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1951-06-01 第10回国会 衆議院 文部委員会 第31号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十六年六月一日(金曜日)     午前十一時十三分開議  出席委員    委員長 長野 長廣君    理事 岡延右エ門君 理事 佐藤 重遠君    理事 若林 義孝君 理事 小林 信一君       甲木  保君    鹿野 彦吉君       圓谷 光衞君    平島 良一君       笹森 順造君    坂本 泰良君       渡部 義通君    小林  進君       浦口 鉄男君  出席国務大臣         文 部 大 臣 天野 貞祐君  出席政府委員         文部政務次官  水谷  昇君         文部事務官         (大臣官房会計         課長事務代理) 相良 惟一君         文部事務官         (大学学術局         長)      稻田 清助君  委員外出席者        專  門  員 横田重左衞門君         專  門  員 石井  勗君     ————————————— 本日の会議に付した事件  委員派遣に関する件  文部行政に関する件   請願  一 千葉大学工芸学部工学部改組反対に関    する請願玉置實紹介)(第一六号)  二 金沢大学夜間短期大学設置請願坂田    英一君外四名紹介)(第一七号)  三 教職員結核対策強化に関する請願福田    昌子紹介)(第一八号)  四 同(小坂善太郎紹介)(第一九号)  五 同(田中重彌君紹介)(第一〇一号)  六 教育公務員子弟育英資金優先貸與に関    する請願庄司一郎紹介)(第二〇号)  七 教員住宅建築費国庫補助に関する請願(庄    司一郎紹介)(第二一号)  八 六・三制校舎建築費国庫補助継続等に関す    る請願志田義信紹介)(第二二号)  九 大和小学校雨天体操場改築費国庫補助の請    願(稻田直道紹介)(第二三号) 一〇 通信教育費国庫補助に関する請願若林義    孝君紹介)(第二四号) 一一 教育財政確立に関する請願亘四郎君紹    介)(第二五号) 一二 同外(赤松勇紹介)(第二六号) 一三 同(八百板正紹介)(第二七号) 一四 同外二件(鈴木義男君外一名紹介)(第二    八号) 一五 同外七件(松井政吉紹介)(第二九号) 一六 同外一件(川島金次紹介)(第三〇号) 一七 同外十五件(橋本登美三郎紹介)(第三    一号) 一八 同(川端佳夫紹介)(第三二号) 一九 同(小松勇次君外一名紹介)(第一一八    号) 二〇 同外十八件(佐竹晴記君外一名紹介)(第    一四〇号) 二一 教育予算増額請願外十四件(船越弘君外    二名紹介)(第三三号) 二二 同外八件(佐竹新市紹介)(第三四号) 二三 高知県下公立高等学校教育費増額に関す    る請願長野長廣紹介)(第一〇二号) 二四 教育財政確立に関する請願外一三件(牧野    寛索紹介)(第一四一号) 二五 同(苫米地義三紹介)(第一四二号) 二六 同外十五件(圖司安正紹介)(第一四三    号) 二七 同外十件(池田正之輔君紹介)(第一四四    号) 二八 同外八件(上林與市郎紹介)(第一四五    号) 二九 同(山崎岩男紹介)(第一四六号) 三〇 同外二件(井出一太郎紹介)(第一四七    号) 三一 同(亘四郎君外八名紹介)(第一四八号) 三二 同外七件(玉井裕吉紹介)(第一四九    号) 三三 同(岡良一紹介)(第一五〇号) 三四 同外三十二件(坪川信三紹介)(第一五    一号) 三五 同外二件(足鹿覺紹介)(第一五二号) 三六 同外十八件(佐竹晴記紹介)(第一五三    号) 三七 同外六件(床次徳二紹介)(第一五四    号) 三八 同外九件(大野伴睦紹介)(第一五五    号) 三九 同(小松勇次紹介)(第一五六号) 四〇 同外七件(柳原三郎紹介)(第一五七    号) 四一 同外十一件(平野三郎紹介)(第一五八    号) 四二 同外十一件(加藤鐐造君紹介)(第一五九    号) 四三 同外一件(田中織之進君紹介)(第一六〇    号) 四四 同(受田新吉紹介)(第一六一号) 四五 同(志賀健次郎紹介)(第一六二号) 四六 同(山本利壽紹介)(第一六三号) 四七 同(山崎猛君外七名紹介)(第二一九号) 四八 同外八件(松井政吉紹介)(第二二〇    号) 四九 同外四件(坪川信三紹介)(第二二一    号) 五〇 若狭高等学校水産科水産高等学校に独立    の請願奧村又十郎紹介)(第一七三    号) 五一 国民平和運動展開に関する請願石野久男    君紹介)(第二一七号) 五二 教職員結核対策強化に関する請願(中原    健次君紹介)(第二一八号) 五三 同(井出一太郎紹介)(第二五五号) 五四 職業教育法制定に関する請願外一件(武藤    嘉一紹介)(第二六一号) 五五 職業教育法制定に関する請願神田博君紹    介)(第二七一号) 五六 同(遠藤三郎紹介)(第三二一号) 五七 新日本精神普及徹底に関する請願内海安    吉君紹介)(第二八一号) 五八 平和擁護に関する請願淺沼稻次郎君紹    介)(第二八二号) 五九 六・三制校舎建築費国庫補助継続等に関す    る請願柄澤登志子紹介)(第二九四    号) 六〇 学校給食法制定に関する請願若林義孝君    紹介)(第三二二号) 六一 同(中馬辰猪紹介)(第三七一号) 六二 新暦法制定請願早稻田柳右エ門君紹    介)(第三五三号) 六三 教育財政確立に関する請願外一件(小松勇    次君紹介)(第三八九号) 六四 標準義務教育費法制定に関する請願松井    政吉紹介)(第三九〇号) 六五 九州大学医学部附属病院看護婦増員に関    する請願福田昌子紹介)(第四二二    号) 六六 職業教育法制定に関する請願    外三十三件(田中重彌君紹介)(第四二三    号) 六七 同外八件(吉川久衛紹介)(第四八〇    号) 六八 同外七件(小坂善太郎紹介)(第四八一    号) 六九 同(大石ヨシエ紹介)(第四八二号) 七〇 平島中学校舎建築費国庫補助に関する請    願(坪内八郎紹介)(第四二四号) 七一 学校給食法制定に関する請願坂田道太君    紹介)(第四二五号) 七二 同(小川原政信紹介)(第四七八号) 七三 六・三制整備に関する国庫補助並びに起債    等に関する請願南好雄紹介)(第四七    九号) 七四 支那学振興に関する請願庄司一郎君紹    介)(第四八三号) 七五 幼稚園国費設置に関する請願平野三郎    君紹介)(第五二四号) 七六 職業教育法制定に関する請願外十九件(田    中重彌君紹介)(第五六八号) 七七 同外七十件(降旗徳弥紹介)(第五六九    号) 七八 同(小林進紹介)(第六一七号) 七九 同(水野彦治郎紹介)(第六一八号) 八〇 同(池見茂隆紹介)(第六一九号) 八一 紀元節復活制定請願宮原幸三郎君紹    介)(第五七〇号) 八二 都道府県国立大学幼稚園教諭及び保育所    保母の養成機関設置請願辻寛一君紹    介)(第五七一号) 八三 義務教育費全額国庫負担に関する請願(星    島二郎君外五名紹介)(第六一六号) 八四 教職員結核対策強化に関する請願(柳澤    義男紹介)(第六二七号) 八五 職業教育法制定に関する請願外十一件(井    出一太郎紹介)(第六六四号) 八六 同外九件(井出一太郎紹介)(第七〇五    号) 八七 同(勝間田清一紹介)(第七三八号) 八八 同外九件(吉川久衛紹介)(第七三九    号) 八九 同(小松勇次紹介)(第七六六号) 九〇 同(堀川恭平紹介)(第七六七号) 九一 図書館法の一部改正に関する請願(花村四    郎君紹介)(第七〇四号) 九二 公民館に対する国庫補助増額請願足鹿    畳君紹介)(第七三〇号) 九三 六・三制校舎建築費国庫補助継続等に関す    る請願足鹿覺紹介)(第七三六号) 九四 同(坂田道太紹介)(第七三七号) 九五 新制大学教育部学生に対する奨学資金国庫    補助請願坂田道太紹介)(第七四〇    号) 九六 国立大学施設費国庫負担請願坂田道太    君紹介)(第七四一号) 九七 教員免許法認定講習費全額国庫負担請願    (坂田道太紹介)(第七四二号) 九八 嚴島神社修理費国庫補助請願岡延右工    門君外五名紹介)(第七九五号) 九九 教育行政に関する請願渡部義通紹介)    (第七九六号) 一〇〇 職業教育法制定に関する請願外九件(井    出一太郎紹介)(第七九七号) 一〇一 同(砂間一良君外一名紹介)(第八三二    号) 一〇二 同(竹山祐太郎紹介)(第八五二号) 一〇三 同外八件(井出一太郎紹介)(第九〇    〇号) 一〇四 松本城保存工事費国庫補助増額請願(    降旗徳弥君外七名紹介)(第八三三号) 一〇五 高等学校書道教員養成機関拡充強化に関    する請願早稻田柳右エ門紹介)(第八    七〇号) 一〇六 教育財政確立に関する請願羽田野次郎    君紹介)(第八七一号) 一〇七 六・三制校舎建築費国庫補助継続等に関    する請願野村專太郎紹介)(第九〇一    号) 一〇八 公民館專任職員費国庫負担に関する請    願(上林與市郎紹介)(第九二三号) 一〇九 六・三制校舎建築費国庫補助増額請願    (上林與市郎紹介)(第九三四号) 一一〇 在日朝鮮学生育英資金與等に関する    請願渡部義通紹介)(第九三六号) 一一一 職業教育法制定に関する請願高橋等君    紹介)(第九五一号) 一一二 博物館法制定に関する請願若林義孝君    外二名紹介)(第九八〇号) 一一三 奈良文化財研究所設置に関する請願(長    野長廣紹介)(第九八一号) 一一四 教職員結核対策強化に関する請願(多    田勇紹介)(第一〇〇八号) 一一五 学校給食法制定に関する請願庄司一郎    君紹介)(第一〇七六号) 一一六 同(塩田賀四郎紹介)(第一一〇号) 一一七 ニュース映画教育映画助成に関する請    願(佐々木更三君紹介)(第一一〇九号) 一一八 北海道学芸大学拡充請願伊藤郷一君    外五名紹介)(第一一一一号) 一一九 九州大学放射線従業員待遇改善に関する    請願福田昌子紹介)(第一二三五号) 一二〇 大垣市立興文中学校校舎建築促進に関す    る請願大野伴睦紹介)(第一一三七    号) 一二一 私立学校共済組合設立に関する請願(松    本七郎紹介)(第一一三八号) 一二二 指導教諭設置に関する請願東井三代次    君紹介)(第一一七四号) 一二三 職業教育法制定に関する請願外二十件(    井出一太郎紹介)(第一一七五号) 一二四 同外十三件(小川平二紹介)(第一二    一九号) 一二五 育英資金運営に関する請願庄司一郎君    紹介)(第一一七六号) 一二六 産業教育法案中に家庭科加入に関する請    願(若林義孝紹介)(第一二〇一号) 一二七 学校教育法等の一部改正に関する請願(    長野長廣紹介)(第一二一八号) 一二八 国民プール建設用地決定に関する請願(    野村專太郎紹介)(第一二二〇号) 一二九 国章制定に関する請願堤ツルヨ君紹    介)(第一二七八号) 一三〇 教職員結核対策強化に関する請願(武    藤嘉一紹介)(第一三三九号) 一三一 同(松本七郎紹介)(第一四一〇号) 一三二 産業教育法案中に家庭科加入に関する請    願(塩田賀四郎紹介)(第一三八一号) 一三三 同(勝間田清一紹介)(第一四一一    号) 一三四 教育財政確立に関する請願永田節君紹    介)(第一四一二号) 一三五 同(村上勇紹介)(第一四一三号) 一三六 学校給食法制定に関する請願松本一郎    君外一名紹介)(第一四八四号) 一三七 五大市における府県立高等学校移管に関    する請願三浦寅之助紹介)(第一四八    五号) 一三八 教職員結核対策強化に関する請願(苅    田アサノ紹介)(第一四八六号) 一三九 同(清藤唯七紹介)(第一五四〇号) 一四〇 同(竹山祐太郎紹介)(第一四八七    号) 一四一 同(小松勇次紹介)(第一四八八号) 一四二 九州大学放射線従業員待遇改善に関する    請願柳原三郎紹介)(第一五四一号)一四三 本興寺宝物館建設費国庫補助に関する請    願(長野長廣紹介)(第一五六七号) 一四四 同(中村幸八君紹介)(第一五九七号) 一四五 海技專門学院新制神戸商船大学昇格に    関する請願首藤新八君外三名紹介)(第    一五九八号) 一四六 精神修養日制定に関する請願關谷勝利    君紹介)(第一五九九号) 一四七 教職員結核対策強化に関する請願(小    林運美紹介)(第一六〇〇号) 一四八 同(苫米地義三紹介)(第一六〇一    号) 一四九 同(井出一太郎紹介)(第一六四七    号) 一五〇 大船大洞窟を文化財保護法による史跡名    勝天然記念物指定請願佐藤重遠君外    一名紹介)(第一六五九号) 一五一 産業教育法案中に家庭科加入に関する請    願(若林義孝紹介)(第一六八〇号) 一五二 教職員結核対策強化に関する請願(山    崎岩男紹介)(第一七〇五号) 一五三 学校給食無料実施に関する請願苅田ア    サノ君外一名紹介)(第一七四一号) 一五四 職業教育法制定に関する請願外九件(田    中重彌君紹介)(第一七五三号) 一五五 青年師範学校卒業生等教員免許に関す    る請願山口好一紹介)(第一七六四    号) 一五六 産業教育法制定に関する請願圖司安正    君紹介)(第一七八七号) 一五七 盲、ろう及び養護学校教員免許に関す    る請願小林進紹介)(第一七八八号) 一五八 学校における宗教知識教育に関する請    願(東井三代次君外二名紹介)(第一八五    五号) 一五九 海技専門学院新制神戸商船大学昇格に    関する請願首藤新八紹介)(第一八五    六号) 一六〇 学校教育法及び私立学校法の一部改正に    関する請願福井勇紹介)(第一九二〇    号) 一六一 精神修養日制定に関する請願松永佛骨    君紹介)(第一九四一号) 一六二 共立薬科大学学生寄宿舎建設に関する請    願(長野長廣紹介)(第一九四二号) 一六三 教職員結核対策強化に関する請願(吉    川久衛紹介)(第一九六〇号) 一六四 大豊中学校災害復旧費国庫補助請願(    圖司安正紹介)(第一九六一号) 一六五 天台寺文化財防災施設費国庫補助請願    (小澤佐重喜紹介)(第一九八七号) 一六六 社会教育費国庫補助に関する請願(圖司    安正君紹介)(第二〇九二号) 一六七 六・三制教育施設整備に関する請願(若    林義孝紹介)(第二〇九四号) 一六八 国旗祝日設定に関する請願天野公義    君紹介)(第二〇九五号) 一六九 盲人用学用品購入費国庫補助等に関す    る請願甲木保紹介)(第二一八七号) 一七〇 教職員結核対策強化に関する請願(今    野武雄紹介)(第二一八八号) 一七一 小学児童完全給食実施に伴う施設費国庫    補助等に関する請願平野三郎紹介)(    第二一八九号) 一七二 南部小学校雨天体操場新築費国庫補助の    請願長野長廣紹介)(第二二三五号) 一七三 麻布山善福寺史跡指定請願(井手    光治君紹介)(第二二三六号) 一七四 国旗祝日並びに国旗憲章制定に関する    請願村瀬宣親紹介)(第二三一七号) 一七五 幼稚園国費設置に関する請願堤ツル    ヨ君紹介)(第二三一八号) 一七六 教職員結核対策強化に関する請願(岡    良一君外一名紹介)(第二三五六号) 一七七 伊豫田與八郎及び西澤眞藏両氏の事績を    教科書教材として採用の請願千賀康治君    紹介)(第二三五七号) 一七八 教育公務員特例法の一部改正に関する請    願外十二件(坂本泰良紹介)(第二三五    八号)     —————————————
  2. 長野長廣

