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1951-03-14 第10回国会 衆議院 内閣委員会建設委員会連合審査会 第1号
公式Web版
会議録情報
0
昭和
二十六年三月十四日(水曜日) 午後一時四十四分
開議
出席委員
内閣委員会
委員長
木村
公平君
理事
青木 正君
理事
江花 靜君
理事
坂田
英一
君
理事
鈴木
義男君 井上 知治君 大内 一郎君 本多 市郎君 松本
善壽
君
苫米地義三
君 松岡 駒吉君 小平 忠君
建設委員会
理事
内海 安吉君
理事
鈴木
仙八君
理事
田中
角榮
君
理事
村瀬
宣親
君 淺利 三朗君 今村 忠助君 宇田 恒君 高田 弥市君 内藤 隆君 西村
英一
君 中島 茂喜君
池田
峯雄君 寺崎 覺君
出席政府委員
特別調達庁長官
根道
廣吉君
総理府技官
(
特別調達庁次
長) 堀井
啓治
君
経済安定政務次
官 小峯 柳多君
経済調査庁次長
奧村 重正君
委員外
の
出席者
経済安定事務官
(
経済調査庁物
資調査部長
)
司波
實君
会計検査院長
佐藤 基君
内閣委員会専門
員 亀卦川 基君
内閣委員会専門
員 小關 紹夫君
建設委員会専門
員 西畑 正倫君
建設委員会専門
員
田中
義一君 —
——
——
——
——
——
——
本日の
会議
に付した事件
経済調査庁法
の一部を
改正
する
法律案
(
内閣提
出第五〇号) —
——
——
——
——
——
——
木村公平
1
○
木村
委員長
これより
内閣委員会建設委員会連合審査会
を開会いたします。 本日の議題は
経済調査庁法
の一部を
改正
する
法律案
であります。先例によりまして、
内閣委員長
でありまする私が、
委員長
の職務を行います。それではこれより
質疑
に入ります。
質疑
の通告がありますからこれを許します。
田中角榮
君。
田中角榮
2
○
田中
(角)
委員
本日
経済調査庁法
一部
改正法律案
につきまして、
内閣
・
建設
の
連合審査会
を開かれたのでありまして、本日は
経済調査庁
及び
特別調達庁
、
会計検査院
の
方々
も
おいで
にな
つて
おりますから、この
法律案
に対する私の
考え
を申し述べたいと思うのであります。 本
法律案
につきましては、私は原則的にまず
反対
の
意見
であります。その
原因
と
理由
を簡単に申し述べますと、本
法律案
が本
国会
に
提案
せられる前に、去る
国会
に
経済調査庁法
の一部を
改正
する
法律案
が
提案
せられましたときに、当時の
建設委員会
といたしましては、これが
改正
に対して
反対
の
意見
を表明してお
つた
わけであります。当時の
建設委員長
は
淺利三朗
君であり、当時の
内閣委員長
は
鈴木明良
君でありましたが、
建設委員会
からは
連合審査会
の
開催
を申し込みまして、これがいれられ、
昭和
二十五年四月十八日に
内閣委員長鈴木明良
君の主宰のもとに
連合審査会
が
開催
せられたわけであります。その席上私から
改正案反対
の
趣旨
をるる申し述べまして、なお
提案者
である
奥村政府委員
との間にも十分な
質疑
がかわされておるわけであります。その
反対
の
理由
は、簡単に申しますと
憲法違反
の疑いがあるということと、もう
一つ
は
行政機構
の
権限
の
紛淆
を来すという問題が第二であります。第三は私
たち自由党員
といたしましては、
自由党
の党是であるところの
行政機構
の
簡素化
、
行政
の再編成という問題に対しては、全然逆行する
法案
の
趣旨
であるということが、われわれのおもな
反対
の
理由
であります。
現行法
になりまするところの
昭和
二十五年度における
改正
の要点は、今までの
設置法
の
趣旨
にのつとりまして、
経済調査庁
は
前条
に
規定
する
事務
のほか、
特別調達庁
及び
法令
によるところの
公団
の
業務
の
調査
及び
経理
の
監査
を行うことができるという、この中から
特別調達庁
を削らなければならない、削ることが妥当である、こういう
趣旨
を申し上げたのであります。これは御承知の
通り経済調査庁
が
設置
せられた
目的
は、戦後における
物資
の
配給統制
というような面から、こういう面の円滑、及び
国費
がいかに効率的に使用せられておるかという面を
審査
をするのが
目的
でつくられたのでありまして、
行政官庁
の一部であるところの
経済調査庁
が、
行政官庁
の
会計経理
の
監査
を行うということは、
設置
の
目的
に根本的に反するというのがわれわれの主張であります。しかもこの
対象
になりましたところの
特別調達庁
は、当
建設委員会
の主管の
官庁
でありますので、これに対しては非常に大きな関心を持ち、
建設委員会
としては
反対
の
意見がま
とま
つた
ようなわけであります。その結果同日の
合同審査会
の後に
建設委員会
は
会議
を開きまして、
内閣委員長
に対して次のごときことを申し入れております。これをちよつと朗読いたします。「
経済調査庁法
の一部を
改正
する
法律案
に対する
申入れ事項
。
目下内閣委員会
に付託をせられている
経済調査庁法
の一部を
改正
する
法律案
について
連合審査
の結果に基き、左の通り当
建設委員会
の
修正意見
を申し入れる。すなわち第一条の二「
経済調査庁
は、
前条
に
規定
する
事務
の
外特別調達庁
及び
法令
による
公団
の
業務
の
調査
及び
経理
の
監査
を行うことができる。」とあるうち、「
特別調達庁
及び」を削除せられたい。
理由
。一、
行政官庁
たる
経済調査庁
が
行政官庁
たる
特別調達庁
だけに
限つて
特に
経理
の
監査
を行うことは妥当でない。二、国の
行政機関
に対して、
会計検査院
以外のものに
会計経理
の
検査
または
監査
の
権限
を付与することは
憲法
第九十条の
規定
に違反しないとしても
会計検査院
と重複するがごとき
経理監査
の
権限
を
経済調査庁
に付与することは重大な
官庁権限
の
紛淆
を来すおそれがある。年月日。
建設委員長
。
内閣委員長殿
。」以上のごとき結果を持
つて
おるわけであります。当時の
自由党内部
及び
内閣
、
建設
両
委員会
といたしましても、これが
反対
に対しては非常に大きな賛成があ
つたの
でありまするが、いろいろな御発言、特に
経済調査庁
が
憲法
上に
規定
する
会計検査院
の
権能
を侵し、しかも
権限
を侵犯する
意図
は毛頭ないという御返答、及び
会計検査院
は
国会
に対して、
歳出面
の
決算
に対して
責任
を負うのであ
つて
、これは
事後検査
である、われわれは戦後の非常にむずかしい
経済情勢
に対処し、しかも効率的なる
国費
の使用の状況、
予算執行面
におけるいろいろな条項に対して、ころばぬ先のつえという
