからやむを得ない。そこでこれを最小限度に何とかして、やはり
国民
的な要望に沿うように努力するのが、実は私どもの務めかと思います。そこで今問題にな
つて
いるのは、六十九条の問題なのでありますが、この六十九条の問題に関するところの
大臣
のお
考え
方、これはわれわれの要望
通り
運べる自信がおありであるかどうか。もしそれができないとするならば、これは暫定的な措置であるということについての、何か根本的な根拠、これをひとつお聞かせ願いたいと思います。
田村文吉
31
○
田村国務大臣
この問題があくまでもノーマルな
状態
でないのだということについては、ひとり
郵政省
だけでなく、
大蔵省
、
関係
省の方でも私はそう了解されておる、こう思います。しかしかりそめにもそういう誤解を生ずるような法文について、他の省の方で、力を入れられるということは、世間を誤解させる、またわれわれも誤解させる、こういう点がありますので、十分その誤解を解いてもらいたいと思いまして、私どもとすれば、六十九条そのままでもいいじやないかということで主張して行きたい、こう
考え
ております。しかし大局の
考え
方から言うと、その点についての根本の観念の遠いが、
政府
部内の各省間においてあり得るとは思いません。ただ先刻のお言葉の中で、ドツジさんの指令が間違
つて
おるということは言えないかと思います。というのは、今の日本の
経済
の
実情
から行くと、
資金
をある
程度
統制して行かないと、またインフレーシヨンが起るぞという
——
今の
資金
運用
方法なんか、そういう
考え
方から出ておる。そこでそういう状況から、今日は品物の統制はだんだん撤廃しつつありますが、
資金
に対する統制は解けるどころではない。だんだん統制されて行く。これは
資金
の面で何とかしてインフレを押えようという
考え
が、常に動いておると思います。そういう
関係
で、もうインフレという心配も全然なくな
つて
しまつたような時代になれば、もうこんな問題も
——
資金
部とか、あるいは
大蔵省
とか、あるいはまた日本金融政策というものが、そうやかましくタツチすべき問題でない。そのときは平常にもどるべきだ、こう私どもは
考え
ておりますので、その
考え
方は大蔵当局といえども、根本的にはそういうことについて、全然根こそぎもつと永久的に、やりたいというふうには
考え
ません。
考え
ませんが、誤解されるようなことを残して置いたりされるということになると、
ちよ
つと私どもの方でもおもしろくないというのが、事務当局としても
考え
られることでありましてその辺の了解をお互いによくつけるようにしたい、こういうことで進んでおる次第であります。
石原登
32
○
石原
(登)
委員
大臣
は物事を非常にきれいにお
考え
になるので、私ども惡人ははなはだ赤面するのでありますが、
大蔵省
がやれば、
資金運用部
でやればインフレにはならない。
郵政省
がやればインフレになる。まつたくこれは、私たちがかねて言
つて
いる主張と、まるつきり違う議論です。私たちは
郵政省
が
運用
するからとい
つて
野放図に高金利ででたらめに何しようという趣旨では全然ない。これは
大蔵省
、
政府
全体のいわゆる
資金
計画
に基いて、その監督と指揮のもとで、実際の
資金
の
運用
の事務的なものを扱いたい。そうすれば
郵政省
の従業員の志気にも影響するし、またその
事業
を通じて
郵政省
がさらに健全な発達ができるのだ、そういう趣旨でありまして、決して
郵政省
がやるからというてでたらめをやろうというわけではない。もしこういう問題について、
大臣
がそういう御
認識
であるならば、これはかえていただかなければならない。
郵政省
自体が、独自の見解に立
つて
、か
つて
な金融をしよう、こういうような議論では断じてないわけであります。それから今
大蔵省
にしてもそうでありますが、私は決して
大蔵省
をどうやこうやと言うわけではありませんが、少くとも私の知る範囲では、こういうような各省にまたが
つて
いる問題については、十分事務的な折衝と了解を得た上で、いろいろ討議さるべき問題であるにかかわらず、この問題は
国会
の問題で、しかも過去五十年にわた
つて
大いにごたごたした問題が、今回のドツジさんのあの手紙一本のために、みな御破算にな
つて
しまつた。そして一方では全然この問題は、
国民
的にも、あるいは
郵政省
の事務当局としても、もちろん好んでいないことを深く
承知
しながら、悠々と
法案
をつく
つて
、しかもそれを突如として次官
会議
に出されたということは、
大臣
は十分に御
承知
のはずだと思う。そういうような
状態
にあ
つて
も、なおかつそういうふうに善意に御解釈なさることは、非常にか
つて
ではありますけれども、これはよほどお
考え
願わないと、私は一歩々々
郵政事業
が退歩して行くような感じがいたしまして、非常にこの点については憂慮をいたしております。これは郵政従業員の志気にもかなり影響いたしますし、これはまたもちろん
事業
全体の経営にも、相当大きな変化があろうかと思います。最近の実例を言いますと、私はきようは惡たればかりついて、まことに申訳ないのでありまするが、例の何々局区内というのを入れる。これくらい乱暴な議論はない。一々何の
郵便局
で配達しておるかわからないものを、無理に何々局区内というのを入れさせたために、何が利益に
なつ
たかといえば、全然利益にな
つて
おりません。これは出した者も非常に迷惑しておる。そういうような問題についても、
関係
筋から言
つて
来たからやるのだというようなことで、簡單にお引受けにな
つて
おる。そうして
国民
に対しては非常に不便なことをしいておられる。私は
郵政省
自体がもつと強気に、これは絶対いけないのだというようなことであつたならば、こんな無理なことを
国民
に強要せぬでも済んだものであろう、私はかように
考え
るわけでございます。ですから私は皆さん方に、いま一段と
事業
全体についてのはつきりした信念をつかんで、その信念に基いて動いていただきたいと思うわけでございます。これは占領下でありますから、絶対的な命令に対しては従わなくてはいけないが、しかし同じ従うにいたしましても、その次善の策がおのずから現われて来るのじやないかということを、私は心から
考え
ておるわけでございます。重ねて申し上げますが、
郵政省
でこの
運用
部の事務を扱いましても、決して野放図な、いわゆるやみ屋みたいな金融をいたそうというわけではなくて国家の
要請
に基いてこの金を利用活用するというような趣旨については、私どもも
考え
が
ちよ
つともかわ
つて
いないのでございますから、どうかそういう面で、いわゆるドツジさんの言われたような見解に対してのお
考え
は、もう一度お
考え
直しが願いたい、こういうふうに私
考え
るわけであります。
田村文吉
33
○
田村国務大臣
郵政省
がやるからインフレになる、
大蔵省
がやるからインフレにならないという意味で申し上げたのではありません、そういう意味で申し上げたのではありませんが、
資金
を統制する、統制ということは実際いやなことで、まただれしも願わないことでありますが、だんだんそういう点に行き詰ま
つて
参りまして、物の方の統制や何かになると、勢い
資金
の方だけで統制する。統制する場合には、もう過去において物の統制で十分御体験にな
つて
おる
通り
、決してそれは最良の方法でなかつた。
国民
の自由を非常に緊縛するということになるので、はなはだおもしろくない問題がたくさんあるのであります。そういうような意味からひとつこれをまとめるというだけ、なんで、場合によつたら今のお説のように、一体
大蔵省
がそんなものはしないで、
郵政省
がそういうものを統制してやつたらどうか、こういうのも一つの案なのであります。これは私どもの方として、長い間
郵便貯金
が、いわゆる貯金制度が始ま
つて
以来、全部
大蔵省
が
運用
しておる、こういうような長い因習もありまするので、私どもは、今度はむしろわれわれ
郵政省