    長野委員長 これより会議を開きます。  前会協議決定いたしました閉会中の審査申出の件に関して、委員を派遣して国政調査をいたす必要が生じて来ると存じますので、委員派遣に関しては委員長に御一任願いたいと存じます。御異議なければさように決したいと思いますが、いかがでございましようか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  3. 長野長廣

    長野委員長 さよう決することにいたします。     〔委員長退席、岡(延)委員長代理著席〕     —————————————
  4. 岡延右エ門

    ○岡(延)委員長代理 これより請願日程議題といたします。日程第三、第四、第五、第五二、第五三、第八四、第二四、第一三〇、第一三一、第一三八、第一三九、第一四〇、第一四一、第一四七、第一四八、第一四九、第一五二、第一六三、第一七〇、第一七六の各請願は、いずれも教職員結核対策強化に関する請願でありますので、一括して議題といたします。  以上は、採択の上内閣に送付すべきものと決するに御異議ございませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  5. 岡延右エ門

    ○岡(延)委員長代理 さよう決しました。     —————————————
  6. 岡延右エ門

    ○岡(延)委員長代理 日程第八、第五九、第七三、第九三、第九四、第一〇七、第一〇九、第二八七、以上の各請願は、いずれも六・三制校舎建築費国庫補助継続に関する請願でありますので、一括して議題といたします。
  7. 小林信一

    小林(信)委員 この問題は、政府当局におきましても継続するということは言明されております。また目下の状況からいたしましても、継続さるべきものでありますので、これは採択していただきたいと思います。
  8. 岡延右エ門

    ○岡(延)委員長代理 以上、採択の上、内閣に送付すべきものと決するに御異議ございませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  9. 岡延右エ門

    ○岡(延)委員長代理 さように決しました。     —————————————
  10. 岡延右エ門

    ○岡(延)委員長代理 日程第一一ないし第二〇、第二四ないし第四九、第六三、第一〇六、第一三四、第一三五の各請願は、いずれも教育財政確立に関する請願でありますので、一括して議題といたします。
  11. 小林信一

    小林(信)委員 教育財政確立の問題は、教育委員会運営から行きましても必要でありますし、また現在の地方教育に対する財政の問題ばかりではなくして、一般的な地方財政の見地からしましても、教育財政確立をはかつていただいて、十分な、安全な教育費運営をはかつていただかなければはらない点からいたしまして、ぜひともこれは採択していただきたいと思います。
  12. 岡延右エ門

    ○岡(延)委員長代理 以上、採択の上内閣に送付すべきものと決するに御異議ございませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  13. 岡延右エ門

    ○岡(延)委員長代理 さよう決しました。     —————————————
  14. 岡延右エ門

    ○岡(延)委員長代理 日程第五四ないし第五六、第六六ないし第六九、第七六ないし第八〇、第八五ないし第九〇、第一〇〇ないし第一〇三、第一一一、第一二三、第一二四、第一五四、第一五六、以上は、いずれも職業教育法制定に関する請願でありますので、一括して議題といたします。以上は産業教育法としてすでに衆議院を通過いたしておりますし、また本日ないし明日の間に、参議院も通過する見込みと相なつておりますので、この趣旨はごもつともでありますが、特にここに採択する必要はないかと存じますが、その通りはからつてよろしゆうございますか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  15. 岡延右エ門

    ○岡(延)委員長代理 ではさように決しました。     —————————————
  16. 岡延右エ門

    ○岡(延)委員長代理 日程第六〇、第六一、第七一、第七二、第一一五、第一一六、第一三六、以上の各請願は、いずれも学校給食法制定に関する請願でありますので、一括して議題といたします。     〔「採択」と呼ぶ者あり〕
  17. 岡延右エ門

    ○岡(延)委員長代理 以上採択の上、内閣に送付すべきものと決するに御異議ございませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  18. 岡延右エ門

    ○岡(延)委員長代理 それではさように決しました。     —————————————
  19. 岡延右エ門

    ○岡(延)委員長代理 日程第一二六、第一三二、第一五一、以上は、いずれも産業教育法案中に家庭科加入に関する請願でありますので、一括して議題といたします。     〔「採択」と呼ぶ者あり〕
  20. 岡延右エ門

    ○岡(延)委員長代理 以上採択の上、内閣に送付すべきものと決するに御異議ございませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  21. 岡延右エ門

    ○岡(延)委員長代理 御異議がないようでありますから、さように決しました。     —————————————
  22. 岡延右エ門

    ○岡(延)委員長代理 日程第一、千葉大学工芸学部工学部改組反対に関する請願。  以上採択に御異議ございませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  23. 岡延右エ門

    ○岡(延)委員長代理 では採択するに決しました。     —————————————
  24. 岡延右エ門

    ○岡(延)委員長代理 日程第二、金沢大学夜間短期大学設置請願議題といたします。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  25. 岡延右エ門

    ○岡(延)委員長代理 御異議がないようでありますから、採択に決しました。     —————————————
  26. 岡延右エ門

    ○岡(延)委員長代理 日程第六、教育公務員子弟育英資金優先貸與に関する請願
  27. 小林信一

    小林(信)委員 ただいまの請願に対しましては、議員もいろいろの種類がございますので、ただ教育公務員のみに一つの優先的な特例を設けるということは、またほかの部門からいろいろの意見やら同じような要求が出る懸念もありますので、この問題は当委員会としては相当愼重に考慮の上結論を出さなければならないと思いますので、私の賛否はしばらくの間留保いたします。
  28. 小林信一

    小林(信)委員 ただいまの問題は、教育者であるがゆえに、その子弟特別教育に関しての補助を與えてほしいというふうに考えますと問題になりますが、本委員会におきましても、文部大臣一般公務員のうちで、教育公務員に対しては、その待遇を特別に考慮する必要がないという委員からの質問があつたのに対しまして、文部大臣は直接人事院に行かれまして、人事院総裁にその特別な優遇措置を申請したという答弁もあつたほど、教育者に対する優遇の道というものは、これが単に教育的な地位にあるからというのではなくて、教育の仕事に携わる者には、いろいろな点からして優遇しなければならない現実の問題があると思うのであります。そういう意味で、教育公務員は、他の公務員と同じ待遇を受けただけでは、その生活を維持することが、他と比較して平等の地位にないというふうな観点から、とかくその子弟等が、一般公務員よりも恵まれない境遇に置かれることがあるのであります。従いまして、請願者の意図というものは、単に教育子弟というふうなことではなくして、とかく教育者子弟は恵まれない立場に置かれるからの要望だと思うので、これは育英資金を優先的にというのではなく、教育者優遇の道を講じてやるということから、これを採択するのが至当だと考えて、これを採択するに賛成するものであります。
  29. 岡延右エ門

    ○岡(延)委員長代理 この請願に関する文部当局答弁は、一律一体ということでなく、家庭状況を調査した上でという非常に妥当な答弁が與えられておるようでありますから、これは採択いたしたいと思いますが、御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  30. 岡延右エ門

    ○岡(延)委員長代理 採択に決しました。     —————————————
  31. 岡延右エ門

    ○岡(延)委員長代理 日程第七、教員住宅建築費国庫補助に関する請願は、採択するに御異議ございませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  32. 岡延右エ門

    ○岡(延)委員長代理 採択に決しました。     —————————————
  33. 岡延右エ門

  34. 小林進

    小林(進)委員 この雨天体操場の問題は、特に東北、北陸目下北海道のごとき、一年の半分以上を雪や雨でおおわれておる地方におきましては、雨天体操場というものは、教室と同等、より以上に必要な条件でありまして、今六・三制の教育補助費その他が、教室にのみ重点が置かれて、雨天体操場に何らの補助金及び起債の方法も認められていないということは、学校教育上、非常に重大な支障を来しておりますので、この請願は特に可及的すみやかに実施せられるよう御努力を願いたい。よつて特に賛成の意を表明するものであります。     〔「賛成」と呼ぶ者あり〕
  35. 岡延右エ門

    ○岡(延)委員長代理 それでは日程第九は採択に決しました。     —————————————
  36. 岡延右エ門

    ○岡(延)委員長代理 日程第一〇、通信教育費国庫補助に関する請願。  採択するに御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  37. 岡延右エ門

    ○岡(延)委員長代理 採択に決しました。     —————————————
  38. 岡延右エ門

    ○岡(延)委員長代理 日程第二三、高知県下公立高等学校教育費増額に関する請願。  この問題に関する文部当局答弁は、平衡交付金のうちに特別交付金というものがあるそうでありまして、この特別交付金のうちから、何とか配慮をしようという答弁があつたそうでありますから、採択してしかるべきものだと思いますが、御異議ございませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  39. 岡延右エ門

    ○岡(延)委員長代理 御異議ないようでありますから採択に決しました。     —————————————
  40. 岡延右エ門

    ○岡(延)委員長代理 日程第五〇、若松高等学校水産科を水産高等学校に独工の請願
  41. 若林義孝

    若林委員 私は特にこれは採択せられんことを強調いたします。     〔「賛成」と呼ぶ者あり〕
  42. 岡延右エ門

    ○岡(延)委員長代理 御異議ないようでありますから、採択に決しました。     —————————————
  43. 岡延右エ門

    ○岡(延)委員長代理 日程第五一、国民平和運動展開に関する請願
  44. 渡部義通

    渡部委員 これはひとり文部委員会だけではないけれども、ことに文部委員会として、平和運動を全国的に展開することは、政治的な立場のいかんにかかわらず、ぜひとも必要たことであるから、これは採択すべきだと思います。
  45. 岡延右エ門

    ○岡(延)委員長代理 この紹介議員である石野久男君は、御承知の通り、労農党でございます。その請願理由はこうであります。「私どもはポツダム宣言と憲法に基いて戦争を放棄したはずであるのに、日本国内に軍需工場ができ、軍事基地化しようとしています。」こういつた書き出しからして、明らかに含みがある。これは各党とも協力できない問題である。
  46. 渡部義通

    渡部委員 しかし、ポツダム宣言においても、憲法においても、戦争放棄ということが明らかにうたわれておるのであつて、同時に軍事基地ができておることも事実である。しかしそういう事のいかんにかかわらず、今日は平和を必要とするという意味からいつて、党派のいかんを越えて採択すべきものだと私は思います。
  47. 若林義孝

    若林委員 趣旨においては、非常にいいのでありますが、他に国民運動云云の請願あるいは国旗祝日設定請願であるとか、あるいは精神修養日制定に関する請願であるとかいうのがありまして、もしこれを採択いたしますと、これらも採択しなければならぬことになるわけであります。文部当局並びに私たち委員の心持においては、かくのごとき運動は、その事の性質のいかんを問わず、政府が指導的にこの運動を展開するということは、かつての大政翼賛会運動と同じようなことになるきらいがあるのでありますから、事の善悪を問わず、かくのごとき運動は政府が音頭をとるべきにあらず、指導すべきにあらず、国民の心の中からひとりでにわき出ずることにまつべきである。こういう意味におきまして、この請願採択をしない方がいいと私は考えております。
  48. 岡延右エ門

    ○岡(延)委員長代理 なお参考のため——この請願理由にこういうことが書いてある。「一、原子爆弾を全面的に禁止すること。二、私たちの夫や息子を職場におくらない。日本人部隊を使用するな。三、日本人の生活を破壊している物価値上げ、重税取立て軍需品製造、失業、その他一切の戦時体制をやめること。四、朝鮮にいる朝鮮以外の軍隊はただちに引揚げること。」——含みがないことはございません。こういつたようなことであります。
  49. 渡部義通

    渡部委員 それなら、私は反対する議員に聞きますが、今あげた条項のうち、どれに不服があるのですか。
  50. 若林義孝

    若林委員 私は事のよしあしのいかんを問わず、ということを言うておるのであります。だから、ここにありますような、ほかの請願についても採択すべきでない。国民のうちから起つて来る運動にまつべきであつて、また起つて来たものを弾圧すべきでもない。政府が音頭をとるということについては、私は渡部委員のごときは真向から反対をする委員の一だろうと思う。しかるに、このことに限つて採択に力を入れられる理由がわからぬ。大政翼賛会運動が起つたときも、一言一句も悪いことは言わなかつたが、結果においてはあの通りである。この平和運動においても、当事者自身の心持からいつたら、違つたものが入つているのである。だから、事のよしあしのいかんを問わず、たとえばここにも国旗憲章云云という請願も出ておりますが、かようなものは、国民の自発的の運動にまつべきであつて、政府が采配を振うべきでないという考えを持つておりますから、事のよしあしのいかんを問わず、事の性質上民主主義的にすべてを律して行こうとする渡部委員も、私の考えには同調すべきものであると思う。このことに限つて賛意を表せられるということに対して私はその真意を疑うのであります。
  51. 渡部義通

    渡部委員 若林さんは二つの点で間違つている。第一は、これは国家に対する請願であつて、国会がこういう民意があるということを確認して行くということは当然のことである。その点で第一に間違いがある。第二には、その内容にいけない点がなかつたならば、これは当然国会としては取上げてやるべきであるという点です。この二つの点で、やはり採択さるべきものだと私は考える。
  52. 岡延右エ門

    ○岡(延)委員長代理 際限がありませんから、この際決定したいと思います。  請願日程五一は、留保するに御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  53. 岡延右エ門

    ○岡(延)委員長代理 それでは留保することに決しました。     —————————————
  54. 岡延右エ門

    ○岡(延)委員長代理 日程第五七、新日本精神普及徹底に関する請願。     〔「保留」と呼ぶ者あり〕
  55. 岡延右エ門

    ○岡(延)委員長代理 それでは留保することに御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  56. 岡延右エ門

    ○岡(延)委員長代理 御異議なしと認めます。さよう決しました。     —————————————
  57. 岡延右エ門

    ○岡(延)委員長代理 日程第五八、平和擁護に関する請願。     〔「保留」と呼ぶ者あり〕
  58. 岡延右エ門

    ○岡(延)委員長代理 それでは日程第五八は保留に決しました。     —————————————
  59. 岡延右エ門

    ○岡(延)委員長代理 日程第六二、新暦法制定請願。  これは留保に決定するに御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  60. 岡延右エ門

    ○岡(延)委員長代理 留保いたします。     —————————————
  61. 岡延右エ門

    ○岡(延)委員長代理 日程第六五、九州大学医学部附属病院看護婦増員に関する請願。     〔「採択」と呼ぶ者あり〕
  62. 岡延右エ門

    ○岡(延)委員長代理 それでは採択に決します。     —————————————
  63. 岡延右エ門

    ○岡(延)委員長代理 日程第七〇、平島中学校舎建築費国庫補助に関する請願。     〔「採択」と呼ぶ者あり〕
  64. 岡延右エ門

    ○岡(延)委員長代理 採択に決します。     —————————————
  65. 岡延右エ門

    ○岡(延)委員長代理 日程第七四、支那学振興に関する請願。     〔「採択」と呼ぶ者あり〕
  66. 岡延右エ門

    ○岡(延)委員長代理 採択に決します。     —————————————
  67. 岡延右エ門

    ○岡(延)委員長代理 日程第七五、幼稚園国費設置に関する請願。     〔「採択」と呼ぶ者あり〕
  68. 岡延右エ門

    ○岡(延)委員長代理 採択と決します。     —————————————
  69. 岡延右エ門

    ○岡(延)委員長代理 日程第八一、紀元節復活制定請願。  これは後日あらためて検討することとして、留保に御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  70. 岡延右エ門