意味
で、いわゆる自省をいたす
目的
をも
つて
これを行いたいのであるから、
行政機構
の
権限
の
紛淆
は来さない。もう
一つ
は、長期にわた
つて
各
官庁
の
会計検査
、
経理
の
監査
を全面的に行うのではないし、ただに戦後の特殊な
条件
をも
つて
、特殊な
任務
のもとにつくられた
経済調査庁
にはとかくのことがあるので、まずこれに対して
経理
の
事前監査
を行い、
予算執行面
に対する是正ができるならばこれを行い得るように、そのために私
たち
が行うのでありますから、
委員
の質問の意思と
反対
のものではないという、一面非常に合理的な御
答弁
があ
つたの
であります。
提案
をする以上、その
程度
の御
答弁
を用意せらるることは当然であります。しかし私
たち
が当時申し上げましたのは、
会計検査院
は
国会
に対してのみ
決算
の
責任
を負うのであ
つて
、
事後検査
を行うのが
会計検査院
の
任務
であり、
事前検査
が行えないというがごときことは、
憲法
の精神から
考え
ても、
会計検査院
の真の
目的
から
考え
ても、断じてさようなものではないという反論であります。これは私が申すまでもなく、旧
憲法
と新
憲法
の
移りかわり
の間に、
会計検査院
の
権能
というものに対して、特にはつきり
規定
しなか
つたの
で、いろいろな疑義もあるようでありまするが、新
憲法
の建前から、
会計検査院
が当然
会計
の
監査
を行う、しかもこれは
執行面
に対しても
監査
、
検査
を十分行わなければならない義務を有するのであ
つて
、
国会
に対して
最終決算
に対し
責任
を負うことだけでも
つて
会計検査院
の義務が足れりとは、断じてしておらぬのであります。
会計検査院
は、申すまでもなく
予算
の
合理的執行
ということに
責任
を有するものであります。これは批難をするだけが
任務
にあらずして、本来の
目的
は
予算執行
の是正、すなわち事前においても、
執行
途次においても、
執行
後においても、当然
国会
に対して
責任
を負う。それまで広義に解釈しなければならぬ。これは当然のことであると思うのでありまして、
事前審査
を行うという
経済調査庁
の
意図
は、
会計検査院
の
権限
を侵犯しなくても、少くとも類似の
事項
を行うという
非難
は免れない、われわれはこういうふうにこれを反論したわけであります。 なお
会計検査院
は、新
憲法
の建前から、
国会
に対して
責任
を負うだけではなく、
決算
は
国会
が
最終確定
を行うものだから、
会計検査院
はただいま
経済調査庁
が申しておられるような
仕事
をし、しかも
決算
を大体きめた場合には、これを
国会
に持
つて
来て、
国会
が
決算
の
最終的確定
を行うものであるという
議論
も私
たち
はしておるのであります。これは新
憲法
と旧
憲法
の間に
あいの子的性格
、いわゆる
あいまい模糊
とした性格を持たして来ただけに、
一つ
の盲点ではありますが、われわれとしてはそういうことが正しいという
意味
から、
権限紛淆
、
憲法違反
の疑義もあるというふうに反論して参
つた
わけであります。 なお
特別調達庁
に対しましては、当時
内閣
においても、いわゆる
内容
の
監査
、
検査
を行う必要があるのじやないかということでありましたので、われわれも実情を
調査
いたしましたところ、
会計検査院
から
調査
が行われ、なおかつ大蔵省から
予算執行
に関して
検査
が行われる、しかも
経済調査庁
から三重の
監査
を行われる場合に、問題が非常に
複雑多岐
になり、実際の
予算執行面
について、
執行
の適正を期するというよりも、
事務的監査
のために、かえ
つて
めんどうが起るのじやないかということをただしましたが、全然
違つた目的
をも
つて
監査
、
検査
を行うのであるから、そのような紛糾は毫末も来さないというような御
答弁
があ
つた
と思います。当時は
自由経済
に移行するときであり、実際において通貨も安定しつつあるときでありましたので、
経済安定本部設置
の
条件そのもの
について、わが
党内部
においても
議論
をせられておるときでありました。もちろん外局であるところの
経済調査庁
もだんだん
自由経済
に移行するということになると、それを
設置
した本来の
目的
である
物資
の
監査
という
仕事
がなくな
つて
来る。それで
会計検査院
の
権能
を侵犯するこいう
非難
を免れることができなくとも、今のうちに何とか
権限
を拡大しておかなければ廃止になるぞ、というがごとき
意図
を持
つて
お
出し
にな
つた
と私に認定せられても、やむを得ないではないかということを私は言
つて
おるのであります。あなた方がおやりにならなければならなか
つた
事項
さえも完全に行
つて
おらないではありませんかということを、私は軽い気持で申し上げたつもりですが、相当毒のある言葉を申し上げております。なぜならば、お互いに
議論
をすれば、
——
もちろん
出し
て来るときには、それ相当のりくつをつけなくては出せるものではありませんから、当然その
程度
の
答弁
を用意せられるし、私
たち
もその
程度
の
答弁
があることは予期しておりましたが、衣の下のよろいとでも申しましようか、やはり
意図
するところは隠すことができないものである。しかも全然
利害関係
のない
第三者
がこれを直視したときには、一目瞭然であるとさえ私は極言をしております。あなた方が
公団
その他いろいろな
物資面
に対しても相当の
監査
を行わなければならないのであ
つた
にもかかわらず、各種のもの、いわゆる
経済調査庁
から
監査
を受け、自粛をし、
一つ
の
批難事項
も出さないでいなければならないその
対象
の
ものたち
は、ま
つた
く偉大な赤字を
出し
ております。そうして第六、第七、第八というようないろいろなものに対して、相当な赤字を
出し
ている。だから
特別調達庁
に対して、あなた方がほんとうにこういうふうなことをやられるというならば、
行政権限
の
紛淆
を来すという
非難
を受けても
——特別調達庁
という
行政官庁
の一部に入る前に行わなければならなか
つた
事務
が、まだまだ相当あ
つた
。それを世間がうるさいし、疑惑の
対象
にな
つて
おるので、
官庁権限
の
紛淆
を来すと言われてもいいから、一応
特別調達庁
を行おうということがありました。私はそのときに、あなた方が
権限拡大
ということでも
つて
やらないのであ
つた
ならばいいけれども、そういう
意図
によ
つて
本
改正法律案
を
出し
て来たのだということが事実の場合は、次のような事柄が出るでしよう、
特別調達庁
の
監査
が
終つて
も、それでやめないで、これに類する
特別会計
やいろいろなものの
監査
をまた必要とするということを言
