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1951-03-07 第10回国会 衆議院 法務委員会 第6号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十六年三月七日(水曜日)     午後二時十二分開議  出席委員    委員長 安部 俊吾君    理事 押谷 富三君 理事 北川 定務君    理事 田嶋 好文君 理事 猪俣 浩三君       鍛冶 良作君    佐瀬 昌三君       花村 四郎君    牧野 寛索君       松木  弘君    眞鍋  勝君       上村  進君    世耕 弘一君  出席政府委員         法務政務次官  高木 松吉君  委員外出席者         專  門  員 村  教三君         專  門  員 小木 貞一君     ————————————— 二月二十二日  委員田嶋好文辞任につき、その補欠として有  田二郎君が議長指名委員に選任された。 同月二十三日  委員有田二郎辞任につき、その補欠として田  嶋好文君が議長指名委員に選任された。 三月七日  田嶋好文君が理事補欠当選した。     ————————————— 二月二十一日  商法の一部を改正する法律施行法案内閣提出  第四二号) 同月二十七日  犯罪者予防更生法の一部を改正する法律案(内  閣提出第五二号) 同月二十八日  下級裁判所設立及び管轄区域に関する法律の  一部を改正する法律案内閣提出第五七号)  (予) 三月一日  非訟事件手続法の一部を改正する法律案内閣  提出第六七号)  裁判所職員定員法案内閣提出第六一号)(  予)  不動産登記法等の一部を改正する法律案内閣  提出第六二号)(予) 二月二十四日  古川拘置支所庁舎及び拘禁場改築請願安部  俊吾君紹介)(第八四九号) の審査を本委員会に付託された。     ————————————— 本日の会議に付した事件理事の  互選小委員及び小委員長補欠選任商法の一部を  改正する法律施行法案内閣提出第四二号)  犯罪者予防更生法の一部を改正する法律案(内  閣提出第五二号)  下級裁判所設立及び管轄区域に関する法律の  一部を改正する法律案内閣提出第五七号)(  予)  不動産登記法等の一部を改正する法律案内閣  提出第六二号)(予)  非訟事件手続法の一部を改正する法律案内閣  提出第六七号)     —————————————
  2. 安部俊吾

    安部委員長 これより会議を開きます。  まず本日の日程に入る前にお諮りいたします。委員田嶋好文君は去る二月二十二日は一度委員辞任され、翌二十三日に再度委員に選任されたのでありますが、田嶋君が一度委員辞任されました関係から、同君理事たる資格及び司法書士法改正に関する小委員鉄道公安職員の職務に関する法律改正に関する小委員戸籍法改正に関する小委員弁護士法改正に関する小委員住民登録法案起草に関する小委員司法警察法規に関する小委員商法の一部を改正する法律改正に関する小委員並びに司法警察法規に関する小委員長資格がすべて失われておりますが、田嶋君の委員辞任前の通り同君を本委員会理事及び小委員会の小委員並びに司法警察法規に関する小委員会の小委員長として補欠指名いたしたいと思いますが、これに御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  3. 安部俊吾

    安部委員長 御異議なしと認めます。それではそのように指名いたします。
  4. 安部俊吾

    安部委員長 次に委員会運営に関する事項についてお諮りいたします。最高裁判長官またはその指定する代理者の、委員会並びに小委員会における出席説明に関する件でございますが、これは国会法第七十二條第二項に「最高裁判所長官又はその指定する代理者は、その要求により、委員会承認を得て委員会出席説明することができる。」と規定されておりまして、従来も最高裁判所長官指定代理者である同裁判所事務総長以下の各職員より出席説明要求のありました際には、その都度委員会において承認して発言を許して参つたのであります。でありまするが、当委員会並びに当委員会に設置いたしました各小委員会におきましては、ほとんど毎回のごとく最高裁判所側出席説明を必要といたしますから、今後はこの手続を簡略にいたしまして、各指定代理者につきましてはその出席発言をあらかじめ包括的に承認を與えておき、出席説明要求のありました際には、本会期中いつでも委員会並びに小委員会において発言をなし得るようにいたしたいと思いますが、このようにとりはからうに御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  5. 安部俊吾

