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1951-05-25 第10回国会 衆議院 本会議 第40号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十六年五月二十五日(金曜日)  議事日程 第三十九号     午後一時開議  第一 昭和二十四年度国有財産増減及び現在額総計算書  第二 昭和二十四年度国有財産無償貸付状況計算書  第三 生活保護法の一部を改正する法律案内閣提出)  第四 兒童福祉法の一部を改正する法律案内閣提出)  第五 身体障害者福祉法の一部を改正する法律案内閣提出)  第六 審議会等整理のための総理府設置法の一部を改正する法律案内閣提出参議院送付)  第七 審議会等整理のための国立世論調査所設置法の一部を改正する法律案内閣提出参議院送付)  第八 審議会等整理のための地方自治庁設置法の一部を改正する法律案内閣提出参議院送付)  第九 審議会等整理のための大蔵省設置法等の一部を改正する法律案内閣提出参議院送付)  第十 審議会整理等のための厚生省設置法等の一部を改正する法律案内閣提出参議院送付)  第十一 審議会整理等のための農林省設置法等の一部を改正する法律案内閣提出参議院送付)  第十二 審議会整理等のための通商産業省設置法等の一部を改正する法律案内閣提出参議院送付)  第十三 審議会整理等のための運輸省設置法の一部を改正する法律案内閣提出参議院送付)  第十四 審議会等整理のための建設省設置法等の一部を改正する法律案内閣提出参議院送付)  第十五 審議会整理等のための経済安定本部設置法等の一部を改正する法律案内閣提出参議院送付)  第十六 特別調達庁設置法の一部を改正する法律案内閣提出参議院送付)  第十七 外務省設置法の一部を改正する法律案内閣提出参議院送付)     ————————————— ●本日の会議に付した事件  日本国有鉄道法の一部を改正する法律案両院協議会成案  食糧政府買数量指示に関する法律案内閣提出参議院回付)  建築士法の一部を改正する法律案(本院提出参議院回付)  工業技術協議会委員参議院議員深川榮左エ門君を充てるの件  中央更生保護委員会委員任命につき同意の件  日程第一 昭和二十四年度国有財産増減及び現在額総計算書  日程第二 昭和二十四年度国有財産無償貸付状況計算書  日程第三 生活保護法の一部を改正する法律案内閣提出)  日程第四 兒童福祉法の一部を改正する法律案内閣提出)  日程第五 身体障害者福祉法の一部を改正する法律案内閣提出)  日程第六 審議会等整理のための総理府設置法の一部を改正する法律案内閣提出参議院送付)  日程第七 審議会等整理のための国立世論調査所設置法の一部を改正する法律案内閣提出参議院送付)  日程第八 審議会等整理のための地方自治庁設置法の一部を改正する法律案内閣提出参議院送付)  日程第九 審議会等整理のための大蔵省設置法等の一部を改正する法律案内閣提出参議院送付)  日程第十 審議会整理等のための厚生省設置法等の一部を改正する法律案内閣提出参議院送付)  日程第十一 審議会整理等のための農林省設置法等の一部を改正する法律案内閣提出参議院送付)  日程第十二 審議会整理等のための通商産業省設置法等の一部を改正する法律案内閣提出参議院送付)  日程第十三 審議会整理等のための運輸省設置法の一部を改正する法律案内閣提出参議院送付)  日程第十四 審議会等整理のための建設省設置法等の一部を改正する法律案内閣提出参議院送付)  日程第十五 審議会整理等のための経済安定本部設置法等の一部を改正する法律案内閣提出参議院送付)  日程第十六 特別調達庁設置法の一部を改正する法律案内閣提出参議院送付)  日程第十七 外務省設置法の一部を改正する法律案内閣提出参議院送付)     午後三時二十七分開議
  2. 岩本信行

    ○副議長岩本信行君) これより会議を開きます。      ————◇—————
  3. 岩本信行

    ○副議長岩本信行君) この際日本国有鉄道法の一部を改正する法律案健協議会成案議題なすに御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  4. 岩本信行

    ○副議長岩本信行君) 御異議なしと認めます。よつて右成案議題といたします。両院協議会協議委員議長報告を求めます。石田博英君。     〔石田博英登壇
  5. 石田博英

