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1951-07-11 第10回国会 衆議院 地方行政委員会 第41号
公式Web版
会議録情報
0
昭和
二十六年七月十一日(水曜日) 午前十一時四十九分
開議
出席委員
委員長
前尾繁三郎
君
理事
河原伊三郎
君
理事
野村專太郎
君 大泉 寛三君 尾関 義一君 中島 守利君
松本
善壽
君
金子與重郎
君 鈴木 幹雄君 大矢 省三君
久保田鶴松
君
立花
敏男君
中西伊之助
君
委員外
の
出席者
地方自治政務次
官
小野
哲君 専 門 員 長橋 茂男君
—————————————
七月十一日
委員川本末治
君及び
床次徳二
君
辞任
につき、そ の
補欠
として
松本善壽
君及び
金子與重郎
君が議 長の
指名
で
委員
に選任された。 同日
委員金子與重郎
君
辞任
につき、その
補欠
として
床次徳二
君が議長の
指名
で
委員
に選任された。
—————————————
六月五日
地方自治
並びに
財政
に関する件
警察
及び消防に関する件 の閉会中審査を本
委員会
に付託された。
—————————————
本日の
会議
に付した事件
地方自治
に関する件
地方財政
に関する件
前尾繁三郎
1
○
前尾委員長
それではこれより
会議
を開きます。 この際、
委員派遣
の件についてちよつと御報告申し上げておきます。
委員派遣
の件につきましては、
委員長
に
おまかせ願つたの
でありますが、いろいろ皆さんの御
希望
を
伺つて
、その御
希望
に沿う
よう
に努めた次第でありまするけれ
ども
、人数が制限せられておりましたので、あるいは御不満の点もあるかと存じまするが、その点御
了承
を願いたいと思
つて
おります。本日は
政府側
から
小野政務次官
がお見えにな
つて
おりまするから、
地方自治
、
地方財政
を
一括議題
として、質疑をしていただきたいと思います。
河原
君。
河原伊三郎
2
○
河原委員
今日各
地方団体
で最も重要な問題として、また困難な問題として、一様に強く
要望
されておりまするので、
起債
の
わく
があまりにも狭いということで、これを
実情
に沿う
よう
に、
実情
の調和のできるまでに広げてもらう、もしくはその
運営
においてほぼその
需要
を満たす
よう
に努めてもらいたいというのが、ほとんど全体を通しての
地方自治団体
の
要望
である
よう
でありますが、これらに関しまして
当局
とせられましてはどういうふうな
見解
を持
つて
おられますか、またはいかにしてそれに沿う
よう
な
努力
をされておるか、それらの
見解
なり、
実情
を承りたいと存じます。
小野哲
3
○
小野
(哲)
説明員
お答えいたします。
河原
さんから
お話
がありました
よう
に、
地方債
の問題はきわめて重要な問題として、各
地方公共団体
が
関心
を持
つて
おりますとともに、困惑をいたしておる次第でございます。御
承知
の
よう
に、
政府
としましては
昭和
二十五
年度
における
起債
の問題におきましても、シヤウプの
税制勧告
の趣旨に沿いましてできるだけ
地方団体
の
財源
を涵養して行くという
立場
から、
増額
を期待して参
つたの
でありますが、御
承知
の
よう
に必ずしもその
目的
を達成することができなか
つた
次第であります。
昭和
二十六
年度
分の
起債
につきましても、
関係方面
と極力
折衝
いたしまして一応四百億の
わく
の設定を認められるに至りましたので、この間
公共事業
その他それぞれの項目に分別いたしましてその
範囲
内において
起債
の許可をいたすべく段取りを進めて参
つた
わけであります。御
承知
の
よう
に、最近の
経済情勢
その他
地方公共団体
の
事業
の
実情
から
考え
まして四百億の
わく
では十分に
需要
を満たすに足りない。これはただいま
河原
さんが
お話
になりました
通り
でありまして、私
ども
その
当局者
としましては、できるだけ
起債
の
わく
をふやしまして、少しでも多く各
地方公共団体
の
事業
の遂行に
支障
なからし
むるようにと念願
をいたして参
つて
おるわけであります。しかし遺憾ながら
起債
の
わく
が、先ほど申しました
よう
な
程度
