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1951-05-15 第10回国会 衆議院 通商産業委員会 第26号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十六年五月十五日(火曜日)     午後一時四十四分開議  出席委員    委員長 小金 義照君    理事 高木吉之助君 理事 中村 幸八君    理事 高橋清治郎君 理事 今澄  勇君       今泉 貞雄君    江田斗米吉君       小川 平二君    澁谷雄太郎君       中村 純一君    金塚  孝君     早稻田柳右エ門君    加藤 鐐造君  出席政府委員         通商産業事務官         (通商機械局         長)      玉置 敬三君  委員外出席者         通商産業事務官         (通商機械局農         林民生機械課         長)      坂上國三郎君         專  門  員 谷崎  明君         專  門  員 大石 主計君         專  門  員 越田 清七君 五月十五日  委員河野金昇君及び中村寅太君辞任につき、そ  の補欠として早稻田柳右エ門君及び松本太郎  君が議長の指名で委員に選任された。     ————————————— 本日の会議に付した事件  小委員補欠選任  公述人選定に関する件  計量法案内閣提出第一三七号)  計量法施行法案内閣提出第一四〇号)     —————————————
  2. 小金義照

    小金委員長 これより会議を開きます。  日程に入る前に御報告を申し上げます。委員中村寅太君が本日委員を辞任せられましてその補欠として松本太郎君が選任せられました。小委員の配属につきましては、河口陽一君のあと松本太郎君が襲うことといたします。  次に計量法案審議に入ります。まず公聴会公述人選定についてお諮りいたします。公述人といたしましては機械学界代表芝浦工業大学長松縄信太君、日本学術会議代表日本学術会議議員池田正二君、製造者代表大和製鋼専務度量衝工連会長小野龍三君、府県代表京都府権度課長山本榮吉君、同じく府県代表茨城県権度課長横谷忠政君、市町村代表横浜市役所度量衡係八木房雄君、管理員代表神奈川計量自治会会長堺田秀敏君、使用者代表官庁側郵政省官房資材部用品研究課朝見光君、使用者代表日新化学大阪製造所技術部検査課権係長林義一君、言論機関代表共同通信社社会部長高田秀二君、一般公述人尺貫法存続連盟理事長橋本五雄君、佐藤製衡所顧佐藤衡治君、以上各界代表十二名を公述人といたしたいと存じますが御異議はありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  3. 小金義照

    小金委員長 御異議がなければさよう決定いたします。  なお公述人の氏名の多少の異動につきましては、委員長及び理事に御一任をお願いいたしたいと存じます。
  4. 加藤鐐造

    加藤(鐐)委員 ちよつと議事進行について。高圧ガス取締法案審議もおそらく引続いて行われると思いますが、私は高圧ガス取締法案重要性にかんがみて、対象となる企業の実態を十分調査する必要があると思います。それで業界代表というような人を参考人として呼ぶとか、あるいはまた代表的な二、三の工場を視察するというようなことを審議に先だつて行うべきではないかと思います。
  5. 小金義照

    小金委員長 ただいま加藤委員からしごくごもつともな御発言がありました。参考人を呼んで御意見を伺うこと、または工場現場視察等につきましては、ただちに理事会を開きまして、決定いたした上に善処いたしたいと思います。  それでは計量法案及び計量法施行法案一括議題といたしまして質疑に入ります。質疑の通告があります。順次これを許します。中村幸八君。
  6. 中村幸八

    中村(幸)委員 私はただいま一括議題となりました両法案につきまして、いろいろな面から御質問いたしたいと思います。  現行度量衡法は、先般の提案理由の御説明にもありましたように、明治四十二年の制定にかかるものでありまして、その後大正十年メートル法採用改正を初め、数次にわたつて改正はせられましたが、なおその根本の思想については、制定当時と大した変化はなく、今日の実情にそぐはない点が多々あるのであります。そのために学界業界あるいはまた計量器使用者というように、各方面から現行度量衡法改正の要望が高まりまして、国会におきましても、数次にわたり同法の改正促進建議案が提出されたこともあるのであります。今回政府におきまして、現行度量衡法を全面的に改正いたしまして計量法並び計量法施行法案を提案されましたことは、計量の適正を確保し、経済発展と文化の向上に寄与するところ、まことに大なるものがあると確信いたすものでありまして、この点喜びにたえないのであります。そこで私は、以下順次法案の順に従いまして御質問をして行きたいと存じます。  まず現行度量衡法は、長さ、面積あるいは体積というように、九つの単位について規定いたしておるのでありまするが、今回の計量法はそれらのものに加えまして、時間、速さ、加速度というような、数多くの計量単位規定いたしておるのであります。これはどういう理由追加したのでありまするか、また今後もあるいは追加するものができて来るお見込みであるか、それらの点につきまして、まずお尋ねいたしたいと思います。
  7. 玉置敬三

    玉置政府委員 今回追加いたしましたものは、先ほど御質問の中に、ございましたように、従来の度量衡法規定してあるもの以外につきまして、二十三追加いたしてございます。御承知のように、従来からも追加は徐々に行われて来たわけでございまして、明治四十二年制定されました当時は、長さ、面積体積、質量という四単位が使用されておつただけでございますが、その後経済発展取引向上等によりまして、逐次単位追加されて参つて来ておるわけでございます。その後、先ほどのお話にもございましたように、順次経済取引がかわりまして、あらゆる単位が各分野に使用されるように相なつて来ておるのであります。今回取上げました二十三単位につきましても、すでに現在経済取引上また証明上一般に使用されておる単位追加いたした次第で、ございまして今後も順次その情勢に応じまして、追加をして行きたいと考えております。
  8. 中村幸八

