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1951-05-29 第10回国会 衆議院 法務委員会 第34号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十六年五月二十九日(火曜日)     午後一時二十三分開議  出席委員    委員長代理  理事 田嶋 好文君    理事 北川 定務君    鍛冶 良作君       高橋 英吉君    花村 四郎君       牧野 寛索君    松木  弘君       眞鍋  勝君    山口 好一君       石井 繁丸君    田万 廣文君       上村  進君    世耕 弘一君  出席政府委員         内閣官房長官  岡崎 勝男君  委員外出席者         專  門  員 村  教三君     ――――――――――――― 本日の会議に付した事件  法制に関する件     ―――――――――――――
  2. 田嶋好文

    田嶋(好)委員長代理 これより会議を開きます。  本日の日程中、まず法制に関する件を議題といたします。発言の通告がありますから、順次これを許すことにいたします。世耕弘一君。
  3. 世耕弘一

    世耕委員 実は私は総理大臣に直接お聞きする方が便宜だと思いまして、数回御出席希望したのでありますが、政務多端という理由でお出が願えなかつたのであります。本日特に岡崎官房長官が御多忙中御出席くださつたことの労苦に対して感謝いたします。同時に、ただいま質問することは国民の要望するところでもあり、聞かんとするところでもあるという根底からお尋ねするという意味をお持ちくださいまして、十分御考慮の上御返答願いたいと思うのであります。  まず第一にお尋ねいたしたいと思うことは、ポツダム政令に関する再審査権限日本政府に委譲されたというふうに新聞に発表されておりますが、その権限内容等に関して一応承つておきたいと思います。
  4. 岡崎勝男

    岡崎政府委員 これは最高司令官声明にある通りでありまして、従来発せられたデイレクテイヴ等はそのまま継続することという前提のもとに、過去の経験及び実際の状況に照して、実情に合うかどうかという点を政令についてレビューするということになつております。そこでレビユーした結果、検討した結果、政令等を改廃する必要があるかどうかということの決定については、あの声明にありまする通り、エスタブリツシド・プロシーデュアと書いてありますが、司令部の方で従来の手続に基いてやるのであつて日本政府としては、ただ検討をするだけであるということになつております。
  5. 世耕弘一

    世耕委員 私の手元で調査した内容を申しますと、総司令部が発した諸指令に基いて施行した諸制度諸政令に関して再検討をする権限日本政府に委譲された、こういうふうに了解しておりますが、今官房長官がお話になつたのと少し違うように思います。この点はいかがでございますか。
  6. 岡崎勝男

    岡崎政府委員 私の方では、今おつしやつたのと一向違わないと思いますが。
  7. 世耕弘一

    世耕委員 わかりました。  次にお尋ねいたしたいと思うことは、追放解除することは講和会議以前にしようとか、あるいは講和会議後にすることが適当であるとか、世論があるようであります。私は講和の諸情勢が確立する重要性から考えまして、むしろ追放解除に関する手続講和以前にすべしということを主張したいと思うのでありますが、政府所信はいかがでございますか。
  8. 岡崎勝男

    岡崎政府委員 これにつきましては、吉田総理委員会もしくは本会議でも述べられました通り、なるべく早い時期に、なるべく多くの人を解除したい、こういう希望は、そのまま政府希望であります。
  9. 世耕弘一

    世耕委員 リッジウエイ将軍声明に基いて設置された委員会が、既設の委員会のごとく内閣に所属しないで、かえつて総理大臣に直属して、かつ特定の官制とか官職にはよらないで、問題が提示されたときに首相の発議によつて招集される特別委員会というふうに了承いたしておりますが、かような特別な委員会を設けた理由に何か根拠がございますか。
  10. 岡崎勝男

    岡崎政府委員 ただいまありまするものは、委員会とも称し得るかどうか疑問なのでありまして、ただ国内において、各方面の代表的な有識者といいますか、常識に富んだりつばな方々を、総理が相談する相手としてお願いしたわけであります。委員会と称すべきものであるかどうか疑わしいというのは、別に定足数を必要とするわけでもないし、多数決でものを決定するというわけでもないのでありまして、これらの人々意見を自由に出してもらつて総理がそれを伺つて自分の判断の参考にする、こういう意味であります。従つて法律等によらないのでありまするが、これはさしあたりこれでやつてみようということであります。
  11. 世耕弘一

    世耕委員 ポツダム政令に基く諸制度諸政令をば改革していいか、あるいは廃止していいかというようなことは、日本国内情勢にとつては非常に重大な案件だと思うのであります。しかるにごの重大な案件を、言葉は適当でないかもわからぬが、きわめて不明朗な委員組織によつて総理の単なる諮問機関によつて扱うということは、少し当を得たものでないと私は考えるのですが、この点はいかがでしよう。
  12. 岡崎勝男

    岡崎政府委員 ポツダム政令等検討する、ただいま改廃というふうにおつしやいましたが、検討するのでありますが、その検討することのオーソリゼーシヨゾは政府が受けたのであります。日本政府がそういうオーソリゼーシヨンを受けたのでありまして、従つて一切の責任日本政府にあるわけであります。そのときに総理大臣としては万全を期するために、国内有識者意見を特に聞いてみたいこういうことでお願いしたのが今の方々でありまして、この方々たは責任はないのであります。従つて委員会でもなければ法制根拠もない、責任は一切政府にある、何ら不明朗な点はないのであります。
  13. 世耕弘一