つて
来るだろう、その次にはまたどこかへ来る、だんだんや
つて
いるうちに、
行政機構
の中の全般を
監査
する、すなわちま
つた
くの
私設会計検査院
ができ上るということは確実だ。私はこういうふうにまで極言をしてお
つたの
ですが、いろいろな
事情——
それは
閣議
で承認を得ておるし、オーケーも来ておるのだし、また現実の問題として、一応の
紛淆
はあ
つて
も、
特別調達庁
をやること自体は、それで国民の疑惑でも解ければいいではないかという
常識論
に負けて、その
目的
とするところを達成せしむるには一年間で十分である、
便宜論
をも
つて
大本を誤
つて
はならぬ、こういう結論を得て、一箇年という
条件つき
で、四月二十九日
衆議院
は
議決
をしておるわけであります。ところが五月二日、これは運動があ
つた
とは言えませんが、とにかく
参議院
においてまた
政府原案
に
修正議決
にな
つて
おるのです。そうして
衆議院
に回付にな
つて
来たのは五月の二日であります。しかも私はよく覚えておるのですが、五月二日の午後三時半ごろ、本
会議
の
開催
中にこの
法律案
が回付にな
つて
来た。それで当時はもう人が非常におらないで、
民主党
及び
社会党
の協力がなければ、三分の二の多数をも
つて
再
議決
をするわけには相ならぬので、
参議院
の
修正案
をのもうという
議論
があ
つたの
です。しかし、そのようないわゆる
便宜論
をも
つて
大本を誤
つた
ならばたいへんだ、それで
社会党
と
民主党
の
諸君
に御賛同を
願つて
、三分の二の多数をも
つて
、
衆議院
の原案、すなわち現在の一年間というものに五月二日再
議決
にな
つて
おるのであります。
参議院
の
修正案
は否決をせられておるのであります。そういう事情をたど
つた
本
法律案
でありまして、この
法律案
の実際の運営その他に対しては、私は一年間だま
つて
見守
つて
お
つた
わけであります。その
意味
においては、
経済調査庁
にすつかりお面一本をとられた形になりながら、一年間ずつとその実績と行くえを見守
つて
お
つた
わけでありますが、この一月ごろから、私が
考え
てお
つた
と同じことが現実に現われつつあ
つた
ということは否定できないことであります。それは、国の
予算面
で千億以上というものは大体何かというと、
一つ
は
特別調達庁
であるということで、
特別調達庁
がやられた。ところで第二は何かというと、今度は
公共事業監察法
でもつく
つて
、
公共事業
の監察を
経済調査庁
で行おう、こういうことを言わぬということは言いがたいのであります。少くとも巷間にこの説が流布せられたことは事実であります。私
たち
もその流説に対しては
反対
をした。これはもう完全なる
会計検査院
の
否定論
であるということで
反対
をや
つた
わけであります。ところがこれは日の目を見ず、現在ではにぎりつぶしの状態であります。そうして
経済調査庁
はこの期間を延ばすことと相前後して、千億円以上の
公共事業
の
監査
を行おうという
意図
を持
つて
お
つたの
ですが、それが障壁にぶつか
つた
ために
——
私は悪く解釈することは好まないのですが、もつと悪く解釈すると、そういうふうにわれわれ
反対者
の
意見
をそらしておきながら、その間隙を突いて、当分の間という、この
特別調達庁
に対する
監査
の期間の延長を願う
法律案
を
出し
て来ております。私は
閣議
の
内容
をとやかく言うのではありませんが、これだけ大きな
条件
をつけ、これだけもんだ
法律案
を
提案
するに際しては、より慎重でなければいけないということだけは一言申し得ると思います。しかも
閣議
は持ちまわり
閣議
であ
つた
そうであります。しかも
特別調達庁所管
の大臣は、ほとんどこれが
内容
の説明を聞くいとまもなくして判こを押したというようなことであ
つた
ならば、われわれはこれをのむわけには相なりません。この「当分の間」というものは、一日でも当分の間、二、三日でも当分の間、三年、五年、百年でも当分の間なんです。だから一年間として、
参議院
の
議決
を否決し、再
議決
をしなければならなか
つた
ほどのこの問題に対して、「当分の間」という、場合によ
つて
は相当瞞着もでき、抜け道もあり、逃げの手も打てるというような
法案
の
出し
方でなく、六箇月延ばしてくれ、三箇月、一箇月延ばしてくれ、あるいは百歩を
譲つて
一年間延ばしてくれというような
法案
であ
つた
ならば、また
考え
る余地はあ
つた
と思います。これこそ私はあえて言うが、これは実にこまかな感覚とこまかな神経で、みつか
つた
ときにわれわれから駁撃せられるということを承知して、「当分の間」と
出し
て来た、ま
つた
く悪い
意図
に出て
提案
をせられたと私に解釈をせられても、しようがないと私は思います。犯罪が発覚した場合には、こういうことを用意しておこう、しかしまず犯罪は発覚しまいということで、この第一の関門であるところの
閣議
を通
つて
提案
されたということであ
つた
なら、これは実際
国会議員
を瞞着しておることであり、私は少くともこれだけの記録を持ち、これだけの紛糾のあ
つた
法律案
を出すには、当然こういうことを言われてもやむを得ないだろうと思います。ただ「当分の間」ということに対しまして、
建設委員会
において、どのくらいの所要時間を必要とするのですか、「当分の間」の定義をひとつ
提案者
にお聞きしたいという質問に対しては、一箇年間ではむずかしいと思います。一年二、三箇月かかると思いますという、こういうことになると、これは私になお反論を与えたようなものであると私は
考え
ておる。それは、二十五年度の
予算執行面
に対する
監査
、
検査
を、ふなれなあなた方が少くとも一年間において四七%完了してお
つて
、あと五三%しか残
つて
おらない、それを、相当ピッチが
上つて
、今度は
専門家
になり、ポンとあした
会計検査院
に身売りをしても、もう
検査官
になれるほどのエキスパートにな
つた
方々
が、どうして五三%のものを一年間をも
つて
あげられないと言うかという問題が、私には申し上げられると思うのであります。しかも
特別調達庁
の
事項
というのは、
昭和
二十年から二十四年の末ごろまでは非常にむずかしい
事項
であ
つた
と思いますが、二十五年度においては、
法律
百七十一号が適用されなくて、
一般公開入札
をも
つて
行われておる。しかも特に二十五年後半期においては、
朝鮮事変
によ
つて物価
が騰貴して、
政府
の
執行予算
でははとんど
仕事
ができない、あらゆる
公開入札
が不調に
終つて
おるというようなときに、しかもあなた方が
前半期
に認めたような
批難事項
はほとんどない、
第三者
が
考え
ても、なかろうというものに対して、なお一年数箇月を
調査
に要するであろう、その一年数箇月を「当分の間」とあなた方が
