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1951-05-19 第10回国会 衆議院 大蔵委員会水産委員会連合審査会 第1号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十六年五月十九日(土曜日)     午前十時四十三分開議  出席委員   大蔵委員会    委員長 夏堀源三郎君    理事 奧村又十郎君 理事 西村 直己君    理事 内藤 友明君       有田 二郎君    大上  司君       佐久間 徹君    島村 一郎君       清水 逸平君    塚田十一郎君       苫米地英俊君    三宅 則義君       松尾トシ子君    竹村奈良一君   水産委員会    委員長 冨永格五郎君    理事 二階堂 進君 理事 松田 鐵藏君    理事 林  好次君       川端 佳夫君    川村善八郎君       田渕 光一君    永田  節君       小松 勇次君    佐竹 新市君       井之口政雄君  出席政府委員         大蔵事務官         (理財局次長) 酒井 俊彦君         大蔵事務官         (国税庁直税部         長兼主税局税制         課長)     原  純夫君         水産庁長官   藤田  厳君  委員外出席者         農林事務官         (水産庁漁政部         長)     松任谷健太郎君         農林事務官   久宗  高君         農 林 技 官         (水産庁漁政部         経理課長)   増田 正一君         建設事務官         (管理局総務課         長)      高田 賢造君         大蔵委員会専門         員       椎木 文也君         大蔵委員会専門         員       黒田 久太君         水産委員会専門         員       徳久 三種君     ――――――――――――― 本日の会議に付した事件  祖税特別措置法の一部を改正する法律案(内閣  提出第一六〇号)     ―――――――――――――
  2. 夏堀源三郎

    夏堀委員長 これより大蔵委員会水産委員会連合審査会を開会いたします。  私は各位の御了承を得まして、委員長の職務を勤めさせていただきます。  それでは祖税特別措置法の一部を改正する法律案議題といたしまして、まず政府当局より提案理由説明を求めます。原政府委員
  3. 原純夫

    ○原(純)政府委員 ただいま議題となりました租税特別措置法の一部を改正する法律案につきまして、提案理由を御説明申し上げます。  本改正案は、漁業権消滅に伴つて交付されます補償金、及び土地収用等に伴つて交付されます補償金につきまして、課税上の特例を設けようとするのであります。すなわち、一昨年以来漁業法改正によつて行われておりますところの漁業制度根本的変革に伴いまして、本年九月及び十二月の二回にわたり従来の漁業権消滅さして、旧漁業権等に対し補償金を交付することになつているのでありますが、現行税制のままでは相当多額税負担となりまして、漁業制度改革実施を不円滑ならしめるおそれがあります。そこでその負担軽減をはかることが適当と認められる次第であります。また、土地収用法等特別の法令の規定によりまして土地その他の物件収用される場合におきましても、同様の課税上の問題が発生いたしますので、同様に負担軽減をはかつて土地収用等の円滑な実施に資することが必要と考えられるのであります。政府はこれらの目的のために、租税特別措置法の一部を改正することを適当と認めまして、ここに本改正案提案いたした次第であります。  以下本改正案についてその概要を申し上げます。  第一に、漁業権消滅に伴いまして交付されます補償金に対する課税につきましては、個人の場合と法人の場合とで異なつております。  まず、個人の場合について申し上げますと、漁業権は原則として事業用資産でありますから、現行法におきましては、個人行つた評価額財産税調査額または財産税調査時期後の取得価格との差額について再評価税が課せられまして、補償金額と再評価額との差額譲渡所得として所得税対象となるのであります。しかしながら、漁業権財産税調査価格が比較的低く定められたことと、漁業権について再評価した個人がきわめて少いことに基きまして、相当多額譲渡所得が発生する実情にありますので、漁業権消滅の時期において、補償金額を再評価額として再評価が行われたものとみなし、六%の再評価税だけで済ませまして、譲渡所得に対する課税を行わないこととしたのであります。  次に、法人の場合であります。現行法の場合におきましては、補償金額と再評価額との差額に対しましては三五%の法人税が課せられまして、再評価前の帳簿価格と再評価額との差額について、再評価税を納めるということになるのでありますが、個人の場合と同様に再評価行つた法人はきわめて少く、また漁業権が半永久的な権利でありましたために、記帳価格がないかまたはきわめて低額であるということのために、法人税負担が相当多額と相なるのであります。記帳価格のあるとないとを問わず、また第一次再評価行つたといなとにかかわらず、補償金額限度額といたしまして、第二次再評価を行い得ることにしたのであります。従いまして、補償金額まで再評価を行うことによりまして、再評価税だけを納付すればよく、法人税課税されないこととなるのであります。  第二に、土地収用等に伴つて交付される補償金に対する課税上の特例について申し上げます。現行法におきましては、個人が有する土地その他の物件収用された場合におきましては、収用のときにおいて再評価したものとみなされることになつているのでありますが、その再評価額が特に農地等の場合でありますと、かつて統制価格がありましたために、再評価額が低目になつておりますので、譲渡所得が相当多額に発生することになつております。そこでこの場合におきまする法定再評価額を引上げまして、補償金額を再評価額とすることによりまして、譲渡所得を発生せしめないこととしたのであります。  また、法人がその有する土地その他の物件収用された場合におきましても、同様の問題が生じますので、収用された土地等帳簿価格が付されているかどうかにかかわらず、また再評価行つたかどうかにかかわらず、収用の日の属する事業年度開始の日において、補償額を再評価限度額として再評価を行うことができることとし、その負担軽減をはかつているのであります。  何とぞ御審議の上すみやかに賛成せられんことを切望してやまない次第であります。
  4. 夏堀源三郎

