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世耕委員 岡崎長官は、今
政府の
責任と言われた。私も
政府の
責任であるから、
政府に
要求するのであります。
追放解除は、あなた御
経験がないかもしらぬけれども、みな一日千秋の
思いで待
つているのです。その
解除の
手続に対して
責任ある、嚴重なる
調査をなさることについては、私は反対しません。しかしながら、
追放解除されんと期待する者は、一日千秋の
思いでいるのだから、
晝夜兼行でやるべきだ。場合によれば
追放解除の問題だけは特別に取扱
つてしかるべきである。や
つてないじやないか。十把一からげに、
一つのわくにはめ込んで、しかも、これはあなたの論じやないというけれども、
新聞の書いている発表から見ますと、あとまわしにするということを言
つている。これは親切と言えましようか。
晝夜兼行で今
審査を開始していると、あなたここで言明なさいますか。不熱心じやないか、あなたの言われる
言葉の裏に何ものかが残されているということは、聞いている者ならすぐわかる、これははなはだ遺憾千万であります。だからあなたが
からくりしているのでなければ、あなたが
板ばさみに苦しんでいるということも、自然そこに出て来る。私は
追放にかかつた
経験を持
つておりませんが、
追放にな
つた人の苦痛というものは、
政治家ならば死刑の宣告を受けたと同じことなんだ。それがよみがえる。場合によれば
追放を
解除されないままに、
希望を持ちながら死んで
行つたのが、われわれ同志の中で何十名もある。これはだれの
責任です。私は先ほど
ドイツの例を言つた。
ドイツの例は、
追放解除に対して
政府が非常に熱心なんだ、
日本政府は不熱心なんだ。私はこれは断言します。その
理由は、今申し上げたように、大きな
ポツダム政令の法令その他の問題を再
審査するにあた
つて、数名の者に一任している。そうして
追放解除の問題は、愼重を期するからあとまわしにする。私は不親切であるという一言に盡きると思う。また
新聞に、あるいは
社会に宣伝されているように、
政府がいじく
つているということも、一応うなずくことができるのであります。もし
世間で言う、
司令部が大きな気持で一日も早く
追放を
解除するために下調べをしろということの
命令が出たのに対して、
政府が怠慢、しかも
からくりをしていることのないということを、あなたが立証なさるのでしたらあしたからでもすぐ
追放解除についての
手続を開始したらいいでしよう、簡単に解いていい
人間が相当多数あります。
委員会において可決されたものも相当あることは、これはもういまさら繰返して立証する必要がないでしよう。ただ私はこの際
政府の
追放に対する好意ある
態度が望ましいというのであります。こまかい点について申し上げることを避けますが、わずか三日か四日名目的に
翼賛会に
関係した者が
追放で数年間
社会に活動できぬ、こういう者に光明を与えるということは重大な問題であります。また中には、あの
人間が
追放をかけられないのはふしぎだと思うような
人間が、大道を闊歩しているじやありませんか、そういう連中が今日自由な天地にあるならば、私はそれ以外の罪の軽い者を一刻も早く生かして、そうしてこの
終戦後の
講和前の重大時期に、
国民の一人として参加せしめるように努力してこそ、初めて
吉田内閣の善政だと私は思う。御
考慮を願いたい。特にこの点は
吉田総理に御報告願いたいということをお願いして、私の
質問を終ることにいたします。