運営者 Bitlet 姉妹サービス
使い方 FAQ このサイトについて | login

1951-03-31 第10回国会 衆議院 農林委員会 第32号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十六年三月三十一日(土曜日)     午前十一時五十五分開議  出席委員    委員長 千賀 康治君    理事 野原 正勝君 理事 松浦 東介君    理事 吉川 久衛君       宇野秀次郎君    遠藤 三郎君       小淵 光平君    川西  清君       河野 謙三君    田中 啓一君       原田 雪松君    平野 三郎君       金子與重郎君    八百板 正君       木村  榮君    横田甚太郎君       松本六太郎君  出席政府委員         農林政務次官  島村 軍次君  委員外出席者         農林事務次官  山添 利作君         農 林 技 官         (農政局農業協         同組合部長)  打越顯太郎君         農 林 技 官         (農政局植物防         疫課長)    堀  正侃君         専  門  員 難波 理平君         専  門  員 岩隈  博君         専  門  員 藤井  信君 三月三十日  委員金子與重郎辞任につき、その補欠として  小林運美君が議長指名委員に選任された。 同月三十一日  委員小林運美辞任につき、その補欠として金  子與重郎君が議長指名委員に選任された。     ————————————— 三月三十日  農薬取締法の一部を改正する法律案内閣提出  第一〇九号)(参議院送付) 同月三十一日  農漁業協同組合再建整備法案内閣提出第一三  八号) 二月十九日  野洲州ダム建設附帯工事施行反対の請願(河原  伊三郎君紹介)(第七二二号) の審査を本委員会付託された。     ————————————— 本日の会議に付した事件  農薬取締法の一部を改正する法律案内閣提出  第一〇九号)(参議院送付)  農漁業協同組合再建整備法案内閣提出第一三  八号)     —————————————
  2. 千賀康治

    千賀委員長 これより農林委員会を開会いたします。  農薬取締法の一部を改正する法律案議題といたします。なお念のために申し上げておきますが、本案はすでに予備審査をいたして参つたのでありますが、昨日参議院を通過、同日本付託と相なつておりますので、御承知おき願います。  これより質疑に入ります。野原正勝君。
  3. 野原正勝

    野原委員 農薬取締法の一部を改正する法律案は、すでに参議院審査を経て本院に送付なつた議案であります。同時にまたその内容審査いたしまするのに、従来の農薬取締法は、その内容においてはなはだ欠陷があつたのであります。すなわち十分な規格の制定がなかつたという点や、あるいはまた誇大なる宣伝あるいは虚偽の宣伝等に対する取締りの方法において欠陷があつた。そういうような点をこのたびの改正によつてなくするという趣旨のもとに、今回の改正がなされたというわけでありますので、その改正趣旨はまつたけつこうなことであります。参議院の方におきましても全会一致通つたということであります。従つてそういう簡單内容でありますので、この際委員長におきましては質疑討論等を省略いたしまして、ただちに採決されんことをお諮りを願いたいと思います。
  4. 千賀康治

    千賀委員長 野原君の発言に御異議ございませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  5. 千賀康治

    千賀委員長 異議なしと認めます。質疑並びに討論は終局と決しまして、ただいまからただちに採決に入りたいと思いますが、御異議ございませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  6. 千賀康治

    千賀委員長 異議なしと認めます。本案賛成諸君起立を願います。     〔総員起立
  7. 千賀康治

    千賀委員長 起立総員、よつて本案は原案の通り可決すべきものと決しました。  なおお諮りいたします。衆議院規則第八十六条による本案に関する委員会報告書作成につきましては、委員長に御一任願いたいと思いますが、御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  8. 千賀康治

    千賀委員長 異議なしと認め、さよう決しました。  法案の都合もありまするので、委員会は暫時休憩いたします。     午前十一時五十九分休憩      ————◇—————     午後五時九分開議
  9. 千賀康治

    千賀委員長 午前中に引続き会議を開きます。  この際御報告いたします。本日、内閣提出農漁業協同組合再建整備法案を本委員会付託に相なりましたので、御承知願います。  これよりこの法律案議題として審議を進めたいと思いますが、御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  10. 千賀康治

    千賀委員長 御異議なしと認めます。それでは農漁業協同組合再建整備法案議題といたします。  まず本案趣旨について、政府説明を求めます。山添農林次官
  11. 山添利作

