○手塚説明員 私からお答え申し上げます。ただいま御質問のございました、今後の
増産に対してどういう方策をとるかということでございますが、これは先ほど
政務次官から御説明されましたように、まず中途半端を
統制ははずして行こう、そうしてかねてから
業者も希望いたしておるところの自由なあり方において
増産をやりたい、こういうことで、すでに御
承知のように
硫化鉱は
終戰後長足な
増産をいたしまして、これは
昭和三十一年に比べましても三倍強の
増産をいたしておる。当時月に五万トン
程度出るか出ないかでずいぶんもんだのでありますが、現在十八万トンの線に達しておる。これは
需要の面から申しますと、先ほど
肥料部長、化学局長から御説明ございましたように、もし
窒素肥料二百万トン必要という場合におきまして、私
どもは一応来年度百七十万トンの硫定が必要である、このほか過
燐酸が百五十万トン、それに
工業用の硫酸が八十万トン、これだけいるといたしましてこれに要する硫酸の総量が三百七十五万トンいるわけであります。これに御
承知のように今までむだに捨てられておりましたところの製錬所の排ガスの回收を最近極力や
つております。これは二十五年度におきましても、見返り資金を大幅に出していただきまして、佐賀関並びに日立の硫酸
工場もすでに先月完成いたしまして副成硫酸を大幅に
生産する
態勢を整えました。この結果来年度は三十万トンの副成硫酸が出まして、これを引きますと三百四十五万トンの硫酸があればいい。これに要する
硫化鉱は三百十二万トンになる。これに対しましてただいまでも月に十八万トンは出ておりまして、このピツチをそのまま続けて行きましても、これを上まわる二百十六万トンは出るというような状態に
なつおります。しかしながら鉱山
関係におきましては、先ほどからもるる御説明のありましたように、單に
国内の自給だけでなく、さらに
輸出するという面から行きまして、この際鉱山側といたしましはこれらの諸般の
統制その他の隘路を拂拭いたしますれば、来年は二百二十九万トンまで出そうという強い決意を持
つております。この点におきまして大幅な
増産計画をいたしたわけでありますが、各位の御協力をま
つてこの線に到達いたしたいと思います。ただいま申し上げましたように、單に鉱山の
増産ばかりでなく、今まですたれていた資源を活用することの点におきまして、さらになお排煙硫酸の設備といたしまして、目下安中の硫酸
工場もつく
つておるというような状態でございます。この点お含み置きを願います。
次に硫黄の問題でございますが、この問題は化学繊維
関係の大幅なる
増産に
関係いたしまして、最近
需要がとみに増しておるわけであります。これは終戰以後ずつと引続き常に
不足の状態を示しておりまして、この面につきましては、
硫化鉱ほど大きな問題が今まで表には出ておりませんが、内実においてはむしろそれ以上に苦しい状態がしばしばあ
つたと
考えております。これは御
承知のように
昭和十九年に、当時の
政府の命令によりまして、硫黄の鉱山を九鉱山を残して、あと全部廃止いたしてしまいました。これは当時御
承知のように硫黄の鉱山と申しますのは、大概不便な地域にございます。
従つてこれには索道もいり、かつまたその精錬に要する多量の銑鉄その他の
供給ができないということから、やむを得ずこれらの
供給を断つ、そのかわりただ殺したのでは気の毒だというので、それを整理して国家が補償したのであります。さようなわけで、多数ございました、鉱山をつぶしてしまいまして、わずか九鉱山にいたしました。そのために過去においてマキシマム年間一十四万トン出しましたのが非常に下
つて来まして、三万トン
程度にな
つてしま
つたという状態で、ございました。そこで
終戰後極力これの復活をはか
つたのでありまするが、何にいたしましても硫黄鉱山と申しますのはいわゆる大鉱山会社がや
つておらない。それから非常に不便な所にあ
つて、住宅から索道からすべての設備をつくらなければならない、こういうようなことで資金的にもなかなか自由に行かない。しかしながら逐次
増産をいたしまして、現在では月に九千トン
程度のところまで行
つておりました。本年度は十万トンは出し得るという見込みでございますが、なお明年度におきましてはこれを三割
増産して、少くとも十三万トンは出すということで、極力当局といたしましてはその手を打
つております。できますことならば見返り資金もこれに入れたいということで、来年度の見返り資金も全部ではございませんが、一鉱山を一応省内では認めていただいておるという状況でございます。その点お含み置きを願います。