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1951-02-14 第10回国会 衆議院 本会議 第13号
公式Web版
会議録情報
0
昭和二十六年二月十四日(水曜日)
議事日程
第十二号 午後一時
開議
第一
自由討議
————————————— ●本日の
会議
に付した事件
吉田内閣総理大臣
の
外交
問題に関する
発言
に対する
質疑
午後一時四十九分
開議
幣原喜重郎
1
○
議長
(
幣原喜重郎
君) これより
会議
を開きます。 ————◇—————
幣原喜重郎
2
○
議長
(
幣原喜重郎
君) 昨日の
吉田内閣総理大臣
の
外交
問題に関する
発言
について
質疑
の通告があります。この際これを許します。
苫米地義三
君。 〔
苫米地義三
君
登壇
〕
苫米地義三
3
○
苫米地義三
君 私は、
国民民主党
を
代表
いたしまして、
講和
問題に関し過般来
ダレス特使
と
吉田総理
との間に
会談
が行われましたが、その
内容
及び
首相
の今後の
態度
について、いささか
質問
を試みたいと存じます。
終戰以来
、
平和條
約の締結に対しましては、一日千秋の思いをも
つて
、
わが国
民はひとしく待望いたしてお
つた
ところであります。五箇年有半を経た今日、ようやくその時期の到来を見るに至りましたことは、まことに喜びにたえません。
ダレス特使
の
来朝
こそ、まさに旱天に
雲霓
を見るの感があ
つた
のであります。私は、この
機会
に、
ダレス大使
の労を感謝するとともに、
大使
を
特使
といたしまして
日本
に送られました
トルーマン大統領
に対し深甚の謝意を表するものであります。(
拍手
) しかるに、
国民的願望
であるこの
講和
問題の進行に際しまして
吉田総理
のとりました
態度
は、依然として旧来の
秘密外交
の
態度
に終始した感がございます。(
拍手
)昨日の
報告演説
においても、きわめて簡單で、
国民
の聞かんとする要点をはずしております。全
国民
は、このあつけない
態度
に対しましては、おそらく失望を禁じ得なか
つた
でありましよう。けだし、單によらしむべしという
態度
でなく、
国民
をして十分納得させるために知らしめなければならないと思います。よ
つて
私は、次の
各項
について、
国民
にかわし
首相
の
見解
を伺いたいと存じます。 まず最初に、
ダレス講和大使
を迎うるにあたりまして、
わが国
の
講和受入れ態勢
に不備があり、不十分であ
つた
ことは、まことに遺憾にたえません。(
拍手
)われわれは、昨春以来、
超党派外交
を提唱し、また去る一月二十三日に
吉田総理
から
協力
を求められましたのに対しまして、いやしくも
講和
問題に関する限りわれわれは全幅の
協力
を惜しまないと事いうことを申し上げました。と同時に、
社会党
その他の
会派
にも
協力
を求めるように強くお勧めいたしたのであります。それは、
講和受入れ態勢
の整備上、
総理
として当然拂うべき
努力
であ
つた
と
思つた
からであります。しかるに、爾来、
ダレス特使
の
来朝
にもかかわらず、
吉田総理
から何らの
相談
も連絡もありません。また他
会派
にも呼びかけた様子もございません。かようなことでは、
吉田総理
が
協力
を求められた
意義
は一体どこにあるかということをわれわれは見出すことができないのであります。われわれの
協力
ということは、
ただ軍
に
白紙委任状
を
首相
に渡すことでは、ございません。(
拍手
)
ダレス
氏は、おそらく
日本
の内部に著しい
意見
の
相違
があ
つた
ということを発見いたし、
講和促進
の上に遺憾の意を表してお
つた
と私は思います。
ダレス
氏は、入も知るように
超党派外交
の
主張者
であり、また現在身をも
つて
これを実践いたしておられることは御
承知
の
通り
であります。おそらくその心中、
日本
の
政治家
はもつと謙虚な
態度
で
国論
の統一をはか
つて
ほしいという感じを持
つて
帰られたに
相違
ないと私は思う。
吉田総理
は、はたしてその必要を認められないのかどうか、認められるならば、今後どんな
態度
をと
つて
行かれるのであるか、この際これを
はつ
きりさしておくことが必要だと思います。(
拍手
) また
吉田総理
は、先般本
会議
の
答弁
で、
講和
に対しては
世輪
を指導するということはない、
世論
が自然に盛り上
つた
ら、それに乘
つて
行く、ということでありました。今回とられたその
態度
は、ま
つた
くこれに反しましてほとんど
独善
的に進捗した感があります。
世論
に聽従するということは、これで実行されておるのでありましようか。八千万
国民
とともに
講和
をするという意気込みは、ま
つた
く見られないのであります。(
拍手
)
ダレス特使
は、
全日本国民
との
講和
でなければならないことを強調しております。私は、その
態度
の公明なことに敬意を表しました。同時に、
吉田総理
の
独善的官僚外交
に対しましては、
国民
とともに
不満
にたえない。
総理
は、今後もかような
独善的官僚外交
をやろうとするの、でありますか、その
態度
を伺いたい。(
拍手
) 第二点は、
ダレス
氏の
全面講和
