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1951-02-07 第10回国会 衆議院 農林委員会 第6号
公式Web版
会議録情報
0
昭和
二十六年二月七日(水曜日) 午後二時六分
開議
出席委員
委員長
千賀
康治君
理事
中垣 國男君
理事
野原 正勝君
理事
足鹿
覺君
宇野秀次郎
君 遠藤
三郎
君 小淵
光平
君
河野
謙三君
幡谷仙次郎
君 原田
雪松
君 平野
三郎
君 八木 一郎君 山口
武秀
君
横田甚太郎
君
出席政府委員
農林政務次官
島村 軍次君
農林事務官
(
農政局長
)
藤田
巖君
農林事務官
(
畜産局長
)
山根
東明君
食糧庁長官
安孫子藤吉
君
委員外
の
出席者
農林事務官
(
大臣官房農林
金融課長
) 富谷
彰介
君 專 門 員 難波 理平君 專 門 員 岩隈 博君 專 門 員 藤井 信君 ————————————— 本日の会議に付した事件
昭和
二十六年度
農林省関係予算
に関し
説明聽取
の件 —————————————
千賀康治
1
○
千賀委員長
これより
農林委員会
を開会いたします。 昨日に引続きまして、
農林省関係予算
の
説明聽取
を行います。 その前に本日の
議事進行
についてお諮りをいたしますが、本日は
大臣官房
、
農政局
、
畜産局
、
食糧庁関係
の
説明
を承る
予定
でありますが、一応各局よりその
予算
に盛られている諸
施設
、並びに
関係法律
の制定、
改廃等
につきまして
説明
を聽取いたしまして、その後に直接
関係
ある問題について質疑を行うことにいたしまして、
個々
の具体的な問題につきましては、先般議長の承認を得ました
国政調査事項
に基き、あるいは
関係法律案
が提出になりました際に十分な審議または
調査
を行うことにいたし、とりあえず
予算
の
説明聽取
は本日を持
つて
終りたいと思いますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
河野謙三
2
○
河野
(謙)
委員
原則は了承するけれ
ども
、一刻を争う緊急な問題があるから、そういうものはきようや
つて
ください。
千賀康治
3
○
千賀委員長
ただいま非公式でありますが、緊急な問題はきようやらしてくれというような声も聞えたのでございますが、さような場合には適当にとりはから
つて
、原則的にはただいま提案したように進めたいと思いますから、どうか御
承知
を願います。それでは
農政局長藤田巖
君の発言を許します。
藤田巖
4
○
藤田政府委員
昭和
二十六年度
予算
といたしまして、
農政局関係
で
要求
をいたしておりますものの大要を御
説明
申し上げます。御配付をいたしております
昭和
二十六年度
農政局予算
という一枚紙と、それから
昭和
二十六年度
農業共済
再
保險特別会計予算
という一枚紙、それから
昭和
二十六年度
農政局予算概要
という印刷物がございますので、これを御対照の、上お聞き取りいただきたいと思います。
昭和
二十六年度
農政局予算
は、その
要求額
の総計が、
一般会計
におきまして七十七億、二千三百五十四万円、これを前年度
予算額
に対照いたしますと、前年度は五十六億五千百八十九万五千円であ
つたの
であります。もつとも前年度の
予算額
の中には、当初
予算
と
補正予算
と両方入
つて
おります。それでこのうち二十五年度の当初
予算
といたしましては四十三億三千三百六十四万二千円、それから
補正予算
といたしまして十三億一千八百二十五万三千円、合計いたしまして五十六億五千百八十九万五千円に相なるわけであります。
従つて
この二十五年度の
補正予算
のおもなるものを申し上げますと、二の
主要食糧農産物種苗対策
、このうち七千二百四十八万八千円、これが
補正予算
でございます。その
内容
は麦の一割
増産運動
を二十六年度産麦から開始をいたしましたので、それに
関係
いたします
酸性矯正対策費
の
補助
あるいはまた
災害関係
の稲苗の
輸送費
の
補助
、これが七千二百四十八万八千円であります。当初
予算
は四千三百四万八千円であつたわけであります。それから第三の
農業委員会
、これは当初
予算
が十六億六千五百四十五万五千円であ
つたの
でありますが、これが
ベース改訂等
に
伴つて補正予算
として五千四百九十万円あとで追加に相な
つて
おります。それから七の
農業協同組合
でありますが、これは当初
予算
が四千百九十万七千円でございます。
補正予算
として七百七十六万八千円追加されておりさす。これは法律の改正に
伴つて検査
を年一回やらなければならぬということに
伴つて
の
事務費
の増でございます。それから
農業共済保險実施
の
関係
、この命が当初
予算
は二十億八百七十七万九千円であ
つたの
であります。
補正予算
で八億八千七百六十万七千円追加にな
つて
おります。これは昨年度
災害
が多かつたために再
保險金
の支拂い不足をいたしましたので、その追加でございます。それからちよつとさかのぼりまして一三の
主要食糧農作物病害虫防除
、これは当初
予算
はゼロであ
つたの
でありますが、
補正予算
において二億九千五百四十九万円が認められております。この
内容
は麦の
増産対策
についての
経費
、これが七千六百七十五万円、それから
いもち
が非常に発生いたしましたために、
いもち
の
防除
の
関係
の命が九千七百八十四万円、それからジエーン、
キジア颱風
による
災害跡地
の
薬剤費
の
補助
として一億二千九十万円、これが合計されているわけであります。これが昨年度の当初
予算
及び
補正予算
の大体でございますが、それに対応いたしまして、二十六年度の
要求
は、大体各項目にわた
つて
増額に相な
つて
いるわけであります。 なおこの
予算
の中で特に二十六年度といたしまして重点的に考え、また特に御
説明
を要する点を補足いたしておきたいと考えております。この
昭和
二十六年度
農政局予算概要
の内訳について、ごらんをいただきたいと考えております。 まず第二の
主要食糧農作物種苗対策
でございますが、これは戦時から戦後を通じまして、
供出制度等
の
関係
で
品種改良
ということが非常に遅れて参
つて
おりますので、われわれといたしましては、特に
優良品種
をつくることに重点を置きまして、主要な、作物の
原種圃
、あるいは
採種圃等
の
設置費
について
補助
をいたすことを考えたのであります。このうち
原種圃
の
設置
でございます。従来はとうもろこしとばれいしよについてのみ
原種圃
の
設置
についての
補助費
があ
つたの
でありますが、二十六年度の
予算
におきまして特に
主要作物
であるところの稲、麦及び雑穀、これは大豆が主であります。稻、麦、大豆につきまして
原種圃
の
設置
についての
予算
が認められたのであります。これは大体
作付面積
の六割について、
品種
について隔年更新をして行くという
計画
をいたしまして、
原種圃
をつくらせ、
原種圃
は
経費
がかかりまして、
一般
の耕地と同じには参りませんので、この
経費
の余分にかかりました分だけを
補助
するという
考え方
で、
要求
をいたしているわけであります。 それから
採種圃
の
設置費
でございますが、これは二十六年度に初めて認められております純新規の部分でございます。
原種圃
でつくりましたものをさらに
採種圃
に移しまして、
採種圃
において十分いい
品種
のものをつく
つて農家
に配付することを考えているわけであります。これに伴いまして
供出制度
についても改善を加えることを考えております。従来は
種苗
についてもやはり
供出割当
があり、それは統制のわく内に入
つて
いたのでありますが、今後は
食糧管理法
の一部改正をいたしまして、その中で特に
種苗
が一府県内におけるところの移動については
一般
の統制のわくからはずす、なおまた
最初原種圃
については
供出割当
から除外することにつきまして、つまり
食糧管理
の特例を法律で認めて行くということによ
つて
、
優良品種
ができるようにいたして参りたいということを考えております。 次の二ページの初めの
災害対策用種苗予備貯蔵管理費全額補助
、これが純新規でございます。これは種ばれいしよにいたしましても、大豆にいたしましても、従来は統制があり、
政府買上げ
があ
つたの
であります。
政府買上げ
において、若干の
特別会計
において種については保存をしていただいてお
つたの
でありますが、今度はばれいしよ、
大豆等
が全部はずれてしまいました。
従つて災害
が起りました場合に、
種苗
が不足して手当をしなければならないといいましても、国がこれをあらかじめ持
つて
いるということができませんので、これを特定の団体に持たせることにいたし、さらにそれを持つことについての
予備貯蔵管理費
について、金利、
保管料等
についての
補助
をして、
災害
時における
種苗
の手当に不足を来させないようにいたしたいということで、これは新しく認められました
経費
でございます。 次は、三の
農業委員会
の
経費
でございます。これは従来御承知の
農地委員会
、
農業調整委員会
、
改良委員会
という三つの
委員会
があるわけでございますが、合同新しく一本の
委員会
にまとめまして、
農業委員会
として総合的に各種の施策を進めて行くということに相な
つて
おりまして、これについては別途
農業委員会法
を提案する予定でおるわけでございます。それに
関係
いたしましての
予算
であるわけであります。これは従来三つの団体がございました当時とは事情も大分かわ
