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1951-02-05 第10回国会 衆議院 農林委員会 第4号
公式Web版
会議録情報
0
昭和
二十六年二月五日(月曜日) 午前十時四十三分
開議
出席委員
委員長
千賀
康治君
理事
野原
正勝
君
理事
松浦
東介
君
理事
吉川 久衛君
理事
足鹿
覺君
宇野秀次郎
君 遠藤
三郎
君
小笠原八十美
君 小淵
光平
君 川西 清君
河野
謙三君 中馬 辰猪君 原田
雪松
君
平野
三郎
君 八百板 正君 山口
武秀
君
横田甚太郎
君
出席政府委員
農林政務次官
島村 軍次君
農林事務次官
(
農業改良局
長)
小倉
武一
君
農林事務次官
(
畜産局長
) 山根 東明君
委員外
の
出席者
專 門 員 難波 理平君 專 門 員 岩隈 博君 專 門 員 藤井 信君
—————————————
二月二日
裝蹄師法
の一部を改正する
法律案
(
内閣提出
第 二〇号)(
参議院送付
) 同月三日
東河村字岡田地
内にため池築設の
請願
(佐々木 盛雄君
紹介
)(第二八四号)
国有林野内牧野開放
に関する
請願
(
柄澤登志子
君
紹介
)(第二九七号)
早場米奨励金制度存続
の
請願
(
柄澤登志子
君紹 介)(第二九八号)
昭和
二十六
年度
農地関係予算復活
の
請願
(
柄澤
登志子
君
紹介
)(二九九号)
土地改良事業費国庫補助増額
の
請願
(
柄澤登志
子君
紹介
)(第三〇〇号)
国有林地内砂防工事施行
に開する
請願
(
柄澤登
志子
君
紹介
)(第三〇四号) 北上川、雫石川両
沿岸農業水利改良事業
を
昭和
二十六
年度
国営計画地区
に指定の
請願
(
野原正
勝君外一名
紹介
)(第三〇六号)
胆沢平野土地改良事業
を
昭和
二十六
年度
より国 営として
施行
の
請願
(
小澤佐重喜
君外三名紹 介)(第三〇七号)
国営山王
海
農業水利改良事
業施行促進
の
請願
(
野原正勝
君外一名
紹介
)( 第三〇八号)
開拓農業協同組合強化
に関する
請願
(
渕通義
君
紹介
)(第三五五号) 荒川及び駒込川の
毒水排除費国庫補助
に関する
請願
(
山崎岩男
君
紹介
)(第三五六号) 青果物の
販売共済制度確立
に関する
請願
(増田 甲子七君
紹介
)(第三九二号) 下閉伊郡下の
土地改良事業等
に
国庫補助
の
請願
(
野原正勝
君
紹介
)(第三九四号) の審査を本
委員会
に付託された。
—————————————
本日の会議に付した事件
裝蹄師法
の一部を改正する
法律案
(
内閣提出
第 二〇号)(
参議院送付
)
昭和
二十六
年度
農林省関係予算
に関し
説明聽取
の件
—————————————
千賀康治
1
○
千賀委員長
これより
農林委員会
を
開き
ます。 前会に引続き
農林省関係予算
に関し
説明聽取
を行います。前会は
農林省予算全般
につきまして
説明
を伺いましたので、今日は
各局別
にその
予算
及び
予算
に盛られておる重要諸施策につきまして御
説明
を聞くことにいたします。なおこれらの
事項
に
関連
いたしまして、あるいは新しく
法律
の
制定改廃
が問題になるものと考えられますので、この点もあわせて
説明
を伺いたいと思います。
小笠原八十美
2
○
小笠原委員
これは各
局長
の
説明
だから、私は今出た
予算
がこれこれだという
説明
では物足りない。われわれはこれこれを
要求
した、これを削られた、
残つたの
はこれだ、こういう
説明
をしてもらいたい。そうして今これをやる人はその
準備
がないのだが、明日
説明
する人に
委員長
から通告してその
準備
をしてもらいたい。
千賀康治
3
○
千賀委員長
承知
しました。今の
小笠原委員
の
説明
の
趣旨
に
沿つて説明
ができたらや
つて
ください。では
農業改良局長小倉武一
君。
小倉武一
4
○
小倉政府委員
それでは
農業改良事業
に関しまして、二十六
年度
要求
の
予算
の概要を御
説明
申し上げます。 御
承知
の
通り
、
農業改良事業
は
昭和
二十三年の夏ごろから始まりまして爾来大体二箇年半を経過いたしておるのであります。その間に
普及事業
につきましては、新しい構想のもとに、
府県
の
職員
といたしまして
全国
の
農村
に当初約六千五百名の
食糧増産技術員
を
設置
いたしまして爾後二十四年、二十五年に若干ずつの増員をみまして、二十五
年度
におきましては
予算
の定員は九千二百五十名にな
つて
おるのであります。従来
農会
あるいは
農業会
の
技術員
としてや
つて
おりましたのをさような形に切り離しましてそうして特に
一般
の
統制
あるいは管理的な
行政面
から切り離して
普及一本やり
にいたすという
建前
でや
つて
おるのであります。また
試験研究機関
につきましては、新しく
企画研究官
の
制度
を設けまして各種の
農業関係
の
試験研究
の
連絡調整
、あるいは
企画
をやるという
建前
にな
つて
おるのであります。さような
研究企画官
の
制度
とともに、また
農業試験研究機関
の
整理統合
をいたしまして、大体本
年度
から
発足
をいたしておるわけであります。二十六
年度
の
予算
といたしましては、
改良事業関係
、
総額
で申しますというと十六億一千十五万五千円にな
つて
おるのであります。これを二十五年に比較いたしますと、四億一千二百七十三万八千円の
増加
にな
つて
おります。この
内訳
を大別して申しますと、
改良局関係
の
一般行政
に関するものが六百八十二万六千円でありまして、
あと改良普及事業プロパー
の
関係
が大体
半々
にな
つて
おるのであります。すなわち
普及事業関係
を申しますと、九億五千九百五十六万七千円、
試験研究関係
が九億四千三百七十六万二千円とな
つて
おるのであります。そこで特に
普及事業関係
と
研究所関係
の
事項
の二つにわけて申し述べたいと思いますが、なお今申しました
予算
のほかに、
建設省所管
の
公共事業
の
関係
で、
試験研究所関係
の
営繕
の
予算
といたしまして、二千七百二十五万六千円ばかり計上いたしております。これは
農業技術研究所関係
、あるいは
地域
の
農業試験場
の
営繕
の
関係
の
費用
であります。 まず最初に
普及
な
事業
について申し上げたいと思います。
普及事業
の
関係
の
費用
は二十六
年度
といたしまて、八億四千五百四十二万一千円を計上いたしております。その大
部分
は
府県
に対する
補助金
でございます。特にまたその中で重要な位置を占めるのは、
普及員
の
設置
に対する
補助金
であります。
普及員
は本
年度
におきましては、
全国
八千六百七十人でありましたのを、来
年度
二千百二十三人
増加
いたすことにいたしております。そこで二十六
年度
は一万七百九十三人になる
予定
でありまして、ほぼこの
予算
の
考え方
の基準は
全国
の市町村に一名ずつ
程度
置けるという
標準
で
予算
の
要求
