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1951-05-26 第10回国会 衆議院 本会議 第41号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十六年五月二十六日(土曜日)  議事日程 第四十号     午後一時開議  第一 診療エツクス線技師法案参議院提出)  第二 国有林野法案参議院提出)  第三 国有林野整備臨時措置法案参議院提出)  第四 高圧ガス取締法案内閣提出参議院送付)  第五 特別鉱害復旧臨時措置法の一部を改正する法律案内閣提出、(参議院送付)  第六 有価証券処分調整等に関する法律廃止に関する法律案内閣提出)  第七 証券投資信託法案参議院提出)     ————————————— ●本日の会議に付した事件  両院協議会協議委員選挙  テレビジヨン放送実施促進に関する決議案椎熊三郎君外七名提出)  日程第一 診療エツクス線技師法案参議院提出)  日程第二 国有林野法案参議院提出)  日程第三 国有林野整備臨時措置法案参議院提出)  日程第四 高圧ガス取締法案内閣提出参議院送付)  日程第五 特別鉱害復旧臨時措置法の一部を改正する法律案内閣提出参議院送付)  日程第六 有価証券処分調整等に関する法律廃止に関する法律案内閣提出)  日程第七 証券投資信託法案参議院提出)  国会議員の歳費、旅費及び手当等に関する法律の一部を改正する法律案参議院提出)  道路運送法案内閣提出)  道路運送法施行法案内閣提出)  自動車抵当法案内閣提出)  自動車抵当法施行法案内閣提出)  道路運送車両法案内閣提出)  道路運送車両法施行法案内閣提出)  港湾法の一部を改正する法律案坪内八郎君外五名提出)  審議会等整理のための文部省設置法等の一部を改正する法律案内閣提出参議院送付)  審議会等整理のための労働省設置法の一部を改正する法律案内閣提出参議院送付)  漁港法弟十七條第二項の規定により、漁港整備計画について承認を求めるの件  日刊新聞紙の発行を目的とする株式会社及び有限会社の株式及び持分の讓渡制限等に関する法律索法務委員長提出)     午後二時二十六分開議
  2. 岩本信行

    ○副議長岩本信行君) これより会議を開きます。      ————◇—————
  3. 岩本信行

    ○副議長岩本信行君) 参議院から、本院回付の、内閣提出教育公務員特例法の一部を改正する法律案につき、不同意の通知とともに両院協議会請求されました。よつて両院協議会請求に応ずるやいなやをお諮りいたします。両院協議会請求に応ずるに御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  4. 岩本信行

    ○副議長岩本信行君) 御異議なしと認めます。よつて両院協議会を開くことに決しました。      ————◇—————  教育公務員特例法の一部を改正する  法律案両院協議会協議委員選挙
  5. 岩本信行

    ○副議長岩本信行君) つきましては、両院協議会協議委員選挙を行います。     —————————————
  6. 福永健司

    福永健司君 協議委員選挙は、その手続を省略して議長においてただちに指名せられんことを望みます。
  7. 岩本信行

    ○副議長岩本信行君) 福永君の動議に御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  8. 岩本信行

    ○副議長岩本信行君) 御異議なしと認めます。よつて協議委員議長において指名するに決しました。  ただちに指名いたします。   教育公務員特例法の一部を改正す   る法律案両院協議会協議委員    石田 博英君  倉石 忠雄君    佐々木秀世君  福永 健司君    吉武 惠市君  橋本 髄伍君    佐藤 重遠君  若林 義孝君    寺本  齋君  間延右工町君  ただいま指名いたしました協議委員諸君は、議長応接室に御参集の上、議長、副議長おのおの一名を互選せられんことを望みます。      ————◇—————  テレビジヨン放送実施促進に関する決議案椎熊三郎君外七名提出)      (委員会審査省略要求事件
  9. 福永健司

    福永健司君 議事日程追加緊急動議提出いたします。すなわち、椎熊三郎君外七七提出テレビジヨン放送実施促進に関する決議案は、提出者要求通り委員会審査省略してこの際これを上程し、その審議を進められんことを望みます。
  10. 岩本信行

    ○副議長岩本信行君) 福永君の動議に御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  11. 岩本信行

    ○副議長岩本信行君) 御異議なしと認めます。よつて日程は追加せられました。  テレビジヨン放送実施促進に関する決議案議題といたします。提出者趣旨弁明を許します。椎熊三郎君。     —————————————     〔椎熊三郎登壇
  12. 椎熊三郎