    夏堀委員長 これより質疑に入ります。川村善八郎君。
  5. 川村善八郎

    川村委員 私はただいま議題となりました、政府租税特別措置法の一部を改正して、漁業制度改革による漁業権補償金課税をせんとすることに対しては、原則的には反対でありますので、漁業制度改革根本となうておる事業と、漁民負担過重並びに犠牲とを若干申し上げて、これに附帯する諸問題について、大蔵当局質問いたしたいと存ずるのであります。  漁業制度改革に伴う漁業法制定に関しては、政府は第五回国会提案いたしまして、これを水産委員会に付託となりましたので、同委員会では、まことに事重大でありますので、慎重を期してこれを継続審議となして、約六箇月の間に、全国四班にわけて、各地において漁民代表及び関係者等懇談会を開いて、その意見を聴取し、さらに公聴会を数回開いて、全国より約三十人近いところの漁民代表及び学識経験者等より、その意見の聴取をいたしまして、第六回国会におきまして、これを制定したのであります。  申すまでもなく、漁業制度改革は、漁民民主化と、漁業経営の発展と、漁民の公平なる福祉機会均等を与えようとするのが、そのねらいでありまして、これを遂行しようとするには、何といつても一番大きな問題となりますのは、漁業権補償漁業計画漁業権の再分配、漁業権免許料及び許可料等であります。そのうち国として最も大きな責任にかかるものは、このたびの問題となつておりますところの漁業権補償であるのであります。この漁業権補償一つは、国が漁業権国民私有財産としてこれを認め、これを買い上げて、その代償として百七十億の漁業権補償をしようというのであります。従つて漁民は一時的には漁業が経営できなくなる者や、また漁民の中には自分の欲する漁業を経営することができなくなる者や、あるいは漁業が全然できなくなる者等があるのであります。従つて一つは、漁業権買収に対する補償ともみなされ、一つ漁業経営上の損失補償ともみなされる。この二つの意味を含んでおるのであります。また補償金額も、漁民の望んだ金額に達していないのでありまして、またもともとこの漁業制度革命等は、決して漁民全体は望んでおらなかつたのでありますが、かような漁業権補償金課税をするということは、まことに不当といわなければならないのでありまして、漁民反対もまたここにあり、私たち水産委員会反対理由もそこにあるのであります。また漁業権の再配分の場合は、免許料及び許可料の問題があるのでありまして、政府は当初漁獲高の三%くらいを徴収しようという考え方であつたようでありますが、この免許料許可料等の内容は、国は漁業権補償として、大体百七十億円の漁業権証券を発行して、これの利息等を含めた金額約三百億円を、二十五箇年くらいに漁業者から吸い上げようというのでありますから、国は一時的には補償金として出します。が、一銭も損しないで、漁業者から補償金の倍数に近いところの金額を取立てることになるのであります。しかも二十五年以降の免許料並び許可料等の国の収入は、いずれも国の利益であり、これまで漁業権賃貸料漁業権者である個人または漁業協同組合がとつていたのを、国がとることになるので、考えようによつては、国は漁業者から搾取することに相なるのであります。そこで漁業者のうち一番大きい犠牲と、一番大きい負担過重を計算してみますと、まず漁業権補償の各都道府県からの要求は、大体三百億円でありましたが、これに対して国は百七十億円より出さないことになつておりますから、漁業権時価の大体六割程度に買い上げられるということになり、さらに再評価税所得税とで約十四億くらいとられることになりますから、これらは漁民の最も大きな犠牲となるのであります。さらに漁業者負担となるところの今後の漁業権免許料許可料徴収でありますが、第一に漁業権補償を国が現金で払つてくれれば、漁業者漁業権証券金額及び利息等を、免許料許可料負担しなくても、漁業者利益から所得税でとればいいのでありますが、免許料許可料でとるということは、将来漁業者にとつては大きな負担となることは火を見るより明らかであります。さらにまたこの漁業権補償は、休業漁業権にも―不在地主的存在漁業権所有者、すなわち漁業権を賃貸して不当な搾取をしておつた個人漁業権者にも、支払うということになつておりますので、従つてこれらの漁業権補償及び利益等も、これから漁業を経営するところの真の漁業者が、全部免許料許可料等で払つて行かなければならないこととなつておるので、真の漁民犠牲が大きいのみならず、さらに許可料あるいは免許料等で二重、三重負担をして行かなければならないのでありまして、漁業権補償に対する課税には、どうしてもわれわれは原則的には反対せざるを得ないのであります。