    山添説明員 ただいま議題となりました農漁業協同組合再建整備法案提出理由を御説明申し上げます。  わが国自立経済の基盤である農業及び漁業生産力を維持増進し、農漁民経済の安定をはかるためには、農業協同組合、同連合会漁業協同組合及び同連合会を育成助長しなければなりません。しかるに組合のうちには、最近の急激なる経済変動に直面してその経営が悪化しているものが少くありません。これらの組合は、その本質にかんがみまして、自主的にその整備強化をはかるべきことはもちろんでありますが、自力のみによる再建整備の困難なものにつきましては、政府財政的支出その他の援助により組合再建意欲を高め、早急に経営を健全化することによつてその使命達成に遺憾なからしめる必要があります。これがこの法律案を提出した理由であります。  次にその内容の概略を説明申し上げます。この法律案によつて再建整備を行います組合は、欠損金固定資産滞貨、焦げつき債権等を多額に持つているために、その債務を弁済することが困難な組合でありますが、これらの組合は総会の特別議決を経て、五年以内に手持ち滞貨及び焦げつき債権を一掃し、固定資産欠損金合計額以上の自己資本を持つことを目標とした再建整備計画を立てなければなりません。法律案ではこの目標達成のための具体的方法再建整備計画書に明示することを要求しております。  これらの組合に対して行政庁は助言、債務の更改のあつせん、特別指導員の派遣等いろいろな援助をするわけでありますが、特に右に述べた再建整備計画の樹立が困難な事情にある組合に対しては、奨励金を交付してその再建を促進することになつております。すなわち、このような組合に対しては、再建のために最も必要な自己資本の充実を容易ならしめるために増資奨励金を交付するとともに、手持ち滞貨及び焦げつき債権として固定化した資金に対する金利の一部を補給することによつて、五箇年間に再建を完了することができるようにしようとするものであります。もつともこの奨励金は、再建意欲を助長し、あくまで自力再建の実をあげさせるための呼び水として国家資金を支出するものであつて組合役職員はもちろん、組合員をあげての誠実な再建計画の実行を条件とするものであります。従つて奨励金の補給を受けた組合に対しては、その計画の完遂のために必要な監督を行うとともに、再建完了のあかつきにおいて、交付を受けた奨励金政府に償還させることになつております。  再建のきわめて困難な事情にある組合も、この措置による政府援助を受けることによつて、その経営の基礎を健全化することができますならば、おのずからその信用も増大し、必要な資金の導入もできることになり、その本来の機能を発揮することができるものと信ずるのであります。  何とぞ十分御審議の上、すみやかに協賛を与えられんことをお願いいたします。
  12. 千賀康治

    千賀委員長 これより質疑に入ります。
  13. 野原正勝

    野原委員 この法案はたいへんけつこうな法案でありまして、全国の農業者団体はこの法案が出ることを鶴首しておつたのでありますから、おそらくこの法案くらい現下の日本農業の実態に即した効果のある、喜ばれる法案はなかろうかと思うのであります。その点におきましては一点の異議をはさむ必要もないことでありますが、ただ私はこの法案に関連しまして、一点だけお伺いしたいと思います。  それは、これには農業協同組合とか、あるいは水産の方の漁業協同組合というふうなものに対しましての再建整備のことはありますが、これに森林組合が入つておらないということは、いろいろな事情があつたにしましても、少しく片手落の感がするのであります。森林組合も全民有林経営合理化と刷新、また日本民主化の線に沿つて、非常に熱心に組合の運営をやつておりましたが、終戦後いろいろな国内の経済事情変動から見まして、やはり農漁業と同じ姿で、非常な困難に逢着しているということで、やはり何らかの方途をもつて今後組合を救わなければならぬという段階にあることは、農漁業協同組合の現状とまつたく五十歩百歩であると思うのであります。そういう点におきまして、この法案もちろんけつこうな法案でありますので、ぜひこれを通さなければならぬと思いますが、同時に森林組合に対しましても同じような考え方で、この再建整備方途を講ずることをお願いしなければならぬ。突然でありまして大臣もお見えでありませんので、そのことを聞くことはあるいは当を得ないかもしれませんが、将来この法案を修正する等の機会があれば、森林協同組合に対しましても、同様の立場で考慮をしてもらわなければならぬと考えておるのであります。その点一応希望意見を述べまして、私はこれ以上この問題に対しまして議論は必要なかろうと思います。
  14. 山添利作

