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1951-02-26 第10回国会 衆議院 農林委員会 第11号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十六年二月二十六日(月曜日)     午後二時八分会議  出席委員    委員長 千賀 康治君    理事 吉川 久衛君 理事 足鹿  覺君       遠藤 三郎君   小笠原八十美君       小淵 光平君    河野 謙三君       中馬 辰猪君    幡谷仙次郎君       原田 雪松君    坂口 主税君       八百板 正君    山口 武秀君  出席政府委員         農林政務次官  島村 軍次君         農林事務官         (農政局長)  藤田  巖君  委員外出席者         專  門  員 難波 理平君         專  門  員 岩隈  博君         專  門  員 藤井  信君     ————————————— 二月二十三日  委員山口武秀辞任につき、その補欠として池  田峯雄君が議長指名委員に選任された。 同月二十四日  委員池田峯雄辞任につき、その補欠として山  口武秀君が議長指名委員に選任された。     ————————————— 二月二十一日  農業委員会法案内閣提出第四三号) 同月二十四日  加茂町地内の国有林拂下げ請願前尾繁三郎  君紹介)(第八〇五号)  鍋田干拓事業促進に関する請願江崎真澄君紹  介)(第八八〇号)  滞荷生糸処分による売上差益金処置に関する請  願(吉川久衛紹介)(第九〇九号)  農業委員会法制定反対に関する請願吉川久衛  君紹介)(第九一〇号) の審査を本委員会に付託された。     ————————————— 本日の会議に付した事件  小委員補欠選任、  農業災害補償法第十二條第三項の規定適用を  除外する法律の一部を改正する法律案内閣提  出第三四号)  農業委員会法案内閣提出第四三号)  飼料に関する件     —————————————
  2. 千賀康治

    千賀委員長 これより農林委員会を開会いたします。本日の議題に入る前に、河野君から飼料の問題について緊急質問の要求がありますから、これを許します。
  3. 河野謙三

    河野(謙)委員 去る本委員会におきまして、えさの問題について質問いたしました際に、残された問題がありますので、この機会政務次官から明快な御答弁をいただきたいと思います。と申しますのは、えさのうちで、政府手持ちとうもろこし豆かすにつきましては、政府拂下げ方針は、本委員会意思を尊重して、今後やるということは伺つておりますが、残された問題があると申しますのは、ふすまなり、麦ぬかなり、米ぬかの問題であります。これは過日本委員会で申し上げましたのは、これらのふすま、麦ぬか、米ぬかの発生いたします所は、いずれも政府委託工場から発生するものであります。しかもこの委託工場は、加工品政府からもらつて営業を営んでいるものであります。政府が拂う加工賃の計算の基礎になるものは、当時のふすまなり、麦ぬかなり、米ぬかなりの市場価格基礎になつております。しかるに加工賃を計算しました当時のふすま、麦ぬか、米ぬか市場価格と、現在の市場価格とでは、いずれも二倍になり、三倍になつております。しかも加工賃はその当時のすえ置きである。こういう矛盾に対しまして、本委員会において物価庁に対し、これは当然政府指示価格にひとしいものであつて、この指示価格の二倍、三倍に上まわるということは、当然暴利になりはしないかということについて物価庁の見解を伺いましたところ、その通りであるという御答弁をいただいた。要はただ、政府がこの価格指示して、暴利取締り対象にするかいなかという、政府決心一つにかかつておつたわけなんです。そこで政務次官にただちにこの指示価格措置をとり、暴利取締り対象にしていただきたいということをお願いしたところ、少し考えさせてもらいたいという御答弁であつた。しかしその後十日以上もたつておりますので、これらについて十分御研究も積み、御方針決定したと思いますので、もし決定されたならば、この機会にただちにはつきりと御発表をいただきたい。私が聞くところによりますと、農林省では、大臣初め政務次官が中心になつて、ふすまについての価格指示すべきやいなやの御研究の結果、近々指示をするというふうに御決定なつたと伺つている。これは全国の農民のために、決定が一日も早く急がれることを望むと同時に、決定されます場合には、一日も早く発表していただきたいと思いますので、お伺いするわけです、またこの指示価格をきめると同時に、もう一つ希望は、発生する麦ぬかなり、米ぬかの販売の場合に、実需者団体が六割なり、七割をひもつきにして、それ以外は一般市場にも売ることにしていただきたいということも希望したのでございますが、これまた政府はそのように方針を進めておらるるように聞いておりますが、これもあわせて御答弁いただきたいと考えます。
  4. 島村軍次