    ○岡(延)委員長代理 留保に決します。     —————————————
  71. 岡延右エ門

    ○岡(延)委員長代理 日程第八二、都道府県国立大学幼稚園教諭及び保育所保母の養成機関設置請願。     〔「採択」と呼ぶ者あり〕
  72. 岡延右エ門

    ○岡(延)委員長代理 採択に決します。     —————————————
  73. 岡延右エ門

    ○岡(延)委員長代理 日程第九一、図書館法の一部改正に関する請願。     〔「採択」と呼ぶ者あり〕
  74. 岡延右エ門

    ○岡(延)委員長代理 それでは採択に決します。     —————————————
  75. 岡延右エ門

    ○岡(延)委員長代理 日程第九二、公民館に対する国庫補助増額請願。     〔「採択」と呼ぶ者あり〕
  76. 岡延右エ門

    ○岡(延)委員長代理 それでは採択に決します。     —————————————
  77. 岡延右エ門

    ○岡(延)委員長代理 日程第九五、新制大学教育部学生に対する奨学資金国津補助請願。     〔「採択」と呼ぶ者あり〕
  78. 岡延右エ門

    ○岡(延)委員長代理 採択と決します。     —————————————
  79. 岡延右エ門

    ○岡(延)委員長代理 日程第九六、国立大学施設費国庫負担請願。     〔「採択」と呼ぶ者あり〕
  80. 岡延右エ門

    ○岡(延)委員長代理 採択に決します。     —————————————
  81. 岡延右エ門

    ○岡(延)委員長代理 日程第九七、教員免許法認定講習費全額国庫負担請願。     〔「採択」と呼ぶ者あり〕
  82. 岡延右エ門

    ○岡(延)委員長代理 採択に決します。     —————————————
  83. 岡延右エ門

    ○岡(延)委員長代理 日程第九八、嚴島神社修理費国庫補助請願。     〔「採択」と呼ぶ者あり〕
  84. 岡延右エ門

    ○岡(延)委員長代理 採択に決します。     —————————————
  85. 岡延右エ門

    ○岡(延)委員長代理 日程第九九、教育行政に関する請願。     〔「留保」と呼ぶ者あり〕
  86. 岡延右エ門

    ○岡(延)委員長代理 それでは留保に 決します。     —————————————
  87. 岡延右エ門

    ○岡(延)委員長代理 日程第一〇四、松本城保存工事費国庫補助増額請願。     〔「採択」と呼ぶ者あり〕
  88. 岡延右エ門

    ○岡(延)委員長代理 採択に決します。     —————————————
  89. 岡延右エ門

    ○岡(延)委員長代理 日程第一〇五、高等学校書道教員養成機関拡充強化に関する請願。     〔「採択」と呼ぶ者あり〕
  90. 岡延右エ門

    ○岡(延)委員長代理 採択に決します。     —————————————
  91. 岡延右エ門

    ○岡(延)委員長代理 日程第一〇八、公民館専任職員費国庫負担に関する請願。     〔「採択」と呼ぶ者あり〕
  92. 岡延右エ門

    ○岡(延)委員長代理 採択に決します。     —————————————
  93. 岡延右エ門

    ○岡(延)委員長代理 日程第一一〇、在日朝鮮学生育英資金與等に関する請願
  94. 渡部義通

    渡部委員 採択すべきものです。というのは、文部省の方は、法令上非常に困難だがという話でありましたが、われわれとして考えるときに、少数民族の非常に困難な生活状態にあつて、教育さえも破壊されているという状態にあるときに、少数民族の幸福のために最大の便宜をはかつてやるということは、当然やるべきことであるし、相に朝鮮においても、非常に少数の日本人のために全額を負担して教育を十分に行い得る状況をつくり出しているわけです。だから、国家の方向としては、今すぐどうこうということよりも、国家としてはその方向に向くべきであるという意味において、採択すべきものであると思います。
  95. 若林義孝

    若林委員 これは民族が違うのと、物の認識が違いますから、採択をせられるならば、よほど念を押しておかぬといかぬと思うのであります。一昨年の国会におきまして、やはりこれと同じようなことを採択いたしましたが、国会が採択したのだから全部もらえるのだというので、各府県に押しかけて行つて、知事が閉口したということがあるのです。これはやはり採択するといたしましても、まず日本人と同じような条件において——日本人でももらえない者がある。だから、採択した以上はもらえるのだというような観念を持たないように、もしやるのならば、日本人と同じような条件で——家庭の事情その他の事柄は、日本人でもあるわけであります。朝鮮では、日本人のためにいろいろなことをやつておると言いますが、日本においても、朝鮮の学徒のためには、朝鮮人学校として特別のものをやつておる。わがままをやつている分は別でありますが、日本人と同じような行き方をやるものについては、国庫の負担においてやつておるわけであります。ですから、それは理由にならぬと私は思うのであります。だから、御採択になるならば、ひとつその点念を押しておかないといけないと思います。
  96. 渡部義通

    渡部委員 日本人と同一の条件ということで……。
  97. 岡延右エ門

    ○岡(延)委員長代理 これは政府の答弁においても、日本人にさえも十分まかないができないのに、第三国人にまで及ぼすということは、とても困難であるということであります。また現行法においては、それが適用できないということであります。——それでは若林委員の発言の趣旨を——条件つきでございますか、そういつたような趣旨を体して、採択に御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  98. 岡延右エ門

    ○岡(延)委員長代理 それでは採択に決しました。     —————————————
  99. 岡延右エ門

    ○岡(延)委員長代理 次に、日程第一一二、博物館法制定に関する請願。     〔「採択」と呼ぶ者あり〕
  100. 岡延右エ門

    ○岡(延)委員長代理 採択に決しま  す。     —————————————
  101. 岡延右エ門

    ○岡(延)委員長代理 日程第一一三奈良文化財研究所設置に関する請願。     〔「採択」と呼ぶ者あり〕
  102. 岡延右エ門

    ○岡(延)委員長代理 採択に決します。     —————————————
  103. 岡延右エ門

    ○岡(延)委員長代理 日程第一一七、二ユース映画、教育映画助成に関する請願。     〔「採択」と呼ぶ者あり〕
  104. 岡延右エ門

    ○岡(延)委員長代理 採択に決します。     —————————————
  105. 岡延右エ門

    ○岡(延)委員長代理 日程第一一八、北海道学芸大学拡充請願。     〔「採択」と呼ぶ者あり〕
  106. 岡延右エ門

    ○岡(延)委員長代理 採択に決します。     —————————————
  107. 岡延右エ門

    ○岡(延)委員長代理 日程第一一九、及び第一四二、九州大学放射線従業員待遇改善に関する請願。     〔「採択」と呼ぶ者あり〕
  108. 岡延右エ門

    ○岡(延)委員長代理 以上は、採択いたします。     —————————————
  109. 岡延右エ門

    ○岡(延)委員長代理 日程第一二〇、大垣市立興文中学校校舎建築促進に関する請願。     〔「採択」と呼ぶ者あり〕
  110. 岡延右エ門

    ○岡(延)委員長代理 採択に決します。     —————————————
  111. 岡延右エ門

    ○岡(延)委員長代理 日程第一二一、私立学校共済組合設立に関する請願。     〔「採択」と呼ぶ者あり〕
  112. 岡延右エ門

    ○岡(延)委員長代理 採択に決します。     —————————————
  113. 岡延右エ門

    ○岡(延)委員長代理 日程第一二二、指導教諭設置に関する請願。     〔「採択」と呼ぶ者あり〕
  114. 岡延右エ門

    ○岡(延)委員長代理 採択に決します。     —————————————
  115. 岡延右エ門

    ○岡(延)委員長代理 日程第一二五、育英資金運営に関する請願。     〔「採択」と呼ぶ者あり〕
  116. 岡延右エ門

    ○岡(延)委員長代理 採択に決します。     —————————————
  117. 岡延右エ門

    ○岡(延)委員長代理 日程第一二七、学校教育法等の一部改正に関する請願。  御参考のためにちよつと読んでみます。  本請願の要旨は、行政事務再配分に関する地方行政調査委員会会議の中で、教育行政について指摘された改革措置に対しては、五大市教育委員会は賛意を表し、特に五大市の地域内における高等学校の設置責任は、一元的に五大市が負うということについては、五大市教育委員会としては、あらゆる教育的見地から、その必要を痛感していた。ついては、これがすみやかなる実施をはかるため、学校教育法等の一部を改正されたいというのであります。     〔「採択」と呼ぶ者あり〕
  118. 岡延右エ門

    ○岡(延)委員長代理 それでは採択に決します。     —————————————
  119. 岡延右エ門

    ○岡(延)委員長代理 日程第一二八、国民プール建設用地決定に関する請願。     〔「採択」と呼ぶ者あり〕
  120. 岡延右エ門

    ○岡(延)委員長代理 採択に決しました。     —————————————
  121. 岡延右エ門

    ○岡(延)委員長代理 日程第一二九、国章制定に関する請願。     〔「留保」と呼ぶ者あり〕
  122. 岡延右エ門

    ○岡(延)委員長代理 留保に決します。     —————————————
  123. 岡延右エ門

    ○岡(延)委員長代理 日程一三七、五大市における府県立高等学校移管に関する請願。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  124. 岡延右エ門

    ○岡(延)委員長代理 採択に決します。     —————————————
  125. 岡延右エ門

    ○岡(延)委員長代理 日程第一四三、並びに日程第一四四、本興寺宝物館建設費国庫補助に関する請願。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  126. 岡延右エ門

    ○岡(延)委員長代理 採択に決します。     —————————————
  127. 岡延右エ門

    ○岡(延)委員長代理 日程第一四五、海技専門学院新制神戸商船大学昇格に関する請願。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  128. 岡延右エ門

    ○岡(延)委員長代理 採択に決定いたします。     —————————————
  129. 岡延右エ門

    ○岡(延)委員長代理 日程第一四六、精神修養日制定に関する請願。     〔「留保」と呼ぶ者あり〕
  130. 岡延右エ門

    ○岡(延)委員長代理 留保に決します。     —————————————
  131. 岡延右エ門

    ○岡(延)委員長代理 日程第一五〇、大船大洞窟を文化財保護法による史跡名勝天然記念物指定請願。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  132. 岡延右エ門

    ○岡(延)委員長代理 採択に決します。     —————————————
  133. 岡延右エ門

    ○岡(延)委員長代理 日程第一五五、青年師範学校卒業生等教員免許に関する請願。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  134. 岡延右エ門

    ○岡(延)委員長代理 採択に決し、す。     —————————————
  135. 岡延右エ門

    ○岡(延)委員長代理 日程第一五七盲、聾及び養護学校教員免許に関する請願。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  136. 岡延右エ門

    ○岡(延)委員長代理 採択に決します。     —————————————
  137. 岡延右エ門

    ○岡(延)委員長代理 日程第一五八、学校における宗教知識教育に関する請願。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  138. 渡部義通

    渡部委員 私は、これを採択することによつて、学校に特別に宗教的なものを強化する必要はないという意見で、これには賛成できません。
  139. 岡延右エ門

    ○岡(延)委員長代理 賛成者が多いようですから、採択に決定いたします。     —————————————
  140. 岡延右エ門

    ○岡(延)委員長代理 日程第一五九、海技専門学院新制神戸商船大学昇格に関する請願。  これは日程第一四五と同じ趣旨のものでありますから、採択に決します。     —————————————
  141. 岡延右エ門

    ○岡(延)委員長代理 日程第一六〇、学校教育法及び私立学校法の一部改生に関する請願。  本請願の要旨は、夜間教育の特質を発揮し、かつその顯著な進展を期するため、学校教育法及び私立学校法の一部を次のように改正されたいというのである。一、学校教育法第四十四条第一項中「夜間その他特別の時間又は時期において授業を行う課程(以下定時制の課程と称する)」を「夜間において毎日授業を行う課程(以下夜間の課程と称する)又は特別の時期及び時間において授業を行う課程(以下定時の課程と称する)」に改め、同条第二項「高等学校には通常の課程を置かず又は前項の課程の一つのみを置くことができる」に改める。二、学校教育法第四六条の但書を「但し第四十四条第一項の課程を置く場合は、その修業年限は三年を超えるものとすることができる」に改める等。  これは答弁が留保されておりましたから、ただいま水谷政務次官より答弁がございます。
  142. 水谷昇

    ○水谷政府委員 第一の、夜間の課程と定時制の課程とを、法律上区別することについてお答えいたします。夜間の課程と定時制の課程とは、ともに勤労青年の教育機関として予算上の関係その他各般の取扱いを一本にする方が、勤労青年教育を振興させるための施策を遂行する上に、効果的であると認めている次第であります。両課程の運営上に、若干の特色はあるといたしましても、勤労青年教育という最も大切な性格においては、まつたく一本であるべきでありまして、通常の課程に対して、この特色を明らかにし、勤労青年教育を有効に充実振興させるために、両者を法律上一本として取扱つているのであります。通常の課程と勤労青年のための課程との間に、差別的な観念を生ずることについて現在嚴に戒めているのでありますが、夜間の課程と定時制の課程を区別しますれば、一体なるべき勤労青年教育の内部で、派閥的な差別感を生ずるおそれも十分ありますことも、考えに入れておかなければならないと存ずるのであります。次に第二の、夜間または定時制の課程の修業年限を三年にすることを認めることについてお答えをいたします。高等学校の通常の課程と夜間において授業を行う定時制の課程との間に、教育上の不均衡を生じないことが、この教育の眼目でありまして、そのためには、夜間において授業を行う定時制課程の修業年限を三年にいたしますと、勤労の余暇に勉強する彼らとして、保健上及び学習上に非常に無理を生ずるのであります。現在でも中途退学や卒業後身体的な無理がたたる者が相当ある実情でありますので、諸般の事情を教育的に勘案いたしまして、四年の修業年限が適当であると考える次第であります。なお、申すまでもなく高等学校教育は、教科の学習ばかりでなく、健全な社会人を育成するための特別教育活動が、大きな要素になつておるのでありますが、この方面の教育に遺憾なからしめることも、大いに考える必要があると思うのであります。暑中休暇を大幅に短縮することも、保健上及び学習上から見まして、真に勤労の余暇に勉学する勤務青年の幸福をはかる方策であるかどうかには、大いに疑問ではないかと考えるのであります。  第三番目の、夜間及び定時制の課程に別個に主事を置くこと、及び私立学校法の一部改正の意見についてお答えをいたします。これはもし両課程を区別することになれば、当然必要な措置であると考えるのであります。  以上お答えをいたします。
  143. 岡延右エ門

    ○岡(延)委員長代理 それでは日程第一六〇は採択に決しました     —————————————
  144. 岡延右エ門

    ○岡(延)委員長代理 それでは日程第一六〇は採択に決しました
  145. 岡延右エ門

    ○岡(延)委員長代理 日程第一六一、精神修養日制定に関する請願は、日程第一四六と同じでありますから、留保に決します。     —————————————
  146. 岡延右エ門

    ○岡(延)委員長代理 日程第一六二、共立薬科大学学生寄宿舎建設に関する請願は、留保に決しました。     —————————————
  147. 岡延右エ門

    ○岡(延)委員長代理 それでは水谷政務次官から発言を求められておりますから、これを許します。
  148. 水谷昇

    ○水谷政府委員 学校給食用砂糖消費税の件についてお答えをいたします。昭和二十六年四月現在における全国学校給食実施学童数は七百七十万人であります。そのうち全国市制施行地における完全給食実施学童数は四百万人であります。これら学童に対する砂糖配給量は年間二百十五日、一日一人一回、調味用として三グラム、また完全給食実施学童には、ハン用としてパン一個について三グラム配給しております。この砂糖の年間所要量は、調味料が八百二十七万七千五百斤、ハン用として四百三十万斤、計千二百五十七万七千五百斤、この価格は百斤六千四百三十三円1これは卸売価格でありまして、八億九百十一万五百七十五円であります。そのうち砂糖消費税は、百斤について千円で、一億二千五百七十七万五千円になつております。学校給食は、最近における生活諸物価の値上り及びそれに伴う学童家庭の困窮化匹より、その前途に暗影を投じ、ひいては成長期にある学童の身体及び精神に悪い影響を及ぼすに至つております。戦後の学校給食は、GHQ及びララ、ユニセフ当局の好意によつて発展したものでありまして、しかして将来も実施されて行くべきものでありますが、これには家庭における経済的負担を軽減しなければ、健全な発達も期することはできません。現在文部省では、厚生省における保育所給食、それから病院給食、児童養護施設の砂糖消費税の免税問題とともに、大蔵省と折衝するように資料を準備中であります。参考に申し上げますが、大蔵省における砂糖消費税の徴税予定は、年間六十億円、このうち文部省、厚生省関係で約二億円になつておるわけであります。こういうようなわけで、これは文部省だけで交渉するよりも、厚生省とも連絡をとつて、両方から交渉した方が好都合かと思つて、ただいま準備を、いたしております。
  149. 小林信一