    椎熊三郎君 ただいま議題となりましたテレビジヨン放送実施促進に関する決議案は、共産党を除く各会派共同提案にかかるものでございます。私は、はなはだ越ではございまするが、共産党を除く他の会派一切を代表いたしまして、決議案趣旨を弁明いたさせていただきます。  まず決議の案文を朗読いたします。   テレビジヨン放送実施促進に関する決議案   今や世界放送は既にテレビジヨン時代実現している。わが国放送文化の発展を期する上において、テレビジヨン放送実施は、現に国民の挙げて熱望するところである。   よつて政府は、テレビジヨン放送実施に必要な送受技術発達受信機普及、その他の具体的施策につき、速やかに有効適切な措置を講じ、国民文化生活の充実を図るべきである。  右決議する。  世界放送事業の現況は、現在のような中波のみの時代はすでに過ぎまして、今では中波テレビ併行段階に入つております。将来は、おそらく天然色テレビ一本の時代が期待せられるのであります。アメリカにおきましては、天然色テレビジヨンはすでに試験時代を通過いたしまして、法律規定によつて二箇年間この実施をとめておりまするが、明年からは実施せられるに至るでありましよう。かくのごとく、日進月歩の科学の力は、今日のテレビジヨン天然色テレビジヨンにまで進展させている実情にある。  しかるに日本におきましては、戦時中における研究のブランクと、終戦後の経済の実態が、国民大衆の要望にもかかわりませず、いまだテレビジヨン放送実現を見るに至つておらないことは遺憾とするところでございます。しかしながら、終戦後、日本テレビジヨン技術、特にNHK技術研究所におけるテレビジヨン研究はすでに世界的水準に達し、送像側におけるテレビジヨン放送実施の態勢も準備されて、これが実現は、国策の決定と、受像機普及を待つのみの段階に達しておるのであります。かかる内外の情勢下において、一日も早くテレビジヨン放送実施促進を待望する理由は次の通りであります。  第一、テレビジヨンは、放送最終形態として、総合技術の上につくられておるものであります。その意味において、テレビジヨンこそは一国文化のバロメーターと言い得るのであります。しかもこれは、諸外国の例にも見られるがごとく、すこぶる広汎な利用性を有しておりまして、教育上あるいは工業上、あるいは医学上、その他あらゆる方面に利用せられておるのであります。テレビジヨンは、人々の日常の生活変化を與えたとさえいわれておるのであります。かかる文化財は、人類ひとしく享受すべきものであつてわが国においても早急にこれを取入れるべきでありましよう。テレビジヨン放送は、文化国家たるの名誉にかけても早急に実施しなければならないものであると信じます。(拍手)  テレビジヨン産業は、日本基礎産業として最も関心を深めておる問題であります。テレビジヨン放送実施は、送像機受像機等に関する新産業を興し、この新産業は最高の総合技術であるから、これが関連産業を飛躍的に発展させるのであります。ベルギー、オランダ、デンマーク等でも、熱心に国産テレビジヨン工業化を考えており、テレビジヨンのない文化国家は今日ではありません。テレビジヨン普及がその国の文化程度を示すといわれる現在、わが国文化進歩のシンボルとしても、国産テレビジヨン・セツトを持つことは非常な誇りとなるのであります。現在アメリカにおいて最も普及されておる受信機は百ドルでございます。しかるに、日本においてこれを製造しますると、今日では十万円以上を要するのであります。こういう状態では、とうていテレビジヨン普及には相なりません。これらの研究は最も急を要する問題であろうと信じます。  最近特にテレビジヨンに対する国民関心が非常に高まつて参りまして、ときたまNHKなどで実験等放送をやつておりますが、その際において国民的、圧倒的な人気を博していることは、諸君すでに御承知の通りであるのであります。一方におきましては、アマチユアの間にテレビジヨン研究が非常に旺盛に発展して参りまして、今日そのためにアマチユアテレビジヨンの連盟に加入している会員だけでも四百名に近いものがあるといわれているのであります。諸外国情勢にかんがみましても、一日も早く——日本はこの性界的情勢に遅れては相なりません。すでにアメリカでは、一九四一年、正式にテレビジヨン放送を始めて以来、テレビジヨン局は百九局に及んでおります。現行普通テレビジヨンからカラ一・テレビジヨン段階に移行するに至つている。しかもテレビジヨン産業は、自動車産業を凌駕するのではないかとアメリカではいわれているのであります。その他英国、フランスを初め、カナダ、オーストラリア、ソ連等十数箇国がいずれも定時放送を着々実施中である今日、わが国テレビジヨン放送も、一日も早く実施する必要があるのであります。  しかしながら、これが実施につきましては、かなりの難点もあるのであります。第一は技術の問題であります。テレビジヨン放送における技術的問題として、撮像管・イメージ・オルシコンと申すそうですが、この国産化標準方式決定外国特許等、幾多解決を要するような問題があるのでありますが、この放送に必要な送像側の準備が整つているから、最も問題となるのは受像側受像機生産工業化であつて放送は多数の聽取者を前提として初めて成立する限り、良質、低廉なる受像機大量生産がいかにすれば行われるか、国民大衆の間にいかにすれば普及せられるかが問題であります。  テレビジヨン放送は、ラジオ放送に比べて、設備、人員、運転費等の点において、中波放送よりもはるかに多額の経費を要するために、日本経済現状においても、また各国の例を見ましても、企業採算の見通しがなかなか困難であります。これが打開策としては、積極的国家的支援が與えられなければ、これの実現を期待することができないのであります。これらの諸点は、すでにわれわれ電気通信委員会におきまして深く研究を重ね、実験上の問題にいたしましても、委員各位が熱心なる検討を加えられているのでございまするが、以上申し上げたる諸種の難点あるにもかかわらず、わが日本文化国家たる体面上、あるいは今日以後世界的標準に達せんとするわが国医学界あるいは教育界工業界標準の上からも一日も早く実施しなければ、国家の名誉のためにも許しがたい現状であると私どもは確信いたします。  本決議案は、かくのごとき内容を持つて共産党を除く各会派一言反対もなしに、昨日の委員会では満場一致決定せられております。しかしながら、共産党諸君といえども——ソビエトにおいては定時テレビジヨン放送をやつておるのでありまして、彼らといえども、この決議案には断じて反対ではあるまいと私は想像いたします。よつて決議案採決の際は、満場一致をもつて御可決あらんことを私は念願いたしまして、趣旨弁明を終る次第でございます。(拍手
  13. 岩本信行

    ○副議長岩本信行君) 採決いたします。本案賛成諸君起立を求めます。     〔賛成者起立
  14. 岩本信行

    ○副議長岩本信行君) 起立多数。よつて本案は可決いたしました。拍手)  この際電波監理委員会委員長から発言を求められております。これを許します。電波監理委員会委員長冨安謙次君。     〔政府委員富安謙次登壇
  15. 富安謙次

    政府委員富安謙次君) ただいまテレビジヨン放送実施促進に関する御決議をいただきました。まことに時宜を得たものと存じます。政府におきましても、テレビジヨン放逸実施わが国文化向上及び産業発達等の上にきわめて大きな意義を持つべきものであることを考えまして、なるべくすみやかにその実現を見得るよう、所要の措置を講じたいと存じております。(拍手)      ————◇—————  第一 診療エツクス線技師法案   (参議院提出
  16. 岩本信行

    ○副議長岩本信行君) 日程第一、診療エツクス線技師法案議題といたします。委員長報告を求めます。厚生委員会理事丸山直友君。     〔丸山直友登壇
  17. 丸山直友

    丸山直友君 ただいま議題となりました診療エックス線技師法案について、厚生委員会における審議経過並びに結果の大要を御報告申し上げます。  現在の医学界におけるエックス線利用はきわめて広く、疾病の診断または治療に欠くべからざるものとなつておりまするが、ことに結核予防上最も必要な正確診断には、エックス線撮影をまたなければならないのであります。しかしながら、その反面、これが使用法を誤ると人体に大なる障害を與えるものでありますから、これを防止するために、エックス線技術者の素質の向上をはかり、当面の差迫つた結核対策の一環としての機能を十分に果させようとするのが、本法案提出理由であります。  本法案のおもなる内容を申し上げますれば、第一は、エックス線人体に照射する業務は、一定国家試験に合格し、免許を受けた者でなければ行うことができないこととしたことであります。その受験資格といたしましては、高等学校卒業の後、さらに二年間エツクス線に関する知識技能の修習を必要とすることとしたのでありますが、現在業務に従事してる者及び過去において三年間の業務経歴を有する者に対しましては、届出制とつた上、暫定的に五年間を限つてその業務の継続を認めるとともに、その間に特に試験を行うこととしたのであります。第二は、エツクス線照射を行うには必ず医師または歯科医師の具体的な指示をまたなければならないこととし、その業務に従事する場所は原則として病院または診療所内に限ることとし、その業務が常に医師監督下に行われるようにしたことであります。第三は、試験に関する事項は全国的に統一する必要がありますので厚生大臣の所管とし、免許登録等事務ば知事にゆだねることとしたことであります。  本法案は、三月二十九日予備付託、同月三十日、本付託となり、参議院議員中山壽彦君より提案理由説明を聽仮した後、同日及び五月二十四日審議を行いましたところ、委員から、診療エツクス線技師自身災害防止及び補償、質の向上と数の確保のための養成施設等について、きわめて熱心なる質疑応答が行われたのであります。  かく質疑を終了し、討論省略して採決に入りましたところ、本法案全会一致をもつて可決すべきものと決した次第であります。  以上御報告申し上げます。(拍手
  18. 岩本信行

    ○副議長岩本信行君) 採決いたします。本案委員長報告通り決するに御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  19. 岩本信行

    ○副議長岩本信行君) 御異議なしと認めます。よつて本案委員長報告通り可決いたしました。(拍手
  20. 岩本信行

    ○副議長岩本信行君) 日程第二、国有林野法案日程第三、国有林野整備臨時措置法案、右両案を一括して議題といたします。委員長報告を求めます。農林委員長千賀康治君。     〔千賀康治登壇
  21. 千賀康治