におまかせ願つた方がもつと安全有利で、しかも
大蔵省
は財政の方だけや
つて
いただけばいいので、金の金融の問題までお触れにならぬ方がよかろう、こういう説も出ないではないのでありますが、これも長いしきたりにな
つて
おりますので、そう一概にこちらの思うように参りませんが、しかしある
程度
まで、こういう事態だから、
資金
がまちまちに、お互いの自由意思で金が動くということにならないで、ある
程度
統制しまければならぬということは、よかれあしかれ今日進んでおる日本の現在の状況であります。この態勢にはやむを得ない、こういうふうに
考え
ておる次第であります。
石原登
34
○
石原
(登)
委員
昔から
政治
の中に、袞龍の袖に隠れる云々という言葉がありますが、私は今日の
大蔵省
ぐらい、そういうことを簡單にや
つて
のけておる役所はないと思う。これは私再び
大臣
に申し上げておきますが、どうかひとつ今度のドツジ・メモランダムと、それからこの問題の本旨との問題については、ぜひお
考え
くださるようにお願いいたしたいと思います。特にこの六十九条の問題については、今度のいわゆるドツジ書簡の中には何も書いてない。今争いの中心にな
つて
おるのは、実はそこに中心があるようであります。そういたしますとこの問題は、最近の情勢は、もう事務的な折衝もどうでもよろしいというような強気一点張りで、一挙に閣議に持
つて
行こうというような動きもあるように私聞いておるのですが、実は坪川君も
大蔵省
に行
つて
、非常に心配してや
つて
おる。私どもも坪川君ときのういろいろなことを相談して、どうしたらいいかということで相談しておるわけでありますが、そうしますと、これは閣議に出て来た場合、この六十九条はドツジ書簡に何も拘束されない問題なのだ、しかもこの問題は郵政従業員は好まない、一般の
国民
が好まない、そういうものを大蔵官僚のいわゆる立案者、それは何人で立案したかわからないが、そういう立案者の意図の
通り
にこれを運ぶような案に、
大臣
は御賛成できるかどうか。これは私どもは、どうしても
大臣
としてぜひ反対してもらいたいと思う。またこれは当然反対さるべきだと思うのでありますが、この問題の扱いに対して、
大臣
の態度と、これに対するところの最終的な確信の見通しについて、これはぜひお伺いしておきたいと思うのでありますが、いかがですか。
田村文吉
35
○
田村国務大臣
いわゆる国のまつりごとを憂えての御
発言
でありますので、私はごもつともなお説と
考え
ますので、さような点についてできるだけひとつ、さようなことは通したい、こういうふうに
考え
ております。
考え
ておりますが、なかなかめんどうな問題で、まだ実は私としては閣議でさような問題は
発言
したことはないのであります。これは今まで事務局の間でお互いに妥結点を見出し得るもの、また
郵政省
側の主張を十分了解してもらえるものとして、交渉しておるわけでございます。なおただいま
石原
君の真に国を憂えてのお
気持
から出るその御趣旨につきましては、全面的に賛成でありますので、その点で私どもも行きたい、こういうふうに
考え
ております。
坪川信三
36
○坪川
委員
関連して……。今まで
石原
君がるるお聞きになりましたので、大体は輪郭は把握できたのでありますけれども、私たちも
郵政事業
を愛し、また
郵政省
の行政に対して相
協力
したい。また国家的な見地から憂慮してのことでありますから、その点ひとつ御了察願いたいと思うのでありますが、
大臣
のこの問題に対するお見通しでございます。これはどうしてもだめにな
つて
来ているのだから、ひとつ諸君頼むという
気持
にな
つて
おられるのか、これはもうしようがないことにな
つて
来たのだから了解してくれという話にな
つて
おるのか、このポイントでございます。言いかえますならば、先ほども申し上げました、ごとく、
議会
においては二回にわた
つて
両院において
決議
をいたし、閣議においても決定になり、事務的には大野さんと長沼次官との間に協定も結ばれてしま
つて
おる。しかも吉田さんから手紙まで行
つて
おるというようなことで、見通しも明るい見通しを続けて来たのであります。しかし今
大臣
が御
説明
になるごとく、ドツジ書簡によ
つて
こうな
つたの
だから、
資金
の統制も国家的に一応われわれは
考え
なければならぬのだ。しかし私は、先ほど
石原
君も御指摘になりましたごとく、この問題がもしわれわれの希望とする線よりはずれた場合においては、
郵政省
の大きな
危機
、言いかえますれば、
郵政省
の
独立採算
制というものは根本的にこわれてしまい、また十数万の郵政従業員に対する影響も、非常に大きな影響を與える。また市町村、国家公共
事業
団体に大きな影響を與える、こういうような段階にな
つて
来たのでありますが、今申し上げましたその見通しの線が非常に明るく上昇して来、しかも講和条約がもう間近に締結されんとするというときに、根本約な立案が、かわつた線において立案されたときに、それを今度は発案にするということは、なかなか容易ならぬことであろうと思うのであります。でありますから、この追い込まれまして、いよいよコンクリートにぶつかりそうにな
つて
来たときに、
大臣
としては、これはぜひや
つて
もらいたいのだ、やるのだという決意と見通しを持
つて
おられるならば、われわれも今後犬馬の労を大いに努めたいと思うのであります。
大臣
がこれはもうやむを得ないのだというようなお
考え
をお持ちにな
つて
おられるならば、われわれはまた別な
考え
をも
つて
進まなければならないのであります。その点の見通しを私は先ほどから伺
つて
おるのでありますから、その点に対する
大臣
の
ほんとう
のお
気持
を聞きたいのであります。
飯塚定輔
37
○
飯塚
委員長
代理 その点に関しては速記をとめて、
大臣
から御
説明
を願います。 〔速記中止〕
飯塚定輔
38
○
飯塚
委員長
代理 速記を始めて。
石原登
39
○
石原
(登)
委員
坪川君の今の
お尋ね
は、根本的に今提出されようとしている案をやめさしてほしい、こういう意味ではないと私は思う。今ぼくが言つたように、六十九条の問題で、少くとも
運用
権というものに対する根本の精神は
郵政省
にあるのだ、この最後の一線だけはあなたは
責任
者として死守されるべきだ、その決意のほどを私はお伺いしておるのだと、かように観念しておるのです。それだから、全体の
法律
を粉砕せよという意味ではありません。これはわれわれもいわゆるドツジ書簡の内容についてはよく知悉しておりますから、できることとできないことは、そんなむちやなことは
要求
をするはずはないと思
つて
おります。
飯塚定輔
40
○
飯塚
委員長
代理 速記をとめてください。 〔速記中止〕
飯塚定輔
41
○
飯塚
委員長
代理 速記を始めてください。
石原登
42
○
石原
(登)
委員
大臣
のただいまの言明を聞きまして、非常に心強く思
つて
おります。われわれはこの問題の解決については、
郵政委員会
は全力をあげて御
協力
申し上げたいと思います。これは決しておかしな
政治
の取引でも何でもありません。堂々たる主張でありますから、このてんまつについては、われわれ
委員
にもお知らせ願えれば、われわれは微力でありますけれども、みんな
協力
を申し上げたいと思います。 それからもう一つお伺いいたしたいと思いまするが、
大臣
の先ほどの御報告の中で、
資金運用部
の審
議会
、このものについていわゆる
郵政省
の
発言
力を強化して、実質的な
運用
にタツチしたい、こういうようなお話のようであつたし、また今もそのようなことをおつしや
つて
おられるのであります。ところがその内容について、構造について、われわれにはちつとも明らかにな
つて
おらないのでありますが、大体どういうような
資金
運用
委員会
をつく
つて
、そしてどういうような
運営
をや
つて
行くならば、今
大臣
が抱懐されておりますところの、この
郵政省
の仕事の一環としての
責任
