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1951-03-09 第10回国会 衆議院 内閣委員会 第5号
公式Web版
会議録情報
0
昭和二十六年三月九日(金曜日) 午前十一時二十三分
開議
出席委員
委員長代理
理事
青木
正君
理事
江花 靜君
理事
坂田 英一君
理事
船田
享二
君
理事
鈴木
義男
君 大内 一郎君 橋本
龍伍
君 本多 市郎君
松本
善壽
君
苫米地義三
君 松岡 駒吉君
加藤
充君 小平 忠君
出席政府委員
警察予備隊本部
長官 増原
恵吉
君
警察予備隊本部
次長
江口見
登留
君
警察予備隊本部
警務局長
兼
警察
予備隊本部人事
局長
石井 榮三君
警察予備隊経理
局長
窪谷
直光君
行政管理政務次
官 城
義臣
君
行政管理庁次長
大野木克彦
君
物価政務次官
郡 祐一君
物価庁次長
熊田 克郎君
委員外
の
出席者
専 門 員 亀卦川 浩君 専 門 員 小關 紹夫君 ――
―――――――――――
三月七日
委員河田賢治
君
辞任
につき、その
補欠
として加
藤充
君が
議長
の
指名
で
委員
に選任された。 同月八日
委員加藤充
君
辞任
につぎ、その
補欠
として
梨木
作次郎
君が
議長
の
指名
で
委員
に選任された。 ――
―――――――――――
同日
委員梨木作次郎
君
辞任
につき、その
補欠
として
加藤充
君が
議長
の
指名
で
委員
に選任された。 ――
―――――――――――
三月八日
新聞出版用紙
の割当に関する
法律
の一部を
改正
する
法律案
(
内閣提出
第八五号)(予) 同月七日
国家警察予備隊分遣隊新設
に関する
請願
(田中 伊三次君
紹介
)(第一〇四五号)
戦傷病者
に対する
恩給増額
の
請願
(
淵上房太郎
君
紹介
)(第一〇四六号) の審査を本
委員会
に付託された。 同日
恩給増額
に関する
陳情書
( 第三二〇号)
出版用紙
に関する
陳情書
(第三二二号) を本
委員会
に送付された。 ――
―――――――――――
本日の
会議
に付した事件 小
委員
及び小
委員長選任
に関する件
国勢調査承認要求
に関する件
国家行政組織法
の一部を
改正
する
法律案
(
内閣
提出
第四八号)
経済安定本部設置法
の一部を
改正
する
法律
の一 部を
改正
する
法律案
(
内閣提出
第五五号)
警察予備隊
に関する件 ――
―――――――――――
青木正
1
○
青木
(正)
委員長代理
これより
会議
を開きます。
委員長
が所用のため
理事
の私が
委員長
の
職務
を行います。 本日の
議題
は
国家行政組織法
の一部を
改正
する
法律案
、
経済安定本部設置法
の一部を
改正
する
法律
の一部を
改正
する
法律案
及び
警察予備隊
に関する
説明聴取
の件でございます。 まず両
法案
について御
質疑
はございませんか。
加藤充
2
○
加藤
(充)
委員
国家行政組織法
の一部を
改正
する
法律案
について、ごく簡単に一点だけお伺いしておきたいと思う。あれほどやかましい、いわゆる
行政整理
で多数の者が首に
なつ
た痛ましい問題であ
つたの
ですが、この上の方のいわゆる雁首的なものだけを、こういうふうに一回も二回もその
整理
を延ばさなければならぬという根本的な
理由
が、今にな
つて
も私
ども
はわからないのですが、ごく簡単に
言つて
、きわめてこれは不見識な話だと思うのです。その点についてわれわれに了解できる御
説明
を、この際願いたいと思うのです。
城義臣
3
○
城政府委員
今回のこの
国家行政組織法
の一部を政正する
法律案
の
理由
につきましては、先般の
委員会
で
提案理由
を御
説明
申し上げた通りでありますが、ただいまの御質問の点につきましては、
お話
のごとく、先般の
行政整理
におきましては、いわゆる科学的な合理的な基礎の上に立
つて
検討いたします際に、これをさらに十分検討して、そういうふうな仕事のボリユームに最も適応した正しい姿におきたいというわけで、鋭意
研究
を続けて
参つて
お
つたの
でありますが、御
承知
のような
講和
問題も具体的に接近して
参つて
おります関係上、最近のそういう現状からいたしまして、この際全面的な
行政機構
の
改革
をするのはどうも適当ではないのではないか、こういうふうな
考え方
にな
つて
おりますので、言いかえますと、いわゆる
行政いじり
というようなことでしばしばそういうことが行われることは好ましいことでもないので、そういう
情勢
のもう少し見きわめりついたあかつきにおきまして、適当にすべきだというような
考え方
のために、今回は一応それを見送
つて
、ごく一部を
改正
するというような次第にな
つたの
であります。どうぞさよう御了承いただきたいのであります。
加藤充
4
○
加藤
(充)
委員
行政いじり
にならないように、このたびはこれを存続するのだ。しかもまた
お話
によりますと、これを一年延期というような問題じやなしに、むしろ
国家行政組織
をさらに強化して行く。いわゆる
行政組織
というものを、さらに
量質とも
に強めて行くということがうかがわれたのでありますが、この前の
行政組織法
の問題が問題になりましたときには、あくまで
簡素化
するという建前であ
つたの
であります。もちろんこの次なされる
行政機構
の拡充につきましても、
簡素化
、科学的、
合理的行政事務
の
運営
ということが表向きの問題にはなるのでありましようけれ
ども
、やはり
本質
というものは、
むしろ金
のかかる
国家組織
、金のかかる
行政組織
というものを、さらにますます強めるのであるということに、私
ども
は今の
説明
から了解せざるを得ないのでありまして、さすれば
行政組織法
の一部を
改正
するという、こういうような題目で、しかも
内容
は一年延期するだけなんだというような、こういう
提案
の
説明
は、まさしく
看板
と中身とに偽りあるのであ
つて
、それは