に対する
努力
を無視する
態度
であります。
吉田総理
及び自由党は、常に
早期講和
を唱えております。そのためには
單独講和
または多数
講和
でもさしつかえないと主、張いたして参りました。しかるに
ダレス
氏は、いまなお
ソ連
の
参加
を断念しておりません。
マリク
・
ソ連代表
とは、
帰米
後にもさらに
交渉
しようとしておるのであります。この忍耐強い
努力
を顧みないで、
責任
の地位にある
首相
並びに
與党
が
單独講和
でさしつかえないと
主張
するのは、そこに何か
理由
がなければならないと私は思います。(
拍手
)
單独講和
を行う国には、なるほど平和が
回復
するでありましよう。しかし、残余の国に対しましては、どうして一体平和を
回復
しようとするのでありましようか。もとより
ソ連
の
参加
ということは相当困難であるかもしれません。しかし、最後の瞬間まで
努力
を続けるべきものでありましてこれによ
つて可能世
が生れるかもしれない。(
拍手
)
世の中
には奇跡さえある場合もあるのであります。また、ただちに
参加
が困難であるといたしましても、
平和裡
に
参加
の
機会
を残すこともできるはずであります。(
拍手
)政局を担当する
首相
と
與党
とが、独断的な
観点
から、ある推定を前提としての
態度
は、その
責任
上、軽率、不謹愼のそしりを免れないと思います。(
拍手
)なるほど
講和
は早い方がいい。しかし、
講和
のもたらすものは平和と安全と
独立
でなければならない。
單独講和
のよ
つて
招来するものは、混乱、
紛争
の動機を與える
危險
さえあるのであります。
吉相
並びに
與党
の、
單独講和
に偏向するのは、どういう意味であるか、その真意を伺いたい。(
拍手
) 第三には、
領土
の問題に関することであります。
領土
の問題については、
ポツダム宣言
に認められた四つの島のほかに、
わが国
民が
琉球
、
小笠原諸島並び
に千島の変換を熱烈に
希望
しておることは御
承知
の
通り
であります。これはまた各政党とも一致した
希望
でもありましよう。しかるに、
米案
七原則第三項には、
琉球
、
小笠原諸島
は
国連
の
信託統治
として
アメリカ
の管理に移し、わが
領土権
は永久に否認されようとしておるのであります。しかも、
吉田首相
はこれに同意を與えたとさえ伝えられるのであります。もし、はたしてしかりとするならば、事はすこぶる重大であります。
吉田首相
は、この
国民的熱望
を
ダレス特使
にいかように懇請し、いかにして同意されたのであるか、明確に答えられたい。(
拍手
)わが党は、この問題については、十年間の
期限付信託
を承認することにして、その
主権
はあくまでもこれを
主張
し、懇請するつもりでございます。(
拍手
)
政府
は、この千載一遇の
機会
に、全
国民
の名において、熱誠をこめた懇請を続けるべきであると思うのであります。(
拍手
)
領土権
問題は
民族的願望
であり、
国民感情
としても最も強烈に残存するものでありまして、かかる問題を歴史に残すということは、
日米
将来の
親善
、
友好関係
に好ましからざる影響を招来することは、火を見るより明らかであると思います。(
拍手
)
米国
もまた、仏つく
つて魂
を入れないような
講和
となることは、決してその本意ではないと存じます。
首相
は、今後これに対してどういう
努力
を拂うつもりでありますか伺いたい。 第四点は、
講和
後の
安全保障
の構想、それから
警備力
に関する問題であります。
安全保障
は
わが国
民への最も重大な
関心事
でありますが、
政府
は、再
軍備
は
憲法
上許されないのみならず、財政上困難であるから不可能だとしておられます。われわれもまたこれに
同感
であります。しかし、
国際情勢
をつぶさに観察するときに、われわれの周囲には
侵略
と暴行とが次々と横行しつつあることは嚴然たる事実であります。それ
ゆえ
に、われわれは、
自衛
のためにある
程度
の装備をしなければならないことは、もはや
議論
の余地はございません。(
拍手
)しかも現在の
警察予備隊
では、とうていその目的を果し得ないということも、すでに
国民常識
とな
つて
おります。
政府
は、この点に対していかに
考え
られ、いかに対処せんとするか、そのお
考え
を伺いたい。また現在の
警察予備隊
はどんな
内容
を持
つて
おるのであるかは、
一般国民
は
承知
しておりません。そこでこの
機会
に、どういう
程度
の
武装
を持
つて
おるか、またその
内容
から見て
憲法
と牴触することがないかあるかということを、
はつ
きりと
説明
していただきたい。(
拍手
)もし
国家
の安全のために
警備力
の充実を必要とし、しかもその
内容
が、いやしくも
憲法
の範囲を越えるような懸念がありまするならば、むしろ
国民
に訴えて進んで
憲法
の改正をいたし、
祖国防衛
の全きを期すべきではありますまいか。この点に対し、
首相
の
信念
を伺いたいのであります。(
拍手
) 第五点は、
国内治安
の問題でございます。
吉田首相
は、過般の
施政演説
において、
国内共産主義勢力
の衰退を高調して、
治安維持
上少しも心配はないと言われましたが、それは現在でもなおさように思われておりましようか。