でございますので、
公共団体
の申請に対しましては、満足の行く
よう
な
起債
の
処理
ができないということは、まことに残念に存じておる次第でございます。すでに
地方財政委員会
からも
報告書
が出ております
よう
に、
地方財政
の
財源
の確保につきましては、一面
地方財政平衡交付金
の適当な
増額
と、
地方債
の
わく
の
増加
とをいたす必要があるということを言
つて
おりますがために、
政府
としましては
地方財政平衡交付金
は別といたしまして
地方起債
の問題についてあとう限りの
わく
の
増加
をはか
つて
参りたいという
考え
を持
つて
おるわけでございますが、遺憾ながらまだその
段階
にまでは至
つて
おりません。
大蔵省
ともこの点につきましては密接に連絡をとりまして何とかこれが
わく
の
増加
かはかる
よう
に
考え
ておる
よう
な次第で、すでに二十六
年度
分の
起債
の問題につきましては、
目下地方財政委員会
の手元におきましてこれが
処理
をいたしつつある
よう
な
実情
でございます。 はなはだ簡単でございますが、一応
現状
と
目下
の
処理
の
模様
とを
お話
を申し上げておきたいと思います。
河原伊三郎
4
○
河原委員
わく
の
拡張
ということにつきまして、
実情
に沿う
よう
に
わく
の
拡張
に
努力
し
よう
という
当局
の熱意のほどは、よく
了承
いたした次第であります。ところが一面
わく
の外部を広めるということと同時に、
わく
内の
起債
を許すものの
運営
をどうするかという点につきまして、現在におきましては
戦災
の
有無
ということが大きな
基本線
にな
つて
お
つて
、
戦災
によるものであれば許可するが、
戦災
によるものでなければ許さないという
戦災
の
有無
ということが、
一つ
の
区画線
にな
つて
おる
模様
であります。もちろん
戦災
の右無ということは重要なことでありますが、しかしいかなる場合においても、ただこの
戦災
の
有無一点張り
によ
つて
、いろいろな
起債
を律せられます場合は、必ずしも
実情
に沿う結果を来さない場合が認められるわけであります。
戦災
の
有無
ということは、重要なる基礎もしくは
資料
として取扱わるべきことには異論はないのでありますが、ただこの一点のみによ
つて
、すべてを律するということについては、多くの
実情
に沿わない面も生じて来ると思うのであります。
従つて戦災
の
有無
ということも通票視しつつも、
戦災
によらない場合でありましても、これは
実情
やむを得ない、もしくはきわめて緊要な面につきましては、
相当
弾力性
のある
運営
をせられる必要があると思うのでありますが、この点に関しましてはどういうふうな御
見解
もしくは
運用
をされておりますか、もしくは
運用
されんとなさいますか、お伺いしたいのであります。
小野哲
5
○
小野
(哲)
説明員
お答えいたします。もとより
戦災
をこうむりました地域につきましては、
特段
の
配慮
をして行かなければならないことは申すまでもないと存じますが、しかしながら
河原
さんの御指摘になりました
よう
に、
戦災地
のみに重点を置いて、
地方債
の
わく
内における
運用
をはか
つて
参るということは、必ずしも適当でない場合があるわけでございます。たとえて申しますと、小学校の校舎の老朽いたしたものを改築をしなければならぬ問題もたくさんございますし、またあるいはは
地方公共団体
として
住民
の
福利
のために病院の設置をいたしたいという
希望
ございますし、あるいはまた
公衆衛生
その他防火を
目的
としたいわゆる
水道設備
の
整備拡充
という問題もございまして、いずれもが直接
住民
の
福利
に影響のある重要な案件でございます。従いまして
当局
におきましては、
わく
内における
運用
をはかります場合におきましても、もし
わく
が
相当
許される場合におきましては、重点的に
起債
の
運用
をいたすということが、最も効果的であろうと存じますけれ
ども
、一面
地方公共団体
の直接
住民
に対する
関係
から
考え
ますと、必ずしもそれのみによ
つて運営
をはかるということは困難な
事情
もございますので、
わく
内においてはできるだけの
運用
をはかることによ
つて
、
地方公共団体
