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原田委員 今次官の答弁でやや安心をいたしましたが、まだ不十分だと思います。これはぜひそういう線に持
つて行くように御努力を願いたいと考えます。次にいろいろここに問題が起こ
つておりますが、これは、
内容について一々申し上げることはもう盡されておりますので、申し上げませんが、結局角をためて牛を殺すような法律であることが事実問題であります。なおこの別表の問題で
河野委員から
お尋ねがあ
つたのでありますが、どうせ一応
省令で定められた以上は、実行するに間違いないと思うのであります。
先ほど取消しという
お話もあ
つたが、どうも不安定である。どうせ何かの形で現われて来るに違いないと思います。
この際私は専門的に一、二部分的に
伺つておきたいと思う。従来分娩前の期日というものはあまりなか
つたのであります。分娩後の搾乳というものは市販に供さなか
つたのであります。今度新しく、予定日がはつきりしないにかかわらず、三十日前からいけないというようなことを専門家がつくることは、私はけしからぬと思う。しかもこの法の
内容をよく検討してみますと、養畜農民のためでなくて、むしろこれは練乳会社のひいきをしていたもののように考えられます。こんなできないことを押しつけてや
つて、そして理想的にやられても——市乳には特別牛乳と普通牛乳とある、その当時でさえ、別に
衛生上故障はなか
つた。ただ最近ビタミンがどうだとかいう科学的なものにとらわれて、養畜農民の苦しみを織り込んでいない。こういうところに非常な矛盾がある。だからこういう規則をつくるのに、専門的に考えられても、アメリカ式にやられることは、まだ日本には早いと私は思う。この点は、少くともこの三十日というものは、これを十日か二週間以内というようなことに、専門的に改められるべきものだと考えます。
なおまた、この夏の攝氏の十八度の温度であります。この温度をずつと繰返して、始終モーターでや
つているといけません。もしこれが高まると酸度が高ま
つて来ることになる。これは技術的に皆知
つておられるはずなんで、氷を使
つて冷却する——そんなむちやなことをさせることは法外である。そういうできないことを法律で定めることは、けしからぬと私は思う。この点もぜひ改めてもらいたいと思います。
なおおかしなことは、乳幼兒に使うところの
衛生乳は、昔から病人と乳幼兒用であ
つた。ところが健康体の者が飲むのがだんだんふえている。ただ病人なり乳幼兒のみをねら
つたこの法の
制定は、まことに不完全である。少くとも酪農の
仕事というものは、一般国民の食糧に肩がわりしてこれを消費することが生産意欲を高める一つの
原因にもなるし、また販路の一助にもなる。これを小さいところに局限して縛ると、
生産者は悲鳴をあげうる。こういうことでは、乳牛の奬励は、規則だけはアメリカ式であ
つて、飲むものはアメリカ式でないことになるわけであります。この点をぜひ当局は意を注がれて、少くともこの問題を解決してもらわなければならない。なおかつ攝氏七十五度以上で十五分間加熱殺菌するということが書いてある。これも技術上非常に困難な問題で、機械を備えれば問題外であるが、農村に機械を買う金がないのにこういうものをしいてやるということは、この際どうかと思う。この点について
改正する意思があるかどうか、一応専門的に
お尋ねをしておきたい。