を全うし得るような
運用
委員会
の
運用
ができるか、審
議会
の
運用
ができるか、この問題についてひとつお漏らしを願いたいと思います。
田村文吉
43
○
田村国務大臣
運用
委員会
の原案から申しますると、
関係
各省の機関が
委員
になりまして、
資金
運用
の大綱につきまして協議する。一年一ぺん、少くとも一ぺんはそういうものを提案して承認を得なければならなぬというように
考え
ておるのでありまするけれども、それでは在来の審
議会
と同じような形式的になりはしないか。これは当然幹事会というものが必要にな
つて
来る。幹事会で案を練り、そして重要事項については、時を選ばず協議をするというようなことに行くようにしたい、こういうふうに私ども
考え
ております。なおそれらは政令によ
つて
きめられることになると思うのであります。そういう点につきましては十分に話合いをしてみたい、こう
考え
ております。
石原登
44
○
石原
(登)
委員
この問題は
郵政省
の
責任
の上から
考え
ましても、また
国民
に対するところの立場から言うと、これは相当
考え
てや
つて
もらわなくちやいけない。実は従来の
運用
についても、審
議会
がありまして、実は私どももこの審
議会
のことを
ちよ
つと調べたことがございます。ところが審
議会
がまつたく
郵政省
の意見を無視している。その審
議会
をや
つて
いる場所へ私行
つたの
ですが、郵政の方が出て来ていない。だから私は郵政の次官の大野さんにさつそく電話をして、こういう事実があるがと言つたら、えらいびつくりされたというような例がございますが、大体そういうようなことをされておるのに、のうのうとしておるということであ
つて
もいけないことであるし、私はこういうことは、今のような
考え
方では、将来も続いて行くであろう、私は非常にこの点についてはお
考え
を願わなくちやいけないと思うのですが、これはひとり
郵政省
だけではありませんが、ひとつ厚生省ともお諮りを願
つて
、少くとも
運用
審
議会
の会長は大蔵
大臣
であ
つて
も、この事務的な処理のいわゆる
責任
者といいますか、こういうものは
郵政省
あるいは厚生省から、相当重要なポイントに出すべきだ、こういうふうに
考え
ますが、こういうような問題については
大臣
はどのようにお
考え
でございましようか。單なる事勉的な、いわゆる処理の
責任
者として、私は
郵政省
あるいは厚生省から出すべき問題だ、かように
考え
るのでありますが、この点どうでございましようか。これは人事的には
大蔵省
と
郵政省
の兼任事務官とか何とかいう形は出せると思うのです。
田村文吉
45
○
田村国務大臣
こまかい点は政令できめるようになろうかと思いますが、
郵政省
としましては預金者にかわり、
保險
者にかわり、この金が安全であり、しかもその投資が不公正でなく、正々堂々とこれは行われておるということだけは、少くとも確認したい、こういう
気持
を持
つて
おります意味で、この審
議会
についての
発言
力を持
つて
行きたい、こういうふうに
考え
ております。なおこまかい点につきましての問題は、事務当局でもいろいろ案を練
つて
おりますし、
考え
ておるようであります。
石原登
46
○
石原
(登)
委員
今の
郵政大臣
のお
考え
は、従来のことであ
つて
、従来はその
通り
である。従来の審
議会
でも、それが公正に
運用
されておる。それをするために
郵政事務次官
が出ておる。ところが実質的には何もしていない。こつちが惡いのじやないが、
大蔵省
がそういう
会議
を開くときでも、あえて通知をしないというような独断ぶりをや
つて
おる。これは今後そういうことは私はあり得ると思う。だからこつちはもつと積極的に何らかの手を打たない限りは、そういうおいてけぼりにあうと思う。その結果はたれがひどい目にあうかと申しますと、一般預金者がひどい目にあいますから、このために非常に苦労しておりますところの
郵政省
従業員が、いつまでた
つて
も日の目をみないということになりますので、私はくどいようですが
お尋ね
しておるのです。それからこの事務の扱いの面について積極的に、われわれはただ單に生みつぱなしじやないのだ。そのとどの最後まで、われわれはこういう関心を持
つて
見ておる、そうして仕事をや
つて
おるということを、これは第一線り従業員諸君に、非常に大きな影響があるわけでありますから、くどいようですが、
お尋ね
しているわけです。そういう意味で、この問題は徹頭徹尾私はタツチして行けるような方策をお
考え
願いたい、かように
考え
ますから、これは別に答弁を求めませんが、どうか
大臣
はそのつもりでひとつや
つて
いただくように、特に要望いたしておきます。この問題に関する私の
質問
は一応打切ります。
飯塚定輔
47
○
飯塚
委員長
代理 関連してこの席から
質問
いたします。先ほど
郵政大臣
の御
説明
の中に、厚生省の取
扱つて
おる健康
保險
の
積立金
云々ということをお話でありましたけれども、厚生省の取
扱つて
おる健康
保險
の
積立金
と、
郵便局
が取
扱つて
おりました従来の簡易生命
保險
の
積立金
とは、かなりその意味において私は違うものがあると思います。どうかその意味においても、厚生省が譲るから
郵政省
もそれに同調しなければならないというお
考え
をお持ちにならないようにお願いいたしたい。それからもう一つは、ドツジ・メモランダムが至上命令である。それから事務的に大蔵当局とどういう折衝を
郵政省
でや
つて
おられるか。これは
大臣
でなくても、担当局長の御
説明
でもよろしゆございますけれども、その点簡單でよろしゆうございますから御
説明
願います。
金丸徳重
48
○金丸
政府委員
ドツジ・メモランダムが出まして、これの解釈につきましていろいろと懇談的に
関係
の省との間に話し合
つて
みたのであります。特に本年の当初におきまして、私は
関係
官と一緒に
大蔵省
の係官とよく話し合いまして、これの
取扱い
につきましては、必要最小限度において
法律
措置も講じたい。従いましてわれわれの方といたしましては、簡易
保險
法も
改正
しなくてもいいというような見解のもとに、
法案
は出したくないのであります。また持
つて
おるものも現状のままで行きたい、つまり従来のままで行きたいということの話合いをいたしましたところ、大体としてはわれわれもその
程度
でよかろうと思う。ただ
関係
の向きがあるので、それらとの打合せがあるからということで、本年当初の
最初
の会談におきましては、そういうことで了解いたしておりました。ところがそれからしばらくいたしまして、
大蔵省
の案として持ち出されたところを見ますと、ただいま問題にな
つて
おりますような、
資金
の現に投資済みのものにつきましてもこれを引継ぐ、あるいはまた法にはつきり書いてある六十九条も削るという案の内示を受けました。そこでこれはたいへんである、われわれの
考え
とまつたく違うからということで話合いをいたしましたが、なかなか
関係
の筋が了解しがたいからということで、そのままにな
つて
お
つたの
であります。われわれは絶対にこの点は直してもらわなければいけないということで話し合
つて
お
つたの
でありますが、一月末になりまして突如
関係
方面からの呼出しがありまして、そこで結局かなり
大蔵省
の見解
通り
、
関係
筋がわれわれの意向とは違つた、強い意向を持
つて
おるということもはつきりいたしたのであります。しかしながら向うの意向をかえるのには、われわれが直接折衝するよりも、むしろ
大蔵省
こそが従来の
政府
決定なり、従来の
国会
の意向なりを体して、折衝してくれることが望ましいことであり、効果的であるということから、
大蔵省
に交渉を頼んでお
つたの
であります。ところがどうしたことでありましようか、先ほどもいろいろ御
質問
の中にありましたように、突如として次官
会議
にわれわれの意向が何ら取入れられない形においてかけられ、今日まだ事務上の折衝を続けておるという状況であります。