つて
来ておりまするので、
予算
的には相当削減を受けております。従来
農地委員会
及び
農業調整委員会
の大体の
予算
は、二十五年度におきましては約三十億であつたわけでありますが、それに対応いたしまして、二十六年度は
農政局関係
においては十八億六千万円の
予算
が計上され、さらに
農地局関係
において四億二千万円、合計いたしまして、二十二億円見当の
予算
が計上されて
要求
をいたそうとするものであります。 次の
單作地帶対策
でございますが、これは従来とも実施をいたしております。
北海道
における
温床苗
しろ及び内地の
積雪高冷地帶
の保温折衷苗しろ、この
設置費
をさらに二十六年度には拡充するというふうなことで
要求
をいたしておるわけでございます。
温床苗
しろの
設置費
は、これは
北海道
の分でございますが、本田七万五千
町歩
を対象といたしまして、約三百万坪の苗しろにつきまして
坪当り
三十三円六十銭の
助成
、これは大体二十五年度と同様でございます。保温折衷苗しろの方は、二十五年度に比べまして約三倍強の増加に相な
つて
おります。二十五年度は大体坪にいたしまして四百二十万坪見当かと思います。それが二十六年度におきましては、千五百万坪ということに相な
つて
おる。これは本田十五万
町歩
を対象にいたしております。 なお
紫雲英採種圃
の
設置費
、これは
裏作物
としての
油脂資源
の導入をはか
つて
行くということで、特殊な
品種
について、雪に耐え、あるいは寒さに耐える
品種
についての
採種圃
をつくらせて行くための
設置費
であります。これにつきましても、二十五年度に比べまして約二倍の増額にな
つて
おります。それから菜種の
共同育苗施設費
、これは二十六年度において純新規として認められたものでございます。これは
地方維持用
の作物の
改良増殖
をはかりますために、やはり
東北方面
の特殊な
品種
のものにつきまして、菜種の
共同育苗圃
をつくるについての
設置費
を
補助
いたして行くという
考え方
でございます。 そのあと事務的なものはずつと飛ばしまして、十一でございますが、
北海道農業振興
。
北海道
におきましては、特に
心土耕
、
混層耕
の
施設費
がきわめて必要である、これによ
つて
大いに
増産
を期待されるというふうな特殊な地帯がございますので、特殊な
土壌地帯
約一万六千
町歩
を対象にいたしまして、
心土耕
、
混層耕
をいたしますために、
トラクター
あるいは
トラクター用プラウ
、
トラクター用デスクハロー
、
トラクター用カルチユヴエーター
、こういうようなものの
購入費
につきましての
助成
ということを考えたわけでございます。これも二十五年度は若干ございますが、ほとんど純新規と見てもよろしいかと考えております。 次は十二の
植物防疫
の
関係
でございます。
病害虫
の
防除
を
食糧増産運動
の大きな項目として取上げておるわけであります。そのために必要な機動的な
防除機具
、これは個々の農家が持つわけには参りませんので、大きなものについては
むしろ国
が持つ、さらに県が持つ。そうして
病害虫
が発生いたしましたときに、
防除班
を組織いたしまして機動的に
防除
する、こういう態勢を整えて参りたいということでございます。一番初めの
機動防除機具購入費
、この
防除機械
の七千万円は大体一千台でございます。二十五年度は動植物の
検疫所
で約二百三十台の大型の
噴霧機等
を持
つて
お
つたの
でありますが、これでは足りませんので、これをさらに千台国において
購入
し、各地方に分散配置いたしまして、機動的に必要があれば無償で貸すという態勢をとろうといたしております。最後の
動力防除機具
の
購入
二分の一
補助
、これは各府県が
防除態勢
を整えますために、
動力防除機具
を
購入
いたします場合に、国が半分持つという
経費
で、約一千台を予定いたしておるわけであります。 薬剤の
関係
はどうかというと、薬剤は次の十三、
主要食糧農作物病害虫防除
というのに入
つて
おります。これは
全量種子消毒
をまずいたす。八ページの終りのところにございますが、米麦の種子については
全量種子消毒
を実行せしめる、このための薬剤の
購入費
、それから常時
病害虫
が発生いたします地帯、これを大体稻については、病害については二十万
町歩
、害虫については十一万二千二百
町歩
、合計いたしまして三十一万二千
町歩
、及び麦については
防除面積
を約二十万
町歩
、これについて農薬が一回
散布分
につきまして、国が半額の
補助
をいたして行くという
考え方
に相な
つて
おるわけであります。 次は十四の
農業共済保險
の実施の
関係
でございます。これについてかわ
つて
おりまする点は、特に重要な点は、
農業共済組合事務費
三分の二
補助
の点であります。従来は
共済組合
の一
組合当り職員
一名分しか計上されておらなか
つたの
でありますが、二十六年度におきましては二名分、三分の二の
補助
をいたすごとに
なつ
たわけであります。さらに
基金勘定
で
特別会計
繰入れの中に二十五億というものが認められておるわけでありますけれども、従来
基金勘定
というものはなか
つたの
であります。
災害
は
長期バランス
の
関係
で
保險料率
が算定されておりますが、非常に
災害
の多い年になりますと、
従つて手持ち保險料
では政府の支拂うべきところの再
保險金
が支拂われないというような風情ができて来ておりますので、
基金
を設定する場合に、迅速に再
保險金
を支拂い得るようにしたいという
考え方
からいたしまして、特に二十五億というものが
基金勘定
として認められたのであります。そのほかの点は、若干
ベース
がかわ
つて
おりますで、
金額
の異動はありますが、大体来と同じような
考え方
で計上されてるわけであります。
農政局関係
の
予算
につきまして、あとは事務的な
予算
もございますが、むしろ政策的に非常に重要視いたしまして折衝し、これが
予算
の上に現われております点を申し上げれば、大体さような点であるわけであります。 そのほかに
農業共済
再保險の
特別会計予算
というものがございます。これは先ほども申しましたように、二十五億の
基金
を設定されておるという点が特殊なものであります。そのほか備考に、若干
金額
が減
つて
おりますが、算出の基礎が若干かわりましたので、変更いたした程度でございます。それから国からの
消費者負担分
は、従来
食管特別会計
を通じて
一般会計
から繰入れをいたしておりますが、その
金額
は、二十五年度は二十七億であ
つたの
でありますが、これは米価の基礎である
パリティー指数
が上りました
関係
上、
食管特別会計
からの
消費者負担分
としての繰入金が四十一億計上されておるわけであります。これは
農業勘定
の内訳の数字に相なるわけであります。以上が大体
農政局関係
のおもなる
事項
であります。
農政局
といたしましては、
食糧増産
の
関係
上、当初
要求
をいたしました数字は相当大きな数字であつたわけでありまして、一番初めにそのときに考えておりましたのは、
一般会計
、
特別会計
を通じまして二百二十億見当の
要求
を当初
予算
としては出したのであります。このうち
農業共済関係
が百五十億、その他が約七十億ということで、一番初めに大蔵省との折衝を開始いたしたのであります。
農業共済
の、百五十億というのは、
基金
がその当時の原案といたしましては三十八億であつた。それからまた
国庫負担区分
の変更を
要求
した。従来国の
負担区分
と農家の
負担区分
が大体半分々々にな
つて
おりますのを、
むしろ国
が三分の二持つ、それから農家が三分の一持つというような
考え方
からいたしまして
国庫負担区分
の変更を
要求
した。それから
共済組合
の
事務費負担
といたしまして、一
組合当り
約三人ということを
要求
いたしたのでありますが、それが最終的に決定いたしましたのは、先ほど申し上げた
通り基金
が二十五億、国庫の
負担区分
については従来通りでこれを変更することを認められませんでした。
事務費
の
負担
が当初
要求
が二十六年三人のものを二人に減額をされて認められたのでございます。 その他の七十億の
内容
につきましては、このうちの半分が
農業調整委員会
の
経費
であ
つたの
であります。われわれといたしましては、当初は約三十三億円見当を
要求
いたしたのであります。
農政局関係
の分といたしまして三十三億
要求
いたしましたのが、約十八億ということに相な
つて
おります。そのほか
農業倉庫
の新築、改築の
助成
の問題、あるいは
農業協同組合
の債権に対する
利子補給
の問題、あるいはまた一割
増産
の
関係
の
活動費
というものを
要求
いたしましたが、これはいまだ実現を見ておらないわけであります。しかしながら
食糧増産関係
を通じまして、
食糧増産興農運動
を展開いたしますに必要な、直接結びつきます
経費
といたしましては、
昭和
二十五年度と二十六年度と対比をいたしますと、約八億円見当の増加に相な
つて
おるわけであります。 以上
予算
の
概要
を御
説明
いたしました。
千賀康治
5
○
千賀委員長
次は
畜産局関係
につきまして
山根局長
の
説明
を願います。
山根東明
6
○
山根政府委員
私から
昭和
二十六年度の
畜産局所管
の
予算
の
概要
について御
説明
申し上げます。お手元に
縦刷り
にな
つて
いる五枚ばかりの資料が差上げてあるはずでありますから、それに基いて御
説明
を申し上げます。
最初