    世耕委員 私はこの問題が重大であるから、正式な委員会組織して、場合によれば法律化してでも取扱うのが、妥当ではないかと言いたいのであります。ところがただ総理の一諮問機関であるというようなことは、これは問題を少しはき違えておりはせぬか、問題を軽く扱つておるのではないか。ここにメンバーの表を私も持つておりますが、わずかに七人の委員であります。もちろん練達堪能人たちばかりが寄つておると思いますが、この七名において、あの大きな問題が早急に片づくものとも私は考えられない、また研究が十分であるとも思われない。むしろこの一つ一つにそれぞれの機関を設けて審議するのが妥当だと私は思うのであります。この点ははなはだ不都合であるということを申し上げておきます。たとえば板倉卓造氏は全般にわたつて処理する、前田多門氏は教育その他の関係原安三郎氏は一般追放に関する問題、木村篤太郎氏は法曹関係中山伊知郎氏は労働関係、小汀氏は公安関係石坂泰三氏は経済関係というふうに、人選の方法を探つてみますと、わかれておるようであります。しかもこれには委員長という制度もない、お茶飲み話ならこれでよろしい、ただ単なる意見を聞く程度ならけつこうだと思いますが、いやしくも国家の重大時期に際しまして、かくのごとき重大な問題を取扱うのに、あまりにも組織が貧弱である。むしろこの中ヘ議会人の数名も入れて審議するならば、まだうなずけるところがあるのではないか。この点については、総理なりあなたの考えが別の観点であるようであるから、私はこれ以上お尋ねいたしません。  次の問題に移ります。追放関係の問題について、今後特別委員会を設ける意思はございませんか。
  14. 岡崎勝男

    岡崎政府委員 そういう意思はございません。  なおつけ加えて申しますが、ただいまいろいろ委員人々分担等をおつしやつたようでありますが、それはおそらく新聞観測記事でありまして、政府の方はそうは考えておりません。全部の人に全部の問題を伺いたい、こういう意味であります。
  15. 世耕弘一

    世耕委員 あなたがよけいなことをおつしやるから、私よけいなことを実は聞かなければならぬが、この人柄から見たらわかるでしよう。しろうとの議論ならあるいはそうかもわかりませんが、この人はどういう方面、どういう専門的なものをやるというくらいなことは、少し勘のいい者ならわかるはずであります。まあそれはこの際時間をとりますから議論を申しません。ただそういう要求があつたということだけをとめておいていただきたい。  それから次にお尋ねいたしますが、前回に一万九十名の申請をして司令部に提出したそうでありますが、この一万九十名が、申請した通り追放解除されたのでありますか、この中で脱落した者がございますか。
  16. 岡崎勝男

    岡崎政府委員 この前のときは、訴願委員会意見総理大臣意見司令部意見とが合致した者が、追放解除になるということになつております。その中でどこでどうしたかということは、一切発表しないことになつております。さよう御承知願いたい。
  17. 世耕弘一

    世耕委員 発表しないという理由はどこにあるのでしようか。それは司令部命令でございますか、それとも内閣考えでございますか。
  18. 岡崎勝男

    岡崎政府委員 それは訴願委員会の設立の政令の中にありますが、理由としては、おそらくたとえばあの人は、この人を解除したいと思つていた。ところがだれが反対した、そういうようなことが、よそに伝わると弊害が起るからということでありましようが、政令に、そういうふうに書いてあります。
  19. 世耕弘一

    世耕委員 次にお尋ねいたしますが鳩山一郎松本治一郎の両氏の追放解除に関しましては、前会において、全会一致審査委員会は可決したというふうに伝えられておるが、この点はいかがでありますか。
  20. 岡崎勝男

    岡崎政府委員 審査委員会決定については、全然発表いたさないことになつておりますので、お答えはできません。
  21. 世耕弘一

    世耕委員 議会に発表できないという理由があるならば、これを明確にしてもらわなくちやならぬと思いますが、この際委員長からそれが事実であるかどうかということをお尋ねしていただきたい。そしてこの審査資料を本委員会に提出するように御要求を願いたいと思うのであります。
  22. 田嶋好文

    田嶋委員長代理 委員会から事実を確めるのですか。資料とおつしやつたのは、事実を確めたらよろしゆうございますね。
  23. 世耕弘一

    世耕委員 むろん資料がいただければなおけつこうであります。なおこの際申し上げておきますが、先ほど岡崎官房長官は、だれがあれを解けといつた。あれは解いてはいかぬといつた、こういうふうなことが外に漏れるといけないから、公平を期する意味において、秘密にするということは、一応了解できると思うのであります。しかしながら全会一致で可決されたというようなものは、これは公表して少しもさしつかえないと思うのであります。だからこの点は特にお含みの上、しかるべき取扱いを願いたいということを委員長にお願いいたします。  さらにお尋ねいたしますが、ポ政令に関する再審査権限の委譲の問題についてでありますが、過般日本銀行の氷川寮委員の会合があつたということを伝えられております。その後総理の官邸において一回、そのほか岡崎長官並びに大橋総裁意見長官出席されたというふうに報道されておりますが、これは事実でございますか。
  24. 岡崎勝男