    石田博英君 ただいま議題となりました日本国有鉄道法の一部を改正する法律案両院協議会成案について、協議会経過並びに結果を簡單に御報告申し上げます。  本案は、御承知の通り去る三月三十一日両院協議会に付されたものでありまして、時あたかも地方選挙の直前でありましたため、協議会においても、できるだけすみやかに成案を得て、地方議会議員選挙疑義を残すことなくして臨みたいと考え、種々努力をいたしましたが、協議ととのわず、協議会の結論を自然休会明け後に持ち越さざるを得なかつたのであります。しかしながら、自然休会明け後の協議会におきましては、現に四月における地方選挙の結果にもかんがみまして、何とかして両院議決の一致をはかろうと、たびたび協議懇談を重ね、福永、吉武、前田の三君を本院側の小委員にあげて、両院の意見の調整をはかることに努めました結果、本日の協議会におきまして、遂に満場一致でその成案を得ることができた次第であります。(拍手成案の案文は報告書に讓りまして、その朗読は省略いたしまするけれども、今その内容について概略御説明いたします。  第一に、地方公共団体議会議員で、日本国有鉄道職員であることができる者の範囲を、町村議会議員に限つたことであります。これは国鉄職員の実際の勤務状況等から総合的に判断いたしまして、町村以外の議会議員を兼ねることは妥当ではないと考えたからであります。  第二に、この結果、今後は都道府県及び市の議会議員国有鉄道職員を兼ねることはできなくなるわけでありますが、現に過去の選挙におきまして当選確定いたしておりまする者の地位につきましては、一応これを尊重する建前をとりまして、この法律施行の際国鉄職員で、去る四月の地方選挙のみならず、さき本法第二十六條第二項の整理漏れを生じました昭和二十五年法律第百五十九号、運輸省設置法及び日本国有鉄道法の一部を改正する法律施行の日、すなわち昭和二十五年五月十日以後に行われました選挙によつて市(特別区を含む。)の議会議員となり、現にその議員であるものにつきましては、兼職禁止規定にかかわらず、経過的に、その任期中だけは、引続いて議員であることを認めることにいたしました。  第三に、本法の二十六條二項の整理漏れのために生じました解釈上の疑義から、ただいま申し上げました日以後に行われた地方選挙における当選人については、その当選につき、あるいは現在議員であるまま職員であること等につき争いがあり得ますので、その日以後に行われましたところの地方議会議員選挙の際国有鉄道職員であつて、それぞれ当該選挙において当選人となりました者については、その者が当選人であること、議員であること及び国有鉄道職員であることに何らの影響を及ぼすものではないことを明らかにいたしまして、條文整理漏れ後の地方選挙において、国鉄職員であつて当選した当選人地位及び国鉄職員地位をはつきりさしたわけであります。  最後に、本法施行によりまして、都道府県議会議員国鉄職員と兼ね得なくなるのでありますが、この法律施行の際国鉄職員であつて、現に都道府県議会議員である者につきましては、本法改正規定の適用について十日間の猶予期間を置きまして、そのいずれかの一つを任意に辞し得る一応の選択期間を設け、もしその期間内に議員の職を辞さないときは、日本国有鉄道職員の職を辞したものとみなすことにいたしました。  以上が、両院協議会における成案の大体の要領であります。これをもつて協議会報告を終ります。(拍手
  6. 岩本信行

    ○副議長岩本信行君) 採決いたします。本成案賛成諸君起立を求めます。     〔賛成者起立
  7. 岩本信行

    ○副議長岩本信行君) 起立多数。よつて成案は可決いたしました。(拍手)      ————◇—————
  8. 岩本信行

    ○副議長岩本信行君) この際議事日程に追加して食糧政府買数量指示に関する法律案参議院回付案議題なすに御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  9. 岩本信行

    ○副議長岩本信行君) 御異議なしと認めます。よつて日程は追加せられました  食糧政府買数量指示に関する法律案参議院回付案議題といたします。
  10. 岩本信行

    ○副議長岩本信行君) 採決いたします。本案参議院修正同意諸君起立を求めます。     〔賛成者起立
  11. 岩本信行

    ○副議長岩本信行君) 起立少数。よつて参議院修正同意せざることに決しました。(拍手)  別に御発議もありませんから、食糧政府買数量指示に関する法律案は成立するに至りません。      ————◇—————
  12. 岩本信行

    ○副議長岩本信行君) 参議院から、本院提出建築士法の一部を改正する法律案が回付せられました。この際議事日程に追加して右回付案議題なすに御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  13. 岩本信行

    ○副議長岩本信行君) 御異議なしと認めます。よつて日程は追加せられました。  建築士法の一部を改正する法律案参議院回付案議題といたします。     —————————————
  14. 岩本信行

    ○副議長岩本信行君) 採決いたします。本案参議院修正同意諸君起立を求めます。     〔賛成者起立
  15. 岩本信行

    ○副議長岩本信行君) 起立多数。よつて参議院修正同意するに決しました。(拍手)      ————◇—————
  16. 岩本信行

    ○副議長岩本信行君) お諮りいたします。内閣から、工業技術協議会委員参議院議員深川榮左エ門君を任命するため議決を得たいとの申出がありました。右申出の通り決するに御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  17. 岩本信行