    千賀康治君 ただいま議題となりました、参議院提出国有林野法案及び国有林野整備臨時措置法案につきまして、農林委員会におきまする審査経過ならびに結果の大要を御報告を申し上げます。  まず国有林野法案について申し上げます。  現行国有林野法は、国有林野管理並びに処分を行いまする根拠法規でございまするが、明治三十二年の制定で、きわめて古い法律でございまして、最近におきまする諸情勢の急激な変化に伴いまして、これが運用上適切を欠く点が生じましたので、これを改める必要がございます。これが本改正案提出理由でございます。なお現行法は、国有財産法との関連箇所が数次にわたり改正されまして、削除條文もきわめて多くなつておりまして、法律としての体裁もまた妥当でございませんので、全面的改正を行うこととなつたのであります。  次に本改正案内容を見まするに、その改正重要点は、およそ二点に要約することができると思われます。第一は、境界確定に関しまして、現行伝では、隣接地所有者に対し、期日を定めて立会いを求め、その際立ち会わなければ、そのまま当該官庁境界査定施行するという強権的なものであるのに対し、改正案におきましては十分に相手方の意思を尊重いたし、協議の上で境界確定をする建前をとつたことでございます。第二は、国有林野経営と、当該国有林野の所在する地方市町村住民利用とを調整し、土地利用高度化をはかるため、当該市町村住民または当該市町村内の一定の区域に住所を有する者との間に共有林野制度を設定し、自家用薪炭原料自家用肥飼料用の落葉、下草または林産物等の採取、あるいは耕作に附随して飼養する家畜の放牧等の用途に共同使用する権利を取得させることといたしたことであります。なお従来の委託林は、制度としてはこれを廃止いたしまするとともに、その実体はこの共用林野制度に吸収いたしたのであります。  本法案は、去る十四日、予備審査のため送付と相なり、二十三日、本委員会付託されたのであります。二十四日、提案者を代表いたし、参議院議員片柳眞吉君より提案理由説明聴取の上、後に御報告いたしまする国有林野整備臨時措置法案とともに一括議題といたし、同日及び翌二十五日の両日にわたり質疑を行いましたるところ、自由党平野遠藤野原の三委員民主党吉川大森委員社会党井上委員、また委員外からは渕議員諸君から熱心な発言がございました。詳細は速記録に譲ることといたしますが、その内容を要約いたして申し上げますると、現在国有林野管理機構はもつと簡素化すべきであり、また民有林野の方は管理機構があまりにも貧弱に過ぎるので、将来は国有林野民有林野とも均衡のとれた状態に改善すべきであるということでございました。  昨二十五日質疑を終了いたしましたが、討論については要求がございませんのでこれを省略採決に付しましたるところ、総員の賛成を得まして原案通り可決すべきものと決しました。  次に、国有林野整備臨時措置法案について申し上げます。  現在の国有林野のあり方につきましては、国土保安森林資源維持培養並びに国有林野経営上必ずしも妥当とは申しがたいのでありまするが、これが根本的整備を行いますることは、国有林野成立経緯より見まして、国有林野の本質に触れるものであり、また国土総合利用開発並びに林政百年の大計とも深い関連があります。従いまして、今ただちにこれらの本質的な諸点に触れることを避けまして、今後広く識者の意見を徴し、愼重検討の上後日決することといたしましても、現在ただちに措置し得る部面もございますので、これらの点につきまして、とりあえず臨時整備基準を定めて実施いたそうとするものであります。  今本法案内容を見まするに、大略次の四点に要約できると思います。一、臨時整備対象として売拂いまたは交換すべき国有林野範囲及びその相手方優先順位規定し、またこれが実施を円滑にするため、交換について国有財産法特例を設けたこと、二、国土保安上重要な国有林野及び国有林野経営上必要な施設については売拂いまたは交換を禁止し、整備対象から除外したこと、三、代金延納につき国有財産法特例を設け、十年以内の延納を認めたこと、四、売抑代金及び交換差金の使途を規定いたし、これら收入金は直接整備に必要な経費に充てるとともに、その資産化をはかる措置を講じたことでございます。  本法案さきに御報告いたしました国有林野法案とともに、十四日予備審査のため送付せられ、次いで二十三日付託と想なり、翌二十四日、提案者を代表して参議院議員片柳眞吉君から提案理由説明聴取の後、引続き質疑を行いましたところ、さきに御報告いたしましたことく、平野遠藤野原大森吉川井上の六委員、また委員外から渕議員がそれぞれ発言されまして、提案者及び政府委員との間に質疑応答が行われました。詳細は速記録についてこらんを願いたいと存じますが、主要な点を申し上げますと、国有林野拂下げまたは民有林野との交換につき、協議がととのわないときはどうするかとの質問に対し、政府側から、あくまでも納得の行く方法をとりたいと答え、延納の利子九分は、林業の特異性にかんがみ高きに失するとの意見に対し、政府側から、大蔵省ともなお協議を遂げたい旨の答弁がございました。また国有林野拂下げ価格については、国有林野成立経緯並びに地元民との永年にわたる深い慣習とを参酌して適切な価格でなさるべきこと、また特に明治初年における国有林野御料林野成立経過にかんがみ、国有林野拂下げ、ないし下げもどしにつき、中央森林審議会をして検討せしむべきであるとの意見がございました。  質疑を終了いたして後、討論省略採決に付しましたるところ、これまた全会一致をもつて原案通り可決すべきものと決しました。  以上御報告申し上げます。(拍手
  22. 岩本信行

    ○副議長岩本信行君) 両案を一括して採決いたします。両案の委員長報告はいずれも可決であります。両案を委員長報告通り決するに賛成諸君起立を求めます。     〔賛成者起立
  23. 岩本信行

    ○副議長岩本信行君) 起立多数。よつて両案とも委員長報告通り可決いたしました。      ————◇—————
  24. 岩本信行

    ○副議長岩本信行君) 日程第四、高圧ガス取締法案日程第五、特別鉱害復旧臨時措置法の一部を改正する法律案、右両案を一括して議題といたします。委員長報告を求めます。通商産業委員長小金義照君。     〔小金義照登壇
  25. 小金義照