    岡崎政府委員 それは事実であります。
  25. 世耕弘一

    世耕委員 その際にどういう御協議をなさいましたか。聞くところによると、追放解除の問題はあとまわしにする、そしてその他の問題を先に審議してもらいたいということを、官房長官みずからが発言されたというように伝えられているのであります。真偽のほどが明らかでないのであります。
  26. 岡崎勝男

    岡崎政府委員 これは先ほど申し上げましたように、普通ならば新聞にも出ないような、総理の信頼する人に総理意見を聞くという性質のものでありまして、委員会と申すべきものでもないのですが、この話合いの内容等につきましては、公表をすべきものでないと考えておりまして、何か結論が出た場合には、政府から適当なる公表をなす、責任政府にあるのであります。
  27. 世耕弘一

    世耕委員 そのときに発言されたことが新聞に出ておるが、あれはうそか、ほんとうかということをお尋ねしているのです。
  28. 岡崎勝男

    岡崎政府委員 それは私からここで申し上げるべき性質のものでないと思います。
  29. 世耕弘一

    世耕委員 話が少しこんがらがつて来たからあとまわしにいたしますが、さらにお尋ねいたします。実はドイツ追放の例を少し調べてみました。ドイツ追放の例は、日本よりも苛酷であつた。ところがその後ドイツ政府側においていろいろ実情、民情を調査した等の熱意によつて、多いときは六、七十万まとめて解除されております。ところが日本追放解除を調べてみますると、この間追放解除を受けたのが千五百人ほどありました。この千五百人の追放解除は、どういうわけで解除されたか調べてみますると、これは追放されない人間が誤つて追放されていたから、追放解除手続とつた。―ずいぶんかわいそうな人たちが千五百人あつた。これはほんとうのことをいうと追放解除じやない。政府の手落ちであつたということを申し上げておかなければならぬ。それから最近において、一万九十人が追放解除されております。これはむしろ解除というよりも、もう解除してもさしつかえなかろうというような人たち解除されておるのであります。ある意味において復権なんです。大赦なんです。かような取扱いを受ける場合、私は国民の納得の行くような、こうこうこういうわけだからお前たち解除なつたんだということを公表されて、初めて民主主義政治が行われるのではないかと思う。先ほど来官房長官が盛んに秘密な言辞を弄せられるように思うて、はなはだ遺憾に思いますが、私はそうあつてはならぬのじやないかというふうに考えられる。御承知の通りドイツでは個々別々に調査しております。そうして普通裁判でなしに特別裁判を設けて、その中で各個人々々の事情を聽取して公判に付して追放にかけておる。そんなら納得できる。ところが日本の方は十ぱ一からげ、三日ばかりの調査をやつておいて大したことをしない者も四、五年追放、三年間陣頭指揮をやつてつた人間も同じように今日追放の状態に置かれておる。かようなことがあつていいのか、私はかような不公平を是正するとこに追放解除の意義があるのじやないかと思います。これについては一つの手も政府は打つておらないのではないか。私は少し政府考えを改める必要があるのではないかと思う。ドイツの例は、すなわち特別裁判による法律によつて公判に付せられておる。日本の方は、行政処置によつて人権が奪われておるのであります。最近よく中共などで伝えられております人民裁判というのがあります。ちよいちよい新聞記事にも出ておりますが、人民裁判でも必ず公衆の面前に出てその是非を論ぜられております。日本追放措置は何です。審査委員会は何をしておるか、はなはだ私は遺憾千万であると思います。国家重大な時期に、挙国一致に国民が行動を開始しなければならぬときに、かような重大な人権に対して秘密秘密だということを繰返して述べられるばかりではない、しかも総理の一存によつて自由意思によつて他人権利が奪われるということは、非立憲もはなはだしいといわざるを得ない、この点どう思いますか。長官はこれに対して、それは最も適当だとお考えでございますか。
  30. 岡崎勝男

    岡崎政府委員 ドイツの例をいろいろお引きになりましたが、先般の訴願委員会追放問題につきましては、十九万何がしの日本中の追放者に対して訴願をする権利を認めたのであります。そうして法律により訴願委員会ボ一年有半にわたつてこれを審査しまして、そうして解除すべきものは解除すべきものとして結論を得て、それを総理大臣最高司令官とがさらに検討した結果、一万余りの者が追放解除にたつたのでありますが、その訴願権利日本中の追放者全部に与えられたのであります。また今度の場合は解除すべきやいなやということは、最高司令官権限にあるのでありまして、日本政府はただこれをレビューする権能を与えられただけであります。そうして秘密主義と言われましたが、政府は先ほど申しましたように、決定に至りましたときは常にこれを発表すると申しております。委員会の――委員会と申すのはちよつと間違いかもしれませんが、今お願いしておる人たち総理諮問に応ずるので、普通ならば新聞にも出ないような関係のものでありまするが、大げさに新聞に伝えられておるのでありますが、要するに総理日本政府責任において決定する場合に、念には念を入れてこれらの人の御意見も伺うというだけであります。そうしてこの決定は一に司令部にあるのであります。
  31. 世耕弘一