飯塚定輔
49
○
飯塚
委員長
代理 なお
大臣
にも閣議の席上で、あるいは事務当局においても、まだそれほどの至上命令でないとすれば、折衝の余地があるように
考え
られますから、その点十分御努力せらんことを望みます。
柄澤
君。
柄澤登志子
50
○
柄澤委員
大臣
にお伺いしたいのでございますけれども、他の
委員
から
預金部
資金
につきましては、特に
郵政省
関係
の預金につきましては
質問
があ
つたの
でございますが、
大蔵委員会
から
資金
運用
法というものと、
郵便貯金特別会計法
というのが出るというふうに、私ども承
つて
おるのでございますが、それは事実でございますか。
田村文吉
51
○
田村国務大臣
運用
部
資金
法というものを出そうということで、今問題にな
つて
おりまするそれが
法律
なのでございます。
柄澤登志子
52
○
柄澤委員
予算
書を拝見いたしますと、今
石原
委員
からいろいろ審
議会
にどうとか、あるいは
運用
委員会
に
郵政省
関係
が入るべきだというような御意見が論議されてお
つたの
でございますし、また
大臣
もそういうことを最小限度では確保したいという努力をしておられることと承
つたの
でありますが、すでにこの
資金運用部
特別会計
、
郵便貯金特別会計
というような項目があげられておりまして、明細までもできておるというのを、私案は知つたわけでございます。この内訳について
郵政省
ではどういうふうに御処置にな
つて
おるか。たとえばさつき
大臣
が、預金が一番確実であるとか、有利にするとか、ドツジ氏がこういう御意見だというようなことを言われておりましたが、
郵政省
では一体これがどのように
運用
されるかということを御
承知
の上で、やはり今日まで
大臣
がやむを得ないのだというような御見解に達せられたところまで来ておられるのかどうか、この印刷物が出るまでには十分
審議
された上で、これが印刷されて、われわれ代議士に配られると思うのでございます。どういうふうに使われるか、
ちよ
つと承りたいと思います。
田村文吉
53
○
田村国務大臣
こまかい内訳までの問題は私
承知
しておりませんけれども、
運用
部
資金
法というものを出さなければ、今度のドツジ・メモランダムに対する処理の方法はないのであります。その点まず
法律
で出した。同時にそれに対する相当の
予算
を見込むというのが、私は当然のことだと思うのですが、こまかい内訳がどうということについては私
承知
しておりません。
柄澤登志子
54
○
柄澤委員
さつき
大臣
は、ドツジ氏が非常に重大な事態だと言われた、非常な事態だということを承認された上で、メモランダムを一時的に受入れなければならないという観念を固められたことと思うのでございます。そういうふうに、
国会
できま
つて
おりますいろいろな
決議
が無視され、それから簡易
保險
法の大正七年につくられましたときの出発点にある趣旨の、地方にこれが還元されなければならないという
法律
の精神までが、一時的にも曲げられるような形にな
つて
おりますような事態こそが、非常事態ではないかと思いますが、その非常事態の解釈をどういうふうに
考え
られるか。
国会
の
審議
権も
決議
権も全部無視されておるという事態が、日本にと
つて
の非常事態ではないか、かように
考え
るのでございますが、一体ドツジ氏の言われました非常時の
状態
というものを、
大臣
はどういうふうにお
考え
にな
つて
おるのでございますか。
田村文吉
55
○
田村国務大臣
この点はドツジ氏にこまかく伺わなければ、どういうことだということはわかりませんけれども、私どもの感得したところでは、今日のインフレは、ドツジ
予算
によ
つて
かなりに押えられて来た情勢にあるのであります。しかし今日は、ことに朝鮮事変が起
つて
からというものは、ややもすれば国内の物価が暴騰して、大きなインフレを起すおそれもある。かような場合に
資金
をなるべく一箇所にまとめて、それの
運用
をはかる。その場合において、庶民の方の金であるから、第一に安全な方法をとるということが
考え
られなければならない。ややもすれば第三者からいろいろな注文が出たがるけれども、その点は慎重に
考え
て
運用
すべきである、こういうようなドツジ氏の注意であります。
柄澤登志子
56
○
柄澤委員
大臣
にお伺いしたいのでございますが、当
委員会
でも、このドツジ氏のメモランダムが非常に問題にな
つて
おるのでありますから、この全文を私どもには公開していただけないものでしようか。
田村文吉
57
○
田村国務大臣
それはもう公開にな
つて
おりますので、もし何でありましたら、控えもありますから、いつでもお渡しいたします。
柄澤登志子
58
○
柄澤委員
私どもはメモランダムと了承いたしておりまして、
法律
とか政令とか命令というふうには解釈いたしておらないのでございますけれども、
大臣
はどういうふうにお
考え
でいらつしやいますか。
田村文吉
59
○
田村国務大臣
メモランダムというのは、占領政策を施行なさる上から、GHQの方でお出しになるものでありまして、それにのつと
つて
政令なり
法律
なりがつくられなければならぬ、あるいはできている
法律
はやめなければ、ならぬ、こういうふうに私どもは解釈しております。
柄澤登志子
60
○
柄澤委員
これは先ほどほかの
委員
からもお話があ
つたの
でございますけれども、たとえば日本の
実情
に合わないいろいろなメモランダムや、そういう示唆が出たことは、数々あると思うのでございます。たとえば医師のいろいろな試験制度の問題、ただいま厚生
委員会
で問題にしておりますところの看護婦の試験制度の問題、こういうことにつきましては、はつきりと看護婦などにおきましても、アメリカの看護婦と日本の看護婦とは異なるのだというようなととが、非常に広汎な人たちに主張されまして、どんな示唆がありましても、どんなメモランダムがかりに出ましても、日本の
実情
に合つたものに、日本の
国会
は権威を持
つて
かえて行くべきだ。そしてまた先ほども
石原
さんでございましたか、坪川さんでございましたか、御
承知
なさいましたように、かりに日本に対して非常に好意を持
つて
や
つて
来られるのであるならば、特にこういうことについては、私どもの意見というものは、
国民
の輿論というものは、全逓二十六万従業員の声というものは、当然
郵政事業
には反映すべきものだと思うのであります。きよう承
つて
みますと、
大臣
はすつかり観念なす
つて
そうしてそのわくの中でどうしようかというふうに、お
考え
にな
つて
おられるようでございますけれども、このようなことで、はたして地方の
保險
の
募集
がうまく行くかどうか、そういう点についても、あるいは従業員がこれに対して全部反対しておることに対して、どうしてこれに
協力
させて行くかということにつきまして
大臣
はどういうふうにお
考え
にな
つて
いらつしやいますか。実はきのう東京地方
保險
局に参りまして、
募集
の問題について、
契約
解除等の問題につきまして、いろいろ資料を出していただきました。ところがだんだん困難にな
つて
来ておることは認めておるけれども、やはり今のところ成績が上
つて
いるのは、非常に無理がかか
つて
いるのではないかというのが、私どもの心配のもとであります。そういうものの打開の方法として地方の預金者、
保險
の加入者が、自分たちの荒れ果てた堤防であるとか、道路であるとか、あるいは建たない学校であるとかいうものが、自分たちの出した
保險金
を利用することによ
つて
建
つて
行くということがわかれば、実にこの
保險
の
募集
がやりやすいのではないか。これは
大臣
は知りませんけれども、
郵政省
の全部の役人の希望でございます。こういうことを
保險
局の局長が言
つて
おられたのであります。こういうような局長や職制の人たちや従業員をおかかえにな
つて
、
郵政大臣
お一人がそういう御見解をお持ちにな
