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1951-05-09 第10回国会 衆議院 法務委員会 第20号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十六年五月九日(水曜日)     午後一時四十三分開議  出席委員    委員長 安部 俊吾君    理事 押谷 富三君 理事 北川 定務君    理事 猪俣 浩三君       鍛冶 良作君    佐瀬 昌三君       花村 四郎君    古島 義英君       牧野 寛索君    松本  弘君       眞鍋  勝君    大西 正男君       梨木作次郎君  出席政府委員         検     事         (法務法制意         見第四局長)  野木 新一君         法制意見参事官 影山  勇君  委員外出席者         專  門  員 村  教三君         專  門  員 小木 貞一君     ————————————— 五月九日  訴訟費用等臨時措置法の一部を改正する法律の  一部を改正する法律案押谷富三君外二名提出、  衆法第四八号)  民事調停法案鍛冶良作君外三名提出衆法第  四九号) の審査を本委員会付託された。     ————————————— 本日の会議に付した事件  商法の一部を改正する法律施行法案内閣提出  第四二号)  非訟事件手続法の一部を改正する法律案内閣  提出第六七号)  有限会社法の一部を改正する法律案内閣提出  第一〇〇号)  訴訟費用等臨時措置法の一部を改正する法律の  一部を改正する法律案押谷富三君外二名提出、  衆法第四八号)  民事調停法案鍛冶良作君外三名提出衆法第  四九号)     —————————————
  2. 安部俊吾

    安部委員長 これより会議を開きます。  商法の一部を改正する法律施行法案、非訟事件手続法の一部を改正する法律案、及び有限会社法の一部を改正する法律案の各案を一括議題として質疑を行います。質疑の通告がありますから、これを順次許します。押谷富三君。
  3. 押谷富三

    押谷委員 有限会社法の一部を改正する法律案につきまして質疑をいたしたいと思います。まず有限会社法の一部を改正する法律案審議するにあたりまして、現存する有限会社実体、その概要を知つておきたいと考えますが、日本における現存有限会社は、一体何社ぐらいその数があるか、それからその資本金を大体十万円の線を入れまして、十万円未満有限会社とそれ以上の有限会社とのそれぞれの数並びにその比率、それから現存有限会社資本金最高最大のものはどれくらいの額の資本を持つておるか、この三点をまずお尋ねいたしたいと思います。
  4. 野木新一

    野木政府委員 有限会社実体でございますが、実は有限会社実体については、株式会社ほどその調査資料は各方面においてもないわけでありますが、一応法務府の民事統計の方の資料で調べてみますと、お手元に配付してあります、ごく簡単な結論だけを書き上げてありますが、資本の額で十万円未満のものが一万一千八百三十四、十万円以上百万円未満のものが三万六千三百三十七、百万円以上千万円未満のものが二千六百五十七、千万円以上一億円未満のものが二十三、合計五万八百五十一ということになつております。これは登記の面から調査したものでありまして、昨年九月三十日現在の調査によつたものであります。
  5. 押谷富三

    押谷委員 大体わかりましたが、この改正法案三十一條でありますが、社員会社に対し書面をもつて取締役責任を追及する訴え提起請求することができることになつております。ところが改正商法のこの点につきましての條文では、六箇月以前から引続き株主であることを要件にいたしておるのでありますが、この有限会社法では社員のこの制限がないようになつておりますが、それはどういう理由によりますか。
  6. 野木新一

    野木政府委員 第三十一條取締役責任を追及するいわゆる代位訴訟でございます。なお三十一條取締役越権行為差止請求権、第三十一條ノ三は取締役解任訴えに関する規定でありまして、いずれも社員からできるものでありますが、株式会社の場合にこれらの権利を行使するにつきましては、ただいま御質問のように、六箇月以前から引続き株主であるということが要件になつておるのでありまして、株式会社におきましては、株式が公開されまして、何人もいつもその会社株主になり得るのを常態としております結果、これらの権利を悪用して、いわゆる会社荒しをするために一時的に株式を取得する、そういうものが出て来ることが考えられますので、かような権利を行使し得るためには、少くとも六箇月以上引続きその会社株主であることを要するという要件を設けて、会社荒しの防止の一策としておるわけでありますが、翻つて有限会社の場合を考えてみますと、有限会社はこの改正案におきましては、現行法よりも非常に閉鎖性という点は緩和せられまして、第十九條に出ておるような形になりました。それでありましても、持分譲渡は、株式会社株式譲渡に比べれば非常に制限せられておりまして、この点については特に会社荒しというような点を考慮する必要が、株式会社に比してほとんどないと考えられましたので、六箇月以上という制限はこの際設けなかつたのであります。  なおついででありますが、取締役解任訴えについては、株式会社では、これを提起し得る株主資格を、発行済み株式総数の百分の三以上の株式を有するものとしておりますが、有限会社においては、その資格を、資本の十分の一以上に当る出資口数を有する社員としておることからも、六箇月以前から引続き社員である、そういう要件を加える必要はないものと考えたわけであります。
  7. 押谷富三