行政
の
簡素化
でもなければ、それに伴う
行政組織法
の一部
改正
でも断じてないというふうに、われわれは理解せざるを得ないのであります。それならそれのような
方法
と、それならそれのような
内容
のある
提案
の
理由
なり、あるいはその
理由
の偽らざる御
説明
があ
つて
しかるべき問題だと私は思うのであります。私
ども
は今の
説明
で、いわゆる科学的合理的な
行政事務
の
簡素化
というような点から、一部
改正
という
法案
が問題にな
つたの
ではないかというふうに残念ながら理解せざるを得ないのでありますが、私はこれ以上の
質疑
はきようはいたさないことにしておきます。
青木正
5
○
青木
(正)
委員長代理
他に御
質疑
、ございませんか。
——
御
質疑
なければ、これより
討論採決
に入ります。
討論
はいかがいたしましようか。 〔「省略」と呼ぶ者あり〕
青木正
6
○
青木
(正)
委員長代理
それでは
討論
はこれを省略いたしてただちに
採決
に入ります。
本案
について御
賛成
の方の御
起立
を願います。 〔
賛成者起立
〕
青木正
7
○
青木
(正)
委員長代理
起立
多数。よ
つて本案
は原案通り可決確定いたしました。 次に、
経済安定本部設置法
の一部を
改正
する
法律
の一部を
改正
する
法律案
について
討論
に入ります。
討論
の通告がありますからこれを許します。
加藤充
君。
加藤充
8
○
加藤
(充)
委員
本
法案
は何でもないような問題のように一応は見えるのであります。ただ
機構
を少しばかりいじ
つた
にすぎないように思うのでありますが、しかしその
本質
は軽々に看過すべからざるものがあるとわが党は了解いたしますので、
日本共産党
としては、この
法案
に
反対
の
意見
を持つものであります。以下簡単に
反対
の
理由
を申し述べたいと思います。 本来、
物価庁
の
縮小化
というような問題は、むしろ廃止することが望ましいというような
意図
のもとに、
物価庁
は戦後取扱われたのであります。しかしまた
経済情勢
の
変化
、
国際情勢
の
変化
というような問題から、数年前のこの取扱い方が、数年後の今日にな
つて
も同じように取扱われなければならないというような
考え方
を、私
ども
は持つのではありませんが、しかしその
変化
の中に見逃し得ない重要な問題をわれわれは見るのであります。たとえてみれば、本国会において今この問題を問題にいたします時期におきましても、
政府
は
自由経済
を原則とする、
統制経済
はやらない、こういうふうなことをい
つて
おるのでありまして、われわれの方から見ますならば、
統制経済
というものは、
物価庁
の
職務権限
の中に常識的な、具体的な現われ方をわれわれは見るのであります。
統制経済
にな
つて
、
やみ
でみんなが苦労をし、そしてまた反面においては、
マル公
というようなもの
自体
も、厳密な
原価計算
から見れば、非常な
独占利潤
を含んだ
独占価格
であ
つた
ということは、否定し得ないのでありまして、
統制経済
の中に、片や独占的な
価格
の
マル公
で
収奪
され、片やまた巧みなる
一環
の
施策
としての
やみ経済
の中で、
戦時
中二重に
収奪
を受けて苦しい
生活
をして来た事実を、われわれは今この時局を前にしてしみじみと、しかも切実に思い返さざるを得ないのであります。
従つて
、
自由経済
を本則とするというような、いわゆる
括弧つき
の
看板
は、ためにするものでありまして、今
日本
が、同時に
吉田内閣
がと
つて
おります政治的、
経済
的な全般の
国政運営
の大
方針
というものは、
自由経済
というものを当然
本質
的に容認できない段階に立ち至
つて
いるし、それとま
つた
く相反する
方向
の
本質
的な
政策
をや
つて
おるのであります。簡単に言うと、
自由経済
というようなものは、
人民
の
不平不満
というものを何とか瞞着しながら
戦時
的な
計画経済
に持
つて
行
つて
しまう、こういう
意図
があると思うのでありまして、その
意図
の端的な現われが、そもそもこの
法案
の
物価庁
の問題に関する取扱い方として出て参
つたの
だと思うのであります。
従つて
結論的に言いますならば、まずこういうような
物価庁
の取扱い方をするという
やり方
になるならば、潔く
自由経済
というような
看板
はおろして後に、中味と形式とが一体と
なつ
たような
法案
の
提出
がなさるべきであり、同時にその
提案
の
理由
が
説明
さるべきであるにもかかわらず、それがなされないところに、この
法案
の
インチキ性
があると私
ども
は思うのであります。
日本
においては、
戦争経済
に巻き込まれずに、
日本
の民主的な
再建
の中に
人民
の
生活
の安定と
向上
が、いわゆる
自由経済
というのとは違いますけれ
ども
、
物価庁強化
というような
資本主義
的な
統制経済
の、この
経験済み
の反
人民
的な
やり方
に基かずして、なし得ると思うのであります。そういうようなことが根本的に問題にならずにこの
法案
の
審議
をするということは、不見識のそしりを免れないばかりでなく、
あと
にな
つて
、
勤労者
を
中心
にした
国民
の大多数から、われわれ
委員会
の、同時にわれわれ議員としての責任を追究されることが目に見えて明らかであろうと思うのであります。一例を引きましてたいへん恐縮には存じますけれ
ども
、
資本主義
的な
やり方
に対抗したものは、りくつじやなしに、
現実
的に
社会主義
的な
施策
を行
つて
おる国があるのでありまして、
社会主義
ないし
社会主義
的な
政策方針
をと
つて
いる
国々
においては、
戦時
中、あるいは、
戦時
中と言わずして戦後の
経済
問題、
人民
の
生活
の安定と
向上
、あるいは
物価
の問題などについてどういうふうな
施策
がとられているか。
資本主義
的な
国々
の
やり方
に対して対比的なものでありますから、私はここに一例を引かさせていただきたいと思うのですが、