    小林(信)委員 御丁寧な御答弁をいただいたわけで、しかも文部省としては、給食の使命と児童の実情等を十分御考慮願つて、これに対して万全の措置をされておるように伺つたわけでありますけれども、どうしてもこれは文部省の意図されておるような目的を達していただきたい。これをお願いするものであります。とかく児童を対象にするものはその個々においてはわずかでありましても、量が量でありますので、非常に大きな税収になることが多いのでありますが、これをねらうことは大蔵省当局においても相当考慮するように、文部省は常にこれを文部省の立場から監視しなければいけないと思うのであります。その点で、例の修学旅行の際の飲食税が免税になつたのですが、あれなども、税収入として見ると、相当大きなものだと思うのです。これを地方税の改正にあたつて免除したことは、非常にいいのですが、私はこの際文部省にお願いしたいのは、はたして旅館等がこれを実施しておるかどうかを、さらに文部省としては監視すべきだと思うのです。私はその結果を各中・小学校等に聞きましたけれども、実際においては、そういう点は何ら認められないのです。これは物価高もありましようし、あるいはその分だけは余分に優遇しておるということでもつて、宿屋は弁解するかもしれませんけれども、せつかくわれわれの意図並びに政府の意図がああいう目的を達したのでありますから、これを効果あらしめるためには、各旅館等について、十分に調査する必要があると思うのです。この点を私は最後にお願いして、ただいまの御答弁に対して、さらに一段の御努力をお願いいたします。     —————————————
  150. 岡延右エ門

    ○岡(延)委員長代理 日程第一六四、大豊中学校災害復旧費国庫補助請願。     〔「採択」と呼ぶ者あり〕
  151. 岡延右エ門

    ○岡(延)委員長代理 採択に決定いたします。     —————————————
  152. 岡延右エ門

    ○岡(延)委員長代理 日程第一六五、天台寺文化財防災施設費国庫補助請願。     〔「採択」と呼ぶ者あり〕
  153. 岡延右エ門

    ○岡(延)委員長代理 採択に決します。     —————————————
  154. 岡延右エ門

    ○岡(延)委員長代理 日程第一六六、社会教育費国庫補助に関する請願。     〔「採択」と呼ぶ者あり〕
  155. 岡延右エ門

    ○岡(延)委員長代理 採択に決します。     —————————————
  156. 岡延右エ門

    ○岡(延)委員長代理 日程第一六八、国旗祝日設定に関する請願。     〔「留保」と呼ぶ者あり〕
  157. 岡延右エ門

    ○岡(延)委員長代理 留保に決します。     —————————————
  158. 岡延右エ門

    ○岡(延)委員長代理 日程第一六九、盲人用学用品購入費国庫補助等に関する請願。     〔「採択」と呼ぶ者あり〕
  159. 岡延右エ門

    ○岡(延)委員長代理 採択に決します。     —————————————
  160. 岡延右エ門

    ○岡(延)委員長代理 日程第一七一、小学児童完全給食実施に伴う施設費国庫補助等に関する請願。     〔「採択」と呼ぶ者あり〕
  161. 岡延右エ門

    ○岡(延)委員長代理 採択に決します。     —————————————
  162. 岡延右エ門

    ○岡(延)委員長代理 日程第一七二、南部小学校雨天体操場新築費国庫補助請願。     〔「採択」と呼ぶ者あり〕
  163. 岡延右エ門

    ○岡(延)委員長代理 採択に決します。     —————————————
  164. 岡延右エ門

    ○岡(延)委員長代理 日程第一七三、麻布山善福寺史跡指定請願。     〔「採択」と呼ぶ者あり〕
  165. 岡延右エ門

    ○岡(延)委員長代理 採択に決します。     —————————————
  166. 岡延右エ門

    ○岡(延)委員長代理 日程第一七四、国旗祝日並びに国旗憲章制定に関する請願。     〔「留保」と呼ぶ者あり〕
  167. 岡延右エ門

    ○岡(延)委員長代理 留保に決定いたします。     —————————————
  168. 岡延右エ門

    ○岡(延)委員長代理 日程第一七五、幼稚園国費設置に関する請願。     〔「採択」と呼ぶ者あり〕
  169. 岡延右エ門

    ○岡(延)委員長代理 これはすでに前に採択いたされましたので、これも採択に決します。     —————————————
  170. 岡延右エ門

    ○岡(延)委員長代理 日程第一七七、伊豫田與八郎及び西澤直藏両氏の事績を教科書教材として採用の請願。     〔「留保」と呼ぶ者あり〕
  171. 岡延右エ門

    ○岡(延)委員長代理 留保に決します。     —————————————
  172. 岡延右エ門

    ○岡(延)委員長代理 日程第一七八、教育公務員特例法の一部改正に関する請願外十二件。     〔「採択」と呼ぶ者あり〕
  173. 岡延右エ門

    ○岡(延)委員長代理 それでは採択に決します。  請願の審査は以上で終了いたしました。  それでは休憩いたします。午後は二時より開会いたします。     午後零時四十一分休憩      ————◇—————     午後二時三十三分開議
  174. 岡延右エ門

    ○岡(延)委員長代理 それでは午前中に引続き会議を開きます。  ただいま請願の残りが四つほど発見されましたので、審査をいたしたいと存じます。  日程第二一、教育予算増額請願外十四件。日程第二二、同外八件。以上を一括して議題に供します。  本件について採択するに御異議ございませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  175. 岡延右エ門

    ○岡(延)委員長代理 採択に決します。     —————————————
  176. 岡延右エ門

    ○岡(延)委員長代理 日程第六四、標準義務教育費法制定に関する請願。  本件を採択するに御異議ございませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  177. 岡延右エ門

    ○岡(延)委員長代理 採択に決定いたします。     —————————————
  178. 岡延右エ門

    ○岡(延)委員長代理 日程第一五三学校給食無料実施に関する請願。  本請願の要旨は、昨年九月以来実施されている学校給食は、毎日パンのみで、しかも量が少く、しかもパンの丑から虫が出て来るというような状態で、とても三百円の給食費を支出してまで、食べる気にはなれない。ついては、学校給食をごはんにし、無料にされたいというのであります。  これについては、無料にして米を給食するということは、政府としては不可能だという意思を表明しております。
  179. 笹森順造

    ○笹森委員 今のことは、なお予算にも関係があるから、なお研究したいという当局の意見を私は妥当だと思いますので、保留にしておいたらどうですか。
  180. 岡延右エ門

    ○岡(延)委員長代理 それでは保留に決定することに御異議ございませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  181. 岡延右エ門

    ○岡(延)委員長代理 保留いたします。     —————————————
  182. 岡延右エ門

    ○岡(延)委員長代理 それから日程第八三、義務教育費全額国庫負担に関する請願。  本件は採択するに御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  183. 岡延右エ門

    ○岡(延)委員長代理 採択に決定いたします。     〔岡(延)委員長代理退席、委員長    着席〕
  184. 長野長廣

    長野委員長 次に文部行政に関する件を議題とし、文部大臣に対する質疑を許します。渡部義通君。
  185. 渡部義通

    渡部委員 大臣に対して、一般質問をあまりやつたことがありませんので、きよう、その点について御質問したいと思うのですが私が話しますと、どうもすぐ共産党だからというふうな感じを持たれる諸君もあるわけです。それは、政党ですから当然でありますけれども、しかし、質問することの内容は、学問全体の問題として、また学問のあり方、教育のあり方という根本問題に触れて、その点について、特に深く考えておられると思われる大臣の御意見を聞くわけでありますから、了承しておいていただきたいと思います。  この前の委員会で、圓谷君から、単独講和は今国策になつているのに、南原総長は、またしても全面講和を卒業式において唱えておる、これは非常に許しがたいことであるが、大臣の御意見はどうなのかというふうに質問されたのに対して、大臣はあまり明確に答えなかつたようです。単独講和でも多数講和でもいいですが、これが国策として考えられておる。従つて大学総長が、これと対照的であり、対立しておる全面講和という問題を主張し、あるいは卒業生に述べているということが、非常に重大な問題として考えられなければならないのかどうかという点、この二点をまず伺います。
  186. 天野公義

    天野国務大臣 渡部さんは二点と言われましたが、一点ではないのですか。
  187. 渡部義通

    渡部委員 第一点は、単独講和あるいは多数講和がすでに国策的なものになつているというところに問題があるのです。学校行政を考えられる上に、これを国策的なものとして大臣は考えておられるのか、それが第一点です。  第二点は、そのような事柄と対立する意見を大学総長が述べるということが、岡谷君の立場からいえば、警告を発せらるべきものであるが、大臣は警告を発せられたかどうか、こういう質問があつたのです。その二点です。
  188. 天野公義

    天野国務大臣 第一の、国策となつているかどうかということは、私は今政府がそういう方針をとつているのですから、国策となつていると言つてもいいのじやないかと思います。  第二点については、それに対してどういうように言うかという言い方だと思います。
  189. 渡部義通

    渡部委員 第一点は、政府がそういう方針をとつておるから、これは国策だ、従つてこれに反することは言うべきでないというふうにお考えであるわけですか。
  190. 天野公義

    天野国務大臣 言うべきでないとは申しません。それに対する言い方だと私は今言つたのです。
  191. 岡延右エ門

    ○岡(延)委員 私は、内容のいかんを今論ずるのではありませんが、大学総長は、一般公務員であつて、こういう政治問題等に関係をして、大衆の面前で、あるいは生徒等に自己の政治的見解を披瀝し、そうして影響を與えるというようなことについては、その身分上非常に疑義があるというので、浅井人事院総裁から何か警告を受けたように聞いておるのでありますが、そう六つたことがあつたかどうか、その事実の有無及びそういうことは一向さしつかえないものかどうか、この点文部大臣の見解を伺います。
  192. 天野公義

    天野国務大臣 淺井総裁からそういう警告があつたかどうかは、全然聞いておりませんです。ただ、そういうことに対して、絶対何も言つてはいかぬとは、私は考えておりません。だから、ただいま申すように、その内容に帰着することになると思います。
  193. 渡部義通

    渡部委員 第一の点ですが、政府がとろうとしている政策が国策であるといいますけれども、これは国民全体の動きによつて、やはり政策はかえられるのが当然でもあり、また内外の情勢によつては、かえられることも可能であるという場合に、それを国策として決定してしまうのはどうかというふうに考えられますが、その点はどうですか。
  194. 天野公義

    天野国務大臣 国策という概念は、政府がそういう方針をとつてやろうとしているという意味において国策だと、こういうのであります。
  195. 渡部義通

    渡部委員 私は別個の考えを持つておりますが、その点は議論になりますから、一応控えます。  南原総長が全面講和を主張したということが、この前からしばしば問題にもなり、そのために南原総長が委員会ヘ来て弁明をされたわけでありますけれども、政府の意見と違う意見を、大学総長が述べてならないというような根拠はないと私は思うのです。岡君の言われた事柄は、一般公務員というふうに考えられたが、あれは教育職員でもある。同時に、教育職員の場合に、この前人事院の大体の見解を新聞で見たところによりますと、人事院ですらも、専門的な事柄に関しては、意見を発表することは当然であるというふうに規定しておつたと考えます。従つて、南原総長が、ことに政治学を專攻されている立場から、全面講和が内外の情勢からいつて正しいのだという信念を持つて、学生にそのことを述べるという事柄は、人事院の方の発表した規範の上からいつても、私は不当なところはないように考えるのです。もしそういうことが制限されるとしましたならば、総長のみでなく、教授あるいは教員が、一体何を標準にとして、そういう事柄に関して生徒あるいは学生の関心に訴えるかということが、問題となると思うわけです。従つて、南原総長のとられた全面講和の主張問題に関する大臣の見解を、もう少し詳細に発表してくだすつて、全体の教職員が準じて行うべきものであるというふうな明確な線を、ひとつ出して見せていただきたいと思うのであります。
  196. 天野公義

    天野国務大臣 それは人事規則というものがありまして、国家公務員としての限度というものがあるということを、人事院規則というものが示しているのですから、それを越えるということは、やはり許されないことだろうと思うのです。ただ私は、大体において人の言論を尊重したいという考えであるから、別段それを取調べてどうこうという考えもないから、今日まで何も取調べたりしないわけなんです。
  197. 岡延右エ門

    ○岡(延)委員 関連して——さつき私が申し上げた点、淺井人事院総裁が、何かしら注意か警告かを與えたということは、これはどうも事実らしいのです。そうすれば、文部大臣としては、当然その事実の有無を確かめて、この点をどういうふうにコンクリートすべきかということを、私は文部大臣の責任においてなさるのが適当ではないかと思うのですが……。
  198. 天野公義

    天野国務大臣 私は、それは人事院の仕事であろうというふうに考えております。
  199. 岡延右エ門

    ○岡(延)委員 私が申すのは、そういうような事実があるらしい。ですから、それを問いただす、そうしてはつきりした規準を示してもらいたいというのです。渡部君が、先ほど政治学云々と申されたけれども、私はこれは政治学の対象ではないと思います。全面講和とかなんとかいうのは、これは事実の問題であつて、外交の問題であつて、政治学の対象ではないと思うのです。ああいうことをじやんじやん新聞等に発表する、あるいは学生に訓辞を與えるということは、国論が、一方は非常に小さい声ではありますけれども、何とはなしに二つにわかれている、一方はきわめて小さい声であるけれども、この際であるだけにそういつたことはなるたけ愼んでもらいたいような気がするのですが、その点はぜひひとつ人事院総裁等とも打合されて、大学総長のあり方というものを、はつきりさせていただきたいと思います。
  200. 渡部義通

    渡部委員 岡君が、全面講和とか単独講和とかいつたものは事実であつて、学問の対象でないと言われたが、あらゆる一切の学問は、事実との関連なしにあり得ないのであつて、当然これは学問の対象であるわけです。しかしそのことは別としまして、今後も、ひとり南原総長だけではなしに、学長とか教授とか、その他の教師が、やはりこういうふうな重大な問題について自分の意見を述べる、そうして自分の正しいと思うところを学生、生徒に知らしめるということをなすであろうし、しばしばこういう事柄が起きると思うのです。今、大臣のおつしやつた事柄は、人事院の問題であるから、別に文部省としてはどういうふうな態度もしない。お言葉によれば、だから取調べもしてないとおつしやいましたが、今後もやはり同様に言論の自由を重んずるという立場あるいは教育者たちの良識を尊重するというお立場から、同様の立場をとられるものと了承してもいいのですか。
  201. 天野公義

    天野国務大臣 私がしばしば申しておりますように、自由というのは、いつでも限界のないところには自由はないのです。だから、その限界を越えたと考えるときが来れば、自分は取調べるということもあり得ると思うのです。教育者は——教育公務員といえども、やはり国家公務員なんです。国策というものが、どこまでも放漫にされるということになると、ある限度を越えると、やはり文部省がそれを傍観するというわけには行かないかもしれません。けれども、その範囲を私はできるだけ大きくしたい、こういう考えであります。
  202. 小林進

    小林(進)委員 今論ぜられておる問題は、私は今後の国情と大学のあり方に関する実に重大問題だと思うのであります。先ほどの岡委員のお話を聞いておりましても、私は政党人としての文部大臣でなくて天野文相は、幸いにして自由党の党員であられないことを、実にありがたく感じたような次第でありまして、まさに岡君が文部大臣であるとするならば、かつての鳩山さんの文部大臣と同じような問題が、またここで繰返されるのじやなかろうかというような懸念を、実は瞬間にして覚えたのであります。そういうことから、今たまたまあげられているこの全面講和の問題——私は全面講和論者ではございませんが、この問題に議題が行つておりますので、ひとつ文部大臣にお伺いしたいと思うのであります。私は記憶が少し薄らいでおりまするので、それをお尋ねしたいのでありますが、かつて日露戰争のころには、これは今日の議題とテーマが違うと思うのですが、六教授でありまするか七教授でありますか、同じく東大で、当時、たしか日露戰争の開戰論か何かを唱えて、時の政府に進言されたというような大学の問題があつたように記憶いたします。当時の状況を御存じになる範囲で御説明願うと同時に、それに対して、当時の国会が同じくやはり教授の行き過ぎであるとして、学園の、いわば自由の逸脱であるとして、それを政治的に取上げて、そうした教授のあり方を国会が干渉したとか、あるいは抑圧したというような、かつての例があつたかどうかということも、御存じになりましたら、あわせてお聞かせ願いたいと思うのであります。
  203. 岡延右エ門