ができていわけであります。 なお少しこまかくなりますけれ
ども
、
専門技術員
の数の
増加
も加わ
つて
いるのでありまして、二十五
年度
は三 百人でありましたのを二十六
年度
におきましては三百九十人
増加
いたしまして六百九十人、大体一
府県
十五人
程度
置けるというのを
標準
といたしているのであります。
普及事業
につきましては、なお次に
改良普及員
の養成の
関係
の
費用
がございます。これは御
承知
のように各
府県
の
試験場
に
普及員
を特に養成するために
農業講習所
というのを置いてありますがそういうものに関する
費用
が大
部分
を占めているのでありまして、これが二十六
年度
におきましては三千五、百七十二万四千円にな
つて
おります。これも昨
年度
と比べますと一千百四十万九千円の
増額
にな
つて
いるのであります。 それから次は同じ
普及関係
でございますが、三番目に
農村
の若い
子弟
、特に
農家
の
子弟
が
農家
に入りまして十分新しい
経営
をや
つて
行ける、またそれと同時に
農村
の
青少年
の活動の中心になるような若い
農村
の青年を養成したいという
目的
でも
つて
、
農業
に関する
実務講習
の
施設
をや
つて
いるのでありますが、これに対する
費用
が二千四百七十四万三千円にな
つて
おります。これも昨
年度
に比べましてわずかでありますが、
増額
にな
つて
いるのであります。 今まで申しましたのは、主として
農業改良関係
の
仕事
でございますが、われわれの方におきましては、
生活改善
のための
普及事業
についても
相当
の力を入れました
関係
上、これを
別立て
にいたしまして、二十六
年度
の
予算
の
要求
といたしましては五千三百二十万八千円を計上いたしております。昨
年度
に比べまして一千二百八十五万七千円の
増額
にな
つて
いるのであります。これは主として
生活改善普及負
の
人員
の
増加
を企図しているのでありまして、本
年度
は五百八十人ばかりでありましたが、来年は百十人ばかり
増加
して六百九十人になる
予定
でいるのであります。 第二番目といたしまして、
試験研究関係
のことであります。まず
本省
における
農業研究
の
関係
でございますが、これが二億百六十八万九千円を計上いたしております。前
年度
は一億八千二百万円でありました。その
内訳
としてまず
技術研究
と
経済
の
研究
、
経営
の
関係
というふうに三つにわけて申し上げた方がいいのではないかと思いますが、この二億百六十八万九千円のうち、その大
部分
を占めます一億八千八百五十一万九千円は
農業技術
の
研究
のための
経費
であります。次は
農業経済
の
研究
の方でございますが、これは一千三十六万三千円で多少減額にな
つて
いるのでありますが、ほぼ前年
通り
であります。三番目は
農業経営関係
、
農業機械
でありますとか、あるいは小水力の発電でありますとか、そういうことに関しまする
経費
が二百八十万九千円にな
つて
おります。前
年度
に比べましてこれも若干の
増額
にな
つて
おります。 今申し上げましたのが
本省関係
の
試験研究
に関する
経費
でありまして、次は同じく
試験研究
の
関係
でございますが、
研究所
あるいは
試験場
の
関係
であります。まず
農業技術研究所
といたしまして二十六
年度
におきましては二億八百九十二万八千円を計上いたしております。前
年度
に比べまして五千五面三十二万五千四百七十七円の
増額
にな
つて
おります。また
全国
に七つの
地域
の
農業試験場
がございますが、この総
予算
が五億七十五万八千円にな
つて
おります。前
年度
に比べまして約一億円近くの
増額
にな
つて
おるのであります。以上
技術研究
の方が主でございますが、
経済関係
の
研究機関
といたしまして
農業総合研究所
がございますが、この二十六
年度
の
予算
は三千二百三十八万七千円にな
つて
おりまして、これも約一千万円近くの
増額
にな
つて
おるのであります。
試験研究機関
につきましては、本
年度
と比べまして、本
年度
の
要求予算
は
相当
増額
にな
つて
おるのであります。これは本年までは、
人件費
と
事業費
にわけまして、大体大まかに言われておりますことは
半々
であつたわけでありますが、それを私
ども
といたしましては、
人件費
三に対して
事業費
を七くらいに持
つて
行きたいということで、
いろいろ案
もいたしたのでありますが、その結果、
人件費
四に対して
事業費
六近い
程度
になりまして、だんだんと私
ども
の
希望
に沿うようにな
つて
行くのではないかと考えております。 なお私
ども
どういう
予算
の
要求
の仕方をしたかということについての問題でありますが、今申し上げた
試験研究機関
の
事業費
を
増額
するということにつきましては、
人件費
四に対して
事業費
六に近いそれ
相当
のことができるのじやないかというように考えてお
つたの
ですが、一方
給與ベース
の
引上げ
ということもございましたので、四対六ということには少し離れておる実情であります。 なお
普及員
の
待遇
すなわち
普及員
の
補助單価
の問題でありますが、五万一千五百円にな
つて
おるのであります。一部
補助
という
建前
の結果、一部
補助
については
ベース
の
引上げ
をしないという
財政当局
の
方針
で、やむを得ず来
年度
も本
年度
と同じ
單価
にな
つて
おるのでありますが、これは私
ども
の
要求
といたしましても、昨年の十月ごろ調査した現員現給によりましても、もうすでにそのとき五万一千五百円では足りませんので、もつと
増額
したいというので、いろいろ努力はしたのでありますが、遺憾ながら実現を見ておらないのでありまして、今後何らかの
機会
に、
待遇
の
改善
、
給與ベース
の
引上げ
をしたいと考えておるのであります。 前
年度
予算
との対比において御
説明
申し上げたのでありますが、先ほど
小笠原委員
のお話しの点につきまして、なお
準備
が不十分でありましたので、その点につきましては、なお別の
機会
にでもできれば御
説明
申し上げたいと思います。 なお私
ども
の二十六
年度
の問題といたしまして、
予算
のほかに
予算
と
関連
したようなことでも
つて
御
説明
すべきことということになりますと、私
ども
の
改良局自体
といたましては、
改良事業関係
の
法律
というものは、今のところ別段
予定
はいたしておりません。ただ
関係
がございますのは
農業委員会法
でございます。御
承知
のように、
農林省
といたしましては、
農業委員会法
というのを提案を
準備
をいたしておるのでありますが、これは
農地委員会
、
農業調整委員会
、
農業改良委員会
という三者を統合することにな
つて
おりますので、直接の
関係
があるわけであります。ただ
改良委員会
につきしましては、これは今法制上の
基礎
がないわけです。国の
法律
としての
基礎
がないのでありまして、その点
農地委員会