の二枚は
総括表
でありまして、
事項ごと
に前年度
予算
との
対比
を一覧的に整えたものであります。一番右の欄にあります前年度
事項名
、実は昨年度まではこうした
事項
で相当不統一に
予算
が計上されておりましたものを整理する
意味
で、一番左の欄にありますような
項目
にまとめたわけでありまして、この総額は二枚目にありますように、昨年度七億七千三百四万七千円でありました
予算
が、二十六年度の
予算要求
といたしましては、八億八千九百七十四万円ということにな
つて
おります。この前年度
予算額
の中には、前年度の当初
予算
のほかに
家畜衛生関係
で約一億
余り
の
補正予算
が含まれております。各
事項ごと
に三枚目の紙から
概要
を私から御
説明
を申し上げます。
最初
の
畜産局一般行政
に必要な
経費
は、
畜産局所掌
の
一般事務
を処理するため必要な
人件費
、
事務費
でありまして、特に御
説明
する点もない
経費
であります。次の
家畜
の
改良増殖
に必要な
経費
として本年一億一千七百二十万二万円の
要求
をいたしておりますが、その
内容
のおもなものは、次に書いてさりますように、まず
種畜
の国による
購入
とその貸付の
経費
でありまして
金額
をここに書いてございませんので申し上げますと、四千五百万
余り
の
金額
を計上いたしております。この
事業
は、御
承知
のように国が
種畜牧場
を経営いたしておりまして、
牧場
で
種畜
の
生産配付
をや
つて
おりますが、あわせまして
民間
の
種畜事業
を刺激すると同時に、
民間
の
家畜
の
増産
を確保する
意味
で
民間
の
優良種畜
を買いつけましてこれを貸付する
事業
でありまして昨年度も大体この
程度
の規模で
事業
をいたして来たわけであります。ここで特に申し上げたい点は、最近
人工授精
の
技術
がある
程度
進みまして、
従つて種畜
の
配付計画
もそうした
人工授精施設計画
とマッチした
計画
を立てておる点であります。次に第二項の点でありますが、
人工授精施設
を三百四十箇所増設して五百箇所として、
人工授精
を普及上、
優良種畜
の
効果的利用
を期する。このために本年四千二百万円
余り
の
経費
を計上いたしております。これは過去たしか三箇年引続いてや
つて
おるわけでありまして、既設がすでに二百六十箇所できておるのであります。現在の私
ども
の
計画
としましては、
全国
に
人工授精施設
を五百箇所完備したいという
年次計画
を持
つて
お
つたの
でありますが、三箇年の実績に照しましてこの
施設
はできるだけ急速に完備を了する必要を認めましたので、
年次計画
を繰上げまして、本年は特に残
つて
おりました二百四十箇所の
増設計画
を気に完了したいというようなことで、
予算
もその線に沿
つて
計上いたしてございます。
内容
は
人工授精施設
に必要な畜舎であるとか、
飼料庫
であるとか、あるいはサイロでありますとか、
備品費
及びこで働きます
技術員
の
設置
の
経費
の
助成
であります。 次に、
優良種畜資源
の
更新造成
のため、外国からの
種畜
を輸入するという
計画
でありますが、これはまことに少い
金額
でありまして、二百五十八万九千円ばかり計上いたしております。考えております
家畜
は、
種めん羊
を濠州から牝牡合せまして二十五頭、アメリカから
種鶏
を五十羽輸入いたしたい。これを国の
種畜牧場
で経営をいたしまして、原々種にいたしまして
種畜
の
改良
に資したいという
計画
であります。 四番目の
家畜改良増殖法
による
種畜
の
検査
でありますが、これも従来からあつた
経費
で、本年は昨年に比べまして若干
増額
にな
つて
おりまして、千二百万円ほどの計上をいたしております。
家畜改良増殖法
によりまして、
種畜
は国の
検査
に合格したものでなければ
種畜
として使うことができない、
種つけ
に供與することができないという
規定
にな
つて
おりますので、国が
全国
の
候補種畜
について
検査
を
実施
する
経費
であります。 次に、有蓄営農の奨励に必要な
経費
といたしまして、二千四百十八万八千円を本年度計上いたしております。この
内容
のおもなものをかいつまんで申し上げますと、これは立て続けに
説明
書きしてありますので、私から
項目
にわか
つて
御
説明
申し上げますと、
最初
に
牧野改良費
を計上いたしたのであります。昨年の国会で
牧野法
が通過いたしまして、
牧野
の仕事を国として取上げることにな
つたの
に基きまして、
改良費
を一千万円ばかり計上いたしたのであります。実は
改良費
につきましては、
工事費
の面も
助成
いたしたいという
計画
で
予算
を
要求
いたしたのでありますが、都合によりまして、
助成
の
対象
は
管理規定指導費
の
補助
、
保護牧野
の
調査費
の
補助
、立入り
検査
の
経費
、
管理規定
の
設定費
というような、主として
調査
、測量的な
経費
のみに
補助金
を本年度は認められたわけであります。
工事費
につきましては、実は何らかの
金融的措置
でこれを補完して行くという建前をとつたわけであります。しかしながらこの問題は将来の問題としまして、もとより金融的な
措置
を考究する必要もあるのでありますけれ
ども
、私
ども
としましては、
改良工事
に対する
助成金
も、
予算
的な
措置
によ
つて
これを
実施
して参りたいという気持を持
つて
おります。それから次に、こまかい問題でありますが、
有畜営農指導指定地
の
経費
、これは昨年も若干あ
つたの
でありますが、本年は
計画
を約十倍にいたしまして、百三十万円ばかり計上いたしております。それから次に、
有畜営農実態調査費
でありますが、これは
特定
の
部落
を指定いたしまして
有畜営農
の
実態調査
を
実施
しておるのでありますが、昨年は五十
部落
を
実施
いたしましたのを百
部落
に拡充いたす
計画
をいたしております。それからもう
一つ
、
自給飼料増産確保
の
経費
というのがございますが、これは本省の
人件費
、
事務費
でございまして、これは百八十万円ばかりでございます。それから
酪農振興
の
経費
が二百九十万円ばかりこの中に含ま
つて
おります。それからもう
一つ
、
飼料
の
生産指導
並びに
品質保全
の
経費
といたしまして、五百三十七万二千円を計上いたしております。これは
飼料
の
統制
を廃止いたしましたけれ
ども
、私
ども
としましては、引続いて
飼料施策
を重要視いたしておるわけでありますので、たとえば
消費
の
実態調査
であるとかそういうようなものを中心にいたしまして、人を伴いまして、この
経費
を計上いたしたわけであります。 次に
北海道
畜産振興に必要な
経費
といたしまして、九百四十八万九千円。これはここに書いてありますように、
人件費
、
事務費
の
補助
と、
北海道
の
種畜
場の復旧費の
補助
——復旧費の
補助
が大部分でありまして、八百万円はそれでございますが、これを国費でも
つて
計上いたしておるわけでありまして、
項目
としては前年に引き続いてこうした
項目
を計上いたしておるわけであります。 その次の
家畜
衛生に必要な
経費
が三億七百五十三万円ございます。これは
最初
に(1)にありますように、
家畜
疾病の予防及び治療をはかり、
家畜
資源の損耗を防止するとともに、獣医師法及び裝蹄師法の円滑なる運営を図る必要がある。獣医師、裝蹄師の国家試験に要する
経費
であります。これは
事務費
的なものでありまして、
金額
もきわめて少い
金額
でありますので、その次の
家畜
衛生の整備改善をはかるために必要な本省の
人件費
、
事務費
及び
家畜
保健衛生所法を運営するためと、
家畜
伝染病予防法に基き、
家畜
伝染病の予防、制圧のための旅費、消毒薬品、血清類の
購入費
、斃殺棄却
手当
及び評価人
手当
等を
地方
公共
団体
に
補助
するもめに必要な
経費
である。これが大きな
金額
になるわけでありまして、これをさらに若干こまかく分類いたしますと、
最初
の
家畜
保健衛生所法を運営するための
経費
といたしましては、衛生
技術
指導
施設費
としまして八千百万円五箇年
計画
で、衛生
技術
指導所——正確な名称はここにあります
家畜
保健衛生所でありますが、これを
全国
五百箇所に完備する
計画
をも
つて
、
年次計画
で進んで来てお
つたの
でありますが、
人工授精施設
費と同じ歩調をとりまして残
つて
おります二百四十箇所を二十六年度に一気に完成いたしたいという
計画
で、前年に比べますれば、
経費
も従いまして、相当巨額に
なつ
た
事項
であります。次に伝染病予防法による伝染病の予防制圧のための
経費
と申しますのは、府県の職員に対する旅費の
補助
、消毒薬品費の
補助
と、このほかに斃殺
手当
がございます。これは伝染病にがかりました
家畜
を強制屠殺いたします、それに対する
手当
金でありまして、
金額
総額は一億二千五百三十万円あまりであります。これについて、特にここで申し上げておきたい点は、多年本
委員会
でもいろいろ問題になりました馬の伝染性貧血、伝貧の問題であります。これはこの際ある
程度
徹底的な殺処分をして行かないことには、これの及ぼす弊害が非常に大きいという見地から、馬につきましては、合後五箇年間にある
程度
きれいにいたして行きたい。伝貧をきれいにしたいという
計画
のもとに、頭数を
増加
いたしておるのであります。牛につきましても、特に問題であります乳牛の結核でありますが、これにつきましても、一刻もすみやかにこれを撲滅したいという見地から、この
