○野村
委員 今回
政府が
提案されておりまする
地方税法の一部を
改正する
法律案の、現在の
提案そのものについては、私もう少し現在の
地方税全体を通じて、積極的な
改正を期待いたしたのですが、結局現在のような税法の
内容を盛つたものが
提案を見たのであります。この機会に、
岡野国務大臣御出席でございますから、この
地方税法について
お尋ねをいたしたいと思います。特に
地方税のうちにおきましても、都
道府県の重要な税の
一つにな
つております入場税あるいは遊興飲食税について、主としてお伺いしたいと思うのです。これら両税には必ずしも安定性があると言えないと思う。まず先に入場税についてでありまするが、この入場税のうちの映画演劇、これは文化の上において大きな役割を務めておるわけです。これらは当
委員会において十五割から十割に減税を見たのですが、これらについて、今ちまたに世界一高い入場税というような、いろいろな標語も見えておるわけです。およそ税と名のつくものは、私らの單純な理念から行きますると、五割以上はかくべきでない、かように思う。十割とか、しかも十五割なんてとる、こういう種類の事業は、むしろ私は禁止すべきであろうと、理念的に
考えておるわけです。こういう点に対しましてこの今の十割課税は了解に苦しみますし、またこの税を通しての
徴税が非常に困難な
状態を私は知悉しておるのです。そういう点から、前回十五割から十割に減税をいたすときにおいては、文化的の役割から見て、いわゆる観客層の面からも考慮をして、
相当入場料金のわくをはずすとか、いろいろな点からこの点をねらつたのですが、今映画
関係の製作面とかあるいは小屋の経営とかいろいろな面から見て、結局われわれが期待した料金引下げというももの非常に困難である。そういう点から、これを健全なものにし、文化の上に役立たせるという点と、冒頭申し上げました私の理念に基きまして、五割、さらにまた演劇につきましては、最近歌舞伎座も復興いたしたわけですが、これらも一階、二階などは、いろいろな商業政策等を通して、一応席を埋めているようですが、いわゆる大衆が利用しまする三階席のごときにおいては寥々たるものがあるということを聞くのですが、こういうものは、むしろ
政府が別の観点から国立劇場的な援助すら與えなければならぬというくらいな
考えを持つのです。そういう点から、演劇については映画とは差をつけなければならぬと
考えられるわけですが、今この入場税の
徴收の
状態を見ますると、遊興飲食税的な
徴收のしかたをとらざるを得ないような
状態にな
つておることを私は聞くので、こういうことは非常にいけないことだと思います。一体税金は拂える税金、また
法律は守れる
法律でなければ何もならぬと思う。現在のような無理解な税率をいたずらに羅列しても、これを守れないというようなことになりますると、やはり公正な納税が行われない、そこに不徳な業者なり、
納税者が跋扈するゆえんでありますので、まず入場税について、大臣の御所見を伺いたいと思います。
それから、さらにこれに関して小さいことになりますが、最近
各種のスポーツが非常に盛んにな
つて来たわけですが、従来、歴史のある相撲、これは一部において、あるいは封建的な要素があるかもしれませんが、敗戰日本を振興し、平和日本において、私はこの国技を通しての成果というものは、
相当期待ができると思う。これが現在ほかのいわゆる奢侈的な興行と同じように十割課税である。それからまた新興スポーツとしてのアイス・スケート、これについては、観覧者は四割だけれ
ども、これを利用する者に対しては十割という課税である。この二つが私はどうもそぐわないように思いますので、これらに対する御見解を伺いたい。一は国技、一は新興スポーツとして、他の好ましからざる競馬とか、ほかのいわゆる奢侈的のそれとは異なると私は
考えます。まず入場税について御所見を承りたい。