これらは漁民にとつての当然の叫びであり、われわれは国民代表として、しかも水産委員会といたしましては、漁民代表しているものが多いのでありますから、われわれが反対する理由一つとなるのであります。また一部漁民の中には、漁業権補償を旧漁業会から配分を受けるということになりますが、前に述べたように時価額の六割程度より評価されないばかりでなく、それに六%の再評価に対して課税をされ、その漁民は都合上によつて、あるいは今度の漁業制度改革によつて適格性とかあるいは優先順位等によつてどうしても漁業ができなくなつた場合には、その漁業協同組合加入するということもできないことになるのであります。そうしますと、その旧漁業会から配分を受けました漁業権証券に対しまして、所得税として三〇%をかけられるということになるのであります。さらにまたおそらくこの所得税に対しまして、応分な地方税なりあるいは住民税なりをとられるということになりますれば、漁業補償金の過半数は税金にとられるということになり、失業はするものの税金多額にとられるということになるので、他の生業に転換しようといたしましても、資金が足らないために生業につくことができない。あるいは極端に言うならば、漁業権がとられてしまつて資金もなく、あるいは将来の生活保障もできないということになりますので、生活しただちに困難を来すものがあると思うのであります。かような実情から、われわれは漁業制度改革には双手をあげて賛成するのでありますが、この改革を断行する段階におきまして、かような漁民犠牲負担と、さらに将来一部の漁民生活すら困るという状態にあるということになりますれば、どうしてもわれわれは、漁業権補償に対しては無税でなければならないということを、主張せざるを得ないのでありますし、漁業法提案当時の説明では無税である、いわゆる漁業権補償課税対象にはならないのであるという、かような説明がありましたので、われわれはそれを信じて漁業制度改革に邁進をいたしまして、漁業法制定をいたしたのであります。かような事情から、われわれはどうしても漁民の今後の負担軽減もはからなければなりませんし、また漁業者に対しましてはどうしても漁業権の再配分の場合に、免許料許可料をとらないという方針をとつて進みたいのでありますけれども、しかしながら漁民として幾分の犠牲がある、あるいは負担があるということは、こうした大きな漁業制度改革するという場合においては、どうしてもやむを得ないと思うのであります。しかしその犠牲負担が幾分ありましても、その犠牲なり負担なりがやがて漁民福祉のための施設、その他資金等に還元されるということになりますれば、漁業権補償金に対する課税には必ずしも強硬に反対をするものでもないのであります。  そこで政府に対して二、三承りたいことは、漁業権補償に対して課税して徴収したこの税金を、漁民福祉のための施設資金とか、あるいは今後漁業資金等にそれを還元いたしまして、どこまでも漁業制度改革漁民に喜ばれるような仕事資金に還元をするという意思があるかどうか。従つて意思がありとするならば、それがために法的措置及び機関等を設置する用意があるかどうか。  それから第二には、この漁業権補償に対するところの仕事を、一体年どのくらいにするという御意思であるか。それから漁民負担過重になるという一つの現われとして、償還期間が長くなりますと金利が非常に高くなります。この金利の高いということは、相当の金額に上るのでありますから、その償還期間ということも問題になります。従つて償還期間を何年くらいにする所存であるかどうか。それから免許料許可料を何年くらい一体とるつもりであるか。今後免許料許可料徴収。パーセンテージはどのくらいにする意思であるかどうか。  それからもう一つは再評価税及び一部のものの所得税をとられるということになるならば、今後この所得税に附帯するところの地方税とか住民税とかいうようなものはとられることになるのかどうか。これをとられることになりますと、先ほど申し上げましたように再評価税として、最低の率で漁民から徴収をするということにはなるのでありますけれども、一部の漁業をやめなければならないという者に対しましては、ほとんどがいわゆる所得税並びに地方税住民税等徴収されるということになりますので、この地方税住民税等を賦課するということになるかどうかということを伺つてお答えによつてはさらに再質問をいたしたいと存じます。
  6. 原純夫