    世耕委員 時間をとりますからあまりくどいことは申し上げませんが、私に入つた情報によると、十九万何千というものについてすみやかに解除してやれという指令が出たかに私は聞いております。それを日本政府がいじくつておる、そういう宣伝をされておりますよ。それは宣伝されて更おるということは、政府において秘密主義をとられるからであります。私はこの機会に具体的なことを言うことは避けます。避けますけれども、政府は少し考えを別な観点にお立ちになることが、この機会に必要ではないかということを申し上げたい。官房長官はどつちかというと、私が調べた範囲では板ばさみにたつております。お気の毒だと思います。けれども気の毒では済まぬ、国民の輿論がどういうふうに向いておるかということは、おそらくあなたはお考えにならないのじやないか、私は妙な事態が発生することを憂える一人であります。だからこの際追放解除に対しては、親切な態度で、鄭重な取扱いをしてくださることに対しては、国民は一人も不満を持つておりません。ただ秘密々々で、しかも解くべからざる人が解かれて、解いて当然の人が解かれないということは、これは世間の定説になつているじやありませんか。これを何とあなたはお考えになつておりますか。はなはだ遺憾な世評をわれわれ聞くのであります。ドイツの例は、いろいろの点について考えられておりますが、ドイツの例は、私の調査した範囲においては、むしろ追放解除議会で取扱つております。私はむしろこういう追放解除の問題は、政府の方で積極的に司令部に働きかけるべきものだと思う、ところが逆な評判が立つているのであります。吉田総理は非常に公明正大な態度追放解除に当つているんだが、周囲の者に誤られて、引延ばされているんだといううわさが出ている。事実の有無は別です。そういう評判が立つているということを頭のすみに残しておいていただきたい。また一方からいうと、いや、あれは吉田総理がうまく部下に命じて、からくりをやつている、また部下は腹にもない芸当をやらされているんだ、という評判も立つております。これはひとり日本ばかりじやないように私には情報が入つております。はなはだ遺憾千万である。公明なるべきこの追放解除――追放されるのはいたし方ない人も、得心のできる追放方法をとつていただきたい、また解除するにしても、なるほどあの人が解除されるのはもつともだということを、国民に知れるような方法をとつていただきたい。この意味におきまして、数名の者に追放解除手続をまかせるよりも、公に堂々と追放解除に関する問題をぶちまけて、そうして善悪正邪を明らかにして、永久追放永久追放、すみやかに追放解除すべきものは、明日にでも追放解除するような手続をしてくださることこそ、民意を尊重した吉田内閣の使命だと私は思うのであります。この点について岡崎長官は何かお考えをお持ちになりますか。
  32. 岡崎勝男

    岡崎政府委員 世耕さんはいろいろ情報をお持ちのようでありますが、われわれの持つている情報とは大分違つているようであります。第一に、自分のことでありますが、私が何かどこかの板ばさみになつてつているとおつしやいましたが、そんな事実は全然ございません。また何か司令部から追放を全部解除しろという指令が来ているが、政府が握つているのじやないかといううわさがあると言つておられますが、そんな事実も全然ございません。また先ほどから繰返して言いますように、政令審査――追放等も加えてでありますが、これは政府責任でありまして、ただ念には念を入れるために、こういう国内の一流の達識の士の皆様方に良識的に意見伺つて、その上で間違いないようにしよう、こういう意味でありますから、御了承願いたいと思います。
  33. 世耕弘一

    世耕委員 岡崎長官は、今政府責任と言われた。私も政府責任であるから、政府要求するのであります。追放解除は、あなた御経験がないかもしらぬけれども、みな一日千秋の思いで待つているのです。その解除手続に対して責任ある、嚴重なる調査をなさることについては、私は反対しません。しかしながら、追放解除されんと期待する者は、一日千秋の思いでいるのだから、晝夜兼行でやるべきだ。場合によれば追放解除の問題だけは特別に取扱つてしかるべきである。やつてないじやないか。十把一からげに、一つのわくにはめ込んで、しかも、これはあなたの論じやないというけれども、新聞の書いている発表から見ますと、あとまわしにするということを言つている。これは親切と言えましようか。晝夜兼行で今審査を開始していると、あなたここで言明なさいますか。不熱心じやないか、あなたの言われる言葉の裏に何ものかが残されているということは、聞いている者ならすぐわかる、これははなはだ遺憾千万であります。だからあなたがからくりしているのでなければ、あなたが板ばさみに苦しんでいるということも、自然そこに出て来る。私は追放にかかつた経験を持つておりませんが、追放になつた人の苦痛というものは、政治家ならば死刑の宣告を受けたと同じことなんだ。それがよみがえる。場合によれば追放解除されないままに、希望を持ちながら死んで行つたのが、われわれ同志の中で何十名もある。これはだれの責任です。私は先ほどドイツの例を言つた。ドイツの例は、追放解除に対して政府が非常に熱心なんだ、日本政府は不熱心なんだ。私はこれは断言します。その理由は、今申し上げたように、大きなポツダム政令の法令その他の問題を再審査するにあたつて、数名の者に一任している。そうして追放解除の問題は、愼重を期するからあとまわしにする。私は不親切であるという一言に盡きると思う。また新聞に、あるいは社会に宣伝されているように、政府がいじくつているということも、一応うなずくことができるのであります。もし世間で言う、司令部が大きな気持で一日も早く追放解除するために下調べをしろということの命令が出たのに対して、政府が怠慢、しかもからくりをしていることのないということを、あなたが立証なさるのでしたらあしたからでもすぐ追放解除についての手続を開始したらいいでしよう、簡単に解いていい人間が相当多数あります。委員会において可決されたものも相当あることは、これはもういまさら繰返して立証する必要がないでしよう。ただ私はこの際政府追放に対する好意ある態度が望ましいというのであります。こまかい点について申し上げることを避けますが、わずか三日か四日名目的に翼賛会関係した者が追放で数年間社会に活動できぬ、こういう者に光明を与えるということは重大な問題であります。また中には、あの人間追放をかけられないのはふしぎだと思うような人間が、大道を闊歩しているじやありませんか、そういう連中が今日自由な天地にあるならば、私はそれ以外の罪の軽い者を一刻も早く生かして、そうしてこの終戦後の講和前の重大時期に、国民の一人として参加せしめるように努力してこそ、初めて吉田内閣の善政だと私は思う。御考慮を願いたい。特にこの点は吉田総理に御報告願いたいということをお願いして、私の質問を終ることにいたします。
  34. 田嶋好文