予算
におきましても牛の頭数等も
一つ
の全滅
計画
のもとにおける頭数を
計画
いたしておるわけであります。 次に
家畜
薬事に必要な
経費
、これは
説明
に書いてありますように、薬事法に基き動物用医薬品及び用具の取締りと、
家畜
用生物学的製剤の検定に必要な本省の
人件費
、
事務費
及び
特定
の都道府県に対する
補助費
ということでありまして、〔
委員長
退席、野原
委員長
代理着席〕 薬事法ができまして
家畜
薬は国家検定を受けたものでなければ売り出してはいかぬという
規定
に基きまして、私 〔
委員長
退席、野原
委員長
代理着席〕 薬事法ができまして
家畜
薬は国家検定を受けたものでなければ売り出してはいかぬという
規定
に基きまして、私
ども
の方で薬事の検定を
実施
いたしております。そのために
人件費
、
事務費
のほかに、いろいろな器具機械類、あるいは動物の
購入費
等が含まれております。それから
特定
の都道府県に対する
補助費
と申しますのは、
家畜
薬の製造所がある
程度
まとま
つて
あります東京、大阪、兵庫、
北海道
、この四都道府県に対しまして、
人件費
の
補助
をいたしておるのであります。 次に
家畜
衛生試験場に必要な
経費
、一億五千二百六十七万三千円でありますが、
家畜
衛生試験場は、すでに私
ども
の管下の試験場として本日まで運営いたして来ておるわけでありまして、ここでは各種疾病の
調査
、試験、研究をや
つて
おりますと同時に、
家畜
に応用いたします血清類の製造
配付
をや
つて
おります。そのための
経費
であります。このうちで特に申し上げておきたいことは、これも多年国会で問題にな
つて
おります伝貧の研究の拡充の問題でありまして、伝貧、が今日までなお病源体もわかりませんし、また
従つて
治療予防の方法も実はわからない病気でありますので、相当根本的に研究を進めたいということで、これの拡充を
計画
いたしたのでありまして、本年度は六百八十九万円のほかに、
人件費
を入れますと約八百五十万円でありますが、これだけの
経費
を
要求
計上いたしております。前年度に比べますと相当大幅の
増額
でありますけれ
ども
、これは見方によりましてはなお不十分であるという御批判もあろうかと思うのでありまして、私
ども
の気持といたしましては、将来さらに拡充をはか
つて
行きたいという気持を持
つて
おります。 それから次に
家畜
衛生試験場北陸支場
設置
に必要な
経費
でありますが、
家畜
衛生試験場の支場は
全国
に幾つかあるわけでありますけれ
ども
、新しく新潟県の柏崎の市外に、従来の馬事訓練所の古い設備がありましたので、これを利用いたしまして、主としてここに書いてありますように、応用面の研究、臨床の研究を主体といたします支場を来年度から
設置
いたしたいということで、必要な
人件費
あるいは建物その他の
設置費
を合せまして、一千万円計上いたしたいのであります。 最後に
種畜
場に必要な
経費
でありますが、
最初
に申しましたように、ただいまのところ国営
牧場
を経営いたしまして、ここで
優良種畜
を生産いたしまして、それを原々種的な役割を果させているわけでありますが、
全国
に十四箇所ございます。経営をいたしております
家畜
は、あるいは鶏だけの
牧場
もありますし、また乳牛、めん羊、あるいは馬、それぞれの地帶に即応した
計画
で経営をいたしているのでありますが、これにつきまして、昨年度より若干
増額
いたしました
経費
を計上いたしております。これはかねて司令部側から、この
牧場
を国が経営することは逐次縮小すべきであるという意見が実は出ている問題でありまして、私
ども
もある
程度
経営の不合理な面はこれを合理化したいというような見地から、この表にもありますように、本年は定員は約百名ばかり減らしております。ただ
事業
面におきましては、充実した
計画
で
事業
をして行きたいというようなことで、
事業
経費
が若干ふえておりますので、総額といたしましては若干
増額
にな
つて
おります。 以上が
畜産局所管
の
一般会計
の
予算
でありますが、このほかに私
ども
の方では御
承知
の国営競馬をや
つて
おりますので、国営競馬の
特別会計
を
一つ
持
つて
いるのでありまして、二十六年度四十九億の歳入、歳出がそれに応じまして四十九億、これは実は資料を差上げておりませんので、はなはだ恐縮でありますが、
あと
で
追加
してお届けいたします。以上で私の
説明
を終ります。
河野謙三
7
○
河野
(謙)
委員
緊急の問題だけを拾
つて
私はお尋ねいたします。まずこの畜産の問題ですが、来年度の
予算
についてはよくわかりました。またこれについていろいろお尋ねしたいこともありますけれ
ども
、これとは離れて、今日の問題、明日の問題でえさの問題です。まず第一に
政府
が持
つて
いる、特に食糧庁の
関係
ですが、持
つて
いるとうもろこしその他
大豆
かす、こういうものの拂下げについて、今までに
畜産局長
は経過をお聞きにな
つて
いるかどうか。お答えをいただく前に私から申し上げます。今まで、たとえばこの間やりました二万一千トンのとうもろこしの拂下げは、聞くところによりますと、養鶏組合に七千トンやつた、えさの配合工場に七千トンやつた、残りの七千トンを商社にやつた、そのうち一番問題にな
つて
いる商社にやつた七千トンが、どういうふうな経路をたど
つて
一般
の養鶏家の所に届いているかということについては、御存じのはずでありますが、私が
承知
している範囲で申し上げますと、いまだに相場の暴騰を予期してかかえてお
つて
出さない。いわゆる売惜みをや
つて
いる、買だめをや
つて
いる事実がある。しかもその一部売
つて
いるのは、七十五円
程度
で拂い下げたものを百五十円で売
つて
いる。しかもその元は
政府
のものである。こういう事実がありますが、一体これらの事実についてお聞きにな
つて
いるかどうか、これをひとつお伺いいたしたいと思います。
山根東明
8
○
山根政府委員
前回拂い下げましたものが、末端までどういう価格でどういう流れ方をしたか、実は詳しく知りたいと思
つて
、当時配給をいたしました組合、
団体
等についていろいろ資料をと
つて
いるわけでありますが、今日までのところ、正確に全部の数量がどういうふうにどこへおちついているかということを、実はつかんでおりません。ただ御指摘のように、七十五円前後で拂い下げたものが倍近くで今日市場に出ているという話は、私も
地方
へ行
つて
直接聞いたわけではございませんけれ
ども
、
地方
から上京いたしましたいろいろの人たちから聞いておりまして、はなはだ遺憾に思
つて
おります。
河野謙三
9
○
河野
(謙)
委員
そこでまた近く拂下げが行われるようでありますが、そういう事実を認めておられる、聞いておられるということであれば、この次の拂下げには、再び前の轍を踏まないようにという準備は当然あるはずだと思うが、どういう方法で拂下げをや
つて
行かれるか、これを私は伺いたい。一度だまされたのならばかとは言われないが、二度だまされるとばかと言われますよ。この前商社にやつたときに、必ずしもそういうことを予想してや
つたの
ではないでしよう。商社と
政府
との間に少くとも紳士協約的なものがあつたはずだ。ところがそういうものを踏みにじ
つて
、いわゆる糸へんとか金へんとかいうものが出て来て買だめをやる、そうして
一般
農民からしぼり上げるということが現に行われたのでありますから、この事実の上に立
つて
、今度の拂下げは、私の考えでは、少くとも農業
団体
に随意契約をするとか、また農業
団体
に準ずる機関にやるとか、そういうことにすべきだと思う。 もう
一つ
この拂下げの問題で申し上げますが、配合
飼料
のえさの工場に拂下げになるというが、一体農林省は、方針としては、えさは單味で有畜
農家
に與えるという方針にな
つて
おるのか、それとも配合
飼料
でやるのが方針なのか。私は少くとも最近の進んだ有畜
農家
のえさの知識の
程度
からいえば、單味でやるべきだと思う。また知識のない者は、進んで協同組合の指導によ
つて
、單味でどこまでもやるべきだと思いますが、莫大な七千トンというようなものを配合の工場、配合の資本家に渡すというようなことについては、非常に私は疑問があるのです。商社に拂い下げることについて疑問があると同時に、また弊害が非常にあつたということについて、この配合か單味かということに関し、
畜産局長
の御見解をひとつ伺いたい。
山根東明
10
○
山根政府委員
実は午前中の畜産小
委員会
で、
政府
手持ちのとらもろこしを
飼料
用として配給することについての、非常な強い御要望が
委員
各位からあ
つたの
でありまして、大部分のお方が、ただいま
河野
委員
のお話のように、畜産
団体
に流すべきだというお話のようでありました。私も列席いたしましたし、また食糧庁からも需給課長、油脂課長等が参
つて
、十分御意見のほどは承
つたの
であります。実はただいま食糧庁の長官も見えたようでありますが、私
ども
今日までほとんど連日のごとく、食糧庁とこの問題で折衝をいたしておるわけでありまして、きようの午前中のそうした御要望につきましても、それを元にしまして、さらに
食糧庁長官
と十分協議いたしました上、善処いたしたいと考えております。 それから單味か配合かというお話でありますが、配合を認めるべきではないという、あるいはそういう強い御意見ではないかと思いますけれ
ども
、農林省としては、ただいまの段階では、配合
飼料