社会主義
的な
方針
をと
つて
、
現実
にや
つて
おります
ソ同盟
では、戦後少くとも現在までに三回ほど、
小売物価
の
引下げ
が行われ、そうして
社会主義
の
ソ同盟
では、
勤労者
の文化的な
水準
を系統的に高めるということが着々実行されておる。そうして
人民
の
生活
を安定させる
施策
と相ま
つて
、国の大きな
生産力
の
向上
、こういうようなものが同時になされているのであります。こまかい数字はここで一々引用するのを私は差控えますが、これに反し
資本主義
の
国々
では、幾百万、幾千万の
人々
が、失業と飢えと貧困と絶えざる増税、そうして
一般必需品
の
物価
の系統的な値上りのために苦しんでおるのでありまして、それに
伴つて
、働く
人々
を
中心
にした大多数の
国民
の
大衆
的な
生活水準
というものは、実質的にひどく低下せしめられておるのであります。
アメリカ
の資料などを見まして、
労働者
を
中心
に考えてみても、朝鮮の
戦争
後
生活費
は再び非常に高くな
つて
、一九五〇年の末には戦前の
水準
を八〇%も上まわ
つて
おるということであります。これは実質的に見るならば、それだけ
実質賃金
が低下しておるということであります。従いましてわれわれは、こういう元通りの
物価統制
をや
つて
、この不景気を突破する
方法
として、
資本主義
的な、同時に死の
商人
という有名な
言葉
がありますが、ああいう死の
商人
というようなものを
中心
にした復活、それの
拡大強化
、助長というような
方針
をとらずして、
日本
でもや
つて
行けるはずだと思うのであります。そういう
方法
をとれば、文字通り
括弧つき
のこの
自由経済
は、
括弧
をはずされて行きまするし、同時に、
物価庁
は本来縮小さるべきものであり、ない方がましなものであるとか、またなくさなければならないという御
宣伝
なり御
方針
なりに
従つた
、実質的な裏づけのある、建設的な
方向
に向い得るはずなのであります。そういう
看板
をかけながら、なぜ
統制経済
をさらに一段と強行して行くようなことをするのか。たまたま
法案
に現われたものは、
ちよびつとした氷山
の一角にしかすぎないのであ
つて
、この
提案
が今なされるというそのこと
自体
を、われわれは真剣に考えてみる必要があると思うのであります。こういう
法案
の中にかくされたおそるべき
計画経済
、
戦争経済
、同時に
戦争
への
突入——
われわれが千人針を縫
つた
り、たくさんの人間が
動員
のために肉親と訣別を告げなければならないような、悲惨なことにわれわれがな
つて
しまうということを見のがしてはならないと思うのであります。そういう点から見て、
物価庁
を増強するという
——
そういうことはこれには書いてないのですが、その次には
物価庁
を
中心
にしたもつとひどい
戦時
的な
計画経済
、
人民収奪
の
統制経済
が、これを端緒になされるのは必然なのであります。
従つて
、こういう点からもわれわれは、単に一
部分
の
改正
に
反対
を申し上げるのはおとなげないというような気持でこの
法案
が処理されることについては、非常に
不満
であり、またそういうことについては、大方の識者、また良心のある御勉強な
委員
の方々の関心を惹起しておかなければならないと思うのであります。しかも、こういう
やり方
は、きようの
商業新聞
などにでかでかと取上げられておりまするように、安本の
緊急対策
、
米国
の物
動計画
と同調する
やり方
、こういうことが言われておるのであります。これは、だれがそんなばかなことを、と鼻の先でせせら笑いするだけでは、もう解決のつかない問題なのであります。
物価庁
の一部
改正
というこのささいな問題の中にも、
アメリカ
の大
軍備拡張
のための
動員計画経済
の中に巻き込まれて
行つた日本
の
経済
のいつわらざる
本質
があり、今この
行政機構
の中でも、これを是正せなければならないのだということが、はつきりと露呈されて来ているのであります。一方において、
ポツダム宣言
の命ずるところによりましても、また
現実
のアジヤの諸
情勢
や
国際情勢
にかんがみましても、
日本
の民主的、
平和的再建
を実現する
可能性
が、今や期待ばかりでなく、
現実
に現われつつあるときにおいて、ことさらに一方の
中日経済
を遮断し、あるいは
単独講和
の
方向
に一辺倒いたす、というよりもそれに引きずられて、平和的、民主的な、しかも
国民大
多数の
人々
の
生活
の安定と
向上
の
方向
があるにもかかわらず、それをつかむことをサボリ、あるいはそれをつかもうとするものを弾圧してまでも、一方的に
アメリカ
の大きな
軍事計画
、
戦争経済
の中に巻き込まれて行くような
方向
をとるべきではないと私
ども
は思うのであります。こういうような
法案
は、大きく言えば
戦争経済
への介入の一部の現われであり、同時に
日本
が自主権の回復、
国家
の独立を
民族最高
の悲願としているにもかかわりませず、そういう
方向
には一瞥も与えずして、
自主性
を失い、ひたすらにこの他動的に
アメリカ
の
戦争経済
の中に巻き込まれて行くという、その
施策
の一端として、
物価庁
の
部分
的な
改正
が出て
参つて
おるのであると思うのであります。単に
物価庁
の一部をこの際
ちよ
つとばかり伸ばすとか、あるいは
ちよ
つとばかり手を加えたという問題ではなく、
本質
はそういうものでありまするがゆえに、私
ども
はこの案に
反対
せざるを得ないのであります。
青木正
9
○
青木
(正)
委員長代理
松本善壽
君。
松本善壽
10
○
松本
(善)
委員
私は
自由党
を代表しまして、
経済安定本部設置法
の一部を
改正
する
法律
の一部を
改正
する
法律案
に対しまして、
賛成
の意を表せんとするものであります。
ソ同盟云々
というような言辞を
共産党
の方が言われたようでありまするが、この
改正案
の