    中村(幸)委員 この計量法案におきましては、毒気関係単位を取上げておらないように思うのでありますが、その理由はどういう点にあるのか、この点をお聞きしたいと思います。
  9. 玉置敬三

    玉置政府委員 現在の度量衡関係におきましては、電気関係電気測定法というので、別個の法律ができておるのであります。理論的に申し上げますれば、あらゆる単位を網羅するという点から考えますれば、一括した方がきわめて便利であり、理想的のように考えるのでありますが、従来法律二つ法律にわかれておつたことと、またその内容におきまして、相当一般度量衡と違えておるのであります。たとえば従来の度量衡あるいは今回の計量法案におきましては、製造事業等に対しましては、許可主義とつております。電気測定法の方におきましては、形式承認主義をとりまして、度量衡の対人的なのに対しまして、いわば対物——物的の方を重視してやつておるのであります。また度量衡法におきましては、中央府県市町村というものが検定を行い、また取締り府県市町村行つておるのでありますが、電気関係におきましては、府県市町村を使わないという現状になつておりまして、先ほどのあらゆる点と相当違つた歩み方をして来ておるのであります。従いまして今回も、従来のやり方、また一般業界受入れ方におきまして、相当違つた点がございますので、これを分離いたした次第でございます。いずれ近く電気測定法におきましても、最近の経済界進歩発展に即応いたしまして、改正をされることに相なつておる次第であります。
  10. 中村幸八

    中村(幸)委員 ただいまの御説明でよくわかりましたが、電気関係単位とその他の単位が、別な法体系によつて支配されるということは、取締りあるいは検定の主体を異にし、あるいはまた取締りの効果を異にする。その他いろいろな面におきまして、不利不便な点も多々あると思うのであります。なるべく近い機会に、この両体系を同一にするように心がけていただきたいと思います。  次に伺いたいことは、現行法では、計量器製造あるいは修理事業につきまして、免許制とつておるのでありますが、今回これを改めて許可制にした理由はどこにあるのか、またこれを自由営業にしなかつたというのは何ゆえであるか、この点をお伺いしたいと思います。
  11. 玉置敬三

    玉置政府委員 現在の度量衡法におきましては、製造修理販売につきまして免許制をしておるのでありますが、これをつくりました当時は、いわゆる免許と申しますと、特権を付与するという法律解釈に相なると思うのであります。しかしながら情勢進歩に呼応して、特権を付与するということが相当違つた扱い方なつておつたのであります。それを計量法案におきましては、そういう特権を付与するという観念をなくしまして、一定の、たとえば基準器でありますとか、検査設備とか、製造設備等を備えるものにつきましては、当然許可をしなければならぬということで、あらゆる業界の多数の方々の進出することを期待するとともに、その進出される方々に対しまして、一定技術水準を確保するという意味合いから、許可制度をとつた次第であります。また一面におきまして、なぜ自由営業主義にしなかつたかという御質問でございますが、大体世界のこういう業界に対する法律的の扱い方としますと、先ほど電気測定法のところで申し上げましたように、形式承認主義をとるという考え方一つ、それから許可主義をとるという考え方一つあと自由営業という、三つ考え方があろうと思うのであります。御承知のように、日本の今までのあり方が、免許主義というような、特権を付与するというような法律構成で参りましたことと、また一面におきましては、この度量衡がきわめて優秀な度量衡器製造しなければならぬ、逆に不正な度量衡器製造されることを防止しなければならぬという、積極消極の両面から、これを一定基準を持つた営業者を確保するという必要がございますので、自由営業制度をとらなかつたわけであります。
  12. 中村幸八

    中村(幸)委員 計量器製造事業は、通産大臣許可を受けることを必要といたしております。また修理事業都道府県知事許可を必要としております。さらに販売事業都道府県知事登録を得ることを必要とする、こういうように、製造修理販売の三者に対しまして、それぞれ異なつた方式をとつておるように思いますが、そうした区別をした理由はどこにあるか伺いたいと思います。
  13. 玉置敬三