    押谷委員 今の御答弁の中に、解任訴えがありましたが、取締役解任決議普通決議によるのでありますか、あるいは特剔抉議が必要ではないのか、その点をお尋ねいたしたいと思います。
  8. 野木新一

    野木政府委員 有限会社におきましては、この案においては普通決議でよいことになつております。
  9. 押谷富三

    押谷委員 この有限会社取締役が二名以上の報合においては、株式会社と同じように累積投票という方法によるか、その点を伺いたいと思います。
  10. 野木新一

    野木政府委員 この改正案におきましては、取締役が二名以上の場合におきましては、定款累積投票によるように定めることができるということになつておりまして、会社でそういう制度を採用したいというならば、その制度を採用し得るということになつております。
  11. 押谷富三

    押谷委員 監査役権限でありますが、やはり監査役会計監査権限だけに限られているようでありますが、この報合における業務監査は一体どういう方法でおやりになりますか。
  12. 野木新一

    野木政府委員 まず株式会社において監査役権限会計監査に限りましたのは、取締役会制度の採用、株主監視権の強化、それに従来の監査役制度機能に対する再検討の結果でございますが、有限会社におきましては、その小規模企業である特質上、もともと監査役会社任意に置くことができる、すなわち株式会社違つて必要機関ではないということになつております。しかも従来の監査役機能につきまして検討の必要があることは、株式会社の場合と同様でありまして、他面有限会社につきましても、この改正案におきましては、社員監査権は強化せられて来ておりますので、今回の改正にあたりましても、株式会社監査役改正なつた方が適当であるかと存じ、そのような案にいたしたわけでございます。従いまして有限会社監査役を置いた場合におきましても、業務監査はこの案によりますと書類閲覧権差止請求権代位訴訟解任権等を有する社員がこれに当る、そういう仕組みになつております。
  13. 押谷富三

    押谷委員 大体有限会社は小規模なというような考え方から立てられておるようでありますが、今日の有限会社があるいは将来非常に大きな資本を擁する場合も考えられるのであります。そういうような場合において、取締役会制度を採用するという必要もあると思いますが、この取締役会制度をここにあげなかつたのはどうかという理由でありますか。
  14. 影山勇

    影山政府委員 有限会社につきましても、将来相当大規模なものがあるいはできるかもしれませんけれども、法律上の制度といたしましては、取締役の人数を法定しないことになつておりますし、それからかりにそういう大規模会社にありましては、任意におそらく定款取締役制度を設けて実際の業務執行方法を行えば足りるというふうに考えまして、やはり一応本質は小規模企業であるという点に着眼いたしまして取締役制度を法定しなかつたわけであります。
  15. 押谷富三

    押谷委員 将来を考えますならば、一億円以上の有限会社ということも想像できると思いますが、その監査役会計監査にあたつて株式会社は一億円以上の場合においては公認会計士会計監査を要求されておりますが、この有限会社法にはさようなことは出ておりません。将来一億円以上の会社ができた場合において、会計監査公認会計士などの必要はお認めではございませんか。
  16. 影山勇

    影山政府委員 有限会社は、社員総数が五十人に制限せられております点、それから持分について公開されておりませんで、一般大衆有限会社に入つて行くというようなこともないというような関係で、資本の調達が株式会社におけるように、そう容易ではございませんので、資本総額が非常に大きいというものは、まず経済考えられないのではないかと思われますことと、それからただいま申しましたように、持分が公開されておりませんから、一般公衆がこれに關與するという機会もほとんどない。そういう点から特に公認会計士監査法律上必要とするという点はないのではないか、ただ会社の信用上、監査役にたとえば公認会計士を任命するとか、あるいは経理の面に熟達した人を任命するとかいうことは当然行われるかと思います。
  17. 押谷富三

    押谷委員 第十九條の持分譲渡関係でありますが、この第十九條第三項にあります持分譲渡相手方ですが、これは必ずしも社員であることを要しないと解釈していいのですか。
  18. 影山勇