  35. 花村四郎

    花村委員  私は追放解除に関してお尋ねをいたしたいと思うのであります。多分世耕委員から詳細なる質問があられたことであろうと思いますので、あるいは重複するおそれもあろうと存じまするが、若干政府所信を伺いたいと思うのであります。今日追放された人々の大部分に対して、これが解除をなさねばならぬことは、国民大多数の要望するところでありまして、おそらくこの問題に対しては、何らの疑念をさしはさむ余地はないでありましよう。ことに終戦後すでに六年の星霜をけみし、戦争によつて痛めつけられたすべての点に対して、戦前に着々と復旧をいたしておるのでありまして、この点に対しましては、国家の財政といい、あるいは経済といい、あるいは文教の問題といい、あるいはまた国民の生活といい、すべてが正常に復帰しつつあるのでありまして、今や重大な講和条約の締結もわれわれ国民の目の前にぶら下つておるのであります。こういう国内事情から推しましても、あるいはその他世界の諸情勢とにらみ合せまして、おそらく追放解除の問題は、この場合にすべからく早急に解決すべきものであろうことは、ほとんど何人も認めて疑わざるところでございます。しかるにこの問題に対しまする政府態度を見ますると、何だか緩慢性を持つております。またこの問題に対する情熱と誠意を欠くがごとき態度にも見受けられるのでございまするが、この追放解除に関して、政府考えておられるところはどういうところであろうか。そうして今日までこの問題に対していかに善処をせられて来たのであるか、これをひとつ詳細に御報告を願いたいと思うのであります。
  36. 岡崎勝男

    岡崎政府委員 政府態度は、総理大臣が常に言つておりますように、できるだけ早い時期に、なるべく大幅に解除したい、こういう原則はかわつておりません。なおリッジウエイ最高司令官声明がありまして以来、政府の内部においては、いろいろと研究をいたしております。
  37. 花村四郎

    花村委員 この問題に対する総理大臣声明と申しまするか、あるいは気持と申しまするか、しばしば新聞紙上を通じて拝見はいたしておるのでありまするけれども、ほとんど掛声だけで、実質的においてその方向へ進んで参りまする足どりの何ら見るべきものがない。リッジウエイ将軍の意向もほのめかされたのでありまするが、その線に沿うて、強力にしかもすみやかに政府が何らかの処置をとるべきは当然であろうと思うのでありまするが、今日まで大してそういう方面に深き関心を持つて、そうして善処しておるものとは、われわれの目から見れば見られぬ節もあるように思うのでありまするが、今日までこの問題に対して政府は何らかの方途を講ぜられて来たのであるか。もちろん訴願委員会をつくつて、そうしてこの種一部の解除に関しまする処置を講じたことは、きわめて明瞭で、多く申し上ぐる必要はないのでありまするが、しかしこれとても全追放者のすべてから見まするならば、まことに寥々たるものでございまして、この一事によつて追放解除問題に関する限りにおいて、熱意と誠意をもつてつておるとは認められない。でありまするから、今日までどのような考えを持つて、どういう方途を講ぜられて来たのであるか。また米国方面におけるこの追放問題に関しまする意向と申しまするか、考え方と申しまするか、この追放解除に関する米国の態度、並びにその他連合国における日本のこの種追放解除に関する問題をどう取扱おうと考えておるのであるか、その点を詳細に御説明願いたいと思います。
  38. 岡崎勝男

    岡崎政府委員 ただいま申しましたように、なるべく早い時期に、できるだけ多くの追放解除を行いたいという原則のもとに種々考究しておりますが、その詳細はただいままだここで申し上げる段階に達しておりません。なお追放解除と申しますものは、とかく誤解を与えやすいものでありまして、外国の一部には日本がまた反動的になりはしないかという疑いもなきにしもあらずでありまして、われわれはこの間に処して誤解のないように、できるだけ誤解を招かないような態度をもつて行動しなければならぬ、こう考えております。
  39. 花村四郎

