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1951-02-02 第10回国会 衆議院 農林委員会 第3号
公式Web版
会議録情報
0
昭和
二十六年二月二日(金曜日) 午前十時五十五分
開議
出席委員
委員長
千賀
康治君
理事
野原 正勝君
理事
松浦
東介
君
理事
吉川 久衛君
理事
足鹿
覺君
宇野秀次郎
君
小笠原八十美
君 小淵
光平
君 越智 茂君 川西 清君 河野 謙三君 中馬 辰猪君
幡谷仙次郎
君 原田
雪松
君 八木 一郎君 大森 玉木君 坂口 主税君 八百板 正君 山口
武秀
君
横田甚太郎
君 中村
寅太
君
出席政府委員
農林政務次官
島村
軍次君
農林事務官
(
畜産局長
) 山根 東明君
委員外
の
出席者
專 門 員 難波 理平君 專 門 員 岩隈 博君 專 門 員 藤井 信君 一月二十九日
委員河口陽一
君
辞任
につき、その
補欠
として中
村寅太
君が
議長
の
指名
で
委員
に選任された。 同月三十一日
委員井上良二
君
辞任
につき、その
補欠
として八 百
板正
君が
議長
の
指名
で
委員
に選任された。 ――
―――――――――――
一月二十六日
裝蹄師法
の一部を
改正
する
法律案
(
内閣提出
第 二〇号)(予) 同月二十九日
農地調整法等
の一部を
改正
する
法律案
(
内閣提
出第二二号) の
審査
を本
委員会
に
付託
された。 同月二十六日
競馬法改正
に関する
陳情書
(第六三号)
主食配給事務費
の
国庫負担
に関する
陳情書外
一 件 (第八一号)
青果物共済制度確立
に関する
陳情書
(第八七号)
土地改良
に対する
国庫補助
の
陳情書
(第九二号)
農業委員会法制定
に関する
陳情書
(第九五号)
早場米獎励金制度継続
の
陳情書
(第一〇三号)
積雪寒冷單作地帶振興臨時措置法制定
に関する
陳情書
(第 一〇六号)
耕地整理組合
及び
普通水利組織変更事務費
に関 する
陳情書
(第一一五号)
積雪寒冷單作地帶振興臨時措置法制定
に関する
陳情書
( 第一三〇号)
積雪寒冷單作地帶振興策
に関する
陳情書
(第一四三号)
水稻秋落防止対策国庫助成
に関する
陳情書
(第一四七号) を本
委員会
に送付された。 ――
―――――――――――
本日の会議に付した事件
農地調整法等
の一部を
改正
する
法律案
(
内閣提
出第二二号)
獎蹄師法
の一部を
改正
する
法律案
(
内閣提出
第 二〇号)(予)
昭和
二十六年度
農林省関係予算
に関し
説明聽取
――
―――――――――――
千賀康治
1
○
千賀委員長
これより
農林委員会
を開会いたします。 去る一月二十六日
予備審査
のため
付託
になりました
内閣提出
、
獎蹄師法
の一部を
改正
する
法律案
及び去る一月二十九日
付託
になりました
内閣提出
、
農地調整法等
の一部を
改正
する
法律案
を順次議題とし、その
審議
に入ります。 まず
獎蹄師法
の一部を
改正
する
法律案
の
趣旨
について、
政府
の
説明
を求めます。
島村政務次官
。 —————————————
島村軍次
2
○
島村政府委員
ただいま御
審議
を願いまする
獎蹄師法
の一部を
改正
する
法律案
の
提案理由
を御
説明
申し上げます。
現行獎蹄師法
は、
昭和
十五年に制定せられて今日に至
つて
おるのでありますが、その後における諸情勢の変化によりまして、その一部の
規定
の
改正
を要するものができて参りましたので、今回その不備を補うとともに削蹄及び獎蹄の一層適正な
実施
を
確保
し、も
つて
農業生産力
の
増強
並びに
運輸業
の拡充に資せんとするものであります。 その
内容
につきまして
概要
を申し上げますと、第一が
獎蹄師
の
免許
を受ける
資格
についてでありまして、現在
獸医師
及び
獸医師
の
免許
を受ける
資格
のある者は、無
條件
で
獎蹄師
の
免許
を受けておるのでありますが、
学校教育制度
の
改革
に伴い、
新制
の
獣医大学
においては、特に獎蹄学の講義は見られず、
外科学
の一部として取扱われているので、
新制大学
の
卒業生
及び
新制大学卒業
の
獣医師
に対しましては、
装蹄師
の
無試験免許
を行わないことといたし、また
陸軍関係
の
特修技術者
に対する
無試験免許
の
制度
もとりやめることにいたしたのであります。また一方
装蹄師
の
養成
を目的とする
学校
の
卒業生
については、所定の課程を修めた者は当然無
試験
で
免許
を受ける
資格
があるのでありますが、
学校教育法
の
改正
に即応して、
実業学校
または
実業專門学校
のかわりに
装蹄高等学校
または
大学
を卒業することによ
つて
その
資格
を與えることにいたしたのであります。なお
装蹄関係
の
実業学校
または
実業專門学校
の
本業生
並びに
新制大学
の
卒業生
以外の
獣医師
またはその
免許資格者等
については、
昭和
二十八年末までは
装蹄師
の
免許
を受けられる
資格
が與えられますが、
昭和
二十九年以降からは、これらの者についての
無試験免許
の特典をなくしたいと思います。 第二は
装蹄師
の
業務
の状況を一層的確に把握するために、
装蹄師
は毎年十二月三十一日現在により所要の事項を
農林大臣
に届け出ることといたしたのであります。 第三に
行政庁
の裁量による
装蹄師
の
免許
の取消しまたは
業務
の
停止処分
が過誤または專断により
装蹄師
の権利を不当に侵害することを防ぐために、
行政庁
がこれらの
行政処分
をするには、公開による聽聞を必要とすることとしたのであります。 最後に罰則の金額を現在の
経済状態
に適合するよう改めたことであります。 以上が本法案の
概要
でありますが、どうぞ
愼重御審議
の上御可決をお願い申し上げる次第であります。以上
簡單
に御
説明
申し上げます。 —————————————
千賀康治
3
○
千賀委員長
次に
農地調整法等
の一部を
改正
する
法律案
について
趣旨
の
説明
を求めます。 —————————————
島村軍次
4
○
島村政府委員
農地調整法等
の一部を
改正
する
法律案
の
提案理由
を御
説明
申し上げます。 現在の
農地委員会
の
委員
の
任期
はおおむね
市町村農地委員会
では八月、都道府県の
農地委員会
では九月に満了することにな
つて
おりますが、来るべき
地方選挙
においては、
農地委員会
の
委員
で立候補する方々が出まして、欠員が相当できることが予想されるのであります。このような場合には、現在の
農地調整法
の
規定
によりますれば、
原則
として
補欠選挙
を行わねばならぬことになりますので、
任期満了
六箇月前は各
階層ごと定員
の二分の一に至るまでは再
選挙
も
補欠選挙
も行わないことにいたしたのであります。 その他
選挙人名簿
の据置に関する
規定
もございますが、以上その
理由
を申し上げた次第でありますので、御
審議
の上すみやかに御可決あらんことをお願い申し上げる次第であります。 以上
簡單
に御
説明
申し上げます。
千賀康治
5
○
千賀委員長
ただいまの両案に対する質疑は次会合より行うことにいたします。 —————————————
千賀康治
6
○
千賀委員長
引続きまして、これより先般
国会
に
提案
になりました
昭和
二十六年度
予算
の中で、
農林省関係
につきまして
政府
より
説明
を承ることにいたします。
島村軍次
7
○
島村政府委員
政府
が本
国会
に提出いたしました
農林省関係
の
一般会計
及び
特別会計
並びに
公共事業関係
の
昭和
二十六年度
予算
の
概要
につきまして御
説明
申し上げます。この詳細につきましては、
予算案関係書類
をごらん願うことといたしたいと思うのであります。その要点について
政府
の施策の存するところを
概要
御
説明
申し上げる次第でありますので、御了承をお願い申し上げます。 まず、
一般会計分
については、
歳出総計
において
昭和
二十六年度は二百六十七億九千六百万円でありまして、
昭和
二十五年度、前
国会
に
提案
いたしました
補正予算額
を加えて二百三十一億三千九百万円であるのに比較しますと、三十六億五千七百万円の
増加
とな
つて
おります。国の
歳出合計
が
昭和
二十五年度の六千六百四十五億七千六百万円に比し七十一億五千五百万円を減じ、六千五百七十四億二千百万円とな
つて
いることを考えあわせますと、来年度における
農林関係
の
予算
の
重要性