    島村政府委員 さきに当農林委員会でお申出のありました飼料対策につきましては、その後研究を進めた結果、二月の十七日付で農林委員長あてに御回答を申し上げております通り、まず第一に食糧庁所管とうもろこし二万五千トンを、飼料用として畜産局長指示する実需者に拂い下げる、これが第一点であります。第二には、油糧配給公団所有大豆かす五千トンを、飼用として三月上旬までに限定入札に付する予定であります。第三には、低質の小麦輸入によるふすまの増産対策は、すでに一部実施中でありますが、食糧対策との調整理由にいたしまして、至急に増産対策を促進する予定であります。小麦加工調整につきましては、ふすまの供給不足の打開についても、同様にただちにその措置を講じたいと考えております。いずれにいたしても、生産者より実需者に売却するという根本的な原則は、農林省として意見の一致を見ましたので、かねて農林委員会においてお申出の通り措置いたしたつもりであります。なお食糧庁所有の五等麦類につきましても、各府県の実情に応じて、飼料用として、当該麦類供出道府県知事の指定するものに拂い下げる予定であります。残りました米ぬかの問題につきましても、最近の需給情勢が何と申しますか、非常に価格がつり上げになつたために、たびたび当委員会においても御論議がありましたので、公団所有の三月分の米ぬか約三万八千トンにつきまして、飼料用のわくを設定して、本月中に限定入札に付する計画で、目下それぞれ手配中であることを、御了承願いたいと思います。
  5. 河野謙三

    河野(謙)委員 私が伺つているのは、農林会員会の決議に対する答弁ではないのです。それは今御説明のような文書をいただいておりますから、わかつております。これは政府が本委員会意思を尊重されて、今申されたような御回答をいただいたことは、非常に満足しております。そうでなく、ふすまなり、麦ぬかなり、米ぬか価格が高騰しておる。これについて政府府は、加工賃とのにらみ合せにおいて価格指示することを決定したというように、うわさを聞いているのですがこれはかねてからのわれわれの希望でもあり、その真偽のほどはどうかということを伺つているわけです。
  6. 島村軍次

    島村政府委員 指示価格をきめまして、やる予定で進行中であります。
  7. 河野謙三

    河野(謙)委員 私たちが少し早耳であつたかもしれませんけれども、私はもう少し具体的に聞いている。今市場価格は、ふすまは七百円と予定しておりますけれども、加工賃とのにらみ合せにおいて、これを四百四十円に指示価格決定し、米ぬかを三百九十円に決定し、麦ぬかを二百二十円かに決定をして、近々にこれを指示することに、政府決定したというように聞いている。これは政府として従来の他の例に比較して、非常に措置が早かつたことを喜んでいるものであります。そのことは政務次官十分協議に加わつて御存じのはずと思いますが、私の聞いたのは、何分にも非公式の話でありますから、この機会政務次官からその点を伺うわけです。
  8. 島村軍次

    島村政府委員 大体その後、私もそういう方針決定に関しましては承知はいたしておりますが、手続の問題が、ただちに最後決定を見ましてもそれぞれ通牒する運びに行つているかどうかということにつきましては、後ほど確かめまして、はつきりお答え申し上げたいと思います。
  9. 河野謙三

    河野(謙)委員 よくわかりました。方針決定した、ただ問題は通牒その他の手続が残つている。こういうように明快になりましたので、これで私は政務次官回答に満足いたします。
  10. 小笠原八十美

    小笠原委員 ちよつと関連して伺いますが、今の価格の問題だが、もう農林省の方では、木材なんかの価格の暴騰することを押える措置までとつておることは御承知通りだ。ことに農林省で一番大切な食糧問題、すなわちえさの問題、これは乳・肉・卵の食糧に併行する。従つてこの問題を押えるということは、考えるひまも何もありはしない、当然のことなんだ。まだきまつてないの、通知はどうのこうのつてお話はあるが、そういうことでなく、少くとも私一個の考えとすれば、当然なことというくらいのはつきりした御答弁をなさつて、もう十分わかつておることなんだから、こういうことは遅れないように、ひとつ早い機会に具体的な御回答をなして、早く国民に安心を與えてもらわなければ、もう飼料問題が大混乱していますから、早くそれをひとつ明確にしてもらいたい。
  11. 島村軍次