の
希望
を満たすべく
努力
をいたしている
よう
な次第であります。しかしながら何しろ総
わく
が小さいために、いわば乏しきをわかち合うというのが
現状
でございまして、できるだけひとしからざるを憂えて行さたいという
考え
のもとに、
起債
の
運用
をはか
つて
行くしか
方法
がないのではないか。具体的の例をと
つて
申しますと、たとえば
上水道
の問題につきましても、その
地方
の
実情
を伺いますと、まことにもつともな点が多いのでございますが、しかしながらある一定の
公共団体
のみに
起債
を重点的に
運用
いたすということになりますと、
相当数
の
地方公共団体
が
上水道
の
工事施行
の上に
支障
を来すという
よう
な結果にも相なりますので、できるだけ
住民
の幸福のために、この
種事業
は広くや
つて
いただきたいという
考え
を、私
ども
としては持
つて
いるわけでございますので、許される
起債
の
範囲
内において、できるだけ広くこの
種事業
を
地方公共団体
において少しでも遂行できる
よう
に、か
よう
な
配慮
のもとに実は
運用
をいたしている
よう
な次第でございます。従いまして必ずしも十分であり、また満足なものとは申し上げられないのでありますけれ
ども
、これは根本的に
起債
の総
わく
の
増額
ということに向
つて
、一面
努力
いたしますとともに、与えられました
わく
の
範囲
内においてできるだけ各
地方公共団体
が仕事ができる
よう
に、こういう
方向
に持
つて
行くのが、今日の
運用
の建前として私
ども
が
考え
ている
よう
な次第でございます。
河原伊三郎
6
○
河原委員
平衡交付金
の
増額
の点につきましては、
当局
においてもすでに
考え
ておられる
よう
に、ただいま御発言があ
つたの
であります。これは本
年度
の
予算
を編成いたしました当時と、今日とは
相当
物価の値上りもありますし、当初より
財政
の
事情
に制約せられまして十分でなか
つた
ことは、それぞれの機会に論議されてお
つた
ところでありますし、また今回
警察法
の
改正
にあたりましては、
自治体警察
を
国家警察
に返上されました場合の
地方財政平衡交付金
の
余裕
に対しては、
大蔵当局
としてはこれを更正
減額
しないということも、すでに言明しておりました。その理由としては、現在の
地方財政平衡交付金
は
財政事情
に制約され、辛うじてまかない得る
程度
を出しているので、決して十分ではないものであるから、これを更正
減額
しないのだというふうな
説明
もしていることでありまして、これは
当局
も、また一般もこの
地方財政平衡交付金
の
増額
の必要を十分に認められている
段階
であります。つきましては、この
地方財政平衡交付金
を
増額
するといたしましてもいつ
増額
するのか、来
年度
を待
つて
増額
するというのでは、はなはだこれは
実情
に沿わない、または
地方自治
体の
要望
に沿わないマンマンデー的な
行き方
であると思います。
従つて臨時国会
の開かれる場合において、本
年度
の
追加予算
においてこれを
増額
すべきであると
考え
るのでありますが、
当局
の御
見解
はこれらの点に対してどうであるか、承りたいのであります。
小野哲
7
○
小野
(哲)
説明員
地方財政平衡交付金
の
増額
の問題につきましては、すでに御
承知
の
よう
に
地方財政委員会
からも
意見
が出ているわけでございますが、
昭和
二十六
年度
につきましては千百億と
国家予算
の上に計上されざるを得ない
状況
にあ
つた
わけでございまして、まことに遺憾に存じているわけでございます。ただいま
河原
さんから、
平衡交付金
は
増額
の意図があるというふうなお言葉があ
つた
よう
でございますけれ
ども
、実は
目下
のところはまださ
よう
な
段階
にまでは来ておらないわけでございまして、
平衡交付金
の
増額
が各
地方公共団体
から熾烈な
要望
がございますことは、
政府
としても十分に
承知
をいたしております。先般開かれました
全国知事会議
あるいは
市長会議
または最近開かれておりました
町村長会議等
におきましても、強い
要望
が出ておるわけでございます。ただこの点につきましては、
地方財政平衡交付金
の