がおのずから明らかとなると考えるものであります。 その
内容
についての第一は、
政府
が最も
重点
を置きました
食糧増産
並びに
農業振興
に関する問題でありますが、まず第一に
主要食糧農作物
の
種苗対策
について稻、麦、雑穀、とうもろこし、ばれいしよの
原種圃施設
のほか、稻一万二千
町歩
、麦一万
町歩
の
採種圃設置
に必要な
補助
として二億九千九百万円、前年は一億一千六百万円であつたのでありますが、これを計上しております。 第二に、
單作地帯対策
でありますが、
單作地帯
の稻作の
安定化
と
増産
を
目途
といたしまして、
温床苗代施設
、
保温折衷苗代施設
、
紫雲英採種圃施設
、菜種の
共同育苗圃
についての
補助
五億七千七百万円を計上いたしております。次に、
主要食糧農作物
の
病害虫防除対策
でありますが、特に
米麦
の
病虫害
による損害を
防止
するため、
常習被害面積稻作三
十万
町歩
、麦作二十万
町歩
の
病害虫防除
のための
薬剤費
及び
全国播種米麦種子消毒費
を
補助
して、米百万石、麦五十五万石
程度
の
減收
を
防止
するための
補助金
として一億六千九百万円、前年度は一億九千五百万円で多少
減少
したような数字にな
つて
おりますが、二十五年度におけるジエーン、キジアの
災害
及び稲熱病の
異常発生
に伴い
異常補正予算
が成立したのでありまして、この
減少
はさような
事情
であることを御承知願いたいと思います。次に、
植物防疫法
の
施行
につきまして、外国からの
病害虫
の侵入並びに国内に発生する
特殊病虫害
の伝播を
防止
し、さらに
一般病虫害
の
異常発生
に対処することを
目途
として、ばれいしよ輪腐病の駆除、アメリカヒロヒトリの
防除
、
動力防除機具
の
購入等
に必要な
経費
の
補助
として一億五千百万円を計上致しております。次に、
北海道農業振興対策並び
に
北海道開発対策
でありますが、
北海道農業振興
のための気候、
土性等天恵
に乏しい
北海道
における
農業振興
を
目途
としました
心土耕
及び混層耕による
地方
の
回復培養
に必要な
トラツクター購入
の
補助
、並びに
北海道農業
と不可分の
てん菜糖業振興
を
目途
とした
てん菜病虫害防除等
を行うための
補助
として七千二百万円を計上いたしております。
北海道開発対策
としては、
酸性
の強い
低位生産地帶
に対し
炭酸石灰施用
による
土地改良
を行うための
炭酸石灰購入費補助
として三千五百万円を計上いたしております。次に、
農業
の
共済
再
保険対策
でありますが、
末端組合
の
事務能力
を整備するため、一
組合当り
一名の
人件費補助
を二名に
増加
することとし、九億四千三百万円を、さらに
突発災害
に即応しうるため、再保險
支拂
い基金を
農業共済
再
保険特別会計
に
設置
し、同
勘定
に二十五億五百万円を計上いたしております。さらに
農業共済
再
保險特別会計
への繰入れ、すなわち
水陸稻及び麦
に対する
共済掛金
のうちの、
消費者負担分
を
国庫負担
とするために必要な
経費
として四十一億六千二百万円を
食糧管理特別会計
に計上いたしております。次に、
農業委員会
に必要な
経費
としまして、
農民
の
自主的意志
に基いて
農業振興計画
、
農地関係
の
調整
並びに
農業技術
の
改良等
を総合的に
計画
実施
せしめるため、
地方公共団体
に
農業委員会
を
設置
することとし、そのために必要な
補助
十八億六千八百万円を計上しております。 第二に、
農業振興
と密接な
関係
を持ちます
農業改良費及事業
については、特に一
市町村当り
一名の
設置
を
目途
として
補助職員
の増員を配慮し、さらに
試験研究機関
の充実を
目途
として、
農業改良局関係
で
合計
十八億七千八百万円を計上いたしております。 第三に、
農業生産力
の向上及び
農家経済
の安定に密接な
関係
を持つ
畜産振興
の
関係
でありますが、まず
畜産振興
の根底をなす
家畜
の
改良増殖
を
目途
とした
種畜
の
購買
、
貸付
の
事業
、
種畜
の
輸入
に必要な
経費
のほか、
人工授精施設
に対する
補助等
に一億一千七百万円を計上しております。次に
有畜営農
の
奨励対策
でありますが、
有畜営農指導指定地設置
、
自給飼料
の
増産確保
、
牧野
の
荒廃
を
防止
するための
牧野法
の
施行
、
酪農振興
、
飼料
の
生産指導
並びに
品質保全
に必要な
経費
として二千四百万円を計上しております。次に、
家畜衛生対策
としまして、
各種家畜疾病
の予防及び撲滅、早流産の
防止
、
初生畜
の
損耗防止
、
人工授精
の
普及
をはかる
目途
のもとに、
家畜衛生技術
の刷新、
獣医師免許審議会
の
運営
、
獣医師国家試験
及び
装蹄師免許試験
の
実施
に必要な
経費
として三億八百万円を計上しております。次に、重要な
種畜
の
生産地
である
北海道
の
畜産
を振興するための
補助
として九百万円を計上しております。次に、
優良種帯
の
改良増殖
、
飼養管理
、
貸付
、
種付
を行うほか
優良純系
な
飼料作物種子
の確保をはかるために必要な
種畜牧場
の
経費
として二億四千六百万円を計上しております。 第四に、
蚕業振興対策
でありますが、
輸出振興
を
目途
として、養蚕を振興し
蚕糸
の
技術
を改良する等のために一億四千三百万円を計上いたしておりますが、これらの中で特に前年に比し
重点
が置かれていますのは、
蚕糸
の
技術改良
に必要な
経費
一億百であります。 第五に、
林業振興対策
でありますが、
森林資源
の培養、
国土
の
保全
を
目途
として
林業
の
改良普及
、
森林協同組合
の
設立指導
及び育成、ならびに
造林
の
促進等
でありまして、それぞれ前年度に比し増額されております。
林野関係
で、
昭和
二十六年十一億九千六百万円と、前年十五億四千万円に比し
予算額
が
減少
しましたのは、主として
薪炭需給調節特別会計
の
整理
に伴うものでありまして、実質的な
減少
ではないのであります。 第六に、
水産振興対策
でありますが、
水産増殖
のために四千九百万円、その他
漁業制度改革
の
実施
、
水産業協同組合
の
強化等
を
目途
とし、
水産関係
で九億二千九百万円を計上いたしております。 第七に、
農林省関係
を通じまして、前年に比し著しく減額されておりますものを申しますと、
臨時物資需給調整法関係
の統制のための費用、
自作農創設特別措置法
に基く
既墾地
の
調整
、
森林資源造成法
に基く農林中央金庫に対する
造林費立替金支拂い
の
減少
、
薪炭需給調節特別会計関係
の
経費等
であり、いずれも実質的な
経費
の削減ではないのであります。 以上をも
つて
一般会計
についての
説明
を終ることとし、次いで
農林省所管
の
特別会計
の
関係
について申し述べることといたします。 第一に、
食糧管理特別会計
についてでありますが、次のような
食糧統制
についての
構想
の下に
予算案
を準備いたしております。まず、
麦類
の
需給
の安定に伴い、
昭和
二十六年度産麦については
強制供出制
をとりやめ、
農民
の
売渡し
申込みに応ずる
一定価格
による
政府買入制
とすること。次に、十一月以降は、米のみについて成人一人一日
当り
おおむね一合五勺の
配給
を行うこと。次に、
生産者価格
は、
パリティ指数
一九五に
特別加算額
を加え、対
米価比
は小麦、裸麦六四%、大麦五四%とすること。次に、
昭和
二十六
年産米
についての
早場奨励金
を三十億円とすること。次に
消費者価格
は
昭和
二十六年一月以降、精米十キロ五百十五円、小麦粉十キロ四百二十五円、精麦は十キロ四百円、
輸入精米
は十キロ四百六十五円とすること。次に、
輸入米麦
は
全量政府
が買い入れて管理するものとし、
輸入補給金
は二百二十五億円とすること。次に年度末における
食糧証券
の
発行限度
を、前年度の千百八十億円から千二百四十億円に引上げること。次に
所謂インベントリファイナンス
は行わないこと。次に従来公団において取扱
つて
いた砂糖及び
原穀麻袋
の
業務
を
政府
で行うこととして、これに必要な
経費
を計上いたしております。右のような
方針
のもとに、
歳入歳出とも
五千五百六十三億四千五百万円を計上いたしております。 第二に、
国有林野事業特別会計
についてでありますが、まず、植伐均衡の
原則
にのつとり
正常伐採量
四、二八八、万六千石の
伐採