    玉置政府委員 製造事業許可する場合には、法案にもございますように、一定基準器検査設備製造設備等を必要とするのでございまして、これらを検査といいますか、許可を定めるにつきましては、相当な知識技術がいりますことと同時に、試作品をつくらすことになつておるのであります。これは非常に設備もいり、また高度の技術もいりまして、これに基いて判断をする必要があるのでありまして、一地方的な立場からこれを判断されることは、全体の発展を阻害することになります。全国的な立場から、しかもこれらの試作品を高度の技術によつて試験をするということになりますと、どうしても中央でやることが一番理想的であり、好ましい姿と考えまして、製造事業につきましては許可通産大臣にしておるのであります。但しそういう概念に入らない、必要性のないもの、たとえば竹でつくりました長さ計のようなものにつきましては、一部この製造事業許可地方庁長官権限に委任しようということを考えておる次第であります。修理事業の方はそういう意味合いと違いまして、一地方的な立場からこれを判断されてさしつかえないものであります。単に修理設備でありますとか、検査設備でありますとか、また修理されたものを検査する基準器というようなものが整つてさえいれば、これを許可し得ることになりますので、でき得る限りこれを地方許可せしむることは、一面においてまた計量器サービスということを——サービス面普及といいますか、広範囲に行わしむるという気持とも相まちまして、地方長官許可権限規定したわけであります。販売の方につきましては、従来やはり度量衡法におきましては許可主義とつておるのでありますが、これは度量衡というものが商取引あるいは商人におきましては、でき得る限り販売機関をたくさんつくると申しますか、普及せしめましてやることが必要なのであります。免許制度をとりますと、その普及度があたかも販売業者をチェックするというような逆の面も出がちでありまするので、これは免許制度というものを一擲いたしまして、登録制度に今回改めた次第でございます。しかしながら度量衡器はいい品物を一般販売せしむる必要がありますことと、その販売するにつきましては相当の知識を必要とするのであります。従いましてこれを単に登録制度にしまして、その知識経験を重要視するという点が一面と、また販売業者登録することによつて取締るという面が非常に容易になりまして、常に度量衡器一定の精度を持たせて、また優良品を出し得るという立場から、販売業者登録にしまして、一面において度量衡器普及と、そうしていい度量衡器販売せしむるという点とを相またせまして、登録制度にして、これを地方長官権限一任をいたした次第であります。
  14. 中村幸八

    中村(幸)委員 そういたしますると、一人の計量器製造事業者製造修理もまた販売も行うという場合には通産大臣許可府県知事許可、それから府県知事登録とこの三つの手続を必要とするのでありますか。あるいは通産大臣許可を受けておれば、それであと修理販売もできる、こういうことになるのですか。
  15. 玉置敬三

    玉置政府委員 製造事業者は当然その附帯事業といたしまして、製造事業許可を受けましたならば、あえて個個に許可を受けなくとも修理販売というものはできることに規定をしております。
  16. 中村幸八

    中村(幸)委員 計量法案八十六条には、「検定は、政令で定める計量器の区分に従い、通商産業大臣又は都道府県知事が行う。」とありますが、どういうふうに通産大臣検定都道府県知事検定とをわけるお考えであるか、伺います。
  17. 玉置敬三

    玉置政府委員 この点は、お話通り検定通産大臣都道府県知事が行うことになつておりますが、抽象的に申しますと、検定に非常に高度の技術を要しますもの、また検定に厖大な設備を要しますもの、また検定基準器がその都度調整を要するものというようなものにつきましては通産大臣が行うことにしまして、その他のものにつきましては、あげて都道府県知事が行うことにいたしておるのであります。従来議会等におきましても、この点はなるべく地方府県検定を行わしめるようにという請願等が多くあつたと思いますが、今回、ただいま申し上げましたような抽象的な基準に基きまして、中央の現在行つておりますものにつきましても、さらにこれを地方府県の方に検定を行わしめることにしておるのであります。ただ承知のように、検定につきましては検定をする設備その他の相呼応する受入れ態勢が必要なことでございますから、でき得る限り地方検定せしめるという方針でございますが、その受入れ態勢設備人員等の完備をまつて地方府県に移したい。こういう方針でございます。
  18. 中村幸八

    中村(幸)委員 計量士制度指定事業場制度は今回初めて法定せられたと思うのでありますが、この二つ制度を設けました理由を承りたい。
  19. 玉置敬三

    玉置政府委員 計量士制度は、法律上は今回新たに設定をしたわけであります。計量行政は非常に複雑であります。また計量器それ自体があらゆる社会経済生活その他におきまして用いられておりまして、きわめて広範囲複雑になつておるわけであります。この関係を一々行政面で密接に関係をするということも非常に困難なことでありまして、でき得るならば計量士のような専門方々がみずからその国家行政事務の一端を背負つてただくということとともに、さらに重要な計量管理の積極的な仕事もやつてただくということができれば、ちようど官民一体になりまして非常に好都合な制度になるのであります。そういう意味合いにおきまして、今回計量士という制度を設けまして、かつこの計量士には原則といたしまして普通の考え方による国家試験を行います。そういう試験にパスされた方を置く工場につきましては、いわゆる定期検査を免除する、あるいは無検定修理を認めるというような制度を講じまして、計量全般仕事一体なつてはかどるように定めた次第でございます。
  20. 中村幸八

    中村(幸)委員 計量行政事務国家事務か、地方事務かということは、いろいろ議論のあるところと思うのでありますが、この問題が非常に結果においていろいろ違いが出て来るのでありまして、通産省ではこの点どういうふうにお考えになるか、御意見を承りたいと思います。
  21. 玉置敬三

    玉置政府委員 結論を先に申し上げますと、私ども計量行政事務国家事務というふうに考えておるのであります。この計量器というものは、御承知のように計量尺度と相なるものでありまして、ちようど経済取引におきまして、価値の尺度として貨幣があるのと同じように、貨幣計量器というものがちようど相呼応するように考えておりまして、貨幣行政事務というものは国の事務であることは、疑いないところであります。全部近代国家はそういうことになつております。従いましてこの計量事務国家事務として私ども考えておるのであります。あらゆる条文にもそういう趣旨のものが出て参るわけであります。ただこれは国家事務でありますが、現実の仕事になりますれば、全部が全部国がやるという必要性はないのでございまして、この点は先ほどの検定の問題あるいは取締りの問題、その他におきましても、おのおのその部署をきめまして、地方においてもこれをやつてただくという方針とつております。
  22. 中村幸八