    ○副議長岩本信行君) 御異議なしと認めます。よつてその通り決しました。      ————◇—————
  18. 岩本信行

    ○副議長岩本信行君) なおお諮りいたします。内閣から、中央更生保護委員会委員白根松介君を任命するため本院の同意を得たいとの申出がありました。右申出の通り同意を與えるに賛成諸君起立を求めます。     〔賛成者起立
  19. 岩本信行

    ○副議長岩本信行君) 起立者多数。よつて同意を與えるに決しました。      ————◇—————
  20. 岩本信行

    ○副議長岩本信行君) 日程第一、昭和二十四年度国有財産増減及び現在額総計算書日程第二、昭和二十四年度国有財産無償貸付状況計算書、右両件を一括して議題といたします。委員長報告を求めます。決算委員会理事三宅則義君。     —————————————     〔三宅則義登壇
  21. 三宅則義

    三宅則義君 ただいま上程せられました昭和二十四年度国有財産増減及び現在額総計算書並び昭和二十四年度国有財産無償貸付状況計算書につきまして、決算委員会における審査の経過並びに結果を御報告申し上げます。  まず昭和二十四年度国有財産増減及び現在額総計算書について御説明いたしますと、本年度における増加は、一般会計におきまして一千六百三十四億八千余万円、特別会計におきまして四百二十億七千三百余万円となつております。減少額は、一般会計におきまして百一億百余万円、特別会計におきまして六百八十三億一千四百余万円、合計七百八十四億千五百余万円でありまして、その増減差引の結果は、両会計を通じまして一千二百七十一億三千七百余万円の純増加となつております。従いまして、前年度未現在額一千二百五十六億五千百余万円に右純増加額を加算いたしました二千五百二十七億八千八百余万円が、昭和二十四年度末現在における国有財産総額でございます。  次に、昭和二十四年度国有財産無償貸付状況計算書について御説明いたします。本年度増加いたしました無償貸付財産総額は、一般会計におきまして二千四百十五万余円、特別会計におきまして十五万余円、合計二千四百三十一万余円でありまして、これに対しまして減少額は、一般会計において六百一万余円、特別会計において十七万余円、合計六百十八万余円でありまして、差引千八百十三万余円の純増加となつております。これを前年度末現在額千二百三十五万余円に加算いたしますると、昭和二十四年度末におきまする無償貸付国有財産の現在額総計は三千四十八万余円になつておるのでございます。本年度におきまして増加いたしましたおもなる原因を申しますと、生活困窮者收容施設または公団等の公共的、社会的施設のために国が積極的援助なす必要があつたこと等によるものでございます。  以上が本件の大要でございますが、本委員会は、三月二十七日以来、会計検査院並びに政府当局説明を聴取いたしました上、活発なる質疑応答を重ねたのでございまするが、その詳細は委員会速記録によつてごらんを願いたいと思う次第であります。ただ前年度、すなわち昭和二十三年度国有財産増減及び現在額総計算書を本委員会が審査いたしました際は、昭和二十三年度末までは、終戰処理費支弁によりまして取得いたしました国有財産、また財産税法及び戰時補償特別措置法によりまして物納せられましたる国有財産を、事務処理の遅延によりまして、国有財産として掲記されなかつたものが相当巨額に上つておるのでございます。本委員会は、これが事務処理を促進して本計算書の正確を期すべき旨の要望を付しまして是認いたしたものであります。その後、昭和二十四年度末までにおきまして、終戰処理費支弁の分では百八十七億余万円を、物納財産の分では六十四億余万円を国有財産に登録いたしまして、相当事務の進捗を見たのでございますが、なお未整理の分につきましては、引続き処理の促進を要望いたしておる次第でございます。  本委員会は、五月二十三日、討論を省略いたしまして採決に入りましたところ、多数をもつて右二件いずれも是認すべきものと議決いたした次第でございます。  はなはだ簡單でございまするが、決算委員会における審議経過並びに結果を御報告申し上げる次第でございます。(拍手
  22. 岩本信行

    ○副議長岩本信行君) 両件を一括して採決いたします。両件を委員長報告通り決するに賛成諸君起立を求めます。     〔賛成者起立
  23. 岩本信行

    ○副議長岩本信行君) 起立多数。よつて両件とも委員長報告通り決しました。      ————◇—————
  24. 岩本信行

    ○副議長岩本信行君) 日程第三、生活保護法の一部を改正する法律案日程第四、兒童福祉法の一部を改正する法律案日程第五、身体障害者福祉法の一部を改正する法律案、右三案を一括して議題といたします。委員長報告を求めます。厚生委員会理事青柳一郎君     〔青柳一郎登壇
  25. 青柳一郎