を行い、
他方造林事業
、
林道事業
の強化によ
つて造林
を進捗するとともに
奥地林開発
に
重点
をおくものとする。
造林
、
林道
、
種苗養成等
に対する投資は九十六億九百万円を予定し、そのうち前年度において
米国
対
日援助資金特別会計
から受入れた三十億円については二十六年度においては
預金部
から受入れることとする。右に基いて
歳入歳出とも
百四十四億三千百万円を計上いたしております。 第三に、
農業共済
再
保險特別会計
についてでありますが、まず、
補正予算
によ
つて
本
特別会計
の
赤字
を補填する方式が時期的ずれを生じて不合理であるので、これを是正するために二十五億円の
支拂基金
を設定いたしまして
支拂
の円滑を期しております。さらに、本
特別会計
の
赤字
の原因が一面麦の
共済掛金率
の低位に存することにかんがみまして、二十六年四月以降これを一、五〇八%から四、五五三%に引き上げることといたしました。右に基きまして
農業勘定
では
歳入歳出とも
八十億千百万円を計上いたしております。次に
家畜勘定
でありますが、牛馬の
市場価格
の値下りを見込むほか、
加入予定数
の
増加
及び
共済掛金率
の
増加
を考慮いたし、
歳入歳出
をそれぞれ十億三千百万円といたしております。
業務勘定
については別段取立てて申すべき点もありません。 第四に、
自作農創設特別措置特別会計
についてでありますが、
昭和
二十五年七月三十日までに完了していない
既墾地五
千
町歩
、
未墾地
六万八千四百四十二
町歩
の
政府
による
買收
を行い、
既墾地五
千
町歩
、
未墾地
二十一万九千三百
町歩
、
牧野
十四万四千九百六十五
町歩
の
売渡し
を行うことといたします。
自作農創設維持特別措置法
及び
農地調整法
の
適用
を受けるべき
土地
の
譲渡
に関する
政令
第二條の
規定
によ
つて
、
強制譲渡
の対象となるもののうち、国の
買收
が予定される三千
町歩
及び同
政令
第八條の
規定
によ
つて
、競売を申出た者が
政府
に買い取ることを申し出ると予想される一千
町歩
を
政府
において買い取ることといたしております。 創設された
自作農
が
自作
をやめる場合、「
自作農創設特別措置法
及び
農地調整法
の
適用
を受けるべき
土地
の
譲渡
に関する
政令
」の
施行
による
農地価格
の改訂の結果
自作
をやめる者が受ける不当な利益を同
政令
第三條に基いて国に納入せしめる
差金收入
を九千百万円予定しておりますほか、同様に
牧野
についても
差金收入
を三百万円予定しております。前述の
政令
によ
つて
二十六年度をも
つて
自作農創設特別措置法
による
農地等
の
政府買
入及び
売渡し
は打切られることとなりますので、
農地等
の
売渡し收
入
から買收対価
を控除した
歳入超過額等
は
一般会計
に繰入れることにいたしております。 なお、本
特別会計
の
予算
とは無
関係
ですが、
農地証券
の
繰上償還
の残で、
昭和
二十六年度に繰り越されるものは、約四億円であります。右の様な
構想
に基いて、
歳入
を二十億五千七百万円、
歳出
を二十億五千七百万円と計上いたしたわけであります。 第五に、
開拓者資金融通特別会計
についてでありますが、
開拓地
の
入植者
に対する
営農資金共同施設資金
及び
昭和
二十一年、二十二年度
入植者
でいまだ本
融資
を受けていないものに対する
家畜導入資金
として
貸付金
十四億二千三百万円を予定し、その
財源
を前年度
同様一般会計
から繰入れることといたしました。右のほか、
昭和
二十一年より二十三年に至る間に
貸付財源調達
のため、発行された国債の
利子支拂い
のために必要な
財源
一億五千万円も
一般会計
から繰入れることとしております。右のような
方針
で
歳入歳出とも
十六億六千六百万円計上しております。 第六に、
森林火災保險特別会計
についてありますが、
保險料收入
、未
経過保險料無事
もどし
金支拂い
の
財源
に充てるための前年度
繰越資金
の
受入れ等
の
歳入
と
人件費
及び
事務費等
の
歳出
を計上し、
歳入歳出とも
に七千九百万円といたしております。 第七に、漁船再
保險特別会計
は、再
保險料收入
、未
経過保險料等
の
歳入
と
事業運営
に必要な
人件費事務費等
の
歳出
を計上し、
歳入歳出とも
に三億一千万円といたしております。 第八に、
国営競馬特別会計
につきましては、競輪との競争、
一般購買力
の
低下等
を見越して
歳入
の
減少
を見込むことといたしまして、
投票券勘定
の
歳入歳出
四十九億円、
業務勘定
の
歳入歳出
十三億三千七百万円といたしております。 第九に、
農業
、
林業
、
水産業等
の
原始産業
の
生産基盤
を強化することを
目途
とし、長期かつ低利な金融の道を開くことといたしまして、
一般会計
、
米国
対日援助見返
資金特別会計
及び
大蔵省預金部資金特別会計
からの繰入金を
財源
として
農林漁業資金融通特別会計
を
設置
することといたしました。
昭和
二十六年度におきましては、とりあえず
一般会計
か二十億円、
米国
対日援助見返
資金特別会計
から四十億円を支出し、その
合計
六億円を
土地改良
、小
水力発電
、
造林
、
林道
、
漁港
、
北海道魚田開発等
に
重点
的に
融資
する
計画
でありますが、この
融資
が
補助金
及び
自己資金
と合体されて計三百六億円
程度
の
事業量
が完遂できることとなるのであります。 次に、
公共事業費
について申上げます。
公共事業費
の総額は
昭和
二十五年度の九百七十億に比し百十億
増加
された千八十億円とな
つて
おりますが、
昭和
二十五年度は
見返り資金
に百十億を見ており、
昭和
二十六年度はこれが困難な状態にあるので、これを考慮すれば
昭和
二十五年度と同額と言えるのであります。このうちの
農林省関係
のものについて申し上げたいと存じます。 まず、
災害復旧関係
を除いた
一般公共事業費
五百七十六億九千五百万円のうち
農業部門
においては、前年に比し三十六億九千三百万円増の百二十一億九千三百万円であります。
林業
においては、同じく十三億九千三百万円増の五十九億四千二百万円、
水産
においては、五億七千四百万円増の十三億二千四百万円それぞれ計上されております。 右によりまして
昭和
二十六年度中の
実施
を期しております
事業
のおもなるものの
概要
は次の通りであります。もちろん今後
地区別
に決定されて行きますので、各
事業
間に動きが生じますことは、あらかじめ御承知願うこととして、まず
農業
の百二十一億九千三百万円については、
開墾
に四十三億三千二百万円を投じ、新たに六千五百戸を入植せしめ、
既入植者
と合せて約三万六千
町歩
の
開墾
を行い、また
建設工事
では前年同様六
地区
の大
規模国営開墾
、
継続地区
である十八地百区の
国営開墾
、二千二百十七
地区
の
代行開墾
及び前年同様の二千
町歩
の小
団地補助工事
のほか、
新規事業
として二万八百
町歩
の
新規開墾地
の
酸性土壌改良
を行い、
農村人口
の
圧力緩和
、
適正規模農業
の確立を目標に
食糧増産
に寄與いたしたいと存じております。
干拓
に十七億七千四百万円を投じ、二十四
地区
の
国営干拓
と五十七
地区
に及ぶ
代行干拓
及び
補助干拓
を
計画
し、特に
残工事
のうち急速に効果の上るものに
重点
的にこれを
施行
せんとするものであります。
農業生産力
の
増強
を行うため、
灌漑排水
に四十九億四百万円を投じ、
総合灌漑排水
は
継続分
七
地区
、
新規
として五
地区
を
計画
し、
国営
直
轄灌漑排水
については五十九
地区
、
府県営大規模灌漑排水
については百七十九
地区
、
府県営小規模灌漑排水
については百四十五
地区
、
団体営潅漑排水
として四十三
地区
を
計画
しております。
土地改良
に三億四千五百万円を投じ、
温水施設
六十三
地区
、
暗渠排水施設
については百六十七
地区
、客土については四十五
地区
、その他
区画整理
百四
地区
、
シラス地帯
の
土壌保全工事
九
地区
を
計画
しております。このほか
防災施設
として二億四千二百万円を計上し、これにより
防災ため池
十七
地区
、
旱害恒久施設
二
地区
、
干拓堤塘五十
四
地区
の補強などを行うものであります。
林業
の
重要性
については申し上げるまでもありませんが、二十六年度の五十九億四千二百万円の内訳は、
民有林造林
に二十一億六千四百万円を投じ、二十八万四千
