○山口(武)委員 議事進行についてお聞きしたい。実は本国会が始まりまして、実質的には今年度に入
つてから
農林委員会の活動も始ま
つたように受取
つているのでありますが、これまでの
委員会の運用の仕方を見てみると、私は
農林委員会というよりは、
畜産局
委員会、土地改良局
委員会、農地局
委員会というような感じを受取
つて参
つた。というのは、これまでの
委員会の慣例におきましても、
委員会で当初において農林
大臣が予算の
説明を中心として、農政一般についての
説明をする。これに対して各委員が質疑をする、そして当面する問題の処理について、現在
政府が考えている農村と
農業の
実情の認識というものを明瞭にして行く、それに
従つて必要な法律の審議を進めて行く、このように考えてお
つた。ところが本国会で
農林委員会におきましては、残念ながら農林
大臣の
説明がない。われわれに農政一般についての質疑を許される機会が與えられていないわけです。なるほど各局別にはや
つたでしよう、しかし各局別にはやりましたが、そのときにわれわれが注文を受けましたのは、きわめて限定された範囲内で物事を聞いてくれ、このようなことを言われて参
つたのです。それから農林
大臣は出て来はしましたが、
飼料問題とか、
肥料問題とかいう、限定された問題についてだけわれわれに質疑が許されている。私はこれははなはだ遺憾に
思つております。特に現段階におきましてわれわれが
質問を行いたいと思いましたのは、農村の失
業者の問題である。農村の失
業者の問題におきましては、これは最近きわめて深刻化している副業、兼業の縮小、それから疎用者が農村に定着した完全失
業者に対する問題もある。次三男の問題もあります。それからなお廣川国務
大臣が一割
食糧増産運動というものを始めた。この一割主食の
増産運動は、か
つて軍閥の
政府が行いましたところの、戦争準備のための
食糧増産運動と同じようなにおいをかがせられる。しかもそれと関連いたしまして次三男
対策協議会というものが生れた。この次三男
対策協議会は一体どういう性格を持つかということを聞きたい。これらは下手すると、われわれが感じている範囲におきましては、今までの満蒙開拓義勇団と同じような感じを受けている。こういう点も明瞭にしてもらいたか
つた。それから
政府はどういうおつもりかしりませんが、か
つてに中共との貿易を中止して参りまして、
大豆を入らないようにしてしまう、
日本の
食糧事情をよりきゆう
くつならしめた。されに
食糧一般の問題につきましては、
統制を解除するということをぬけぬけとい
つている。しかしわれわれには、これをそのまま受取りがたいような
事情も幾多ある。これについても明瞭に聞かなければならない。
こういうような問題があるのですが、この質疑をわれわれは今日まで行うことができなか
つたのであります。これにつきまして、一体農林
委員長としてどのようなおつもりなのか、この問題は本国会におきましてはやらなくて、
委員会の法案を中心として質疑を展開して行くのか、そういう方針ならば、これは私たちとしては不満ですが、やむを得ない。やむを得ないが、この点を明瞭にしてもらわなければ、私たちは質疑を行
つて行く場合、この
委員会で物事を審議して行く場合に、方針がきまらないで実は困る。だから
委員長にこのことを明らかにしてもらいたい。それから大分次官が出て来ておられますが、一体これまでの慣習を破
つて、この一般農政という問題に対して、農林省はなぜ
説明しないのか。これに対して農林省は
農林委員会をなめておるのか、私はこの点も農林次官によくお聞きしておきたい。