考え
てお
出し
にな
つた
ということは、そのまますなおにのむわけには相ならぬ、こういうふうに
考え
ておるわけであります。「当分の間」の定義は、私は
最高裁判所
から聞いて参りました。当分の間というものの一番長いのには、約六十年の当分の間が現行の
法律
に残
つて
おります。
刑法施行法
、明治四十一年
法律
第二十九号第二十五条(効力を有する旧法の
規定
)「左二
記載シタル
旧刑法ノ
規定ハ當分
ノ内
刑法施行
前
ト同一
ノ
効カヲ有ス
」という
規定
があります。
現行法
です。これに対して
最高裁判所
は、
昭和
二十四年四月、本
法律
について判例をつく
つて
おります。六十年間かか
つて
、なお当分の間の法文が生きておるのです。こういうことであるならば、当分の間ということを私
たち
はのむわけには相なりません。しかもそのような
意図
によ
つて
、われわれの
衆議院
の
議決権
さえも非常に軽く
考え
られてお
出し
にな
つた
と見られる節の多い本
法律案
に対しては、われわれは単に賛成を申し上げるわけには行かぬ、こういうのであります。 もう
一つ
だけ申し上げますと、問題は特に国家の
予算執行面
に対するものでありますので、いろいろな
発表等
に対しては
十分慎重審議
をしなければならないわけであります。私はあえて申し上げたくないのでありますが、
予算執行職員等
の
責任
に関する
法律
というものが通
つて
おります。これはま
つた
く
会計検査院
の
権限法
ともいうべきものであ
つて
、それがしつかりした場合には、
会計検査院
から一々批難せられるであろというような
事項
に対しては、あらかじめ
会計検査院
の承認を受けて
予算執行
に当
つて
おるわけであります。そうするとこの
責任
をほとんど
会計検査院
が全面的に負うのであ
つて
、しかも
支出負担行為
の
責任者
というものがはつきり明記せられておる現在、そのようにしてまで第二にも第三にも重複して
監査
を行わなければならぬかということは非常に問題が多いのです。しかもその結果
経済調査庁
が、まずその功罪の功の方は相当あるということを
考え
ても、罪の方がないかというと、やはりあるのです。これは
会計検査院
は特に慎重過ぎるのであ
つて——検査院長
を前に置いて少し悪いかもしれませんが、これは退嬰的なということは免れません。
会計検査院
がぼやぼやしているからこそ、こういうことをま
つた
くしろうとにやられるのであ
つて
、これは
国自体
も大いに
会計検査院
のあり方、
権限
の拡大、組織の強化ということには私は力をいたさなければならぬと思うのでありますが、少くとも国の
予算執行面
におけるところの内情というものを世間に公表し、この善悪、功罪を発表するには相当慎重にしなければいかぬはずです。なぜならばその及ぶところが非常に重大であるという問題を
考え
なければいかぬ。だから
国会
に対して
会計検査院
が証言をなさる場合も、
会計検査院
の
検査官会議
の決定に基くもの以外はほとんど御発言ができないというほど強い法規で縛
つて
おられます。ところが
経済調査庁
は、みなこれを時勢であるから何でも出せ、何でも出せ
——
これは
池田
君も
おいで
ですが、
共産党
の
諸君
がよくやられるので、悪いことは何でもかんでもみな出せ、どかどかつと
出し
てしまえばそのうちによくなるだろう、こういうのと何らかわらない。私は
経済調査庁
の
方々
が皆
共産党員
だとは申しませんが、
共産党
をおまねにな
つた
という事実は否定することはできない。なぜならば
政府
の出す
内容
に対して、なまのままとは申し上げませんが、とにかく
会計検査院
が発表をしておるごとく、慎重な態度をとらずして、
調査
の
経過そのもの
をすぐ
国会
に対して報告をしております。
参議院内閣委員会
の要求に対して、いろいろな材料を提供しております。提供することが悪いとか何とかいうのではありません。こういうことをやるために思わざる
マイナス
をもたらしておらぬか、
マイナス
をもたらしております。それはなぜかというと、
第三者
がお
考え
にな
つて
もす
ぐおわかりになる通り
、このようなことを、しかも国の機関であるところの
経済調査庁
が
行つた
場合は、
一般大衆
は、
経済調査庁
というのはこれは新しい
会計検査院
かもしらぬ、その
考え
でぼんぼんとデータを出された場合、一体
吉田内閣
は何をしておるのだ、
講和会議
が間近にな
つて
おるのに、こんなことをや
つて
おるのかということを
第三者
は特に
考え
る。だから私は今にな
つて
考え
てみると、
共産党
の
諸君
などが非常にどんどんと説明をしたのは、そういうのにもきつと
原因
があ
つたの
かしらとさえ極言すれば言い得るのです。私はこういうことを
共産党
を排撃するわけで言うのでは絶対ありませんが、とにかくなぜ私がこのようなエゲツない言葉まで言わなければならぬかということは、この
法律案
に対してはお
出し
にな
つた
ところの
奥村
さんとも約束しておるのです。この間
奥村
さんも
おいで
にな
つて
、
知つた仲
でありますし、こういう協定もあるのですから、どうです、かつこうはよくないがひとつお取下げになりませんかとさえも私は申し上げた。しかしこれは私があまりものわかりが悪くない議員であるからこそこう申し上げるのであ
つて
、私がこれほど面子をつぶされて、これほどの大道論を、少くとも
事務
系統の異なる
政府
の
方々
が私を言いくるめる自信があるような口吻でもしお語りになるのであ
つた
ならば、私は今よりももう二歩、三歩も飛躍して爆撃するだけの用意を持
つて
おります。私は言いたいことも相当言わないで、当時は
自由党
の中においても、もし否決にな
つた
場合、
衆議院
の会期の最後の日でありましたので、会期一ぱいにもし
社会党
の
諸君
や
民主党
の
諸君
がこれに同調してもらえない事態が起きて、
参議院
の
議決
を否決した場合どうなる、
経済調査庁
はなくな
つて
しまうのですよということを言われたときも、絶対にまとめる自信があるからおれにまかしてくれということを言
つて
、議場内の交渉を
行つた
わけであります。それで私は
経済調査庁
の
意図
するところのいわゆる
予算執行
に対する調整という面については強力な協力をして来たつもりでありますが、その協力をした私を「当分の間」といえばまたやつものむだろう、一度あることは二度あるだろうということになれば、三度あるということにな
つて
、この次には
公共事業
に対する監察も行うから、そのときもまあ認めてくれというおそれが十分あるということで、大体この
程度
でも
つて
芽をつんでおかなければならぬ、こういう非常に強い意思をも
つて
私は自分の
考え
を披瀝しておるわけであります。特に私は、もう申し上げなくとも