町歩
の
造林計画
を期しております。またそれと同時に
造林費
の一時支出と、
森林資産
の
長期固定
という不利な
経済事情
にあるこの
事業
に対して、以上のような
計画
のもとに
造林計画
を期しておるのであります。
公有林野官行造林
に一億六千四百万円を投じ、千五百
町歩
の
造林
と補植二千
町歩
、撫育五万
町歩
を行い、
治山事業
に二十七億七千百万円を投じ、二万七千
町歩
の治山を
計画
し、河川の
水源地帯
の
保全
をはかり、
国土
の
荒廃防止
を行わんとするものであります。
林道
については木材の
正常伐採
と里山の
荒廃防止
のため七億七百三万円を計上し、
民有林開発林道
千六十二キロ、
奥地林開発林道
七百九十一キロ、
北海道
における
林道
七十九キロを
計画
しております。
水産
の十三億二千四百万円については、
漁港
については
新規港数
はいまだ決定をしておりませんが、
継続分
としては百三十六港を
計画
し、漁業生産の
増強
をはかり、漁民生活の安定を期するものであります。このほか魚田開発及び作業船の整備を
新規事業
として
計画
しております。
災害復旧関係
は、総額において前年度に比し七十億円減の四百億円とな
つて
おりますが、このうち
農林省関係
の配分については、
農業
は前年に比し十二億五百万円増の八十三億七千二百万円、
林業
は前年に比し十六億五千九百万円増の二十億五千八百万円、
水産
は前年に比し一億七千三百万円減の四億三千四百万円とな
つて
おります。 以上をも
つて
事項別の大要の
説明
をいたしたのでありますが、政策的観点からこれを概観いたしますと、
農業
の振興及びその生産力の
増強
のためにする
補助
施設の
重点
的
施行
、米価対策における特別加算制の
実施
等、興農
増産
施策の強化が目立
つて
おりますし、また
農業振興
に
関係
の深い
畜産
の振興にもできるだけの
経費
を注ぎ、
蚕糸
、
水産
、農地、食糧、林野をも含める日本経済の安定と自立のための財政政策のもとにおいて、それぞれ所を得た
予算
が計上されていると考えるものであります。冒頭に述べましたように、総
予算
中における
農林省関係
の
予算
のウエイト、特に
農業
政策
関係
予算
のそれが増大いたしておりますことは、今日
農業
政策が非常に重要な段階に到達しているとともに、それに副応した
政府
の決意が現われているとも言えるかと思うのであります。 最後に痛切な要望のありました農林
水産
業に対する長期資金の確保につきまして、前に申し上げました通りに、遂に
特別会計
による農林中央金庫の活用が実現されることとなりましたことは、農林政策に画期的な重要政策の一つが新たに登場したものと考えますが、以上各項の施策によ
つて
昭和
二十六年度をも
つて
農林政策の新生の年となし得る基盤をなし得るものかと考えるのであります。 以上金額は百万円をも
つて
打切
つて
説明
いたしましたが、御了承場願い、私の
説明
を終ることにいたします。 —————————————
千賀康治
8
○
千賀委員長
この際
装蹄師
法の一部を
改正
する
法律案
、並びに
農地調整法等
の一部を
改正
する
法律案
について質疑を行うことにいたします。 最初に
装蹄師
法の一部を
改正
する
法律案
について質疑をお許しいたします。
小笠原八十美
9
○小笠原
委員
ちよつと政務次官に……。これは御質問を申し上げるということになるか、あるいはまた御注意申し上げることになるかわからぬが、従来こういう法案が出て、罰則事項がある。こういうことは特に民間で
提案
され、法文化し、すでに二年経過したにかかわらず、その取締りに対して、各
地方
警察や検察庁に連絡はとらぬでお
つて
、放任されておる部分がある。従
つて
何か罰則事項に関する問題の告発があ
つて
も、取上げないというのが今日までの現象なんです。そういうものは農林省の方で通告していないことに基くものであるのじやないかとわれわれは思
つて
おるのであります。現にこの前やつた
家畜
商法の取締り、これは無
免許
が横行した。ところが税務署が無
免許
に対して税金を賦課しないということで大騒ぎをや
つて
おる。だからこういう法案が幾ら出ても、罰則事項があ
つて
も、連絡をとらないということ、取締り方面の
関係
者が、立ち上らぬという問題が起きておるのですが、それを特にお調べにな
つて
、
装蹄師
法であ
つて
も、すべて法案に
なつ
たものに対しては、特別の実行ができるように、罰則であろうと、その他のことであろうと、それぞれ手配をしないと、思わざる失態を招くような現状である、こう思うのでありまするが、一体従来できた法案に対してどういうような手続をしておるか。その
内容
をよくおわかりであつたら御
説明
願いたい。
山根東明
10
○山根
政府
委員
罰則の検察当局による励行が十分でないじやないかというような御意見でありますが、実は私どもが新しい法案をつくりました場合に、これを周知徹底させるために——もちろん官報で公布になりますので、形式的には全国に周知されるわけになるのでありますが、このほかにさらに大体年に一度または二度、特に
国会
が終了いたしました直後に、県の庶務部長なりあるいは庶務課長の会同を開きまして、新法案の
説明
会を開いております。ただ従来や
つて
来ておりまするけれども、お話のように、十分罰則の
適用
が励行されていないという事実は、私どもも御注意として承りまして、この法案の
施行
適用
にあたりまして、遺憾のないように期したいと思
つて
おります。
小笠原八十美
11
○小笠原
委員
局長の御
説明
によると、各
関係
県とか、課長会議とかいうことを申されたが、そうじやないのだ。取締りの警察の方、あるいは検察庁の方で、その通知をしないというのか、連絡をしないというのか、そういうことをや
つて
、告発しても受入れない。これはふしぎな現象だ。私はこの法案ができた以上は、通告があろうが、連絡がなかろうが、そんなものは法律によ
つて
処断すべきものと心得ておる。これは当局もその通りに考えられるのだろうが、しかしながらそれを全然わからぬとい
つて
、相手にせぬということがある。そこであなた方は、自分の系統的な方にだけ
説明
してお
つて
、法的措置を取行うところの官庁に対しての連絡が悪いのじやないかと思う。これは連絡がなくてもやることは当然であるから、ほ
つて
おいてもそつちが悪いと言われればそれまでだ。しかし実際に行われないということに
なつ
たらば、これはいずれの欠陥にせよ、その担当しておる
関係
の方には、それだけの連絡をとらぬということになるのじやないか。そういう点はどうな
つて
おるかということを伺
つて
おる。
山根東明
12
○山根
政府
委員
従来罰則を
規定
いたしました法案が公布になりますと、特に検察当局へ連絡することはお話のようにいたしていなかつたのであります。ただせつかくできました法案の罰則が
適用
されないで、非常に弊害を生ずるような事態がありますれば、検察当局の注意を喚起することにはやぶさかでない気持でおるわけであります。そういう事態がありますれば、また私どもの方で調査の結果わかりますれば、そういう措置をとりたいと思います。
小笠原八十美
13
○小笠原
委員
調査の結果ではないが、
家畜
商のごときは全国で無
免許
が横行して、告発しても受入れないという現状であるのだから、無
免許
を急速に取締ることをそれぞれの官庁に連絡をと
つて
、急速に局長名か大臣名による通牒を発してもらわなければ困る。 次に
獣医師
、
装蹄師
法の
関係
でありますが、これは従来、あまり学問の方の問題でなく、
技術
的に熟達した連中が各
地方
にたくさんある。それが
試験
制度
は二十八年まで、二十九年から
試験
を受けられないということになると、やはり
試験
的な
関係
だと、相当学力問題も加わることと思うのだが、従来のように、手腕力量等、学問を除くほかのものが備わ
つて
おるのはどうなるのだ。この点は今度の立法の中において、今の御
説明
には詳しくなかつたのですが、その点について伺いたい。
山根東明
14
○山根
政府
委員
改正
案の
内容
について、なお若干御理解の足りない点もあるようでありますから、もう一度御
説明
申し上げますと、二十八年の暮れまでの猶予期間を設けましたのは、従来の
制度
による
獣医師
である者は無
試験
で
免許
をや
つて
おるわけであります。ただ農林省へ申請して、登録を受ける必要があつたわけであります。もう一つ、軍隊の乗馬部隊等でテツチンの免状をもら
つて