内容
というものは、御
承知
のように、あるいは
行政審議会
におけるところの
答申案そのもの
を大所高所から検討して、
行政機関
の大
改革
を行わんというような
意図
に出たものでありまして、このときにあた
つて
、この一部を
改正
する
法律案
というものが出た、もしもこういうような
考え方
から
共産党
の
諸君
が、いわゆる
米国
より指示を受ける
計画経済一本やり
に持
つて
行こうというような
考え方
をなしておると言うならば、あるいはそういう
考え方
もできるかもわからないと思うのであります。しかしながら現在までに考えました、いわゆる
行政官庁
に対するところの
答申案
に対する
改革案
は、
皆さん
が御
承知
であられるごとく、
講和
という問題をわれわれの
議題
として取上げなければならぬ
情勢
に立ち至
つた
場合においては、むしろそれよりも根本的な問題として、こうした一部
改正
の
法律案
が出たということは、むしろその当を得たるものだと私は確信しておるものでございます。従いまして、先ほど
共産党
の
委員
の方から、
自由経済
の
看板
をはずしてやらなければいかぬ。そうして
自由経済
というものはそもそもそういう形態でなくて、
統制経済
をやらんがための
自由経済
じやないかというような御非難もあ
つた
ようでございますが、それはそもそもの
考え方
の相違でございます。その
理由
の一部としまして、いわゆる
共産主義
の
宣伝
の一部ともいわれる、
社会主義ソ同盟
が
小売物価
の
引下げ
をや
つて
おる、それから税金が非常に安くな
つて
おる、かようなことを申されておるようでございまするが、私の知る範囲内においては、少くとも
ソ同盟
が
小売物価
の
引下げ
をや
つて
おるかどうか、
共産党
の
委員
の方が言われたのだから、や
つて
おると
皆さん
は御理解であるかもわかりませんけれ
ども
、私はその言動こそおかしいと思う。ことに中国の大半は今は
中共
というものが占領しておりまするが、
中共
におけるところのいわゆる
大衆——言葉
を
大衆
というならば、
大衆
の
生活水準
を考えてみまするときにおいて、彼らの
支配下
にあると目されるところの
中共
を取上げてみまするならば、ことに
労働者
においては非常に重税が課せられて、かつまた
生活
が非常などん底にあるということは、これは期せずしてわれわれが当然こういうふうにあるべきだと思い、また実際にあるということを私は認識しておるのでございます。従いまして、先ほど
共産党
の
委員
の方が申されましたが、その冷厳なる
現実
によ
つて
、いかなる論理も成り立たぬじやないかということを、私は言いたいのであります。 次に、どうしてしからばこういう問題が出なければならなか
つた
かという第二
理由
としては、先ほ
ども
一応申し上げましたが、われわれといたしましては、
戦争
によ
つて
非常に疲れて来た
国民
の
生活
を、いわゆる
統制経済
というものの
あり方
を
自由経済
という
あり方
によ
つて
、幾分暗夜にともし火を求めるがごとき淡い夢だというような
考え方
は
現実
の
考え方
としては取去
つて
、
現実
の
あり方
として、
国民
の
生活水準
というものは戦後から非常に
向上
しているということを、私
たち
としては見のがし得ざるどころの
現実
であると考えます。従いまして、あるいは
戦争経済
に
生産
を持
つて
行き、また
国民大衆
を苦しめるんじやないかというようなことはま
つた
くの憶測であ
つて
、われわれとしては
戦争経済
によ
つて
得た
経験
によ
つて
、よりよきわれわれの
生産水準
を保たんがための一つの
研究課題
として、かつまたその時宜を得たこととして、どうしてもこういう処置に出なければならなか
つたの
だということをあわせ考えてみまする場合において
共産党
の
諸君
の
反対
の
理由
は、私は了解に苦しむのであります。しかしてわれわれとしては、こうした一部
改正法律案
は、そもそも根底において全面的に満足する
法案
でないということは、この
法案
の
内容
からい
つて
もわかるのでありますけれ
ども
、私
たち先
ほどの
討論
に対してその意を異にするものがあるがゆえに、一言私は
討論
という形で
説明
いたした次第でございます。 これをも
つて
討論
にかえたいと思います。
青木正
11
○
青木
(正)
委員長代理
船田享二
君。
船田享二
12
○
船田委員
結論的には
国民民主党
は本
法案
に
賛成
いたします。しかし
政府
はあらゆる
機会
に
統制
の撤廃、
自由経済
への復帰というようなことを唱えますとともに、他方において
行政機構
の
簡素化
、
行政整理断行
ということを公言しておるのであります。そうした
立場
からいたしまするならば、
物価庁
というようなものは、その
機構
をできるだけ早く縮小する、あるいはさらに廃止するのが当然ではないかと思
つて
おるのであります。それにもかかわらず、
提案
の
理由
を拝見いたしますと、最近の
経済
諸
情勢
の
推移
にかんがみというようなことがありますが、こういう
経済
諸
情勢
の
推移
にかんがみて本
法案
のごときものを
提出
いたさなければならない、
あと
一年このままの
機構
で
物価庁
を続けて行かなければならないということになりましたことは、少くともこの
部分
に関して
政府
の根本的な態度をかえなければならなくな
つて
来ておるのだということを物語るものと言わなければならないのであります。われわれはもちろん最近の
経済
諸
情勢
の
推移
その他にかんがみて、新しい
立場
からする計画的な
経済政策
というようなことを考えなければならず、それに応ずる
行政機構
を整える、もちろんその新しい計画的な
経済
ということは、今
お話
がありましたような
戦争経済
というようなことでないことは言うまでもなく、あくまでも平和的なわが国の
経済自立
を目ざすものであることは、お断り申し上げるまでもないと思うのであります。それに応ずる