    ○原(純)政府委員 私ただいまのお話のうちの税の関係事項についてお答えを申し上げます。税の関係では御質問ポイントが三つあつたかと拝承いたしました。第一は課税の可否の問題、これは御質問というよりも御意見が多かつたと思いますが、それが第一、第二に漁業会脱退いたします者に対しまする課税関係、第三にただいま仰せになり達した地方税の問題というような点が、ポイントであつたと思うのであります。  第一の点はいろいろの考慮の結果、ある程度犠牲はやむを得ないというふうにおつしやいましたので、ぜひ御了承願いたいと思うのでありますが、われわれはこの改正法案を立案されましたいきさつ、当時の気持を簡単に申し上げまして、なお一層御了察を願いたいと思います。まず昨年の税法全面改正以来こういう関係所得、つまり長年持つております資産が譲り渡された、あるいは買収されたと言います場合の差益でございます。これを譲渡所得という名前をつけております。これは、全額を対象として所得税がかかるということに相なります。これは昨年の全面改正の大きなポイント一つなのでありますが、その結果、今回のような場合に、従来からあります所得税法あるいは法人税法というものを、そのまま適用いたしますと、法人の場合でも三五%、個人の場合ですと、他の所得の大きさによつて違いますが、三割、四割、場合によつては五割ぐらいかかるというのがすぐ出て参ります。一昨年まではそういう譲渡所得は、個人の場合は半分にして課税するという緩和規定があつたのでありますが、ただいまはそれがない。一方こういう場合は―土地収用の場合も同様でありますが、父祖代々持つておられた権利というものを召し上げられる。土地収用の場合ですと農地に何代か農業をやつておられる。それがいわばダムをつくり何をつくるというので、非常事態のようなわけで追い出されるという事態であります。それでもごく抽象的に考えますならば、やはり所得にはかわりないという考えが立ちますけれども、常識的に考えて、そういうふうな場合、現行法税負担を課していいものかどうかということは当然疑問になります。もちろんおつしやつた通り、そういう場合には全然かけるなというお考えも立ち得ると思いますが、他の場合の課税負担、またこういう資産につきましても、たまたまそういう強制的な環境で所得が実現したのでありますけれども、ある意味でいつかは実現するかもわからない。実現の可能性は常にあるわけでありますが、全部を負けるというところまではちよつと行き切れない。そこでそれでは前のように半分にするか、あるいはさらに半分の半分にするかというような線が考えられるわけでありますが、何分そういう行き方をいたしますと、かなり説法の根本関係いたしまして、若干その時期でもないと思いましたので、たまたまここに再評価税というものがありますので、これらの六%程度であるならば総体に考えて妥当な税負担であり、この程度はかんべん願わなくてはいかぬのではないか。せいぜい行ける一番低いところまで考えたつもりなのであります。ひとつ御了察願いたいと思います。  第二点の漁業会脱退会員に対する課税関係に移りますが、この場合もいろいろ類似の事情というふうにも考えられるのでありますけれども、われわれこういう場合に税を軽減しなければならぬと考えましたのは、やはり父祖伝来の業を離れる、離れざるを得ないというようなことに中心を置いて考えたわけでありますが、脱退の場合は、あとを続けておやりになるならば脱退せぬで済むというようなわけで、脱退される場合は、これはやむを得ないのではないかというふうに考えました次第でございます。  最後に第三点の地方税でありますが、地方税関係では住民税、それから場合によつて事業税というようなものが問題になりまするが、国税が再評価税でありますれば、この両税とも地方税ではかかりません。その点は御安心願つてよろしいと思います。
  7. 川村善八郎

    川村委員 ただいま課税関係にのみお答えがあつたのでありますが、もちろん事情はわれわれは何回も聴取しておりますので、原則的には反対であるけれども、事情やむを得ないと見まして、最低限度税金を賦課するということには、決して強硬に反対するものでないということを申し上げておる次第であります。ただわれわれが今後この漁業権保障税金とからんでいろいろな税に悪用して、そうしてこうした根本の問題が破壊されるようなことになつたり、あるいはもう一つ最後にお聞きした地方税事業税、その他生民税等負担が非常に大きくなつた結果、失業の上にさらに生活が困るということがありますれば、われわれが責任をとらなければならぬということになりまして質問したのでありますが、幸いに事業税とか、あるいは住民税とかいうものはとらないという御答弁のようであつたのでありますが、その席でよろしゆうございますから、もう一回確認したいのであります。ほんとうにとらないか。またあとでとるということになるとたいへんなのであります。漁業権補償につきましても、当初は政府説明にはとらないと言つたのに、あと一年かそこいらのうちにとるということにかわつたということがありますので、特に再確認するためにもう一回、地方税はとるのかとらないのか、それをお答え願いたいのであります。  それからもう一つは、さらにその他の事項についてお答えがありませんので、関係当局によつてお答えを願います。
  8. 原純夫

    ○原(純)政府委員 ただいま申し上げましたように、国税で再評価税がかかりました場合に、それをもとにして地方税事業税ないて住民税がかかるかという点は、それはかかりませんと申し上げました。但し国税所得税がかかるという場合には、それをもとにして地方税住民税がかかります。すなわちただいまお話のありました第二点の脱退者関係によりましては、所得税が出ますので、それをもとにする住民税はかかることに相なろうと思つております。
  9. 川村善八郎