    ○小金義照君 ただいま議題となりました高圧ガス取締法案の、通商産業委員会における審議経過並びに結果について御報告申し上げます。  本法案は、現行圧縮ガス及び液体ガス取締法を全面的に改正せんとするものであります。すなわち、わが国憲法施行に伴う法体系整備、内務省の解体による担当行政機関の変革に基く国と地方公共団体との事務分掌調整、及び高圧ガス工業進歩発達に即応する保安上並びに取締り上の技術的基準の再検討というような見地からの改正であります。現行法が、わずか本文箇條、罰則七箇條の簡単なるものであるのに対し、本法案本文八十四箇條及び附則よりなるものでありまして、その概略は次の通りであります。  第一に、総則において、この法律目的取締り対象となる高圧ガスの定義及び国に対する適用規定してあります。適用範囲中、特に現行法のすべての液化ガス実体に即して特定のガスとし、国に対する法律適用を明確にいたしてあります。  第二に、製造については、業種、業態のいかんを問わず、製造量の多寡による危険性の度合いに応じて許可制または届出制をもつてし、一定基準維持をその義務としてあります。貯蔵については新たに貯蔵所に関する規定を設けてありますが、その他につきましては、ほぼ現行法通りであります。第三に、保安につきましては、作業主任者による作業監督施設保安検査等従前通りでありますが、特に改正された点は、危害予防規定を設けて、自主的に災害防止をはかり、もつて保安に一層の潰漏なきを期してあります。  第四に、容器機器及び原料ガスにつきましては、高圧ガス充慎に用いる容器検査原料ガス容器製造及び容器証明書等の取扱いは、ほぼ現行法通りでありますが、容器のほか、特に一、機器製造を規制したこと、二、検査規格に不合格となつ容器廃棄処分規定したこと、三、容器の再検査は、登録制度によつて登録した容器検査所をして自主検査を行わしめること、四、原料ガス製造方法を規制したことが大きな改正点であります。その他行政庁の取締り担当員としての保安管理員の制度、一般意見を反映せしめるための高圧ガス保安審議制度を設けたことであります。  本法案は、去る三月三十日、予備審査のため本委員会付託せられ、提案理由説明を聽取いたしました。五月二十三日、本法案審議の完璧を期するため、参考人の意見を聽取し、さらに現場について実地調査を行いました。五月二十三日、参議院より一部修正の上送付せられましたので、修正理由を聽取の上、質疑に入りました。質疑は五月二十四日きわめて熱心に行われましたが、その詳細は速記録を御参照願います。  二十四日をもつて質疑を終了し、ただちに討論に入りました。自由党を代表して多武良哲三君、国民民主党を代表して高橋清治郎君、日本社会党を代表して今澄勇君は、それぞれ強い希望を付して本法案賛成の意を表されましたが、日本共産党を代表して風早八十二君より反対討論がありました。  以上をもつて討論を終了し、ただちに採決を行いましたところ、多数をもつて法案を可決すべきものと議決いたした次第であります。  次に議題となりました特別鉱害復旧臨時措置法の一部を改正する法律案の、通商産業委員会における審議経過並びに結果について、簡単に御報告申し上げます。  本法律案の要点は、第一に、国税徴收法の書類送達に関する第四條の七及び第四條の八の規定が、国税徴収法の一部を改正する法律によりまして二條ずつ繰下げられましたので、これに伴う字句の修正を行つたことであります。第二に、督促手数料の十円を徴収することは、会計事務の煩雑を招くのみで、実益を伴いませんので、これを廃止して、かわりに督促状により通商産業大臣が指定すべき期限に関する規定を挿入することといたしております。第三は、従来解釈、運用によつてつて参りましたところの自己復旧工事に関する第十一條第一項括弧書きの規定を明確にいたしたことであります。  本法律案は、五月十五日、予備審査のために本委員会付託せられ、同日提案理由を聽取いたしました。五月二十五日、正式に付託せられたものでありますが、本法律案につきましては、質疑討論省略いたしまして、ただちに採決に入りましたところ、全会一致をもつて可決すべきものと議決した次第であります。  以上をもつて報告を終ります。(拍手
  26. 岩本信行

    ○副議長岩本信行君) まず日程第四につき採決いたします。本案委員長報告は可決であります。本案委員長報告通り決するに賛成諸君起立を求めます。     〔賛成者起立
  27. 岩本信行

    ○副議長岩本信行君) 起立多数。よつて本案委員長報告通り可決いたしました。  次に日程第五につき採決いたします。本案委員長報告通り決するに御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  28. 岩本信行

    ○副議長岩本信行君) 御異議なしと認めます。よつて本案委員長報告通り可決いたしました。      ————◇—————
  29. 岩本信行

    ○副鐵長(岩本信行君) 日程第六、有価証券処分調整等に関する法律廃止に関する法律案日程第七、証券投資信託法案、右両案を一括して議題といたしま子。委員長報告を求めます。大蔵委員会理事小山長規君。     〔小山長規君登壇
  30. 小山長規

    ○小山長規君 ただいま議題となりました有価証券処分調整等に関する法律廃止に関する法律案及び証券投資信託法案について、大蔵委員会における審議経過並びに結果を御報告申し上げます。  まず有価証券処分調整等に関する法律廃止に関する法律案について申し上げますと、政府が財産税等により収納した有価証券、持株会社整理委員会が持株会社及び財閥家族等から譲り受けた有価証券、閉鎖機関整理委員会管理する閉鎖機関の所有する有価証券等につきましては、有価証券処分調整等に関する法律に基き、その処分が円滑かつ公正に行われて参つたのでありますが、これらの有価証券は現在までに大部分の処分が完了いたしましたので、本法案は、ここに同法を廃止し、同法に基いて設置された証券処理調整協議会を解散することといたそうとするものであります。  本委員会におきましては、去る五月二十一日、政府委員より右提案理由説明を聽取し、審議の結果、昨二十五日、討論省略の上採決いたしましたところ、起立総員をもつて原案通り可決いたしました。  次に証券投資信託法案について申し上げます。この法案は、長期産業資金調達に資するため証券投資信託の制度を確立し、証券投資信託の受益者の保護をはかることにより、一般投資者による証券投資を容易ならしめようとするものでありまして、その内容大要は次の通りであります。  まず証券投資信託の委託者は、資本金五千万円以上の株式会社であつて、証券取引委員会に備える登録原簿に登録されたものとし、その受託者は、信託会社または信託業を営む銀行でなければならないことといたしております。次に、右信託の受益権は、均等に分割した受益証券をもつて表示しなければならないこととし、かつ受益証券は原則として無記名式といたしております。次に、信託契約を締結するには、あらかじめ証券取引委員会の承認を受けた信託約款に基かなければならないことといたしまして、なお信託約款の変更または信託契約の解約についても同様承認を必要とすることといたしております。次に、委託会社が信託財産の運用について受託会社に指図するに当たりましては、受益者の保護に欠けることとなるような行為の指図をしてはならないことといたしております。次に、委託会社が地業を兼営しようとするときは証券取引委員会の承認を受けなければならないこととする等、公益または投資者保護のため種々の制限、監督規定を設けております。次に、受託会社が証券投資信託の引受けにより株式を取得または所有する場合には、私的独占禁止法の株式の取得または所有に関する制限規定を排除することといたしております。最後に、証券投資信託の收益の分配に関しましては、源泉において二割の所得税を徴収し、総合申告をした場合においては一割五分の配当控除をすることといたしまして、課税上の特別措置を講じておるのであります。  この法案参議院提出にかかるものでありまして、本委員会におきましては、予備審査を行う等、愼重審議の結果、昨二十五日討論採決に入りましたところ、田中織之進委員は社会党を代表して、希望條件を付して賛成意見を述べられ、竹村委員共産党を代表して反対の旨討論せられました。次いで採決の結果、起立多数をもつて原案通り可決いたしました。右御報告申し上げます。(拍手
  31. 岩本信行

    ○副議員(岩本信行君) まず日程第六につき採決いたします。本案委員長報告通り決するに御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  32. 岩本信行

    ○副議長岩本信行君) 御異議なしと認めます。よつて本案委員長報告通り可決いたしました。  次に日程第七につき採決いたします。本案委員長報告は可決であります。本案委員長報告通り決するに賛成諸君起立を求めます。     〔賛成者起立
  33. 岩本信行

    ○副議長岩本信行君) 起立多数。よつて本案委員長報告通り可決いたしました。(拍手)      ————◇—————
  34. 福永健司

    福永健司君 議事日程追加緊急動議提出いたします。すなわち、参議院提出国会議員の歳費、旅費及び手当等に関する法律の一部を改正する法律案議題となし、この際委員長報告を求め、その審議を進められんことを望みます。
  35. 岩本信行

    ○副議長岩本信行君) 福永君の動議に御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  36. 岩本信行