    島村政府委員 重ねてのお話でありますから、ただちにその手続の、どこまでどうして、何日にどうして出したということを後ほどお答えいたしますから、ちよつとお待ち願います。     —————————————
  12. 千賀康治

    千賀委員長 これより農業委員会法案議題として審議に入ります。まず本案趣旨について政府説明を求めます。島村政府委員。     —————————————
  13. 島村軍次

    島村政府委員 ただいま上程になりました農業委員会法案につきまして、その提案理由を御説明申し上げたいと思います。終戦わが国農村民主化と、農業生産力発展の障害を除去いたすために、画期的な農地改革実施されまして、三百万戸を越える自作農家創設が行われ、その事業もほぼ完成を見たのでありますが、真にこの専業の成果を確保するためには、わが国農業生産力発展及び農業経営合理化を促進し、農民地位の向上をはかりますことが不可欠であると考えるのであります。このことは、單に農民のためのみでなく、国家百年のための緊急の計と存ずるのでありまして、そのため政府は、種々の方策を講じて参つたのでありますが、何と申しましても、わが国農業の前途に横たはつている幾多の問題を解決いたしますためには、まずもつて農民の積極的な意欲と主体性を持つた活動と協力がなければ、とうてい望み得ないと堅く信ずるものであります。従来の農業施策実施の上において、最も欠如しておりましたものは、制度上の農民自主性が重視されていなかつた点ではなかつたかと思うのであります。この欠陥を補うため、従来上から行われていた農業政策地方の、——下からの農業政策に切りかえることが根本問題であろうと考えられるのであります。もちろん、地方における農業施策の主体といたしまして、都道府県、市町村という自治体があるわけでありまして、今後とも農業指導助成担当者であることにかわりはないのでありますが、施策の実効を十分に收めるためには、それが農民の意欲なり、希望と一致するものでなくてはならないのであります。そこで現在のような困難な事情のもとにある日本農業に、将来にわたつて繁栄をもたらすためには、どうしても、農民の声をして直接都道府県なり、市町村なりの行う農業行政の上は反映させるための民主的な組織が必要であろうと考えられるのであります。  従来農民代表機関といたしまして、農地関係については、農地委員会食糧供出及びこれに伴う農業計画関係については農業調整委員会が、法制上の機関として設置され、農業技術改良関係については別に行政措置によつて農業改良委員会が置かれているのでありまして、それぞれ民主的な農民代表機関として、積極的な活動を行い、その成果もきわめて大きいものがあつたのでありますが、時の経過とともに所掌事務性質なり分量が相当かわつて来ておりまするし、その範囲がそれぞれ限定され、相互に関連性を持ちませんため、全体としてこれに再検討を加え、農業経営全体のための総合的な農民代表機関としての実をあげ得るように組織簡素化をはかり、かつ機能の上に総合性を與え、真に民主的に農民全体のための組織として、再組織することが切実に望まれるわけであります。これが本法律案提案いたしました根本的な趣旨であります。以下本法律案の主なる内容について概略御説明申し上げます。まず第一に、本法律案は、農業委員会に関する組織法であるということであります。すなわち農業委員会は、耕作の業務を営む農民が、民主主義原則従つて組織し、運営する農民代表機関でありまして、農村における自作層小作層意見が公平に代表され得るように、原則として階層選挙によるものとし、選挙権、被選挙権市町村に住所を有する成年農民に平等に與え、かつ選挙農民によるリコール制度を設けたのであります。第二に、農業委員会は、農業全般に関する事項をその所掌事務といたしておることであります。すなわち農業委員会は、執行機関として、自作農創設維持農地等利用関係調整土地改良交換分合に関する事務及び小作調停に関する勧解等を処理するほか、諮問機関として、土地の開発、改良保全その他土地生産條件整備農業技術改良、その他農業生産に関する事項農畜産物加工流通に関する事項、その他農業振興のため必要な事項についての総合計画の樹立及びその実施について、地方公共団体の長に建議したり、諮問に応じたりするのであります。なお主食の統制との関係におきましては、別途提案予定しておりまする食糧政府買入数量の指示に関する法律案によつて食糧管理手続整備を行い、農業委員会供出割当に関する諮問機関とする方針であります。第三に、農業委員会は、農民の民主的な代表機関でありますので、その自主性を尊重いたしますため、行政庁監督は、極力排除いたしましたことであります。ただ、農業委員会執行機関として、処理する自作農創設維持及び農地関係調整に関する事項につきましては、事の性質上全然その自治に放任するわけには参りませんので、この事項限つて行政庁監督権限をを留保いたしているのであります。第四に、農業委員会に要する経費は、原則として、これを国の負担といたしたことであります。農業委員会が、地方共公団体機関であり、従いまして、委員なり、書記も身分的に地方公務員であることは、言うまでもないのであります。またその所掌事務につきましても、さきに申し上げました通り、国の事務と考えられるものばかりでなく、地方公共団体事務と考えられるものもその所掌事務といたしているのでありますが、政府といたしまして、行政事務及び財源の再配分について、まだ方針が確定いたしておりませんので、従来の農地委員をや、農業調整委員会の例によりまして、農業委員会に要する経費は、原則として、国の負担といたしたのであります。以上が本法律案内容の概要でありますが、何とぞ愼重御審議の上、すみやかに御賛同あらんことを切望いたす次第であります。
  14. 千賀康治