    ○岡(延)委員 小林君は、非常に誤解しておられます。何となれば、ぼくが文部大臣にでもなれば、言論を抑圧するであろうという前提のもとに言われた。ところが私は最初にこれを聞くときに、事柄のいかんを問わずということを言つておる。ですから、大学総長として、そういうことがいいか悪いか、これは事柄のいかんを問わないのですと、私は最初に前提しておる。その点ひとつ誤解がないように……。
  204. 天野公義

    天野国務大臣 当時と今とでは、すべて事情がかわつて来ておるのです。でありますから、当時をもつて今の例にできないことは、戰時中をもつて今の例にできないのと同様です。だから当時の例を、私も少しは知つておりますけれども、ここに述べることは、別に問題を明らかにすることにはならないだろうと思います。
  205. 渡部義通

    渡部委員 大臣の言われることを、一般的に理解しますと、大臣の言われたということよりも、むしろそれを非常に強めて、岡君が言われたようなところまで推し広げるような意味で言われたとすれば、これは相当大きな問題になると思いますので、お聞きしたわけでありますが、政治の事柄が科学的に取上げられて、それについて意見を述べられるというような場合にあたりまして、政治の事柄を、教師たちが自己の良識において、学生、生徒の関心に訴えるというような点がもしなかつたならば、これはやはりりつぱな教師としての責任を果し得ないのではないかというふうに、私は考えるのですが、その点はどうでしようか。やはり一定の良識を持つて、確信を持つて学生、生徒にこの問題について関心を持たせるということは、ことに大学等においては、非常に重要な意味を持つと私は思うのですが、それについてはいかがですか。
  206. 天野公義

    天野国務大臣 それは当然でございまして、教授の良識があるということが、何よりも大切だと私は思うのです。学生の関心を持たせるということはけつこうなんです。そういうことに対する知識を開発するということは、非常にけつこうなんです。けれども、その際に、何か私情が入つて——自分が学生の人気がほしいとか、承るいは何か無理に反対をしたいとなそういうことが入つて、そうして限度を越すということがあると、これは教育者としては非常にぐあいの悪いことです。そうなると、ものに服従する——公務員である以上は、それに服従することを無視することが許されるとすると、学生は教授の言うことを聞かない、社会には秩序がなくなる、世の中は混乱してしまう。社会の秩序を重んずるというような精神を盛んにすることが、私は教育者の任務だと思うのです。だから、そこに限度があるということを私は言いたい。その限度は、私は、学者の諸君は良識を持つていると思いますから、しいて人の演説を調べ上げたりするということは、必要と思つておらない、できるだけ広い範囲において、学者諸君の活動を認めて行きたい。けれども、限度があるということは、言わざるを得ません。
  207. 渡部義通

    渡部委員 その点、文部大臣の意見としてお聞きしましたが、次に南原総長に関連する問題であります。南原総長が、第一工学部におきまして、軍事科学をやるべきでないということを強調されておるのでありますが、これはひとり南原総長だけではなくて、御存じのように、昨年日本学術会議においても、科学を戰争のために用いてはならないという決議をされております。こういう点につきまして、日本の学界を代表するところの日本学術会議が、科学を戰争のために用うべきではない、あるいは大学総長が工学部において、軍事科学を研究すべきではないということを強調された。これには共通点がある。これは学界として私は非常に重大なイデイーを含んでいると思いますが、大臣は軍事科学に関する南原総長や学術会議の意向を、どういうふうにお考えになつておりますか。
  208. 天野公義

    天野国務大臣 私はまだその点を、どういうことかつまびらかに聞いておりません。
  209. 渡部義通

    渡部委員 その点をお聞きになつておらないとしましても、文部大臣としては、今日軍事科学がどういう役割を持つものか、従つて、軍事科学に対してはどういうふうな方針をとられるべきであるか、あるいは科学を発展せしめて行くとすれば、科学がどういう役割を持つて発展されなければならぬものであるかという、一般的な見解はお点について……。
  210. 天野公義

    天野国務大臣 科学といいますか、学問は、やはり各国に独房な文化の創造ということに役立つべきものであると、一般的な見解としては考えております。個々の事柄については、私はよく事情をつまびらかにしませんから、ここで答弁することはできないということを申し上げておきます。
  211. 渡部義通

    渡部委員 学術会議でこの問題が議論されたときに、問題となりました点は、この前の大戰中の経験に基いて議論されたわけであります。戰争が軍事科学以外の科学を非常に拘束し、締め出し、あるいは圧迫されて、その面の科学というものは非常に衰退して行つた。しかし軍事科学が非常に高められる過程は、科学者がその意思さえもある程度無視されて、戰争協力をせしめられたということが、学術会議で反省されて、戰争は、今までの経験によりましても、科学の進歩どころではなくて、元も子もなくなるのだというふうな非常に深刻な反省が、科学者によつてなされたわけであります。従つて、学術会議としては、そういうふうな結論も出、南原総長の考え方も、おそらくは軍事科学を研究すべきじやないというふうなことを強調をされた、そういう趣旨の強調をされた意図も、同じところにあると思うのです。これは非常に重大な問題でありますので、やはり大臣としても、平和と幸福のためにのみ科学があるのだという点について、御見解を明らかにしてほしいと思うわけであります。
  212. 天野公義

    天野国務大臣 学問が平和のため、また人類の幸福のために奉仕すべきここは、当然のことであります。ただしかし、それをどういう方法によつてやるかということは、非常にむずかしい問題だと思うのです。歴史というものは、非常に非合理性を持つておつて、簡單にものが言えないという点があるから、その理念として、それがいいことにはさまつているのですけれども、私は、よくその議論を聞かないと、ただちにこれがいいというわけには行かない。現に学術会議は、あなたの言われた論を否決しているというように私は聞いております。否決するには、何かそこに理由がなければならないのですから、そういうことを聞かないと何とも言えない。
  213. 渡部義通

    渡部委員 昨年の学術会議においては、決して否決しておりません。これは学術会議の方にお問い合せになれば、わかることであります。少くとも、学術会議の方も調査されて、学術会議がどういう意図を持つて、どういう立場から、どういう反省から、科学を軍事のために、あるいは戰争のために用いるべきでないというふうな意向を持つているかということを確かめられた上、文部大臣としまして、軍需品をつくり、あるいは戰争のためにその科学を用いるというふうな面だけが非常に強調されているような、あるいは強調されるような傾向を持つ、そういうあり方に対して、やはり一定のはつきりした態度を示されることが、今日重大な意味を持つ三一私は考えるわけであります。その点を非常に抽象的に述べられましたが、科学というものが、戦争や軍事科学の方面にだけ重点が置かれるということになると、その結果は非常に憂慮すべきものであり、今までの経験によりましても、科学というものを発展させ、それが平和と幸福のためにならなかつたということになるのでありますから、今日の状態から判断されまして、この問題について、ひとつ見解をはつきりしていただきたいと思います。
  214. 天野公義

    天野国務大臣 私は、世界中がどうかそうなることを、渡部さんと同じように希望してやみません。ただ渡部さんもわれわれも、ものを何でも真実に考えようという立場にいるのですが、あなたが、今年の四月に学術会議においてこの案が否決されていることを一言も言及されないというのは、私はふしぎでならないのであります。
  215. 渡部義通

    渡部委員 これは去年の学術会議において確かにそういうような決定がなされているわけであります。なぜ今年は否決されたかということに、一つの問題があるわけであります。今年は御存じのように、官庁方面や、あるいは産業方面から出た技術者とか、そういう人が非常に多く進出して来ておる。この人たちが、自分たちの産業と関連して、このような決議がなされるということについては、不賛成であることは、わかり切つたはずだと思うのです。しかしながら、そうではなくて、一般の学者たちが、広く科学を戦争のために用いたくないという動きがあるということは、南原総長の線——あの線は非常に広汎な線であると私は考えております。ああいう南原総長の線に立つ人たちまでが、そのような強調をされているというところに、私は重視して顧みなければならない問題を含んでおると思うわけなんです。従つて、今大臣は反撃されましたが、そういうふうな問題以上に、ここには問題がある。大臣は、端的に申しますと、科学が軍事科学に重点が置かれ、あるいは戦争のために科学が利用されるということに賛成であられるわけですか。賛成でないわけですか。
  216. 天野公義

    天野国務大臣 私は、渡部さんは一今年の四月にはこういう理由でそれが否決された、採択されたのは去年のことだということを、まず言わなくてはならぬと思う。それを隠してしまつておいて、私が知らなければ、私はそれで——言葉は悪いけれども、ごまかされてしまうということになる。それだから、議論をするときには、お互いに公明正大に、本年はこうだ、しかしこの理由はこうだと、あなたが初めから言わないと、あなたの議論そのものが、何かそういう伏線を持つていて、私の知らないことは、みな隠しておいて、やつて、いるような疑いを招いて、李下に冠をただすおそれがありますから、今後はどうか、もつと打明けてお話をいただきたい。私はもう今の問題は、論議ないのです。どうか世界中が、科学をば平和のことに用いて、そうして軍事のことなどには用いない日の一日も早く来ることを念願することにおいて、何も人後に落ちないものであります。
  217. 渡部義通

    渡部委員 非常にはつきりわかりました。科学は戦争のために用うべきでなくして、平和と幸福のために用うべきものである、世界がそうなることを望まれると言われたわけでありますので、その点非常にはつきりわかりましたが、現実に大臣として、いろいろな行政事務を執行される責任を持つておられるのでありますが、たとえば科学研究費のような問題の場合に、やはりこれは軍事科学であるとか、戰争に役立てるような研究であるとかいうようなことが審議されて、研究費の分配等に至るまでそういう配慮が今日貫かれる必要があるのではないかというふうに考えられるのですが、その点はどうですか。
  218. 天野公義

    天野国務大臣 私はそういう事実があるということを聞いておりません。しかし、そういう点については、もつぱら専門家の意見を私は参考にして——学術会議のような、専門家が集まられているところの意見を参考にして公平にきめようと思つております。今、渡部さんがおつしやつたような事実を聞いておりません。
  219. 渡部義通

    渡部委員 事実を言つておるわけではないのです。文部大臣が、科学は平和と幸福のために用いらるべきものであるという正しい確信を述べられた以上は、やはり今後の科学の動向というものにも、明確な、一般的な注意を拂わられると同時に現実にそういう研究が促進され、そういう面が加重されることに対しては、文部行政の立場からこれを抑制して、平和と幸福のために科学が用いられるように推進されることこそ、文相の理想を、また人々の望んでおるところを実現して行く道であるというふうに私は考えるのですが、その点については、どうお考えでしようか。
  220. 天野公義

    天野国務大臣 科学は、まさにそうあるべきものだと、私は思つております。ですから、その線に沿うて自分も考えたいと思つております。
  221. 渡部義通

    渡部委員 それで、次の問題ですが、今科学者の間にでも、また一般の学生や民衆の間にでも、平和運動というものが非常に盛んになつております。これは、やはり科学者にしても、学生にしましても、これまでの大戰で五千万人の人命が損傷されておるという悲惨な体験の上に立つて、もしも戦争が起るようなことがありますと、有名な軍事専門家や、あるいは原子科学者の一部では、おそらく人類の半分が殲滅されるような悲惨が起きるかもしれないという想像をしているような次第でありますので、こういう危機を防ごう、こういうふうな悲惨に会しないようにしようという心から、また学生等に至りましては、自分たち自身が、こういう戦争に巻き込まれることがあるならば、それに動員されるかもしれない、自分自身の問題としても、真剣に平和問題というものが議論され、またその要求が一つの動きとなつて、いわば歴史的な波となつて、今日起きているわけなんです。こういう場合に、平和運動というものに対する干渉が、所々方々の学校にもありますし、学校のみでなく、学校外では、むしろ平和という言葉のもとに集まるような集会がほとんど臨検され、弾圧されるというふうな動きが出ておるわけです。しかし学校外は別といたしまして、学校内における教授や学生等の、このような真剣な気持から出る平和運動、また平和のための動き、これに対する文部大臣のお考えはどういうふうでありますか。
  222. 天野公義

    天野国務大臣 平和を望むということについては、よく学生だけが望むようなことを言う人があるけれども、若い者だけじやなくて、だれでも、実にわれわれみんな、世界が半分だめになる、だめにならないというようなことでなく、もう戦争自体がいやなんです。そういう点において、何も若い者だけじやない、年をとつた者でも、たとい職場に行かなくとも、子供を殺したとか家を焼かれちやつたとか、さまざまな苦痛をなめて来ているのです。平和を国民の一部だけが望んで、あとは平和を望まないというような考えは、絶対間違いだと思う。みんなの人が平和を望んでいる。ただしかし、いかなる方法によつて平和を維持するかという、その仕方について意見の相違があるということを、私は渡部さんに御了解いただきたいと思う。  それから平和を望むなら、何をしてでもいいかというと、そうじやない。平和を望むという、動機はいくらよくても、することが不当な場合には、これを抑制するということはいたし方ない。それからまた、平和という名前のもとに、この国に混乱を起そうという人たちも、私はいると思う。そういういろいろな複雑している世界を、あなたはごく簡単に考えられて、平和と言いさえすれば何でも歓迎せよと言われたのでは、私ら為政者は困るのであります。
  223. 渡部義通

    渡部委員 しかしながら、現在、学校のみにあらずでありますが、学校においても、平和の集まりというものが、事のいかんにかかわらず、実際に非常に警戒されていつも干渉を受けるという報告は、文部当局にはないかもしれませんが、至るところにそういう事実があることを報告されておるのであります。だから、平和というものが、どうしても守らなければならない、政治的な立場や思想のいかんにかかわらず、平和というものは守らなければならないという立場からいつて、この平和の動きに対して、干渉がましいことがあるべきではないのではないかということが、われわれの考えなので、大臣としても当然そのような考えをもつて、この学校行政を指導されることが必要であるのじやないか、こう考えておつたわけです。その点について、平和に関する動きこいうものが弾圧されておるという事実は、文部省の方には報告がないのでありますか。
  224. 天野公義

    天野国務大臣 私はそういう報告を聞いておりませんけれども——まことに渡部さんに言つてはすまないのですけれども、私は真実を悟ろうと思う。平和という名において、日本に混乱を起そうという人たちがいるから、そのとばつちりを受けて、迷惑をかけられたという人があるかもしれない。ほんとうの純粋の平和を求めるのでなくして、平和という名のもとに混乱を起す人たちがいるから、そのとばつちりを受ける人たちもある、とんだ迷惑をしている人たちもあることかと思つて、文部省としては、細心の注意をして、純粋な平和運動というものに対しては、むやみな抑圧などしないようにしたいと思つておる次第であります。
  225. 渡部義通

    渡部委員 大臣が、そういう形での議論をされるなら、私はいかにして平和を守るべきであるか、いかにして平和が守り得られるかという根本的な議論に入らなければならぬと思うのです。私はあたかもわれわれのやつている、われわれの希望しているような平和の方式というものが、それを理由として国内に混乱を起そうがためであるというふうに、大臣が考えられておるとするならば、私ははつきり、どこまでもこれは議論を闘わさなければならぬと思います。われわれの考えについて、大臣はそのようにお考えになつておるわけですか。
  226. 天野公義

    天野国務大臣 私は、渡部さんのことを言つているのではない。そういう者もあり得る。あり得るから、純真な者ばかりとはどうも言えない。そういうおそれがあるから、どうしても警戒が過ぎるという傾きもある、こういうことを申したのです。
  227. 渡部義通

