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原田委員 大臣お急ぎのようですから、お帰りにならないうちにお聞きしておきます。
家畜も
人間も生物であり、
動物である。これは申し上げるまでもないことでありますし、
人間の方の
食糧需給は確保して、一人でも飢える者を出さないようにという
施策をします。ところが
家畜も同様でありまして
家畜の
飼料はもちろん劣等のものだから、食い物はどうでもいいというわけには行かぬと思います。
飼料の中でもでも粗
飼料と
濃厚飼料とあるのでありますが、粗
飼料のみで養われる
動物と、
濃厚飼料をやらなければどうしてもいけない
動物とがある。そういう意味からいたしますと、少くもこの
飼料政策というものをいまだに
政府が樹立していないということが、私は根本の誤りではないかと思うのであります。少くも今
農業経営の上に
有畜営農合理化をはかれということが大分叫ばれております。のみならず、
畜産が個人の生活に必需なものであるということも一般が認めております。
畜産はどうしても奨励しなければならぬと言う口の下から、何らこれに対する
行政措置が打たれていないということは、まことに私
どもは寒心にたえない。これは
財産に評価すると国の
財産は大したものである。たとえてみますと、牛が二百三十万頭おる。それも乳牛を含む。馬が百万頭、その他の
中小動物が八十万頭おる。これを評価してみたらたいへんな金になると私は思う。それが
日本の
農業にと
つてなくてもいいようなものならば別でありますが、どうしても切り離すことのできない、密接不可分の
関係にあるものである。そうしますと、今ごろこの
飼料問題を右往左往することがあやまちである。
大臣はその
方面に非常に理解のある方であるが、この
飼料対策を根本的に
考える御
意思があるかどうか、そうしてこれに対するところの大きな手を打
つていただけるかどうか、これは
畜産家としてぜひお尋ねしておかなければならぬ重要な問題と
考えるのであります。
第二点は、今申し上げましたように
飼料の
調整の問題でありますが、現在までは機構、
制度の欠陥のために、
畜産局に
飼料課というものを設置しておりますけれ
ども、これは何ら手を打つことがないのであります。むしろ
食管法によりますところの
食糧庁のこぼれものを哀願して流してもら
つたものを
飼料にかえてやる、この
程度のものなのです。昨日も私
どもは小
委員会でいろいろ相談を申し上げたのでありますが、これは機構がそうな
つておりますので、ただちにそれを把握して
——しかしこれは
大臣の所管内に入りますので、
飼料にまわす方のわくだけは
畜産局の
飼料課に自由裁量によ
つてやらせるようにしてもらいたい。なぜならば今現に
とうもろこしが約六千余トン残
つております。この六千余トンの
とうもろこしを
拂下げしようという
連中は、約十万以上に上
つておる。しかもこれがほんとうの
実需者に参るならばよろしい。つまり実需本位の
拂下げならばよろしいが、メーカーとか、何らか中間マージンのためにこれを流すということは、私
どもは
畜産人の一人として指をくわえて見ておるわけには行かない。もつとも
入札制度をやられると、これはまた困ることになるが、そういう面が非常に不明朗な点がある。だから昨日も私
どもは、結局
とうもろこしは国内産が二万トン出る。今
輸入飼料が約六千二、三百トンある。これを
一緒にして出す
予定だという話を聞いておる。それは困る、もう食わなければ死ぬような
動物が存在しておる限り、まず第一にあるものから救済策として出していただきたい、こういうことを相談しております。また
食糧需給課の方からも、そのわくだけはや
つてもさしつかえなかろう、しかし機構の点において
幾らか不便な点がある、こういう説明を聞いておりますから、きようは幸いに
食糧庁長官も御出席でありまして、
大臣みずからその裁決を下していただきたい。これは
はつきりしていただけるかどうか、これを第二点としてお伺いしたいと思うのであります。
第三点は、個々になりますけれ
ども……。