あるいは
農業調整委員会
と趣を異にいたしておりますけれ
ども
、このたびもし
農業委員会
というようなものができますれば、
農業委員会
が国の
法律
の
基礎
をも
つて
改良指導
をすることに相なるのであります。
農業委員会
としましては、また他の
主管局
から御
説明
もありましようし、また後日御討議をいただくことになるかと思いますので、私からあまり詳しくお話するのもいかがかと思いますので、この
程度
で、
農業委員会
の問題はただ
基礎
に
関係
があるということだけを指摘して御参考に供したいと思います。
簡單
でありますけれ
ども
、私の御
説明
はこれで終ります。
千賀康治
5
○
千賀委員長
質疑を許します。なるべく簡潔にお願いをいたします。
河野謙三
6
○
河野
(謙)
委員
今の御
説明
の中で
生活改善
の問題がありましたが、後ほどまた詳しくお尋ねますけれ
ども
、特にその中で、具体的にどういうものを
生活改善
の中に持
つて
おられるか、おもなるものをお知らせいただきたいと思います。
小倉武一
7
○
小倉政府委員
生活改善
の
普及
に関する
経費
といたしまして、来
年度
に
要求
いたしておりますものは、
総額
五千二百二十万八千円であることは先ほど申し述べたのであります。その
内容
でありますがそのうち
補助金
が五千三十へ万五千円であります、その差引したものが
本省
の
人件費
、
事業費
にな
つて
おるのでありますが、この
補助金
が大
部分
でございますので、まず
補助金
について申し上げますと、そのまた大宗を占めるのが
生活改善普及員
の
設置
の
補助金
でございまして、これが六百九十人分、四千八百四十一万五千円に相な
つて
おります。これは
給與
だけではございませんで、その中には
職員
の
指導費
というようなものが一千十二万円計上してあります。それから
講習会
の
設置費
のほかに、
生活改善
のための
講習会
の開催の
補助金
でございますが、これは六十三万二千円、それから
生活改善
のためのいろいろの器材、たとえば
指導
する場合の寒暖計といつたようなものでありますが、そういうものがいりますので、それにつきまして百二十三万八千円の
費用
を計上いたしておるのであります。
本省
の方につきましては、これは
職員
の
基本給
その他の
関係
がありますことはもちろんでありますが、
人員
は十三人であります。それに関する必要な
経費
が計上してあるのでございます。
事業費
は百十八万円であります。
河野謙三
8
○
河野
(謙)
委員
私伺
つて
おるのは、たとえば
生活改善
の中で、
農村
の
婦人
の
生活
の問題をどうするかというようなことであります。そういうことについてどこに
重点
を置いておられるか、時間の
関係
で私からその点、
意見
と申しますか、
希望
を申し上げて御答弁をいただきたいと思います。御
承知
のように
農村
の
生活
については
小倉
さんよく御
承知
だと思いますが、とりわけひどいの
農村
の
婦人
の問題です。
都会
の男と
農村
の男との
開き
はありますけれ
ども
、大したことはない。
都会
の
婦人
と
農村
の
婦人
との
開き
は非常に大きい。そこに
農村
の
婦人
の、大きく言えば解放というような問題にな
つて
来るわけです。
生活改善といつて
も、
経済
的の
裏づけ
のない
役所
の
指導
だけで
生活改善
はできない。おのずから
農村
に
経済
的な
裏づけ
をしなければならぬ。そこで
生活改善
にいうこと即
経営改善
であります。
経営改善
ということはどこから行くかということになると、私
ども
の考えでは、結局特に
婦人
の問題を考えた場合に、年間を通じての
農村
の
労働力
を
平均化
することによ
つて
、男によ
つて
大
部分
が処理できる、女が田や畑に出なくてもよい、極端に言えばそういう結果になる。そこでそういう
労働力
の
平均化
ということになると、結局
有畜農業
なり
畜産
に
重点
を置いた
農業
に漸次切りかえるということだと思う。そういう面から出発した
生活改善
でないと、ただ
経済
的の
裏づけ
のない
役所
の
指導
だけで、講釈ばかりでは
生活改善
の実が結ばないと思うのであります。今年はそういうことはないと思いますけれ
ども
、従来の
役所
の
指導
というものは、常に
指導
が
指導
に終
つて
しま
つて
、そり
経済
的な
裏づけ
が少しもないというところに、
効果
があがらぬ点があると思います。私は本
年度
においては、
生活改善
の中で、特に
農村
の
婦人
の問題を大きく取上げて
指導
、
改善
をしていただきたい、こういう
希望
なので、実は私はその
生活改善
の
内容
の中で、
農村
の
婦人
の問題について、特にどういう点を取上げておるかということに期待を持
つたの
ですが、時間がありませんからまた後刻詳しく御
説明
を伺い、また
意見
も申し上げたいと思いますが、そういうことだ
つたの
です。
小笠原八十美
9
○
小笠原委員
一体
農業改良局
という所は何をやる所だか、それから伺いたいのです。それが第一わからない。それから今の
予算
の
説明
の中で——今
河野委員
から
生活改善
なんか言われましたが、
生産改善
の一番の
重点
は
衣食住
でありましよう。
着物
にした
つて九州
から北海道の間に
政府
の配給するものは、寒い方は寒いなり、暖かい方は暖かいなりの配給ができておりますか。今までの
衣料切符
だ
つて
みな一律です。そのために幾多の不平があ
つたの
です。今は
衣料切符
の
関係
はないにしたところで、やはりあの弊がある、そういうところを
改善
できておりますか。
食糧関係
だ
つて
どうですか、今
河野委員
が
畜産関係
を言われましたけれ
ども
、豚なんかは二束三文に売
つて
しま
つて
、
カロリー
のない
塩ざけを買つて年越し
をするというような状態です。あれは何かといえば、
簡易屠場
がないために屠殺することができない、
都会
まで持
つて
行
つて
屠殺してまた持
つて
来るのでは運賃だ
つて
高いものになる。豚でも
農村方面
に
簡易屠場
があると、
簡單
にそれを塩づけにして、十分に
カロリー
がとれるようなことにな
つて
おる。
農村
の
事情
をあなた方は知らない、あなた方には
生活改善
をやるだけの資格がない。もう少しつつ込んで、
農村
の
事情
をよく把握してからでないとあなた方にはできぬのだ。あなた方がただ学校を出たばかりで、外国の古帳面なんか広げて、それをまねて縦横十文字にそんなことを
研究
した、そんなことを
言つて
それでやるからあやまちを出すのだ。
住家
だ
つて
そうです、トラホームになるようなまつ暗なところに寝ころんでおる、あれを
改善
する
方法
はたくさんあるのだが、
衣食住
ともできない。
予算
を四千万円
生活改善
にとつたという、何に使うかわからぬけれ
ども
、絶対これはだめなんです。
従つて
あなたの方の
農業
の
改善
とか
改良
とかいう所は、一体何をする所だか、私たちにちよつと見当がつかない。そのためにあなた方の方の預けられた