    渡部委員 それならば、われわれの考えでは、平和に対する動きというものが、今日諸方で弾圧されておる。それを一々識別して、文部大臣は、これは許す、これは許さないというふうな考えを持たれるわけなんですか。
  228. 天野公義

    天野国務大臣 今の社会は、非常に複雑しているから、単純に、名前ですぐ私たちがそれに同意するわけに行かないと思います。社会は非常に複雑しているということであります。
  229. 渡部義通

    渡部委員 私は、平和について、いかにして平和を得るか、いかなる平和方式が正しいか、また情勢からいつて必然のものであるかということについての議論は、一応これでやめにします。しかしながら、それについて、私自身としましては確信を持つておるのである。ただ、文部大臣の言われた、いかにも皮肉めいた言われ方に対しては、われわれはいくらでも文部大臣の根底をくつがえし得るあらゆる材料と、内外情勢に関する見通しを持つておるということだけを述べて、この問題については、打切るほかはないと思います。  次にお伺いしたいことは、参議院の文部委員会で——これは十二月十四日の文部委員会でありますが、社会党の波多野鼎君が、レッド・パージを断固としてやらなければいけない問題だと言われたのに対して、大臣は「波多野さんからお尋ねになつた基準というようなことも、こまかく考えたり、いろいろ用意をして、いつでもできるようになつておるのです。」また「文部省の用意はもうすでにできておる」と答弁されております。どういうふうな用意ができており、どういうふうな基準からこれをやろうとされておるわけでありますか。
  230. 天野公義

    天野国務大臣 当時、私は、たびたびこの国会においても申しましたように、決して教授の欠点や何かを探し出して、その教授を追放しようというのではなくして、大学の自由、大学の独立を守るためには、もしそれを侵害するものがあるなら、これを防がなければならないということを考えたわけであります。レッド・パージというのは、私が言つたことではなくして、世間が言つたことです。共産党員でもさしつかえない。大学から、共産党員だからこれを排斥するということには、私は反対して来た人間なんです。だから、レッド・パージという言葉は当らないのであります。ただ、そういう大学の独立が侵されるということが悪いから、そういうことがあつたら、これを防がなければならないといつて、文部省の方で準備をしたのですけれども、事情がだんだんかわつて来てしまつて、それを用いる必要もない、今日はもうそれを用いることもできなくなりましたというのが、事実でございます。
  231. 渡部義通

    渡部委員 用いることができなくなつたという意味は、どういう意味ですか。
  232. 天野公義

    天野国務大臣 これは、平和が近づいて来ましたから、ポツダム政令を用いる必要がなくなつて来た、そういう意味であります。
  233. 渡部義通

    渡部委員 それでは今日のところ、いわゆるレッド・パージといわれた政令による共産党員であれ、また共産主義的な思想を持つ者であれ、少くとも学校の外なんかでは、どんなに運動をやろうと、これを学校から追放するというような段階ではなくなつたというふうに了解してよろしいわけですか。
  234. 天野公義

    天野国務大臣 渡部さんは、先ほど私に、皮肉を言われては困ると言われたが、あなたの言い方も、どうも七めんどうくさくて——お互いに学問をやる人間なんですから、率直にやつたらどうなんですか。そうねちねちしておつたら、何と答えたらいいか、非常に当惑する次第です。今のことも、どういうのか、学校の外なら何をやつてもいいのかと問われますけれども、教育公務員が、学校の外なら何をやつてもいいということは、およそ常識では考えられないのじやないですか。先ほどのあなたの良識論と矛盾するように思います。
  235. 渡部義通

    渡部委員 何をやつてもいいという意味は、強盗等をやつてもいいという意味では、もちろんありません。政治活動は、何をやつてもかまわないのかという意味です。
  236. 天野公義

    天野国務大臣 渡部さんの御質問も、やはりボンサンスでわかることじやないですか。いくら自由といつても限度があるので、法規を破つてもいいということにはならない。外なら法規を破つてもなんでも、政治活動をしていいということではありません。私は渡部さんのボンサンスがあぶなくなつて来るような気がする。
  237. 渡部義通

    渡部委員 どうも大臣からさんそれ悪口を言われますが、最後にもう一つだけお尋ねしておきたいことは、いわゆる軍事科学の問題です。これは私自身も、南原総長が言われたということを、大体確実と思われるいろいろな資料から知つておるだけでありますが、やはり軍事科学については賛成でない、平和と幸福を守る科学の方向に、今後も日本の科学を進めたいものだという大臣の考えを承つておれば、これは南原総長と矛盾しないわけで、私は必ずしも南原総長を擁護するわけではないわけですが、国策に反したような意見を言うからけしからぬというような事柄が、自由党の方から述べられたので、その点を聞いておつたわけです。あとは保留しておきまして、これで私の質問を終ります。
  238. 笹森順造

    ○笹森委員 学校教育法中、修業年限の規定とその適用の問題につきまして、二、三文部大臣に質問いたしたいと思います。大学の修業年限は、四年となつておりますが、特別の專門事項を教授研究する学部につきましては、その修業年限は四年を越えることができるということになつておるのでございます。特にこの問題は、日本の新しい大学教育の水準を高める上において、非常に大事なことでなかろうかと考えております。以前におきましては、大体学問の蘊奥をきわめる最高学府と申しましても、專門の教育を授ける場合に、こうした心やりがなかつたのに、特に戰争に入りましてから、ある特殊の技術教育、專門教育を終えた者を、国家が、あるいは社会が必要とするということから、速成的な教育が非常に行われていた。終戰後はこれらに対する非常な反省がなされ、あるいはまた外部からの批判がなされまして、そうして今日においては、ただいまこの学校教育法において規定されたような心やりができておつたと思うのでございます。これが今後おそらくは日本の大学教育を指導する一つの大事なかぎになりはしないかと考えております。四年以上の大学として、その基礎的なものを必要とするということに対しまして、従来の行き方と大分違いますので、大臣はこの根本の手当に関してどういう見解を持つていらつしやるか、まずその点から原則的にお尋ねしたいと思います。
  239. 天野公義

    天野国務大臣 政府委員からお答えして、それから私がお答えいたします。
  240. 稻田清助

    ○稻田政府委員 お話の学校教育法の条項を適用いたしまして、特に四年以上といたしておりますのは、現在ないわけでございます。別に医学教育、歯学教育の方は、これは修業年限の範囲内におきまして、これのさかのぼります課程を別の学部でやつておりますので、今の条文の適用でないわけであります。将来技術方面においては、必要があろうかと考えておりますが、さしあたりのところは、大学に設けた專攻科の活用をもつてこれに充てるのが第一歩であると、私どもは考えております。
  241. 笹森順造

    ○笹森委員 今の医学あるいは口腔外科の学生は、やはり新しい制度によると、相当な單位を修得した者でなければ入学ができない。この單位は決して六・三・三の修業だけでは得られない。従いまして、やはり四年の專門の学問をしようというときに、入学を許可されるものとして、事前にそうした前期大学において、必要とするものを少くとも土年以上やらなければ、事実上ユニットをとれないという実情があるのじやないか。そうすると、今の局長のお話は、矛盾を感じないでございましようか、お尋ねいたします。
  242. 稻田清助

    ○稻田政府委員 医学部、歯学部といえども、修業年限は四年でございます。ただその入学資格が、他の学部において一般教育二年を終えた者に限るということになつておりますので、御指摘の条文を適用しての制度ではないということを、申し上げております。
  243. 笹森順造

    ○笹森委員 そこで專門の教育を四年といことを限定してお話なさいますと、今の局長のお話の通りであります。私の申しますのは、一人の学生として、その專門の学問を修業しようとすれば、少くとも六年を必要とするということについては御異論がなかろうと思いますが、いかがでございますか。
  244. 稻田清助

    ○稻田政府委員 法文の引用を離れますれば、実質上はさようでございます。
  245. 笹森順造

    ○笹森委員 そこに私どもは重要な問題が、單に医学ばかりでなく、今後ほかの專門の学問においても、そういうことがあり得るのではなかろうか。こういうことを実は考えて、單に医学、歯学だけでなく、ほかにもそうした人間を指導して行かなければならない他の形而上学的な学問の指導の任に立ちまする者の中にも、そういう学校の種類から、現に要求を聞いておりますから、この機会にやはり申し上げなければならない。たとえば宗教指導者の牧師養成のようなところであつても、專門の神学を四年間やる前に、やはり教養の学科を二年ぐらいぜひやらなければならぬ。すなわち普通の人文科学を、その四年間やるほかに、ほしいという面がある状況であります。私は、今大臣にお尋ねしておるのは、あるいは日本文化の精神方面の指導者を養成するのに、單に專門の四年間だけではいけないのではないか。すなわち、その前に前期大学のようなものの必要が、十分にここに強調されることによつて、日本の文化の高い水準、あるいは科学教育の水準が、そこに推進されるのではなかろうか。その情勢を文部大臣はどうお考えになつておるかということを、お尋ねしたかつたのでございます。
  246. 天野公義

    天野国務大臣 理想的にいえば、私は、今の大学の四年間というものは、むしろ一般のリベラル・アートをやつて、そうしてほんとうの学問をやるというのは、グラデユエート・コースにおいてやることが、これは理想的なことだと思います。しかし今の日本の経済事情というものを考えてみますと、大多数の学生は、もう育英会の補助なくしてはやれないのです。そういうときに、年限を延ばして、そういうようにやるならば、優秀な者もやれないというようなことが起つて来るのではないか。だから、今は残念ですけれども、四年でもつて專門学をやるという建前に立つていて、特に学問をやるという者に限つて、さらに進んで大学院でやるというより一今の日本の現状ではいたし方がないのではないかと思つております。しかし、これもやり方によれば、たとえば、四年というと短かいようでございますが、私は、ごく普通のことは一年でもできると思います。あと三年で專門学に傾注するなら、相当のことができる。私の專門とする哲学などでいうならば、それはもう学問としてやるのには、幾年やつても限りがないのですけれども、四年を適当に活用すれば、相当の程度まで行くことができると私は思つておる。今の日本の現状では、そういうようにするよりいたし方がないと思つております。
  247. 笹森順造

    ○笹森委員 やはり理想ばかり唱えても、社会の現実なり、あるいはまた経済の情勢なりを考えると、ただいまのようなお気持が出るのは、これは私どもも了解ができます。しからば、ここに例をとりました医学、歯学、口腔外科のようなものについて、現在要求せられております單位は、今自然科学の予備的な勉強を二年やらなければとれない。それを今のようなお手当で、一年の單位で、あと三年ぐらいでよかろとという御判断でありますればそういう方向への御研究なり、あるいは実験なりをお考えになつているのじやないか。今の大臣の御答弁から引出して、そのお考えを承つておきたいと思います。
  248. 天野公義

    天野国務大臣 一体教養的な学科というものと、專門的な学科というものを、そう線を引いて切つてしまうということに、私は反対と申しますか、十分了解できないのです。だから一年で切つてしまうということを言うわけでなく、二年でよいのですが、そのうち一年はもつぱら普通学科というものに力を入れて、あとの一年からは必ず用意して專門学に進むというようなことが、よいのではないかと思つて、そういう点をもう少しよく調べるようにといつて、今頼んだりしておるような次第であります。
  249. 笹森順造

    ○笹森委員 むろんこれはいろいろございましようが、ただいま申しました、たとえば精神方面の牧師を養成するというようなものであるならば、それらの宗教学を教える前に、一般の哲学などを教え、あるいは広い意味における社会学を教え、人文科学を教えるということが必要であると思うのであります。これは大体要求するところによると、少くとも二年、できれば四年間それらのものをやつた上で、專門の宗教科学の方をやりたいという要求を、宗教大学の学者などからも聞いておるわけでございます。さらにまた、一般医学なり、あるいは口腔外科などをやる者は、專門の方に入るにも、やはり自然科学の土台がなければ、なかなかすぐ入つて行けない。従つて、これに入れますものは、やはり一定の單位を自然科学の上に持つたものをほしい。そのほかに、今申しました人間性の人格陶冶のために必要なる一般教養のようなものを、これにつけ加えたい。しかもそのつけ加えることは、これは特に人間の生命をつかさどるような重要なものであつて、これに対しては、特にそういう面が必要だと思う。それで、現在少くとも二年間やらなければ、単位をくれないことになつていると考えるので、これは実は社会の情勢、経済の状況が悪いから、これをもつと簡易にというようなお考えがあるのでございますが、私としてはむしろ困難を突破してでも、そこまで学問の水準、教育の水準を高めなければならぬということを、私自身が考えるがゆえに、実はそういうことをお尋ねして、それがもしも御同意がなければ話を別に展開いたしますが、御同意であれば、育英資金なりそのほかのものを考えて行きたいと思つたのであります。ところが今の大臣の御答弁では、国情、経済の状況から、むしろもつと簡易にという方のお答えが強いようでありますので、これは意見の相違になりますから、私はここではあえて議論はいたしません。  ただこの際、特にもつと問題を狭めてお尋ねいたしたいのでありますが、今まで学問の主体性が十分に確立せられずに、ある種類の学問は他の学問に従属するような感じが、ずいぶんあつた。つまり医学と歯学の間において、医学が軽視せられて、医学の従属のような感じがあつたことがなかつたろうか。これはまつたく、口腔外科のようなものも、一般の医学とともに、一つの主体性を持つて行くべきものであつて、あえてこれが一般医学の配下に、あるいはまた従属下にあるものではない。従つて、文部省としても、あるいはまた文教の指導の立場からいつても、やはりこれを相当重要視して行かなければならぬのではなかろうかと考えておるのでありますが、この点について、大臣はどういう御見解をお持ちでございますか。
  250. 天野公義

    天野国務大臣 まず初めの点でございますけれども、初めの点も、今の日本の一般の状況から、そういうことは余儀ないということで、もう二年も延ばしてよいというなら、それがよりよいということにおいては、何も意見をさし述べるわけではございません。  それからまたこういう点について、笹森さんと少し考えに違いがあるかと思うのでございますが、いかがなものでしようか。私はすべてのことを学校で習つてしまうという考えが、よくないのじやないかと思うのです。やはり学校は、基礎的の知識さえ持てばいい。たとえば哲学でいうならば、学校で十分哲学をやることは、不可能なことであります。だから、哲学研究というものができる、いわばある程度の基礎を覚えておけばいい、あとは自分でやつて行くことが重要ではないかと思います。日本の社会の非常な欠点は、学校におる間に何でもやつて社会に出れば、もう勉強もせず、また勉強のできないような境遇にしてしまう。私は、むしろ学校を早く出て、そして社会で働いて、またその働いている者を、社会の各部門がそれぞれ上の学校に現職のまま留学させる。そういう方法をとれば、もつとほんとうに多くの人たちを勉強させることができるというような私見を、平生から持つておるものでございます。  それからまた、次の医学と歯学については、私はまつたく同感でございます。ただ、これは日本の従来のしきたりと申しましようか、習慣から、こういう差別待遇が起つて来ているので、まつたく御議論に同感でございます。
  251. 笹森順造

    ○笹森委員 御意見を承つたのでありますが、前段の、私と意見が違うのじやなかろうかという御心配は、御無用で、私も実はそう考えております。実は、日本の学問は肩書学問であつて、実際の学問でなかつた。従つて、学校を卒業するということが、ほとんどその人間のゴールであつて、そこまで行けば、あとはもう勉強せぬということが、日本の一切の文化的な活動を成長、発達せしめなかつた。従つて、終生人間は学問をし、努力すべきものだという、そういう機会を與うべきものだということは、決して意見の相違はございませんから、御安心を願いたい。そういう方面へと、文部大臣も今後御指導願つたら、けつこうだと思います。  なお、歯学、医学についての考え方に、主体性、あるいはまた取扱い方において別段差別を設けない、しかし今までの考え方は、残念ながらそうしたような軽重があつたというようなお言葉でありますが、これは単に日本においてばかりでなく、諸外国においても、同様であつたようでございます。外国においても、髪床屋さんと歯科医とは、同じレベルに置かれたということが、あまり遠い過去でもなかつたようであります。しかしよくその專門の方方のお話を伺つてみますと、そういうものではない、やはりこれは大事なものだということで、軽重を置くべきものではない、ただ種類が違うだけだ。にもかかわらず、実際日本の今日の状況は、たとえば、教授の陣容などを見ましても、大体医科大学でありまするならば、その專門の医学博士を何人か教授陣容として備えなければならぬ。しかし、今日日本の歯科大学においては、口腔外科の專門の博士がおつて、その專門の学問を指導するようなことを、私は寡聞にしてあまり多くを聞いていない。そこでこれは大臣御自身の御答弁を得るか、あるいはまた局長の御答弁になるかもしれませんけれども、この口腔外科に関する專門の博士が、学位を持つて指導し得るところの、者が、大学において要求される教授陣容の中で、今、日本に十分あるかないか、またその状況がどうなつておるか、その実情について御答弁を願いたいと思います。
  252. 稻田清助