    花村委員 そうしますると、今や講和も近いうちに結ばれんといたしており、またこの講和締結の前において、大量の追放解除があるであろうと国民も深い関心を持つてこれをながめておりまするのみならず、追放せられた人人も長い間隠忍自重いたしまして、そうして反省と、将来に対しまする更正の意気に燃えておるというような状況にあり、追放せられた人々も、これまたほとんど同様深き関心を持つておるのでありまするが、今日なおかつこの問題に対してこれから研究しようというような態度をとろうという緩慢な考え方を持つておるというにすぎないのでありとするならば、まことに私どもは遺憾にたえないと思います。新聞紙の伝うるところによりますれば、今度できました政府の顧問とも称すべき政令議会においても、この問題を扱うがごときことも出ておるのでありまして、この委員会も非常に深い興味を持つてこの問題を取上げておるように見えるのでありますが、その真相はどういうことに相なつておりましようか。この新しき委員会においてこの問題を取上げて、解決して行こうというような意味が含まれておりましようか。どうでしようか。
  40. 岡崎勝男

    岡崎政府委員 これは先ほども世耕委員に申し上げました通り、実は名前のない委員会といえば委員会でありまして、総理大臣日本の国を見渡して一番達識な、良識に富む方々に公平な意見を聞こうということでありまするが、その決定は一切政府責任でやるというわけであります。そこで追放解除の問題につきましても、当然この委員会意見を聞くことになると考えております。
  41. 花村四郎

    花村委員 そうすると、この委員会意見を聞きまする追放解除に関する問題は、メモランダム・ケースも含まれておりましようか。あるいはこれを除く以外のものが俎上に上されるというようなことになりましようか。その点はいかがでしようか。
  42. 岡崎勝男

    岡崎政府委員 まだそういうこまかいところまでは入つておりませんので、ここでお答えはできないと思います。
  43. 花村四郎

    花村委員 聞くところによれば、六月に入れば追放解除されるという説がもつぱらですが、そういう考え政府には毛頭ないわけですか。もしないとするならば、追放解除の問題は、大体においていつごろこれが処置されるという見通しをつけておられましようか。そういう見通しは全然ないと言われるのであるか。もし後者とするならば、いかにもこの問題に対する冷淡さが明瞭にされるように思うのでありますが、まことにこれは現下の重大問題であり、もちろん対外的にも問題視されておりますることは言うをまたぬのであります。国内的にも相当に重要な時局に対処した問題として、衆目の注視の的と相なつておるのでありまするがゆえに、この点に対して政府のはつきりしたお考えがあるならば、ひとつ御答弁を願いたいと思います。
  44. 岡崎勝男

    岡崎政府委員 政府は先ほど申し上げました通り、できるだけ早い機会にいたしたいという考えを持つております。それが何月になるかということは、ただいままだ言明し得る時期に至つておりません。しかし政府を信じられて、いましばらくお待ち願えれば、そのうちにはまたもつと的確なことも申し上げられるかと思います。
  45. 花村四郎

    花村委員 どうも奥歯に物のはさまつたような御答弁で、こういう問題はもちろん対外的な影響を持つておる問題ではございまするけれども、しかし首相が言う外交問題のごとく、秘密ずくめで行かなければならないという筋合いではないと思いますので、こういう問題はきわめて率直に大胆にありのままをひとつ発表して、そうしてむしろ国民の批判を仰ぐということこそ、私は望ましいことであろうと思うのですが、もう少しつつ込んでお話が願えぬものでしようか。その時期もわからない、なるべく早い程度にやるというような答弁じや、これはぴんとわれわれの頭にも来なければ、もちろん国民の頭へも参らないことは当然であります。何か公表のできない筋合いでもあられるかどうか。もしそういうことであられますならば、またその理由をお述べになりまするならば、われわれも了承いたすのでありますが、どうも今までのような本問題に触れない答弁では満足できません。これ以上満足させる御誠意はありませんか。
  46. 岡崎勝男

    岡崎政府委員 時期が参りましたならば、花村委員のおつしやるように、きわめて率直大胆に、国民の納得の行くように発表いたします。
  47. 花村四郎

    花村委員 聞くところによれば、官房長官が今度できましたいわゆる長官の言われる無名のこの委員会委員諸君のおられるところに臨まれまして、そうして言われることに、このメモランダム・ケースの解除に関しては、英国等においてワシントンの方面に、いろいろとソビエトや中国関係に刺激を与えぬようにという意味の申入れもあり、かたがたワシントンからは日本政府へ、この問題に対しては相当慎重にやるべきであるということを申し入れて来ておる関係もあるので、このメモランダム・ケースの追放解除に関する問題は取上げずに、なるべく後の機会に讓つてもらいたいと申し入れたという、その話を聞いた委員から私は承つたのですが、そういうことはあつたのですか、どうですか。
  48. 岡崎勝男

    岡崎政府委員 委員会の話合いについては、これは総理の顧問というべき人々でありますから、公表はいたさないことになつております。必要があれば政府から発表をいたすことになつております。従つて委員会でどういうことを私が言つたかというようなことは、ここで申し上げる筋合いのものでないのであります。しかしながら一般的に申しまして、今花村さんが言われたようなことは、こうもないと考えております。
  49. 花村四郎

