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平野委員 少くもこれだけの厖大なるところの
計画があれば、当然これは国有林の方でも相当
考えなければならぬことだというふうに常識的患われますが、ただいま
林野庁長官からお答えがあ
つた通り、今日まで何の
連絡もなければ、また将来にわた
つても、国有林がこれらの
資材のめんどうを見るというような
計画もないというわけで、結局これは全部民有林に依存するということになろうと思うのでありまして、今の御
計画は少くも当てずつぽうということになり、私は実に意外にたえないのであります。実は私は岐阜県の人間でありますけれ
ども、現在愛知県の春日井に大きな
パルプ工場が
建設中であるということを聞いております。私は、岐阜県の実情を最もよく知
つている者として申し上げるが、少くも岐阜県からあの
工場に
資材を供給するというようなことは、とうてう不可能である。現在岐阜県にも本州製紙の
工場とか、その他
パルプ工場が相当ありますが、これらは岐阜県ではほとんど集荷しておりません。みな他の府県から集めておるのであ
つて、既設の
工場でさえも、現在岐阜県の県内では
木材を集めておりません。また集めることができない
状況にあるのであります。
従つて、この春日井にできる
工場のごときも、岐阜県からは全然あてにしていないだろうし、またあてにしても入れるということは全然
考えられないのであります。しかしただいまの
入手計画を見ますと、山梨県からはわずか一万石で、岐阜県からは八万石も集めるという
計画にな
つており、しかも岐阜県の一部から集めるということにな
つておるのでありますが、これを見ると、ほかの
計画もま
つたくでたらめな当てずつぽうな
計画であ
つて、とうていかような
計画というものは
考えられない。特にこれはわずか三十二万石であるけれ
ども、島根県でできるものは六十万石、鳥取県も三十四万石、九州にできるものが四十万石というふうである。御
承知の
通り、
パルプの原木というものは、東北、北海道等北の方ならば相当の
資材を確保できる
見通しも成り立つものであるし、またその
方面にできるものならば、われわれとしても一応なるほどと思われまするけれ
ども、全部これは九州、四国、西
日本の方にできるように大体の
計画がな
つているので、この
資材入手計画というものについては、全然これは無
計画というか、ま
つたく当てずつぽうのもので、かような
工場ができましても、おそらく
資材の獲得は困難である。しかし
工場ができたからとい
つて、しいて
資材を買いあさるということになりますと、ほかの
産業を全然無視して、ただ
パルプを生かすためにめちやくちやなことをしなければならない。厖大なああいう
パルプの資本によ
つてそれはできるかもしれませんが、そういうことになりますと、ますます
木材の価格を増嵩せしめる原因になるだけであ
つて、いたずらに
日本の
林政の混乱を招き、
森林法をせつかく
改正しましても、とうていこの
森林法が正しく運営されるということはできない。しかも
森林法を守れば、せつかくこれらの
工場が建築せられて、莫大な資本が投下されても、立ちぐされに終る結果になるというふうにしか、われわれは
考えられないのであります。
従つて先ほど来
林野庁長官が申されましたごとく、すでに大分前から
林野庁が非常に心配されて、しばしばこれについて
通産省に警告を発し、
申入れをしておられることは、これも
林野庁の
立場にしては当然のことであります。それに対して
通産省は何らの回答もなければ、また協議もないということにな
つております。しかるに今日、その
認可権がないとか何とか言われても、
監督官庁の
立場としては、それでは私は相済まぬ、思いますが、それらについてどうお
考えになるのか。なおこの
資料はま
つたくでたらめなものであ
つて、とうていこれは、われわれとしては
審議するに足らぬものであります。さらにもつと正確なるところの
資料を重ねて提出されることを要求いたしまして、最後に、今の私の意見についてどう思われるのであるか、こういうことでいいと思われるのであるかどうか、重ねて御
質問いたしまして、一応私の
質問を終ります。
さらに特に
委員長にお願いしたいことは、非常な重大な問題でありますので、もつと的確な
答弁をされるように要求していただきたいと思います。