つて
も、はたしてこれがや
つて
行けるかどうか。これは命令でないという
考え
を持
つて
、そしてこれをかえていただきたいというふうに、私ども
考え
ているのでございますけれども、
大臣
はメモランダムは政令、命令と同じである、こういうように
考え
ておいでになるのでございましようか
田村文吉
61
○
田村国務大臣
御見解の相違も多少あるようでありますが、私はメモランダムは絶対に信奉して、それに従
つて
法律
、命令を出し、やめるべきものはやめる、こういうふうにやるべきだと
考え
ております。ただお言葉の中に、今度
保險
の金がそういうふうになるということは、今までと非常にかわ
つて
来て、地方の方に金が何も還元しないというようにお
考え
のようでございますが、御知のように今度四百億の起債が行われる。これは今の
預金部
資金
がこれにまわる、こういうことでありまして、
政府
としては十分そういう点を
考え
て
運用
の方はやるのでありまして、これはまた
国会
で御決定になりましようけれども、四百億の金が出るということで、
保險
の金は幾らかというと、二百億今年は積立に残るわけであります。むろんそのほかに貯金の金もございますし、いろいろございますから、それこれの金の中から地方にまわるものもあり、国で直接投資されるような形のものもあります。たとえば電話
事業
のために百三十億の金が出るとか、いろいろのところに使われるのでありましてこれは決して今度のメモランダムが出たから、地方の還元額が減るということはないのでありまして、むしろ現在としては地方の還元額はふえておる、こういうわけでありますから、その点は誤解のないようにお願いいたしたいと思います。
柄澤登志子
62
○
柄澤委員
地方債のお話が出たのでございますが、昨年東京都の職業安定所の労働者のあぶれが出まして、何とかして完全就労をさせてもちいたいというので、東京都の労働局長のところに会いに参りましたときに、
預金部
資金
に金はあ
つて
も、その
利子
が非常に高くて地方の
経済
が許さないのだというお話を承
つたの
でございますが、一体どのくらいの
利子
でまわ
つて
いるのかということが第一点、職業安定所の労働者などは、われわれの零細な預貯金は、それでも
つて
私どもの毎日の仕事、失業救済をや
つて
もろうのは当然なのであるが、どうして東京都はこの地方債を利用してくれないのか、
預金部
資金
に千何百億の金があるなら、なぜそれで公共
事業
をや
つて
くれないのか、なぜ失業救済をや
つて
くれないのかということが問題になりましたときに、利息が高いからできないのだということを言われたのでございます。 それからもう一つ、今度の
大臣
はこまかいことは知らないということでありますが、多少御研究にな
つて
いらつしやるでしようかが、国鉄、電通、郵政には、全部で二百七十億くらいの公共
事業
費がまわ
つて
おるようでございます。これは見返り
資金
の肩がわりというふうに承
つて
おりますが、その点はいかがでございましようか、この二点を承りたいと思います。
田村文吉
63
○
田村国務大臣
ただいまは
大蔵省
預金部
にまわ
つて
いる金の利息は、どういうわけで高いかということであつたかと存じますが、これは決して高い利息とは思いません。今具体的に、何分何厘でどこへどうして貸しておるかということについては、
ちよ
つと覚えておりませんから、あるいはわか
つて
おれば、後ほど
政府委員
から御答弁させたいと思
つて
おります。 それから昨年は電通省の方で、百億の見返り
資金
をお願いしたのですが、今年は見返り
資金
は、そういう方面に使う余裕がないから、それで
預金部
の
資金
を使うということで、百三十五億の
予算
を計上いたしたのであります。鉄道もおそらくは同様であろうと思います。
柄澤登志子
64
○
柄澤委員
そういたしますと、電通に百三十五億、国鉄に百億、国有林野に三十億、郵政に五億といいますと、
合計
二百七十億が
預金部
資金
から見返り
資金
に肩がわりされるということになるのですか。
田村文吉
65
○
田村国務大臣
それは別に見返り
資金
の肩がわりでも何でもありません。新たに来年出す金は、
預金部
資金
からそれだけの金が出るということでありまして、見返り
資金
の振りかえではありません。
柄澤登志子
66
○
柄澤委員
見返り
資金
はほかの方にまわさなければならないので、
預金部
資金
からまわすということでございますね。
田村文吉
67
○
田村国務大臣
政府
企業でありますと、見返り
資金
は利息がただでありますから、私どもできるだけそのようなただの金を使いたいと
考え
ております。しかし電通
事業
は收益を上げている企業なんだから、無利息ということでなしに、ちやんと
預金部
の
資金
を使つた方がよかろう、見返り
資金
は
政府
で使う場合においては、あるいは無
利子
であ
つて
も、そういうような全然收益の上らぬような企業に使うということに、大体御
承知
願
つて
おいたらいいと思います。
柄澤登志子
68
○
柄澤委員
郵政省
が
独立採算
制になりましてから、昨年の十一月でございましたか、あなたの方でお出しにな
つて
おる
新聞
だと拝承しておりますけれども、三十億くらい黒字に
なつ
たという
記事
が実は載
つて
おりまして、私どもどういうふうな御苦労をなさ
つて
、そういうような黒字ができたのかしらというように思い、承
つて
みたいと思
つて
いたのでございますが、今
国会
では
一般会計
から三十五億繰入れるということで、そういうことはなか
つたの
だということが大体わか
つたの
でございますが、そういうような非常な
増收
が、
経費
の節約その他で成績が上げられているというようなことが、
新聞
に載るような根拠があ
つたの
でございましようか。
経費
の節約その他のいろいろな点を……。
田村文吉
69
○
田村国務大臣
ゆめにもそんな話があると、たいへんうれしいのでございますが、なかなかも
つて
さようなわけには参りません。何かの間違いだと存じます。しかし今のお言葉のように、努めてむだな
経費
は省くということについては、常時気をつけて参ります。しかし御
承知
のように行政整理だというようなことで、人を減らすというようなことは、私どもとしては
考え
たくないのでありまして、ただむだな
経費
として、消耗品にいたしましても、そういうものについてできるだけ節約をする、こういうことには努力をいたしております。
石原登
70
○
石原
(登)
委員
実はさつきから
お尋ね
しようと思
つて
お
つたの
ですが、今
大臣
の御答弁の中に、行政整理という面だけのことを
考え
ていないというお話があ
つたの
でありますが、実はさつき
ちよ
つと触れましたけれども、
郵政省
の企業の
合理化
というような面から、日曜配達をやめて、すべて出費を少くしたいというような議論、この議論の出場所も私ども大体知
つて
おります。まことにこれはとんでもない議論をするものだと思
つて
お
つたの
でありますが、事実
郵政省
では、一部試験的だとい
つて
行われているようでありますが、先ほどから申し上げる
通り
、これは世間の失笑を買
つて
いる。
新聞
ではゴシツプや何かで
扱つて
いる。この
郵政省
のやり方の内容を検討してみますと、どうもふに落ちない点があるようであります。たとえばこの問題で、三千人ぐらいの人員の縮小ができて、四億円
程度
の出費を防ぐことができる。ところが先ほどから聞いておりますと、郵便の利用者は
昭和
十七年に比べると、
昭和
二十四年度は五七%だ、しかも二十五年度は前半期で二八%という御
説明
でありましたが、そうするとさらに利用者は低下する。だれが
考え
ても郵便をもらうことは一番うれしいので、私などは
国会
に来て非常に忙しい中でも、朝、あと五分か十分したら郵便が来ないかというので、実は五分、十分と出発を延ばして郵便を受取
つて
みたいと思
つて
待
つて
おる。これは郵便にしても