を排撃するという立場はと
つて
おりません。むしろ配合
飼料
工場がその製品の不正なものを出さないようにという点には、十分な注意は持
つて
おりますけれ
ども
、今日の段階では、配合
飼料
そのものを否定する立場をと
つて
はおりません。
野原正勝
11
○野原
委員長
代理 ちよつと
河野
君に申し上げます。
河野
君の質問の問題は明日の
委員会
でやりますから、きようは一応
予算
の
説明
を聞くという……。
河野謙三
12
○
河野
(謙)
委員
一言言わしてください。
飼料
とか何とかは非常に急ぐ問題ですから……。
野原正勝
13
○野原
委員長
代理 それでは簡單に願います。
河野謙三
14
○
河野
(謙)
委員
研究して善処するということであるならば、私は
食糧庁長官
もお見えにな
つて
おりますから、このことははつきり御答弁いただけると思うのです。その研究の結果の具体案ができるまでは拂下げを延ばす——商社に押下げて、百害あ
つて
一利ないような、ああいう事実の上に立
つて
今お考えになる場合に、これを一方において研究し、一方において拂い下げるというようなことは、あなたの方はなさらぬはずである。ところが研究中なるがゆえに時日が間に合わぬために一方で拂い下げることはできぬはずである。ですからこの場合御研究を十分なさることはけつこうです。少くともこの機会に、その方の今後の拂下げ方針についての具体案ができるまでは、拂下げを一時延ばすということはお答え願えると思うのです。私はえさの配合をやめろと言うのではない。農林省が單味か配合か、どちらに指導方針があるか、單味ということに指導方針があるなら、
政府
の持
つて
おる手持ちの物は、直接
農家
に單味で行くようにやつたらいいじやないか。私は配合がいけないと言うのじやない、農林省はどちらに指導方針を置いておるかという点をお尋ねしておる。 それからもう
一つ
農政局長
に開きたいのは、えさと同様な肥料の問題なのです。これはやはり
農家
のきようの問題なのです。一体われわれは昨年の十二月、肥料の小
委員会
を設けて、この正月の期間に肥料が非常に暴騰することをおそれた。ところがそういう心配はないということで、われわれは
政府
を信頼して今日まで来た。ところが不幸にして非常に肥料が暴騰しておる。とりわけここで聞きたいのは、燐酸肥料が非常に暴騰しておる、これに対して今燐酸肥料の原料たる燐鉱石は補給金がついておりますけれ
ども
、今回のこの
予算
を見ますと、来年度においての燐鉱石の補給金が
予算
に載
つて
いない。そういたしますと、
農政局長
御存じのように、わずか一かますで二百円以上の暴騰になる、この事実は農民は知らぬようでもみな事情を知
つて
おる。そこでこの春の間に一かます二百円もの燐鉱石の補給金がなくなりますと、過燐酸が上るということで、今から
農家
は肥料の取つけをや
つて
おる。
従つて
春だけの需給
関係
で行けば十分間に合うのに、見込買いして肥料の取つけをや
つて
おるために肥料が非常に上
つて
おる。これについて、何とか農林省は燐鉱石の補給金は続いて
予算
を補正してつける。
従つて
春に次いで夏秋の肥料も、過燐酸につきましては同様の値段で行くのだという方針を明示されるか、さもなければ、補給金を削るなら削る、その場合に二百円の開きができる、思惑買いが起らぬように過燐酸については公定価格制をしくとか何とか、そこで方法を立てなければいかぬと思う。なお公団が持
つて
おります肥料の拂下げの問題につきまして、えさと同様に、肥料におきましても糸へん、金へんがあばれまわ
つて
買いだめをや
つて
おる、この事実はえさとまつたく同じなんです、肥料も引続き最近のように拂下げがあるそうですが、これも
政府
の方針がはつきりきまるまでは拂下げを一時延ばしてもらいたい。いかに出しましても、途中で糸へん、金へんの所で思惑買いされて、かかえてお
つて
は何にもならぬ、
農家
の手元にちつとも渡らない。だからこれについてもえさと同様に善処していた、だきたい、これについてはつきりした御答弁を願いたい。
藤田巖
15
○
藤田政府委員
燐鉱石の問題でありますが、私
ども
といたしましても、燐鉱石の繰上輸入の問題、緊急貯蔵の問題、それからフレートが非常に上
つて
おりますので、これを放任して置けば肥料価格が二倍以上にも上
つて
来るということはよく
承知
しておりますので、非常にむずかしい問題だとは存じておりますけれ
ども
、農林省といたしましては、やはり春以降の燐鉱石につきましても、何とか補給金をつけてもらいたいという態度で極力進みたいと考えております。それから公団の拂下げ物資につきましてこれが自由にな
つて
おり、しかも一月三十日に拂下げいたしましたものは
一般
競争入札、こういうふうな
関係
がございますので、いろいろの商社その他の
団体
がたくさん参加をいたしておりまして、お話のような点もうかがえるのでありますが、私
ども
いろいろさような思惑買いということがあるかないかを愼重に調べておりますが、大口に買
つて
おるものについては、さようなものは現在までのところでは見られなかつたわけであります。しかし今後においても、この問題については十分注意をいたしますと同時に、第二回と申しますか、二月以降の拂下げ分につきましては、一回の一月拂下げの結果から考えまして、何らか方法を是正する必要がないかということを考えております。至急にこれは
関係
各省集まりまして協議を進めまして、御懸念の点のないようにできるだけや
つて
行きたいと考えます。
河野謙三
16
○
河野
(謙)
委員
拂下げをする前にすつかり具体案ができて、この次の拂下げの場合には、第一回、第二回の拂下げの場合において起りました弊害を是正して、これこれこういう方法で行くのだという案ができるまでは拂下げを延ばすということを、この機会に伺わなければ困る、今までのようにずるずるべつたりでは困る。今
農政局長
は買いだめとか売惜しみとかいう事実がないとおつしやるけれ
ども
、現に丸紅とか何とかいう糸へんの会社で、二百二十円で拂下げられた石灰窒素を三百何十円で売つた事実がある、であるから私は黙
つて
おられない。どうぞこの場合に、
あと
の具体案ができて、農業
団体
等に随意契約によ
つて
スピイーデイーに、しかもその間においての買いだめ、売惜しみもなく、
農家
に適正な価格で渡るというように、
政府
の手持ちのものでやるのだという安心の行く入札方法がきまるまでは、または随意契約の方法がきまるまでは、拂下げをやめてもらいたい。これを私はこの機会にどうしてもあなた方から伺わなければ、こういうことで一部の金持があばれまわる姿を見て、その陰に農民が犠牲になるということは断じて私は承服できない、
委員長
は非常に急がれるけれ
ども
、これは非常に緊急な問題で大事な問題であります。笑いごとではない、きよう、あしたの農民の問題です。最近の農民経済は非常に悪くな
つて
おる。あなた方御存じのように、貯金の預け入れの状態は非常に悪くな
つて
おる、しかもその悪くな
つて
おる
内容
が、中以下の下層の農民経済が極端に悪くな
つて
、大農と小農との間の経済の開きが非常に大きくな
つて
おる。この傾向が顕著に現われるのは今年中です、これを是正するのは
政府
の責任です。その第一歩として、えさとか肥料とかいう農村の重要な資材については、急いでしかも真劍に考えてもらわなければいけない、私は実際不満がある。もう一ぺんもどりますけれ
ども
、えさの場合、去年三万トンも日本から有機肥料を外国に輸出しておるではありませんか、しかもあなたの方のえさの課長がちやんと農林時報に書いておる、しかもこれに対して不満の意を表しておる。ところが不満の意を表しておる
畜産局
のえさの課長が知らないで輸出ができるはずはない、農林大臣が許可を與えたから輸出をしておるわけである。これだけ足らないで困
つて
おるのに、ついこの間ですよ、昨年の秋に足らないものを二万トンも輸出しておる、許可を與えておる、農林大臣の判を押しておる。そうしておいて年が明けたらもう困
つて
手を上げておる。こういうふうに肥料といい、えさといい、終始一貫した——少くとも半年ぐらい見越した方針が農林省には少しもないのです。この輸出の問題もあわせて、——今後は輸出は絶対にしないでしようけれ
ども
、さらに私は念を押して、今後は有機肥料の輸出はやらないということも、この際ひとつ伺いたいと思うのです。
藤田巖
17
○
藤田政府委員
公団の拂下げは、御
承知
の
通り
関係
各官庁会議の上決定をいたしておりますので、必ずしもわれわれの考えておる
通り
には決定をしておらないうらみがあるわけでありますが、御趣旨はよくわか
つて
おりますので、今後の分についても、はつきりとその方針を決定いたし、さらにこれは司令部方面の御了解も得なければ出せないことに相な
つて
おりますので、さようなことをはつきりいたしました上でこれを放出する、かようにいたしたいと思います。
山根東明
18
○
山根政府委員
飼料
につきましても、次回の放出は、先ほど申しましたように今協議いたしておりますが、具体的な方針がきまつた上で拂下げの手続を開始したいと思
つて
おります。
原田雪松
19
○原田
委員
肥料とえさに詳しい
河野
言から、いろいろお話があ
つたの
であります。ただそのうちに、見通しがつくまでは拂下げを延ばす、こういうことでありますが、実は午前中の小
委員会
では延ばしては困るなぜあるものを死なんとする
家畜
に早く與えないかというのが、総合的輿論の結果であつたと思います。現在
政府
が持
つて