委員
の
諸君
及び同僚議員の
諸君
も十分おわかりであろうと思いますので、あえて
政府
側に
答弁
を求めるとかいうことをする必要はないと思うのでありますが、あまり私の反論をする
——
田中
君はそう言うけれどもそうじやないのだというような
意見
ではなく、あなたの御説ごもつともですという御発言があ
つた
ら、どうぞおつしや
つて
ください。あなた方が私に対して反論をいたすならば、私も何時間でも反論をいたします。これは一年間私がげたを預けて待
つて
お
つた
法律案
が出て来たので、しかも私の思うつぼにはま
つて
、当時こうじやありませんか、そうじやありませんと言
つたの
が、私がありませんかと言
つた
通りにな
つて
来ただけに、これは私もしやべる商売であるからいくらでもやるつもりでありますが、あえて
議論
のための
議論
を好むわけではありません。 ただ最後に申し上げることは、
吉田内閣
といたしましても、
自由党
員といたしましても、党是たるところの
行政
の
簡素化
という線をはずしたくないということと、またいろいろな
法律
の
改正
をしなければならないような状況にはありますが、少くとも事
行政機構
に関する問題に対する
法律
の解釈は、今まで通りでありたい。私らは古い観念といわれるかもしれませんが、
紛淆
を来すような解釈を起さないようにや
つて
行きたい。そして次の機会にこの
行政機構
の変革が行われた場合、
行政機構
に対する定義というものをはつきりしてもらいたい。それまでは私
たち
の在来の感覚をも
つて
律して行きたいことと、もう
一つ
は
便宜論
をも
つて
大道をあやま
つて
は相ならぬ、こういう結論から本案に対して
反対
を申し上げたわけであります。 特に最後に
内閣委員長
に対して一言お願いをいたしたいことは、このようにして
衆議院
は院議をも
つて
参議院
の
修正案
を否決し、再
議決
をしたような経緯を持
つた
法律案
でありますし、特にこれは
官庁
機構、
官庁権限
というものと重大なる関係を持つものであ
つて
、このような解釈がもし
政府
委員
が言われるような解釈に是正せられるものであると、これからの
行政機構
という問題に対してもいろいろの
紛淆
を来すおそれがあるという
意味
から、本
法律案
につきましては、そのお取扱いに慎重に、万遺憾なき処置をとられたいことを希望しておきます。
木村公平
3
○
木村
委員長
他に御
発言
はありませんか。
池田
峯雄君。
池田峯雄
4
○
池田
(峯)
委員
私はこの合同審議会でこの問題を取上げるごとにな
つた
いろいろな経緯については若干承知しておりますけれども、まだ納得の行かない点があるのであります。と申しますのは、先ほどの
田中
委員
がいろいろ申されました点、これはまた一応ごもつともな点があろうと思うのでありますが、第一に
政府
が
経済調査庁法
の一部を
改正
する
法律
を
提案
した
理由
をもつと詳細に本
委員会
に
説明
される必要があるのではなかろうかと思うのであります。すなわちこの
経済調査庁
の査察権といいますか、そういうものを存続しなければならないほど、
特別調達庁
の中には非常な不正がある。これをそのまま看過することはできないのであります。
会計検査院
が
特別調達庁
のことに関して報告していることは、これはわれわれ
共産党
ばかりでなくて、全国民としてはなはだ疑問を持たざるを得ない事件がたくさんあるのであります。たとえばカーテン取付工事費の精算に当り処置当を得ないもの、
特別調達庁
で
昭和
二十二年十一月横井産業株式会社に請負わした進駐軍の家族住宅のものでございますが、カーテン取付工事の代金として約一千万円を
出し
ておる。右は家族住宅千二百六十戸の窓にカーテン及びドレープをとりつけ、その数に応じて代金を支払うもので、二十四年六月に精算したものであるが、これは
会計検査院
で
調査
したところ、二戸建の家屋についてその窓数を一戸建の同種家屋の二倍に計算したものなどがあり、その代金を支払
つた
窓の数はカーテン及びドレープを合せて三万一千八十四であるのに、実際とりつけたのは二万六千二百七にとどま
つて
おる、こういうようなことがたくさん報告されております。このように
特別調達庁
に対して
会計検査院
が
調査
したところによ
つて
も、相当不正あるいは不行き届きな点がある。従
つて
経済調査庁
は特別な観点から、
特別調達庁
のいろいろな面を
調査
したところによれば、こうこうこういう不都合があ
つた
。またこうこうこういう不都合があるように
考え
られる。従
つて
われわれは
経済調査庁法
の一部を
改正
する必要があるのだ。こうい
つた
事実に基いての御
説明
が当然あらねばならないと思うのであります。そういう点につきまして経済安定本部次官からとくとその
理由
を御
説明
あらんことをお願いしたいと思います。
小峯柳多
5
○小峯
政府
委員
提案
の
理由
は前にもお聞き願
つたの
でありますが、いろいろいきさつはありまして、今
田中
委員
の御指摘のようないきさつもありまして、前の
国会
で実は辛うじてそれは通
つたの
です。ただ
仕事
を始めてみますと、
事務
的に完結しない面もある。そういう
意味
で
事務
的な完結を期するため当分の間御延期願いたい、そういう以外に深い
意味
はないのです。
池田峯雄
6
○
池田
(峯)
委員
そういたしますとそれほど強い
意味
でこの
法律
を
提案
されたわけでもないのですね。その点はどうなんですか。
小峯柳多
7
○小峯
政府
委員
強さ弱さと言われるといろいろ問題があるのですが、私
たち
は
事務
的にいろいろ完結しないものがある。従
つて
前に御審議いただいた精神に基いて、
事務
的に当分の間延ばしたいと
考え
ただけであります。
池田峯雄
8
○
池田
(峯)
委員
事務
的に完結しないと申しますけれども、そういう
事務
的に完結しない
内容
はいかなるものなんでございましよう。たとえば一年間とにかく
特別調達庁
の
調査
をや
つた
。その結果どういう結論が生れて来たのか、その
調査
は全然や
つて
もやらなくてもいいような
調査
であ
つたの
か。それとも
特別調達庁
を
調査
した結果、相当今後も継続しなければならない、さような疑問点を発見して、そのためにこの
法律
を出されたのか。従
つて
問題はきわめて具体的になると思います。抽象的な御
答弁
では、私の
質問
に対する
答弁
にはならないかと思うのであります。具体的にいろいろな例を上げて
答弁
されたいと思うのです。
小峯柳多
9
○小峯
政府
委員
答弁
にならないとおしかりを受けるかもしれませんが、そういう
意味
の結論を
出し
ますまでにはなお相当の時間がいるという
意味
でお諮り
願つて
おるわけであります。
木村公平
10
○
木村
委員長
他に御
発言
ありませんか。
村瀬宣親