    中村(幸)委員 その点がはつきりいたしましたから、次の問題に移りたいと思います。現行度量衡法におきましては、検定または取締り統一保持あるいはまた適正の確保ということが、非常に困難であるように思うのであります。今回の計量法案におきまして、検定または取締りに新たに覆審制度を設けまして、検定の結果に対し不服ある者は、再検査の申請をすることができる、また通産大臣あるいは都道府県知事市町村長処分に不服のある者は、異議申立てをすることができるようになるのでありまして、このために通産省計量調査官を置いて、再検査または異議申立てに関する事務に従事せしむることになつておるのであります。この点まことにけつこうなことと思うのであります。しかしこうした問題が起つた後に、これを直すという事後の監査行つて計量行政事務統一と適正をはかるということは、もとより非常に大切なことでありますが、問題が起る前に、むしろ問題が起らないように、事前計量行政事務の十分な監査を行いまして、全国計量行政事務統一かつ適正をはかるということが、肝要であると思うのであります。このために計量調査官をして再検査あるいは異議申立てに関する事務のほかに、計量に関する行政事務事前監査に当らしめるということが必要ではないかと思うのでありますが、この点に関しましては機械局長はどういうふうにお考えになりますか。
  23. 玉置敬三

    玉置政府委員 従来からいろいろ計量検定その他の行政官庁検定の結果、あるいは処分につきましては、必ずしも円滑に行かなかつた面があるのであります。そういうことを十分防いで、関係業界の利害を公正にせしむるために、お話通り今回新たに再検査あるいは異議申立て規定計量法案に挿入したのでありますが、事前にそういうことが起らないようにするというのは、もちろん当然のことであります。先ほども申し上げましたように、度量衡事務というものは国の事務と私ども基本的に考えておるわけでありまして、今回ただいま申し上げましたような計量調査に当る者は、予算におきましても多少増員を認められました。これらの事務に関与する役人というものは。本来のあり方として、当然先ほど御指摘のような事前監査につきましても実施すべきものと私ども考えておるのであります。またそれは当該関係役人の職務といいますか、そういう立場のものでありまして、この点は特に私は法律に掲げなくとも、その本来の職能は当然出て来るのではないかと考えておるのであります。なお地方府県関係等におきまして、そういう行為がないようにいたさなければならないのでありまして、この点につきましては、本法案の中にはございませんが、かりにそういう遺憾な結果が出そうであるということになりますれば、そのときの法令の根拠というものは、私ども地方自治法あるいは国家行政組織法という、それに対応する中央官庁地方官庁取締りといいますか、監督といいますか、でき得る条文によりまして、地方の各計量行政が遺憾にならないように、そういう条文をバツクにいたしましてでき得ることと考えておるのでありまして、その点は御指摘通り、十分私ども遺憾のないようになお注意をして進んで行きたいと考えておる次第であります。
  24. 中村幸八

    中村(幸)委員 ただいまの御説明ではありますが、この計量行政事務が先ほどの御答弁にありましたように、国家事務であるという点、この計量法の全体の建前から見て、通産大臣が総括的な監督権限を持つということは、異論はないと思うのであります。それでいろいろ各地方庁に対する監督指導もできますので、一応それで私先ほどお尋ねした目的は達成できるように思われるのでありますが、実際はこれがなかなか思うように参らないのが常でありまして、一片の通産大臣の通牒あるいはただ監督ということでは、なかなか計量行政事務統一保持あるいは適正をはかるということがむずかしいと思うのであります。現に各地方検定あるいは取締り事務は、各府県によりましていろいろまちまちであるということも聞いております。また具体的には申し上げませんがいろいろと地方役人の間に手かげんというようなものがありまして、業者地方庁役人ただごきげんを損じないように戦々きようきようとしておる。業界はまつたく萎縮し切つておるというようなことも、しばしば耳にするのであります。よつてただいま申し上げました点につきましては、なお十分御研究の上、善処せられんことを特に希望いたす次第であります。  なお計量行政全国的な統一保持、あるいは計量法の適切円滑なる施行をはかりますためには、通産省の中に計量課というようなものを設けまして、専心その衝に当るということが必要のように思うのであります。ずつと以前に、商工省工務局の中に、監督課でしたか、権度課でしたか、何かそういう専門の部課があつたように私記憶いたしておるのであります。現在全国都道府県のうちでも、権度課というものが設置されておるのは、大阪府と徳島県と聞いております。これでは有効適切な計量行政は行われません。各地方庁を指導する意味から申しましても、通産省の中に専門の一課を設けるということが、ぜひ必要じやないかと思うのでありますが、そういうことができますかどうか。御意見並びに可能性の有無について伺いたいと思います。
  25. 玉置敬三

    玉置政府委員 御承知通り、この計量行政が先ほど申し上げましたように、非常に重要なる国家事務であることを私ども痛感しておるのであります。そういう意味合いにおきまして、ただいま御指摘のように、通産省の中に計量課というのを設けるということも、私ども非常にその必要を認める次第であります。ただ一面におきまして、現在いろいろな行政組織の全面的な簡素化と申しますか、そういう面も動いておりますし、また近くそういう時期が来ると思います。そういう時期におきましても、計量を担当する課が、十分一課をなし得るように、私どもとすれば努力して、この実現をはかることにいたしたいと考えております。
  26. 中村幸八