行政機構
を整備して行く、その
一環
として
物価庁
のごときものを一応存続せしめまして、その
機構
及び
運営
を根本的にかえて行くのが適当であろうというふうに考えまして、本
法案
に
賛成
するものでありますが、
賛成
すると同時に、今申し上げましたような
政府
の根本的な
方針
と、本
法案提出
との間の
矛盾
のごときものを、
政府
におかれましてはほんとうに虚心坦懐に反省せられて、まじめにこれに対する
対策
を考えられること、ことに具体的には存続せしめられる
物価庁
の
機構
及び
運営
について、十分な反省を加えられんことを強く要望いたすものであります。
青木正
13
○
青木
(正)
委員長代理
鈴木義男
君。
鈴木義男
14
○
鈴木
(義)
委員
私も
船田
君の御
意見
と同じように、
自由党
が
自由経済
を主張して、
統制
をできるだけ撤廃しようとしているにもかかわらず、
物価庁
を今の
機構
のまま存置することは
自己矛盾
であるということをはつきり指摘しておきたいのであります。しかしそれは
自由党
の
立場
においての
矛盾
でありまして、われわれの
立場
からは
物価政策
は非常に重要な
意味
を持ち、ある
意味
で
計画経済
を立てて行くためには大事な
中心
的な
官庁
になるのでありますから、われわれとしてはこれを存続することに
賛成
であります。ある
意味
においては、
経済状況
の
推移
にかんがみ、もつと強化しなければならぬとさえ考えている次第であります。そういう
意味
で、われわれの
立場
において
賛成
するのであります。 それから
加藤
君からるる
物価政策
をいかに扱うべきかという問題を論ぜられましたが、これは
物価庁
という
機関
の存続問題とは別の問題でありまして、むろん大いに示唆されるところが多いので、われわれはまたわれわれで別に
社会民主主義
の
立場
から
物価政策
を大いに考えているのであります。それでこの存置せしめた
物価庁
をしてどういうふうに働かせて行くかという
問題等
は他の
機会
に
意見
を開陳したいと思う。ただいまはただいま申すような
意味
において
賛成
の意を表しておきます。
青木正
15
○
青木
(正)
委員長代理
討論
はこれにて終了いたしました。これより
採決
に入ります。
本案
に
賛成
の方の御
起立
を願います。 〔「
賛成
者」
起立
〕
青木正
16
○
青木
(正)
委員長代理
起立
多数。よ
つて本案
は原案の通り可決いたしました。 本日議決いたしました両案に関する
委員会
の報告書の作成につきましては、先例によりまして、
委員長
に御一任願いたいと思いますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
青木正
17
○
青木
(正)
委員長代理
ではそのようにいたします。 —
——
——
——
——
——
——
青木正
18
○
青木
(正)
委員長代理
次に
警察予備隊
に関し
政府
より
説明
を聴取いたします。増原
警察予備隊本部
長官。
——
なおこの際
ちよ
つと申し上げておきますが、午後一時から予備隊の方を視察することにな
つて
おりますので、本部長官の御
説明
をごく簡単に願い、御
質疑
等も、できることならば現地を視察したときに時間がありますので、そうお願いしたいと思います。
増原恵吉
19
○増原
政府
委員
本日午後
委員
各位の御視察をいただくことにな
つて
おりますので、現地で事情をごらんになりながら、私
ども
の
説明
を聞いていただきたいと考えております。実は本日この
委員会
で私が御
説明
をするということは聞いておらなか
つたの
であります。ごく簡単に現在の予備隊の状況を御
説明
をいたします。 現在の予備隊は一般募集をいたしました隊員と特別に任用をいたしました若干の幹部と合せまして、七万五百名ばかりの数字に今相な
つて
おるのであります。約三十の営舎に分駐をいたしておりまして、最初十三週間の訓練というのを行いましたが、現在は第二回の十八週訓練という
方向
に入りました。最初の十三週間においては個々の教育訓練というものが主でありましたが、十八週訓練においては中隊、大隊等の大隊単位までの部隊的な行動訓練を行うということにして、今訓練をいたしておるわけであります。 昨年末に一般募集をいたしました隊員のうちで、試験をいたしまして約三千の幹部の任用をいたしたわけであります。現在のところはおおむね幹部が任命をされて
——
まだ全部整備したところまでは至
つて
おりませんが、おおむね幹部の整備を終
つた
、そうして十八週訓練を行
つて
おるという段階であります。 現在の営舎はさきに御質問にお答えをいたした通りで、経費を節減をするという点に相当の重点を置き、またすみやかに営舎を得られるということのために、既設建物を利用いたしましたが、警備上の観点から営舎を選択するという
意味
では、相当の難点があ
つたの
であります。それにかんがみまして、現在四つの管区本部をそれぞれ新設することにいたしまして、北海道は札幌市、第一管区関東方面は東京都、第三管区近畿中国方面は兵庫県の伊丹市、第四管区九州方面は福岡市に、それぞれ地を選びまして、おおむね設計を完了し、近く工事請負に付するという段階に立ち至
つて
おるわけであります。 なおこの管区本部の新設に付随をいたしまして、警備的な観点からする部隊の配置を考慮をし、若干の営舎を、これは既設建物を利用するものもありまするし、新築するものもありまするが、新たに営舎を設置したいと思いまして、数個について今手続を進行いたしておるわけであります。但し本年度二百億の予算をもちましてなす計画は、まだ部隊配置も警備上の観点からも満足すべき状態には到達できません。来年度も引続きまして部隊の配置が之等のことを考慮をして参りたいというふうに考えておる次第であります。 部隊における武装は、先般年が明けましてから
機関
銃
——
