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立花委員 現存日本の経済、日本の産業がだれのためにどの方向に動かされているかということを、根本的にお
考えにならないで、資本蓄積もかまわないのだ、減価償却もやらすのだということで仕事をおやりになると、結局
考えを違つた方向に行くことになると思いますので、日本産業の根本的な
あり方、根本的な方向というものを、やはり十分
考えて
税法をおつくりにならなければ、結局変な
税法ができてしまうのではないかと思うわけです。再評価の税金の問題
一つをお取上げにな
つても、再評価をあまりたくさんや
つても、税金を納める金がなくて困るのだから、そうやらないのだとおつしやられますが、そういう莫大な再評価の税金に対しましては——そういう
ような大企業に対しましては、
政府は特に納税融資を
考えているわけで、そういう
ような莫大な固定資産を持
つております企業は、ちつとも困らない
ようにちやんともう税金を納めるための資金までも用意されております。ですから、もうそういう
よう特需産業、巨大産業に対しましては、至れり盡せりなんで、さらにその上にこの
税法で減価償却まで、そういうものだけが恩典に浴するという形で出て来ていることは、どうも納得ができない。これ以上はあるいは議論になるかもしれませんが、結局こういう
ような形で一資本家の
負担すべき部分が減らされている。また減らし得る可能性がある
ように、
税法が仕組まれておるということは、結局これは勤労者の
負担に転嫁されて来るのではないか。附加価値税の数字的な減少は見込んでおらない、加算法によ
つて附加価値税の減少は見込んでおられないと言われたことから、その
結論が出て来るのではないかと思いますと申しますのは、加算方式によりますと、所得と給与、そのほかに利子、地代、家賃がございますが、これは問題にならないと思います。所得と給与だけが二本残るわけです。ところが企業によりましては、給与が絶対的に多いものがたくさんございますが、少くともこの二つに限られまして、あとのこれ以前につけ加えられておりました交際費とか、交通費とか、雑費とか、所得税というものが全部なくな
つてしまいまして、全体の額が同じであるとすると、給与に対する
負担がどうしても重くな
つて来るのではないか。そういたしますと、現在の
税法自体に反対しておりました労働者が、三重に収奪を受ける。すでにもらわない以前に、資本家の手にまだ給与があるのに、税金がかか
つて来るという矛盾がさらに増大して来るのではないか。自分がもらつた場合は所得税としてとられ、また自分がもら
つて生活をする場合には、これは市民税としてとられる、こういうふうに三重の税金が勤労者にかか
つて来るのですが、そのかか
つて来る圧力が第一歩の附加価値税の場合に、今までよりも重くなるのではないか。と申しますのは、資本家の附加価値税の中で
負担すべき率がどんどん減
つて参りますから、どういたしましても残されました給与の方に、その
負担が転嫁されて来るのではないかと思うのです。こうな
つて参りますと、勤労者は、あとで問題になります
市町村民税の百パーセント源泉
徴収という問題の前に、資本家の手に自分の給与があります場合に、すでに大きな重圧を受けて来るということが言えると思いますが、この問題をお
考えに
なつたことがあるかどうか、お聞きします。