増額
を
研究
する以前において、
地方公共団体
の歳出の
状況
その他
地方財政
の
規模等
につきまして、十分に
検討
を加える必要があるのではないかということを、かねてより
大蔵大臣
も申している
よう
な次第でありまして、
従つて地方財政委員会
、
大蔵省当局等
においては、できるだけ各
地方公共団体
の
財政運営
の
実情
を把握いたしたいというので、
実地調査
も一部
行つて参
つて
いる次第であります。ただ問題は、新しい法令の制定あるいは
改正
に伴いまして
地方
において
義務支出
として、
地方負担
となるべきものも起
つて
参りますし、あるいはまた職員の給与の
改正
に伴います
財源
の
措置
ということも、今後もあるいは起るのではなかろうかということも
予定
をいたさなければならないかと思うのでございまして、現在のごとく
府県
、
市町村
を通じまして、
地方財政
の上に
相当
困難な
状況
が現われております際に、
政府
としましてもできるだけ
実情
を把握いたしまして、
地方財政平衡交付金
の問題を取扱
つて
参りたい、か
よう
に
考え
ている
よう
な次第でございます。従いましてこの問題につきましては、本
年度
の
補正予算
において必ず
地方財政平衡交付金
を
増額
する
予定
であるということを、今日私から申し上げるまでには至
つて
おりませんので、
大蔵省当局
とも今後の
状況
に応じて判断をして行かなければならないのではないか、
目下
のところでは具体的には
補正予算
に計上するという
段階
にまだ達しておらない、か
よう
な
状況
でございます。 なお
補正予算
の問題と関連いたしまして
地方財政委員会
におきましても、今後の
地方財政
の
見通し等
とも
考え
合せて、
大蔵当局
とも
折衝
をいたすことにな
つて
おりますし、従来からも
地方財政委員会
としては、その意向を明らかにいたしている
よう
な次第で、私
ども
もその点につきましてはできるだけこの間の
折衝
に当りたい、か
よう
に
考え
ている次第でございます。
河原伊三郎
8
○
河原委員
私の聞き
誤り
であれば別でありますが、聞き
誤り
でないといたしますれば、まことに驚き入
つたお話
を承
つた感
がいたすのであります。それは
地方財政平衛交付金
は、
地方
の
実情
を把握してから
増額
とか、そういうことを
考え
て行きたい、こういうふうな御
説明
であ
つた
よう
に聞いたのであります。そういたしますれば
地方財政委員会
もあり、
地方行政調査委員会議
もあるのでありますが、現在の
地方財政平衡交付金
というものは、
実情
を把握しないで
雲やみ
にや
つて
おられるのか、どういう
考え
方でや
つて
おられるのかわからぬなりでや
つて
おられるのか、どうもそういうふうに受取れるのでありますが、この点もう一度ひとつ承りたいと思います。
小野哲
9
○
小野
(哲)
説明員
私が少し結論の方を急いだために、その間の
模様
を
お話
し申し上げることを省きまして、恐縮に
思つたの
でありますが、実は私が申し上げましたのは、
昭和
二十五
年度
の
予算
の編成にあたりまして、いわゆる
大蔵省案
と
地方財政委員会案
との間に、
相当
の開きがあ
つた
わけであります。従いまして、この点につきましては両者が具体的に
実情
を調べて把握する
よう
にしなければいけないのではないか、こういう点から
実情
の
調査
、把握ということを問題にいたした
よう
な次第で、従いまして
地方財政委員会そのもの
が、
地方財政平衡交付金
の算定にあたりましては、もちろん
資料
に基いて十分に
検討
を加えておることは申し上げるまでもないのであります。ただ
大蔵省当局
と
地方財政委員会当局
との間に、
意見
の
食い違い
があ
つた
点につきまして、双方か
実情
をもつと十分に把握することは必要ではないか、こういうことを実は私自身も勧めた一人でありまして、この点はひとつ御
了承
を願いたいと思います。
河原伊三郎
10
○
河原委員
地方財政平衡交付金
の問題につきましては、当該の対象となる
地方自治団体
がはたしてどれたけを必要とするか、どれだけの、幾ばくの
平衡交付金
が妥当であるかという、
地方自治団体
独自の見方から
考え
る
行き方
と、いま
一つ
はその必要なる