マシン・ガンを貸与されまして、本日御視察の際に実物をお目にかけるつもりでありまするが、これはもちろん隊員全体に渡るというふうな種類のものではありません。数は少数でありまするがこれの訓練を今や
つて
おるわけであります。
あと
機動用の車両等の購入につきましては、現在調弁の関係が非常に困難でございまして、関係方面とも折衝をし、業者とも協議中であります。年度内に一応契約をすべきものについて今手続を進行中であります。機動用のトラックとしては、現在までに約四百両ばかりを入手いたしましたが、二十五年度予算による契約として、
あと
千二百両程度を購入いたしたいというふうに考えておるわけであります。 通信設備は、有線電話は現在電通省のものを利用するわけでありますが、他に無線系統による独自の通信を持ちたいと考えておりまして、これは今年度内においてはやはり若干の機械の購入契約を締結するという段階にしかまだ到達できないのであります。その準備を現在整えておる状況であります。 一応概略を申し上げまして、
あと
は御視察の際に詳細に申し上げ、また御質問にお答えいたしたいと思います。
青木正
20
○
青木
(正)
委員長代理
御
質疑
ありませんか。
——
松本
君簡単に御
質疑
を願いまして、詳しいことは現地で……。
松本善壽
21
○
松本
(善)
委員
時間もありませんし、一時という時間を厳守されるということでありますから、簡単にお聞きしたいと思うのであります。ただいま概要について御
説明
をお聞きし、また現地において
説明
をいただくと存じまするが、気づきまする点について簡単にお答え願いたいと思います。私
たち
は
皆さん
の努力に対しては非常に敬意を払
つて
おるものでありますが、
講和
条約が目の前にあり、またダレスさんがおいでにな
つて
、
国民
としての観点からも二、三お尋ねしたいことがあります。 まず第一点といたしましては、
講和
の問題を取上げて
討論
された結果においても、総理の
言葉
にもあ
つたの
ですが、まずわれわれが自衛権を確認する。間接侵略というものがあるとするならば、間接侵略に対応するには予備隊の整備によ
つて
対抗するよりほかないということを申しておりますが、現在の予備隊の定員は、私が聞いておるところによると七万五千名ということでありますが、ただいま長官の方からの御
説明
によりますれば、七万五百名ということであ
つたの
であります。この定員はどういうわけで与えられた定員が満たされないか、それでも
つて
間接侵略に対する予備隊の整備ができておるかどうかということについてまず簡単に御
説明
願いたい。
増原恵吉
22
○増原
政府
委員
定員の問題は、当初もとより七万五千を充足する予定で、一般募集の中から七万四千数百名を採用したのでありました。部隊に入
つた
後諸種の事情で隊を去る形に
なつ
たものが出ましたので、現在定員が相当の欠員を生じておるわけであります。隊を去りました原因の一番大きなものは、隊員の都合によるものでありますが、その都合のうちで一番数の多い
理由
は、隊に入ります際に、自己の能力なり経歴なりからいいまして、入
つた
後には幹部になろう、なり得るだろうという予測のもとに入
つて
来た人
たち
が、先般来施行をしました試験で、もとより幹部になる数は限定をされておるわけでありまして、いわゆる経歴上、あるいは学歴その他で幹部になり得るという人は非常に多いわけでありますが、
現実
には四千名くらいの人が幹部に
なつ
たということで、自分の志と違
つた
人、そうして一面には普通の隊員では家族を養うだけの俸給が十分でない、幹部になれば家族を養うことができるという
経済
面もあるわけでありまして、幹部になることを予期して入
つて
来て、試験が首尾よくパスしなか
つた
人
たち
のうちから隊を辞する人が、数においては一番多いのであります。そのほか病気その他の
理由
もありまして、中には適当でないという
意味
で、こちらからやめさせたものもおります。そういうものはごく少数でありまして、大
部分
は自己の都合で、その都合は、やはり試験にうまく受からなか
つた
という
意味
合いの人が一番多いわけであります。そういうことで現在欠員を生じておるわけであります。この補充は当然われわれとして考慮をするわけでありますが、部隊の性質上、少数のものを募集によ
つて
とることは適当でないと考えますので、少くとも五、六千の数を最低と一応考えられますが、これは近い将来に隊員募集のことをさらに具体的に考えて、実施をして参りたいと考えております。
松本善壽
23
○
松本
(善)
委員
たいへん御丁寧な御答弁ですが、時間もありませんから、一問一答でお答え願いたいと思います。私も簡潔に質問してみたいと思うのです。一応定員については了承いたしましたが、次にその訓練の
内容
についてであります。聞くところによりますと、大阪あるいは札幌方面ではすでに訓練が終
つた
ということも聞いておるのでありますが、先ほどの四地区のうち東京と福岡の訓練はいつごろ終る見込みなのであるか、今第十八週の訓練をしておるというが、この訓練の完了すると思われる時期はいつかという見通しを承りたいと思います。
増原恵吉
24
○増原
政府
委員
最初の十三週訓練は多少の遅速はありますが、大体年内で全国終
つたの
であります。そうして第十八週訓練はおおむね本年の一月十五日に開始をいたしましたので、十五日から起算をいたしまして十八週をも
つて
大体一齊に終る予定であります。
松本善壽
25
○
松本
(善)
委員
それから聞くところによりますと、これは新聞紙上であるから、お答え願わぬでもけつこうでありますが、お答え願えたらお答え願いたいと思います。大体訓練が終
つた
ならば、進駐軍というものは四分の一程度にしたらどうかというような風説もあるが、これに対するところの訓練ができておるかどうか、もしも四分の一ぐらいしか残らなか
つた
というようなことに
なつ
た場合に、現在の定員不足、あるいはその他の訓練の状況から、そういうような時期までには必ず訓練が完成するかどうか、予想でありますが、お答え願えるならばけつこうであります。