ダレス特使
は、
工業倶楽部
の
演説
で、
間接的侵略
に対しては
自衛力
の
強化
をも
つて
、みずからこれに当るベきことを要望しております。客観的に見まして
日本
の
危險
は国内的にも十分伏在するという見方であります。
政府
は、この
国内情勢
をどういうふうに判断されるのであるか。過日、「平和のこえ」に関連いたしまして、
首謀者
の
家宅捜査
を行
つた
際に、多数の武器、
弾薬等
を発見したことは、明らかに
暴動
の
計画
を示すものと見なければならない。(
拍手
)
政府
は、すみやかにその実体を検討して、これに善処すべきであると存じます。(
拍手
)さきに追放されました
共産系
の諸氏の逮捕が今なお五里霧中にある実情に照しましても、かような
警察力
では、はたしてこれら
計画的暴動
を阻止し、
治安維持
の大任を果し得るやいなや疑わしいのであります。
吉田総理
は、とかく楽観に過ぎております。おそらく偸安の夢をむさぼりつつあるようにも思われる。
朝鮮事変
の実例に勘案して、一体どういうふうに
考え
られるのであるか。
世の中
には、
わが国
の
中立論
を振りかざして、
無抵抗主義
が平和を呼び、
武装
はかえ
つて
戰争
を招くと言う人も一方にはございます。そうして、
安全保障
はすべて
国連
にまかすという虫のいい
議論
もありますが、
世界列強
が非
武装
であり、
公正信義
が
国際
間の規律となり得れば、それもできるでしよう。
日本
の
憲法
は、まさにそのような
世界
を目標としてできたものであります。しかし今日、
共産帝国主義
が、味方でなければ一切敵だという鉄のような方針を実行しつつあるこの現
時代
におきまして、はたして
中立
ということはあり得るであろうかどうか。
吉田首相
は、その点についていかにお
考え
にな
つて
いるか伺いたい。 第六点は、
吉田総理
は
米軍
の
駐留
を
希望
されるのであるかどうか、その点であります。
ダレス特使
の
工業倶楽部
においての講演によりますと、
講和
が成立した後に、
日本
の
治安維持力
の欠陥を補う場合、もし
日本
が
希望
するならば
米軍
の
駐留
を好意的に考慮してもよろしい、こう言われております。また
集団安全保障
に、
日本
が
希望
するならば
参加
を許してもよろしい、こう言われております。
吉田
・
ダレス会談
では、当然これに触れておると思うのでありますが、
吉田首相
は、
講和
後における
米軍
の
駐留
に対して
希望
されているものかどうか。また
集団安全保障協定
に
参加
を
希望
されるのかどうか。もし
米軍
の
駐留
が実服する場合に、その期間というものは暫定的でなければならないと思いますが、
首相
はこれに対してどういう
考え
をしておられるか。またこの
駐留
は、万一にも
米ソ熱戰
に突入する不幸なる事態が起
つた
場合でも依然として継続され、断じて
日本
を捨てないという協約ができるでありましようか、この点も伺いたいと思うのであります。さらにまた、
集団安全保障
の
協定
に
参加
するとするならば、
わが国
が
侵略
を受けた際には当然その
援助
が受けられるのでありますけれども、それと
反対
に、他の
参加国
が
侵略
を受けました際には、
わが国
もまたこれを応援すべき当然の義務が生ずると思うのであります。すなわち、わが
自衛兵力
を他国に出すということになると思うが、これは
憲法
の許さないところであるばかりでなく、たとい
自衛力
を
強化
する場合がありましても、
外国
への進出は断じてしてはならないと思うのであります。(
拍手
)このに対しまして、
吉田吉相
の所信を伺いたい。 第七点、
経済援助
の
要請
に関して、もう少し詳細に御
説明
をしていただきたい。
経済
の
自立
というものは、なかなか言うべくして容易にできないのであります。ことに各国が
軍備拡張時代
に入りまして、
世界
の
経済
は
変態的様相
を示している今日でありまして、
わが国
の
経済復興
には相当の時と
国民的努力
とがいることは申すまでもありませんが、いずれにいたしましても、
アメリカ
の
援助
なしには、とうてい達成はできません。すなわち、当面、原材料、資金、技術はもとより、特に
食糧供給
の
援助
を得ることは絶対必要だと存じます。それ
ゆえ
に
講和條
約には、わが
経済復興力
を阻害するような切の制限、
拘束等
は排除されることを
要請
すべきであります。(
拍手
)また貿易上の
差別待遇
を受けないように懇請するのも当然であると思います。(
拍手
)
吉田総理
は、この点について、
ダレス特使
にどういうふうに
お話
に
なつ
たか、詳細に
説明
してもらいたいのであります。また
国防力
の
強化
を必要とするならば、その規模と
裝備いかん
によ
つて
は莫大な経費を要するのであります。国力に伴わない
軍備
は負担し得ませんが、さればとい
つて
、
国内治安
がなければ
国家
の
独立
の
維持
は困難であります。
政府
は、どういう
程度
にこれを
考え
るか、具体的にどれほどの
裝備
を拡充しようとしておられるのか、この点を具体的にご
説明
願いたい。(
拍手
) これを要するに、
講和
は
戰争