    ○副機長(岩本信行君) 御異議なしと認めます。よつて日程では追加せられました。  国会議員の歳費、旅費及び手当等に関する法律の一部を改正する法律案議題といたします。委員長報告を求めます。議院運営委員会今村忠助君。     〔今村忠助君登壇
  37. 今村忠助

    ○今村忠助君 ただいま議題となりました国会議員の歳費、旅費及び手当等に関する法律の一部を改正する法律案につきまして、議院運営委員会における審議経過並びに結果を御報告いたします。この法律案は、参議院において各派の共同提案として発議せられ、本院に送付されたものでありまして、先般行われました国会議員の歳費及び諸手当の引上げに相応いたしまして、各議院の役員等の受ける議会雑費日額二百円を五百円に改めようとするものであります。  本案につきましては、議院運営委員会において審議の結果可決した次第であります。  右御報告申し上げます。(拍手
  38. 岩本信行

    ○副議長岩本信行君) 採決いたします。本案委員長報告は可決であります。本案委員長報告通り決するに賛成諸君起立を求めます。     〔賛成者起立
  39. 岩本信行

    ○副議長岩本信行君) 起立多数。よつて本案委員長報告通り可決いたしました。      ————◇—————
  40. 福永健司

    福永健司君 議事日程追加緊急動議提出いたします。すなわち、内閣提出道路運送法案道路運送法施行法案自動車抵当法案自動車抵当法施行法案道路運送車両法案道路運送車両法施行法案、(坪内八郎君外五名提出)、港湾法の一部を改正する法律案、右七案を一括議題となし、この際委員長報告を求め、その審議を進められんことを望みます。
  41. 岩本信行

    ○副議長岩本信行君) 福永君の動議に御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  42. 岩本信行

    ○副議長岩本信行君) 御異議なしと認めます。よつて日程は追加せられました。  道路運送法案道路運送法施行法案自動車抵当法案自動車抵当法施行法案道路運送車両法案、道路運送車両法施工法案港湾法の一部を改正する法律案、右七案を一括して議題といたします。委員長報告を求めます。道路運送法案外五案について、運輸委員会理事大澤嘉平治者。     〔大澤嘉平治君登壇
  43. 大澤嘉平治

    ○大澤嘉平治君 ただいま議題となりました道路運送法案及び道路運送法施行法案道路運送車両法案及び道路運送車両法施行法案自動車抵当法案及び自動車抵当法施行法案につき、運輸委員会における審査経過並びに結果を御報告申し上げます。  この六法案は、いずれも去る三月三十日、本委員会付託され、翌三十一日、政府より提案理由説明を聽取し、五月十五日以後委員会を開くこと八回、この間二十一日には公聽会を開き、関係業者並びに学識経験者の意見を徴する等、特に慎重に審査いたしたのであります。  まず道路運送法案について申し上げます。  この法案は、現行法実施以来三箇年の経験にかんがみ、その不備欠陷を是正し、道路運送事業の適正な運営と公正な競争とを確保するとともに、道路運送の秩序を確立し、道路運送の総合的発達をはかることを目的とするものであります。  その骨子とするところは、第一に、自動車運送事業の種類を、実態に即し、事業の地理的な運営形態による分類と、自動車の大きさによる分類を併用して、現在四種類であるのを六種類としたこと、第二に、各種の免許、許可、認可等に関する基準法律に明らかにしたこと、第三に、自動車運送事業全般の運賃及び料金について定額制をとり、貨物自動車運送事業については現拂い制をとつたこと、但しこの制度は物価統制令による運賃統制廃止実施すること、第四に、自動車道事業については、高速度交通に対する保安のため検査管理等の制度整備したほか、おおむね自動車運送事業に準じて所要の改正を加えたこと、第五に、国の経営する自動車運送事業及び自動車道事業について、運賃の認可、重要な事業計画の変更の認可等必要な事項に関する特則を廃止し、一般民営との調整をはかつたこと、第六に、自動車運送取扱い事業について新たに登録制を採用したこと、第七に、自家屋自動車の共同使用、有償運送等について所要の改正を加え、営業類似行為を取締つたこと、第八に、道路運送審議会の組織及び運営の適正化をはかつたこと、第九に、道路運送車両に関する保安法規を單行法とするため関係規定を削除したこと等でありまして、この法律施行するために必要な経過措置を道路運送施工法案をもつて規定いたしたのであります。  次に道路運送車両法案について申し上げます。  最近、自動車の発達きわめて顯著なるものがありまして、車両数が急激に増加し、その行動がますます長距離かつ高速度化する反面、車両の老朽化、車両整備の不完全等に基因する事故が増大し、また自動車登録において虚偽の申請が増加しているのであります。現在、道路運送車両の保安については道路運送法に規定されているのでありますが、その詳細は大部分同法に基く省令によつて定められているのであります。これら道路運送車両の保安関係事項の内容に、最近の車両事情に即応するため若干の改正を加えた上、單行法を制定しようとするものであります。  その骨子とするところは、第一に、自動車の登録制度整備充実し、自動車の実態把握及び盗難予防の徹底を期するとともに、自動車を目的とする私法関係の安全を確保したこと、第二に、車両の構造及び装置について保安上必要な最低限度の技術基準を設定するとともに、車両検査制度整備充実して車両の保安を強化し、その安全性の確保に資したこと、第三に、自動車使用者の自主的な車両整備に必要な態勢の確立を期し、自動車整備事業を認証して、その健全な発達をはかることにより、車両検査と相まつて自動車保安の完璧を期したこと等でありまして、この法律施行するため経過措置規定する必要があるので、道路運送車両法施行法案をもつてこれを定めたのであります。  最後に自動車抵当法案について申し上げます。  自動車運送事業の健全なる発達及び自動車輸送の振興をはかるため、老朽車を新車に改めて車両の保安度を向上すること並びにこれが実現を期するには、金融の円滑化を確保することが緊急でありますが、現在自動車を担保に供するには、所有権留保または譲渡担保の形式によるほかなく、法律上不備でありますので、この弊を除去するには自動車の動産抵当制度を設ける必要があるのであります。動産を担保権の目的とするには、抵当物の同一性の確保と、適当な公示制度を必要とするのでありますが、前に申し上げました道路運送車両法による車両検査及び登録制度は、この二つの條件を十分に充足するので、道路運送車両法案関連して本法案を制定しようとするのであります。  本法案の骨子は、第一に、道路運送車両法により登録を受けた軽自動車及び二輪の小型自動車以外の自動車をもつて自動車抵当権の目的とすること、第二に、民法の抵当権に関する規定中援用すべきものは、本法案に相当の規定を設けたこと、第三に、自動車抵当法特有の規定として、道路運送車両法の自動車登録原簿に抵当権の得喪及び変更を登録し、対抗力を付與したこと等でありまして、自動車抵当法施行法案は、本法施行にあたり必要な経過措置並びに各種財団制度との調整について規定したのであります。  以上六法案審査にあたりましては、政府委員と各委員との間にきわめて活発な質疑応答がかわされたのでありますが、そのおもなるものの二、三をあげますと、道路運送法案について第六條に関連して、道路の幅員により一路線複数営業を制限すべきではないかとの質疑に対しましては、運輸大臣より、狭小なる道路について乗合旅客自動車運逸事業の免許申請があつた場合、当該路線に既存業者があるときは、自動車運行の保安を確保するため、その処置については慎重に考慮し、交通保安の万全を期する旨の答弁がありました。  また地方公共団体の区域内における乗合旅客自動車運送事業につき免許、許認可を行う場合、都知事、市長の意見を徴することの可否については、これらの事項は都市民の日常生活産業等に直接関係があるから、地方公共団体の長の意見を徴した上、でき得る限り公正かつ民主的に処分をするのが適当であると考えるという意味の答弁がありました。  さらにまた、自家用自動車の有償運送の禁止は実情に適しないではないかとの質疑に対しましては、運輸大臣より、土地の状況に応じ、国民常識の範囲において法律を解釈し、杓子定規にこれを行う意思はないという意味の答弁があつたのであります。  次に道路運送車両法案について、自動車整備現状と、整備促進の方策いかんとの質疑に対し、自動車整備現状は、諸般の車両事情等により、きわめて不満足なものであるので、本法案において自主的整備の合理的基準の設定等、必要最小限度の措置を講ずることにより円滑に整備促進をはかろうとするものであるという意味の答弁がありました。  最後に自動車抵当法案について、行政目的登録制度のほかに、一般の民事的登記制を採用せず登録を利用しているが、行政の複雑または混淆を来すおそれはないかとの質疑に対し、車両法案による自動車登録制度をそのまま私権の公示方法として利用するものであるから、行政の簡素化の趣旨に沿うことはもちろん、関係者の利便をも増進するものと考えるという意味の答弁がありました。  その他質疑応答の詳細については会議録に譲りたいと存じます。  かくて、二十六日質疑を打切りましたところ、自由党岡田五郎君より、自動車抵当法施行法案に対する修正案が提出せられました。その要旨は、さきに修正議決せられました港湾運送事業法案関連して、同法案第五條に、港湾運送事業法による港湾運送事業財団を加えようとするものであります。  次いで討論に入りましたところ、日本共産党柄澤登志子君は、その党を代表して、六法案に対し反対意見を述べられました。  右をもつて討論を終局し、ただちに、自動車抵当法施行法案を除く五法案について一括採決の結果、多数をもつて原案通りこれを可決いたしました。次いで自動車抵当法施行案に対する修正案につき採決の結果、多数をもつてこれを可決、次に修正部分を除く原案について採決の結果、これまた多数をもつて可決いたしました。よつて法案は修正議決すべきものと議決した次第であります。  以上御報告申し上げます。(拍手
  44. 岩本信行