新聞
にしてもそうでございます。ところがせつかく日曜日で、自分で親しく郵便を受取るのを楽しんでおるにもかかわらず、これをやめるということになりますと、あなた方がかねておつしや
つて
おる郵便の利用度を高めるというような議論、今度日曜配達をやめるという議論、これはまるで私なんかにはチンプンカンプンで、わけがわからなくなるわけであります。しかも三千人の人が減るということですが、日曜日の配達はやめても、月曜の配達はやめるわけでないし、一日の配達のために人を減らすというのは、数字的にはできるかわかりませんが、具体的にははなはだ困難じやないか、こういうふうに
考え
るわけでございます。しかも
郵政省
は、
サービス
がどうだこうだといわれている。こうなると
事業
官庁としては、国鉄は公社になりましたけれども、国鉄の
サービス
ぶりは完全に復旧したとわれわれ思うのですが一
郵政省
はまだまだ
サービス
が復旧しないために、こういうふうに
事業
自体も不振を来しておるということを、さつき
大臣
も言われた
通り
であると
考え
ております。ところがそういう郵便の日曜配達をやめると言いながら、二十六年度の
予算
においては、そのためにちつとも減
つて
いない。
サービス
は低下したが、
経費
の節約が具体的には全然現われないということになりますと、このやり方は
郵政事業
としては、非常に情ないと
考え
ておるわけですが、いろいろないきさつがあることは私
承知
しておりますけれども、これは
新聞
の反対の切抜きを集めただけでも、皆さん方が日曜配達を絶対にや
つて
行かなくちやならぬのだという一つの事由は成り立つと思
つて
おります。それから
郵政省
がいつでもこずきまわされるのは、いつでも、
郵政事業
だけが
一般会計
から
特別会計
に繰入れたというふうなことで、それを責め道具にされる。ところがまた今度
預金部
の
関係
その他で、そういうような面が出て来ようとしている。こういうことでは、いつまでた
つて
も
郵政事業
が頭が上らないというようなことにもなるわけですが、ひとつせめて日曜日の集配をやめるということについては、
郵政省
は
国民
の意思を代表されて、ぜひ善処してもらいたい。幸いに今の段階では、まだ試験的にや
つて
いるというような段階でありますから、これはまだまだ皆さんの御決意いかんよに
つて
は、また元に返せるわけですが、
国民生活
上も違いますし、いろいろな点で違うわけですから、せめて郵便の配達にまで、あまりごたごた言
つて
もらわないように、ひとつ格段の御努力が願いたい、かように
考え
ております。この問題にはむしろ、事務的な折衝もいろいろあろうと思いますけれども、郵政次官からでも、あるいは
郵務局長
からでも、何とか御答弁願いたいのであります。
浦島喜久衞
71
○浦島
政府委員
日曜日におきます通常
郵便物
の配達を休止したらどうかという案件につきまして、
お尋ね
があ
つたの
でございますが、この点につきましては、先ほど
大臣
の
所管事項
の御
説明
の中にもるる申し述べてありますので、別に申し上げることもございませんが、ただいま数字的な点に触れていろいろお話がありましたので、一応事務当局といたしまして、この問題につきまする
考え
方を申上げてみたいと思います。
郵便事業
の現在の財政
状態
からいたしまして、何か
経費
を節約してできるだけ
独立採算
制を期し、
国民
の負担を軽くする方法はないかということにつきまして、研究、検討することは、私どもこの
運営
をまかされておる事務当局者としても、当然なことでありますので、かような観点から、もし日曜日におきまする通常
郵便物
の配達をやめましたならば、それだけ人員と
経費
が百浮くはずです。と申しますのは、もちろん
郵便事業
全体は、たとえば引受け、あるいは逓送、運送、その他局内の仕事は、日曜でもや
つて
おりまするが、いわゆる末端の配達局に着きましてから、郵便を配達する。しかもこれは通常郵便だけであります。通常郵便だけやめてみたならばどれだけの
経費
が節約になるか、こういう観点から取上げてみたのでありまして、従
つて
通常郵便の配達に従事しておられるところの現在の外動員に対しまして、あるいは労働基準法、あるいは公務員法に基きまして、週一回の休日を与えます。これは交代で一日の週休をとられますために、それだけ別に人を配置する必要があるわけであります。これをいわゆる休暇定員と申しておりまするが、この定員がそれだけ日曜を実際仕事をしながら浮くというりくつになるわけであります。はたしてそれではどれだけ浮くかということでありまするが、この点につきましては、ただいま
石原
先生は三千名というような数字をあげていらつしやいましたが、まだ私どもは確実な数字を決定いたしておりません。これは一月の第二日曜日から実施しまして、全国において二百二十箇所の局を選びまして実施をいたしまして、はたしてこの日曜の通常配達をやめたために、月曜の仕事にどれだけの影響があるか、物数がどれだけになるか、それに対しまして月曜日に外勤員の服務状況がどうなるか、これを十分に検討してみませんと、最後的にどれだけの数字の人員過剰になるかというこということもわからないのでありまして、これは目下テスト中でありまして……。 〔
飯塚
委員長
代理退席、風間
委員長
代理着席〕
新聞
等に三千名について四億の
経費
が浮くと出ておりましたが、大体三千名
程度
の計算にはなりますが、しかし月曜日のいろいろな
業務
運行に対する人員の配置状況、その他いろいろな問題を検討してやらなければならぬわけであります。三千名必ず浮くというふうには私どもは申し上げられない次第であります。
石原登
72
○
石原
(登)
委員
かた苦しいことばかり申し上げてはなはだ何ですが、実は私はこういうようなことは、昔たいへんな金持が下男、下女をたくさん使
つて
おつた、ところが
考え
てみると、こういう者は、たくさん食わしておいても不
経済
だというので、一人減らしてみたがさしつかえなかつた。まだ多過ぎるというので、また一人減らしてみてもさしつかえなかつた。またもう一人減らしてみてもさしつかえなかつた。それでだんだん減らして行
つて
、結局最後には自分一人にな
つて
、食事をするのもめんどうくさいからというので食わずにいて、とうとう死んでしまつたという昔話があるが、
郵政省
の今までのやり方を見ていると、そういうやり方です。この仕事をやらないとこれだけ浮くというような、消極的な
考え
方はやめてほしい。何かそういうことが
郵政省
に伝統的に残
つて
いるような感じがする。なぜかというと、
サービス
をやめて費用を少くする。これは私は
事業経営
の上においてまつたく
考え
直してもらうべきであ
つて
、何か積極的にもうかる仕事を
考え
てもらえばよい。 たとえば專売公社あたりは、ピースの箱にまで広告をと
つて
おつたようだが、私も個人的にお勧めするのですが、はがきなんかでも、もし今のはがきに広告をと
つて
、そうして紙面が少なかつたら、紙の大きさをもう少し大きくすればよい。あれに広告をとることも
收入
の方法である。これは私はいろいろあると思
つて
おります。私は先般新潟の
郵便局
に行つたときに見て来たのですが、あそこは場所がよいというので、
郵便局
の壁を利用していろいろの広告を張
つて
、相当の
收入
が上るということでしたが、そういう例もあるのであるから、そういうような消極的なことでなく、現在の費用を減らすということはきわめて微々たるものですから、もつとどんどんと積極的な面にくふうと努力を払
つて
もらいたいということを
考え
ておる。日曜配達の問題も、皆さんのりくつには、
経済
的にはどうだこうだというようなことですが、
経済
的もさることながら、数十年来の
国民生活
と郵便との歴史から
考え
てみても、精神的な面に相当マイナスがあると思う。廃止したりする面から来る利用度の減少によ
つて
、御当局が
考え
ていらつしやる以上に、相当な減收になると思う。どうかひとつこういうような費用の節減という面は、ほかの面でお