    ○稻田政府委員 十分御承知のように、国立におきましては、東京医科歯科大学がございまして、この歯学部におきましては、口腔外科初め、補綴とか保存とか、それらの專門教授を十分備えております。また、御承知のように、本年度におきましては、特に大阪大学に新たに歯学部を創設いたしまして、必要な講座を充実したようなわけでございます。そのほか各医学部におきましては、北海道を除きまして、すべて口腔外科の講座を特に設けておるような次第でございます。将来といえども、歯学教育の重要性を考えまして、十分充実いたしたいと考えております。
  253. 笹森順造

    ○笹森委員 私のお尋ねしていますのは、そういうところに歯学專門の、つまり口腔外科專門の学位を持つた教授か充実しておるかどうかということです。
  254. 稻田清助

    ○稻田政府委員 口腔外科関係におきましては、従来、医学部において大学院制度がございましたので、その方面の学位を持つている方は、相当あると考えております。ただ補綴とか、保存とか、材料とかにつきましては、何分医科歯科大学も創設問もないことでございますので、そうした学修課程あるいはその他の課程がないわけでございますので、お話のように、学位を持つている人は、ほとんどないと思います。
  255. 笹森順造

    ○笹森委員 ただいまのお答えで、実情がわかつたのでありますが、これはぜひ国立の大学においても、あるいはふた私立の同種の大学においても、その教授陣容の充実が重点であろうと思いますので、今後それをどういうぐあいにして行かれるということについて、伺いたいのであります。つまり言葉をかえて申しますならば、私立の大学においても、将来ポスト・グラジエート・コースを置いて、そしてその方面の学問をやつて行くことを、何かお考えになつておるか。あるいはまた、現存の国立大学において、それらの手当を今後充実して行くについて、何か具体的な考案なり御研究があるかどうか。こういう具体的なことについて、お答えを得れば仕合せだと思います。
  256. 稻田清助

    ○稻田政府委員 私立大学について、大学院制度を設けるかどうかは、私立大学それ自身の今後の御計画に属することでありますが、私どもといたしましては、歯学に関する私立大学が、さような方面の充実することを、衷心望一でおります。国立大学につきましても、既存の学部の充実が、まず大前提でございますが、先ほどお答え申し上げましたように、歯学方面の学部の講座充実という点は、非常に重要な問題として、今後考えて参りたいと思つております。
  257. 笹森順造

    ○笹森委員 そこで、具体的な問題をお尋ねしたいと思うのでありますが、医学、歯学については、それだけの教育を十分受けて、国家試験を通つて、そして開業するという段階になるわけでありますが、先ほど申しましたように、特に歯科の点は、どつちかというと、今まで軽視されていて、中学を出て、三年あるいは四年程度の專門学校を卒業した者が、歯科医師となつておつたというのが、今度大学になりましたので、その大学に入るについては、ただいまお話の出ておりますような事前の、前期大学とでも申しましようか、相当な単位をとらなければ、入学ができないという状況にある。学校教育法によりますと、その大学の他の学部、または他の大学に二年以上在学して、そしてその単位をとらなければならないというようなことになるようであります。その場合に、従来は、歯科医学校は、大学となりました場合に、予科というものを設けることを許されていた。それが御承知のように問題になつて、厚生委員会等においても、今期の議会において非常に皆様方御熱心にこの問題を取上げられた。そうしてこれを来年の三月までで切るということになると、ある学校においては、志願者を得ることが非常に困難である。従つて実情に即して、定員を満たすに足るだけの志願者が将来出て来るまで、今申しました単位をとつた者が、ほかから迎え得られるという状況になるまでは、これを延ばしてもらいたい。そうして、私が聞いておりますところによると、厚生委員会においては、これに非常な同情をお持ちになつて、大体五年くらい将来延ばしてもらいたいというような意見があつたとか聞いております。そこで、これはむろん厚生委員の方のいろいろなお心添えもあつたようでありますが、当然これは教育にも関係したことでありまするので、こうした予科というものを、その入学者の数を満たすに足り、そして将来それを通つて、日本の国が必要とするだけの歯科医師を社会に供給するということができるようになるまで、今の年限を延ばしてほしいという問題について、文部当局はどういう御見解をお持ちでありまするか、お尋ねしたいと思います。
  258. 稻田清助

    ○稻田政府委員 お話のごとく、私立の歯科大学に、現在経過的に認められておりまする予科がありますが、その入学は来年度から認められないことになるわけでありますが、御指摘の通り、これらの歯科大学の志願者が相当少いというような現状から見まして、なおしばらくの間は、この経過措置である予科の存置を存続することは、十分考慮しなければならぬ問題だと考えております。関係方面とも十分折衝いたしまして、善処いたしたいと考えております。
  259. 笹森順造

    ○笹森委員 ただいまのお答えですが、私はそういう場合の実情に印することを、実は望んでおりますので、年限を何年ということを申し上げておるのではないのであります。ただしばらくというと、これはなかなか言葉がむずかしいので、数箇月という意味か、二、三年という意味か、五、六年という意味か、日本語というものは、このしばらくがはつきりしませんが、これは実情に即するものであればよろしいので、これを何年延ばせということを私はここで要求するものでもなければ、あるいはまた関係の大学当局においても、何年どうせいということではなくて、実情に即するような——私どもの立場から言うと、国家、社会が要求するだけの歯科医師を社会に供給し得るための必要なる員数を、入学当時において得ればよろしい、こういう国民的立場が、私どもの論議の趣旨だと思います。従いまして、この実情に即するようなしばらくであることを、特に要望申し上げたいのでありますが、さだめしこれはここでは正しい御答弁が得られなくて、いろいろな必要なるお手続がありましようから、これについて、そういうぐあいに特に御要望を申し上げておきたいと思います。  さらに、もう少し進めて申し上げておきたいのでありますが、これは先ほどの問題にちよつと返つて行きたいのでありますけれども、大体修業年限に関しましては、大学ばかりでなくて、新しい学制制度が日本に適用されましてから、私どもが昭和二十二年に新制中学などを具体化しましてから、今日まで相当な経験を経ております。経済事情も大分かわつて来ております。しかしながら、まだなかなかおちついておらぬというので、今後これを根本的にもう一ぺん検討しなければならないという考えであるか、大体今まで通つて来た線をどこまでも堅持して行ごうという考えであるか。過去の経験に照して、ごく総括的でよろしいから、文部大臣は、戰後学制改革が行われました実験に照して、今後の方向づけを大体どうお考えになつておるか、構想だけでもよろしゆうございますから、御発表願えれば幸いだと思います。
  260. 天野公義

    天野国務大臣 私は六・三・三・四というシステムは、ぜひこれを堅持して行きたいと思つております。だから、何かの修正を要することがあつても、それはこのわくの中で修正を考えて行きたい。このシステムそのものを動かすということは、今までせつかく苦労して来たことを、むだにするおそがあるばかりでなく、いろいろ混乱も起すし、またこのシステムそのものが、私はいいシステムだと思いますから、どこまでも堅持して行きたいという考えであります。
  261. 笹森順造

    ○笹森委員 六・三のことは、それでわかりました。私どももそれが今日における教育に関心を持つておる者の常識だと思います。大体これに反対する意見もあるようでありますけれども、それは無理ではなかろうか。今大臣が話をされたのが最も妥当ではなかろうかと私どもも考えております。  そこでもう一つの問題は、多少先ほどの話にも関係がございますが、短期大学というものがその中にひよこつと出て参りました。これを大臣は、かつて前期大学というような表現をされた。これが当つておるか当つておらぬか知らないけれども、日本全国においてせつかくでき上りました新制大学、特に私立学校等において、短期大学等が経済的な非常な難問題に当面し、あるいは経済難に陷つて、せつかく大学審議会において認められて発足したものも、門戸を閉鎖しなければならないという状況が、過去一、二年において相当あつたようであります。しかるに最近になりましてから、また少し情勢がかわつたのではなかろうか。今後経済状態が多少立ち直つて来ますとともに、やはり学問に対するあこがれが、昔のように徴兵制度がなくなつた今日、青年に対する一つの大きな魅惑でもありますし、大きな希望でもありますので、そういう方向にだんだん来ておるようにも実は観測しております。しかしながら、学問は看板でなくて実際のものであるという観点からいたしますならば、先ほどお話の一般教養の上に、プロフエッシヨナルと申しましようか、職業と申しましようか、職域と申しましようか、そういうものを四年やつた上に特にやるべきだというお考えもあるようでありますが、そういうこととにらみ合せて、今の短期大学の処置をどうするか、あるいはまた全国にまたがつておる一般大学の整理統合なり、また実際その能率を上げて行く上において、どうこれをひつぱつて行くべきかということについて、今までの御経験の上で、今の新学制制度についてのお考え、御批判、あるいは御計画等がありますならば、私どもの関係しております多くの問題の研究にも資したいと思いますので、ごちやごちや話をしたようではありますが、新制大字、つまり前期大学、さらにそれを経過した後のポスト・グラジエート・コースに対する整理統合等、これは国立もあれば公立もあり、私立もありますか、全般を通してどういう御観察をしておられるかお伺いいたします。
  262. 天野公義

    天野国務大臣 私はこれは非常にむずかしい問題だと思つております。ですから、諸方の御意見を伺いまして、愼重にこれをきめて行きたい。だから、今私がここで結論的なことを言う時期にはなつておりません。けれども、せつかくのお尋ねでもありますから、大体こういう線がよくはないかという、まだこれからかえ得る余地のある意味において、お聞き取りいただきたい。  短期大学については、私はやはり短期大学というものは必要だと思うのです。人間には、それぞれの性質があつて、学問を一生やることが適した者もあると同時に、早く社会に出て活動することが適しておる人もあります。だから、そういう早く社会に出て活動するという人のためには、短期大学というものは非常にいいのではないか。そうして一ぺん社会に出てそこで働いて、また現場からその人を上の学校に入学させてくれるというふうにすれば、学問というものと実際というものを媒介することができるのではないか。今のような状態に置いておくと、何か大学というものと実際と離れてしまうという危険もあるし、そういう意味では、一ぺん社会に出た者を再教育するということを、もつとずつと、非常に大規模にやりたいという考えを、私は持つておるのであります。  ついでにここでつげ加えさせていただくと、現在再教育ということは、それ、それの省でやつております。御承知のことと思いますが、運輸省であろうと、電通省であろうと、それぞれやつております。けれども、そこへよい教授を集めて再教育をやるということは非常にむずかしい。どういうところでも、たとえば、哲学なんというものも科目の中に入りますけれども、そういうところへ行つて教える哲学の適当な教授というものが、なかなかいない。それをどつかへ一まとめにして再教育するということも、非常に必要なことではないか。あるいはまた、学校の先生なんかについて見ますと、長野県は留学生を出しますけれども、受入れ態勢がない。それをちやんと受入れる態勢をつくつて、教員の養成をやるということが非常に有利だ。最近では、京都大学はそういうことをやつておりまして非常に効果をあげておる。そういうように、早く学校を出て、またほんとうに学問をやりたい人間、同時に、もつと進歩したい人間、ただ資格をとりたいためじやなくそういう意欲を持つた人間を集めた再教育という意味では、上の方をやることもよいことであるから、私は短期大学というものは、そういうふうに発展させたらどうか。上へ行く予備校ではなくて、ここで完結した——最近この国会で問題になつております産業教育の振興というようなことも、短期大学というようなものを利用すれば非常によくやれるのであります。そういう考えも一方に持つております。と同時に、六・三・三・四という線は、これは先ほど言いましたように、確保する。従つて、地方にできました大学も、できるだけこれを何とか擁護して、その線に沿うて、伸びれるようにする。一ぺんつくつてしまつたものを、みだりにやめるということは、できる話のものでもないし、またしてはいけないことであるから、これはできるだけ擁護して育てるようにする。けれども、どこの大学もいろいろの科目をみな持つということは、財政力があつたところで、教授力がないのですから、ある大学はどういう科目を特色にするということによつて、それぞれのブロックがほんとうにみんなが一つの特色があるから、集まつて総合大学になれるというように、この四年制というものを構成して行くことが必要じやないかという考えをもつて、大体においてそういう四年制のできた大学は、これを助成して行こうという考えでございます。けれども、なおよく諸方面の意見を伺つて事をきめたいというつもりでございます。
  263. 浦口鉄男

    ○浦口委員 二、三お尋ねいたしたいと思います。ただいまの大臣のお話で六・三三丁四制は、そのシステムはあくまで堅持するというお話がありました。ただその中で、修正さるべきものもあるであろうということのお話がございましたのは、了承いたします。その問題の中の一つでありますが、学区制について、お尋ねをいたしたいと思います。国会においても、いろいろな法案によつて、教育の根本的な問題が論議されておるわけでありますが、学区制の問題ももちろんその中の一つであると思うのであります。ところが、その根本的な問題については別といたしまして、現段階において、学区制がいろいろ矛盾を来しておる面が、たくさんあるのであります。申すまでもなく六・三までの学区制は、学校教育法によりまして、これが各自治体によつて実施が義務づけられているのでありますが、私が今ここでお尋ねいたしますのは、高等学校についてであります。義務教育におきましては、もちろんこの学区制の根本が、いわゆる機会均等、あるいは学校の偏在防止、学校差の平均という、こういうような意奪いで、われわれはこれをある程度肯定をいたすわけでありますが、少くとも高等学校におきましては、そこに幾分か学校に対する生徒の選択権が許さるべきではないか、こういうふうに考えるわけであります。もちろん、これは都道府県の教育委員会法の五十四条できめられているわけでありますが、この一面には、私立学校は選択権を許されておりながら、公立の学校は許されていないということが、非常に実際の教育の面に、学校生徒の勉学の意欲をそいでいるという事実を、われわれはたくさん見るのであります。申すまでもなく、自分の志望した学校に入るということが、そこにきびしい試験を突破して入るということにおいて、学校に対する一つの愛校心と申しますか、あるいは愛着心というものによつて、非常に勉学に拍車がかけられて、その結果非常に実効が上つて行くということを、われわれはどうしても見なければならぬと思うのであります。そういう点で、少くとも高等学校の学区制について、文部省はこの実施の実績に照しまして、今後に対して、今どういうふうなお考えをお持ちでありましようか、その点をひとつお尋ねをいたしたい。
  264. 天野公義

    天野国務大臣 この学区制というものは、確かに両面を持つておると思うのであります。よい面と悪い面とを持つております。よい面を申しますと、今まで学校差というものがあまりにひどくなつてしまつた、そういうものをこれによつてなくなすことができる。また通学に無理に遠くから通字するというようなことをやめるというようなことはできると思いますが、しかし一方においては、長い伝統を持つておつた学校の、その伝統も何もなくなるような、また学生がせつかくそこに入つて伝統を守つて行こう、りつぱな校風を立てて行こうというようなものがなくなるというような点に、不利な点があるということで、これは両方を考えなければならぬと思う。現在、実際には非常な弊害を生じておることも、私はあると思つております。少くも、これは非常にむずかしい問題でありますので、検討を要するというふうに考えております。
  265. 浦口鉄男