帰る人がおるわけでありますが、これも無
試験
で
免許
を與えておつた。そしてやはり農林省へ申請して、登録を受ける必要があつたわけでありますが、特に陸軍部隊の者につきましては、すでに陸軍がなくなりましてから何年かた
つて
おるわけでありますので、いつまでもそういう
規定
を設けておくのもおかしいじやないかということで、一応これを削る。但し削つたその日から、そういう人たちが、従来申請をしなかつたために、せつかく技倆がありながら、
免許
が受けられぬということでは気の毒だということで、そういう人たちは二十八年の暮までに農林省に申請してをもいたいということで、猶予期間を置いたのであります。
獣医師
につきましても、今後の
獣医師
は
学校
で蹄鉄工の学科が十分行われないということに実は
新制
獣医師
制度
ではな
つて
おりますので、これらには
免許
を與えない。ただ古い
獣医師
で、従
つて
学校
で蹄鉄の勉強をしていた連中につきましては無
試験
で
免許
を與える。しかしこれも二十七年の暮までに申請をしてもらいたい。そこで私どもの方では事務的な
整理
期間をそういうことにいたしまして、それまでに申出があれば無
試験
で
免許
されるという考えであります。さらに今後におきましては、そうした
資格
のいかんにかかわらず、
試験
制度
はずつと引続いてや
つて
行きたい。この場合蹄鉄は主として技工の問題であるから、むずかしい
試験
にはなかなか合格できぬ人がある
つて
気の毒じやないかというような御
趣旨
だと思うのでありますが、お話のように蹄鉄は技工が主でありまして、実は私どもの万も、そういう意味で学説の
試験
は実はやるわけですが、しごく
簡單
な問題でや
つて
おるようでありまして、主として実地
試験
といいますか、そういうものに
重点
を置いて
試験
をやるわけでありますので、技倆がそこまで進む
程度
の能力のある人であれば、学科
試験
もそう特にむずかしい
試験
はや
つて
いないのでありますから、御心配の点もそうはなはだしいものではないんじやないか、こういうふうに考えております。
小笠原八十美
15
○小笠原
委員
いやそこで心配が出て来る。技工に
重点
を置くということはごもつともな話であります。ところが技工を
試験
するに足る
試験
官が一体日本のどこにあるか、それが問題です。現在第一ひん曲つた馬の足をまつすぐに伸ばす癖がある。そういうものを偉いと言
つて
技工の
資格
を與えておく癖がある。それが結局馬に故障を與える一番の原因になる。ひん曲つた足というものは曲つたなりに削蹄しなければいけない。何年もかか
つて
それを元にもどすという方法をとらないとだめなんです。それを急速にまつすぐにやつたのは技工の最も下手なものである。ところが今の
試験
官の中には、少しでも曲つたら絶対に
試験
に及第させないという
試験
官が多い。そういうわからない者ばかりおるので、それが心配なんです。そこのところをあなたは実際おわかりにな
つて
おるのだろうか。局長さん、あなたもしろうとだろうが、この問題は大分めんどうな問題ですよ。職医師さんたちに
試験
をさせたら、たいへんなみそになる。この点が非常にあぶない。私は別に法案について反対もせぬけれども、いざ
試験
ということに
なつ
たならば、
試験
を行う
試験
官をさらに
試験
して、それから踏み出すということにならないと、全国的に非常にまずいことになりますから、その点ひとつ十分に注意して、
試験
を担当される方をお選びにな
つて
いただきたいと思うのであります。
原田雪松
16
○原田
委員
本案は大体
簡單
なのでありますが、
内容
はいろいろあると思うのです。すでに
装蹄師
の問題は
装蹄師
学校
に入
つて
免許
を受けられるか、受けられないか、非常に今の在学生は不安の念とともに、この法案の通過を期待いたしておるのであります。しかも参議院を通過して衆議院に
付託
された問題でありますので、
趣旨
において大体賛成でありますが、この際二、三お尋ねしておきたいと思ます。 第一点は、ただいま
装蹄師
の数はデーターでいただきましたが、この中で
学校
を出た
装蹄師
が何人おるか、それから軍出身の
装蹄師
が何人おるか、これをあとでお知らせ願いたいと思う。今小笠原
委員
からお話がありました通り、牛も馬も要するにいろいろ用役によ
つて
関係
が違いますけれども、昔からのことわざに、つめなければ馬なしということがありますが、つめがしつかりしていなければ使役に耐えられない。だから
装蹄師
の職責は能率上にきわめて大なる影響を與える性質のものである。そういう意味から、
技術
の点も非常に重く見まして、蹄鉄工から
装蹄師
という肩書を付與したものと思います。これは開業
獣医師
ももちろん相当や
つて
いるのもありますが、主として現在や
つて
おりますのは、
学校
出よりも軍隊出の方が多いように考えられます。しかも軍隊出の長い経験をした人が
地方
に帰られてやる場合も、学説とかけ離れた我流をやる
装蹄師
がたくさんあるのであります。装蹄というものの完全をはかる上において、全国的にブロックで講習会をやられる。そうして完璧を期する必要があると思うが、その点について
畜産局長
はどう考えているか。 それから届出制に今度はなるようでありますが、これは非常にいいことでありますが、今までは届出制ではなかつた。ところが届出の点において職医師方面もなかなか思うように集まらない。それで届出の場合に届出なければどうするというような罰則を設けるかどうか。これはなかなか困難が伴う問題であることを事実において知
つて
おります。やるならば最も簡便な方法に基いて、届出を周知させる方法とは、どういう
内容
であるか承りたいと思
つて
おります。 それから重要な問題は、この二十九年度で
獣医師
に無
試験
で
免許
を渡さない。その他のものも一応
整理
するというようなお話でありますが、
装蹄師
学校
の学生の問題はどうなるか。日本に幾ら
学校
があ
つて
、これからどの
程度
卒業生
を出す予定であるか。この際伺
つて
おきたいと思います。 なおこの法文ですと、
獣医師
はあま
装蹄師
をやる者はないので、何だか念頭に置いていないような感じがするのであります。しかし
獣医師
の開業
試験
の場合に総点数を五十点以上とらなければならない。ところが獣医の方は学術実地ともに優秀な成績の合格者がおる。ところがこれが遺憾ながら五点点数が足らぬ、こういう者を落第に入れてある。一生それに身を捧げようという
獣医師
が、
装蹄師
は別にこういう法律でもつく
つて
行くという際、そういう者を落すということは、
試験
委員
の親心がないと言いたい。今現に泣いて歎願する者が数人おります。こういうことはよほど考えていただかなければならぬ問題ではないかと思う。少くとも
獣医師
は
装蹄師
まで兼業する者はございません。ただその專門外でや
つて
もやらぬでもいいようなものの点数がちよつと落ちたからということで落第点とみなすことは、そこにはまことに温情味がないのではないか、こういうことはこの後もいろいろな問題であるかもしれない。当局はよほど考えを新たにしてもらわなければならぬと私は思うのであります。そういう意味から、私どもはこの
装蹄師
法案が別途の形に出ることはまことに賛成である。しかしながら今申し上げました通り、開業
獣医師
で現に兼業でや
つて
おるものがたくさんおりますが、これの兼業の
整理
をよく考えてや
つて
もらいませんと、医者としての
資格
を持つた自由業の
獣医師
でさえ届出を怠る点がたくさんあるのであります。これは統計等をおとりになるにしましても——これはとられることは私は必要であると思うが、そこでよほど手かげんをしてもらわなければ、結局そういう点がまた不明瞭にな
つて
、この統計というものは現われないようになりはしないか、その点についての当局のお考えを一応お尋ねして、次に質問を続けたいと思います。
山根東明
17
○山根
政府
委員
装蹄師
の現在の数字に関する統計はお手元に差上げてありますが、大体これを集計いたしまして七千四、五百ではないかと思います。このうち、はつきりいたしませんけれども、
学校
卒業者は二割くらい、あとの八割くらいが軍隊の修業者及び国が行います
試験
に合格した者であろうかと推定いたしております。 次に届出の問題でありますが、これにつきましては、
獣医師
法にも同じに
制度
を設けまして、この数字もお手元の資料にお配りしてありますが、昨年暮の現在をも
つて
届出をや
つて
、届出
制度
を
実施