    ○副議長岩本信行君) 次は港湾法の一部を改正する法律案について、運輸委員会理事枠内八郎君。     〔坪内八郎登壇
  45. 坪内八郎

    坪内八郎君 ただいま議題となりました港湾法の一部を改正する法律案につきまして、運輸委員会における審査経過並びに結果を御報告申し上げます。  まず本法案趣旨を簡單に御説明申し上げます。御承知の通り港湾法は第七回国会において制定せられ、その後港湾管理者の設立について着々諸般の準備が進められているのでありますが、港湾管理者の行う業務範囲、港務局の委員会委員の数及び委員の欠格條件等について実情に沿わない点がありますので、これらの点について所要の改正を加え、港湾の開発発展をはかろうとするのであります。  その内容の第一点は、港湾管理者の行う業務として、入出港届を受理することと、港湾区域及び臨港地区内の貨物の積卸、保管、荷さばき等の改善について、あつせんすること等を加えようとするものであります。第二点は、特殊の港湾については、港務局を組織する地方公共団体の数まで委員の数を増員することができるようにしようとするのであります。第三点は、港務局の委員会委員に、一委員会に一名を限りまして関係地方公共団体の議員がなれるようにいたし、その業務の途行の円滑をはかろうとするものであります。  本法案は、三月二十四日、本委員会付託され、二十六日、提案者の私より提案理由説明を申し上げ、三月三十日及び五月二十五日、二十六日の三回にわたり、提案者委員との間に熱心なる質疑応答がとりかわされたのでありますが、その詳細は会議録に譲ることといたします。  次いで自由党岡田五郎君より修正案の提出がありましたが、その内容のおもなる点を申し上げます。  まず修正の第一点は、港湾施設として新たに防潮堤、堤防、突堤、胸壁、船揚場及び港湾施設用地を加えること、第二点は、港務局の成立手続を規定している現行法第四條は、その手続の時間的順序や、地方公共団体の議決を要する事項の範囲が明確を欠いているから、それらの点を明らかにすること、第三点は、港湾区域に接続している一定の区域内における工事についても規制すること、第四点は、外国貿易の増進上、あるいは国内産業の開発上特に重要な港湾における港湾工事費に対して、従来の沿革から見て国の負担率を高めること、第五点は、昭和二十六年度に設立された港湾管理者に対する港湾工事費の国の負担について経過規定を設けること等が修正案のおもなるものであります。その他詳細は会議録に譲ることといたします。     〔副議長退席、議長着席〕  次に、自由党玉置信一君より修正案が提出されました。その要旨は、現行法第三條に、もつぱら漁業の用に供する港は港湾法適用を受けない旨を規定されているが、「もつぱら」の判定が事実上困難であるから、「もつぱら」を削り、但書として、政令で定めるものについてはこの限りでない旨を加えることであります。  かく討論省略し、ただちに自由党岡田五郎君提出の修正案について採決の結果、起立総員をもつて可決し、引続き自由党玉置信一君提出の修正案について採決の結果、起立総員をもつて可決し、次いで修正部分を除く原案について採決の結果、これまた起立総員をもつて法案は修正議決すべきものと決した次第であります。  右御報告申し上げます。(拍手
  46. 林讓治