部門
、その範囲というものは何々であるか、何々を
重点
としておるか。そうしてあなた方は
予算
をどれだけ
大蔵省
に
要求
されて、
大蔵省
にどれだけ拒絶されたか、削られたか、私の伺いたいというのはその点なんです。これは実際や
つて
みて
効果
のない。ただむだに金を捨てるなら国家のためにやらぬ方がよい。わずかの金でもやれること、ほんとうに
農家
の幸福になるような
改善
をするために使うように、あなた方に御奮闘を願わなければならぬのだから、そこで私は
内容
を承りたい。それを御
説明
願いたいと思う。
小倉武一
10
○
小倉政府委員
農業改良事業
が何をするか、あるいはその
目的
というようなことにつきましては、もう御
承知
のことと存じておるのでありますが、これはしかし、
考え方
によりましては非常にむずかしい問題で、そういう御
質問
の出るのも、また非常に深いところからではないかと存じております。もちろん究極の
目的
は、この
農業改良事業
によりまして、
農業出産力
の増大と、
農家
の
生活
の
安定向上
を期するということに盡きるのでありますが、ただその
方法
が、金融でありますとか、あるいは
補助
でありますとか、あるいは
統制算理
というようなことでなくて、
生活
であろうと、
経営
の問題であろうと、
農家
に科学的な知識を供給いたしまして、それによ
つて農家
が自主的に
改善
をはか
つて
行くことをねら
つて
おるのであります。
部門
はそういうわけでありますので、なお
全般
に及ぶべきなのでありますけれ
ども
、現在のところ、
蚕糸業
、
養蚕関係
は除いてございまして、その他の狭い意味の
農業
すなわち
耕種
というもののほか、
有畜農業
というものも一応
改良作業
の
普及事業
の面、あるいは
研究事業
の面には取入れてや
つて
おるのであります。また
生活改善
の問題にいたしますと、先ほ
ども
御指摘がありましたように、
経営
という問題を離れては考えられないということもごもつともであります。私
ども
もさよう
なつ
もりでおるのであります。特に
婦人労働
の問題、あるいは
農家
の
衣食住
の問題、これらにつきまして、私
ども生活改善
ということをや
つて
おるのであります。たとえば住居の問題にいたしますと、各
方面
から非常に要望もあり、また実際に若干の所で実施しておるのに
台所
の
改善
があります。
台所
の
改善
と申しましても、これは燃料の問題、それからできます灰の問題な
ども
ありましてなかなかむずかしいのでありますが、そういう
事情
が許す所では、新しい合理的なかまどの
設置
をしておる村も、ある
程度
できつつあるように見受けられるのであります。
台所
に限りませず、またたとえば料理の
方法
でありますとか、あるいはたんすの中に入
つて
おるいろいろな
着物
を利用することとか、こういう
方面
で別にそうたくさんの金をかけずに、合理的ないい
生活
ができるような
指導
もだんだんいたしておるのであります。さようなわけでありますので、私
ども
の
仕事
としては、非常に間口が広いのでありますけれ
ども
、しかし私
ども
の
目的
を達成する
手段
は、これは
試験研究とい
ものを直接の
関連
を持ちまして、それによ
つて
出来る新しい
技術
、あるいはすでに確認されておる
技術
、
手段
を
農家
に伝えて、そうして
農家
が自主的にそれを取入れてや
つて
行くというふうに考えておるのであります。もちろんそのためにはいろいろの
組織
もいりましよう。また
施設
もいるのでありますが、
組織
につきましては、たとえば各地方でできつつありますところの
農事研究会
、あるいは
青少年
のクラブというようなものと
普及員
が密接に連繋をつけまして、そのよき相談役になるとか、また
生活改善
につきましては、村々の
婦人会
というような団体と
関連
を持ちまして、相談に乗
つて
行くというような
方法
でや
つて
おるのであります。かような次第でありますから、非常に手間のかかる気の長い
仕事
なのでありまして、すぐにどうこうという結果を期待することは非常にむずかしいと思いますが、長い目で見ていただければ、そこにやはり
経営
の
改善
なり、あるいは
生活
の
改善
なりが出て来ることと、私
ども確信
をいたしておるのであります。なおしかし、そのためにどういう結果が生じたか、
効果
が生じたかというようなことにつきましては、
発足
以来ごくわずかな年月しか経過しておりませんのでやむを得なか
つたの
でありましようが、今後は
普及事業
の
効果
を強化するというようなことにも努めまして、何をしておるというような御
質問
に対しましても、よくお答えできるような
準備
もひとついたしたいというふうに考えております。御
質問
の
趣旨
とは
違つた
かもしれませんが、以上御答弁申し上げます。
小笠原八十美
11
○
小笠原委員
発足
以来日が浅いので、
方針等
もまだしつかり実行に移しておらなくて、顕著な
効果
が現われないことは御無理ないことです。ただ今後の
方針
としても重要な問題だから承りたいのでありますが、
農業経営
の
改善
ということも
重点
的に含まれているようですが、
農家
には、まだ二千年前の農具そのままの姿のところがたくさんありますよ。神武天皇のころそのままのところがたくさんある。
農業
改善
だなんて
言つて
も、よほど力を入れて
大蔵省
と折衝せんければ、そんな雀の涙みたいな
予算
では、ほら一つ吹けばなくな
つて
しまう。とてもだめだ。
農業経営
の
改善
ならば、ほんとうにしつかり力を入れて計画を立てて、強く押して行くということでなくては今後の
方針
もむだになりますから、よほど注意しておやりにならないとだめだ。
衣食住
といい、
農業経営
といい、まだ日本では
改善
する
仕事
がたくさんあるが、あなたの局はそれをするのにいい局だ。あなたのところの
仕事
は非常に重大だ。
予算
関係
でも、こまかいことを言うと、一家の
経営
だ
つて
、薪炭
関係
だ
つて
むだは多い。
食糧関係
だ
つて
、
カロリー
問題からい
つて
も
相当
むだが多い。いろいろな点から
改善
すべき点がある。微細な点にわた
つて
調べればよほどおもしろい問題だと思います。だからあなた方はそういうことをこまかに
研究
して、縦にも横にも連絡をとることが——
畜産
局でも、あるいは農政局でも、いろいろな
方面
と連絡をとることがなくさんおありだろうと思うのだ。こういう
農業関係
の連中ともよく御相談なさ
つて
、ほんとうにいい、実行のできる計画を立てて、それに
予算
を織り込んで、それから
大蔵省
と折衝するべきだ。
大蔵省
と折衝するにも役人ばかりではだめだ。やはり
農業関係
の国会議員もみな入れて、一緒に押して行き、そして実行に移すぐらいのことをやらぬというと、あなたの計画は小さなものにな
つて
しま
つて