おりますのは六千トン余であるが、これを第一次としてさつそく拂下げをしてもらい、そうして国内産の二万トンがそのうちに出るから、それを一緒にまとめてやることがいいだろう。こういうことで、食糧庁の需給課長と
飼料
課長の天の課長さんがいろいろお話になりました。私
ども
もその中に入りましていろいろ懇談を遂げたのでありますが、結果においてつまり一応食糧として確保せられたものを
飼料
に流していただくのであるから、食糧庁の親心であることを私
ども
は感謝をしておる。しかしどうせえさにまわすものならば、食糧庁の需給課でやらないで、特に
畜産局
の
飼料
課があるのだから、その
飼料
課の手を通じて、一日も早く、拂下げをしてもらいたい。これが
要求
である。その点からすると、延ばすということと早くということの食い違いがありますので、記録に残ると困るから、
河野
委員
の御意見に反駁するのではありませんが、午前中の会議では、一日も早くこれをや
つて
もらいたいということであつたことを申し上げます。それと同時にこの所管の問題でありますが、機構の上において、どうも需給課の方で押えられておるけれどうも、今後は長官なり大臣なりがお話合いになりまして、不適格品で、
飼料
に適合するものはただちに
飼料
課の方におまわしを願いたい。また
団体
も、需要者、つまり実利本位でとる
団体
にお流しを願いたい。話に聞きますと、六千トン
余り
のとうもろこしに対して、申込みは十万トンあるという話であります。これはあらゆる面から食い込んで来ておると思いますが、はたしてこれを細分化してやる場合には、
飼料
の方には流されぬのじやないかという心配があります。なお近ごろ入札が非常に盛んにな
つて
おりますが、えさの
団体
と、あるいは工場の
団体
との入札ということでは、実に太刀打ちができません。だからえさの方には一定の
わく
を前提的にまわしていただいて、そうしてそれを特殊配給になさるか、あるいはいろいろな入札の形をとられるか、これは非常に重大なところと思いますが、そういうふうな
わく
を一応お定め願いたい。この点は局と食糧長官とよくお話合いの上、窮迫した
飼料
事情の緩和にお努め願うように一言付け加えて、お願いを申し上げます。答弁はいりません。
横田甚太郎
20
○横田
委員
今
河野
君の言われた質問は非常に正論だと思うのですが、一点非常に不可解に思いますのは、丸紅という所が、石灰肥料二百二十円のものを三百何十円で売つたというのですが、こういう事実があ
つたの
か、なか
つたの
ですか。もしあつたならばそれを知
つて
どういう手を打たれたかということだけ々承りたいのです。明らかにしてください。
藤田巖
21
○
藤田政府委員
御
承知
の
通り
、肥料は全部自由に相な
つて
おるわけであります。ことにカリについては、七割アップという停止的なものがついておりますが、それ以外のものはついてはおらないのであります。
従つて
われわれといたしましては、現実にこれを幾らで買い、幾らで売つたという場合に、これを幾らで売らなければならぬと、はつきり押えるところの法的根拠がございません。従いましてその点は非常にむずかしい問題であろうと思
つて
おります。ただそれがいわゆる暴利取締りとかいうような点にひつかかりますならば、その面においてはある
程度
やれると私
ども
も思いますが、その点については、やはりその売り方というものをよく研究いたさなければ、結果だけを見ましても転々に結論は出ないものと思
つて
おります。
横田甚太郎
22
○横田
委員
麦をつくるのにも、米をつくるのにも肥料がいるということは御存じでしよう。そしてせつかくつくつたところの米も麦も——そこに安孫子長官がおられますが、実にひどいことをや
つて
と
つて
おられる。日本の
政府
がとらなかつたら、外国人がジープを持
つて
来てと
つて
おる。こんな事実が日本にあるのですよ。つくつたものは全部奪
つて
おきながら、そのつくる
基礎
になる肥料の代価に対してもつと責任はとれないのか。法がなかつたならほう
つて
おくというのですか、その点をはつきり承
つて
おきたい。後ほど農林大臣も来られましようから、本質的なことはそのときにお尋ねいたしますけれ
ども
、法的に処置を講じられないから、暴利の点が現われるまではほう
つて
おくというようなことで、農林省はよいのですか。米や麦をどうしてぬすんだのですか。そこをはつきりしてください。
藤田巖
23
○
藤田政府委員
これは肥料を全面的にはずします場合に、さような事態は当然予想されておるところであります。さればとて、それが全部それでよいということは考えておりませんが、現在の法制において、
統制
撤廃をいたしました現状においては、おのずからこれを取締る限界が存する、かように考えております。
横田甚太郎
24
○横田
委員
数量だけを聞かしてください。この丸紅が扱つたというところの——農民には非常に必要な肥料を、丸紅がおもちやにした、その数量だけ聞かしてください。そうしてその
金額
を知らしてください。
藤田巖
25
○
藤田政府委員
手元に詳細な資料がございませんので、
あと
で詳しく資料をつくりまして御報告いたします。
野原正勝
26
○野原
委員長
代理 それでは肥料及びえさの問題に関しましては、いろいろ御議論もありましたが、また適当な機会になおはつきりさせて行きたいと思いますが、本日は
予算
の
説明
を聞くことにな
つて
おりますので、引続いて
大臣官房
の農林
金融課長
富谷君から、農林漁業金融に関する御
説明
を聞きたいと思います。
富谷彰介
27
○富谷
説明
員 お手元に一枚刷りの紙で、農林漁業資金融通
特別会計
説明
書というのがございます。同じく一枚刷りの紙で、農林省所管
昭和
二十六年度農林漁業融資
計画
案というものがございます。この二枚を、ごらん願いたいと思います。 土地の
改良
でありますとか、造林でありますとか、こういつたような長期かつ低利を要します
事業
に対する資金の供給は、二十五年度は、対日援助見返り資金がございましたが、総額わずか十億で、とうてい需要を満し得なか
つたの
であります。二十六年度におきましては、ただいま申し上げました
説明
資料にあります
通り
、
一般会計
から三十億、見返り資金から四十億、合計いたしまして六十億の出資を得まして、農林漁業資金融通
特別会計
を
設置
いたしまして、これがもう
一つ
の紙にあります多極の用途に、そこに書いてありますような利率によ
つて
貸し付けるという
計画
をいたしております。つまり法案の最後の仕上げに入
つて
おりますので、遠からずこちらの御審議をお願いする段階が来ると思
つて
おります。で
特別会計
自身といたしましても、全然新しく二十六年度から起る問題でございますが、
内容
は六十億の資金を貸し付けまして、これによ
つて
上つた利息收入で
特別会計
の支出、つまり
事務費
をまかな
つて
行くという建前にな
つて
おります。
特別会計
は職員を二十五名持
つて
おりますが、二十五名
程度
ではとうてい審査はできませんので、最後の貸付の決定だけを
特別会計
、つまり
政府
がいたしまして、申請書の受付から
内容
の審査、これはすべて既存の市中の金融機関にお願いします。市中の金融機関の審査を受けて通
つて
来たものに対して、
特別会計
が貸付表するかいなかの決定を行う、こういう考えでございます。
特別会計
から金融機関に対する手数料の支拂いは、現在最高三分で、大体三分以内というふうに考えております。これが歳出部面の手数料という
項目
でございます。 それから本年度は
予算
費がたまたま九千百万円余
つて
おりますが、これは当初この
予算
案をつくります際に、大蔵省預金部資金の借入れを
計画
したわけでございます。ところが現在まででは具体的に幾らこの
特別会計
に借入れを許されるかということがきまりませんので、予備費をと
つて
ございますが、おそらく何がしかの預金部資金の借入れが許されると思います。預金部資金は御
承知
のように国民の郵便貯金、それから簡易
保險
が
基礎
にな
つて
できた金でございまして、これを運用するためには、
特別会計
が借ります場合でも利息を拂うことにな
つて
おります。大体年利六分
程度
の利息を拂うことになります。この予備費はただいま申し上げました
通り
、預金部資金からの借入れができました際の利息の充当分というつもりで考えております。この九千百万円というものを利息に充当いたしますと、約六十億の預金部資金を借り入れましても、この
特別会計
としては現在の案の利率で貸出しが行われ、しかも
特別会計
としては独立採算がくつがえされないという段階でございます。簡單でございますが、御
説明
といたします。
野原正勝
28
○野原
委員長
代理 それでは次に
食糧庁長官
から食糧庁の
予算
関係
の
説明
を聞きたいと思います。
安孫子藤吉
29
○安孫子
政府
委員
最初
の
食糧管理
特別会計
の方から申し上げますが、拔き書をしたものをお手元に差上げてありますけれ
ども
、
昭和
二十六年度
特別会計予算
の方でごらん願つた方がはつきりいたすかと思います。お手元に配
つて
あります資料は、
食糧管理
特別会計
歳入歳出
予定
額、すなわち歳入の方から見て、
食糧管理
の收入が、
昭和
二十六年度
予算額
が五千五百四十三億四千四百六十二万五千円、前年度は四千九百十億一千七百八十四万七千円でありましたために、差引いたしまして六百三十二億二千六百七十七万八千円の増にな
つて
おります。これは大体單価の値上の等がおもなる原因でございます。
事項
別に見ますれば、食糧売拂い代が最も大きな
数字
で、ございまして、二十六年度の
予算