    川村委員 脱退者に対する所得税に対して住民税がかかるということは、私はどうしても賛成できません。と申すのは、決して脱退しようとして脱退するのではない。御承知の通り協同組合法はいわゆる漁民資格を失うと、今度は加入ができないということになります。従つて漁業を経営しない者は、極端に言うと協同組合に今後加入ができないということになりますので、脱退したくないけれども、脱退させられるという実情にあるのであります。でありますから、私たち漁業権を奪われることによつて、これは極端な言葉になりますが、いわゆる買収をされることによつて、これまでの漁業会員たる資格を失い、また今後協同組合加入資格を失うというものがあるので、これらに対して一体所得税を課す、さらに住民税を課すということは不当である、かように私は考えますので、この際所得税は一応やむを得ないといたしましても、住民税までさらにこれを負担せしめるということは税の三重負担となる、かように私は言い得るのであります。従つて協同組合から資格がありながら故意に脱退する者等については、これは税をかけることは一応やむを得ないといたしましても、漁業権消滅することとによつて、どうしても脱退せざるを得ないという法の建前から、その権利を失う者に対して、税金をかけるということは不当であると考えますので、その点についてあなたのお考えと私の考えと違つておるようでありますが、もう一度はつきりどうしてもかけなければならぬという理由を明らかにしてもらいたいのであります。
  10. 原純夫

    ○原(純)政府委員 先ほど第二点でお答えいたしましたように、漁業権及び土地収用の場合を通じまして、いわば課税の調整をきわめて大幅に行おうというふうにいたしましたのは、父祖伝来の田畑なりあるいは権利なりというものを巻き上げられて移らねばならぬ、仕事をやめねばならぬということを深く考慮したわけなんでありますが、脱退会員の場合は漁業をいたしていないという場合でありまして、その場合の漁業権というものは、いわば何といいますか、資産の一種類であるというようなわけで、この場合にまで押し及ぼすというところまで参り得なかつたというのが、われわれの考えでございます。  なおただいまのお話は、国税所得税はやむを得ないが、地方税である住民税までかかるのはひどいではないかという点でございましたが、この点はただいまの地方税法の建前ではかかることに相なつております。なおこの点につきましては、地方自治庁の方の見解をまとめまして、次の機会にお答えいたす方がよいのではないか。私大蔵省主税局から参つておりますので、ただいまちよつとそれをまとめる前に申し上げることはいかがかと存じますので、留保させていただきたいと思います。
  11. 川村善八郎

    川村委員 私の考え方といたしまして参考に申し上げておきますが、私たちは真の漁師であります。不在地主的存在の搾取的階級、もう少しわかりやすく言うならば、自分が漁業権を持つて漁業を経営せずに他に貸して、そうして賃貸料を高くとつてつた、こういうものに対しては、私は漁業権補償すべからずという主張であつた。でありますから、今漁業権に対して補償するとすれば、それからは大いに所得税もとらなければならぬし、住民税もとるべきであるし、事業税も場合によればとるべきである。しかしながら漁業を経営しておつて、今度は一時漁業権買収されるので、再配分を受けるまでは一時漁業は中止となります。幸いに再配分の場合に、漁業権が自分に当ればこれは何事もないのでありますけれども、いわゆろ漁業権の数よりも漁業者の数が多い場合においては、適格性と優先順位というその強いおきてによつてはじかれるところがあります。それからさらに協同組合法の今度の改正、すなわち新協同組合法によつて漁業者でなければ今度はどうしても脱退せざるを得ない。こういう規則の上に縛られて、加入したくとも加入し得ないで脱退をしなければならぬ、こういうふうな事情の違う立場があるのであります。でありますから、私はどうせあなた方の方で税金をとらなければならないというならば、不当な収得をした不在地主的存在から、みんなとつてしまえと極端に言いたいのであります。正しい漁業者からはそのかわり税金をとるな、こういう主張であます。でありますが、今それを主張して時日を要しておつては、どちらにもその漁業制度改革というものを断行せんとするにはためにならぬので、一応最低の線で課税をするということはやむを得ないということに、われわれは不承知ながら応じなければならぬのでありますが、先ほど申し上げましたような、どうしても入つて行きたいけれども、漁業協同組合に入つて行けないという立場のものにまでも、さらに地方税をかけるというようなことは、苦しみの上の苦しみを加重させるものだ、かようになりますので、私はこれに対しては反対せざるを得ないのでありますから、この点は大蔵主税当局も十分研究をして、さらに水産当局とも十分協議の上、でき得るだけ緩和の方法をとつてもらいたいという希望を申し述べておきます。さらにまだ質問に対して答弁が残つておりますので、答弁をさせていただくことを委員長からお願いいたします。
  12. 酒井俊彦

    ○酒井政府委員 ちようどお尋ねのありました漁業権補償金金利なり償還期限をどうするかという問題でありますが、これはまだ最終的な決定になつたわけではございませんが、一応現在の国債の発行条件を基礎といたしまして、大体目下考えているところでは、利率は五分五厘程度にして、償還期限も大体五年程度を標準にして考えたいと思つております。
  13. 川村善八郎