、実行ができない計画になるというふうにぼくには思われるのだ。だから今後の計画を立てるには、よほど愼重を期して、実際に実行に移れるだけの御計画のもとに進まれることを私は望みます。今はまだ日が浅いから、あなたの方のやつたことに対して、いろいろと云々しても始まらないからやめますが、今後はその点十分に御計画をなさ
つて
、進まれることを
希望
いたします。
足鹿覺
12
○
足鹿
委員
農業
委員
法の問題は他日またお尋ねする
機会
があろうと思うのですが、ただ私は
局長
所管の
関係
で一、二お尋ねをしたいと思うのです。最初にお尋ねしたいのは、米価の問題に重大な
関連
を持
つて
いる点についてであります。すなわち、従来はパリティーによ
つて
決定されておつた。しかし二十五年産米からパリティーの出た指数プラス、アルファという形式が新しくとられて来ております。そのこと自体すでにパリティーの方式が大きな矛盾を現わして、これをアルファという形でカバーしているというかつこうが出て来ているのであります。
従つて
ここに一つの新しい年産費計算方式ということが問題とな
つて
おり、前第九国会におきましても、この米価の算定方式については新しい角度から考えたいということは、
関係
大臣もしばしば申しておられることなのであります。生産費計算方式で行くということにな
つて
参りますと、結局問題は正確な生産費調査を必要とするわけです。
従つて
農林統計との
関係
がここに全面的に出来ると思うのです。ところが今年の農林統計
予算
概観して見ただけでありまして、御構想はどういうところあるかわかりませんが、御
承知
のように人数も
相当
減してある。米の生産費調査との
関連
において、どうしてもやらなければならない問題が確かにあるのでありますが、これらの農林統計に直接
関連
を持
つて
実務を担当しておられる局においては、どの米価問題とにらみ合せて、いかような措置が
予算
の上に盛られておりますか、この点をまずお尋ねいたしたい。
小倉武一
13
○
小倉政府委員
統計
関係
の
予算
につきましては、統計調査部長から御
説明
を申し上げた方がよいのではないかと思いまして省略いたしたのでありますが、ただいまの御
質問
の点についてお答えをいたしますと、御指摘の
通り
、全体の
予算
としては来
年度
減額にな
つて
おるのでありますが、今特にお話の米価の問題等に
関連
いたします
経済
調査については、少しながら
増額
をいたしておるのでありまして、御指摘のように、米価の問題あるいは
農家
経済
の調査については、作物調査とは別に、特に
重点
的に
予算
も組み、また実際の運用もさようにいたしたいというつもりでおるのであります。
千賀康治
14
○
千賀委員長
ちよつと御
希望
いたしますが、
関係
法案が出たときに詳細にや
つて
いただけばよいので、ここでは簡潔にお願いいたします。
足鹿覺
15
○
足鹿
委員
そこで若干でも
増加
している。詳細はまた別の
機会
に話すということでありますから、そのときに伺
つて
もよいのでありますが、大体の統計調査の構想についてはどういうふうにお考えにな
つて
いるのか。今度事前割当が——これは
法律
が通らなければどういうふうになるかわからないが、かわりまして、事後割当にしようという
政府
の大体の構想のようである。事後割当の構想ということになりますのか。結局
農林省
の九月一日の収穫予想調査が事後割当の根幹をなして来ることは、私
ども
従来の経験から明らかであろうと思うのです。その収穫予想調査の
方法
にしてみても、従来そのものに矛盾があつたから、農民の間の問題が起きて、事前割当という
制度
が起きて来た。ところがこの事前割当の
制度
が、またいろいろ運営上に大きな問題があ
つて
、結局はいろいろな点で摩擦が起き、あまりかんばしくない結果に
なつ
た。いろいろな情勢から、
政府
はまたほかの理由もあろうかと思いますが、事後割当にあともどりされて行こうとしている。そうすると、ここに事後割当の根拠になる一つの農林統計資料というものがもつと整備されて行かない限り、正しい事後割当の姿というものは出て来ないと思う。これは
局長
にお尋ねするのはあるいは無理かもしれませんが、そういう大きな食糧政策の方向をかえて行こうという、その背景をなすところの資料の整備の問題についても、ただおざなりの
予算
が組まれてお
つて
、従来の矛盾きわまるものをそのまま踏襲して行くということでは、私は何ら食糧政策の前進には役立たないと思う。
従つて
また農民の供出への協力を求めることも困難ではなかろうかと思うのであります。これが範囲の大きいことについては、また別に大臣なりその他の適当な方にお尋ねいたしますが、これらの点について、こういう実務を担当しておいでになる局として、もし事後割出に
なつ
た場合、現在の收穫予想調査をも
つて
満足しておいでにな
つて
いるのか、またどういう根拠に基いて、それを完全な姿に持
つて
行こうという御努力をなさ
つたの
か、また
予算
的にはどういうふうに表現されているのか、この点をお尋ねいたしたいと思います。まだお尋ねしたいことはありますが、
委員長
の御注意もありますので、また別な
機会
にお尋ねを申し上げたいと思います。
小倉武一
16
○
小倉政府委員
農作物の調査についての
予算
でございますが、これは御指摘のように、残念ながら来
年度
相当
減額にな
つて
いるのであります。そこで特に減額にな
つて
お
つて
困りますのは、推定実收高の調査についての減額でございますので、この点につきましては、調査のやり方も若干かえて、御期待に沿うような調査をするように、事務的には努めざるを得ないと考えているのであります。大体の
考え方
を申しますれば、統計的な推計をいたしますのは、五箇町村を單位にいたしまして、それを
基礎
にして町村別の資料を提供して行くことが一つであります。それから御指摘のように、事後割当になりました結果、特に予想收穫高が割当の
基礎
にもなりますので、これを早く、また的確に行うように努めたいと考えております。もつともこの收穫期と申しますか、予想收穫をいたします時期が、
全国
一律にいたしてみますと、的確なことができませんので、なるべくならば北、南と二つにわけてやるということも、食糧庁と打合せてやつた方がいいのではないか、そうした方が予想收穫高が的確に早くできるのではないかと考えております。また予想收穫高なり実收高の
制度
を高めるために、被害調査ということをごく最近始めたばかりでありますが、正確な被害調査ということにつきましても、これは供用ばかりでございませんで、ほかの
関係
もございますので、その調査も少しはつきりやりたいと考えております。お話の
通り
人員
が約一千五百名
程度
制減になりますので、これまで
労働力
が過重だと言われておつたこともありますので、十分なことはできないかもしれませんが、われわれとしては、さらに調査
手段
の
方法
、やり方についての合理化に努めまして、労力の軽減をはかるとともに、正確な実態に沿うような調査資料を提供するように努めたいと存じます。
原田雪松
17
○原田
委員
議事進行について申し上げます。 いろいろ今
農業改良局
長の
説明
を聞いたのでありますが、お出しにな