財源
が、
国家財政
の都合に照らして出し得るかどうかという二つの点が、重要なる問題であろうかと思います。従いまして
国家財政
に
余裕
のあるときでありますれば、
地方自治団体
の
要望
に沿うことができるし、また
地方自治団体
の方で切実な
要望
がありましても、
国家財政
の方に
余裕
がないときにはむずかしいと思われるのであります。ところが
大蔵当局
におきましては、機会あるごとに
減税
を大いに強調されている次第でありまして、
従つて
現
段階
においては、将来の
見通し
として
減税
をなすほどの
財源
に
余裕
を生する
見通し
ができておるとみなしてもよいと思います。従いまして、こういう際こそ
地方自治庁
におかれまして、ひとつ大いに馬力をかけていただいて、
地方財政平衡交付金
の
実情
に沿うだけの
増額
、または従来
地方税
におきまして、いろいろ論議されておりました問題の減免に対する解決、これらをこの際
国家財政
の
状況
とにらみ合せて円滑に解決する
よう
に、
特段
の御
努力
を願いたいと存ずる次第でありますが、これらの点に関する御
見解
も承りたいと存じます。
小野哲
11
○
小野
(哲)
説明員
ただいまの御
意見
十分に拝承いたしたのでありますが、まず第一の
地方財政平衡交付金
の
増額
につきましては各
地方公共団体
からその
財政需要
に応じた
要望
があることは事実であります。と同時に、
地方財政委員会
におきましても、先ほど私から例示いたしました
よう
な事柄について
財政需要
が起るべき
可能性
があるという観点から、
地方財政平衡交付金
の
増額
が、
財源措置
として必要であるという
見解
を持
つて
おります。一面、第二の点としては、
国家財政全般
の
運用
の点から申しまして、
地方公共団体
の
要望通り
に、これを
増額
することは困難であるという状態にあることも、これまた見のがすことができないと思うのでありまして、要はこの間の調整をどうはか
つて
行くかということについての、具体的の
施策
が伴われなければならないのではないか。そういう点につきまして、各機関においていろいろ
目下
論議が行なわれておる
よう
な次第で、従いまして、国全体の
行政運営
の上に刷新をはか
つて
行くのと相まちまして、
地方公共団体
の
行政運営
の上にも、やはりこれらの
施策
を適当に行
つて
行かなければならないのではないか。さ
よう
な
方法
によりまして、今
お話
になりました
よう
な
国民負担
の
軽減
、すなわち
減税等
の
措置
による
負担
の
軽減
をはか
つて
行くという
方向
に、
目下
進んでおる
よう
なわけであります。
地方財政平衡交付金
は、
地方税法
の適正な
運用
、あるいは
地方債
の適当な
運用
と相まちまして、
地方財政
の
財源
をつちか
つて
行くことに相なりますので、ただいま強い御
要望
がございました
よう
に、私
ども
の
立場
といたしましては、
地方財政委員会
の
意見
にも出ております
よう
なぐあいに、
地方財政平衡交付金
の
増額
に向
つて
、これが実現をはかる
よう
に一層
努力
をして参りたい、か
よう
に
考え
ておる
よう
な次第でございます。
地方税制
の問題につきましても、この
税法
の
運用
に伴いまして、各
方面
からいろいろと御
意見
もある
よう
でありましたので、これらの御
意見
を伺いました上で
政府
としては十分に
研究
をいたして参りたいと
考え
ております。
立花敏男
12
○
立花委員
小野
さんの今の御
答弁
では、
政府
としてはそういうふうに
考え
ておるとおつしや
つて
おられますので、
政府
としての
意見
を聞きたいのでありますが、き
よう
の日経に、
大蔵省
の
意見
として、
税制改革
の根本的な
記事
が出ているのですけれ
ども
、あれは一の大きな
政府
の
意見
なんでし
よう
か。あの問題について
小野
さんどの
程度
にお知りなんですか。また
自治庁
としてどの
程度
に
関係
をお持ちに
なつ
たか、ひとつお聞かせを願いたい。
小野哲
13
○
小野
(哲)
説明員
税利
の
改革
をするかいなかということにつきましては、
税制懇談会
というものがありまして、そこで
目下
懇談
を進められている
よう
な次第で、