に対する跡始末であり、過去の清算を意味するのでありまするが、同時に将来の
友好親善関係
を樹立する
建設的意義
はさらに重大であると存ずるのであります。
従つて
、
敗戰国
といえども、わが
民族感情
の
不満
が歴史的に残ることは避けなければなりません。また
侵略溝
にそのよい口実を與えるような
條件
も避けなければならないと思う。このことは決して利己的な
主張
ではなく、将来
国際
間の
平和親善
を招来するわれわれの衷情であります。かかる
観点
に立
つて
、われわれは、少くとも左の三項について強い
希望
を訴えるものでありまするが、これは
わが国
民の
熱望
でありまするのみならず、
ダレス特使
においても、その方向を示しておるように思います。すなわちその三点というのは、
講和
は対等の立場で行われること、(
拍手
)第二は、完全なる
独立
と
主権
の
回復
を許されること、(
拍手
)第三は、歴史的、
民族
的にわが
領土
であ
つた
旧
領土
の
主権
を認められること、(
拍手
)
政府
は、全
国民
の名において、これを強く懇請すべきであると思うのであるが、
首相
はいかなる
見解
と
態度
をとられんとするのでありますか、その決意のほどを伺いたいと思うのであります。(
拍手
) 以上
各項
にわた
つて
、
吉田
氏が
ダレス特使
との会見によ
つて
得られました
見解
と、これに対する
信念
とを伺いまして、私の
質問
を終ります。(
拍手
) 〔
国務大臣吉田茂
君
登壇
〕
吉田茂
4
○
国務大臣
(
吉田茂
君)
お答え
をいたします。 私の
ダレス特使
に対する話合いと申しますか、
相談
については、すべて
秘密
であ
つて
、
秘密外交
をなお継続するかというような意味合いと
考え
ます。が、一体
外交
は
秘密
であるのが本体であ
つて
、
秘密
でない
外交
はおかしな話なのであります。(
拍手
、
発言
する者あり)聞きたまえ。(
発言
する者多く、
聽取不能
)舞台もあり、
楽屋裏
もある……(
発言
する者多く、
議場騒然
、
聽取不能
)
舞台裏
の話まですべきではない。これは、ぐずぐずおつしやる方が間違
つて
おると思うのであります。すなわち、
舞台裏
の話は話、またその話の結果表面に出た芝居がどうあるかは、この
芝唐
の結果によ
つて
御判断になるべきであると私は
考え
るのであります。 また
超党派外交
について
お話
がありましたが、常に申しておることは、
超党派外交
は
けつ
こうであるが、しかしながら、でさなければ、相手がこれに応じなければいたし方ないではないかと申すのであ
つて
、
趣意
は
けつ
こうであるが、できないから困るというのである。
趣意
において
反対
ではないのであります。すなわち私の
態度
をも
つて
謙虚でないとおつしやるが、むしろ私の稀な謙虚な気持でも
つて
お聞き願いたいと思うのであります。(
拍手
、
独善
だ」と呼び、その他
発言
する者多し)これが
独善
という
お話
は、むしろ
諸君
の方が
独善
であ
つて
、もし
独善
であるならば、
ダレス特使
に対して
諸君
がお会いになることも私は妨げたかもしれません。しかし私は、このたびの
ダレス特使
のミツシヨンは何であるか、広く
国民
の
意思
を聞きたい、
意見
を聞きたいとい
つて
来られたので、私は自由にお聞きになることを
希望
し、また
諸君
も自由に会われたのであります。もし
独善
であるならば、
政府
だけの
意見
を申して、そうして
諸君
の
意見
を開陳せられることを妨害したかもしれないと思うのでありますが、私は、むしろ
国民
の各方面の
意見
を聞くように
ダレス特使
にも
希望
し、また
ダレス特使
も、限られた時間であるにもかかわらず、広く
諸君
にお目にかか
つてお話
をせられたということのように
承知
いたしておるのであります。どこが
独善
であるか、どこが
秘密外交
というか、あるいはひとりよがりと申すか、これは私においては、あなたの
攻撃
が的をはずれておると思うのであります。(
拍手
)
領土
問題についても、私は
国民
の意のあるところを十分お伝えいたしたつもりであります。しかしながら、その詳細については、こういう話をいたしたということは、
楽屋裏
になりますから、申す
理由
はないのであります。
安全保障
については、私の昨日の
演説
において……。 〔
発言
する者多し〕
幣原喜重郎
5
○
議長
(
幣原喜重郎
君) 静粛に願います。
吉田茂
6
○
国務大臣
(
吉田茂
君)(続)
安全保障
については、昨日も申した
通り
、今日は
集団的攻撃
に対して、いかなる国といえども独力をむ
つて
自己
の安全を保障できない状態にあるのでありますから、
日本国
としては、
自己国内
の安全はあくまでも
自力
をも
つて
保障すべきであり
自力
をも
つて
当るべきでありますが、
集団攻撃
の場合に、集団的に
防衛
をするということは、今日の通義であります。これをしもいかぬというのは、私は、はなはだ了解に苦しむのであります。(
拍手
) また
米ソ戰争
が万一起
つた
場合には、という
お話
がありますが、これは、かかる想像の場合に対しては
お答え
をいたしません。 また
日米
の
関係
の
友好的親善関係