増原恵吉
26
○増原
政府
委員
ただいまの御質問には私の方から
ちよ
つとお答えをいたしかねます。
松本善壽
27
○
松本
(善)
委員
それから予備隊の現在における活動状況についてでございますが、訓練は先ほど
説明
にあ
つた
通りでありますが、実際の予備隊の使命におけるところの活動、この点について二、三実行し、あるいは予定しようというものがあるならば、いわゆる実行的なものがありとするならば、それを承りたい。
増原恵吉
28
○増原
政府
委員
ちよ
つと御質問の趣旨がわかりかねますが、活動状況は、現在まで予備隊がいわゆる総理の命令によ
つて
出動したことは一回もございません。営舎の近所に火事があ
つた
というようなときに、隊員がお手伝いをしたというようなことはありますが、これは出動と解すべきではないのでありまして、現在までのところまだ出動をいたしておりません。しかしわれわれの方では出動命令がありましたならば、出動して適切な措置がとれるように、訓練を鋭意や
つて
おるわけであります。
松本善壽
29
○
松本
(善)
委員
それから
警察予備隊
の任務の観点に立ちまして考えます場合において、さらに私
ども
が運輸省におけるところの海上保安庁というものの任務を合せ考えてみました場合において、予備隊におけるところのいわゆる沿岸警備ということとの関連性、あるいは打合せがしておるかどうか、あるいはこれに対する打合せもまだ全然したことの覚えがないのか、いわゆる現在の
あり方
を伺いたい。
増原恵吉
30
○増原
政府
委員
御
承知
のように、予備隊は一般の
警察
が処置しがたいような事案を総理の命令によ
つて
出動して措置するということでありまして、第二線にある
警察
力であります。第一線は国警なり自治警なりであります。また海上方面は海上保安庁がこれを引受けておる。第二線的な仕事を予備隊は受持つわけであります。なお現在の建前は、
警察予備隊
の任務は国内の治安維持という
言葉
ではありますが、海上方面についての分担は現在のところ具体的には考えておらない状態であります。また別の観点から言いまして、海上保安庁の方と、警備の関係について具体的な打合せをするという問題は、まだその段階に至
つて
おりません。
松本善壽
31
○
松本
(善)
委員
そういたしますれば、
国民
としては、
警察
というものの
考え方
を非常にまぎらわしいものにしておると私
ども
は思
つて
おります。長官としてこのまぎらわしいところの
考え方
を幾分でもわれわれにお示しいただければけつこうだと思います。
警察予備隊
と、それから
国家
警察
、及びいわゆる自治体
警察
というようなものが、
国民
の前に
行政機構
として示されておるのであります。このようないわゆる三本建におけるところの
警察
行政
というものに対する
考え方
をお示しいただきたい。
増原恵吉
32
○増原
政府
委員
日本
の
警察
は御
承知
のように、
戦争
中までは一本の
警察
であ
つたの
であります。関係方面の勧告なり示唆なりに基きまして、国警と自治警にわかれたわけであります。これは新しい
警察
のいわゆる民主的な地方分権的な思想を、
警察
の組織の中に取入れるという、重要な思想的な基礎から出たものであります。その
意味
においては国警なり自治警なりは相当の成果をあげたものと私
ども
は考えております。一方犯罪検挙の能率という面からみますると、国警と自治警にわかれますることには、ある程度欠陥があることは
皆さん
すでに御指摘にな
つて
いるところであります。そうした組織のほかに、さらに
警察予備隊
というものが第二線的な任務を持
つて
生れたのでありまするが、一本の
警察
ですべてを処理するということに比べますれば理解の不明確なこともあるし、相互に共同の面において欠けるところも出て来るというおそれのあることは当然であります。しかし
警察
の
運営
というものが、ただ一筋に検挙能率その他いわゆる
警察
力の効率的な発揮のみを考えるわけにもいかない、理念的なまた
現実
的な問題もあるわけでありますから、これを完全に一本にしてしまうことが最もよろしくて、その
方向
にただ邁進するというわけには当局としてもなかなか行きかねる事情があるわけであります。現在のところ、われわれの建前は国警、自治警、それと第二線的な
警察予備隊
というものがよく協調をして、必要な
警察
力発揮に効率を上げるよりほか
方法
はないと考えております。
松本善壽
33
○
松本
(善)
委員
時間もありませんから簡単にお答え願いたいのでありますが、民主
警察
の
あり方
につきまして、
米国
におきましては、十人の犯人を走らしめよ、一人の無辜をつくるなかれというようなことが言われていると聞いております。私
ども
は、か
つて
の特高
警察
のようなものの
再建
を求むるものではないのでありますが、現在の国内治安の動向から申しますならば、近くは大阪、神戸方面の朝鮮人の騒擾事件、また数日前十条において三千名の朝鮮人の騒擾罪に近いような事件ができていることを耳にし、こういうようなことがどしどし出て来る
可能性
があるのではないかと思う。この前の情報によりますと、
警察
あたりではほとんどその処置に困
つて
予備隊に救援を求めたというような
現実
でありますが、こういうようなことがわれわれ
国民
の前に示されるならば何とかしなくちやならぬと思うので、
警察予備隊
と警視庁の予備隊に
機構
上の区別があるならば、どんな立て方をしているか伺いたい。
増原恵吉
34
○増原
政府
委員
先ほど申し上げましたように、予備隊は第二線的な任務を持
つて
おるのでありますから、警視庁が鎮圧できるような事件には
警察予備隊
は出ないわけであります。また普通の交番その他におる者のほかに、警視庁として予備隊を設置しておるのでありますから、集団的にその予備隊を
運営
して、治安の措置に警視庁として当るわけであります。なお現在の警視庁で手にあまるという場合は、国警方面に応援を請求するというのが一応の建前でありますが、国警の応援をも