    青柳一郎君 ただいま議題となりました生活保護法の一部を改正する法律案兒童福祉法の一部を改正する法律案及び身体障害者福祉法の一部を改正する法律案について、厚生委員会における審議経過並びに結果を御報告申し上げます。  さきに今国会において制定せられました社会福祉事業法により、社会福祉に関する事務所制度が創設せられたのでありましたが、この三法案は、いずれもこれに伴いまして既存諸機関との調整をはかるための措置を講ずるほか、それぞれ若干の改正を行わんとするものであります。  その内容のおもなる点を申し上げますれば、まず生活保護法の一部を改正する法律案においては、第一は、現在市町村長保護実施機関となつておるのを、これを福祉事務所を管理する都市府県知事及び市町村長とすることであります。第二は、福祉事務所を設置しない町村長は、保護実施機関が行う保護事務の執行を適切ならしめるために、緊急の場合これにかわつて保護を行い、また一定範囲の事項についてこれに協力すべき義務規定することであります。第三は、現在は保護費等支弁市町村が行うものとされていますが、これを、保護を行う都道府県または市町村が行うものとすることであります。第四は、現在保護費等については国が八割、都道府県及び市町村がそれぞれ一割を負担しておりますが、これを、保護費支弁した都道府県または市町村がそれぞれ二割を負担することといたしておるのであります。第五は、現在保護施設都道府県市町村以外は公益法人が設置し得ることになつておりますが、社会福祉事業法によつて社会福祉法人という特別法人がつくられることになりましたので、この社会福祉法人のみが保護施設を設置し得るようにいたしているのであります。  次に兒童福祉法の一部を改正する法律案について申し上げますれば、第一は、社会福祉事業法による社会福祉事務所及び社会福祉主事に対し一定兒童福祉行政事務を行わせるとともに、従来の兒童福祉機関業務内容を明確にしたことであります。第二は、法人の設置する兒童福祉施設に対し、その修理、改造、拡張または整備に要する費用に対して補助する道を聞いたことであります。第三は、身体障害のある兒童に対しても、保健所長相談に応じ、必要な療育の指導を行うほか、盲人安全つえ、補聴器、義肢、車椅子等補装具を交付し、もしくは修理することができるようにしたことであります。第四は、兒童事後補導の万全を期するため、義務教育を終了した兒童を預かつて保護し、その自立に必要な指導をすることを目的とする保護受託者制度を設けたことであります。第五は、教護院においては、その目的特殊性にかんがみ、教護院の長が、文部大臣の勧告の範囲内で必要な学科教育ができるように規定したことであります。  次に身体障害者福祉法の一部を改正する法律案について申し上げますれば、第一は、身体障害者更生援護機関は現在都道府県知事となつておるのを、福祉に関する事務所を管理する都道府県知事及び市町村長とすることであります。第二は、身体障害者福祉司身体障害者更生相談所福祉事務所等身体障害者更生援護業務に従事する末端現業機関所掌事務を明確にし、それら相互の関係調整することであります。第三は、本法は従前は十八歳以上の身体障害者を対象として参つたのでありますが、今回十八歳未満の身体障害兒童については、本法により身体障害者手帳を交付することにいたしたのであります。  右の三法案は、五月十七日、本委員会に付託、翌十八日、厚生大臣より提案理由説明を聴取した後、一括審議に入り、十九日以降連日熱心なる質疑応答が行われたのであります。特に生活保護法の一部を改正する法律案については、福祉事務所設置運営緊急保護費用負担の諸問題、兒童福祉法の一部を改正する法律案については、地方財政平衡交付金制度兒童福祉行政に及ぼした影響を中心問題として、きわめて熱心に論議が行われたのでありますが、これらの詳細は速記録に讓ることといたします。  かくて、二十四日の委員会において質疑を終了し、討論に入りましたところ、日本社会党を代表して岡委員より賛成日本共産党を代表して今野委員より反対討論があり、採決に入りましたところ、右三法案とも多数をもつて原案通り可決すべきものと決した次第であります。  以上御報告申し上げます。(拍手
  26. 岩本信行

