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足鹿委員 大体において五人は選任にとる、あと十五人を選挙で出すということになりますと、おそらくこれは実際的には無投票当選になります。私どもの過去の
地方における体験から見ますると、こういう大きな人数、いかに選挙だとお話になりましても、ほとんど部落代表的な性格にな
つて、いわゆる選挙で争うということは私はならないと思う。事実この
法案を
実施いたされますと、すべての点において、農地
改革で進歩的な空気が農村にみなぎ
つた、そのものをあらゆる角度から、これをむしろ後退せしめて行くような意図がないにいたしましても、結果としてはそういう結果が現われるのではないか、少くとも年少で革新的な
考えを持ち、あるいはいろいろな新らしい農村経営に対する
意見を持ち、実践力を持
つてお
つたとしても、現在の農村の封建的な空気から見ますると、勢い
相当の顔のある、また
相当年配の人たちによ
つて占められて行くという結果が生れて来る可能性が多分にあると思う。大体従来の三人を五人にし、しかも全員の賛成を過半数にし、いろいろ御苦心なされたようでありますが、私どもはその
理由を肯定することはできません。一村二十名と申しますと、無投票の村がほとんど多くて、その結果は革新的分子の一齊退陣とな
つて現われることを私は予期するものでありまして、この点につきましては、特に遺憾に
考えておるものであります。ただいまの局長の御
答弁では、私どもは根拠が薄弱であるとすら
考えております。
いま一つお伺いいたしたいのは
経費の点であります。
経費は一番最初にもお尋ねいたしましたが、従来はある程度
地方自治体がこの
不足分を持
つても、別にこれを禁止しておらないわけであります。今度ははつきりと国の
負担においてこれをや
つて行くということにな
つておりますと、事実上私は、この
委員会は重大な
目的を持
つておるにもかかわらず、運営ができないような事態が出て来ると思う。しかし実質的には運営をして行かなければなりませんから、一種の委任
事務を行
つて行くような形において、
地方自治体が身銭を切
つて行く事態が起
つて来ると思う。そういうようなことについては、過去のいろいろな事例を通じて、経験のないはずのない当局が、あえて特にこの
経費の問題については新しい条項を設けて、国費の
負担によるというふうに明らかにしておられる点、これらの点につきましても、前述以来の
理由によ
つて、私どもは納得することができないのであります。大きな看板だけはかけておいて、事実においては何も
仕事ができないような、しかも村の平和の名のもとに無気力な、そして実践力のない一つの
委員会をでつち上げようという意図に出ておるのではなかろうか、私どもが偏見にとらわれておりまするならば、その偏見を解いていただきたい。
政府が意図しておられるように、将来の
日本の農村を背負
つて立つような
内容と性格を、ほんとうにこの
委員会が持
つておるならば、少くともそれにふさわしい具備された
条件というものがなけらねば、私は納得することができないので、羊頭を掲げて狗肉を売るとそしりを受けられても、あえて弁明の余地がないようなこの
法案をお出しなされた点も、私どもは了承できないのであります。特にこの
経費の面等につきましては、質問の当初以来私はしばしば
指摘いたしましたが、実際上の運営についてはどういうことになるのでありますか、結局国の当然負うべき
経費を、結果においては
地方自治体に転嫁して行く、そういうことをあらかじめ意図しておられるのではなかろうか、こういうことを感じますので、御見解をお尋ねいたしたいと思います。