    中村(幸)委員 ぜひそのようにおとりはからいを願いたいと思います。  次に法案第九十四条によりますると、「通商産業大臣又は都道府県知事は、検定の申請があつたときは、申請の受理の日から二〇日(政令で定める場合は、政令で定める期間)以内に、その申請に係る計量器検定をして合格又は不合格の処分をしなければならない。」こういう規定がありまして、不遅延の義務と申しますか、これを規定いたしておるのであります。この点は従来のわが国の法制には見られなかつた新立法でありまして、私は提案者の勇気に敬服いたすのでありますが、さらに百尺竿頭一歩を進めまして、その法律効果を百パーセントにいたしまするために、正当の事由なくして二十日以内に処分をしなかつたときは、それによつて生じた損害を賠償しなければならない、こういうふうに規定すると、さらに一層効果が上ると思うのでありますが、この点いかがお考えになりますか。
  27. 玉置敬三

    玉置政府委員 お話の点ごもつともだと思います。従来いろいろ検定の日数その他につきまして、関係方々からもずいぶん御注意を受けましたので、役人側の規律統制ということで、本条文を設定したのであります。ただいま御指摘のような点は、内容的にはごもつともでありますが、特に今の損害賠償その他の点をここに掲げませんでしたのは、国家賠償法に、もしただいまのような御指摘の場合がありますれば、その条文によつて、相手方に損害を与えたときには賠償し得るという規定がございますので、特に本法案規定をしなかつたわけでございます。内容的には、そちらの国家賠償法でそういう場合には考え得ると考えております。     〔委員長退席、高木委員長代理着席〕
  28. 中村幸八

    中村(幸)委員 次に手数料の問題でありますが、別表を見ますと、現行手数料に比較いたしまして、改正手数料は大体五倍あるいは二十倍くらいのものが多いように思うのであります。中には五百倍あるいは、千倍にも上るものがあるのであります。もちろんこの別表に掲げてある全額は、最高限をきめたものでありまして、実際はそれ以下において政令が定めることと思うのでありますが、具体的には政令でどの程度にきめるお考えか、現在の物価指数あるいは他の法令の手数料などともにらみ合せまして、無理のないようにきめていただきたいと思うのであります。なお現行手数料によります場合と、改正手数料によります場合とを比較いたしまして、総収入でどのくらいの増額になるか、その点をあわせて伺いたいと思います。
  29. 玉置敬三

    玉置政府委員 この別表に掲げました手数料は、お話通り最高の手数料を掲げましたことと、あるいは検定料というものの中におきましては、計量器のうち、いろいろその中で細分類されるもののうち、一番手数料の高いものを掲げまして、その以下におきまして、細分類に応じて定めて行く、こういう方針をとつたのであります。大体一、二の例を申し上げたいと思いますが、大体現状の手数料がしからば合理的かと申しますと、また手数料を支払われる方から見ますと、きわめて割高についておるものも実はあるのであります。そういう意味合いにおきまして、もしこれを政令その他において定めます場合におきましては、現状維持のもの、あるいは現在より上るもの、あるいは現在より下るものというふうに、いろいろ分類されて来るだろうと思うのであります。全体の現在の検定手数料の収入が約年間七千万円ほどあつたと思うのでありますが、現在の生産総額その他から見ますと、これは一・八%ぐらいの割になるのじやないかと思うのであります。二%弱になつておるのであります。私ども現在これに基いて考えております案で参りますれば、一・五%ぐらいの結果に終るのじやないかというふうに総額では考えております。内容は多少値上りのものも、不合理を直すという点から考えておるのでありまして、決して独善でやるわけでもありません。なおこの手数料の問題をいろいろやります場合には、審議会にもかけまして、十分あらゆる意見を伺つた上で決定をいたしたいと思います。なお二、三の例につきまして、関係官からちよつと御説明をしたいと思います。
  30. 坂上國三郎

    ○坂上説明員 長さ計の例をとつてみますと、実目盛付直尺三十センチメートル、竹製のものの例をとつて申し上げますと、現行手数料は十銭でございますが、改正手数料につきましても同額で参る予定でおります。なお金属製の巻尺五十メートルの二段のものの例を申し上げますと、現行手数料は二十九円でございますが、これは三十円程度になるのじやないかと考えております。なお体積計について申し上げますと、目盛あるガラス製ます、二デシ立法メートルのものにつきましては、現行法は一円四十銭でありまして、これが一円九十銭、メスフラスコ二百五十CCのものにつきましては、現行手数料七十五銭が二円、それからガソリン量器、五ガロンのものにつきましては、現行法二百円が百五十円になります。天びんについて申し上げますと、秤量三百グラム程度のものにつきましては、現行法の二百二十五円に対しまして二百円程度、圧力計について申し上げますと、二キログラムを越え三十五キログラム以下のものにつきましては七円三十銭のものが十円、大体こういうふうなかつこうで、高くなるものもありますが、安くなるものもあり、また大体同程度のものもあるというふうなかつこうになつております。
  31. 中村幸八