    影山政府委員 ただいまお尋ねの通り考えます。
  19. 押谷富三

    押谷委員 第十九條のこの譲渡には贈與を含みますか。
  20. 影山勇

    影山政府委員 この譲渡には贈與も含むというふうに解釈しております。
  21. 押谷富三

    押谷委員 贈與を含むとなりますならば、この第二項の書面には譲渡価格をどういうふうに表示をいたしますか。またこの場合において社員総会が他に譲渡相手方を指定した場合において、その指定された者に無償譲渡することになるのですか、その点をお尋ねしたいと思います。
  22. 影山勇

    影山政府委員 この譲渡通知記載としての護渡価格は、贈與の場合は譲渡価格がない、譲渡価格がゼロということで、その記載はいらないというふうに解釈いたしております。  それから他に会社が譲受人を指定した場合には、これもやはり無償譲渡ということになるかと考えます。それは有限会社閉鎖性ということと、社員持分の回収ということをどこで調和するかという問題でありまして、現行法によりますれば、譲渡したい、あるいは贈與したいという場合にも、会社が拒絶いたしますと、社員に対する救済は全然なかつたわけでございますが、これによりますと、そういう救済がありますかわりに、有限会社閉鎖性等関係で、このようなふうに無償譲渡しなければならない、あるいはある特定の相手だから、特に安く売りたいと思つても、社内に買手があればそちらに譲らなければならないというふうに規定したわけであります。
  23. 押谷富三

    押谷委員 そうなると第十九條第二項によつて譲渡通知をいたしまして、自分の意思に反して無償指定者に渡さなければならぬということになれば困るから、この譲渡通知撤回するというような場合もできて来ると思うのでありますが、この第二項の譲渡通知撤回ができるかどうか、もしできるならばいつの時期までにその撤回をしなければならぬか、このことはどうなつておりますか。
  24. 影山勇

    影山政府委員 譲渡通知撤回でありますが、これは原則として譲渡通知撤回できるというふうに解釈いたしております。ただいつまでにできるかと申しますと、これは会社譲渡相手方を指定いたしますと、そこに相手方についても一応の利害関係も生ずる状態に置かれますので、そうなつてからは取消せないのではないかというふうに考えております。
  25. 押谷富三

    押谷委員 第十九條第一項の譲渡遺贈の場合はこれを含んでおりますか。
  26. 影山勇

    影山政府委員 この点は現行法と同じく、やはり遺贈も含むというふうに解釈いたしております。
  27. 押谷富三

    押谷委員 遺贈が含んでおるとするならば、その通知の時期は遺言書の作成前にこの通知をせなければならぬか、この点はどうなつておりますか。
  28. 影山勇

    影山政府委員 これは必ずしも前にする必要がないと思われます。遺言効力を生じましてから、相続人あるいは遺言執行者が第十九條所定手続をふめばそれでよいというふうに考えております。
  29. 押谷富三

    押谷委員 その時期は、今伺いまして明らかでありますが、この通知遺言執行者がすべきか、あるいは相続人がすべきか、何人がなすべきかを伺います。
  30. 影山勇

    影山政府委員 これは遺言執行者がありますれば、遺言執行者が代理人としておそらくこの手続をふむことになるものと考えます。
  31. 押谷富三

    押谷委員 この有限会社持分につきましては、差押えはできることになりますか。
  32. 影山勇

    影山政府委員 これは差押えとしては一応可能かもしれませんが、ただ差押え目的として、換価する場合にやはり十九條の適用があるというふうに考えますので、その点さえ考慮されれば、持分を競落して実効を収め得ると認められればできますけれども、実際の問題といたしましては、こういうものを差押えるということは、その実効がないのではないかというふうに考えます。
  33. 押谷富三

    押谷委員 持分経済価値があれば、差押えるということもできて来ると思いますが、そういうことを想定した場合におきまして、この持分換価の場合における第十九條の適用方法換価方法はどう考えておられますか。
  34. 影山勇

    影山政府委員 やはりこの場合にも一応十九條の適用がありまして、やはり譲渡通知社員から会社に対しまして——おそらくこの場合には競落価格が、譲渡価格ということで、譲渡通知がなされることと解釈いたします。
  35. 押谷富三

    押谷委員 その場合、社員から通知をすべきですか、あるいは執行吏から通知をなすべきですか。
  36. 影山勇

    影山政府委員 一応社員からというふうに考えております。
  37. 押谷富三

    押谷委員 持分質入れの場合におきましては、この第十九條の通知は、いつなすべきであるか、またその書面記載方法、第三項の決議方法は、どう考えておられますか。
  38. 影山勇

