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佐藤(重)委員 本
請願の
請願者は、横浜市の大船大洞窟奉讃会長川瀬末吉外二名でありまして、
紹介議員は私と
浦口鉄男君でございます。本
請願の
要旨は、大船大洞窟は、洞内約一里に及び五重洞にして、全岩面には大彫刻千余があり、世界的な大洞窟を存しているにかかわらず、永年閉門同様になつているので、この際、大洞窟の文化的価値を生かし、人々をして昔の学理化学を知らしめるため、これが保護を加えることは緊要である。さらに当山一帯の保護をはかり、
施設を整え、良質なラジユーム温泉の沸出もあつて、
文化国家の建設の途上にある観光
施設を施すことは、ひいては外貨の獲得と産業の発展に寄与すること多大である。ついては、大船大洞窟を
文化財保護法による
史跡名勝天然記念物に
指定されたいというのであります。
なおついでに敷衍いたしますが、実は私と
浦口議員と委員部の高原君と、先般実地を視察して参つたのでありまして、今までほとんど世に知られなかつたこういう珍しいものが、しかも帝都のすぐそばにあることを見て、非常に驚いたような次第でありましたが、この
請願にあるしことは、一通りもつともなことだと考えております、何とか世に出していただきたい、こう考える次第であります。ただこの大洞窟のあるお寺の坊さんに井上という坊さんがいるのでありますが、この洞窟を自分の私有物だと主張し、この奉讃会の会長に五十万円ほどよこせということを要求しているといううわさなのであります。ほんとうかうそかわかりませんが、私ども実地を見、またこの坊さんと少しばかり談話を交換したときの感じ等から判断いたしますと、どうもこれはほんとうじやないか、あまりこれは感心した坊さんじやなさそうなんです。はなはだどうかと思つて、内心いやな感じをしたようなことでもありました。ことに洞窟を視察している最中、はなはだ怪奇虚誕なことを話して、妙な印象を受けたのでありますが、そういうことも、この新しい時代に、はなはだふさわしくないことだと思いますし、こういつたような種類の、悪僧とまでは言わぬまでも、一種の妖僧ではないかと思つたほどであります。近ごろどうもいろいろな宗教が多くて、そういう
精神界のことを受持つている人たちが、かつてなことをすることは、はなはだおもしろくないと、実は考えておるようなわけであります。どうか
文部省としても、ひとつ県の
教育委員会に通知でもして、十分に実相をお調べになり、大いに新しき時代の要求に沿うような、適当なる方法を講じていただきたい、こう考える次第であります。あわせて
意見を開陳いたしておきます。