つて
おりますデータが、一号は
予算
の概要で、総括的には次官から
説明
を聞いておりますので、大体のことはわかります。しかし今のような御
説明
の場合には、お持ちになているデータとわれわれが持
つて
いるデータと違いますので、あつちを繰り、こつちを繰りして見なければわからないので、聞く方で聞き流しのような点があります。このことは蚕糸局、
畜産
局あるいはその他の農地局などいろいろなものが、あると思いますが、ぜひお示しを願わなければ、
委員
の方ではあつちを繰り、こつちを繰りしなければわからない。これは非常に迷惑千万で、何も頭入りません。なお今の
改良
局の問題つきましても、
内容
的にいろいろお尋ねしたいことがあるが、これはまた
部門
をわけてその際お尋ねしたいと思うのであります。今申し上げました、御
説明
をいただきます場合には、蚕糸局でも同じでありますが、そういうふうにしてお示し願いたい。こうしなければちよつとも繰り出すのに非常に時間がかかります。 なおこの際進呈書したいことは、大体
農業改良局
のお託は済んだようであります。装蹄師法の一部を改正する
法律案
は
簡單
な法案でありますので、この際
委員会
にお諮り願いまして、これは三月に間に合うように、その間の操作もあると思いますので、参議院を通過してこちらに付託に
なつ
たということでございまするならば、常任
委員
としましても、一応かつこうをつける意味からも、一件ぐらいお落しに一なることが面子の上からもいいだろうと思いますので、各
委員
にお諮り願
つて
、これを議題といたされんことを
要求
いたします。
千賀康治
18
○
千賀委員長
原田さんにお答えをいたします。そのつもりでおります。装蹄師法の一部を改正する
法律案
をここで上程したいと思
つて
おりますが、出口君の
質問
が一つ残
つて
おりますので、これを済ましましてただちに、御提案の
通り
にとりはからいます。山口君。
山口武秀
19
○山口(武)
委員
小倉
さんにお尋ねしたいのですが、先ほど
小笠原委員
の
質問
に対しまして、
農業改良局
は、終局的には生産の増大と農民
生活
の向上ということを目標にしているのだ。
方法
からいえば、それは
一般
にわた
つて
やるのだが、受持ちとしては
生活
、
経営
、知識の
方面
から、この
目的
達成のために活動しておるのだというようなことを言われておりまして、これはもちろんわれわれも初めからそう受取
つて
おりましたが、しかしただいま
説明
された話によりますと、
農業改良局
に対する認識というものを、われわれは、この際改めなければならないのではないか、機構そのものも考えなければならないと思う、このように感じたわけであります。なぜかと申しますると、あなたの言われたのは、この
目的
のために将来長い目で見てくれ、成果を確しておる、こういうことを言われておりますが、あなたは何を言いますか。
台所
を
改善
する、たんすの中の物を利用する、要はそれだけです。これが一体
農業
改良
ですか。日本の
農業
が現在いかなる
経営
方式に置かれておるか、こういうことはすでに百も明らかなことである。それにもかかわらずそのような御
説明
しかできない。そういうことにな
つて
来ると、これは
農業
の
改良
ではなくて、農民がこれ以上の苦しい
生活
を耐乏するのに、どうやつたらごまかしがきくのか、それだけを
目的
にしておるのではないか。一体あなたは
農業
の置かれておる今のような環境のもとにおきまして、
農業
改良
をほんとうにやられると思
つて
おるのですか。一体
農業改良局
の目標、確信というものは、ほんとうにおありにな
つて
、長い目で見てくれておるのか。もしもそう言われておるのなら、私は
簡單
でいいですから、一体どういう目標と確信を持
つて
おられるか、そのことを御
説明
願いたい。
小倉武一
20
○
小倉政府委員
農業
改良
專業の終局的な
目的
ということにつきましては、これは先ほど申し上げましたように、
農業
生産の増大、農民
生活
の向上にあるということに盡きると思います。ただ私
ども
が担当しております
農業改良事業
でも
つて
それができるかと申しますると、私はそれだけではできないと思います。いろいろ
経済
的な、社会的な條件がございまして、そういうものにつきましてはあるいは政治的な、行政的な措置が必要でありますけれ
ども
、こういう與えられた條件のもとで、しかもただ農民に科学的な知識を導入するというような部面において、できるところを私
ども
が担当しておるということに盡きるのであります。ただ若干ずつでありますけれ
ども
、よりよく今日よりも明日、今年よりも来年というぐあいに、農民
生活
あるいは
農業経営
が
改善
されるということは、私
ども確信
しておるのであります。
山口武秀
21
○山口(武)
委員
ただいまの御
説明
によりますと、
農業改良局
の
目的
というものは、きわめて小さい、限定された消極的なものである。このように理解できる。(「そうじやない」と呼ぶ者あり)いや、そうです。そうじやないと言われる人もありますが、そうじやないと言われるならば、明瞭な目標をも
つて
進べきです。 なおお聞きしたいのは、あなたたちが大分金を使われまして試験、
研究
をされておるという話でありますが、その試験、
研究
をなさ
つて
、何らかの成果が出て来る。それを
農家
で実行に移すという場合に、一体これがすぐ実行に移せるか、そこに矛盾を感じておられやしないだろうか、その点をお聞きしたい。
小倉武一
22
○
小倉政府委員
試験研究
とその
普及
の
関連
の困難性の御指摘と思いますが、そういう点は確かに存在すると思います。ただ試験、
研究
と申しましてもいろいろ段階がございまして、奥の
農業研究
所のや
つて
おることと直接
農家
の
農業
というものと結びつけることが本来の
目的
でありませんし、ある
程度
離れることは当然だと思うのであります。しかしこれは
基礎
的な
研究
でございますので、そういうことになるのでありますが、そういう
基礎
的な
研究
に基きまして、さらに応用的な
研究
、試験、そうしてまた
農家
に実際受入れられるような形にするためには、
地域
試験場
がございまして、それによ
つて
農業経営
というものも十分考えて、その地帶に向く
農業技術
の確立に、
農林省
といたしましては努めておるのであります。さらに
府県
の
試験場
になりますと、これはむしろ
普及
技術
——
農家
に受入れられるような
技術
を中心にや
つて
おりますので、今後は
農家
の期待できるような
技術
が十分確立されて行くのではないかと思います。従来はそういう試験、
研究機関
の相互の
関係
、段階というものが明確でなか
つたの
で、御指摘のような欠陥もあつたかと思います。しかしながら今申し上げましたような
試験場
の
整理統合
によりまして、今のような構想で、
基礎
的な
研究
は中央の
農業研究
所でやる。
地域
的な試験、
研究
は
地域
的の
研究
、
試験場
でやる。さらに
普及
技術
——
農家
に受入られる