政府
としてはいまだ
お話
を申し上げる
よう
な
成案
は持
つて
いないのであります。
立花敏男
14
○
立花委員
き
よう
の
新聞
を見ますと、大体
大蔵省
の一致した有力な
意見
として
発表
されておりますので、
小野
さんが
政府
として
税制
の問題を
答弁
なさる以上は、その問題を御存じだろうと思いますし、これは決してき
よう
突如として
発表
されたものではなく、今までの
新聞発表
の経過をたどりましても、ずつと一連の動きがございまして、今
小野
さんが言われました
税制懇談会
とも関連を持
つて
この
意見
が出て来ておると思います。き
よう
の
新聞
を見ましても、事実上、
大蔵省
の
意見
と並べまして
税制懇談会
の
意見
が出ておりまして
税制懇談会
では
意見
が一致したというところまで、
はつ
きり
発表
しているわけであります。しかも
税制懇談会
の一致した
意見
の中には、
平衡交付金
の
減額
が
はつ
きり認められております。これは今
河原委員
が問題にされておりますし、
小野
さんもその
増額
に
努力
すると言われております。その
平衡交付金
の
減額
が、
税制懇談会
で一致した
意見
として
発表
されておる。こうな
つて
参りますと、
小野
さんが
政府
として
答弁
されているのであ
つた
ら、非常に
食い違い
が大きくて、ま
つた
く逆なことになりますのでわからないのですが、その間の
事情
をひとつ御
説明
願いたい。
小野哲
15
○
小野
(哲)
説明員
税制
の問題は、各
方面
でいろいろ
研究
もしておりますし、またいろいろの
意見
が出ることは当然だと思います。ただ
地方税
に関しましては、これが
企画立案
をいたします
責任当局
は、
地方自治庁
でございます。
従つて地方自治庁
として
研究
いたしました結果、これが
成案
であるということを申し上げるまでは、
地方税法
に関しましては、
政府
としては
成案
の持合せがない、か
よう
に申し上げてよいかと思います。
従つて
、
大蔵省
として
新聞紙上
に
発表
されましたのは、あるいはさ
よう
なことが論議されたのかも存じませんけれ
ども
、これは
成案
として論議されたものではない、
地方自治庁
として
研究
いたしました結果の
成案
ではないということを、申し上げておきたいと思います。
立花敏男
16
○
立花委員
お
役所内部
のそういうなわ張り的な問題は別といたしまして、
大蔵省
のおもな
意見
として
発表
されておりますので、
国民
が見ます以上は、やはりこれは
政府
の
意見
であるという
よう
に
考え
ざるを得ないと思う。もし
自治庁
の方で、そういう
はつ
きりした
考え
をお持ちになり、また
大蔵省
の
意見
として
発表
されておりますものと相違当
つた意見
をお持ちにな
つて
おるのであるというならば、
自治庁
といえ
ども
、
大蔵省
といえ
ども
同じ
政府部内
なので、この
意見
は私は当然
折衝
して、まとめていただく必要があると思います。
小野
さんの
意見
によりますと、
大蔵省
の
意見
は何ら
政府
の
意見
でもなし、大した問題ではないのだ、あるいはさ
よう
なことが論ぜられておるかもしれぬという
よう
な御
意見
ですが、しかし私
ども
が見ます以上は、
発表
を見ました限りにおきましては、重大な問題を含んでおるわけです、税の
地方分権
から
中央集権
へ移行させるという根本的な問題まで含んで
発表
されておるわけです。しかもさいぜん言いました
よう
に、
平衡交付金
は
減額
する、
入場税
、
遊興飲食税
は国税にする、
市町村税中心
を
府県税中心
にする、あるいは
附加価値税
を廃止する、
取引高税
を復活する、こうい
つた
よう
なま
つた
く根本的な現在の税の改変が行われる
意見
が、しかも
大蔵省
のおもな
意見
として
発表
されております。これはどういたしましても、私
ども
といたしましては問題にしてその真相を確かめて、またこれに対して
政府部内
の統一した
意見
を承りたいと思うのです。この問題が
発表
されるまではともかくといたしましてこういう問題が
発表
された以上は、
自治庁
としても
政府部内
の
意見
の統一なり、今後の成行きに対しての御
意見
を、
はつ