    川村委員 まあ利息のことは第二として、漁業権補償償還期間を五箇年にするということになりますと、最終におきますところの利息の総額というものは相当に不足になりますので、この償還期間の短縮ということについては賛成をするものであります。まあ利息の利率につきましても、あまりこれは高くはないのでありますから、それも必ずしも反対ではありません。ただ問題となりますのは、償還年限を短かくするということについては、漁業者は、またその他の今後漁業者であらざる者も、これは賛成をするのでありましようけれども、ただ償還期間を短縮されて、もし漁業権補償に対して何らか手を打つておかなければ、もう補償行つた当初から借金にとられてしまう、漁業資金には一つもまわらない、あるいは漁業協同組合施設もすることができないということになりはしないかとも、たいへん心配をするものであります。そこで償還期間の完了までの間に、何か一体手を打つ方法がないかということが、私の今度の課税措置に対しての一番緩和策としての要求とも言えるのであります。すなわち漁民福祉のために、あるいは漁業発展のための資金、これらについての考えがあるならば、償還期間を短かくしてもあえて消えてしまうということはないと思いますけれども、ただ用意もなくして期間が短かいというと、さあ今度は商人は商人でそれを見返りにして金を貸す、あるいは銀行はその漁業権証券を担保にしてふところに入れてしまうというようなことになると、せつかく漁業権補償をしていただきましても、漁業者の真の生産のための資金とは一つもならない。つまり三年か五年のうちに完全にその補償金が消えて、残るものは免許料許可料をとられるだけになつて、苦しい漁民はますます苦しみをしなければならないということになるので、この点につきまして、こうしたような福祉施設に対するお考えがあるかどうかということを、お伺いいたします。
  14. 酒井俊彦

    ○酒井政府委員 ただいまのお尋ねと多少はずれるかもしれませんが、本年度といたしましては、共同施設等のために必要最小限度の所要資金というものは、債務償還の形で若干買上げを行うというようなことで、漁民の共同施設の金融に資したいというような考え方を持つております。
  15. 川村善八郎

    川村委員 もちろん政府におきましては、農林漁業資金融通法によつて、二十億以上をもつて漁業資金の設置等に充当させようという計画もあるようでありますが、この全国の疲弊した漁民あるいは協同組合に、二十億や二十五億の資金を流しましても、とうてい施設や、あるいは旧債に対する債務の償還等はできません。勢い目をつけているのは今度の漁業権補償で、銀行あるいは個人その他あらゆる漁業者関係に貸付のある者はねらつておる。あるいはまた今後それを担保としてとつて、あるいは漁業資金なり、その他資材等をまかなつてやるというような考えの者が、うの目たかの目でねらつておることは事実であります。でありますから、私は償還期間を短かくするということについては賛成ではありますけれども、ただ不用意に、大蔵省は、出してやりさえすれば責任は済むのじやないか、こういう考え方であると、もう出した補償というものは、二年か三年でなくなるのだということを心配するから、私は申し上げているのであります。そこで大蔵省に対して、そういう漁業振興の施設とか、あるいは漁民福祉施設とか、漁業資金というものに対して、何か機関なりあるいは立法措置なり―せつかく政府漁業権補償して、百七十億以上を出そうというのであるから、ついでに漁民を救うためにはその措置を講ずべきである。すなわち漁民は、自分の先祖代々から守つて来たところの漁業権を一時は離すけれども、再び自分の手に還元ができるということになりますには、かような施策をしてもらわなければ、まつたく烏有に帰すということに考えられますので、私はこの際大蔵当局に、あるいは水産当局に向つてものことになりますが、この措置を早く講ずべきである、かように私は考えろのであります。漁民にあらざる者は、これはこういうことにもなります。すなわち休業しておつた無価値な漁業権も、幾分補償されるという恩典に浴します。それから不在地主的存在の搾取階級、これらは二十五箇年で当初もらうという計画であつたのを五箇年になると、ただちに金が入つて来るという喜びもありますが、それに引きかえて、漁民補償金はもらうけれども、今度はその補償金というものを何年かの間に利息も加算したものを免許料許可料負担して行かなければならぬという責任が出て参ります。そこで国は、どうせこの漁業権補償については、一銭も損をしないというやり方であるので、この場合何としても、われわれは漁民に対しまして何らかの施設をし、あるいは何らかの措置を講じてやるべきであるという私の考えであり、これは水産委員会としては全面的の主張であるのであります。その点についてもう一回大蔵当局の、少しわかつた人から私は答弁を願いたいと思います。
  16. 藤田厳