といたしましては四千三十六億六千二百三十一万九千円でありまして、前年度に比較いたしまして五百二十四億六千七百七十五万四千円の増にな
つて
おります。これは單価増に伴う原因で、そのほか收入といたしましては格別のものはございません。雑收入として物品拂下代、違約金、弁償金、小切手支拂未済金收入、恩給法納金、雑入というようなほとんど例示的な実績もあまりないものが多数にな
つて
お
つて
、その次に
一般会計
からの受入れといたしましては、二百六十六億六千百六十四万五千円、これは大体補給金が主に相なります。前年度が百五十三億九千四百二十八万五千円でありますから、百十二億六千七百二十六万円、それから食糧証券及び借入金收入がその次にな
つて
おります。歳入を会計して五千五百六十三億四千四百六十二万五千円でありまして、六百二十億六千八百三十二万五千円前年度から増にな
つて
おります。 歳出の方は
食糧管理
費として
事務費
が五十億五千五百七十八万四千円、前年度が四十五億五千三百八十七万四百円でありまして、結局合計五億百九十一万三千六百円の増にな
つて
おります。大体職員の基本給の増等が原因にな
つて
おります。次の各目をごらんになれば、職員の基本給が三億余の増にな
つて
おります。これは
ベース
・アップの
関係
でございます。それから特殊勤務
手当
、超勤そのほかの諸
手当
、雑給與旅費、物品費は節約をすることによ
つて
若干前年度から減
つて
おります。役務費、食糧費、宣伝委託費、それから輸入食糧市場
調査
委託費というのが百二十五万円増にな
つて
おります。今までのところ盲貿易の形にな
つて
偏りましてそのためにいろいろと不利な取引が行われていると思われますので、できるだけ海外市場の
調査
を十分いたしまして、市況を敏速に把握いたして取引したいという点からして輸入食糧の市場
調査
委託費をとりまして、その種目をや
つて
参りたいと思
つて
いる次第でございます。
施設費
、国家公務員
共済組合
の
負担
金、農林省
共済組合
短期給付費
補助金
、賠償及び償還金。 その次が食糧買入費であります。買入れ、保管運送等、今日中間費の問題で問題になるものが、買入費とその次の管理費になるわけであります。国内食糧の買入費が二千三百八十五億二千三百九十九万五千円でありまして、前年に比較いたしまして二百五十二億八千八直一十六万七千円の増にな
つて
おります。これは数量は若干減
つて
いるかと思いますが、單価が上
つて
おりますので、このたびの買入費の増にな
つて
おります。その次に外国食糧買入費千五百八億九千五百七十六万三千円。バツク・ペイも一応想定いたしましてはじいておりますが、三十四億見ております。麦については、前年度に比べて減
つて
おりますのは、二十五年産の麦についてのバツク・ペイは見ましたけれ
ども
、二十六年産のものについてはバツク・ペイは見ておりません。これは自由買付というような方針をと
つて
予算
を編成いたしておりまするので、計上しておらないわけであります。その
関係
からいたしまして、二十二億の減にな
つて
おります。包装資材費、これは値上り等から来ておると存じます。早場米奨励金は、いろいろな事情からいたしまして、昨年度六十億でありましたものを三十億
程度
減らして半分にな
つて
おります。 それから管理費であります。これは二十六年度の
予算額
が二百二十億四千十六万八千円、前年度に比較いたしまして九十八億四千四百六十七万六百円の減にな
つて
おります。運搬費が百四億五千七百五十七万円でありまして、前年度より十五億の減にな
つて
おります。運搬費については、本年度から相当圧縮をいたしております
関係
上、前年度より切詰めて計上しております。それから集荷手数料が二十六億九千八百七十二万五千円でありまして、これも前年度から比較いたしますと五億三千二百三十二万一千円の減にな
つて
おります。これは数量等の見込みから来た減であると思います。加工費でありますが、前年度は百十七億七百四十五万二千円でありましたが、二十六年度は二十七億二千四百七十二万三千円ということで、八十九億八千二百七十二万九千円の減にな
つて
おります。大体米は別ですが、麦の加工等についてのいろいろの問題もありまして、一応この
予算
は十月までの分を見込んでおります。従来は全面的に一次加工、二次加工ともおおむね
政府
加工でや
つて
おりましたが、この辺は
統制
方式の改変に伴いまして手をつけてよかろうと考えております。
従つて
二次加工等については全面的に落す、一次加工等につきましても、漸次委託加工方式に切りかえて行くというような想定のもとに、加工費の圧縮を考えたので、ありまして、そのために約九十億の減にな
つて
おるわけであります。次は保管料でありますが、これは六十六億七千百九十六万三千円で、前年度よりも十二億三千八百八十三万六千円の増にな
つて
おります。これはいろいろ食糧がたくさん入
つて
も参りまするし、それの相当長期貯蔵というようなことも加味されました結果、保管料の増が出て来ておるわけであります。次は保存手入費でありますが、貯蔵いたしたものの減耗をできるだけ防止することが、食糧確保の上において非常に重要な問題でありまするので、この点に相当努力をいたしたいということで、保存手入費が一億九千十八万円ということで、前年度よりふやした
予算
を計上しております。集荷委託費、これは二億九千七百万円でありまして、これも前年度よりも一億五千万円ほど減らしております。 そのほか他会計への繰入れ、これは
一般会計
への繰入れと国債整理
基金
特別会計
への繰入れ、
農業共済
再保険
特別会計
への繰入れというものが従前
通り
あるわけであります。 そのほかに予備費を三十億とりまして、歳出合計が五千五百六十三億四千四百六十二万五千円という
予算
を編成した次第であります。以上が
特別会計
であります。 次に
一般会計
であります。
事項
を簡單に申し上げますと、食糧庁
一般
行政に必要な
経費
千四百八十六万四千円、これは大体本庁の、現業をあまりやらぬ方面の
人件費
というようなものであります。大体中間
経費
の節約等について、
食糧管理
特別会計
に関する
事務費
、先ほどお話申し上げました職員基本給その他の旅費、物品費等を
食管特別会計
から
一般会計
に移しかえるべきであるという意見は、この七十九の食糧庁
一般
行政に必要な
経費
を
特別会計
から持
つて
来てふくらますということをやればいいわけでありますが、そこまで至らないで、本年度
予算
はこういう形でできております。 その次は食品行政運営に必要な
経費
、人員が三十九名でありますが、これは旧食品局
関係
、現在で申しますと、食糧庁の第二部
関係
の人員の
経費
でございます。 次が
食糧管理
に関する諸
調査
に必要な
経費
、主要食糧
購入
通帳等作成に必要な
経費
、これは主として印刷費が
内容
にな
つて
おります。 次に北陸震災地
農業倉庫
復旧資金
利子補給
に必要な
経費
、これは福井の
農業倉庫
に対しまして、震災の際に
農業倉庫
を再建いたしましたものの利子を、当時の特殊事情から考えて補給することにいたしましたその
補助金
でございます。 次は
食糧管理
特別会計
へ繰入に必要な
経費
四十一億六千百六十四万五千円、次は食料品配給
統制
に必要な
経費
、それから物資需給の連絡調整に必要な
経費
、これは主食以外の各種の雑品に要する
経費
にな
つて
おります。それで食糧庁の
一般会計
の
経費
合計が四十三億一千三百九十九万円、そのうちの四十一億が
食管特別会計
への繰入れの
経費
と相な
つて
おります。ほかのものは大した
金額
にな
つて
おりません。 そのほかに、食糧庁としては食糧研究所を持
つて
おりますが、この
経費
が二千四百七十九万二千円、人員は前年度と同様でありますが、若干待遇改善等のためにふえました。
概要
以上の
通り
でございます。
千賀康治
30
○
千賀委員長
それでは
食糧庁長官
及び
大臣官房
の方に対する質問がございましたら……。
河野謙三
31
○
河野
(謙)
委員
長官御多忙のようですから、ひろ
つて
二つばかりふに落ちない点をお尋ねいたします。まず補給金について、原案は大分前に出たのですが、相かわらず二百何十億にな
つて
おります。これはおそらく倍の四百五十億ぐらいいるのじやないかと思いますが、現在ただいまのところでも、このままで補給金は間に合うとお思いですか、これが
一つ
。それから加工賃は前年度との比較では非常に下
つて
おります。これはたとえば製粉のごときは、加工賃は赤にな
つて
逆に
政府
の方でもらえる。精麦も同様です。精米にしても、最近におけるぬかの高騰等から、これはむしろ
政府
の方がもらえるのじやないかと思います。それを非常に下つたと言
つて
もまだ二十七億からの加工賃が出ておりますが、これがちよつとふに落ちないのでありますが、御
説明
願いたいと思います。
安孫子藤吉
32
○安孫子
政府
委員
補給金でありますが、これは今の買付の状況から申しまして足りなくなると思
つて
おります。今二百二十五億の補給金を組んでおりますが、当時の想定といたしましては、たとえば米は百四十ドル、小麦が九十ドル、大麦が七十二ドルというような
基礎
で單価を出しております。しかし最近の見通しとしては、米はどうしても百五十ドルを上まわるだろう、あるいは小麦が百五ドル大麦が七十二ドルと想定したのが九十五ドルというようなことに相な
つて
参りますので、そうした單価を修正して、数量は動かさないで米が九十ドル、小麦が七十ドル、大麦が六十ドルという現在の單価をと
つて