    中村(幸)委員 今具体的にお示しをいただきましたが、別表によつてみますと、十三の(4)の口のところで、「その他の温度計」というのは五十銭が一千円になつておる。二千倍ですね。それから(25)のロでありますが、「その他の温度計」というのが一円が一千円となつておる。つまり一千倍になつておる。これは非常に倍数が大き過ぎるように思うのですが、この点についてお伺いいたします。
  32. 坂上國三郎

    ○坂上説明員 温度計につきましては、現在は物体膨脹による温度計のみを検定しておるわけであります。物体の膨脹によると申しますと、水銀を封入いたしましたりあるいはアルコールを封入いたしましたりした温度計だけを検定しておるわけであります。ところが今度は種類の分類がふえまして、高温度計、ことに金属温度計あるいは光温度計、そういうようなものについても検定することになつたのでありますが、この光温度計につきましては、一箇何百万円ほどする大きな高い計量器でありますので、こういうものが(4)の「その他の温度計」の中に含まれているわけでありますので、今までとはちよつと比較する対象がかわつて来ましたので奇異に感ずるのであろうと思うのであります。
  33. 中村幸八

    中村(幸)委員 それでわかりました。次にお尋ねいたしまするが、計量器検定している間に紛失あるいは破損するということが往々あり得ると思うのであります。検定職員の故意または過失によりまして紛失あるいは破損した場合、国家賠償法によりまして、先ほどお話のように賠償してもらうということもできるかと思うのでありまするが、それとは別に、その場合に手数料は別途に返還してもらうということも必要じやないかと思うのでありますが、この点いかがでございますか。あるいはこの手数料を含めた意味において、国家賠償法により賠償をしてもらうということもできるようにも思いますが、この点どういうふうなお考えですか。
  34. 玉置敬三

    玉置政府委員 その点は私どもは手数料も含めまして、とにかくその相手の方々に損害を与えた額ということに考えておりまして、手数料も含め得るものと考えております。
  35. 中村幸八

    中村(幸)委員 次に検定の有効期間の問題でありまするが、法案第九十二条には、検定の有効期間はタクシーメーターにあつては一年、ガスメーターにあつては七年、水道メーターにあつては八年と規定いたしておりますが、私の知つている限りにおきましては、優良なるガスメーターは相当長年月の間使用にたえるのでありまして、七年はおろか、十年あるいは十五年の耐久力を持つているものが非常に多いのであります。この場合に有効期間の制限によりまして、良品不良品の区別なく有効期間が切れた場合に使用を禁ぜられるということは、一面資材あるいは労力、資金の浪費にもなりますし、またガスメーター製作者の品質、向上、改善の意欲を阻害するおそれもあるのであります、よつて計量管理を良心的に実施しておりまするガス事業者には無期限に使用することを認めるように修正するか、あるいは法の運用によりまして何か適切なる措置をとつていただくことができるかどうか、この点お伺いいたします。
  36. 玉置敬三

    玉置政府委員 お話の点、もし有効期間が過ぎましたならば、その過ぎましたときに無検定の品物になるわけでありまして、優秀なものでありますれば、これをさらに存続して使用するということが必要だと思いますし、またあらゆる面から見てそうあつてしかるべきだと思いますが、相当検定から長期間をとつておりますので、その際にはもう一度検定を受けていただきまして、検定に合格する条件が整つておりますならば、ずつと七年間使えて、また七年目に検定をやつてただくということになりますれば、その品物自体は長く使えることに相なると思います。
  37. 中村幸八

    中村(幸)委員 ただいまのお話のように運用によりましてあらためて検定をし直す。そうすればまた、再び有効期間の間は使える。こういうことでありましたが、しかし有効期間が参りましたガスメーターを全部一応とりはずして、解体して検定を受け直すということは、非常に煩雑にたえないと思うのであります。あるいはその場合には抜打的に検定をして、大体よければいいというようにするか、そういうことはできないものかどうか、この点をお伺いしたいと思います。
  38. 坂上國三郎

    ○坂上説明員 ガスメーター等につきましては、有効期間がついてございますが、その有効期間につきましては、有効期間のついている計量器に関しましては、その有効期間の間取締り——すなわち定期検査等を事施しないわけでございます。従つてこれらの計量器につきましては、有効期間を定めることによりまして取締りを緩和しておるわけでございます。なおその有効期間経過以後においても、これを存続させるようにいたしますには、従来その計量器が持つております構造その他から見まして、大体何年間という平均の価をとりまして、その期間が切れれば大体計量器としての効用が平均して減少してなくなるという期間をとつておりますので、その有効期間が到着いたしました際には、検定をあらためて受け直すということはやむを得ないのではないか、こんな考えを持つている次第でございまして、期間が経過するまでの間はいいのであるが、期間が経過した以後は、一応やはり家庭に散らばつているわけでございますが、そうしたものを撤収いたしまして、あらためて検定を受けさせるのが、その計量器の持つておる構造上から申し上げましても適当ではないか、こんな考えを持つております。
  39. 中村幸八