    議長(林讓治君) 討論の通告があります。これを許します。林百郎君。     〔林百郎君登壇
  47. 林百郎

    ○林百郎君 私は、ただいま上程になつております七法案について、共産党を代表して反対意見を申し上げます。  まず第一に、港湾法の一部を改正する法律案を除いた他の大案についてでありますが、これにつきましては、朝鮮動乱に伴つて、特需の輸送あるいは軍需品の輸送の活発化からして、あらゆる輸送機関がきわめて重要視されるようになつたことは、諸君御存じの通りであります。運送機関の中心であるところの貨車については、全国的に軍需品あるいは特需品の輸送にまわされて非常な不足を来しておることも、諸君、いろいろな陳情によつて御存じだと思うのであります。特に例をあげますと、石炭、これは産業の動力源でありますけれども、この石炭生産の五四・五%、ほとんど半分を占めておる九州におきましては、この石炭の輸送に対して、貨車の不足のために非常な大きな問題が起きておのであります。このような貨車の不足が急激に増加しておる際には、トラツクに対する輸送に重要な関心が拂われ、貨車輸送がトラツク輸送に切りかえられるという問題は当然考えられるところであります。本来、軍需品の輸送のために、国内のわれわれの生活に欠くべからざる物資の輸送が非常に困難な状態になるということは遺憾な点であります。本案も、こうした不幸な状態からして、やむを得ず出て来た法案とは思うのであります。ところが、この法案につきましては、われわれとしては次の二点について反対の意を表するのであります。  第一は、この法案によつて九州の輸送業者が非常に経営上困難を来して、大事業に統一される可能性があるのであります。この法案の第二十一條を見ますと、これには私的独占禁止法の通用が除外されておるのであります。こうして、中小の輸送事業を大きな事業が吸収して行くという形が明らかに出ておるのであります。どうしてこの大きな事業、たとえば日通というような大きな運送事業が中小の運送事業を吸收あるいは合併して行くかといいますと、大体トラツク輸送の事業の運賃を調べてみますと、近距離ほど採算が合つておるのであります。たとえば白河—青森間、百六十八キロメートルのこの輸送についは、国鉄の運賃と日通の運賃を比較してみますと、国鉄では二百五十円かかるのだが、日通では三百三十円要するのであります。また仙台—青森間、四百七十五キロメートルでありますが、この長距離になりますと、国鉄の運賃は三百二十円で済むのでありますが、日通は七百五十円を要しておるのであります。こうして、大きな運送業者も、遠距離では大分採算がとれないのであります。ところが、仙台—平間、百七十キロメートルになりますと、大分これが近づいて参りまして、国鉄運賃二百五十円、日通運賃三百二十円、さらに仙台—山形間、七十六キロメートルになりますると、大体国鉄運賃が二百円かかるところが、日通が二百五円で、近距離になるほど採算が合つて来るのであります。従つて、日通その他の大きな運送事業家としては、採算に合う小運送企業を順次吸収して行つて、遠距離の赤字を近距離の運送によつて補填して行くという方針が立てられて来たのであります。  これに基いて本法案を調べてみますと、大体免許基準、あるいは定額制、あるいは登録制、あるいは運転手の資格、こういうような点で、非常に厳重な規格が設けられて参るのであります。大きな事業家は、こうした基準に合うのでありますけれども、小さい企業家は、この免許基準、定額制、登録制、運転手の資格等の嚴重な條件というようなものに、つい合致することができなくなつて、犠牲になるような條文がたくさんできておるのであります。たとえば登録制、定額制等を調べてみますと、車両の基準一定にきめられておりまして、古い車を廃止しなければならない、また運賃が定額制で決定されまして、いかに採算が合わなくても、その定額制でやらなければならないというような状態が生じて来るのであります。従つて、古い車を廃して新しい車にする力を持つている大きな企業、あるいは定額制で耐え得るような大きな企業が、これらの條件に耐えられない小企業を吸収して行つて、採算の合う近距離の事業を大会社が吸収して行くという方向が出て来ておるのであります。こうして、結局この法案は中小の運送企業を犠牲にして行くという点で、第一にわれわれは反対するものであります。  それから第二は、七十條等にありますが、運輸大臣の権限が非常に強化されまして、こうした統制された大きな事業に、運輸大臣が事業計画の改善変更等の行政命令を発動する権限が與えられることによつて政府の統制力が非常に強化されて来たのであります。このことは、事業の自由性を政府の行政命令によつて束縛すると同時に、将来の日本の国の万一の場合に備える戦時的な運輸業、あるいは戦時的な運送業に切りかえるということが、ここに含まれておるのであります。これを第二点としてわれわれは反対しておるのであります。  諸君、御存じの通りに、実は昭和二十六年五月二日、社団法人日本乗合自動車協会、これは会長が自由党の幹事長の佐藤榮作氏であります。この佐藤榮作氏が会長をしておる日本兼合自動車協会から、次のようなお願いが出て来ておるのであります。そのお願いを読んでみますと「道路運送法案中修正希望事項に関する件」とありまして、目下御審議中の道路運送法案は公共機関たるバス事業の助成発達を期する上において画期的の重要法案であると信じます従つて業界の関心は今日この一点に集中し、本会としても本法案に対する輿論の帰趨を知るために数次に亘りこれが研究会を開き愼重に検討を重ねてまいりました。  その結果別冊「道路運送法案中の修正希望事項」のよう修正方を要請することを決議いたしました。右は今後業界の運命を托する重要法案であり、原案のままで通過することは業者多年の体験からみて到底忍び得ない処でありますので敢て威重を托し陳情懇願いたす次第であります。何卒われわれの切なる衷情を御汲取りの上宜敷御考慮をいただくよう御願いいたします。自由党の幹事長佐藤榮作氏と出ておるのであります。(発言する者多し)もちろんこれは、社団法人二本乗合自動車協会の佐瞬榮作氏であります。要するに、業界をあげてこの法案反対しておるのであります。そうしてまた厖大な修正案が出されたのでありますが、この修正案は一顧も顧みられなかつたという点であります。この点について、われわれは業者の代表としても反対しなければならないと思うのであります。  その次に港湾法の一部を改正する法律案についてでありますが、諸君御存じの通りに、この港湾法が制定されましたのは、わずか一年前であります。しかるに、今これを改正しなければならなくなつたという必要がどこにあるかと申しますと、実はこの港湾が、最近非常に軍需的な方面に利用されておるのであります。神戸、横浜等の日本の国の重要な港湾が、はとんど朝鮮動乱のために関係方面によつて利用されておることは明らかであります。ほとんど岸壁の━━━━━━━よつて使用されておるのであります。このために民間の輸送は非常に困難に陥り、それのみか、港湾労働者は三十六時間も四十八時間以上も交代制による非常な労働強化が行われまして、三力三十日には、大阪の港湾労働者が大きなストライキまで起しているような状態であります。こうした状態のもとにこの法案を見ますと、特定な重要港湾の施設に対しては、国家の補助費として十分の十あるいは十分の七・五の国庫負担を認めるというのであります。これが法案の表面では、一般公衆の利益のためと書いてありますけれども、先ほど申しました通りに、重要な港湾の八割というものがほとんど関係方面に利用されておることは、否定できない事実であります。ですから、表面は一般公衆の利益とあるけれども、実際は━━━━━━━━━重要港湾の十分の十あるいは十分の七。五を国庫で負担するとうことは、当然一で負担すべき費用われわれ国民の負担に転嫁されておるという点であります、われわれは、こうした———ために使おれる費用を、われわれ国民の血税でまかなうような本法案については、断固反対するものであります。  以上をもつて、私はただいま上程に、なつております七法案に対して反対意見を表明するものであります。  (拍手
  48. 林讓治

    議長(林讓治君) これにて討論は終局いたしました。七案を一括して採決いたします。七案中、自動車抵当法施行法案及び港湾法の一部を改正する法律案委員長報告は修正でありまして、その他の五案の委員長報告は可決であります。七案を委員長報告通り決するに賛成諸君起立を求めます。     〔賛成者起立
  49. 林讓治

    議長(林讓治君) 起立多数。よつて七案とも委員長報告通り決しました。(拍手)     —————————————
  50. 福永健司

    福永健司君 議事日程追加緊急動議提出いたします。すなわち、内閣提出審議会等整理のための文部省設置法等の一部を改正する法律案審議会の整理のための労働省設置法の一部を改正する法律案、右両案を一括議題となし、この際委員長報告を求め、審議を進められんことを望みます。
  51. 林讓治

    議長(林讓治君) 福永君の動議に御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  52. 林讓治

    議長(林讓治君) 御異議なしと認めます。よつて日程は追加せられました。  審議会等整理のための文部省設置法の一部を改正する法律案審議会等整理のための労働省設置法の一部を改正する法律案、右両案を一括して議題といたします。委員長報告を求めます。内閣委員会理事青木正君。     〔青木正君登壇
  53. 青木正

    ○青木正君 ただいま議題となりました両法案について、内閣委員会における審査経過並びに結果を御報告申し上げます。  両法案内容は、過日御報告申し上げましたる審議会等整理のための省、本部等設置法の一部を改正する諸法案と同様に、政府の方針に基き審議会等整理するものでありまして、文部省関係におきましては教科書出版資格審査会を、労働省関係におきましては労働教育審議会をそれぞれ廃止することとして、関係法令に所要の改正を行わんとするものであります  両法案は、予備審査のため、五月十五日、本委員会付託、五月二十五日あらためて付託され、それぞれ政府説明を聽取し、慎重審査の後、五月二十六日、討論省略採決の結果、多数をもつていずれも原案通り可決いたした次第であります。  以上御報告申し上げます。(拍手
  54. 林讓治