を樹立すべきである、これは私も御
同感
であります。
ゆえ
に、このために私はでき得るだけの
努力
をいたし、また
国民諸君
も
努力
をせられるであろうと思います。
日本
の将来の運命は、いわゆる
自由民主主義国家
と一連にな
つて反共防衛
をなすのが
日本
の将来の道を開拓する
ゆえ
んであることは、昨日申した
通り
であります。これによ
つて日米
の間の
親善——
これが
日本
の将来の行くべき道であり、またこれによ
つて日本
の安全が確立せらるるのみならず、
世界
の平和を確立し、また
日本
の将来を開くためには、
日米親善
ということは最も大事な問題でありましてこのためにその確立をはかるということについては御
同感
であります。 また
経済援助
の問題でありますが、これは
日本政府品
の
要請
を待つまでもなく、
日本国
が
経済
的に
自立
いたすようにということは、これは
ダレス
氏においても言明せられたのみならず、つとに
米国政府
が言うところであ
つて
、
日本
の
経済
が崩壊するようなことがあれば、結局
反共
、防共の線の一角がくずるる話であります。
ゆえ
に
アメリカ政府
としては、
十分日本
の
経済
の
援助
に対しては
考え
ておるところであります。しかしながら
日本
としては、一に
米国
の
援助
のみによ
つて経済
の
自立
をはかるべきものではなく、
自力
によ
つて日本
の
経済
を確立いたすべきところでありますから、私は長く
アメリカ
の対
日援助
による
考え
はないのであります。対
日援助
はなるべく早くこれを
打切つて経済自立
のできる道に進み、また
米国政府
も
日本
の
経済自立
のできるように
援助
をいたす
考え
であると
承知
いたします。
従つて
また、
アメリカ
の
援助
によ
つて
のみ
日本
の
経済
が立つように導くようなことは、
アメリカ政府
の
趣意
とするところでないと
考え
ます。これも
ダレス特使
が私に言明せられたところであります。ただ、
諸君
にここに申すことは、
ダレス特使
は、
日本
の
国論
がどこにあるか、
講和
に対する
日本各界
の
意思
、
意見
がどこにあるかを聽取せられるために来られたのであ
つて
、ただちに
講和條
約
交渉
に入るために来たのではありません。
従つて
また、
ダレス特使
も、ごく率直な
意見
を述べ、われわれも、ごく素直に
意見
を交換いたしたのであります。
従つて
また、ここに
交渉
は、——同意したとか、あるいは固執したとかいう問題は全然ないことを御
承知
を願いたい。(
拍手
)
幣原喜重郎
7
○
議長
(
幣原喜重郎
君)
淺沼稻次郎
君。 〔
淺沼稻次郎
君
登壇
〕
淺沼稻次郎
8
○
淺沼稻次郎
君 私は、
日本社会党
を
代表
して、昨
日本会議場
においてなされた
ダレス・吉田会談
の
内容
に関する
総理大臣
の
演説
に関質し
質問
をせんとするものであります。
総理大臣
の
演説
はあまりに抽象的であり、あまりに簡潔であ
つて
、その
内容
を捕捉することのできないのは、はなはだ潰憾なことであります。
ダレス特使
は、一月二十五日
来朝
以来、
吉田総理大臣
初め
各界
の
代表
に面会し、
講和
問題について
意見
を求められたのであります。現在、
日本
の国には
外交権
はありません。しかし、
国家
として
外国
と
相談
し、折衝に応ずるのは
吉田総理大臣
であり、
吉田内閣
であります。
従つて
、
吉田
・
ダレス会談
には
国民
の目が集中されてお
つた
のであります。三回の
会談
において何を
相談
し、何を折衝し、何を約束したかということは、
国民
の聞かんとするところであります。(
拍手
)しかし、昨日の
演説
では)
国民
は納得しなか
つた
と存じます。そこで私は、
国民
の聞かんとするとこるを取上げて、掘り下げて
総理大臣
の
説明
、
答弁
を求めたいと存ずるのであります。
総則大臣
は、
秘密外交
というそしりを打破するためにも、率直に、
国民
の納得の行くように
答弁
を願いたいと存ずるものであります。(
拍手
) 第一には、
講和
の
形式
に関する問題であります。申すまでもなく
講和会議
は、
日本
人及び
日本国
が、
自由国民
として
自由国家
として
国際社会
に再出発する基点と存じます。言葉をかえて言えば、
日本
にと
つて
は、
戰争
によ
つて
失われたる
国家
の自
主権
の
回復
であり、
民族
の
独立
にあると存ずるのであります。この
講和会議
にあた
つて
特に
日本
が考慮しなければならないことは、われらは
終戰直後
、
ポツダム宣言受諾
という客観的事実と、
戰争
に対する鋭い批判の上に、平和、非
武裝
の
宣言
をなし、
憲法
第九條において「
日本国民
は、正義と秩序を基調とする
国際
平和を誠実に希求し、国権の発動たる
戰争
と、
武力
による威嚇又は
武力
の行使は、
国際紛争
を解決する手段としては、永久にこれを放棄する。」と規定し、現在
日本
は、身に寸鉄をまと
つて
いないのであります。しかも
国際情勢
は、
国際連合
が平和への必死の
努力
をしておるにもかかわらず、
世界
の
部分部分
には
戰争
を内包する姿を見るのであります。戦争か、平和かという
課題
は、全人類にと