    中村(幸)委員 お説ごもつともとは思うのでありますが、ガスメーターあるいは水道メーターというようなものは、毎月一回は必ず会社の職員が各家庭へ参りまして、検定ではありませんが、メーターの調べをするわけであります。それで大体需要家も納得して有効期間を経過するわけであります。そういうように会社においても十分良心的にやつているというような場合におきまして、一々全部各家庭からとりはずして検定をし直すというのは、非常に煩雑なように思うのですが、なおこの点は御研究つておきたいと思います。  次に計量法施行法案につきまして、二、三お尋ねいたしておきます。尺貫法、ヤードポンド法の問題でありますが、この尺貫法、ヤードポンド法による計量単位の併用期間は、昭和三十三年十二月三十一日までとなつておりまするが、この併用期間の経過後におきましては、尺貫法、ヤードポンド法による計量単位の使用はどういうことになりますか、また尺貫法、ヤードポンド法による計量器の取扱いはどういうことになりますか承りたいと思います。聞くところによりますると、尺貫法存続連盟というのがありまして、今回の計量法案にたいへん反対をしておるという由であります。その主張を聞いてみますると、今回の計量法案は、尺貫法、ヤードポンド法を阻害しておるメートル法専用法である、従つてわが国の国情を無視し、わが国固有の信念と熱情を失うおそれがあるだけでなく、日常の生活あるいは取引上に多大の混乱を招くおそれがあるから、尺貫法、ヤードポンド法をメートル法と同様に取引上、証明上自由に使用ができるように修正してもらいたい、こういうことを言われておるようでありますが、政府におきましては、この尺貫法存続連盟の主張に対しまして、どういうふうにお考えなつておりまするか。先ほど申しました昭和三十三年十二月末日以後となつても、計量単位はどの程度に使用ができるものであるか、また計量器検定等はどういう取扱いになるか。この点詳しくひとつはつきりと御説明を願いたいと思います。
  40. 玉置敬三

    玉置政府委員 御承知のように、度量衡法は非常に古い歴史を持つております。わが国の度量衡関係におきましては、いわゆる尺貫法、ヤードポンド法、メートル法、この三者が過去のある時期におきましては同時に施行されて、あらゆる面で非常に不都合も出ておつたわけでありますが、大正十年以前から、いかにこの基本を持つて行くかということを慎重研究されました結果、大正十年にメートル法を基本にして、一定期間尺貫法、ヤードポンド等を併用するということが決定されたわけであります。その後その国策にのつとりまして、メートル法を基本とするという方針のもとに一貫しまして、あらゆるメートル法普及の努力が続けられて来たのであります。すでに教育面におきましては、三十四、五歳の方々までメートル法を基本として教育をされて来ておるのであります。二十四、五歳の方はメートル法一本の教育を受けて来ておられると思うのであります。教育関係におきましてもそういうことで、これはもう日本全国、都会も農村におきましても、全部その教育を施行されて来ております。また業界におきましても、すでに百パーセントメートル法を実施されておるというところも相当出ておりまして、その方針が推進されて参つたのでありますが、多少これをチエツクしたというか、遺憾ながら戦争中その推進力が鈍つたということは言い得るかと存ずるのであります。   (高木委員長代理退席、委員長着   席〕 そういう方針でずつと一貫をして参つておりまして、この法案におきましても、メートル法を基本にして行くという根本基調におきましては、これを踏襲したのであります。しかもその併用期間におきましては、昭和十四年に、昭和三十三年の末までにするということが確立されておるのでありまして、この点におきましても、現行法のまま踏襲をして参り、施行法案の方にそれを掲げた次第でございます。その三十三年末以後において尺貫法がどういうふうになるかというお尋ねでございましたが、この点は現行法でも同様でございまして、いわゆるメートル法を実施しますのは取引、証明に用いる場合に限るのでありまして、それ以外の家庭において用います場合とかいう場合には、これはあえてメートル法に統一する必要もなければ、またその予定もしていないのであります。ただ取引、証明におきましても、土地、建物に関しましては土地台帳、建物台帳等の関係がございまして、これはその準備の完了することが前提になるのでありますから、本法案におきましては、昭和三十三年十二月三十一日以後において政令で定める日ということで、土地、建物につきましては、三十三年末以後一定の日までそれを存続する、逆に言いますとそういうことに相なるわけでありまして、それまでに準備を進めて行くということに相なつておるのであります。また貿易、輸出輸入等におきましては、これは諸外国との関係がございまするので、その後におきましても貿易関係はヤードポンド法、尺貫法を使う場合がございましたならば、これも引続き使用できることに相なつております。またその他学術上の場合とか、この法案で参りますれば、その他政令で定める場合というようなことになつておりますが、そういう貿易、学術上の場合、その他抽象的に言いますと、取引、証明以外に用いる場合等は、尺貫法も用い得ることになつておるのであります。その後の計量器度量衡器についてどういうふうになるのかというお尋ねがございましたが、現行法ではその点は検定は打切る、こういうことが明文に書いてあるのでございますが、ただいま申し上げましたように、ヤードボンド法、尺貫法が使用されるものが残つておりまするので、この範囲におきましては依然検定も続けて行かなければならぬことに相なつて、検定を続行しようということに相なつておる次第でございます。
  41. 中村幸八

    中村(幸)委員 ただいまの御説明で一応了承いたしました。つきましては昭和三十三年十二月三十一日で尺貫法、ヤードポンド法を打切りました場合の準備はどの程度にできておるか、またこれからどういう準備をしようとしておるか、この点お伺いいたします。
  42. 玉置敬三