    山添説明員 野原委員の述べられましたことはまことにごもつともでありまして、政府といたしましても、今後十分考慮いたしたいと思います。
  15. 吉川久衛

    吉川委員 野原委員の申された通り、まことにけつこうな法案でございまして、私も異議はございませんが、ただこの際念のために伺つておきたいのであります。もちろん協同組合が、このような再建整備法をつくつてめんどうを見てやらなければ、自分一人では立ち行けなくなつたというような原因についてはいろいろあると思います。協同組合の設立の経緯に顧み、あるいはそれの誕生する当時の情勢等から考えられるのでありますが、しかし日本の国の農業というものあるいは漁業というようなものを、掘り下げて検討をしてみますならば、今回行われておりますところの協同組合法に対する政府考え方というものは、私は非常に不十分ではないかと思うのです。どうしてもかつて産業組合当時のような、もう少しあたたかいめんどうを国が見てやるというようなことが、今後も続けられない限り、私はもう一度も二度も、このような問題がまた起きて来るのではなかろうかということが心配されますので、そこでお伺いいたしたいことは、協同組合意欲の欠如とか、あるいは経営体としての弱体性等内容を顧みまするときに、政府は、この組合員並びに組合経営者教育啓蒙といいますか、そういつたようなことを、ただいまの協同組合といたしましては、まだ十分にみずからの力でもつて行うことができないような状況にありますので、これは指導連合会等に相当の予算的措置をもつて助成して行く。そうして一本立ちができるようになるまで、そういうやり方を続けて行かない限り、協同組合は再びまたこういう問題が起きるということも予測されますので、そういつた問題について、今後何か特別の考え方を持つておられるのかどうかということを伺つておきたいと思います。
  16. 山添利作

    山添説明員 この協同組合普及宣伝教育あるいは啓蒙指導等従来ともに政府は努めておるのでございまするが、なかなか思うように参りません。今後ともにこの方面に力を入れて行きたいと考えておりますことはもちろんでございます。ただ特定の指導農協に対して、そのための助成金政府が出すかどうかということにつきましては、いろいろ問題がございまするので研究をいたしたい、かように考えます。
  17. 吉川久衛

    吉川委員 もう一つだけ簡單に……。農協指導というようなことが非常に不十分でありまして、たとえば町村の單位組合理事選出方法なんかを見ましても、これは部落割当みたいなやり方をして、優秀なる人材があるのにもかかわらず、その人々が出られないような選出方法が現に行われております。こういうことはそうむずかしい問題ではありませんから、十分指導よろしきを得ますならば、たちまち改まることだと思うのです。悲しいかな、日本農村においては、まだまだ抜くべからざる封建制因襲がございますがために、下から民主的によくない点は改めて行くというようなことが十分行われがたいのであります。上から来る問題ならば、何でもかでももうそのまま引受けるというような悪い因襲がございます。こういうものを急に改めることができない限りは、もう少しあたたかい指導をやる必要があるんじやないかと思うのです。これは連合会あたりが大いにやらなければならないことだと思いますけれども、連合会あたりの最近の行動を見ておりますと、経費の関係で、気づかれながらもほとんどそれができない状態にあるのです。こういう点を、一本立ちのできるまで、政府がもう少しめんどうを見てやることが必要であり、農林省協同組合部あたりがもつと乘り出して、積極的にめんどうを見てやられるような御配慮があつたならば、封建制であるだけに、上から言うことはよく徹底すると思います。そうしてもう少し少数精鋭主義で、この農協経営に当る優秀な人材を入れられるような指導ができると思うのですが、そういつた問題について、ほとんど等閑に付されておることは農協運動の将来のために憂慮しているのです。その点について、今後どういうふうにおやりになるか、それだけ伺つておきたいと思います。
  18. 山添利作

    山添説明員 お述べになりましたような農村における封建的なものを払拭して行くというのは、農業協同組合の精神本来のものでございます。ところが必ずしもそういうふうに行つていない実情につきましては、同感でございます。従来といえども農林省等におきましては、農業協同組合部を中心といたしまして、その事柄について努力いたしておるのでございますが、何分にも不十分な状況でございます。今後ともにこの普及宣伝教育並びに指導については、一層の力をいたして参りたい。明年度から府県に配置いたしまする農協関係助成職員の数も、一県当り約十名程度はふえることになつておりまするし、お述べになりましたことは、私どもといたしましても全然同感でございまするので、力を尽して行きたいと考えております。
  19. 千賀康治

    千賀委員長 お諮りいたします。この程度で質問を終了することに御異議ございませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  20. 千賀康治

    千賀委員長 異議なしと認め、さよう決しました。  これより討論に入ります。
  21. 遠藤三郎

    遠藤委員 本案につきましては、事柄はきわめて簡單なことであり、しかも農村があげて渇望しておつた事案でありますから、討論を省略いたしまして、すみやかに採決に入らんことを望みます。
  22. 千賀康治

    千賀委員長 遠藤君の発言に御異議ございませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  23. 千賀康治

    千賀委員長 異議なしと認めます。よつて討論を省略することに決しました。  これより農漁業協同組合再建整備法案について採決を行います。本案賛成諸君起立を求めます。     〔総員起立
  24. 千賀康治

    千賀委員長 起立総員。よつて本案は原案通り全会一致可決すべきものと決しました。  なおお諮りいたします。衆議院規則第八十六条による本案に関する報告書作成につきましては、委員長に御一任願いたいと思いますが、御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  25. 千賀康治

    千賀委員長 御異議なしと認めます。  本日はこれをもつて散会いたします。     午後五時二十七分散会