    議長(林讓治君) まず審議会等整理のための文部省設置法等の一部を改正する法律案につき採決いたします。本案委員長報告は可決であります。本案委員長報告通り決するに賛成諸君起立を求めます。     〔賛成者起立
  55. 林讓治

    議長(林讓治君) 起立多数。よつて本案委員長報告通り可決いたしました。(拍手)  次に審議会等整理のための労働省設置法の一部を改正する法律案につき採決いたします。本案委員長報告は可決であります。本案委員長報告通り決するに賛成諸君起立を求めます。     〔賛成者起立
  56. 林讓治

    議長(林讓治君) 起立多数。よつて本案委員長報告通り可決いたしました。(拍手)      ————◇—————
  57. 福永健司

    福永健司君 議事日程追加緊急動議提出いたします。すなわち、漁港法第十七條第二項の規定により、漁港整備計画について承認を求めるの件を議題となし、この際委員長報告を求め、その審議を進められんことを望みます。
  58. 林讓治

    議長(林讓治君) 福永君の動議に御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  59. 林讓治

    議長(林讓治君) 御異議なしと認めます。よつて日程は追加せられました。  漁港法第十七條第二項の規定により、漁港整備計画について承認を求めるの件を議題といたします。委員長報告を求めます。水産委員長冨永格五郎君。     〔冨永格五郎君登壇
  60. 冨永格五郎

    ○冨永格五郎君 ただいま議題となりました、漁港法第十七條第二項の規定により、漁港整備計画について承認を求めるの件について、水産委員会における審議経過並びに結果を御報告いたします。  わが国重要産業の一つである漁業は、いまだ原始産業の城を脱し得ない実情でありまして、これを近代的産業として確立し、その健全なる発達をはかるためには、まず漁業の根拠地である漁港を全国的にわたり計画的に整備拡充し、もつて漁業経営の合理化と、その生産の増強をはかることが適切かつ必要であります。これがため、昭和二十五年、第七国会において制定いたしました漁港法の規定に基きまして、このたび三千余の漁港の中から、第一次指定漁港として約千三百港を選定いたしたのであります。さらに今般この中から、漁業の実情及び将来性、あるいは経済的効果その他あらゆる條件を勘案いたしまして、漁港法第十七條に規定する手続を経まして、次のような漁港整備計画決定いたした次第であります。すなわち、漁港総数は四百五十港でありまして、漁港種類別に申しますと、第一種漁港は百九十八港、第二種漁港は百五十二港、第三種漁港は六十一港、第四種漁港は三十九港であります。このうち継続港数は百三十六港で、新規漁港が三百十四港であります。  本件は、本日水産委員会付託になりまして、ただちに政府より提案理由説明を聞き、引続き審議をいたしました結果、多数の賛成をもつて承認することに決した次第であります。何とぞすみやかに御承認あらんことをお願いいたします。  以上説明を終ります。(拍手
  61. 林讓治

    議長(林讓治君) 採決いたします。本件は委員長報告通り承認を與えるに賛成諸君起立を求めます。     〔賛成者起立
  62. 林讓治

    議長(林讓治君) 起立多数。よつて本件は委員長報告通り承認を與えるに決しました。(拍手)      ————◇—————
  63. 福永健司

    福永健司君 議事日程追加緊急動議提出いたします。すなわち、法務委員長提出日刊新聞紙の発行を目的とする株式会社及び有限会社の株式及び持分の譲渡の制限等に関する法律案は、委員会審査省略してこの際これを上程し、その審議を進められんことを望みます。
  64. 林讓治

    議長(林讓治君) 福永君の動議に御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  65. 林讓治

    議長(林讓治君) 御異議なしと認めます。よつて日程は追加せられました。  日刊新聞紙の発行を目的とする株式会社及び有限会社の株式及び持分の譲渡の制限等に関する法律案議題といたします。提出者趣旨弁明を許します。法務委員長安部俊吾君。
  66. 安部俊吾

    ○安部俊吾君 ただいま議題と相なりました日刊新聞紙の発行を目的とする株式会社及び有限会社の株式及び持分の譲渡の制限等に関する法律案につきまして、法務委員会を代表して趣旨弁明を申し上げます。  御承知のように、新聞は社会の公器であり、その事業は高度の公共性を持つものでありまして、その主張の自主性と、報道の真実性とは、実に新聞の使命そのものであります。従いまして、新聞に対する言論の自由を確保し、報道の正確を保持し、その伝統を守るためには、外部から来る資本の圧力などを十分警戒いたさねばなりません。現在日本の新聞は、九〇%以上株式会社によつて経営されているのでありますが、各新聞社は、この使命を達成するために、定款をもつてその株式の譲渡制限ないしは禁止を規定いたしておるのであります。これはひとり日本においてのみならず、米英等の先進民主国家においても、おおむね是認されているところであります。ところが、御承知のように、本年七月一日より施行せられんとする改正商法は、その第二百四條において株式の絶対的譲渡性を規定し、従つて、株式譲渡の禁止ないし制限は無効とする建前をとつているのであります。かくては、新聞における言論の自由と伝統の保持は危険にさらされ、その使命達成の上に重大なる障害の生ずることを免れません。日本の民主化及び文化の発展にきわめて重大な影響を與える結果とも相なるのであります。元来この問題は、改正商法の施行延期と関連して起つて来たものでありますが、その改正商法自体の審議過程におきましても、株式の絶対的讓渡性につきましては相当強力な異論があつたところであります。  さて法務委員会におきましては、右諸般の事情を十分考慮いたしまして在京有力新聞社の代表を参考人として招き、それぞれ意見を聽取するとともに、必要な資料の提出を求め、かつ名古屋、大阪及び福岡に専門員、調査員を派遣しまして、地方新聞社の実情を詳細に調査いたさせたのであります。かくして、次の三点を内容とする改正商法に対する特例法を制定すべく、多数をもつてその成案を得た次第であります。  本案内容のおもなる点は、第一に、一定の題号を用い、時事に関する事項を掲載する日刊新聞の発行を目的とする株式会社にあつては、定款の規定をもつて株式の譲渡を制限することができることといたしました。その制限の方法は、株式の譲受人を、その株式会社の事業に関係のある者であつて、取締役会が承認した者に限ることができるとしたのであります  第二に、日刊新聞紙の発行を廃止し、または引続き百日以上休止し、もしくは休止しようとするときは、すみやかに定款を変更して、株式の譲渡の制限に関する規定を削除しなければならないことといたしました。  第三に、有限会社の形態をとる新聞社にあつては、その持分の譲渡について以上の規定を準用することができることといたしました。  以上で大要説明を終りました。何とぞ本法案につきまして諸君の御賛成をお願いする次第であります。(拍手
  67. 林讓治

    議長(林讓治君) 採決いたします。本案賛成諸君起立を求めます。     〔賛成者起立
  68. 林讓治

    議長(林讓治君) 起立多数。よつて本案は可決いたしました。(拍手)  明二十七日は日曜日でありますが、定刻より特に本会議を開きます。  本日はこれにて散会いたします。     午後三時五十四分散会