    玉置政府委員 世の中にメートル法の普及をはかるという考え方がありますれば、まず国または地方公共団体が率先してそれを使うことが当然のことと考えましたので、今回施行法の中に、国または地方公共団体はメートル法による計量単位を使用するように最善の努力をしなければならぬということで、国、地方公共団体のあらゆる面にわたりまして、メートル法をまず使用するため最善の努力をすることにいたしたのであります。その他の面につきましては、もちろん教育は従来にも増してメートル法がそのまま推進されて行くことと思います。ちようど昭和三十三年末ということになりますと、四十二、三歳の方がすでにメートル法の教育を受けたという日本の現状に相なることと思うのであります。その他メートル法普及の問題につきましては、あらゆる行政面を通じまして実施を促進いたしたいと思います。たとえば本年度も、実は映画をつくりますとかいうことにしまして、教育のみならず、そういう社会一般に働きかけ、またラジオ、パンフレットというようなあらゆる手段を通じまして、この七年間、約八年弱の間になりますが、役所の行政面を通じましてまた民間団体その他を通じまして、普及を促進して行きたいというふうに考えております。
  43. 中村幸八

    中村(幸)委員 土地台帳、家屋台帳等の修正は、現在どの程度に進んでおりますか。
  44. 玉置敬三

    玉置政府委員 この点は予算を相当必要とすることに考えておりまするので、過去におきましては、相当関係省におきまして審議をされて参つたのでありますが、現状におきましては、たとえば鉱業関係等におきましては、今回の鉱業法等におきましてはメートル法を採用するということで、鉱区その他の問題につきましてはメートル法が実施されることになつておりますが、全般的から見ますと、非常に遅れておる面がある。それは一番の問題は、予算がどこまでとり得るかということに帰着すると思います。この点は遅れておりまするので、今後大蔵省その他とも、この方針に基きまして折衝を続けて参りたいと思いますが、予算の許す限度と相当比例的に参りまするので、本法におきましても、あるいは三十三年までにどこまでできるかということを今予測しがたいのでござい吏すが、とりあえず法律としましては、三十三年末後の準備ができ得る段階におきまして、一定の日を定めるということにしておる次第でございます。
  45. 中村幸八

    中村(幸)委員 尺貫法、ヤードポンド法による計量単位のことで、現行法規定していないもの、たとえば立坪、水銀柱インチが新しく追加されたようでありますが、将来廃止すべき尺貫法、ヤードポンド法の計量単位を新しく追加したというのはどういうわけですか。
  46. 玉置敬三

    玉置政府委員 実は従来の尺貫法の中にもその点あるいは入れるべきであつたのではないかと思うのであります。現在すでに今御指摘のような新しい単位取引、証明その他の面におきまして実施されておりまするので、これを他の尺貫法の単位と区別する理由は何ものもございません。どちらかといえば、従来の度量衡法に不備があつたものと考えております。しかもそれが現在使われておりまするので、併用期間中の問題に相なるわけでありますが、これを新しく追加いたしまして、整備をしたということになつたのであります。中にはその単位基準として、計量単位が増加いたしたために追加したという、必然的に追加せざるを得なかつたというものも多少出て来ておるわけであります。
  47. 中村幸八

    中村(幸)委員 新たに追加せられます計量器につきまして、現に製造あるいは修理販売等の事業行つておるものは、本法によりましてどういう取扱いを受けるのでありますか。  またこれらの追加計量器検定は、いつからお始めになるのか、この点をお伺いいたしたいと思います。
  48. 玉置敬三

    玉置政府委員 現在追加計量器がこの法案におきまして相当ございます。そのものにつきましては、現在製造されておるものが相当あるわけでございまして、これらのものにつきまして、一々許可を受けしむるということはいかがかと存じまするので、施行後六箇月以内の間に届出をしていただきますならば、この新しい法律案に基きまして、許可をしたと同様の効果を発揮するように、これを許可をしたものとみなすということにして、業界に与える負担あるいはその手数を省略して、安心をしてやつてただけるように考えたのであります。  それから追加計量器につきましての検定は、相当の準備が実はいるのであります。検定をする方はもちろんのことでありますが、製造業者その他におきましても、許可基準といたしますれば、基準器を持たなければならぬとか、検査設備製造設備をしなければならぬというような、いろいろの要件がございまして、これらには相当期間を必要といたしますので、実は四段階にわけてございます。検定におきましては、本法の実施と同時に行うもの、それから一年後、二年後、三年後というふうに、それぞれ準備その他の都合を勘案いたしまして、検定を四段階にわけて、遺憾なく実施するように考えたのであります。また基準器検査におきましても、これを一挙にすることができませんので、ただいま申し上げましたような、検定の実施三箇月前に、当該計量器基準器検査を開始するということにいたしておる次第であります。また取締り等につきましても、ただいま申し上げましたようにそれぞれ検定の四段階の実施の日から五年間は、この軽量法案にいろいろな取締り規定がございますが、無用の混乱を与えることを極力避ける必要がございまするので、検定の実施の日から五年間は、本法案に基きます取締りの適用を行わないということにいたして、四段階に順序よく、しかも混乱を起させないように、相当の準備期間をまつて移りかわり得るように法律上は考えた次第であります。
  49. 中村幸八

    中村(幸)委員 まだいろいろこまかいことをお尋ねしたいと思いますが、十八日の公聴会の結果によりまして、あらためてお尋ねいたしたいと思います。きようはこれで打切りまして、留保いたしておきます。
  50. 小金義照

    小金委員長 それでは本日はこの程度にてやめます。次会は明日午後一時といたしておきます。     午後二時五十八分散会