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江口政府委員 予備隊発足以来、退職いたしました者は最近までで四千名ほどございます。その内訳を申し上げますると、三千名ほどは自発退職でございます。これは当初御
承知の
通り、なかなか
給與がきまらずに、こういうような
給與ではとうてい持ちこたえられないというような
考え方からやめた者もございますし、また中に入りまして自分の
考え方に合わないでやめたとかいう者もございまするし、あるいはただいまお述べになりましたように、試験の結果落ちて見込みがないからやめたという者もございますし、そういうものが大体三千名程度ございます。あとは身体的な事由によりましてやめて行
つた者が四、五百名ございます。それから残りは不都合な行いがございまして、たとえば官歴を詐称する、経歴を詐称する、あるいは犯罪を犯すということでやめさせられた者で、それが四、五百名ございます。大体の数はそのくらいでございます。
一部風紀が非常に悪い
部隊があるというようなお話でございますが、われわれもたまにそういう
隊員がありますことを耳にいたしまして、はなはだ遺憾に存じておるのでございまするが、ただいま
法務総裁からお答えいたしましたように、
幹部も漸次充員して参りましたので、その
幹部による
監督も今後は十分厳重にや
つて行けるものと心得ておりまするし、この際われわれといたしましても風紀の点につきましては、規律の維持の点につきましては、大いに努力をするようにということを、しばしば繰返して示達しておりまするので、今後はそういう風紀を乱すというような事例はたくさんは出て来ない、りつぱな風紀を持ち、規律を持
つた部隊になるものと、われわれは信じております。
それから試験が、いわゆる
幹部試験と士補の試験というのが、二回行われたのでございます。
幹部試験に落ちた者の中には、それまで仮
部隊長の役目をや
つてお
つた者もございまして、試験の結果一般の警査級に落ちたということになりましたために、本人も非常に落胆をし、あるいはその
部隊内における納まりもおもしろくないというふうな事例も耳にいたしております。ただ試験は御
承知の
通り普通の
常識試験的なものでございますので、この試験の問題で何十点以上かを取れなか
つた人は、たとい実技ができましても、その人の普段の
常識の涵養が足らなか
つたということになるのでありまして、はなはだ仮
部隊長などをしてお
つた人人にはお気の毒でありますが、これは今のところ何とかしたいとは
考えておりますが、ちよつと困難ではないかと存じております。ただ士補の方につきましては、士補試験に落ちて今後一般の警査として行かなければならないということは非常につらいというので、やめようかどうかということで迷
つておるという者も
相当あると聞いておりますので、士補につきましては
幹部と違いまして、これは主として
常識試験よりも実技の方を重んじて上げた方がいいのではないかと
考えまして、一般警査に落ちておる人
たちの中から、何か適当な
方法で選んで、その人の勤務成績、実技
方面を考慮いたしまして、一等士補、二等士補、三等士補に上げられるようにいたしたいものだと
考えて、ただいま諸般の研究をいたしておるような次第であります。