    花村委員 そういうことを言われたことがないと言われればそれだけですが、しかしその委員会で申されたことを議会質問されて、それに対する答弁をすることは一向にさしつかえないと思うのですが、それは秘密委員会ですか。またさつき官房長官が言われたように、政府の顧問としてあらゆる問題の意見を聞くために設けられた無名の委員会、こういうのですが、その人たちから話された意見、あるいは委員会において政府に問うた意見、そういうことはみな秘密ずくめで行かなければならぬという委員会で、議会ではその報告もできなければ、その内容も話すわけに行かないという性格のものですか、どうでしようか。
  50. 岡崎勝男

    岡崎政府委員 これは再々先ほどから繰返して申し上げましたように、総理大臣がプライヴェートにお願いして意見を聞くことになつております。総理大臣はだれにでもこういうことを聞いて一向さしつかえないものであります。従つて法律上の規定もなければ、閣議の了解もないほんの私的のものであります。従いまして必要な発表は、総理大臣委員会意見も入れて考えた上で、政府が発表するのであつて委員会は私的のものであるから、ここで申し上げる筋合いのものでない、こういうふうに申し上げておるのであります。
  51. 花村四郎

    花村委員 そういう私的な委員会ですか。それは日本再建に関する法令上その他の重要なものの意見を聞くという強力なる委員会であるから、私はむしろそれは個人的なそういう内緒のものでなくして、もう少し公明に、正々堂々と法令に基くものにするのがいいと思うのであります。そのいい悪いは別にここで論議する必要もなし、われわれから見れば大して意義も持たないような委員会を、何か重大な、しかもよほど高い意味委員会であるかのごとく新聞ででかでかと発表する必要もなかろうと思うのであります。それはともかくとして、私が先ほど申したような事柄を、岡崎官房長官が来られて述べたということは、これは多くの人の認むるところで、またそれを聞いた委員も決していなまないのでありますが、そういうことを言われないとするならば、それはまことにけつこうだと思います。しかし私は官房長官のきようのお話を信ずべきか、あるいは委員諸君の言を信ずべきか、それはおのずから私の採用するところでありまするから、ここで多くは申し上げませんけれども、しかし言わないことを言つたという、私設の委員会委員とでもいうような委員では私はなかろうと思う。官房長官が言われるような、日本のあらゆる権威を集めたこの委員会を構成する委員の諸君、こういう人の言はすべからく信ずべきだと思うのであります。従いまして私が言うたような言葉は言わずとも、そういう意味のお話はなさつたのですか、どうですか。それもおやりにならぬ、こう言われるのですか。
  52. 岡崎勝男

    岡崎政府委員 先ほど申しましたように、委員会で何を述べたかということは、ここで申し上げる筋合いのものでないのであります。ただ一般的に申せば、そういうようなことがあり得べきものでないと私は考えるのであります。
  53. 花村四郎

    花村委員 こういう問題に対しましては、もう少し胸襟を開いて、わだかまりのない率直な御答弁を願いたいと私は希望するのであります。この追放解除に関する問題こそは、御承知のごとく現下に場おいてはもちろん講和条約締結の問題も重大問題でありまするけれども、しかしこの問題も相当大きな問題として、社会の耳目を聳動せしめておる問題でありますがゆえに、現政府においてももう少し真剣味と誠実味を持つて、迅速にこの問題の処理に向つて進んでもらいたいと私は思う。政府は私は知りませんが、しからざる議会の代議士のすべては、申すまでもなくこの問題を一日も早く解決せられんことを希求してやまぬ状況に置かれておりますることは、御承知の通りであります。でありますから、もう少しこの問題に熱意を持たれて、そうして一日もすみやかにこの問題を解決せられ、長い間一線から後退しておられたところの追放者、こういう人々にできるだけすみやかに光明を与えて、そうして日本の復興にそのすぐれた個性を十分に発揮せしめて、おのおのの持つその使命に向つて十分に働かしめることこそ必要であり、またこの重大なる画期的な講和条約の締結についても、全国民とともに足並をそろえて堂々とこの重大なる問題の処決に向つて進んで参りまするその列伍に加えしむることもこれまた必要であろうと思う。しかるに講和条約が今やまさに締結せられんとする今日、なおかつこの問題を研究しつつあるというがごとき手ぬるいことでは、われわれはまことに不満であります。政府は一体何をしておるのか、何をこの問題に対して考えておるのかという質問すらもしたいような気分がするのであります。わが自由党の内閣であり、しかもわが自由党が国民の大多数の支持を得て今日この戦後における重大なる難局を担当いたしておりまする以上、こういうわれわれが熱望してやまざる問題に対して、躊躇逡巡することなく熱意と誠意を傾けて、そうして一日もすみやかにこの問題の処決に向つて猛進せらるる態度を明瞭にせられんことを、わが党の政府に私は強く要望をいたしておきます。
  54. 田嶋好文

    田嶋(好)委員長代理 ちよつと上村先生にお諮りいたしますが、官房長官に対する発言の通告は、花村四郎先出と世耕弘一さんで、官房長官は、さつき始まる前に申し上げましたように時間の御都合もありますし、また実は私たち自由党としても三時から用件があるわけですが、あなたの官房長官に対する質問はどの程度のものでございましようか。
  55. 上村進