    千賀委員長 本案に対する質疑次会よりこれを行うことにいたします。     —————————————
  15. 千賀康治

    千賀委員長 これより農業災害補償法第十二條第三項の規定適用を除外する法律の一部を改正する法律案議題といたし、審議を進めます。前会に引続きまして質疑を行います。——他に御質疑はないようでございますから、これをもつて質疑を終局したいと思いますが、御異議ございませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  16. 千賀康治

    千賀委員長 御異議なしと認め、これより本案に対する討論に入ります。通告がありますのでこれを許します。山口武秀君。
  17. 山口武秀

    山口(武)委員 私はこの改正法案に対しまして、共産党を代表いたしまして條件付賛成をいたすものであります。條件付賛成ということでありますが、これはこの改正法案における限られた措置について賛成をするというのであります。従いまして、さらに明らかにいたしますならば、災害補償法そのものにつきまして私たち賛成はしていない。それから今回の改正にあたりまして、このような改正態度そのものに対しては賛成できないのであります。改正するといたしますならば、もつと根本的に考えるべき問題があつたはずであります。きわめて簡單に申しますと、一つの問題といたしましては、こうした改正措置を毎年講じているということでありますが、そうであるといたしますならば、これは本法を根本的に改正する必要がありはしないか。その点につきまして、現在の消費者大衆負担金の問題であります。これは消費者大衆負担金ということを考えて行く場合に、その生活が現在問題にされているわけでありますが、少くとも現在の消費者大衆生活の水準というものは、今後悪化するとも、向上する見込みはまず持てないのでありますから、どうしても恒久的なものに考え直す必要があるだろう。さらにこの災害補償法そのものの問題でありますが、これにつきましては、日本農業に対する認識というものをさらに明確にする必要があるのではないだろうか。その観点から問題を考える必要があるのではないだろうか。それは簡單に申しますならば、農業というものを、一般企業と同じように見られては困るのだということです。この災害補償法によりますと、不慮の事故に対してこれを救済して、農家経済を安定させるということを言われておりますが、このように農家経済の安定というような言葉を転々しく使つてはいただきたくないのだ。不慮災害ということを救済するくらいで、農家生活が安定できるような状態ではないのだ。これを根本的な問題として考え直す必要があるわけではないか。しかもこの問題につきましては、終戦農業経営そのもの農民地位そのものが問題になりまして、何回か農民解放ということが騒がれて来たのであります。しかし現在の段階におきましては、これが全面的に否定される運命に遭遇しているのではないだろうか、こういうことが問題になつて来る。さらに現在の供出価格政策でありますが、この供出価格政策というもの、さらに現在の農民大衆の背負つている重税の問題、こういう問題を考えて来るときに、農家経済逼迫というものが大きな問題となつていることはもちろん明白なことでありまして、こうした農業経営の実態というものを見た場合には、これは現在の農業企業として見た場合に、單に不慮災害を救済するというようなことで、しかもその被害の半額を救済するというようなことで、問題は処理されはしないのだ。普通の状態においても農家経済は破綻しておる。不慮災害を受けた場合には、これは経営内容的に見れば破綻する状態にまで追い込まれておる。こういう点を考えた場合には、これは全額救済の方法を講じられなくてはならない。それから現在の状況を見た場合に、農家負担金という問題につきましても、金額国庫負担の必要もあるだろう。なぜかと申しますならば、現在の農業経済逼迫という問題は、これは全部政府責任があるからである。こういうことを考えました場合に、当然この問題が考慮されていいはずだ。しかも今回の改正案におきましては、きわめて一部分的なものしか取上げておるませんし、根本的な態度というものが示されていない。災害が起るといいますが、災害の問題につきましても、政府災害復旧対策が根本的に進められていないために災害の問題が出て来るのであろう。