    ○副議長岩本信行君) 討論の通告があります。これを許します。今野武雄君。     〔今野武雄登壇
  27. 今野武雄

    今野武雄君 私は、日本共産党を代表いたしまして、ただいま議題となりました三案に対して反対の意向を表明せんとするものであります。  元来、このような社会福祉関係の仕事は、十分な予算を伴わなければどうにもならないわけでございます。ところが、昨年来兒童福祉法、それから身体傷害者福祉法等が制定されましても、たとえば兒童保護に関する施設や何かの実情を見て参りますると、いわゆる地方財政やり方がかわつて、そうして平衡交付金というような制度が設けられた、そのために地方財政負担にたえきれないということでもつて託兒所その他の施設に対する補助遅配欠配というものが非常に多数に出て参りました。衆議院の厚生委員会調査によりましても、そういうような遅配欠配の例が七十数件出ております。そのほか、こういう補助金や何かをもらつても、とてもやつて行けないから、補助金などは返上するというような例も出て来ておる。こういうように、法律は、看板の上では表面上整備して参りましたが、財政上の措置はかえつて逆行いたしまして、兒童福祉はかえつて守られない。こういうような状況になつて来ておるわけでございます。  今回兒童福祉について、兒童憲章などというものが設けられて、そうして兒童生活を守らなければならないというようなことが、いろいろと美しい言葉で述べられておりまするが、予算の上から見ますると、こういうことはすべて空言であつて、そういう困つた人たちがたくさんできて、兒童保護しなければならない、また困つた人たち生活保護しなければならない、それから電車の中でよく見かける、あの白衣の人が金属製の義足や義手をかたかたさせてみんなに訴えている、ああいう人たちを早く助けなければならない、こういうことが法文の上ではうたわれていて、その実は、そういうことが予算の上でますますサボられて行く。こういうように、予算がなければ、実際にはその政策が行われないというのと同じであります。行われないのと同じよりもなお悪いことには、こういう法律ができているんだから、そのうち行われるだろうというような、むなしい期待をその人たちに與えて、その人たちがもつと適切なところに訴えるのを妨げる、こういうようなことにすらなるわけでございまして、かえつてそういう幻想を與える点において有害であるとさえ言われるわけでございます。  由来、一国の政治がいい政治であるか、あるいは悪い政治であるかということは、その政治によつて国民の大多数が幸福な生活を送り得るかどうか、そういうところできまるわけでございまするが、そういう点から見ると、こういう気の毒な人たちをたくさんこしらえて——最近においては、子供を預けて働かなければならないという奧さん方が非常に多くなつておる。こういう気の毒な政治をやつておる。こういうことは、まさに今の吉田内閣が、いかに人民の生活のことを顧慮しないかということでございますが、そういう人たちを救済するという面においても、法律だけをどんどん掲げて、そうして予算を出さない。  これをソビエトに例をとつてみますと、帝政ロシヤ時代には、たとえば一九一三年に託兒所施設はどのくらいかというと、託兒所乳兒用のベツドは、わずかに五百くらいしかなかつた。ところが一九四九年になりますと、そういうものが八十五万にふえています。これはロシヤにおける、あの大きな革命によつて、いかに国民生活あるいは民度が高くなつているかということの一つの例でございます。  それから医療や何かでもすべて無料で得られるということ、これはソビエトばかりでなく、イギリスでもやはり同様のことがあるわけでございます。イギリスでも、やはり社会保障は相当完備しておる。しかるに、そのイギリスでも、この間ペヴアン氏その他の人人が大臣を辞職された。それはなぜかといえば、そういう社会保障関係費用がわずか削られる。たとえば、めがねや、あるいは入れ歯が今までは全額国庫負担であつた。ところが、そのめがね入れ歯、これは普通の人のめがね入れ歯でございまするが、そういうものを、今後半分は個人負担にしなければならない。そういうようなことはけしからぬというので、ペヴアン氏がやめておる。それも何のためにそういうめがね入れ歯費用個人に持たせなければならなくなつたかといえば、結局今アメリカを中心としてやつている戰争政策、その戰争政策のため、イギリス政府もまた協力する。そういう戰争経済をやるために、国民福祉というものを犠牲にしなければならない、こういうやり方をやつておれば、結局戰争にもなるし、また個人福祉も妨げられる、こういうことでもつてペヴアン氏その他の人々が大臣をやめておるわけでございます。これほど重大な問題に考えられておる。  ところが、それに比べると、日本ではまるで社会福祉というようなことは考えられていないといつてもさしつかえないと私は思います。そういうことで、文句の上だけでこれをごまかそうとすることに対しては、われわれは絶対に反対いたします。今度の改正案も、結局先ほどの説明でもわかる通り、官僚統制を強化するということだけにすぎないのでありまして、そういう意味では、さらに改悪されるということになるわけでございまするから、われわれは、これに対して反対せざるを得ないわけであります。
  28. 岩本信行

