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玉置政府委員 御
承知のように、
度量衡法は非常に古い歴史を持
つております。わが国の
度量衡関係におきましては、いわゆる尺貫法、ヤードポンド法、メートル法、この三者が過去のある時期におきましては同時に
施行されて、あらゆる面で非常に不都合も出てお
つたわけでありますが、大正十年以前から、いかにこの基本を持
つて行くかということを慎重
研究されました結果、大正十年にメートル法を基本にして、
一定期間尺貫法、ヤードポンド等を併用するということが決定されたわけであります。その後その国策にのつとりまして、メートル法を基本とするという
方針のもとに一貫しまして、あらゆるメートル法
普及の努力が続けられて来たのであります。すでに教育面におきましては、三十四、五歳の
方々までメートル法を基本として教育をされて来ておるのであります。二十四、五歳の方はメートル法一本の教育を受けて来ておられると思うのであります。教育
関係におきましてもそういうことで、これはもう
日本全国、都会も農村におきましても、全部その教育を
施行されて来ております。また
業界におきましても、すでに百パーセントメートル法を実施されておるというところも相当出ておりまして、その
方針が推進されて参
つたのでありますが、多少これをチエツクしたというか、遺憾ながら戦争中その推進力が鈍
つたということは言い得るかと存ずるのであります。
(高木
委員長代理退席、
委員長着
席〕
そういう
方針でずつと一貫をして参
つておりまして、この
法案におきましても、メートル法を基本にして行くという根本基調におきましては、これを踏襲したのであります。しかもその併用期間におきましては、昭和十四年に、昭和三十三年の末までにするということが確立されておるのでありまして、この点におきましても、
現行法のまま踏襲をして参り、
施行法案の方にそれを掲げた次第でございます。その三十三年末以後において尺貫法がどういうふうになるかというお尋ねでございましたが、この点は
現行法でも同様でございまして、いわゆるメートル法を実施しますのは
取引、証明に用いる場合に限るのでありまして、それ以外の家庭において用います場合とかいう場合には、これはあえてメートル法に
統一する必要もなければ、またその予定もしていないのであります。
ただ取引、証明におきましても、土地、建物に関しましては土地台帳、建物台帳等の
関係がございまして、これはその準備の完了することが前提になるのでありますから、本
法案におきましては、昭和三十三年十二月三十一日以後において政令で定める日ということで、土地、建物につきましては、三十三年末以後
一定の日までそれを存続する、逆に言いますとそういうことに相なるわけでありまして、それまでに準備を進めて行くということに相
なつておるのであります。また貿易、輸出輸入等におきましては、これは諸外国との
関係がございまするので、その後におきましても貿易
関係はヤードポンド法、尺貫法を使う場合がございましたならば、これも引続き使用できることに相
なつております。またその他学術上の場合とか、この
法案で参りますれば、その他政令で定める場合というようなことに
なつておりますが、そういう貿易、学術上の場合、その他抽象的に言いますと、
取引、証明以外に用いる場合等は、尺貫法も用い得ることに
なつておるのであります。その後の
計量器、
度量衡器についてどういうふうになるのかというお尋ねがございましたが、
現行法ではその点は
検定は打切る、こういうことが明文に書いてあるのでございますが、
ただいま申し上げましたように、ヤードボンド法、尺貫法が使用されるものが残
つておりまするので、この範囲におきましては依然
検定も続けて行かなければならぬことに相
なつて、
検定を続行しようということに相
なつておる次第でございます。