つて
大きな
課題
とな
つて
おるのであります。
講和会議
を前にして、
日本
も平和か
戰争
化という大きな岐路に立
つて
おると
言つて
も過言ではありません。かかる際に、いかなる
形式
の
講和
が結ばれるかということは、
国民
の
関心事
と
考え
ます。 およそ
講和
の
形式
には三つあると存ずるのであります。第一には、
極東委員会加盟諸国
との間に
全面的融和
を結ぶこと、第二は、できるだけ多数の国と多数
講和
を結ぶこと、また
日本
がある一国と
融和
と結ぶとともに、さらに個別に
講和
を結ぶ
個別講和
の
形式等
が考慮されるのであります。先ほど
苫米地
さんも言われました
通り
に、二月二日、
ダレス
氏は、
日米
協会の
演説
で、自分及び
アメリカ
は今後さらに平和のために
努力
すると述べ、
帰米
後はソビエトを含めた連合国側と協議すると
言つて
おるのであります。また
米国
の対日
講和
七原則の一つには
全面講和
を
主張
しておるのであります。(
拍手
)この
講和
の
形式
について、いかなる話合いが行われたか、また
苫米地
さんの言われました
通り
に、
全面講和
への
努力
を、いかほど
総理
はなされたか、これを私どもは承りたいと思うのであります。
全面講和
は平和への道であります。
單独講和
は、意識するといないとにかかわらず、
戰争
へ通ぜんとする
危險
なる道であります。
国民
の警戒し、聞かんとする点であります、 第二点は、再
軍備
並びに
憲法
改正に関することであります。
吉田総理
は、去る一月の施政方針
演説
において、こういうことを言われておるのであります。そもそも
講和條
約の問題は、自然
わが国
の
安全保障
に想到し、すでに種種論議の焦点とな
つて
おる、
わが国
の安全は、
国民
みずからの力によ
つて
保障され擁護さるべきはもちろんである、しかしながら、軽々に再
軍備
を論断するのは私のとらざるところであります、
わが国
再
軍備
論は、すでに不必要なる疑惑を中外に招いており、また事実上強大なる
軍備
は、敗戰後の
わが国
力の耐え得ざるところ、こう
言つて
おられるのであります。その
吉田総理大臣
言うには、われわれ意を強うしたものでありますが、しかし新聞の伝えるところによりますれば、
ダレス
会見において、
吉田総理
は前言を取消され、
講和
後秘
軍備
に関し、これを承諾したやに伝えられておるのであります。(
拍手
)はたしてしかるか、
国民
の最も聞かんとする点でありまして、この点をお伺いしたいと存ずるものであります。 また、再
軍備
が現行
憲法
では不可能なことは、たびたび
総理大臣
が言明せるところであり、また
総理大臣
は、
憲法
の改正は行わないと言明をして参
つた
のであります。従いまして、今後も
総理大臣
は
憲法
改正の意図を全然持
つて
おらぬか、この点について伺いたいと存ずるものであります。(
拍手
) 第三点は、
日本
の
安全保障
に関してであります。
講和
後の
日本
の
安全保障
は、われわれは
国連
尾集団保障に求めたいと要望しておるものでありますが、
総理
は、外部から来る
侵略
に対しては、特定国との問に
防衛
協定
を結ぶことは
国民
多数の支持を受けると信じ、この趣旨にのつと
つて
話合いを進めたと言われておるのであります。ある特定国と阻衛
協定
を結ばれれば、残されたある特定国に、法律的に
侵略
の口実を與える結果となり、
日本
が再び
戰争
に介入する
危險
を内蔵する結果となると私は信ずるのでありまして、私の非常に心配をするところであります。(
拍手
)
総理
のこの問題に対する所見を承りたいと存ずるのであります。 また国内の治安の問題は、
国民
の生活と相関
関係
に立つもので、
国民
生活の不安なところに社会不安は醸成され、そこに暴力主義者の乘ずるところがあるのであります。
従つて
、
治安維持
に必要なる処置は講ぜなければならぬのでありますが、
国民
生活の安定こそ間接
侵略
の
防衛
で、また
国民
生活の安定こそ
国家
自衛
の基盤でなければならぬと
考え
るのであります。(
拍手
)この点について
総理
の所見を承りたいと存じます。 第四点は、
領土
に関する事項であります。
領土
に関する
要請
は、各政党ともに大同小異であります。これ、祖先伝来の
領土
はこれを確保したいという
国民
的要諦の帰結と思うのであります。
領土
の問題は、
ポツダム宣言
に基き、北海道、本州、四国、九州、この四つの島及び連合国の指定せる周囲の小島ということに最後的にはきま
つて
、連合国の決定するところに従わなければならぬことであるのは論をまたないのであります。しかし、
領土
に関する
国民
的感情は、相当深刻なるものがあります。
従つて
、
琉球
がどうなるか、
小笠原諸島
がどうなるか、千島がどうなるかということは、
国民
の聞かんとするところであります。この点について、いかような話合いが行われたかということの御
説明
を願いたいと存ずるものであります。(
拍手
) 第五点は、
経済自立
に関する事項であります。
経済
の
自立
のないところに
民族
の
独立
はないといわれております。
日本
が
自由国民
として、
自由国家
として出発するためには、これを裏づける