考え
願
つて
、ぜひ積極的にや
つて
もらいたいと思う。最近では郵便のポストが、今のままでは高いとか低いとかいわれておるが、低ければれんがの二、三枚も敷くとか、コンクリートでつくればよいので、聞いてみるとそういうものをつくりかえるのに、たいへんな金がかかるそうでありますが、そういうことをするのはむだである。そういう面においても、今のような積極的な面で、特に
サービス
を低下させるということは、今せつかく復旧途上にある
郵便事業
としては、ゆめゆめや
つて
はならぬと私は
考え
ます。この点も小さいようで、決して小さくない問題でありますから、この問題についても
大臣
もみずから第一線に立ちまして、この解決にぜひ御努力を願いたいと
考え
ております。きようは私はあまりたくさんしやべりましたからこれでよしますが、いずれにしましても、
郵政省
は非常にたいへんな時期にな
つて
いると思いますから、当局は十分
委員長
とも
連絡
をとられまして、たびたび
委員会
を開かれて、
委員会
を通じて、
郵政事業
に対するところの
国民
の声を熱心にお聞きになるように、最後に希望を申し上げまして、私の本日の
質問
は打切りたいと思います。以上申し上げます。
柄澤登志子
73
○
柄澤委員
今
政府委員
の方から御
説明
がありましたように、
独立採算
制の
建前
から、
経費
の節約の面で、日曜集配の休止が試みられているというふうに承
つたの
でございますけれども、この実施しております状況は、まだおわかりにならないわけでございますか。
浦島喜久衞
74
○浦島
政府委員
問題が問題でございますので、私どもは慎重に実施の
状態
を把握しまして、その上で検討いたしたいと思いまして目下調査中でございます。ただ実施しました直後の状況はわか
つて
おりますけれども、ごく最近までのものにつきましては、全部をまとめまして正確な実施の状況のデータをつくりたいと思
つて
研究中でございます。詳しいことは申し上げません。
柄澤登志子
75
○
柄澤委員
二百二十局の局名や実施状況を、ぜひ当
委員会
に御報告を願いたいと思います。それは今日でなくてもよろしゆうございます。先ほど
石原
委員
からもお話があつたと思いますが
独立採算
制ということは、やはり企業として
考え
ておられると思うのでございます。そういう場合に貯金だけを零細なものを吸收して、貸出しを一切せずに、
一般会計
から十五億も繰入れなければならない。銀行たとかりにいたしましても、これはまつたく
独立採算
制という制度そのものが、適用できないものではないかというふうに
考え
られるのでございますけれども、その犠牲が、この日曜集配を休止するという形で、従業員の方に切りかえられて行く。結局は失業の方にしわ寄せさせられて行くというのでありますと、上の方のメモランダムというものはやむを得ないのだからというふうに、
郵政大臣
はお
考え
にな
つて
おりますけれども、その犠牲は全部下の
募集
したり、配達したりする従業員の方に押しつけられて来る。しかもこの賃金の値上げを組合が
要求
いたしますと、常に
独立採算
制なんだから、
独立採算
制なんだからということで、押しつけられて来るというふうに私どもは
考え
られるのでございますけれども、
郵政大臣
はこの
独立採算
制という、この形態そのものが
郵政事業
——
ことに
預金部
資金
に全部のものをゆだねるというような形になりました場合には、不都合なものになるのではないかというふうにお
考え
になりませんかどうか、その点についての御見解、さらに進んで、もし
預金部
資金
を全部向うにまかせてしまうということであれば、
独立採算
制というものは成り立たぬのであるから、これは廃止して、そのことを理由として首切りをしたり、賃金値上げを押えるというような不当なことはやめるべきだ、こういうふうに私は
考え
るのでありますが、その
独立採算
制ということについて、
事業経営
の非常に豊富な経験を持たれる
田村
さんは、どういうふうにお
考え
になりますか。
田村文吉
76
○
田村国務大臣
預金部
の
資金
運用
と
独立採算
の問題を御論じに
なつ
たようでありますが、今の十五億円の
経費
の
不足
を入れてもらうということからお話が出たようでありますが、郵政自体の問題といたしますと、
独立採算
の問題は別に研究さるべきではないかと
考え
るのであります。と申しますのは、今までの
郵便貯金
の扱い方というものはどうな
つて
おつたかと申しますと、要するに預金の日歩がきま
つて
おりまして、あとの一部の
経費
は、かかるだけ
大蔵省
から出ておつた。わかりやすく言えばそうなのであります。今度それを
預金部
に預け入れる日歩は、年によ
つて
違いますが、最高五分五厘、五分五厘で
預金部
に預ける、こういうことにな
つて
おるわけであります。そこで支払う
利子
は
法律
できま
つて
おりますから、さきに申しましたように二分二厘何毛ですか、その差の三分で
経費
があがれば、別に
一般会計
からの繰入れがなくとも済む。ところが今まで原価が六分八厘かかつたものが、だんだん預金の額もふえて来た、
合理化
が行われて六分三厘に下
つて
来たということで、今年は足らない八厘だけ補給してもらうということなのであります。これが現在千五百億の金でありますが、将来二千億、三千億、三千五百億とふえて参りますと、自然と郵便原価が下
つて
参りますから、従
つて
それによりまして採算も引合うという時代も来るだろう、こういうことで一応今年度はさようにいたしたわけであります。ただ
郵便事業
自体の
独立採算
の問題は、この前たしか
お尋ね
があ
つて
お答えしたと思いますが、この問題は非常にむずかしい問題でありまして、山間村落の非常に不便なところに
郵便局
を置いたり、配達をしたりするというようなことは、そういうところは事実上引合わないのはさま
つて
おるのであります。それを一々その原価に従
つて
料金
をきめるということは、事実できないことでもあるのであります。そういうような点、それからその配ります
郵便物
、
新聞
というようなものは、どういうものかといえば、文化財であります。そういうように文化のために御奉公する、こういう
考え
方にならないこともないと思います。そういう点を
考え
てみますと、
郵便事業
というものは必ず
独立採算
でやるべきものか、しからずしてある
程度
国家の
一般会計
からの補償によ
つて
や
つて
い
つて
いいものかどうかという点については、非常に私は議論があると思うのであります。まだ私どもは、
郵政事業
というものは、絶対的に
独立採算
によ
つて
やらなければならぬということで、決心をしておるわけではないのであります。しかし昔は
郵便事業
というものは、相当黒字でやつたことがあるのではないか、だから
郵便物
が半分の五割七分にな
つて
おるが、十割にも十二割にもなる時代が来れば、相当利益が上
つて
来て、あまり
赤字
だ
赤字
だとい
つて
、補填してもらわなくてもやれる時代が来るのではないか、こういうことも
考え
られます。嚴密に言つた場合でも、必ず企業は
独立採算
であるから、引合うように
料金
も決定すべし、従業員が多ければこれはやめてもらうというような性質でばかり行くわけに行かないというようにも
考え
ております。なおお言葉の中に、もうからない、
独立採算
制で行けないから、従業員の賃金を特に切り下げるのではないか、給料を上げてやらぬのではないかというお話でありますが、現在ではそういう制度にはな
つて
おりません。一般公務員の給與をやるわけでありますから、
事業
が
赤字
であろうが黒字であろうが、ある一定のわくで今日は行われておる。しかし現業員に対する給與としては、そういう公務員並の規律一本ではいけないのではないか。もつと能率的なものを
考え
たらどうかということが
考え
られますので、できればそういうことにいたしたいと、人事院とも寄り寄り協議をいたしておる次第であります。
柄澤登志子
77
○
柄澤委員