11
○村瀬
委員
委員長
にお尋ねいたしますが、
会計検査院長
お見えにな
つて
おりますか。
木村公平
12
○
木村
委員長
来ております。
村瀬宣親
13
○村瀬
委員
会計検査院長
にお尋ねいたします。
検査
院のなさる
検査
と、それから
経済調査庁
のなさる調べ、後者の方は主として経済性といいますか、法規には必ずしも触れぬにしても、もつと
国費
の使い方が有効にできる道がないかということを主眼点にして調べをしておる、こういうお話があ
つたの
でありまするが、今のままの制度、または制度の一部の
改正
、あるいは人員の増加というものによ
つて
、今
経済調査庁
がや
つて
おるような点にまで
会計検査院
として
検査
を拡張といいますか、綿密にする方法はあるとお
考え
にな
つて
おるのでありましようか、ないとお
考え
になるのでありましようか。
佐藤基
14
○佐藤
会計検査院長
ただいまの御
質問
、実はちよつとむずかしいのであります。と申しますのは、
経済調査庁
がどういう
検査
をや
つて
おるかということを実は私あまり詳しく存じません。それで私の方のや
つて
いる
検査
のことを申しますから、それによ
つて
御判断願えれば非常に幸いだと思います。と申しますのは、私の方の
検査
は法規に基いている
検査
、すなわち違法かどうかという
検査
もいたします。しかしながらそれだけではなくて、法規にはかりに違反しないにしても、経済性と申しますか、事業の能率性と申しますか、そういうふうな経済的な
検査
もいたしておるのです。但しその
検査
は従来の人員その他の関係で、必ずしも十分と私は思
つて
おりません。そこでそういう点をなるべく上手に
検査
できるようにというので、職員の養成については少からず努力しておるつもりです。それですでに今度の
国会
に出ておりますが、今度の
検査
報告をごらんになればわかりますが、経済性といいますか、要するに不経済なことをや
つた
という
批難
もあるのでありまして、決して私どもは違法をや
つた
ことのみを
検査
しておるのではありません。その点御了承願います。
村瀬宣親
15
○村瀬
委員
事務
の
紛淆
を来すという
田中
委員
の問題は、非常に根本的な大事なことでありますが、主としてこれは
会計検査院
において非常な信用といいますか、
権限
といいますか、普通の今までのセクシヨナリズムからいえば、こういうことはとても既設の
官庁
が許すはずはないと思うのです。自分
たち
のやり方に信用がないからこういう新たなことをお始めになるのかとい
つて
、これはもう
議論
百出になるであろうと思うのですが、今
会計検査院長
は、
調査
庁の方でどういうことをや
つて
おるかはつきりわからないけれども、しかし法規だけではない、経済性をも加味してや
つて
おるのだという。それが相当完全に行
つて
おれば、当然
経済調査庁
で調べを始めるなんという必要はなくなるわけです。その点につきまして、人員が足らぬから国民が期待するような
調査
ができぬのだとお
考え
になりますか。制度の上で経済性をあまり深く掘り下げることはできない、こうおつしやるのでありますか、もう一度伺いたい。
佐藤基
16
○佐藤
会計検査院長
ただいまのお話でございますが、あるいは別な方面から御
説明
した方がわかりやすいかと思いますが、たとえば郵政省の
経理
局におきまして、その職員が郵政省部内の
経理
検査
をや
つて
おります。その
経理
検査
というものはある
意味
においてわれわれの
検査
とダブる点もあるのでございます。しかしながらある
行政機関
がその内部
監査
をやるということは、必要とあれば何もや
つて
行かぬということはないだろうと思います。私
たち
の立場は
政府
から独立した
機関
でありますから、独立した目でやる、こういうことなんです。従
つて
検査
それ
自体
としてはダブるということはあり得ると思います。ことに最近国鉄等におきましては、御承知の
通り
非常に国鉄は機構も大きい。私の方の国鉄の
検査
をや
つて
おる職員の数というものも限定されておりますし、そう完全に隅から隅までは行かないのであります。それで国鉄の方におきましても、郵政省と同じような内部
監査
の制度がありまして、内部
監査
をや
つて
おります。そういうものがむしろ私の方とタイ・アツプしてやると申しますか、こういう点を気をつけてくれ、こういう点を気をつけてくれとい
つて
、われわれの方と円満な連絡をもちましてや
つて
おる実情でありまして、お話の
通り
、
検査
院の機構を非常に大きくしてやれば、あるいは今よりももつといい
検査
ができるかと思いますが、
会計
の
検査
というものは、実はある
程度
熟練工でなければできないのであります。ただ人を増したからすぐできるというものではないので、人を増しても
検査
するまでに大分訓練に時間がかかりますし、ことに
政府
の御方針として、
行政機構
はなるべく簡素にや
つて
行きたい、国民負担をかけてはいかぬという御方針のように総理大臣からも伺
つて
おるので、そういう見地も加味しまして
——
検査
院のみの立場からいえば、人を無限にふやしてやればもつといいことができると思います。しかしながらやはり国民負担のことも
考え
なければならぬし、かりに人をふやしてもすぐ役に立つという問題でもないので、私といたしましては、
検査
院の
検査
能力をさらに拡充するというところに重点を置いております。その結果今度の
検査
報告をごらんになればわかると思いますが、だんだん
検査
報告の
内容
が、従来のごく単純な形式
検査
よりも実質的
検査
、いわゆる経済性の
検査
という方にもよほど進んで来ているものと私は思
つて
おります。 なおこの機会に、
田中
委員
の先ほどから
検査
院に対して非常に御同情のあるお
言葉
を承
つた
ことを感謝しております。
村瀬宣親
17
○村瀬
委員
ただいまの御
答弁
を承りますと、郵政省では自己
監査
をや
つて
おるし、いろいろ他にもあるということであります。その
通り
でありまして、国税庁にも
監察
官というものがちやんとあるのでありまして、それぞれや
つて
おるわけであります。しかしこの範囲ならばほかにもあるのでありますから、特にこの現在の
経済調査庁
の問題がやかましくなるはずはないと思うのでありますが、
会計検査院長
は、今の
経済調査庁
の
調査
は、いわゆる自己
監査
と
会計検査院
との中間に位するものであるというふうにお
考え
になるのでありますか。さらに結論として、機構を拡充し、人員を整備するならば、
経済調査庁
がや
つて
おるくらいなことは十分自分の方でできるとお
考え
にな
つて
おるか、おらないか承
つて
おきます。
佐藤基
18
○佐藤
会計検査院長
ただいま申しました、いわゆる
政府
の内部
監査
という問題でありますが、これは
経済調査庁