しておるわけでありまして、おそらく百パーセント届出が励行されたということではなかろうかと思うのでありますが、蹄鉄工につきまして法律ができまして、本年の暮の現在で届出を開始されるわけでありますが、これにつきましてはその間に私どもで十分この
趣旨
を徹底させまして、できるだけの励行をはか
つて
行きたい。なお届出を怠つた者に対しましては、新しい
規定
でも
つて
免許
の取消しができ得るという
規定
もあります。また罰則の
規定
も
適用
になるわけでありまするので、そういう点からも十分徹底をいたしたいと考えております。 それから新しい
制度
で装蹄を教えております
学校
、今度の法律によりまして
卒業生
が無
試験
で
免許
を受け得る
資格
をとられます
学校
は、現在のところ東京にあります日本
装蹄高等学校
だけであります。将来こうした
学校
がはたしてどの
程度
できますかは予測いたしかねますけれども、あるいは必要によりましてはさらに設立をみることも考えられると思いますが、現存のところでは日本
装蹄高等学校
一つであります。 それから過般の
獣医師
の
試験
に装蹄の科目を設けて、それがふできであつたために、せつかくの
獣医師
が
獣医師
の
試験
に合格できなかつたような事例が二、三あるようなお話でありますが、実は
獣医師
試験
につきましては、御承知の
獣医師国家試験
施行
に関しまする
免許
審議
会が、
試験
の
内容
を專門的な見地から相談をいたしまして、そうした
試験
科目を決定したわけでありまして、お話のような気持も私どももせぬわけでもないのでありますけれども、そうした権威ある機関に諮
つて
決定いたしましたものに基いて
施行
をいたしたわけでありますので、最後にチャンスに漏れた方にはたいへんお気の毒ではありますけれども、かりにその人の救済を考えるということになりますと、
獣医師
の
資格
ということのほかの面で考えて行くよりどうもいたし方ないのではないかというようなことを考えておるわけであります。
原田雪松
18
○原田
委員
今の
試験
の問題はあとの祭りですから、深く言
つて
も同じと思いますのでやめます。この
提案理由
の中にも、
農業生産力
の
増強
に役立つ、こういうことが書いてある。この点をお伺いしたい。それから
装蹄師
の職務の範囲、つまり削蹄
技術
というものがあるのでありますが、それは馬のみに限定するのであるか、あるいは各種の動物を網羅して
装蹄師
がやるようにするのであるか、その点についてお伺いしたい。
山根東明
19
○山根
政府
委員
先ほど小笠原
委員
からもお話がありましたように、つめをうまくつけることは、馬の能率、寿命を健全に保持して行くために非常に必要なことでありますので、新しい
装蹄師
法によ
つて
、
装蹄師
の資質の向上あるいは現状を把握することによ
つて
、私どもが
畜産
行政会全般の一つの資料にして行きたいというようなことから、新しい
装蹄師
法が
農業生産力
の
増強
に一役買い得るというような
趣旨
で、
提案理由
において御
説明
を申し上げたわけであります。それから第二の点は、これも法律ではつきりいたしておりますが、
装蹄師
でなければ、馬については削蹄、装蹄ができない、牛については装蹄ができないことにな
つて
おります。それ以外の動物の装蹄、削蹄は、これは
装蹄師
以外の者でもや
つて
いいという建前にな
つて
おります。
原田雪松
20
○原田
委員
装蹄は
装蹄師
でやるということはわかります。削蹄の面でありますが、全国の
家畜
は、大
家畜
だけでも、牛でも二百三十万、馬も百万はいる。それが削蹄をやらないものが少くとも七割あるいは八割はあるのじやないかと思う。そうしますと、そういうものを使役します場合には、つめの削蹄をうまくやらないために、
農業生産力
の使役の面に非常な弊害を来しまして、能力的にならないというのが実験的にたくさんあるわけであります。そういうものは、
装蹄師
でなくてもか
つて
にや
つて
よろしいというわけなのですか、その点をもう一度伺います。
山根東明
21
○山根
政府
委員
馬の削蹄は
装蹄師
でなければや
つて
はいかぬ、牛の削蹄は
装蹄師
でなくてもや
つて
いい、これは現行法の通りを引続いてや
つて
行きたい、こういうことであります。
原田雪松
22
○原田
委員
たとえば自分の部落に
装蹄師
がいない、二里も三里も引いて行かなければ削蹄ができないというような面が、全国にはたくさんある。装蹄だけは
装蹄師
がやるという限界をも
つて
、削蹄はほかに実験家があるならばやらしてもいい。あるいは百姓が、こういう足をして、こんなげたをはいてはつまらぬじやないかというので、自分でかまで切
つて
やる、こういうことでなければ——これは
装蹄師
にやらせなさい、なぜお前はか
つて
に切つた、お前は罰金だ、こういうことになるならば、これは私は実質的に悪い法律だと思う。だからその点は、牛でも馬でもその他のものでも、少くとも装蹄は
装蹄師
がやる、削蹄は自由放題だということにしてもらいたい。そうでなければ実際いうたら困る。これはあなた方東京におられるからおわかりにならぬが、いなかへ行くと、もの知りとか
家畜
商とか、あるいは
畜産
の熱心家は自分で切
つて
やる。それをお前はなぜ切つたか、
装蹄師
の規則があるじやないかと言われると、かえ
つて
この法律はマイナスである。その点をはつきりしていただきたい。
山根東明
23
○山根
政府
委員
この点は、実は私もあまり
技術
的なことは詳しくわからない点もありますけれども、おそらく馬の削蹄は牛の削蹄とある
程度
技術
的にも困難な点があり、従
つて
これをまつたくのしろうとがか
つて
にやれるということにしておいたのでは、せつかくりつぱな馬もそこからつぶれて行くというような点があるために、現在の法律ができたものと思
つて
おります。ただお話のように、非常に不便な所で、
装蹄師
が三里も五里も離れた所でないといない。自分で削りたくてもこれが削れないということにはな
つて
いないのでありまして、
装蹄師
にあらざれば
業務
となすことを得ずということにな
つて
おりますので、たとえば自分の馬を自分で削蹄するというようなことは、この法律の條項に反しないわけでありまして、
業務
としてするのでなければ、たとえば自分の馬を自分でやる、あるいは隣の馬をときたまそういう必要があつた場合に、お手伝いで削蹄をしてやるという
程度
であれば、そうした技能のある人であれば、これはや
つて
よいというふうに考えられます。
原田雪松
24
○原田
委員
そこがどうも私ピンと来ないのですが、たとえば
種畜牧場
あるいは
種畜
分場というものがある、そういう所に
技術
者がお
つて
、ひづめの削蹄をしなければならぬということで、もうすでに講習会をや
つて
おる。そういう場合に、牛馬を寄せて、集団的に獣医が削蹄をやるのがあります。現にや
つて
おります。これは
業務
でないのですか、
地方
によ
つて
違うのですけれども、九州あたりでは馬立てと昔から言
つて
いる。そういうものをも
つて
削蹄にかえておる、その方が喜ぶ。周期的に農繁期前に年に三回なら三回、ちやんと部落別に寄せまして
装蹄師
は雇いませんが、專門家がお
つて
、獣医とかあるいはその附近の駐在
技術
員が寄り集
つて
、そして削蹄をして、教えてもいる。非常によいことなんです。そういうことをやめることになりますと、これはたいへんな問題になると思う。だからそういうものを営業行為と見るかどうか、そういうものはむしろ奨励すべきものであ
つて
、こういうものは廃止すべきものじやないと私は考えます。その点で非常に局長と私と食い違いがある。そこを何とかしてもらいませんと、私どもはこの案には賛成しかねます。
山根東明
25
○山根
政府
委員
お話のように、ある一定期に一定の馬を集めてひづめを削るということは、各地で行
つて
おるよ、うでありますが、その場合
装蹄師
がこれに当
つて
おるようであります。なお実は法案全体の補足的な
説明
の一つとして、この機会に申し上げておきたい点は、この法案につきましては、先ほども
提案理由
の
説明
にありましたように、いろいろな点を
改正
いたしておりますが、特に緊急
改正
の必要のあります点は、先ほど原田
委員
からもお話がありましたように、三月の
学校
卒業生
を救わなければならぬという点からであります。そういう意味から、実は
装蹄師
法につきましては、ただいまの点、並びにこの前できました
獣医師
法との比較において、罰則の点なら、あるいは欠格條項の点について、なお根本的に
整理
をして行く必要のある條文が若干残
つて