こまかいことについては、また別の機会にぜひ伺いたいと思うのでございますが、大きい点での
大臣
に対する御
質問
を三、四点やりたいと思
つて
おります。そういたしますと、公務員の首切りの問題については、人事院その他の定員法その他によ
つて
というお話でございます。決して
独立採算
制に左右されないというお話でございますが、しかし現実に三千名の人が浮いて来るという前提のもとに、日集配というものをおやめにな
つて
おいでになるわけでございます。このことは、やはりこれらの人々を他の戰場へやるというようなこと、ではなしに、全逓の労働者の俸給の
総額
を減らして行きたい、
人件費
の比率を少くして行きたい、こういうふうなお
考え
から来ているのではないか、かように
考え
るのでございますが、
大臣
はどういうふうに
考え
ていらつしやいますか。
田村文吉
78
○
田村国務大臣
先ほども御
説明
いたしましたように、この日曜集配をやめてみようという試み、この試みを全然無鉄砲にやるわけじありません。むろんそれについては相当の人員の減少が
考え
られる。しかし日曜配達の問題は單なる
経済
上の問題だけとして私は
考え
たくないのであります。というのは、欧米ではキリスト教の
関係
から、月曜日はできるだけ仕事はしない、休息する、こういう一つの観念がずつとあるのであります。日本でも現在は学校とか一般の役所は、日曜は休みということにな
つて
おるのであります。できればそういう点において
——
緊急の速達とかはそうでないとしても、一般のものは日曜は休んだらどうだ、こういう一つの高い文化的な意義が含まれて、この日曜配達の廃止を
考え
る、こういう意味があるのであります。これを試みるときに、人が減るのを整理するのかという問題が出ましたが、これは絶対にしない、それでは文化的な意義があるということはけつこうだが、人な整理しないというなら、非常に企業
会計
を惡くするのではないか、こういう疑問が当然出て来る。それに対しまして私どもの
考え
ているのは、もしさような場合には、
郵便事業
というものは五割七分に減
つて
おるが、これからどんどんふえてて行く。新しい
事業
——
小包速達もやるとか、いろいろな新しい方法を
考え
て、
国民
に
サービス
する面が幾らもあるではないか。決してそれがために、今の従業員をやめてもらわなければならぬというような問題は起るまい。かりに若干の問題はあ
つて
も、自然減は若干あるのであります。だから不可能な方法を試みるわけじやないという観点でまずや
つて
みよう、しかしこれが日本の
国民
の習慣からい
つて
、また郵政従業員の諸君は、昔から有名な勤勉な人たちなんです。でありますから、そういう人たちからいうと、月曜を休むとか休まぬとかいう問題よりは、
收入
の減らないようにするということが先だ、こういうような意見も出ないでもないのであります。それこれの点を
考え
まして、今後の行き方というものをまず試験してみて、それで使われる人たちの声、それから実際にやつた上の月曜日の成績、そういうようなものをよく勘案した上で、最後の決定をしたらよかろうということでいたしましたので、漫然とただ試みをや
つたの
では、やつぱり迷惑をかけるわけですからやるからには、そういう点についていろいろ
考え
ましてや
つたの
であります。これは單なる
経済
問題だけと
考え
ていただきたくないのであります。文化向上という意味から
考え
た精神が入
つて
いるということを御了解いただきたい。
柄澤登志子
79
○
柄澤委員
たいへん
郵政大臣
としては、文化的なことを考慮なす
つて
おいでになるというふうに拝承したのでございますけれども、実際は労働者の実態というものは、日曜に夫婦で共かせぎで内職をしなければ、ほかの職場に行
つて
何か仕事をしなければ、一箇月の給料を補えない。あなたの部下の労働者は、一週間でお金がなくなるそうです。十日では大体もちつた給料がなくなる、あとをどうするのだというと、また借りるのだ、だから給料をもらうと、この十日くらいで全部払
つて
しまわなくてはならないので、おかず代にも困るのだというようなお話なのでございまして、どうも労働者の実態は、日曜にはキリスト教的に休ましてやるという、文化的な平和的なお
考え
とは非常にかけ離れておる。どうも今の日本の労働者の実態には、ぴつたりしないと思うのでございます。ですから私どもとしては、失業の問題と給与の安い問題、こういう問題についてはあくまでも労働者の利益を取入れていただきたいという
考え
を持
つて
おるのでございまして、
郵政大臣
から人は絶対に整理しない
方針
だというふうに承りますと、たいへん私どもは満足なのでございますが、そういうふうに了解してよろしゆうございますか。
田村文吉
80
○
田村国務大臣
今度の日曜配達の停止を試みるということ自体は、決してそういうことを
考え
ないということで出発しておるのであります。万劫末代冗員があ
つて
も、仕事がなくて、ただそういうことをしているのかという問題ではむろんありませんが、少くとも今度の日曜配達停止の問題は、かりに二千人になりますか、三千人になりますか、今度はどんどんそんな仕事をふやして行くということが
考え
られる時代になると思いますから、その点について
経費
がセーブされれば、
独立採算
の方にそれだけ足しまえになるのであります。ただ
考え
ていただかなければならぬことは、先刻
石原
先生から、明治初年からやつた仕事なのだ、日本人としてはそれは受入れられないという
気持
であることも
考え
られないではないのであります。でありますが、私どもの
考え
ている意味は、金銭の問題だけでやるのではない。これはひとつ高い文化の意味から、こういうことも
考え
ていただいていいのじやないかということで、とにかくこれはや
つて
みないと、実際のことがわからないから、ひとつや
つて
みましようというので、郵政の方では全部の人の声を聞くようにして、配達先その他の方の御意見を集めておるのであります。
柄澤登志子
81
○
柄澤委員
私が郵政の勤勉な労働者の実態に、どうも遠い御見解だということを申し上げました点は、これはあくまでも翻すことはできないのでございます。私は勤勉ということの反面に、郵政審
議会
が
——
昨年であつたと思いますけれども、二十六万数百の郵政従業員の定員では足りない。郵政
業務
を満足に実施いたしますのには、もう少し人がいるのだということで、たしか相当の数
——
それは資料はございますけれども、数千名だと思いますが、定員の
増加
を
要求
しておられたことを私は承
つて
おります。それに比べまして、二十六年度の
予算
定員を拝見いたしますと、七百八十一名ばかり減
つて
おりまして
——
先ほど
郵政大臣
は七百六十六各とおつしやつたと思いますけれども、
予算
書には確かに七百八十一名、昨年の
予算
より減員されておると思うのでございます。それが最も勤勉だといわれておる現業の面の三級、二級というようなところで、二級が四百八十名、三級が百三名というように減員にな
つて
おるのでございますけれども、これはどういうところを根拠にしてそういう数字が生れたのでございましようか。ただいまのような日曜集配の停止というようなことも考慮されまして、そういうことが含まれているのかどうか。定員の問題についての根拠を、ひとつ
大臣
から承
つて
おきたいと思います。
田村文吉
82
○
田村国務大臣
日曜配達とは全然
関係
ございません。これは電通の方にある仕事を移しましたので、それだから電通の方がそれだけふえております。
柄澤登志子
83
○
柄澤委員
そうすると、理由にな
つて
おりますのは、まつたく電通の方にとられただけだというふうに了承してよろしゆうございますか。
田村文吉
84
○
田村国務大臣
さようでございます。
風間啓吉
85
○風間
委員長
代理 それでは今日の本問題に関しまする質疑はこの
程度
にとどめまして次会は公報をも
つて
お知らせすることとし、本日はこれにて散会いたします。 午後四時二十六分散会