経済
的基礎がなければなりません。敗戰
日本
は、国土の四割五分を失い、そのために食糧の自給は不可能となり、ようやく二合七分の食糧配給が確保されたにすぎません。その他、砂糖、油脂資源等の食料やパルプ原料はその八割以上のものを失い、工業原料は、とるに足らざるものがあるので、あります。文字
通り
、
日本
は原料なき工場と
なつ
たのであります。さらに無謀なる
戰争
は、二百五十三万の戰死傷者を生み、昭和二十三年度の価格で四兆二千億の国富の被害を受けておるのであります。しかし幸いにも、マツカーサー元帥の好意ある指導と、二十億ドルに達する
アメリカ
の
援助
にささえられて、廃墟のうちから立ち上りつつあるのでありますが、なお
日本
人の消費水準は、
経済
安定本部の調査でも戰前の七三%にすぎず、完全失業者五十万、不完全就業者四百万、年々五十万人の人口が増加しつつあることは、何とい
つて
もこの事実が
日本
の民主化を阻害し、
日本
の自由と
独立
を誤らしめておるということを、私どもは
考え
なければなりません。しかし、このことは、
日本
人みずから解決しなければならぬ問題であります。すなわちわれわれは、その創意くふうにより工業を興し、貿易を盛んにして参らなければなりません。また食糧、原料が確保されなければなりません。また賠償の打切り、
経済
に関する制限の撤廃、航海通商の自由が保障されなければならぬのであります。この
日本
経済自立
に対して、いかなる話合いが行われたか、詳細なる
説明
を願いたいと存ずるものであります。(
拍手
) 最後に申し上げたいと思いますことは、
講和会議
もいよいよ今秋までには成立する形勢にな
つて
参りました。終戰五箇年有半、
ポツダム宣言
を忠実に履行し、占領政策に
協力
して参
つた
日本
人の姿が認められ、いよいよ自主
自立
の
国家
国民
たる段階に至りましたことは、まことに喜びにたえません。しかし、その受入れ態勢は、二年前に行われた総選挙の結果成立せる
吉田内閣
の手によ
つて
行われんとしておるのであります。
吉田内閣
は院内多数の支持の上に立
つて
おるのでありまするが、院内の数必ずしも院外の輿論を
代表
しません。しかも、
講和会議
は
民族
百年の大計を決するものであ
つて
、
吉田内閣
がずるずると担当することは、必ずしも妥当ではないと思うのであります。各新聞社の輿論調査は、
講和会議
前の国会解散が圧倒的であります。この際、
吉田総理大臣
は、謙虚な気持で
国民
の
意思
を問うために国会を解散し、自由に解放されたる
国民
の
意思
によ
つて
総選挙を断行して
講和会議
に対処すべしと存ずるのでありまするが、この所見を承りたいと存ずるのであります。 以上をも
つて
私の
質問
を終るものでありまするが、
答弁
いかんによ
つて
は再
質問
を留保いたしまして、私の
演説
を終る次第であります。(
拍手
) 〔
国務大臣吉田茂
君
登壇
〕
吉田茂
9
○
国務大臣
(
吉田茂
君)
お答え
をいたします。 私の昨日の
演説
が、はなはだ簡に過ぎて……(「おそまつじやないか」と呼ぶ者あり)私は、そまつと
考え
ておらないのであります。十分要を盡して、申すだけのことは申したと思うのであります。
演説
が長いからとい
つて
必ずしも要領を盡すものではない。しかしながら、私が
ダレス
氏と会
つて
話をいたした
内容
は、ことごとく包含せしめたものであります。頭がよければ、これを読んで必ずわかると思います。(
拍手
) 次に自主
独立
の
回復
ということは、もちろん必要なことでございます。
ダレス特使
の声明の中にも、今日
アメリカ
は、
日本
に対して敵国というような
考え
ではなくて、長く
日本
との間に
友好関係
を立てて、友好国としての話をするということを申しておられますから、自主
独立
の
回復
は、もちろん当然のことであると了解いたします。しかしながら、
ダレス
氏と、何と何を、どういう話をしたかという
内容
については、これは淺沼君が、どういう話を
ダレス
氏とせられたかということを私は聞きもいたしませんが、また
お答え
もいたしません。 また再
軍備
輪、
全面講和
に関することは、
お答え
をいたした
通り
でありますが、しかしながら、
全面講和
をすれば必ず
戰争
にならない、多数
講和
をすれば必ず
戰争
になるということは、あなたの御
意見
でありますが、なるかならないか、私はそのことに対して、
はつ
きりならないとは言わぬ、なるとも申さない。
外交
は占いでありませんから、占いで
お答え
をすることはできない。(
拍手
) 再
軍備
論については、しばしば申す
通り
であります。今日私は、再
軍備
をすべからずという議輪においては、私の所見は、こうもかわ
つて
おりません。
従つて
、
憲法
改正ということは
考え
ておりません。 また
米国
との問に同盟をするという話でありましたが、ちよつと聞き漏らしましたが、いずれにしても、すでに集団
防衛
がある以上は、これに対して集団
防衛
をいたすのが当然であると思いまするから、防備のない
日本
の
危險
を防ぐがために、ある国が集団、障の協約をしようということであれば、
けつ
こうな話と思います。
ゆえ
にに私は、もしそういう場合については、
日本