きり示していただきたいと思います。
小野哲
17
○
小野
(哲)
説明員
立花
さんは
新聞記事
を主として、いろいろと御
質問
の
よう
でございますが、私
ども
はこの
種記事
があるいは推測を加味して
発表
されたものではないかとも
考え
られますので、
新聞記事
のみによ
つて
、ここで御
答弁
申し上げることはいかがかと思うのであります。
政府
として
地方税制
を
改正
するかどうかという問題は、まだ本日ここで
立花
さんの御
質問
に対して御
答弁
を申し上げる時期には至
つて
おらないので、
税制懇談会等
においていろいろ、
意見
が交換されておりますことは十分
承知
いたしております。と同時に
税制
については各界、各
方面
で
関心
を持
つて
おりますために、いろいろの
意見
が
新聞紙上
に現われて来ることも予想にかたくないわけであります。
従つて政府
においても各
方面
の
意見
を十分に聞き、また、その推移を見しまして、さらに
地方税法
が施行された以後における
実情等
に
考え
まして、
改正
すべきかいなかを決定すべき問題でございます。
従つて
ここで
はつ
きりと
政府
はこういう案を持
つて
おる、あるいは
地方自治庁
はこういう
見解
であるということを申し述べる時期には、また至
つて
おらないわけでございます。
立花敏男
18
○
立花委員
政府
の案を
発表
していたたきたいということを申し上げておるのではございません。こういう動きが少くとも
政府部内
にある、あるいは
税制懇談会
としての動きがある、それと
自治庁
とはどういう関連において、今後お動きになる
見通し
なのか、またそれに対して
自治庁
としてはどういう態度、でそういうものと
関係
をお持ちになる方針か、こういうことをお聞きいたしております。今できていない案を見せていただきたいとか、できないことをや
つて
いただきたいとかいうことを申し上げておりません。けさ
小野
さんに聞きますと、その
よう
なことは初耳だとおつしやられますので、私
ども
は驚き入
つたの
であります。岡野さんは外国へ行
つて
おられますから、そのあとはやはり
小野
さんが中心にな
つて
お動きになると思うのですが、その方が全然知られない、
大蔵省
の
意見
も知られないというのでは、私
ども
聞きただす道がないわけです。
税制懇談会
あたりとはどういうふうな接触をお持ちなのか、これも承
つて
おきたい。
新聞
によりますと、
自治庁
関係
はどなたもお出にな
つて
いない。
地方
の
税制
をお扱いになる
自治庁
関係
がお出にな
つて
いないで、はたして妥当な
意見
がまとまるかどうか、これも重大だと思いますし、故意に
自治庁
関係
をはずされているのかどうか、何らその点に関しての
折衝
がなか
つた
ものかどうか、三人も大臣が出ているのですが、
自治庁
関係
は一人も出ていない。この点非常にふしぎなんです。そういう点も承りたいし、もし故意に
自治庁
関係
が除かれているとするならば、
自治庁
としてはどういう態度でそういう組織、あるいは
委員会
との接触を今後なさるつもりであるか承りたい。
小野哲
19
○
小野
(哲)
説明員
地方自治庁
の態度は先ほど申し上げました
よう
に、いろいろの
方面
でいろいろの
意見
が出て参
つて
おりますので、十分に
関心
を持
つて
これを見、かつ
研究
いたしたいと思
つて
いるわけであります。従いまして
自治庁
が全然無
関心
であるということではないので、きわめて重大な
関心
を寄せていることを申し上げておきたいと思います。また
税制懇談会
において—
新聞
には名前が出ていないかもしれませんが、必要に応じて、
資料
による
説明
その他を求められる場合もありありますので、
従つて
その場合においては、進んで
地方財政委員会
とともに
説明
の衝に当
つて
いる、そういう
よう
に御了解願いたいのであります。
立花敏男
20
○
立花委員
そういたしまとす、進んでや
つて
いるということなんで、
税制懇談会
とは
相当
接触がある
よう
に思われます。二十七日の朝日
新聞
にも、
地方自治庁
や
地方財政委員会
と連絡をと
つて
、
検討
を開始しているという
記事
が出ているので、連絡をおとりだと思うのです。しかもその
税制懇談会