おるということを承知しておるのであります。ただいまの装蹄、削蹄の問題も、私も最初おことわりしましたように、実は專門的に十分勉強いたしていない点もありますので、この法案全体をさらに根本的に検討する機会に、ひとつ十分研究させていただきたい、さように思います。
原田雪松
26
○原田
委員
今の私の要求事項を考えていただけますか。
山根東明
27
○山根
政府
委員
研究させていただきます。
足鹿覺
28
○
足鹿
委員
いろいろと明らかに
なつ
た点があるのでありますが、今局長の御
説明
によりますと、学制の
改革
によ
つて
、本年三月卒業する者を救うためにこの法律の
改正
案が出た、こういうことに
重点
が置かれておるという、それだつたら、先刻も言われましたように、七千四百名の者のうち、八〇%がいわゆる
昭和
二十九年からは
試験
にパスしなければ、無
試験
の
免許
がとれなくな
つて
来る。いわゆる結果からみると失業という形が出て来る、そういうことになるでしよう。
免許
所有者で
資格
を有する者が一万三千三百三十六名、このうち現存や
つて
おる者が七千四百名ということになり、そのうち八〇%がいわゆる軍隊
関係
で、今まで無
試験
でや
つて
おつた者ということになりますと、ちようど
獣医師
法のときと同じような結果が必ず出て来ると思う。問題は現行法でどういう弊害があるかということ。別に弊害がなければ、
学校
を卒業する者に対する対策だけならば、その点だけを修正して行けばよろしいのであ
つて
、何か現在、法を
改正
して、軍隊において修練をした者、あるいはその他で適格の
資格
をと
つて
おる者の仕事の上において、
農民
に迷惑をかけたとか、
農業生産力
を阻害するような何か弊害ができたとかいうことであるならば、私どもはこの法案に対して理解がつくが、ただ第一点の
理由
だけではわれわれは了承ができない。どういう弊害があつたか、なぜ
昭和
二十八年度一ぱいでこれを打切らなければならないのか。その点からまずお尋ねいたしたい。
山根東明
29
○山根
政府
委員
多少誤解があるようでありますので申し上げます。従来無
試験
で
免許
をと
つて
おつた者、すなわち軍隊の証書を持
つて
おる者、あるいは町医師である者、こういうものが八割くらいおるわけでありますが、この
免許
を二十八年限りで取上げようという
趣旨
ではありません。この人たちは引き続いて営業ができるわけであります。今度の法律では、従来たとえば軍隊から卒業証書をもら
つて
来ておつた者で、まだ農林省に申請して来てない者とか、あるいは応召して満州に行
つて
いるとか、そういうようなものが若干あるかと思いますが、大部分の人は、おそらく
免許
の登録を受けていると思うのであります。それで今ただちにこれらのまだ登録を受けてない人の登録の道をふさぐのも気の毒だというので、その人たちには二十八年の暮れまでに申請してもらいたい、そうしてそれに対しては無
試験
で
免許
を與えよう、こういう
趣旨
でありますので、決してそうした人たちのやり方が悪いから
免許
を取上げようという
趣旨
ではないのであります。
足鹿覺
30
○
足鹿
委員
大体その点は明らかになりましたが、しかし現存行
つて
いるものは、こういう仕事は必ずしも一人ではや
つて
おらないと思うのです。これには助手的なもの、あるいは将来
装蹄師
として立
つて
行こうというような者で、貧困な家庭に生れて、将来こういうような仕事に職を求めて行こうというような者とか、いわゆる徒弟に似た者が、やはりこういうものには付属して現在あると思うのです。これは御存じだろうと思うのです。さような者は、おそらく現在の受験
資格
に合うような学歴もとれないだろうと思います。現在や
つて
いる人は、今局長の御
説明
で一応了承いたしましたが、そういうものに対しては一体どうして行かれるのか。これは実際問題として、将来に発生して行く問題だろうと思います。
山根東明
31
○山根
政府
委員
装蹄師
の見習をや
つて
いる人たちには、実は
試験
の
制度
があるのでありまして、学歴その他で
試験
の制限はいたしません。どういう人であろうと、国が行います
試験
を受けていただいて、合格できれば
免許
を與えることになるわけであります。ただもつぱらそうした
技術
の方面ばかりや
つて
いるので、先ほど原田さんでしたかどなたかのお話にもありましたように、
技術
がよくてもなかなか
試験
に受からぬ場合もあるという心配はあるわけでありますが、そういう人たちのために、先ほど原田
委員
から御要望がありましたように、今後においてそうした人たちの技能の向上というような面におきましては、できるだけ機会をつくりまして、講習会なり、訓練会なり、そういうようなものをや
つて
行
つて
、そうしたほんとうにりつぱな技能を持つた人が
試験
に出まして、
免許
をと
つて
いただくというふうなことにして行きたい、かように考えている次第であります。
足鹿覺
32
○
足鹿
委員
今年の三月
学校
を卒業する人間は何人ほどあるのですか。
山根東明
33
○山根
政府
委員
五十人くらいあるのです。
足鹿覺
34
○
足鹿
委員
五十人のためにこういう法律の
改正
をやろうと言うのですね。しかも全面的な検討は別の機会にやるということをおつしやいましたが、それはいつなんですか。
山根東明
35
○山根
政府
委員
実はもう少し詳しく御
説明
いたしますと、日本
装蹄高等学校
という
学校
が世田谷にできておりまして、そこの
新規
卒業生
が三月に出るわけであります。現在の法律によりますと、
実業学校
または專門
学校
の
卒業生
に対しては、
免許
をやるという
規定
にな
つて
おりますので、日本
装蹄高等学校
というあの
学校
は、現在の
規定
のままでは、卒業することによ
つて
無
試験
の
免許
がもらえない建前にな
つて
おります。従
つて
わずか五十人の
卒業生
ではありますけれども、その点を救済するために、第一條の第四号をそういうふうに
改正
したいというのが法案の一つの
趣旨
であつたわけであります。ただいかにも、そのためにほかに非常な迷惑を及ぼすというような誤解は、まだ若干お残りのようでありますけれども、その点は、先ほど来私からお話を申し上げましたように、そのほかの人たちに非常な迷惑をかけるというふうにはならぬと思
つて
おりますので、その点ひとつ御了承願います。
足鹿覺
36
○
足鹿
委員
第一條第四号の
改正
のみにとどめて、あとの問題については、全面的によく御検討にな
つて
からにしてはどうか。先刻原田
委員
の御質問に対しては、まだ全面的な検討が足らないということを御言明にな
つて
おるのでありますから、これらは
獣医師
法の場合に起きた事例、その後の経過ともいろいろ関連性がありますから、全面的に総合的によく検討してからでもおそくはないのではないか。特にわれわれ最も考えさせられることは、
昭和
二十八年末までのことを、
昭和
二十六年の今この期限をちやんと区切
つて
しま
つて
いるということです。この間に新しい事態が起きないとも限らないわけであります。ですからこれはもう少し総合的な立場から——第四号を御修正になるのは、そういう専門の
学校
を出た人たちが
免許
がとれないということでは矛盾でありますからけつこうでありますが——他の條項等については、もう少しよく御検討にな
つて
、確信のある御成案を得て御
提案
になるのが妥当ではないかという感じを持つのであります。私は專門家でもなんでもありませんが、この点について特に
昭和
二十八年までにこれを区切
つて
行くことはどうかと思う。しかし外地から帰つた者であるとか、あるいは現在開業しておらない者でも、それに対する特殊な技能があ
つて
、中途から新しく開業しようという者にと
つて
は、さしあたりこれは支障にな
つて
来るわけでありますから、そういう点にもう少し一段と考慮を拂われて行くことが、ほんとうに
農業生産力
の向上という
提案理由
の
趣旨
にも合致致することになるのではないか、たいへん意見がましいのでありますけれども、あえて私はこの点だけ申し上げて打切
つて
おきます。
島村軍次
37
○
島村政府委員
御
趣旨
の点はわかりますが、
畜産局長
から申し上げましたように、
学校
関係
のことが
提案理由
の一つにな
つて
おりますが、
提案理由
にも申し上げておりますように、その他のさしあたり
改正
を要する点を二、三加えて
改正
いたすのでありまして、全文の
改正
をごらん願えれば、あなたの御
趣旨
に合うようにな
つて