    ○上村委員 講和問題について簡単に伺います。
  56. 田嶋好文

    田嶋(好)委員長代理 それでは簡単にひとつ……。
  57. 上村進

    ○上村委員 法務総裁にお尋ねしようと思つたのですが、官房長官ならばなおいいんじやないかと考えますので簡単に要領だけをお尋ねします。日本の歴史にとつてまことに重大な講和問題が国民の前に展開しておるわけでございます。これについて単独講和、全面講和というような世論がやかましくなされておるわけでありますが、そういう政治的な方面は抜きまして、純法律的な見解をこの際政府に確かめておきたいと思うのであります。  第一に、講和条約が締結されるとすれば、この講和条約においては、一体国際条約におけるところの当事国家はどういうふうに構成されるべきかということはきわめて重大な問題でございます。これによつていろいろの派生的な問題が起きて来、議論も起きて来ると思うのでありますが、第一政府のこの講和条約を締結するにあたりましての国際条約の当事者の観念というものについて、どういう気構えを持つておられるか、この点のお確かめを願いたいと思います。
  58. 岡崎勝男

    岡崎政府委員 一国でも多くの国と講和を結びたい、こういうわけであります
  59. 上村進

    ○上村委員 一国でも多くというのは希望であり理想であろうと思うのですが、そうでなく国際法の立場からいいまして、今次の第二次世界大戦後の日本の置かれておる、そうして連合国の立場から見てその跡始末をするところの講和条約は、法律的には一体どの国とどの国とが締結せなければならない筋合いのものであるかどうか、本質を聞いているのであります。
  60. 岡崎勝男

    岡崎政府委員 どの国としなければならぬということは何もないのでありまして、できるだけの国と講和を結ぶということであります。
  61. 田嶋好文

    田嶋(好)委員長代理 ちよつと上村さんに御注意申し上げますが、実は講和の当事国問題は、本会議でも相当問題になりまして、総理からもたびたび発言があつたわけでございますが、時間もございませんので、その点になりますと盡きない質問になると思いますから、かんじんなことをひとつ……。
  62. 上村進

    ○上村委員 いやその点が重要なのです。その点がはつきりしていないからいろいろ問題が起きて、そうして国民講和問題に対する意思がぐらぐらしておる。
  63. 田嶋好文

    田嶋(好)委員長代理 これは官房長官にお尋ねするよりも、重大な問題でありますから総理大臣にお尋ねした方がいいと思います。それと同時に、本会議でもたびたび問題になつて総理からの発言があつた点でございますから、その点でしたらこの程度で今日は委員会を終了させていただきまして、次の機会に……。
  64. 上村進

    ○上村委員 とにかく重大問題だから……。
  65. 田嶋好文

    田嶋(好)委員長代理 重大問題だから申し上げるのです。
  66. 上村進

    ○上村委員 重大な問題で、あるいは政府は私の質問をきらつておるかしらぬけれども、しかし国民はそうじやないと思うのです。ですからやはり議会の……。
  67. 田嶋好文

    田嶋(好)委員長代理 どうでしようか。そうしますとその点に対しては次の機会にお譲り願つてゆつくり御質問していたださましたら……。
  68. 上村進

    ○上村委員 どうも田嶋委員長は逃がすのがうまいので、それはきのうも次にと言つて、その次の人を連れて来ない。今日聞かしてもらわぬと明日またどういうことになるかわからぬ。それこそ会期が追つてつて、しかも―委員長笑いごとじやない、われわれはまじめに言つておるのです。日本民族はいまだかつてない講和を目の前に控えておるのです。そうしてその講和のやり方によつて戦争へ行くか、平和へ行くか、あるいは植民地化するか、独立を保持するかという、実にわが民族にとつて重大な時期であるわけです。それをわずかに十分や五分で押えてだまかすようなことをするのは、私はどうもはなはだ……。
  69. 田嶋好文

    田嶋(好)委員長代理 官房長官になるだけ次の機会に御出席願うように要望しまして、今日は時間が来ておりますし、われわれも時間が追つておるわけですから……。
  70. 上村進

    ○上村委員 それがほんとうに守れますか。
  71. 田嶋好文

    田嶋(好)委員長代理 それじや私からお願いいたしておきます。
  72. 上村進

    ○上村委員 それじやその点岡崎さんは政府の大番頭であり、しかも外交官御出身だから、明答を得られるだろうと思つて実は法務総裁にかえて私は質問しようと思つておるのですから、あすそれじやおいでになりますか。
  73. 岡崎勝男

    岡崎政府委員 明日またそのときのいろいろな委員会の模様によつて…。
  74. 田嶋好文

    田嶋(好)委員長代理 それでは私の方から官房長官の御都合を伺いまして、なるたけ出席してもらうようにいたします。
  75. 上村進

    ○上村委員 とにかく時間の都合があれば差控えておきます。
  76. 田嶋好文

    田嶋(好)委員長代理 それでは本件につきまして、本日はこの程度にいたしておきます。  暫時休憩いたします。     午後二時四十一分休憩      ――――◇―――――     〔休憩後は開会に至らなかつた。〕