がもはや一致した結論をお出しにな
つて
いるというところまで
新聞
は
発表
しているのです。今まで連絡をおとりに
なつ
た以上は御
意見
をお持ちだろうと思うのですが、どうなんですか。
小野哲
21
○
小野
(哲)
説明員
立花
さんは少し私の
答弁
を曲解されているのじやないかと思いますが、連絡をとるということは、
税制懇談会
の
意見
を構成するという意味ではないのでありまして、
説明
を求められる場合において
説明
するということであります。
従つて
税制懇談会
のメンバーとして、その意思を決定することに参加すとるいう意味ではないわけであります。
税制懇談会
は
懇談
会としての独自の
立場
で、いろいろと議論されている
よう
なわけでありますので、この点を誤解のない
よう
にお願いいたしたいと思います。
立花敏男
22
○
立花委員
税制懇談会
は
政府
が設けたものだと思いますが、そうなんですか。
小野哲
23
○
小野
(哲)
説明員
政府
が設けたものでありましても、その
委員会
その他審議機関の性格によりましては、独立したものがあるわけでありますので、
政府
が設けたから、すべて
政府
機関の
意見
が、その
懇談
会なり、
委員会
に反映するものとはならないと
考え
ております。
立花敏男
24
○
立花委員
私はそんなことを聞いておりません。
政府
が設けたかどうかをお聞きしている。
政府
が設けたものだということは明らかだと思うのですが、その
政府
が設けました
懇談
会が
自治庁
あるいは
地方財政委員会
と連絡をと
つて
、しかもあなたの言われました
よう
に、積極的にあなたの方からも
意見
や
資料
をお出しにな
つて
いる以上は、そこに生れて参りました結論なり、一致した
意見
は、同じ
政府
の一部である
自治庁
や
地方財政委員会
には反映していると思うのです。そうな
つて
参りますと、今私たちに示されております
税制懇談会
の
意見
は、やはり
自治庁
あるいは
地方財政委員会
においても反映している、少くともこの結論に対する御
意見
はお持ちだろうと思うのですが、それをひとつお聞かせ願いたい。
小野哲
25
○
小野
(哲)
説明員
私の
見解
では、
税制懇談会
はその独自の
立場
で
意見
をまとめるものと
考え
られます。
立花敏男
26
○
立花委員
そういたしますと、
小野
さんとしては、同じ
政府
の機関である
税制懇談会
が出した結論あるいは
意見
に対して、今
自治庁
側で何ら持合せの
意見
がない、賛成なのか反対なのか、そういうことは一切わからない、まだ
発表
できないと言われるのですが、その理由をひとつ聞かしていただきたい。
小野哲
27
○
小野
(哲)
説明員
税制懇談会
でいろいろ
お話
合いをされました結果が、
政府
に出て来るであろうと思
つて
おります。その場合に
政府
がこれをどういうふうにとりさばいて行くかは、
政府
が決定すべきものだと
考え
ております。
立花敏男
28
○
立花委員
政府
が決定すると申しましても、
小野
さん自身が
一つ
の
政府
の有力なポストにおられるので、どう決定するかは
小野
さんの
意見
が非常に重要なモメントにな
つて
来ると思いますが、
政府
とい
つた
つて
小野
さん以外の人はない。
小野
さん自身が
一つ
の有力なモメントになられるのですから、そういう意味で
小野
さんの
意見
をひとつ承わらせていただきたい。
小野哲
29
○
小野
(哲)
説明員
政府
は閣議等を持
つて
おりますので、
政府
の
意見
は閣議において方針を決定いたすことにな
つて
おります。私の今の
意見
がただちに
政府
の
意見
とはならないと思います。同時に先ほど繰返して申しました
よう
に、
税制懇談会
でいろいろ話し合いをされました結果が、おそらく
政府
に対してこういう
よう
な
意見
を持
つて
いるということをお申出になるのではないか、か
よう
に思います。その際に
政府
としてこれを受入れて、どの
程度
税制改革
の上に、
政府
としての
意見
をまとめるかどうかは、なお今後の問題に属すると
考え
ております。
前尾繁三郎
30
○
前尾委員長
ほかに御質疑はありませんか、——それでは本日はこれにて散会いたしまして明日は午前十時から開会いたします。 午後零時三十三分散会