    安部委員長 御異議なしと認めます。よつてそのように決しました。     —————————————
  6. 安部俊吾

    安部委員長 それではこれより本日の日程に入ります。まず本日の日程によりまして、商法の一部を改正する法律施行法案犯罪者予防更生法の一部を改正する法律案下級裁判所設立及び管轄区域に関する法律の一部を改正する法律案不動産登記法等の一部を改正する法律案、非訟事件手続法の一部を改正する法律案の五案を一括して議題とし、順次政府当局より提案理由説明を聽取いたします。高木政府委員
  7. 猪俣浩三

    猪俣委員 裁判所職員定員法案というのをお読みにならぬようであるが、これはあとになるのですか。
  8. 安部俊吾

    安部委員長 猪俣委員にお答え申し上げます。この裁判所職員定員法案というものは、公報に掲載してありますが、さらに裁判所に関する他の法案提出されるのでありまして、それと同時にこれを審議したいと考えまして延ばしました。
  9. 高木松吉

    高木政府委員 ただいま議題となりました商法の一部を改正する法律施行法案につきまして、提案理由を御説明申し上げます。  御承知のごとく、昨年五月十日公布せられました商法の一部を改正する法律は、本年七月一日を施行期日としておりますが、この施行法案は、改正法施行のために必要な経過的措置を講ずることを主眼とするものであります。  次にその内容の大略を御説明申し上げます。  この法律案は、新法は、原則として新法施行前に生じた事項にも適用せられ、ただ新法施行前に旧法によつてすでに生じ終つた効力は、これを妨げないこととする経過措置根本原則を明らかにいたしまして、新旧両法の調和をはかりますとともに、この原則の適用上問題となる個々事項につきまして、それぞれ必要な規定を設けました。たとえば、新法施行前に成立した株式会社につきましては、この法律によりまして、その定款に会社の存続に必要な記載事項記載があるものとみなしまして、これらの会社がそのまま新法のいわゆる授権資本制度に移行し得ることといたしましたこと。新法施行前に発起人が株式の総数を引受け、または株主の募集に着手したものについては、その設立旧法に定める手続によることとし、その新法への移行については、新法施行前に成立した会社と同様に取扱いましたこと。新法新法施行後に成立する株式会社について、株式券面額を五百円以上としたことに対応いたしまして、新法施行前に成立した会社につきまして、特剔抉議によつて五百円未満の株式を併合して、一株五百円以上のものとすることができる道を開きましたこと。新法は、取締役監査役任期をそれぞれ二年及び一年に短縮しましたが、新法施行の際現に在任している取締役監査役任期につきましては、なお旧法通りといたし、ただし任期間が新法施行の日から新法所定期間を越える場合には、これを新法施行の日から新法所定期間といたしましたこと。資本増加、社債の発行等につきまして、新法施行前にすでにその決議がありましたものは、その後の手続旧法によることといたしましたこと等であります。  以上のほか、新法株式合資会社を廃止しましたが、この法律案は、新法施行前に成立した株式合資会社につきましては、新法施行後も旧法によることといたしますとともに、これらの株式合資会社及び現行商法施行前、すなわち明治三十二年前に成立した、いわゆる旧商法上の合資会社は、組織変更等をしない限り、新法施行の日から五年を経過した時において解散することといたしまして、これら企業形態としての存在価値に乏しい種類の会社を整理いたしております。  以上がこの法律案の大要であります。何とぞよろしく御審議のほどをお願いいたす次第であります。  次に犯罪者予防更生法の一部を改正する法律案につきまして、その提案理由を御説明いたします。  この法律案は、犯罪者予防更生法の第十條第一噴に規定してある地方少年保護委員会及び地方成人保護委員会組織定員を改めようとするものであります。地方少年保護委員会地方成人保護委員会とは、いずれも全国八箇所に設置され、おのおの三人の委員で組織されておりまして、それぞれ青少年または成人につきまして、仮出獄、仮出場、仮退院処分をいたし、また保護観察をつかさどり、その他犯罪者予防及び更生のため必要な所掌事務を遂行しておるのでありまして、その管轄区域には大小差異がありますために、各委員会事務量におのずから大小差異を生じておりますことは、ある程度やむを得ないところでありますけれども、関東地方少年保護委員会及び関東地方成人保護委員会におきましては、委員事務負担が著しく過重となつて所掌事務の遂行上困難を感ずる実情にあります。