こういう問題を考えてみた場合にも、当然政府責任があるはずだ。もつと基本的に考えられなくてはならぬはずだ。しかも農業経済をこういうような逼迫した状況に追い込んでおきまして、これに対する支出金がないというようなことは言えないだろう。ずいぶん政府はかつてなことをやつてるのだろう。こんなに農家経済逼迫して、税金が納められなくなつて農民が将来騒ぐようになるということを想定して、あるいは警察予備隊税金の取立てをやるというような想定も政府の中にあるのだろう。これは農民を扱う場合に、本末転倒した政策である。これまでの封建的な、農民に対する支配政策と同じ精神でどこまでも貫いているのだ。これはわれわれとして、とうてい了承できない問題である。それから昨年度におきましてわえわれが感じておりましたのは、政府は外国の食糧をどんどん輸入されるというような政策をとりまして、そのためにむしろ国内減産政策をやつたのではないか。少くとも政府予算面に現われた結果から見ると、国内食糧減産政策をとつた。ところがアメリカが軍備拡張を始めた。そういう状況のもとにおいて、食糧事情がより逼迫して来るというような事情におきまして、政府は何を好んでか中共との貿易を禁止して、大豆輸入を入れないというようなばかばかしい政策をとり出した。これは一体だれの利益になるのか。大豆は今度は一割増産運動だ。これは農民の側からいえば、ばかにするのもいいかげんにしろというようなことになつて来ます。このようにして、政府はかつて農業政策というものを、何らその安定を考慮せずにもてあそんでいるのだ、こう言われてもやむを得ないのだ。そういうような場合におきまして、私はさらに政府責任というものがもつと明確にされる必要があると思う。政府責任を明確にしないならば、われわれは少くもこれを強く要求する権利がある。農民代表として当然なのだ。しかも現実災害補償状況を見ますると、被害共済団体が見積つたことに対しまして、政府評価は常に低いのだ。政府予算に無理に合せようと思つて災害評価を低くしているというような場合も出ておる。こういうような現在の農業災害補償法精神をも否定するようなことが事実行われておる。こういうような問題に当面しておるときに、この法案はもつと根本的に考え直す必要があるのじやないか。理論的にそうであるばかりでなく、現実農家経済逼迫という問題が、事実の問題としてこれを要求しておるのだ、こういう立場を私たちは明確にいたしまして、今回限られた措置としてこの改正法案に対して、まずやむを得ず賛成をしておくものであります。
  18. 千賀康治

    千賀委員長 これにて討論は終局いたしました。これより採決をいたします。本案賛成の諸君の起立を求めます。     〔総員起立
  19. 千賀康治

    千賀委員長 起立総員。よつて本案は原案通り可決すべきものと決しました。なおお諮りいたします。本案に対する委員会報告書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと思いますが、御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  20. 千賀康治

    千賀委員長 御異議なしと認め、さよう決しました。     —————————————
  21. 千賀康治

    千賀委員長 なおこの際お諮りをいたします。吉川君より農林公共事業小委員辞任いたしたいとの申出があります。これを許可するに御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  22. 千賀康治

    千賀委員長 御異議なしと認めます。  なお先般山口武秀君が一時委員辞任されましたので、同じく農林公共事業小委員が欠員となつております。よつてこの際吉川君、山口君の補欠委員長において指名いたしたいと思いますが御異議ございませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  23. 千賀康治

    千賀委員長 御異議なしと認めます。坂口主税君、山口武秀君、御両名を御指名いたします。  明日は午後一時から開会することにいたしまして今日はこれをもつて散会いたします。     午後二時四十三分散会