としては、これに応じて
日本
の国土を守るという策を立つべきであると思います。
領土
に関しては、これは
講和條
約の
内容
をなすものでありまするから、ここに、いかなる話をなしたかということは申しませんが、しかし、先ほども申した
通り
、
国民
の
希望
するところ、要望するところは遺憾なく申した
考え
であります。(
拍手
) また
日本
の
経済
独立
についての
お話
でございますが、御
趣意
は
同感
であります。また
米国
も、先ほど申した
通り
、すでに
日本
と
友好関係
を結び、
日本
とともに集団保障といいますが、
安全保障
の方策を
考え
ておる以上は、
日本
の
経済自立
に対しても十分の
援助
を與えることと私は確信いたします。しかし、いかなることを話したかということは申し上げにくい。こういうことが、あたりまえであります。 また、
講和條
約を前にして再び総選挙をしないかという
お話
でありますが、これに対しても、しばしば申しておる
通り
、総選挙をいたす
考え
はございません。(
拍手
) 黒田議員の御
質問
に対して
答弁
が留保いたしておりますから、
お答え
をいたします。黒田議員の御
質問
は、対日
講和
の七原則は
ポツダム宣言
及び
わが国
憲法
の基本原則こ抵触すると思うがいかんということでありますが、
アメリカ
の対日
講和
に対する
態度
は——私の昨日の
説明
にも申した
通り
、対日議和七原則は、
わが国
憲法
と矛盾するところとは
考え
ておりません。(
拍手
)
幣原喜重郎
10
○
議長
(
幣原喜重郎
君) 長沼君は
質問
がありますか。 〔
淺沼稻次郎
君
登壇
〕
淺沼稻次郎
11
○
淺沼稻次郎
君
外交
問題は非常に重大な問題でありますから、お互い聞いてていただき、また
総理
にも、この国会を通じて、
国民
がわかるように
答弁
を願いたいと私は申し上げたのであります。しかし私は、
総理
がいささかけんか腰であるということは、遺憾しごくに
考え
るのであります。(
拍手
)たとえば、昨日の
演説
において要を盡しておると言われておりますが、なるほど昨日は十分間にわた
つて
演説
をされたのであります。しかし、新聞の伝うるところによりますれば、自由党の代議士会では二十五分にわた
つて
演説
をされたということがいわれておるのであります。(
拍手
)そうなりますと、
総理
の
考え
方の中には、国会の本
会議
よりかも、自由党の代議士の方が強いという感じを持つのでありまして、遺憾しごくに
考え
なければなりません。(
拍手
) ここに私が非常に遺憾に思いますることは、
苫米地
君の
質問
に対する
答弁
であります。初めから、
外交
は元来
秘密
である——われわれは、
秘密外交
のそしりを招かないように、率直に、納得の行くように
お話
を願いたいと申したのであります。少くとも
秘密
ということは、封建と専制の遺物であるということを指摘しなければなりません。およそ民主主義社会には、
秘密
があ
つて
はならないのであります。
総理
は、私の
質問
に対して、
社会党
を
代表
して会
つた
のではないかと言われるのでありまするが、なるほど私は、
社会党
という一党派を
代表
して
ダレス
氏と会見したのであります。
総理大臣
は、
日本
の
国家
を
代表
して会見をしたのであります。自由党の総裁としての会見ではございません。(
拍手
)
従つて
、
総理大臣
たる地位から申し上げますならば、この国会を通じて
国民
に報告するの義務があるといわなければならぬのであります。(
拍手
)私は、そういうような
観点
において、もう一度
総理
に対してお伺いをしたいのであります。率直に私の申し上げましたところの要点は五点にわた
つて
おるのでありますが、これはまだ、すべてが盡されておりません。しかし私は、これ以上
質問
することはやめまして、あと私は
答弁
を求めませんが、どうか委員会には出席をされて、委員会において十分論義ができるようにしていただきたいということを望みまして、私の
質問
を打切る次第であります。(
拍手
) 〔
国務大臣吉田茂
君
登壇
〕
吉田茂
12
○
国務大臣
(
吉田茂
君)
お答え
をいたします。
秘密
会議
については、私は
責任
を負いません。これは
秘密
会議
でありまして、新聞が何とあれしようが、私はこれに関して
答弁
の
責任
をとりません。 また私は、
ダレス特使
との間の話について、十分私の昨日の声明で盡したつもりであります。これはあえて
秘密
だと申すのではなくして、要領のいい
説明
を
諸君
にして、
諸君
を通じて
国民
の了解を求める
考え
であります。(
拍手
)
幣原喜重郎
13
○
議長
(
幣原喜重郎
君) これにて
質疑
は終了いたしました。
福永健司
14
○福永健司君
自由討議
は延期し、本日はこれにて散会せられんことを望みます。
幣原喜重郎
15
○
議長
(
幣原喜重郎
君) 福永君の動議に御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
幣原喜重郎
16
○
議長
(
幣原喜重郎
君) 御異議なしと認めます。よ
つて
動議のごとく決しました。 本日はこれにて散会いたします。 午後三時四十八分散会