    ○副議長岩本信行君) 岡良一君。     〔岡良一君登壇
  29. 岡良一

    ○岡良一君 私は、社会党の立場から、ただいま上程されましたる生活保護法兒童福祉法並びに身体障害者福祉法の今次の改正に対して賛意を表するものであります。しかしながら、この三つの法律案は、将来にわれわれが大きな期待を寄せておりまする社会保障制度そのものの大きな四本柱の三本でありまして、この重要性にかんがみまして、われわれは、この法案の運営に対して、わが党の立場から、以下希望を付したいと思うのであります。  その第一点は、これら三法の運営の民主化及び財政についての責任ある裏づけを要求いたしたいのであります。現在は、福祉主事あるいは福祉司というものがこの制度の運営の第一線に当ることになつておりまするが、皆さん方も御存じのように、長い伝統と、ゆたかな経験を持つておるところの民生委員あるいは兒童委員が二次的な、副次的な役割を務めることに相なつております。しかしながら、彼ら民生委員兒童委員の、ゆたかな、伝統のある、しかも多大の犠牲を拂つて民生の福祉のために努力して参りましたところのこの経験を十二分に尊重いたしまして、今度の法律改正が、福祉行政をいやましに官僚的な偏向に導くことのないように、われわれは衷心より希望せざるを得ないのであります。  なお、さらには、生活保護法の扶助額にいたしましても、また兒童福祉措置費にいたしましても、その他各般の福祉施設にいたしましても、今日のわが国の現状はきわめて寥々たるものでありまして、その福祉比率は、まことにわれわれが言葉に出して言うのもはずかしいくらいであります。そういうわけで、どうか今後、特に今日社会の重大な問題となつておりますところの養老施設、母子寮、あるいは身体障害者の職業補導と生活安定を兼ねた訓育施設等においては、とりあえず緊急の重要な課題でありまするが、ぜひとも政府は、この問題の解決に対して責任ある措置を講じていただきたいのであります。  さらに私は、この機会に大蔵当局の猛省を促したいのであります。それは、兒童福祉法措置費が、現在はいわゆる財政平衡交付金のもとに、一括都道府県市町村に流されておりまするが、その結果といたしまして、これを受取つた都道府県市町村においては、これが本来の兒童福祉のために役に立たないで、あるいは橋に化けたり、道路に化けてしまつておるのであります。せつかく兒童憲章をつくりながら、こういう取扱いのために、国のせつかくの親心ある措置費というものが、あるいは道路や橋梁に化けるということでは、決して兒童福祉の本来の目的を果すことはできません。われわれは、あくまでもこれは法本来の趣旨を生かす意味において、従前通り国庫補助の姿において一貫いたしまして、真に広く地方における兒童福祉の事業のために役に立つように、これはあくまでも改正をいたしていただきたいと思うのであります。  また日本の大蔵省は、ともすればギブ・アンド・テークのルールに立つて、厚生行政のための財政支出は、どう申しましても非常にまま子扱いになつております。憲法でも明らかなように、国民の文化的な、健康な最低生活の保障は国の当然の義務でありますから、こうした支出というものは、赤字、黒字というような概念をもつて論ずべきものではありません。初めから赤字を覚悟して大いにふんばつていただかなければならないのであります。  イギリス社会保障制度は、あの徹底せる医療国営を断行いたしておりまするが、昨年度の当初予算は一億六千万ポンド、そのうち一億二千万ポンドは国庫が補助いたしております。しかもその財源は、所得税の徹底せる高率累進課税を中心にまかなつておるのであります。しかるに、わが国においては、医療保險財政が赤字になりますると、あるいは保險料を引上げたり、一部負担増加したり、あるいは医療内容に制限を加えたり、あるいは医療報酬を医師に支拂います場合にこれを引下げておる。こういうようなことでは、——先般大蔵大臣は、予算委員会において、所得税の累進課税を考慮すると申されておりまするが、われわれは、さらにこれに加えて、特殊需要や緊急調達の利得をも捕捉しながら、これらを財源として、国民生活安定のために、あるいは社会保障の財源として導入せられんことを強く要求いたしたいのであります。社会保障とは、資本主義的な観念に基いて保險を行うものではないのであります。保險料の収入と給付費の支拂いの均衡の上に運営するものではなく、あくまでも憲法に定められたる健康で文化的な国民生活を、政府の責任において保障するという決意を持たれんことを大蔵省当局に要求してやまないのであります。  さらにこの機会に要望したいことは、生活保護法に関連いたしまして、現在のところ、いま一歩で本法の適用者に転落せんとする階層が、すでに七十万世帯を越えておるのであります。これらの、いわゆるボーダー・ラインの階層に対しまして、生活資金の供給をやつていただきたい。相かわらず露骨な資本蓄積の方式が強化され、特需も緊急調達も、勤労大衆の犠牲において、実質的にはソーシヤル・ダンピングの形において遂行され、加うるに電気料金が七割上る、あるいは主食が場合によつては五割も上るかもしれない、こういうような状況では、大衆の生活というものが今後ますます窮乏のどん底に追い込められることは必至であります。この緊急の事態に対し、われわれは、生活保護法の補完的措置として、政府はよろしくこういうボーダー・ラインの階層、また賃金遅欠配の労働者に対しまして、物件の担保、あるいは対人信用の二本建による生活資金保障の制度を確立すべきことを強く要求したいのであります。  さらに私は、この三法を含む社会保障制度そのものの実現について、政府の責任ある積極的措置を要求いたさなくてはなりません。さき社会保障制度審議会の勧告が発せられまするや、政府は、当時林国務大臣を責任者として、関係閣僚を加えて懇談会をつくり、これが実施の準備に当るべき旨を言明せられたのであります。しかるに、懇談会の幹事役が、実に関係各省の次官にゆだねられておつた。審議会における勧告審議の過程について見ましても、この審議会の勧告成文を獲得する上において最も大きな抵抗を示したるものは、この各省次官によるところの官庁のセクシヨナリズムにあつたことは、天下周知の事実であります。従いまして、関係閣僚懇談会が、この大きな抵抗力を示したところの各省次官をプロモーターとして使用するということは、明らかに社会保障制度そのものを、社会保障制度審議会発足以前に引きもどしたものといわなくてはなりません。心ある者は、この実情に対して心から痛憤をいたしたのでありますが、はたしてわれわれの予期せるごとく、今日関係閣僚懇談会はいずれにありや、まつたく有名無実どころか、雲散霧消いたしておるのであります。これはまさしく、今日国民があげて待望しつつある社会保障の実現に対して吉田内閣が何らの誠意もないことを暴露するものであり、これはまた実に大衆の生活安定そのものに、まつこうから弓を引かんとするものであります。われわれはここに、昭和二十七年度予算はもとより、来るべき追加補正の予算においても、社会保障の実現に必要なる予算措置を講ぜられんことを強く要求するものであります。  最後に私は、リツジウエイ声明に関連して政府に要求したい。今日、衆参両院においては、遺家族、傷痍軍人等、戰争犠牲者の援護に、小委員会まで設けて、砕心して努力を拂つております。ところが、これが実現を困難にした一つの大きな隘路は、昭和二十一年二月二十七日附の連合軍司令官覚書、すなわち日本における生活困窮者に対しては無差別平等なる救済を行うべきものであるという趣旨の解釈であつたのであります。さらにまた、社会保障制度審議会の昨年七月発表されたる試案要綱に加えられましたる関係方面の批判ないし意見、すなわちその内容は、この試案要綱の内容が、あるいは社会主義的であるとか、またわが国の財政規模よりして、いささか困難であろうというふうな批判が下されておつたのであります。しかしながら、この審議会勧告は、各党代表参画のもとに策定せられたものであり、またその実施に要する七百余億の支出も、今日のわが国の財政規模よりして決して困難でないことは、当時の会長であり、わが国の財政学の権威であるところの大内会長みずからが言明されておつたのであります。政府が、今日リツジウエイ声明に基いて、各種の政令に対しても、わが国の現状に即したる修正を行わんとしておるのでありますが、この諮問委員会は、今日厚生行政上最も重要なる戰争犠牲者の援護あるいは社会保障制度の実現のためには、よろしく如上の覚書あるいは批判、意見等をも取上げて、関係方面と強力に折衝せられまして、戰争犠牲者の援護並びに社会保障制度実現のための道を開いていただきたいのであります。  以上、われわれは、社会党の主張といたしまして、予算上の希望を付しまして本案賛成をいたす次第であります。(拍手
  30. 岩本信行