    ○浦口委員 私はその御答弁を一応了承いたしますが、ただこういうことも言えると思うのであります。たとえば学区制をつくりまして学校差をなくするという方法が、早く実現できることかどうか。あるいは実際において、各学校が自分の学校の設備その他教職員、内容を充実するという方向に行く方がいいか、これは非常に考えなければならぬと思う。しかも公立学校は現在の財政状態において、近き将来に学校差をいつなくすことができるかということは、事実問題としてわれわれは非常に大きな疑問を持つておるのでありますが、そこでむしろ自由学区にしておいて、自由なる競争と申しますか競争——という言葉は不適当かもしれませんが、向上にまかせる方がいいのではないか、こういうふうにも考えられるのであります。なお通学距離につきましては、少くとも人口の十万あるいは二十万ぐらいの中都市になりますと、端から端まで通学をいたしましても三キロか四キロというふうな事実から見ますと、必ずしも通学距離によつてあくまで学区制を堅持するということにも、非常に疑問が出て参り、しかも高等学校の生徒の体力その他から申しますならば、おのずからここに六・三までの義務制とは違つた考え方も出て来てよろしいのではないか、こういうように考えられるので、その点についていま一度御答弁を願いたい。
  266. 天野公義

    天野国務大臣 私は今浦口さんのおつしやつたことは一々ごもつともだと思つております。この点やはり研究する必要があると思う。私は、それなら従前の通りで、少しも欠点がなかつたかというと、学校差というものは、相当ひどかつたと思うのです。私は教育上一番避けなければならないことは、ある子供を高慢にし、ある子供を卑屈にするということだと思うのです。できるなら自分の学校はよい学校だ、こういうふうに思つて生徒が通学することが、望ましいと思うのです。ところが、一中を受けたけれども入れないから自分はこつちだということは、子供の心理に及ぼすことが非常に大きい。ことに民主的な精神というものからいうと、学校差というものは好ましくないものだと思うけれども、今申されたようないろいろな欠点もありますし、ことに法律上には別段学区を自由選択してはいかぬということはないのですから、よく研究してみたいと思つております。
  267. 浦口鉄男

    ○浦口委員 このことは、アメリカでもやはり一つの研究題目になつているということを聞いております。一部には学問の自由ということにおいて、学区制をあくまで強行し、学校の選択権を許さないということは憲法違反ではないか、こういう意見を高等学校方面からも大分聞いておるのでありますが、そういう点については、どういうふうに御解釈になつておりますか。
  268. 稻田清助

    ○稻田政府委員 御承知のごとく、県の区域における高等学校教育の基準は、学習指導要領できまつておりますから、各学校間に、お話のような教育の差、学問の自由の差があるわけはないと考えております。その程度におきまして、憲法違反というほどの問題は引起さぬと考えております。
  269. 浦口鉄男

    ○浦口委員 今の局長の答弁は、ちよつと納得行かないのでありますが、しかしこの学区制については、いずれ教育の根本についての再検討というわく内において、文部省としては種々検討をされているということに了承してよろしゆうございますか。
  270. 天野公義

    天野国務大臣 よろしゆうございます。
  271. 浦口鉄男

    ○浦口委員 総合制の問題は、もちろんアメリカの教育使節団の勧告により、また地方民事部の勧告によつてなされたことでありますから、法的の措置ではないのでありますが、これについても、とりわけ高等学校、とかも実業高等学校を画一的に総合制にしたということで、教育の内容が非常に低下しているということは事実であります。これは、私この委員会におきましても、前次官の劔木さんあるいはその他に二回か質問いたしまして、明らかに政府としてはこれを認められているのであります。今度の産業教育法は、あしたあたり参議院を通過すると思うのでありますが、これが実施される面においても、これが非常に大きな障害になつているところが、たくさんあると思うのです。もちろん、これは学区制と非常に密接な関連を持つているのでありますが、産業教育の低下については、文部大臣もかつて、新制大学は非常に内容が充実しないために、これを廃止して職業大学にしてはというような、非公式ではありましようが、御意見を発表されたということも承知しておりますので、そういう点から、総合制についても、直接文部省がこれの監督権その他をお持ちにならないとは思いますが、何か将来についてお考えになつているところがあれば、この際承りたいと思います。
  272. 天野公義

    天野国務大臣 この総合制ということについては、私の聞いておるところでは、教育学者あるいは実際にやつていた人の中のある人は、いいという論をしております。しかし、大体は今おつしやつたように、これはどうかという論の方が多いように思つております。ことに学区制とこれをかみ合せてやつておるということから出ておるいろいろな不便な点もあると思つております。私どもが自主的にものを考えれば、またここに研究する余地がある、非常に問題だということは、私も考えております。
  273. 浦口鉄男

    ○浦口委員 これで終ります。
  274. 小林進

    小林(進)委員 ほんの簡単に、二点ばかりお尋ねいたしたいのですが、近く全般的に公職追放者が解除になるということを、新聞紙上で承つておるのでありますが、この中には教育関係の追放者ももちろん含まれております。また一般追放者の中にも、われわれが考えていまだ好ましからざる人もあるのではないかというふうにも思われるのでありますが、この問題について、文部大臣があるいは内閣——でなくても、何とか審議会というものができましたが、そういう方面に文部省としての意思を発表されたることがありますかどうか承りたいと思います。
  275. 天野公義

    天野国務大臣 これは公職追放の解除と同時に、この問題を考えてもらうように、私は申し入れた次第であります。
  276. 小林進

    小林(進)委員 そのお申出になりました内容を、ここでお聞かせ願うわけに参りませんかどうか、承りたいと思います。
  277. 天野公義

    天野国務大臣 その内容は、まだ私はここで述べるときでないと思いますから、どうが御了承いただきたいと思います。
  278. 小林進

    小林(進)委員 それでは個々の内容は別といたしまして、文部大臣としての、この解除の問題に対する御意見を、ひとつ承るわけに行きませんでしようか。
  279. 天野公義

    天野国務大臣 私も今小林さんの言われましたように、まつたく好ましくないという人もあると思います。けれども、許される範囲においては、できるだけ広く解除したい。ただしかし、何でも全部というわけにはもちろんいけないという大体の考えを持つております。
  280. 小林進

    小林(進)委員 この問題は、私はこれで打切りたいと思いまするが、いま一つの問題は、これは主として義務教育に関する学校の設備に対しての質問であります。今でも六・三制の設備の資金は、国家から交付になる補助金程度で出ておりますが、しかしこれが十分ではございませんので、私ども各地方へ参りますと、小学校ないしは中等学校の設備の金に、非常に地方自治体が困つでおるのであります。ところが御承知のように、地方財政の六割ないし七割、ひどいところでは八割が、ほとんど教育費にとられておるような現状でありまして、現在なかなかこれがここまで行かないのでありますために、一方では何とかこれに対する方法として、地方財政ではもうまかなえないので、願わくば起債のわくでもいま少しく大幅に広げてもらえないかという要求が多いのでありますが、その起債のわくもなかなかか苦しいものがあつて、現在許されていないようなんです。こういう問題を、文部省といたしましては、何とかひと一つここで大蔵省なり関係官庁へ御相談願つて、いま少し措置を講じてもらわないと、教育行政上重大なる影響があると思いますので、この点に対して、文部大臣はどの程度に実情を把握せられ、かつ、これが救済に対してどんなようなお考えをお持ちになつておられるか、これをひとつ承りたいと思います。
  281. 天野公義

    天野国務大臣 その点は、小林さんのおつしやるような点で、非常に義務教育が困難な立場になつていることは、私もよく知つております。でありますけれども、一方ではやはり国家の財政ということもあるのですから、そこに非常にむずかしい問題があり、ことに平衡交付金という制度になつてしまつて、こちらから平衡交付金に入れてしまつたものは、少しも教育費といつてこれを指定することもできないのですから、そういう点に非常にいろいろな困難を持つておりますが、よく大蔵大臣にもお願いして、また制度の上でも、平衡交付金という制度のもとにどうしたらよいかということもよく検討して、義務教育の充実ということに善処して行きたいと考えております。
  282. 小林進

    小林(進)委員 先ほどの請願にもありました通り、特に雪の降る地方や雨の多い東北、北海道あたりは、雨天体操場というものは、教室と同じように欠くべからざるものであります。それがいわゆる六・三制の設備費の中に含まれていない。これはどうしてもつくらなくちやならぬのでありますから、これだけは、地域的に見て特に東北、非海道は余分な費用を持つ。これは一つの例であります。その他いろいろ設備資金にかかりますが、今申し上げました平衡交付金の問題は別といたしまして、起債の面であります。できれば胡債の面においても、何とか文部省といたしましては、学校の設備費に関する限り、特別の起債のわくを地方財政に許すとかなんとかいうような方法を、大蔵当局に御交渉ないしは願えないか、こういうことであります。
  283. 相良惟一

    ○相良政府委員 私かわつて御答弁申し上げます。公立学校の施設に関します経費は、地方の負担になつておりますので、地方財政法その他の関係から、特別に起債のわくを広げるというようなことは、相当困難であります。ただしまおつしやいました寒冷地方の雨天体操場その他の施設に関しましては、公共事業費で多少の補助は考えております。二十六年度の予算の中に、現在多少でございますけれども、計上してございます。さような次第でございますが、特別に起債というような方法を考えることは、相当困難だと思いまするが、御趣旨は非常にごもつともと存じますので、できるだけの努力をして行きたいと思います。
  284. 小林進

    小林(進)委員 大体御答弁の趣旨は、もう私最初からわかつていたのであります。その問題のために、私どもは実はまあ大蔵省に行きましたり、国税庁に行つたり財務局に行つたりして、あらゆる陳情、請願に、先生や村長さんあたりと努めているわけでありますが、結局デッド・ロックにぶつかつてどうにもならない。ならない結果が、子供が泣いて教育が不満足ということになるのであります。従いまして、結論としては、困難な問題を、いま少し文部省としても真剣にひとつお考え願えないかというのが、私のお願いの筋なんであります。
  285. 天野公義

    天野国務大臣 できるだけそのように努力いたします。
  286. 若林義孝

    若林委員 大分時間が経過いたしておりますから、簡単に一点だけお伺いしておきたいと思います。過般文部省、特に文部大臣の御配慮によりまして、義務教育無償促進の一翼といたしまして、教科書の無償給與の奨励法が出たわけでありますが、その実施の状況が、どういうような気持で受ける方に映じているかということが第一点。またそれの御調査が集まつているかどうか。あれは御存じの通り、今年一年限りの法案になつているのでありますが、それに基いて将来も継続するおつもりですかどうか。それからなお、今年度は一年だけでありましたが、これを二年、三年というように拡大をなさるおつもりかどうか。これはもう與野党を問わず、大いに努力をしなければならぬと思いますので、大臣の御意向をひとつ伺いたいと思います。
  287. 天野公義

    天野国務大臣 その影響は、私はまだ係の局長から聞いておりませんので、よく調べさせてみたいと思います。私としては、これはどこまでも継続してやりたいと考えております。
  288. 若林義孝

    若林委員 継続だけか、拡大する御意思は……。
  289. 天野公義

    天野国務大臣 できれば、拡大して行きたいという考えであります。
  290. 若林義孝

    若林委員 至急ひとつ拡大をし、継続して行くためには、今年の実施状況が有力なる資料になると思いますし、この資料を持たずに努力をするということは、きわめて困難だと思いますので、この資料を文部省でもやはり御考慮願い、またわれわれ国会側としても、これが十分把握できますような御協力を願いたいと考えます。  なおいろいろありますけれども、もう時間が非常に経過いたしておりますから、またの機会にいたします。
  291. 相良惟一

    ○相良政府委員 ただいま実情についての御質問でございましたが、ここに明確な数字を持つておりませんが、大体一万有余の市町村の中で、現在教科書の配給をいたさなかつた町村というものは——、市は全部給與いたしたそうでございますが、町村は二、三十にとどまる。そのほかの町村は、すべて教科書の無償給與の法律によりまして、給與をしたように聞いております。但し東京とか大阪というような大都市では、半額と申しましても、非常な経費に上りますので、相当悲鳴を上げているように、私どもは近況を聞いております。
  292. 小林信一

    小林(信)委員 今の教科書の問題ですが、今あの法令に基いて支給しなかつたという町村が二、三十あるというお話なんですが、その理由を御調査になつておりますか。なつておつたらその理由をお話願いたい。これはまたあとで御調査願つたものを書類か何かでお渡し願えればけつこうです。そうして来年度また実施される予定であるとすれば、これはあの場合もお聞きしたのですが、この金の回収という大きい問題が、私は出て来ると思うのですが、あれがもし来年度も実施するとすれば、発行所から政府なりどこなりに渡されるのは、四月一日に子供の手に渡るものとすれば、政府なり、どこなり、業者との取引というものは年度内に行われるわけなんですから、今年はまだ予算を獲得していないかもしれませんが、来年度の分が、本年度の予算で取引ができるようにすべきであるということをお話したら、政府の方でもそうすべきだと考えておられたようですが、これも将来教科書を配給して行くという大きな仕事から考えれば、なるべく私の考えておるように進んでいただきたい問題なんですが、それらについては、どうであるか。というのは、それができるかできぬかでなくて、金の回収というようなことが、問題なく市町村から発行所まで還元することが円滑に行われるかどうかについても、私は御調査を願いたいと思う。
  293. 相良惟一

    ○相良政府委員 ただいまの御質問は、詳細な資料をもつてお答えいたすことにいたします。
  294. 長野長廣

    長野委員長 ほかに御質疑はございませんか。
  295. 浦口鉄男

    ○浦口委員 先ほどの追放問題についてお尋ねしておきたいと思います。実は五月二十八日のこの委員会で、教職員の追放解除について、大臣は、全部解除したいが、必ずしも全部解除になるかどうかわからない、そのあとで、極端なる軍国主義者あるいは国家主義者というものを除いてと、こういうふうにおつしやつたのであります。もちろんこれは非常にむずかしい問題であるとは思うのでありますが、この教職にある人で、いわゆる軍国主義者、国家主義者、しかも極端なるこうした人たちは、一体どういうところに大臣は判断の一線をお引きになつておるかということを承つておきたい。
  296. 天野公義

    天野国務大臣 一例ですけれども、たとえば公職追放の方が許されない人、そういう人を教職で許すというわけには行かない。そういうのが一つの例でございます。要するに、教職の場合には、わくで行くということはなかなかできないので、一つくの場合に当つて行くという仕方をとつで行こう、ただ私の希望としては、さしつかえない限りは大幅に許したいというのが私の希望だということです。
  297. 浦口鉄男

    ○浦口委員 先ほどの渡部委員に対する御答弁の中にも、共産主義者であるからといつて、必ずしも追放するとは眠らないと、こうおつしやつた。それはその通りだと思うのでありますが、そうなりますと、軍国主義者、国家主義者であるから追放すると、こういうことにもならないと思います。それは何か具体的な行動なり、あるいは言論に現われた場合に、それが現在の国情において、あるいは日本の今後の生存して行く上において障害があるというふうな、具体的な影響が考えられたときに、これが追放される、あるいはそうしたことが過去にあつたことが追放解除にならない理由になる、こういうふうに考えてよろしゆうございますか。
  298. 天野公義

    天野国務大臣 そういう極端な軍国主義とか、極端な国家主義といいましようか、そういうようなものが、書物によつてちやんとあるとか、いろいろそういう行動をしたとかいうことで追放になつたときには、許されない場合もあり得ると考えております。
  299. 浦口鉄男

    ○浦口委員 戰争中の翼賛会関係の言論機関に協力したとかいうふうな、当時の指導的立場にいて発した言論が、たまたま戰争に協力した、こういうふうなことで解除にならないというふうな事実もあり得るかどうか、その点をちよつとお聞きしたい。
  300. 天野公義

    天野国務大臣 先ほど申しましたように、個々の具体的な場合について検討をして行きたい。その趣旨とするところは、できるだけ広範囲に許して行きたい。けれども、ある者はそういうわけに行かない、こういう考えであります。
  301. 長野長廣

    長野委員長 ほかに質疑はございませんか。——なければ文部大臣に対する質疑はこの程度にとどめ、皆さんにちよつとお諮りいたしたいことがあります。速記をとめて。     〔速記中止〕
  302. 長野長廣

    長野委員長 速記を始めて。  本日はこれにて散会いたします。     午後四時四十五分散会