おります。 それから二十八年までの期限については、たびたび局長も申しまましたように、現在や
つて
おりますものは、それまでに登録を受ければそれで救済できるわけですから、期限をゆつくり考えたということに平たく言えばなるのではないかと思いますので、さように御承知を願い、どうぞひとつ御賛成を願います。
山口武秀
38
○山口(武)
委員
本案の現行法は二十三年七月十日のものですね。そこでこの法案について考えますならば、この現行法における第二條、第三條の
改正
案をなぜ考えられなかつたのであろうか、この点をお聞きしたいと思います。この第二條におきまして、六年の懲役または禁錮以上の刑に処せられたる者は主務大臣が
免許
を許可しない。それから第三條によりますと、六年未満の場合におきましては
免許
をなさざることを得るということが書いてありますが、一体懲役に行つたり禁錮に行
つて
来たりした人が馬の足を持
つて
つめを張
つて
金をもら
つて
生活を立ててなぜ悪いのか、この点に対する御
説明
を願いたい。それからこの点に対する
改正
の意図があるかどうかという点をお聞きしたいと思います。
山根東明
39
○山根
政府
委員
第二條、第三條の
改正
を同時になぜ考えなかつたかというようなお話のようでありますが、実は最初私が原田
委員
の御質問にお答えするとき、罰則なりあるいは欠格條項についてなお根本的に考え直す問題を残しておるとお断りしたわけでありますが、そういう意味でこの問題はさらに他の立法例との比較検討なり、あるいは
装蹄師
業の実態に即応して、いろいろ検討を要する問題があるということは私どもも考えております。そういう意味で、できるだけ早い機会に検討の結論を出しまして、これらの点も必要があれば
改正
いたしたい、かように考えております。
山口武秀
40
○山口(武)
委員
根本的になお考える余地を残しているというような答弁を前にしておる、そういう考えに立
つて
おるということを言われておりますが、この
改正
法案は現実に出されておるのです。出されている以上、これに対してどういう考えかは当然持たれたはずだろう、検討がなされたはずだろう。私の質問に対して、そういう立場におりますあなたの御意見を伺いたいと思います。
山根東明
41
○山根
政府
委員
現在までの研究の結論から申しますれば、現行の第二條、第三條をそのまま
装蹄師
の
免許
には
適用
した方が適当であるという結論を得ておるわけであります。
山口武秀
42
○山口(武)
委員
これをそのまま残した方がよいというのですが、なぜ残した方がよいか。なぜ懲役に服して刑を済ませて来た者に対して、このような取扱いをしなければならないか。第一
装蹄師
にしたならばどういう迷惑がかかるか、むしろそういうことに対して懲役終了者を特別扱いにすること自体が、人権を無規するようなことになりはしないか、その人間が
装蹄師
になることを妨げたり、生活をすることに対して妨害になりはしないか、私はこの点に対してはつきり伺いたいのです。
山根東明
43
○山根
政府
委員
装蹄師
は御承知のように他人の牛馬の装蹄、削蹄を業とするわけでありますので、そういう見地から、人格的にも、技能的にも十分な
資格
要件を必要とするというのが現行法の考え方の前提であると思うのであります。最近新しい立法例におきましては、こうした懲役の
規定
等が——多分御意見もそうであろうと思うのでありますが、そういう
趣旨
で緩和されておるということは私ども承知しておるのでありまして、私ども今後どういう線で、これを
改正
して行くつもりであるということはただいままだ申し上げられませんけれども、新しいいろいろなその他の立法例等と照し合せまして、さらに装蹄業の実態をも考慮いたしまして、この点は研究を続けて行きたいとかように考えます。
山口武秀
44
○山口(武)
委員
さらに研究いたしたいというならばそれはそれでけつこうだと思います。だが今の局長の意見によりますと、他人の牛馬を扱うから特別な人格を必要とするのだ、このようなことを言
つて
おりますが、それがなぜ懲役者にと
つて
適格なものとしてできないことになるのか。なぜならば他人の牛馬を扱うと言いますが、人間が生きて行く以上、これは社会の一つのつながりによ
つて
生きておるのです。社会の人との交際によ
つて
生きておるのです。牛、馬でなくて、人間との交際によ
つて
生きておるのです、牛、馬の足にさわることは何ら迷惑のかかることではないのです。だからそういうような考え方を私は直していただきたいと思うのですが、いかがですか。
山根東明
45
○山根
政府
委員
私どもが将来二條、三條を検討いたします際の考え方に対する御注意として承
つて
おきたいと申います。
横田甚太郎
46
○横田
委員
第五條のことを伺います。「開業ノ
装蹄師
ハ馬ノ削蹄若ハ装蹄又ハ牛ノ装蹄ノ需アル場合二於テ正当ノ事由ナクシテ之ヲ拒ムコトヲ得ス」これはけつこうなんです。しかしこういうような結果が農村に非常に多い。施設があ
つて
施設を利用できないのが農村なんです。しかも日本の農村は今供出で非常に困
つて
おる。米価は安くて、そうしておのれの飯米まで削
つて
、これを供出優先のために取上げられておる。社会的な出産をや
つて
おる。だからこういう
農民
に対しては、あとう限りの保障をしなければならない。ところが單にこういうふうにうた
つて
あるだけでは農村に今まであつたところの——こういうことをしてはらないか、実態は少しも改ま
つて
いない。もし拒むような結果があつたならばいけないので、これに対する法的保障を考えられる意思があるかどうかということを、まず一点お伺いしたい。
山根東明
47
○山根
政府
委員
開業の
装蹄師
が求めに応じなかつたことに対する罰則は、現行法第十一條——金額は改まりますが、五千円以下の罰金または科料の刑が
規定
してあります。
横田甚太郎
48
○横田
委員
法的保障というのはもつと社会的な制裁を加えてもらいたい。そういう意思があるかないかを聞きたい。たとえばこういうふうに拒まれた結果に
なつ
た
農民
に対しては、罰金だけでなくて、むしろ村に行
つて
装蹄師
があやまるとか、こういう方法を改めるとか、村にはいわゆる
農業
協同組会とか
農民
組合というふうなものがあるから、そういうふうなところに対する陳謝の意を明らかにして、大衆にこういうことができないような法的保障もしてもらいたい。五千円ぐらいはやみをやつたらすぐ返
つて
来るのです。だからその点を改めてもらいたい。こういう点でその法的保障を聞いておるのです。
山根東明
49
○山根
政府
委員
これも現行法の
規定
にもあるのでありますが、第九條に、「
装蹄師
法第三條各号ノ一二該当スルトキハ主務大臣ハ其ノ
免許
ヲ取消シ又ハ期間ヲ定メテ其ノ
業務
ヲ停止スルコトヲ得」という
規定
がありますが、応招も怠
つて
不都合なことがありました場合に、
免許
の取消しという処分も考えられるわけであります。
横田甚太郎
50
○横田
委員
主務大臣はけつこうなのですが、これが
農業
生産に奉仕するという意味において、
農民
からそれは許してよろしいというようなことを、主務大臣なりあるいはその官庁を経て一の主務大臣に通ずるまでは許さないそういうふうに改めていただく意思はあるかないかということを聞いておるのです。主務大臣、主務大臣と言いますけれども、主務大臣というような忙しい人が、こういう小さい犯罪に対して、どうして一々そういうことをやるものですか。そういうような目の届かないところに、いわゆる農村におけるところの不平が起り、不正が起るので、その点を聞いておるのです。
農民
の意思を聞いてや
つて
、
農民
の意思に基いて主務大臣がそういう決定をする。そういうふうに改める意思であるのかないか、それだけ聞いてやめておきます。
山根東明
51
○山根
政府
委員
主務大臣が措置をとります場合には、新しい
規定
の第九條で、「当該
装蹄師
二対シ予メ期日、場所及当該処分ノ原因タル事由ヲ通知シテ公開二依ル聽聞ヲ行ヒ」云々と
規定
して、いわゆる公聽会の
制度
によ
つて
決定して行くという考え方をいたしております。
千賀康治
52
○
千賀委員長
お諮りいたします。
装蹄師
法の一部を
改正
する
法律案
に対する質疑は保留といたしまして、次会に譲り、今日はこの
程度
で散会したいと思いますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
千賀康治
53
○
千賀委員長
御異議なしと認めまして散会いたします。 次会は月曜日、五日午前十時から開きます。その他詳細は公報において申し上げます。 午後零時四十一分散会