    影山政府委員 持分質入れにつきましては、第十九條が準用されます結果、持分質入れしようとする場合にその通知会社に対して発することになると存じます。そらから書面記載でありますが、譲渡価格にかわる、ここでは被担保債権の額というものは、おそらく譲渡価格として十九條を準用する場合には、被担保債権の額ということになるつもりでおります。
  39. 押谷富三

    押谷委員 有限会社社員の数の制限についての考えでありますが、これは五十人を越えることができないことになつていると思いますが、今後の持分譲渡その他の関係、あるいは今後生ずべき有限会社資本の飛躍的な増加などから考えますと、五十人という制限は緩和する必要が認められないのですか。
  40. 影山勇

    影山政府委員 有限会社社員総数を何名にするかという点は、非常にむずかしい点でございまして、現在のところでは五十人程度が適当なのではないか、譲渡制限の態様とか、あるいは現行有限会社法制度のいろいろな組織から見て、やはり有限会社は閉鎖的な性格を持つという点が強いと思われますので、現在のところでは五十人でいいのではないかと一応考えております。
  41. 押谷富三

    押谷委員 資本総額制限でありますが、十万円以下を下ることができないことになつておりますが、将来貨幣価値変動等考え、あるいはまた現存する有限会社は十万円以下のものが先ほどの御説明によりましてもたいへん多いと思いますが、この十万円をもう少し下の方に制限を引下げるという考え方も必要ではないかと思うのでありますが、この点についての考えはどうなつておりますか。
  42. 影山勇

    影山政府委員 このたび資本金最低限を十倍に引上げましたことは、株式会社におきまして株券の券面額をやはり十倍に引上げたというふうないろいろな情勢を考慮したわけでありまして、結局経済価値変動というものに従つて、こういう最低限は考慮しなければならないと思われますので、将来もなおそういう問題が起りますれば考慮しなければならないかと存じます。それから現行法の十万円未満会社につきましては、経過規定によりまして、そのまま希望通り存立を認めるということになつております。
  43. 安部俊吾

    安部委員長 ほかに御質疑はありませんか。——質疑がなければこの三案に関する質疑ばこの程度にしておきます。     —————————————
  44. 安部俊吾

    安部委員長 この際本日の委員会付託になりました民事調停法案議題として提案者鍛冶良作君より提案理由説明を聴取いたします。鍛冶良作君。
  45. 鍛冶良作

    鍛冶委員 それではただ今議題となりました民事調停法案につきまして、提案理由を御説明申し上げます。  御承知通り調停に関する法規は、大正十一年に制定された借地借家調停法を先駆とし、大正十三年に小作調停法大正十五年に商事調停法昭和七年に金銭債務臨時調停法昭和十四年に人事調停法と順次制定され、されに同年中鉱業法の一部改正により鉱害賠償調停が認められることとなりました。次いで昭和十七年に制定されました戦時民事特別法は、右の各種調停制度実施の成績にかんがみまして、事件種類、大小を問はず、およそすべての民事事件につき、当事者申立てにより、あるいは裁判所職権により、調停を活用し得るようこの制度を拡大いたしまして、ここに調停はあらゆる民事事件に及ぶこととなつたのであります。しかうして、終戦後、昭和二十二年に家事審判法が制定され、従前の人事調停が同法による家事調停になつて、今日に至つているのであります。  裁判所の行う調停制度が、かように発展を遂げましたのは、民事関係紛争につき、修理にかない、かつ実情に即した司法的解決簡旨迅速に得られるという、この制度本来の重要な機能によるものと考えられるのでありますが、以上の各法律は、いずれもそのときどきの需要に応じて逐次制定せられたものでありまして、かように類似した制度が多数ありますことは、裁判所事務処理上はもとより、当事者の立場からいたしましても煩鎖に過ぎますので、その整理統合はかねて実務家等から強く要望せられていたのであります。しかるに御承知通り、最近裁判所における民事事件は急増の一途をたどり、その迅速な処理が必要となつて来ておりますので、この際、過去三十年の実績に照し、かつ調停関係実務家等の要望、意見等をも取入れまして、現行調停制度に若干の改正を加えるとともに、各種法規整理統合いたしましたのが、この法律案であります。もつとも身分上の紛争に関する家事調停につきましては、これを取扱う裁判所も異なり、かつ事柄の性質上他の一般財産権上の紛争に関する調停と区別する必要がありますので、統合の範囲から除いてあります。  次にこの法律案の大綱を申し上げますと、 一 各種調停に通ずる一般規定と、各種類による特別規定とにわけ、その重要なものを法律規定し、他は最高裁判所の規則の定めるところにまかせて、運用上の便宜をはかつたこと。 二 調停調停委員会で行うことを本則とし、調停委員会調停に対する裁判所の認可の制度を廃止したこと。 三 調停委員会は、調停のため特に必要があるときは、調停前の措置として必要な事項を命じ得ることとし、かつ、その内容を明らかにしたこと。 四 金銭債務調停及び小作調停において認められ、民事特別調停において全調停に行われることとなつた、いわゆる調停にかわる裁判につきましては、当事者合意を基礎とする調停制度趣旨から多少の修正を加える必要がありますので、異議申立てによつてその効力を失うこととする等調停制度全体との調和をはかつたこと。 五 調停不成立等の場合において、申立人調停目的なつ請求について、一定期間内に訴え提起したときは、さかのぼつて調停申立てのときに訴え提起があつたものとみなし、訴状には調停申立手数料に相当する印紙は貼用したものとみなして、訴訟費用等の点で誠実な調停申立人を保護することとしたこと。 六 受訴裁判所は、事件について争点及び証拠の整理が完了した後は、当事者合意がない限り、職権事件調停に付することができないこととし、調停手続によつて訴訟が遅延することを防止したこと。 七 商事事件並びに鉱害事件については、特に仲裁判断趣旨調停委員会は取入れ、当事者書面による合意があるときは、申立てにより適当な調停條項を定めることができることとし、これを調書に記載したときは、その記載は、裁判上の和解と同一の効力を有することとしたこと。 八 罰則を整備したこと。等でありまして、以上のほかは、おおむね現行法規整理統合にすぎません。なおこの法律施行期日は、借地借家調停法施行三十週年に当りまする本年十月一日といたしました。  以上がこの法律案の大要であります。何とぞよろしく御審議のほどをお願いいたします。     —————————————
  46. 安部俊吾