の場合は若干違うということは認めます。と申しますのは、普通の場合の
政府
の内部
監査
というのは、ある
行政官庁
がその
行政官庁
のものをしてやらせる、ところが今度の場合は、甲の
行政官庁
の
仕事
を乙の
行政官庁
が
監査
をするという問題だから、普通の場合とは大分違うということはわかるのであります。しかしながらある見方によりましては、
検査
院という
政府
から独立した
機関
から見れば、それはやはり広い
意味
の
内閣
の
監査
ということも言えるのじやないかと思います。ただ私の方は
政府
から独立した
機関
でありますから、他の独立
機関
のことを批判することは案はあまりやりたくないのであります。それでありますから、その
経済調査庁
の
特別調達庁
に対するところの
検査
がいいか悪いか、どう思うかということはごかんべん願いたいと思います。
村瀬宣親
19
○村瀬
委員
もう一点だけ伺いますが、
田中
委員
の先ほどからの御
意見
並びに
質問
等は、これは私はまことにその
通り
だと同感なのであります。しかるにもかかわらずなお
政府
が、当分であるか六箇月であるか一箇月か、さらにこの
経済調査庁
の
調査
というものを存続しなければならないという
原因
は、一口に言いますならば、
会計検査院
だけにはまかしておけぬ。そういうことがない以上は、もう
田中
委員
の言う
通り
、ずつとこの場できま
つて
よいはずなのであります。そういう点につきまして、これはお答えできにくいことかもわからぬと思うのでありますが、現在の法規の範囲においては、やはり
経済調査庁
の
調査
というものは必要であるとお答えになるのでありますか。
木村公平
20
○
木村
委員長
ちよつと村瀬君にお尋ね申し上げたいと思うのですが、
経済調査庁
の
権限
は、本院の立法に基いて附与されたものでありますが、これを独立
官庁
である
会計検査院長
から、本院の立法せるものに対する批判なりあるいは感想なりを特にお尋ねになりたいのですか。
村瀬宣親
21
○村瀬
委員
いや、私はそれを明らかにせねばこの案は審議ができぬわけなのであります。
田中
委員
の説に
賛成
なんです。だからこれは一議に及ばず
政府
もまたこういうことをやめてしまわなければならぬ。しかるに
田中
委員
の説には何らの反駁なくして、しかもこの案を何とかして、「当分の間」として、六十年続けることはとにかくとしても、一年か半年は続けなければならぬという
理由
について、
会計検査院
のもう少しはつきりした御
意見
がわかれば、われわれの判断の非常に重要な資料になるので、一ぺんにきま
つて
しまう問題であると思うので、
質問
しておるのであります。
木村公平
22
○
木村
委員長
ここで村瀬君にもう一ぺんお尋ねしたいのですが、あなたの
質疑
の
目的
は、佐藤
会計検査院長
に対して、
経済調査庁
の現在問題にな
つて
いるところの
権限
に対する
疑惑
を解明するためにお尋ねになるのか、それとも他に別の
目的
があるのですか。
村瀬宣親
23
○村瀬
委員
私の
質問
の
目的
は、今出ているこの議案というものは、
田中
委員
の言うがごとく、当分の間というのが不都合であると思うのであります。ところがやはりこれを通してくれということが、これは議員提出でなく、
政府
提案
で出ておるのであります。それがために、その
原因
はどこにあるかということを明らかにするために
質問
いたしておる。
目的
はそこにあります。
田中角榮
24
○
田中
(角)
委員
村瀬君の
質問
とうらはらになることでありますが、私が申し上げておるのは、いわゆる
一つ
の
官庁
が自粛のために内部
監査
を行うということは一向さしつかえない。但し佐藤
検査
院長が言われたように、併立する
行政官庁
の中で、
一つ
の
官庁
が各
官庁
、いわゆる自分と同格の
行政官庁
に対して、
会計経理
の
監査
を行うことが、
官庁権限
の
紛淆
にならないかというと、私は
紛淆
になる、こういう認定をしておるのです。だから現在の村瀬君の
発言
の要旨を実質的に裏づけるためには、
特別調達庁
だけではなく、
赤字
を
出し
ておるもの、違法を指摘せられておるもの
——
私は
決算
委員
に席を連ねておるのでありますが、各省ともこれはたくさんある。中でも問題にな
つて
おるものは、現在にしてやつと
昭和
十五年から十箇年分の
決算
をしたところの各種
特別会計
、なかんずく林野
特別会計
、食糧
特別会計
、それから薪炭
特別会計
、これは国民の前に、与野党を問わず解明しなければならないような問題であるのです。こういうものをまず自粛するためならばや
つて
もらいたいと、私は実は
考え
ておるのです。それと同時にそういう
特別会計
の
方々
、もしくは各
行政官庁
の
方々
を全部ひとつお呼び
願つて
、そうして
経済調査庁
が
諸君
の
会計経理
の
監査
を行うことに
賛成
であるか
反対
であるかということも、本
法律案
を審議の途次、ぜひともそういう
意見
を尊重していただきたい。その結論が村瀬君に対する
答弁
になり、私が
発言
しておることの裏づけになる、私はこう
考え
ております。
木村公平
25
○
木村
委員長
他に御
発言
はございませんか。
池田峯雄
26
○
池田
(峯)
委員
私は
特別調達庁長官
に
質問
したいと思うのですが、この
昭和
二十四年度
決算
報告を一読いたしまして、私は非常に驚いたのです。なるほど
特別調達庁
というのは、うわさにたがわずたいへんなことをやるところであるということを感じたわけございます。
会計検査院
が少人数で
調査
してもこれだけの問題が出て来るのでありますから、
経済調査庁
が別な角度から
調査
いたしますと、さらにたくさんの問題が出て来るのではないか。私は確信をも
つて
そういうことが言い得るのではないかと思うのであります。そこで先ほど
田中
委員
が、そういうふうな資料を
経済調査庁
が出すと、
吉田内閣
に対して思わざる
マイナス
を招くということを言われましたけれども、しかし国民全般の立場から申しますと、
吉田内閣
には
マイナス
ではあろうけれども、国民全体にと
つて
ははなはだ幸福な結果を招くようなことになるのではなかろうか、こういうふうにも
考え
られるのであります。そこでこれらの
一つ
一つ
の問題について、煩雑なきらいはありますけれども、
特別調達庁
の方は、これは私の方には
責任
はなくて
会計検査院
の方がこういう問題をでつち上げたのだ
——
そうはおつしやらぬでしようけれども、あなたの方にも弁解もあるだろうと思う。こういう問題を少し
特別調達庁
の方に御
説明
願いたいと思うのです。たとえば
特別調達庁
で、株式会社間組に請負わせた横田地区
——
これはおそらく飛行場がある軍事基地だと思うのですが、横田地区維持管理工事の
昭和