    ○藤田政府委員 漁業改革による経営の切りかえに伴いましての、漁業権証券資金化の手という問題についての御質問かと思います。これは水産庁と大蔵省の主計局との間でやつておるのでありますが、本日はまだ主計局の方がおいででございません。水産庁の意見はこれまで水産委員会なり、その他の機会で御説明をいたしておりますように、川村委員の御意見と全然同感でございまして、経営の切りかえに伴う資金化についての特別会計というものを考えて、一定の財政支出を伴いまして、さらに漁業権証券の買上げの措置と相まちまして、これを最も円滑にやることによつて漁業改革の効果を上げて行きたいということで、特別会計案をもつて、現在大蔵省の主計局といろいろ御相談をいたしておるわけであります。
  17. 川村善八郎

    川村委員 ただいま水産長官から、この漁業権補償金の支払いと関連いたしまして、資金化という問題で特別の措置を講ずる、いわゆる特別会計の措置を講じて資金化をはかるという御答弁がありましたが、新聞に伝うるところによると、漁業資金の銀行、いわゆる漁業銀行というものはできない。水産銀行というものはできない。それから大蔵省当局では、この資金化について特別会計の措置に対しては反対であるということが、きようの新聞に害いてあります。これまで私は税の問題についてもだまされておる。それから水産銀行の設置という問題についてもだまされておる。今またさらに漁業証券の資金化ということについても、水産庁では考えておると言つておるが、新聞では大蔵当局反対である。こうなるとまたここで黙つてこのままにすると、これもだまされる。一度ならず二度三度、仏のつらも三度という言葉がありますが、私らはこれ以上だまされることはないのでありますから、この措置を講ずるかどうかという問題については、近い間に大蔵当局と水産当局と折衝しまして、まずもつてはつきりしてもらいたいということであります。  それからもう一つは、先ほどちよつとつけ加えることを落しましたが、私の税に対する考え方であります。脱退者からも所得税をとり、さらにそれに対して地方税もとるという考えよりも、これは主税局でもう少しさかのぼつて考えてもらいたいことは、先ほど申し上げましたように、不在地主的存在の搾取階級のある者、これは半分ぐらいとつてもよろしい。それからさらにもう一つは、休業をして、しかも免許を受けていて、ほとんど着業していないというような極端な者もあります。実際われわれから考えると、休業するのも事情はありますけれども、その事情によつて補償すべからずというようなことも考えておる。この両者に対して補償をするために、また補償に対して金利もかけて五箇年に払うという金額は、相当の金額に上るはずであります。これを今後経営者が負担して行かなければならぬという、ここにつらさがある。今でさえ困つておる漁民が、さらに免許料許可料でこの負担をして行かなければならぬというこの過重負担には、われわれは耐え切れないのでありますから、もう少し大蔵当局も、今後の漁業補償に対する課税について、もう一歩進んでお考えを願いたい。主税局に対してはこれだけの要求をしておきます。必要に応じては、私は漁業の内容をすつかり知つておりますから、私が行つてさらに説明を申し上げて、私の今の主張を通したいと、かように考えております。  それではあと残された問題は、免許料許可料をどの程度のパーセンテージでとるか。それから何年くらいの間免許料許可料をとるか。この二つの問題をお答えを願いたいと思います。
  18. 藤田厳

    ○藤田政府委員 御承知の通り漁業法では補償金額に相当するものを、免許許可料といたしましてとつて行くという建前に相なつております。しかしながらこの年限につきましても、金額につきましても、先ほど主税局からお話がありましたように、利率なり、償還年限あるいは補償金額の元金が確定いたしましてから、これが計算されるわけであります。私どもといたしましては、しかしながら現在漁業経営が非常に行き詰まつておりますから、免許許可料にいたしましても、漁業経営上耐え得る負担力の程度ということを十分考えて、これを長期に貸して行くという建前をとりたい。利率については、これは従来漁獲高の三%というような数字もあげられておりますが、これはその当時における一応の目安であつたのであります。最近は漁獲高も相当上つております。補償金額というものは相当圧縮をいたしております。これは個々の漁業権について必ずしも一律ではございません。高い低いはあると思いますが、平均いたしますれば、当初予想いたしました。パーセンテージより、相当下まわつた程度の数字でさしつかえない、こういうふうに思つております。
  19. 川村善八郎

    川村委員 ただいま藤田長官から免許料許可料のパーセンテージについても、期間についてもあいまいな答弁がありましたが、私は今日の日本の漁獲高その他魚価等から考えまして、大体一%ぐらいとつて、二十箇年ぐらい徴収いたしましたならば、大体において二百億ぐらいのものが出るのじやなかろうか。いわゆる補償が返つて来るのではなかろうかと、かように考えております。また一面の考え方といたしましては、漁業者利益があるならば、所得税でとることができるから、でき得るだけ漁業権に対する免許料許可料軽減して、しかも期間を短縮して、利益の上げられるような方法を講じ、その利益に対して所得税をとつて行く方法が最も適当な方法でなかろうか。漁民にのみ、好まざる漁業制度改革によつて補償をして、そうして税金もとり、さらに免許料許可料もとるという過重負担については、われわれはかような意味から反対申しておるのでありますから、でき得るだけ政府当局におかれましては、漁民負担を軽くして、そうして利益の上つたものから所得税補償金額をとつて行くというような方法を講ぜられるように、最善の努力を払つてもらいたいということを付言いたしまして、私の質問を終る次第であります。
  20. 奧村又十郎