どの委員会でも、仮出獄及び仮退院処分につきましては、処分の決定をする前に、委員法律要求に従いまして、みずから刑務所または少年院に出向き、受刑者または在院者個々に面接して慎重な審理をいたしておるのでありまして、これはその処分の適正を期するため欠くことのできないものでありますが、関東地方の両委員会管轄区域も広く、刑務所少年院の数も多く、従つて面接を要する受刑者在院者の数が他の地方に比べて格段に多数に上つておりますために、三人の委員でこれを支障なく処理しまするとともに、その他の事務にも澁滯を生じないようにいたすことは非常に困難なことでございます。今日までのところ、各委員の異常な努力によりまして、辛うじてその困難をしのいで参つている実情にありますので、この際、この二つの委員会組織定数を改め、その委員の数をそれぞれ五人といたして犯罪者予防更生法の所期の目的を円滑に遂行する必要があると認めまして、この法律案で同法十條第一項をそのように改めようとするものでございます。  なお犯罪者予防更生法目的に照しまして、犯罪をした者の改善及び更生をはかりますためには、右のほかにも改正を考慮すべき点があるように考えまして、研究をいたしておるのでございますが、さしあたつては右の点の改正が最も必要であると考えましたので、この法律案提出いたした次第でございます。どうか、愼重御審議の上すみやかに御可決あらんことを切にお願いいたす次第であります。  次に下級裁判所設立及び管轄区域に関する法律の一部を改正する法律案につきまして、提案理由を御説明申し上げます。  改正要点は、次の四点であります。  まず第一点は簡易裁判所増設であります。簡易裁判所基本的人権を擁護し、社会秩序の維持に当る第一線の裁判所でありまして、国民の利害に関係するところがきわめて多いのであります。現在全国五百六十五箇所に設置されているのでありますが、その数はまだ必ずしも十分であるとは申されません。その増設方につきましても、全国各地から熱心に国会その他に請願や陳情がありまして、その数は数十箇所に及んでいるのであります。しかしながら今ただちにこれらの要望の全部を満たすことは、財政上の見地等から見ましても不可能なことであります。それで事件の数、交通状況等を考慮いたしまして、最も必要と認められるところを選定いたし、最高裁判所とも協議を遂げまして、今回は次の三箇所、すなわち宇都宮地方裁判所管内の栃木県下都賀郡小山町、広島地方裁判所管内広島県高田郡吉田町及び徳島地方裁判所管内の鳴門市に簡易裁判所を設置しようとするものであります。  第二点は簡易裁判所所在地変更であります。土地状況にかんがみまして、東京地方裁判所管内品川簡易裁判所所在地東京品川区から東京都大田区に変更するとともに、この名称を大森簡易裁判所と改め、また奈良地方裁判所管内吉野簡易裁判所所在地奈良吉野郡下市町から同県同郡大淀町に変更しようとするものであります。  第三点は簡易裁判所管轄区域是正であります。土地状況及び交通便否等にかんがみまして、伊勢崎簡易裁判所管内の群馬県新田郡世良田村及び綿打村を太田簡易裁判所管轄に移し、岩川簡易裁判所管内鹿兒島県囎唹郡財部町を加治木簡易裁判所管轄に移し、大口簡易裁判所管内鹿兒島県姶良郡横川町及び牧園町を加治木簡易裁判所管轄に移し、築館簡易裁判所管内の宮城県登米郡石越村を登米簡易裁判所管轄に移そうとするものであります。  以上の簡易裁判所所在地変更及び管轄区域是正につきましては、いずれも地元市町村及び関係官公署並びに地元弁護士会意向等を十分参酌して、最高裁判所とも協議の上決定しだものであります。  第四点は市町村その他の行政区画変更のあつたことに伴うこの法律別表の訂正であります。  すなわち、従前の市、町、村が合併または分離して新たに市、町、村ができ、また市町村の一部が他の市町村に編入される等裁判所管轄区域の基準となつ行政区画変更のあつたもの等につきましてこの法律別表記載を訂正しようとするものであります。  以上まことに簡單ではありますが、この法律案要点について御説明申し上げました。何とぞよろしくお願いいたします。  次に不動産登記法等の一部を改正する法律案につきまして、提案理由を御説明申し上げます。  不動産登記制度が権利の保護と取引の安全をはかる上にきわめて重要な機能を営んでおりますことは申すまでもないところでありますが、登記手続につきましては、なお改善を要する点が少くないのでありまして、そのためにはまず登記簿様式及び調製方法を改める必要があるのであります。