    ○副議長岩本信行君) これにて討論は終局いたしました。  三案を一括して採決いたします。三案の委員長報告はいずれも可決であります。三案を委員長報告通り決するに賛成諸君起立を求めます。     〔賛成者起立
  31. 岩本信行

    ○副議長岩本信行君) 起立多数。よつて三案とも委員長報告通り可決いたしました。      ————◇—————
  32. 岩本信行

    ○副議長岩本信行君) 日程第六、審議会等整理のための総理府設置法の一部を改正する法律案日程第七、審議会等整理のための国立世論調査所設置法の一部を改正する法律案日程第八、審議会等整理のための地方自治庁設置法の一部を改正する法律案日程第九、審議会等整理のための大蔵省設置法等の一部を改正する法律案日程第十、審議会整理等のための厚生省設置法等の一部を改正する法律案日程第十一、審議会整理等のための農林省設置法等の一部を改正する法律案日程第十二、審議会整理等のための通商産業省設置法等の一部を改正する法律案日程第十三、審議会整理等のための運輸省設置法の一部を改正する法律案日程第十四、審議会等整理のための建設省設置法等の一部を改正する法律案日程第十五、審議会整理等のための経済安定本部設置法等の一部を改正する法律案日程第十六、特別調達庁設置法の一部を改正する法律案日程第十七、外務省設置法の一部を改正する法律案、右十二案を一括して議題といたします。委員長報告を求めます。内閣委員会理事江花靜君。     〔江花靜君登壇
  33. 江花靜