押えてみまして、概算はじいてみますと、約四百億近い補給金を必要とすることになると思います。そうしますと、百七、八十億の補給金の増ということが考えられます。それをこの際
予算
更正をするか、あるいはこの二百二十億五を使
つて
、この次の機会に
予算
更正をするかとい点については、財政当局のいろいろな
技術
的なやり繰りの問題もあろうかと思いますので、この点は今十分に打合せをいたしておりますが、私
ども
としては、現在のままも
つて
すれば、補給金は今の二百二十五億では足りないという結論に達しております。それから加工賃の問題で、副産物の収入が相当に上るために、むしろ
政府
の方で加工賃を支拂わずして、受取り勘定にな
つて
しかるベきであるという点はごもつともだと思います。この点は十分に見込みましてや
つて
、おるのでありますが、受取ることが現実にないのは、
一つ
は包裝資材を向うが買取る形にな
つて
おりますので、それを差引きますと、
政府
が收入にあげるものがなくなるという形にな
つて
おるわけであります。副産物の値上りについては、先ほ
ども
お話がありました、ように、実は農林省全体としては非常に矛盾した問題があります。私
ども
としては、加工賃はできるだけ切り下げて参るという方向で進みますと、加工工業といたしましては、公定価絡のない現状において、副産物を相当上げてカヴァーして行く。それが結局よその価格等に悪い影響をも
つて
、まわりまわ
つて
食管特別会計
で引継いだものが副産物の收入の値上りになる
一つ
の因子にもなるわけであります。その点は農林省全体として調整をと
つて
参らなければならないと思
つて
おります。
河野謙三
33
○
河野
(謙)
委員
加工賃につきまして重ねてお尋ねしますが、今御
説明
のありましたように、非常に副産物の価格が高騰しております。ここで加工賃についての改訂をおやりになる意思があるかどうか、これがまず第一点であります。それから何と申しましても副産物の発生場所は、
政府
の指定する委託加工工場から発生するのでありますから、
一般
の自由経済市場におけるものとはちよつと別な
考え方
を
政府
は持たなければいけないと私は思います。
一つ
の例が、大蔵省の所管でありましたか、樟脳等はたしか大蔵省は価格を指示しております。こういう方法で、農林省指定の加工工場から発生する副産物については、樟脳と同様な
措置
を今後とる御意思があるかどうか、これをひとつ伺いたい。私は補給金の問題について、この国会に、おいて
予算
の補正をするか、それとも次の国会にまわすかということについてはおのずから財政当局の意見があると思いますが、加工賃の問題については、この際明らかに事実がわか
つて
おるのでありますから、さつそく
補正予算
としてお出しになるべきではないかと思いますが、この点をひとつ伺いたい。
安孫子藤吉
34
○安孫子
政府
委員
現在は委託工場にな
つて
おりますから、副産物の暴騰については昨今の情勢からいたしまして、ただいまのお話がありましたような
措置
をとるべき段階にあると思
つて
おります。それに基いてただちに
予算
を更正するかどうかという点については、もう少し研究を進めて行きたいと思
つて
おります。
横田甚太郎
35
○横田
委員
国内食糧の買入費が非常にたくさん出ていますが、私たちが部分的に見た農村におきましては、これが逆であります。これはアメリカ食糧に金をたくさん拂うので、上
つて
いるのではないかと思う。たとえて申しますと、新潟県の亀田のごときは米所でありますが、二十四年には大体一億一千万円の米代がとれた。それが今年は逆になりまして、七千二百万円しか入
つて
いない。ここでは三町
程度
つく
つて
いる百姓さんで十五万円損だと言
つて
いる。それから一町四反つく
つて
いる百姓さんで四万円から五万円損だと言
つて
いる。これはここだけではない。
全国
一律です。こういう
意味
合いにおきまして非常にわかりにくいと思うのでありますが、
予算
面では非常に大きくふえている。 もう
一つ
わからないことは、このごろ故意に
検査
で等級を落している。
検査
しない前から三等というような判を持
つて
行かない。四等と五等を持
つて
行く。こういう例はほかにもたくさんある。かような点から
予算
は少し狂
つて
いるのではなかろうか。こういうようにうまく書いてありますけれ
ども
、その点にも大きなからくりがあるのではないかということを考えるので、ちよつとお伺います。
安孫子藤吉
36
○安孫子
政府
委員
おそらく新潟の例をとると、こういうことになるのではないかと思います。この
予算
には載
つて
おりませんが、従来は超過供出奨励金が三倍で、
農家
の手取り、特に新潟、東北のある地借帶に参りますれば、基本米価のほかに超過供出奨励金の收入が相当多かつた。それが超過供出奨励金が今年などは〇・二五倍に
なつ
たという
関係
からいたしまして、基本米価は上つたけれ
ども
、
農家
全体の手取りが少く
なつ
たという事情はあろうかと思います。この全体の比較をするとすれば、食糧の買入費のほかに、つまりバツク・ペイと、それから早期供出奨励金、それから従来ありました特別超過奨励金というものを総計したものを比較してみることが、
農家
全体の手取りの上から見れば必要であろうかと思います。それからそれをいたすについても、
全国
的に均分されるか、あるいは超過供出奨励金というような制度があれば、比較的早場地帶、あるいは單作地帶に多く落ちておりますから、そういう地域的な分布もやはり加味して判断しなければならぬかと思います。基本米価の買入費だけ上
つて
いる——これは米価を上げているから、その
通り
なのであります。今指摘のような例が出て参りますのは、以上申し上げたような点からの、違いが現実の問題として出て来るかと思います。
横田甚太郎
37
○横田
委員
それでは部分的に米代を普通にもら
つて
いるのや、少いところもある。しかし
全国
的には多いという
意味
ですか、もしそうであるとすれば、どういうところが多くな
つて
、どういうところが少くな
つたの
ですか。
安孫子藤吉
38
○安孫子
政府
委員
私の言うのは、つまり三倍の超過供出奨励金を廃止することによ
つて
、どの地帶が一番その面からの打撃があるかということの概定をいたしますれば、北陸、東北地帶が比較的よけいに超過供出奨励金が落ちておつたと思います。
従つて
それを廃止することによ
つて
、その地帶に比較的金の落ち方が少く
なつ
たということは言えると思います。
横田甚太郎
39
○横田
委員
もう
一つ
お尋ねいたします。きようの日本経済だと思うのですが、あれには、アメリカの大麦が非常に割高にな
つたの
で買いにくく
なつ
た、だからアメリカの低質大麦の買付にあせ
つて
おられる、こういうことが出ておつたが、あれは一体どういう目的で、どういうふうにお使いになるのですか。そういうことは新聞記事だけですか、やはりそういう動きがあるのですか。
安孫子藤吉
40
○安孫子
政府
委員
日経は実は読んでおりませんが、アメリカではなくて、カナダについてはそういう問題も私
ども
ございます。カナダの麦が昨年は霜の害のために不作であつた。それで非常に下等品が多くな
つたの
です。日本でいえば五等麦というものが相当多い。これを買いますと歩どまりが非常に落ちまして、食糧としてはどうかと思う点がある。しかしえさその他の用途には充当されるわけです。日本の外貨資金とにらみ合せまして、カナダの、五等と申しますか、等外の麦が相当ありますが、これをどうするかということは、私
ども
としてはいろいろ検討しおります。アメリカではなくてカナダの問題ではないかと思うのですが……。
横田甚太郎
41
○横田
委員
同じカナダでも、その麦の値段と普通の麦の値段とどのくらい違うのですか。
安孫子藤吉
42
○安孫子
政府
委員
これはまだオツフアをと
つて
おりませんので、どれくらいの値段になるかということはちよつと申し上げかねます。
横田甚太郎
43
○横田
委員
もう
一つ
このことについて質問いたしますが、これは食糧その他に不向きだと今おつしやいましたが、しかし入れた限りにおいては、食糧として配るつもりでお買いになるのか、それともまたえさにおきまわしになるのですか。
安孫子藤吉
44
○安孫子
政府
委員
入れるということは今のところ考えておりません。
横田甚太郎
45
○横田
委員
これを入れるといたしまして、きようの畜産小
委員会
の
飼料
の問題にもあ
つたの
ですが、大体日本ではふすまが非常に足らない、普通ふすまが入る所は中共地区くらいしかない、こういうようなことを言われておるのが、そこがだめだ——仮定の問題であなたもこういうようなことを答えるのはいやでございましようが、これを
飼料
にまわす場合と、それから中共からふすまを買う場合とは、一体どれくらいの値段の開きがあるでしようか。
安孫子藤吉
46
○安孫子
政府
委員
ちよつとそういう計算をや
つて
おりませんので、何とも申し上げかねます。
横田甚太郎
47
○横田
委員
中共のふすまが入
つて
来ないのですから、これはやがて現実の問題となると思うのですが、今計算していないのだつたらいつか計算してもらえますか。計算してもらえるのだつたらいつごろこれをもらいに行けばいいか。
安孫子藤吉
48
○安孫子
政府
委員
中共貿易が一応ストップしておりますので、その辺の材料も実は私のところではありません。材料が收集できるような段階になりましたならば計算をしてみます。
野原正勝
49
○野原
委員長
代理 それではこの問題は、いずれ横田君からひとつゆつくり研究してもらうことといたしまして、本日のところは会議はこれで終ることにいたします。 午後四時四分散会