すなわち現在の登記簿用紙加除ができないことになつております関係上、一個の不動産に関する登記が数冊の登記簿にわたつてなされる等登記手続が複雑となり、登記簿の閲覧や事務の取扱いに多大の不便がありますとともに、他方において、各不動産登記事項関係なく常に一定の用紙を編綴することになるため、現に使用中の登記簿には全然記載のない用紙が約三割にも達している状況であります。従つてこれらの不振を除き、用紙の節約をはかるためには、登記簿バインダー式帳簿となし、必要に応じて用紙加除ができますように登記簿様式及び調製方法を改めると同時に、これに即応して登記手続を簡略化する必要があるのであります。この法律案は右に申し上げました措置を講ずることを主眼といたしまして、不動産登記法改正するとともに、これに関連して工場抵当法及び立木に関する法律中、登記手続に関する規定所要改正を加えようとするものであります。  以下この法律案要点を申し上げます。  まず不動産登記法改正におきましては、右に申し述べました登記簿バインダー式帳簿となし、必要に応じて用紙加除を行うことといたします趣旨のもとに、登記簿調製登記番号登記用紙の閉鎖、共同人名簿登記用紙継続等に関する規定を改廃整備いたしました。なお不動産表示変更登記申請手続を簡易化するため、同法第八十一條等規定所要改正を加えることといたしております。  次に工場抵当法及び立木に関する法律改正におきましては、登記関係のある二、三の規定につき不動産登記法と同趣旨改正を行うことといたしておりますほか、立木に関する法律所有権保存登記申請に関する規定に不備がありますので、その整備をも行うことといたしております。  以上この法律案につきまして概要も御説明申し上げました。何とぞ愼重御審議の上、御可決あらんことをお願いいたします。  次に非訟事件手続法の一部を改正する法律案につきまして、提案理由を御説明申し上げます。  昨年五月商法の一部を改正する法律が制定公布されまして、同法は本年七月一日から施行することと相なつて去りますが、さらにこれに伴つて有限会社法の一部も改正されることとなつております。これらの法律改正は、商事訟事件及び商業登記に関する手続にも影響する点が相当ありますので、その施行のためには、これに対応して、非訟事件手続法中の商事訟事件及び商業登記手続に関する規定にも改正を加える必要があるわけであります。この法律案はもつぱら右趣旨において非訟事件手続法の一部を改正しようとするものであります。  以下この法律案要点を申し上げます。  まず商法株式会社設立に関する規定改正に伴い、その設立登記に関する規定につき、所要改正を加えております。第百八十七條改正がそれであります。  第二に、商法株式会社資本増加に関する規定が廃止され、これにかわりまして新株発行に関する規定が新設されましたので、これに伴い資本増加に関連する事件及びその登記に関する規定を削り、これにかえて新株発行に関連する事件及び登記に関して所要規定を設けました。第百二十九條、第百二十九條の三、第百三十二條の二、第百三十三條の二、第百八十九條等改正がそれであります。  第三に、株式合資会社制度が廃止されましたので、株式合資会社に関する規定を削除しました。第百三十五條の九、第百三十六條、第百三十七條の二の規定及び第七節の改正がそれであります。  第四に、商法外国会社に関する規定改正に伴い、外国会社に関連ある事件及び登記に関する規定につき所要改正を加えました。第百二十六條、第百三十五條の九、第二百二條から第二百五條までの改正がそれであります。  第五に、商法会社解散命令に関する規定改正に伴いこれに関連する規定所要改正が加えてあります。第二十六條、第百三十四條から第百三十五條の五までの改正がそれであります。  その他商法及び有限会社法改正並びに以上の改正に関連しまして文字の整理その他の整備をいたしております。  以上、この法律案につきまして、概要を御説明いたしました。何とぞ慎重御審議をお願いいたす次第でございます。
  10. 安部俊吾

    安部委員長 以上をもちまして各案の提案理由説明は終りました。質疑は次会に譲ります。  暫時休憩いたします。     午後二時三十四分休憩      ————◇—————     午後三時二十八分開議
  11. 安部俊吾

    安部委員長 休憩前に引続き会議を開きます。  本日はこの程度で散会いたしまして、次会は明日午前十一時より開会いたします。     午後三時二十九分散会