    安部委員長 次に同じく本日、本委員会付託になりました訴訟費用等臨時措置法の一部を改正する法律の一部を改正する法律案議題といたしまして、提案者押谷富三君より提案理由説明を聴取いたします。押谷富三君、
  47. 押谷富三

    押谷委員 ただいま議題になりました訴訟費用等臨時措置法の一部を改正する法律の一部を改正する法律案につきまして、提案理由を御説明申し上げます。  現在執行吏につきましては、一般公務員の場合と同様に、昭和二十五年十二月三十一日以前に退職した者に対しては、六千三百七円べースに基く恩給が支給されておりますが、一般公務員につきましては、今国会に別途提案されておりまする恩給法の一部を改正する法律案によりまして、この種の者に対しても、昭和二十六年一月分以降七千九百八十一円ベースに基く恩給が支給されることとなりますので、執行吏につきましてもこれと歩調を合わせ、昭和二十六年一月分以降同ペースに基き、恩給年額を八万一千円を俸給年額とみなして算出した年額改正する必要があるのであります。  これが法律案提出する理由であります。何とぞよろしく御審議のほどをお願いいたす次第であります。
  48. 安部俊吾

    安部委員長 これにて提案理由説明は終りました。ちよつと速記をとめて。     〔速記中止
  49. 安部俊吾

    安部委員長 速記を始めて。
  50. 鍛冶良作

    鍛冶委員 現在大蔵委員会において立案中の税理士法案は、その規定において、弁護士法改正を意図しているのでありますが、これは権限ある一つの委員会にて制定した議員立法につき、他の委員会が、その委員会の了解なくして法律を改廃することは委員会の運営上も、また議員立法性格からも妥当ではないと考えられますので、その旨委員長より大蔵委員会に申入れあらんことを望むものであります。
  51. 梨木作次郎

    梨木委員 なお税理士法案につきましては、大蔵委員会に対し、連合審査会の開会を申し入れるよう委員長においておとりはからい願いたいと思います。
  52. 安部俊吾

    安部委員長 ただいま鍛冶委員より動議がありまして、これに関してまた梨木委員からも御発言がありましたが、結局鍛冶委員の御動議通り、本委員会委員長より大蔵委員会委員長に申入れをすることに御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  53. 安部俊吾

    安部委員長 御異議なしと認めます。よつてさよう決定いたしました。  本日はこの程度にとどめまして、明日は午後一時より開会し、民事調停法案等について質疑に入りたいと思います。  これにて散会いたします。     午後二時二十五分散会