二十三年七月から二十四年八月までの間の工事費精算額に仮設建物損料及び撤去費として、四百七十七万八千九百八十七円が積算されているが、本工事における仮設建物はいずれも同会社が請負い施行した同地区
建設
工事等の仮設建物として、二十一年及び二十二年に
設置
したものを使用しているもので、これに対しては、すでにその撤去費を含め償却費等として大部分の支払いを行い、二十三年六月末の末償却額は約百七十五万円にすぎなか
つた
ものであるから、本件工事について新たに仮設建物を
設置
するものとして、その損料及び撤去費の全額を支払う必要はなか
つた
ものである。百七十五万円払えばよいものを、四百七十七万円
出し
ておる。こういう問題を今ごろにな
つて
会計検査院
が
出し
て私どもが知るようでは困るのでありまして、
経済調査庁
の
権限
において、こういう問題をその現場において捕捉して、こういうことはけしからぬではないかということが言われるならば、これは国民の税負担の軽減、あるいは終戦処理費の減額という点において、非常に国民に利益をもたらすことになるのではなかろうか、こういうふうに
考え
るのであります。こういう点について、安本の人と
特別調達庁
の方から、納得の行くような御
説明
を得たいと思うのであります。
田中角榮
27
○
田中
(角)
委員
池田
君の
発言
の中に、私の
発言
を非常に曲解されてお
つて
発言
をしておるようでございますので、御
答弁
の前に私のことをただして、
池田
君はその
発言
の真意をくまれてから再
質問
をせられたいと私は希望します。私が申し上げたのは、いろいろな事実を
出し
ますと、
吉田内閣
が傷を負うとか、そういうことを申したのではありません。私が申し上げたことを申しますと、
会計検査院
、大蔵省のごとくには、
会計
法規の解釈について
権限
を有さない
経済調査庁
が、自己の判断に基いて
会計
法規を解釈するときは、
権限
のある
機関
の解釈と相違し、妥当でない結論を導く危険性がある。しかも
経済調査庁
の
特別調達庁
業務
に対する見解中には、きわめて妥当を欠くものが多いようであるから、それが公表される結果、一般国民が無批判にそれを信用し、単に
特別調達庁
のみならず、
政府
全般の
会計
事務
に対し不当の不信を買う結果とな
つて
は相ならぬ、こういうのでありますから、誤解のないようにひとつ……。
池田峯雄
28
○
池田
(峯)
委員
そういう問題を
経済調査庁
が、どういう資料に基いて、どういう自信をも
つて
国会
等に提出されたか、その辺のことはわかりませんけれども、しかし
経済調査庁
がたとい結論は得なくとも、今日までのわれわれの
調査
の結果判明したものはこれこれであるということを
国会
に報告することは、これは何ら不当でないばかりでなく、これは
政府
機関
としてきわめて当然しごくのことであろうと思うのであります。これが正しいものであるかどうかということは、
会計検査院
なり、あるいは所定の法的
機関
においてこれを裁くでありましよう。
国会
も
国会
独自の立場においてその判定をいたすでありましよう。それに基いて国民が判断をくだすのでありまして、一
経済調査庁
が今日までのその業績の一端を
国会
に報告することによ
つて
思わざる
マイナス
を招き、国民に
疑惑
の念を抱かしめ、
吉田内閣
に何らかの傷がつくというようなことは、
考え
られることではないと思うのであります。これはたとえば農林
委員会
などにおきましても、今後食糧の見通しはどうであるか、こういう場合に、食糧の見通しについて、農林大臣にいたしましても、大蔵大臣にいたしましても、全然見通しはないのでありますけれども、しかし私どもといたしましては、現在のところは食糧の見通しは何ら不安がないものと存じます、こう言う。しかしこれから半年先に不安が出た場合に、その
責任
はどうかと問われても、大蔵大臣あるいは農林大臣としては、それは
責任
は負いません。負えないような客観情勢なんです。だから今日まで
経済調査庁
が調べたところこういう結論が出た、あるいは結論はまだ出ないけれども、こうこうこういう問題が今われわれの手によ
つて
明らかになりつつある、こういうことを
国会
に報告することは何らさしつかえないことだろうと思うのでありまして、そういう点を私は申し上げたわけであります。
木村公平
29
○
木村
委員長
池田
君、君の今の
発言
の中に、農林大臣、大蔵大臣が食糧の見通しがないという
言葉
がありましたが、それは何を根拠に言われたか知らぬけれども、その点はもう少しはつきり……。
池田峯雄
30
○
池田
(峯)
委員
はつきり申し上げましよう。たとえば今後食糧の不安がないか、こういうふうに大蔵大臣や農林大臣に
質問
いたしました場合に、輸入食糧については万全を期しておりまして、そういう不安は現在のところないと思います。こういうふうにはつきり言
つて
おります。ところが将来あるいは食糧の不安を来すような客観情勢の変化があるかもしれない。あしたのことはわからない。
木村公平
31
○
木村
委員長
さつきの君の
発言
とは違
つて
おる。大蔵大臣並びに農林大臣は食糧の見通しを立てておらないと
発言
しておる。従
つて
万一私の記憶にして誤りなくんば、議事録を調べて御訂正あるよう今から申し上げておきます。
池田峯雄
32
○
池田
(峯)
委員
あとで言
つたの
が正しいのであるから、そういう
意味
に訂正されてさしつかえありません。
——
これは派生的な問題ですが、そういうことで、何ら
政府
機関
として結論は出なくとも、自分
たち
の今日までの
調査
の結果出た資料はこれこれということを
国会
に提出することは、何らさしつかえないことだ、こういうふうに
考え
る。それを提
出し
たから国民が惑わされる、こういうことは結論づけられない。とにかく問題を最初にもどしまして、特別調達長のいろいろな
業務
関係について関係
検査
院が今
国会
に報告をしておる。これは
昭和
二十三年六月末から
昭和
二十四年にわた
つて
の問題でありますけれども、こういうふうに遅くな
つて
報告されるよりも、
経済調査庁
が適当に、そのときそのときにおいてそうい
つた
問題を発見し、そしてこれを未然に防止するならば、国民の得る利益というものは相当大きなものがあるのではなかろうか。だからこういう点について
経済調査庁
は今日まで何をや
つて
来たか。また
特別調達庁
としてはそれに対してどういう
考え
を持
つて
おるか、こういう点をお伺いしたい、こう私は言
つて
おるわけであります。
木村公平
33
○
木村
委員長
他に
発言
はありませんか。 〔「
答弁
々々」と呼ぶ者あり〕
木村公平
34
○
木村
委員長
答弁
はありませんか。
——
答弁
はありません。 他に御
質疑
がなければ、
連合審査会
はこれにて散会いたします。 午後二時五十二分散会