技術
の
研究
は
府県
の
試験場
でやる。これは大筋の
建前
でございますが、そういうことで従来の欠陥を是正できるのではないかと思います。ただ試験、
研究機関
というものは
予算
的にも限りがございますので、
農家
からいろいろ提供されて来る問題を全部まかなうことはできませんので、その中で特に農民
生活
、あるいは国民として重要な問題を取上げて、それを解決するということに努めたいと思
つて
おる次第であります。
山口武秀
23
○山口(武)
委員
今の御
説明
を聞いておりますと、ああでもない、こうでもないという答弁だけで、何のことやら一向要領をつかめない。それでやむを得ませんが——やむを得ないというのは、時間があれば、いくらでもやむを得るようにしますが、時間がないから、やむを得ないとして、今度の
予算
を見ますと、
農業
改良普及員
を大分増員する。私たちの観念をも
つて
しますると、今のように
目的
も明瞭でない——いつの間にかだんだんよくなるだろうというくらいの
目的
で、
農業
改良普及員
をふやす。それから現実の
農業経営
の実際というものをわれわれ見守
つて
おりまして、こんなもので何になるんだ、これはどこでもそういう行き方だと思う。あなたは、ことしはこの
人員
をふやして、新しいこういう
目的
をも
つて
こういう
改良
をや
つて
行くんだという確信をお持ちにな
つて
や
つて
おるのですか、それとも單に
人員
をふやせばこれは役には立たないが、失業救済の意味なら役に立つだろう、このような気持でや
つて
おるのか、その点をお聞きしたい。
小倉武一
24
○
小倉政府委員
御指摘のような
趣旨
で
人員
増加
をいたしておるのではございません。もちろん私
ども
は、
人員
の
増加
だけをも
つて
問題が解決できるとは思
つて
おりません。先ほどの
説明
には、長くなるから省略いたしたのでありますが、
改良
ということについては、質の向上ということがむしろ
人員
の
増加
より今後は重要になるということで、一応一万以上の
普及員
が整備されることになりますならば、質の向上ということに
重点
をおき、多少でありますが、来
年度
は
改良普及員
の再教育
費用
を計上しておりますし、また先ほどお話をいたしましたように、
改良普及員
養成のための
経費
もある
程度
増額
いたしておりますような次第でありまして、ただいまのところ、まだ十分御期待に沿うような活動ができる
改良普及員
がそろ
つて
おるというわけには参りませんが、漸次このようにいたしまして、
農家
の御期待に沿うようにいたしたいつもりであります。
—————————————
千賀康治
25
○
千賀委員長
これより装蹄師法の一部を改正する
法律案
を議題といたします。 本案は去る二日参議院を通過して、同日本
委員会
に付託に
なつ
たものでありますので、念のために申し添えておきます。これより前金に引続き質疑を行います。吉川君。
吉川久衛
26
○吉川
委員
前回の
委員会
において本案の提案理由の
説明
を伺
つたの
でありますが、その理由に三つございます。一つは学校
制度
の改革に伴い改正しなければならない、一つは
農業
生産力の増強、もう一つは運輸業の拡充に資せんとする、というような理由の御
説明
がございましたが、学校
制度
の改革は今に始まつたわけではございませんし、
農業
生産力の増強も、運輸業の拡充等も、これはただいま出て来た問題ではない。こういうことはすでに早くからきま
つて
いたことなんで、そういう必至は痛感されていたはずです。こういう改正は、この前の獣医師法の改正当時に少くともなされなければならないのに、これは
畜産
当局のきわめて怠慢であつたと思う。そういう消極的な
畜産
局のやり方が
畜産
局の
予算
が削減され、そして
畜産
局の
仕事
を遂行する上にいろいろの支障にな
つて
いるのであると私は思うのです。これを今出されることについて私は異議はないのであります。しかしこれを今に至
つて
出されるからには、十分検討をして前会のように、十分
研究
をして次の
機会
に完全なものにしたい、ああいう不十分な答弁をなされないように配慮をしなければならない。そういう点を御注意申し上げておく。 それから伺
つて
おきたいことは、獣医師法の改正でも問題にな
つて
おりましたし、現在でも残
つて
おります問題で、現行法の第一條第二項第五号の「外国二於テ削蹄及装蹄二関スル学理及
技術
ヲ修メタル者ニシテ命令ヲ以テ定ムルモノ」とあります。この外国でありますが、終戰後朝鮮、台湾等が一切外国に
なつ
たわけだと思うのですが、そういう所でこのような
技術
あるいは学理を修得した者があるのかないのか、あるとするならば、これに対してどういうような措置をとられるのか、これは獣医師法の場合にも非常に問題に
なつ
たことであり、なおかつ残
つて
おります問題でありますから、この問題を明らかにしていただきたいと思います。 それから第十條、第十一條の罰則でありますが、これは現在の
経済
状態に適合するように改めるということはまことに妥当であると思いますが、十條、十一條について、それぞれ罰則の金額をどのくらいに
予定
されているのか。この二点を伺います。
山根東明
27
○山根
政府
委員
第一点の、「外国ニ於テ削蹄及装蹄ニ関スル学理及
技術
ヲ修メタルモノ」という規定に該当いたします者は、現在のところはないようであります。ただ将来外国において、今お話の朝鮮等においてそうした
制度
がしかれたような場合に、そこで学理、
技術
を修めた者に対しましては、この規定で無試験の免許を與えることになるわけであります。それから罰則の十條、十一條を現在の
経済
情勢に即応して修正した点でありますが、これは私
ども
も法務府の專門的な見解に基いて案を立てたわけであります。それによりますと、大体従来の規定の五十倍にこれを
引上げ
るというのが、法務府の取扱いの最近の実例にな
つて
おるようでありまして、その見地からそれぞれ五十倍を乗じて、端数ができました場合、すなわち三百円の五十倍で一万五千円になるわけでありますが、その五千円を削
つて
一万円というようにまるくしたのであります。十一條も同様であります。
原田雪松
28
○原田
委員
本案は前回の会議においていろいろ論議し盡されたものと存じます。ただ私がその際申し上げました削蹄と装蹄との差異の問題、これを万一地方の獣医師がやる場合支障があ
つて
はならない、こういうことでお伺いしておいたのでありますが、この点については、次官通牒等によ
つて
ぜひその線をはつきりしていただきたい。今吉川
委員
からのお話の
通り
、法そのものは完全ではない。しかし差迫つた問題もありますし、
簡單
なことだと思いますので、このままでも何ら支障を来さないということが、專門的に見まして考えられるのであります。願はくは討論省略によ
つて
御決定願えればまことにけつこうだと思います。
八百板正
29
○八百板
委員
この
法律
は吉川
委員
からもお話がありましたように、
説明
理由の中に、
農業
生産力の増強とか、運輸業の拡充というようなことをうた