つて
してもなお措置ができないという場合には、予備隊が総理の命によ
つて
出動して治安の措置をする、こういう建前であります。
松本善壽
35
○
松本
(善)
委員
その点に
ちよ
つと疑問があるのです。
アメリカ
の
委員会
制度、サークル制度のよい悪いは別といたしまして、たとえば騒擾事件が起きた場合、それを鎮圧する直接の責任はだれかというと、今の
あり方
は知事、公安
委員長
、それから長官が負われるわけです。ところが
政府
の
委員会
というものも中間
機関
としてあり、非常にややこしい
現実
であると思うのであります。この問題はわれわれ別の
機会
において
研究
いたさねばならぬことでありますが、朝鮮人の騒擾事件が二回にわた
つて
起きており、今後も絶えずそういうことが起るではないかと思う。そういうときに、今のような中途半端な訓練の
あり方
では、
国民
は安心して
職務
を全うして行くことができない、かように私は考えるものであります。従いまして、今後はでき得るならばこれに対して責任を持つ一省を設けてもらいたい。か
つて
読売新聞にも治安省なるものの設置についてどうかということが出ていましたが、どうしてもそういう
方向
に持
つて
行かなければ
国民
は安んじていることができないではないか、かような考えをいたすものであります。 最後に、時間もありませんから、経費の二百億の消費状況について、簡単に御
説明
願います。
増原恵吉
36
○増原
政府
委員
二百億の使途のうち、おもなるものを拾
つて
みますると、営繕費約四十億、被服費三十三億、車両費二十億、寝具毛布等十億、そういうものが主要な経費であります。
松本善壽
37
○
松本
(善)
委員
二十六年度の一般会計では百六十億計上されているが、これで十分であるかどうか、お答え願いたい。
増原恵吉
38
○増原
政府
委員
われわれの
立場
として、実は十分であると申し上げかねるのは残念ですが、財政の都合でがまんをして行かなければなるまいという建前であります。
松本善壽
39
○
松本
(善)
委員
現在予備隊員は五千円ベースでや
つて
いるということを耳にするのでありますが、この点はどうですか。
増原恵吉
40
○増原
政府
委員
五千円ベースという建前は全然と
つて
おりません。予備隊員の給与が一般隊員の場合平均約五千円というふうなことを申したことがあるわけでありますが、これは一等警査、二等警査、警査長、一等、二等、三等
警察
士補というようなものを含めての当初の大ざつぱの
考え方
であ
つた
わけであります。
現実
は最初の任官者二等警査が四千五百円で始まるわけであります。今資料を持
つて
おりませんので、はつきりした数字は午後の
委員会
にでも申し上げたいと思いますが、平均は二等警査、一等警査、警査長、士補を合せますると
——
士補には俸給と家族手当を出すわけでありまして、これを加えますると六千円近い数字になるわけであります。俸給としての
考え方
には、被服その他実物給与といたしまして食費などを含めることが普通当然の
考え方
でありまして、予備隊の幹部を除きました一般隊員につきましても、五千円ベースというような低いものでは絶対にないわけであります。
松本善壽
41
○
松本
(善)
委員
講和
条約が締結されるというようなことが問題にな
つて
おる場合において、国連
警察
軍というようなものがあることを知
つて
おるが、この
警察予備隊
はそれに加入する
研究
をしておるかどうか。あるいはこういう観点については、まだ全然
研究
してないかどうか。この点お伺いいたします。
増原恵吉
42
○増原
政府
委員
その問題は、まだ公の形においては、正式に
研究
いたしておりません。
松本善壽
43
○
松本
(善)
委員
以上で終ります。
青木正
44
○
青木
(正)
委員長代理
質疑
はこの程度にいたします。 —
——
——
——
——
——
——
青木正
45
○
青木
(正)
委員長代理
この際お諮りいたします。本
委員会
におきましては、会期の初めにおきまして、国政調査の事項といたし、
行政機構
に関する事項を
議長
の承認を得て調査して参
つたの
でありますが、さらに現行恩給法
改正
に関しましても立案に当りたいと存じますので、この際現行恩給法
改正
に関する事項について
議長
の承認を求めたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
青木正
46
○
青木
(正)
委員長代理
御異議がなければさようとりはからい、所要の手続は
委員長
において行います。 —
——
——
——
——
——
——
青木正
47
○
青木
(正)
委員長代理
なおこの際恩給法一部
改正
に関する小
委員会
を設置いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
青木正
48
○
青木
(正)
委員長代理
御異議がなければさようにとりはからいます。 小
委員長
及び小
委員
の選任につきましては、御一任願いたいと存じますが御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
青木正
49
○
青木
(正)
委員長代理
御異議なければ小
委員
はその数を七名といたし、
青木
正君 江花 靜君 坂田 英一君
松本
善壽
君
船田
享二
君 松岡 駒吉君
加藤
充君といたし、小
委員長
といたしましては江花靜君を選任いたしたいと存じます。 なお先日の
委員会
において決定いたしました建設
委員会
との連合審査会は、
委員長
において協議の結果、大体来る十三日火曜日の午後一時から開会いたしたいと存じますから、さよう御了承願います。 また本日午後視察いたすことにな
つて
おりまする
警察予備隊
の視察は午後一時でありまして、正面玄関からバスが出ます。正一時の時間厳守ということにな
つて
おりますので、特にその点御注意願います。 本日はこれにて散会いたします。 午後零時三十四分散会