    ○江花靜君 ただいま議題となりました審議会等整理のための総理府設置法の一部を改正する法律案以下の諸法案について、内閣委員委における審査の経過並びに結果を御報告申し上げます。  まず審議会等整理のための設置法の一部を改正する諸法案について、一括して申し上げます。政府は、各省庁等に設置されておりまする各種の審議会協議会等がその数二百三十を越え、しかも中にはその権限が当該行政機関を拘束するものすらある実情にかんがみ、行政機構簡素化のため、必要欠くべからざるもの以外は廃止統合することとし、中央関係のもの六十三、地方関係のもの七、計七十の審議会等を廃止するとともに、存続せしめるものについては、行政責任の明確を期するため、その性格を、原則としてそれが付置される行政機関の一般的諮問機関とすること、その他委員について、その定数を減少するとともに、その任期を短縮すること等の方針を決定したのであります。これらの諸法案は、いずれも右の方針に基く審議会等整理、改組並びにこれに伴う関係法令の改正をおおむねその内容とするものでありますが、経済、運輸関係の省、本部等に関する法案におきましては、審議会等整理のほかに、臨時物資需給調整法の改正または公団の廃止に伴う関係規定整理がそれぞれ行われておるのであります。  以下、その概要について申し上げますならば、総理府関係においては、廃止せられるもの一、新たに法律で定められるもの一となつており、世論調査審議会については、その権限が一部改められ、地方自治委員会議については、新たに委員の任期が定められたのであります。  大蔵省関係においては、廃止せられるもの七、二十六年度末限り廃止せられるもの二、改組せられるもの七となつております。  厚生省関係においては、廃止せられるもの一、統合せられるもの二、改組せられるもの五となつておりますほか、従来の薬事審議会も改組せられて、新たに薬事審議会並びに薬剤師試験審議会が設置せられ、さらに付属機関として新たに国立精神衛生研究所が設置せられることとなつております。  農林省関係においては、廃止せられるもの五、改組せられるもの二となつておりますほか、農業改良実験所並びに農業機械指導所が廃止せられ、輸出品検査所が統合せられ、さらに林野庁内部部局における所掌事務整理が行われております。  通商産業省関係においては、廃止統合せられるもの十三、新たに法律で定められるもの九、改組せられるもの六となつておりますが、このほかに特需関係事務を通商企業局から通商振興局へ移管、石炭の生産その他石炭鉱業に関する東京通産局の所管事務の一部変更等の措置が講ぜられております。  運輸省関係においては、廃止せられるもの一、新たに法律で定められるもの一となつております。  建設省関係においては、廃止せられるもの一、二十六年度末限り廃止せられるもの一、改組せられるもの二となつております。  経済安定本部関係においては、廃止せられるもの三、新たに法律で定められるもの一となつております。  次に特別調達庁におきましては、二審議会を統合して一つなすほか、内部部局の改組を含んでおりまして、不動産関係業務が、講和を控え、きわめて重要となりましたので、従来の労務管財部を労務部と管理部に分割いたし、また事務の的確迅速を期するため、契約部と技術監督部を統合して業務部とすると同時に、監察事務強化のため官房に監察官を置くこととしたのであります。  次に外務省につきましては、新たに国際経済局を設置すること、京都連絡調整事務局を廃止すること及び地方連絡協議会を廃止することの三点を内容とするものであります。外務省に新たに国際経済局を設置せんとするのは、日本政府在外事務所が、既設の十七箇所のほかに、目下リマ初め七箇所に新設されることになつており、さらに引続きその他の国にも開設される見込でありますので、これに対する経済関係事務増加するのと、講和條約成立後の通商航海條約の締結、国際経済機構及び條約への加入等のための準備をなす必要性が増大しましたので、現在の政務局より経済関係事項を分離して国際経済局を設置し、これに対処しようとするものであります。  これらの諸法案は、予備審査のため、五月十二、十四、十五日の三回にわたつて委員会に付託、五月二十一日あらためて付託され、それぞれ政府説明を聞き、質疑を行つたのでありますが、その詳細は会議録によつて御承知を願いたいのであります。  かくて、五月二十四日質疑を終え、討論を省略して採決の結果、多数をもつて原案の通り可決いたした次第であります。  以上御報告申し上げます。(拍手
  34. 岩本信行

    ○副議長岩本信行君) 十二案を一括して採決いたします。十二案の委員長報告はいずれも可決であります。十二案を委員長報告通り決するに賛成諸君起立を求めます。     〔賛成者起立
  35. 岩本信行

    ○副議長岩本信行君) 起立多数。よつて十二案とも委員長報告通り可決いたしました。  明二十六日は定刻より本会議を開きます。  本日はこれにて散会いたします。     午後四時十六分散会