つて
おりますが、少し大げさなきらいがあるように感じられるのであります。なるほど間接的には
農業
生産力の増強に資するところがあるかもしれませんが、もつと実際的な理由を明らかにしてこういう法案を提出せられたいと思うわけであります。現実に装蹄業務の不合理を直すためというふうなことでよろしいのを、ことぎようぎようしく
農業
生産力の増強というのは、少しもてあそび過ぎるように私は感じるのであります。なおまたこの法案は、いろいろ前会以来の審議の経過を伺
つて
おりますと、まだ
研究
中だということです。
研究
中でいろいろ不備な点があるということも提案者自身認められておるという状態でありますが、
研究
中で、いずれは本格的な整備をするということを申されておりますが、一体いつごろそういうことをやられる
準備
をされておるのか、この点をこの
機会
に明確にしていただきたいと思います。
山根東明
30
○山根
政府
委員
この法案について、実は私からなお根本的な点が残
つて
おるということを、前会申しました点に
関連
しての御
質問
と思うのでありますが、この前山口
委員
から御指摘のありました二條、三條の欠格條項等の問題につきましても、これと
関連
の深い法案であります獣医師法との
関連
において、さらに検討を要する点が残
つて
おるということを意味して、山口
委員
の御
質問
に対してそうお答えしたわけであります。それでこれにつきましてはできるだけ早い
機会
に結論を出すことに努力したいと思います。そういう意味で結論が出次第、さらに改正法案の御審議を願うことになると思うのでありますが、その時期については、次の国会であるとか、あるいはいつごろであるというようなことは、ただいまのところはつきり申し上げかねますけれ
ども
、できるだけ早くやりたいと思います。実は装蹄師につきましては、今日まで私
ども
の方で、装蹄師のいろいろな実態が十分つかめてない点が多多あ
つたの
でありまして、この
機会
にそういう
方面
の調査も十分整えまして、そうした実態の調査に基いて根本的な検討をし直せば、さらに先ほど申し上げました問題以外はいろいろ検討しなければならない問題も出て来るであろうと思うのであります。それらを合せまして、できるだけピツチを上げまして、これの勉強を進めて行きたい、かような気持でおります。
八百板正
31
○八百板
委員
もう少し答弁を簡潔にお願いしたいのであります。ただ早い
機会
というのはいつごろかというお尋ねでありますから、ごく
簡單
に、本国会中にできないか、来国会までにはどうするというような意味で具体的にお答えいただきたいと思います。 それでこの
機会
に、ついでにもう少し明確にしていただきたいと思うのでありますが、御
承知
のように最近いろいろな免許を與えるにあた
つて
、学校を出た者に対して特典を與えるというようなことがなくな
つて
おることは御
承知
の
通り
でありまして、そういう角度からあらゆるものが整備されておるわけでありますが、この際に特に装蹄師学校を出た者だけを無免許にしなければいけないという法制上の根拠、あるいは実際上の根拠というものはどこにあるのか、この点を明確にお答えいただきたいと思います。
山根東明
32
○山根
政府
委員
お話のように獣医その他は学校で勉強してさらに国家試験を必要とするというふうに最近改められたのでありますが、実は率直に申しまして、装蹄の業務と獣医の業務は、学理といいますか、そういう面においてなお幾分の差異がある。装蹄については主として実務でありますので、学校で三年間も装蹄の学理並びに実務を修めた者に対してさらに国家試験をやる必要が現在の段階ではないという観念のもとに立
つて
おるというふうに御了承願います。
八百板正
33
○八百板
委員
学校を出た者に対して国家試験の必要がそういう理由からないとすれば、実務に携わ
つて
何年かやつた者に対しても、そういう必要がないということが言えると思いますが、そういう点についてはどういう考慮を拂
つて
おられますか。
山根東明
34
○山根
政府
委員
学校におきましては実務を主としてや
つて
いると思うのでありますが、その間にある
程度
の学理も修得させているわけでありまして、装蹄師の助手として、実務ばかりではもちろんないと思うのでありますが、実務を修めた者に対しては、やはり一定の試験をする学校出と、若干の差別を設けることも意味があると考えております。
八百板正
35
○八百板
委員
看護婦にしても、あらゆる免許を要する
仕事
というものは、すべて学校を出たとか、あるいは特別の機関で教練を受たということに対して恩典を與えておらないのが、最近の一貫した
法律
上の傾向ですが、国家試験でなしに、装蹄師学校を出た者だけに特典を與えるということは、どうもうなずけるものがないのですが、こういう点についてなお一層
研究
して、筋の通つた体系をつく
つて
いただきたいと思う。ただ單に早い
機会
ではだめですから、大体いつごろまでに、装蹄師に対する全体的な整備と申しますか、そういう点についてはつきりとお答えいただきたいのです。
山根東明
36
○山根
政府
委員
実は先ほど申しましたように、装蹄師の実態をこの
機会
に調査したいと考えております。調査が完了いたしました上でその点を考究いたしたい。こういう
趣旨
から次の国会にとか、あるいはいつということは、はつきり申し上げられませんが、それで御了承を願いたいと思います。
千賀康治
37
○
千賀委員長
他に御質疑もないようでございます。なお原田
委員
から出ている動議の御
趣旨
に沿いまして、討論を省略して採決に入りたいと思いますが、御異議ございますか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
千賀康治
38
○
千賀委員長
御異議なしと認めます。 これより装蹄師法の一部を改正する
法律案
について採決いたします。本案に賛成の諸君の起立を求めます。 〔総員起立〕
千賀康治
39
○
千賀委員長
起立総員、よ
つて
本案は原案の
通り
可決することに決しました。 なおお諮りいたします。本案に対する
委員会
報告書の作成につきましては、
委員長
に御一任願いたいと思いますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
千賀康治
40
○
千賀委員長
御異議なしと認め、さようとりはからうことに決しました。 次に
予算
の
説明
を伺いたいと思います。ちよつと速記をやめてください。 〔速記中止〕
千賀康治
41
○
千賀委員長
速記を始めてください。 それではあらためてお諮りいたします。今日は資料の問題について、いろいろまだ整備の上に欠けるところもございまするので、次会にこの整備をしてもら
つて
説明
を開くことにいたしまして本日はこの
程度
で散会するに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
千賀康治
42
○
千賀委員長
御異議なしと認めます。 本日はこれにて散会いたします。 午後零時一分散会