    ○奧村委員 私は漁業権証券の期限、利率、償還の予定、そういうことについて、具体的な政府の計画をお尋ねしたいと思うのであります。  すなわち今回の措置は、漁業権消滅するについて補償金政府から支払われる。その補償金に対する課税の特別の措置である。ところがその補償金漁業権証券をもつて支払われる。そこでその漁業権証券なるものは、どういうものが具体的にどういうように発行されるか。これが明らかでなければ、この法案の審議はとうてい進行しない。そこでこの具体的な内容、政府の計画について明らかにしていただきたいというので、昨日大蔵委員会でお尋ねしたのでありますが、何ら明らかにされなかつた。そこで本日特にこの点を明らかにしていただくように、政府委員に来ていただいたわけですが、どうも先ほどの川村委員の御質問に対して、十分の御答弁がなされていないように思う。この答弁がなければどうも審議が進まぬ。こういうわけでありますから、この漁業権証券の利率、償還の予定、漁業権証券の期限、それからこれに対して今後金融をいかにするか。もう一つつつ込んで、漁業権証券は無記名であつて譲渡を許すのかどうか。そういうような具体的なことは、すでにきまつておられることと思う。その点を明らかにしてでき得る限り具体的なことを、ひとつはつきりと御答弁願いたい。
  21. 酒井俊彦

    ○酒井政府委員 先ほどちよつとお答え申し上げましたように、ただいまのところ漁業権証券は一般の現在の国債の発行条件を基本にいたしまして、利率は大体五分五厘程度、それから償還年限は五年ぐらいを標準にいたしまして、発行価額は額面―これは計算の都合で端数が出ますと補償するときに非常にやりにくいものでありますから、発行価額は額面にするということにいたしまして、なお五年という期限がついておりますが、先ほどもちよつと申し上げましたように、最小限度必要な施設費、共同施設といつたようなもののために、金融にかわつて本年度の債務償還費のうちで、若干ずつ買上げ償還をするというようなことを考えております。それからこれは無記名にいたしまして、別に譲渡、担保等の制限はしない。普通一般の国債と同じことにしたいと考えております。
  22. 奧村又十郎

    ○奧村委員 それじや日銀の通貨発行の保証物として認めるのかどうか。
  23. 酒井俊彦

    ○酒井政府委員 日本銀行券の発行準備保証物件としましてこれを充当するかどうかは、これは別途に決定を要する問題であります。ただいままだきまつておりません。
  24. 奧村又十郎

    ○奧村委員 それじや日銀がほかの国債と同じように、オペレーシヨンの対象とするかどうか。
  25. 酒井俊彦

    ○酒井政府委員 オペレーシヨンの対象とするかどうかといつたようなこまかい点までは、まだ決定いたしておりません。
  26. 奧村又十郎

    ○奧村委員 それから期限は五箇年と言われましたが、最近まではたしか十年の期限というあれが強かつたようであります。五箇年と言われるのは、最近これを確定なさつたのかどうか。おそらく五年ということになれば、その後の償還計画も大体具体的に立てられて、初めてこの期限がきまつたと思うわけでありますが、一部うわさによれば、大蔵省内では三箇年間に償還してしまうのだというように省議がまとまつたと聞きます。この点言葉を返して悪いですが、確定したものかどうかお伺いいたします。
  27. 酒井俊彦

    ○酒井政府委員 先ほど申し上げましたように、確定というところまでは参つておりませんが、現在国債の発行条件は、五年の利まわり五分五厘ということが基準になつておりますので、これは一般国債並でやつたらどうかというぐあいに考えております。従つて、年限等についても五年にきまつてしまつたということではございませんで、大体一般国債並のところを標準にして考えたらよくはないかという程度でございます。
  28. 奧村又十郎

    ○奧村委員 そこまで行くと話が大分ぼやけて来ておる。利率としては、国債が五分五厘であるからこれも五分五厘がいいんじやないか、また期限も五年ぐらいがいいんじやないかというぐあいに考えておる。確定したものじやない、こういう御答弁であります。それではこれからあと私のお尋ねしたいことが根拠を失いますので、話が進まぬことになりますが、それではもう一つ重ねてお尋ねいたします。期限前に買上げ償還をなさる。これはまことにけつこうでありますが、今年、来年において大体どの程度の買上げ償還を見込んでおられるか。その点お尋ねいたします。
  29. 酒井俊彦

    ○酒井政府委員 本年度につきましては、まだ金額がどのくらい最小限度必要であるかということが確定されておりませんので、はつきり申し上げられないと思うのであります。なお来年度につきましても、来年度国債償還の財源がどのくらいできるかということが、二十五年度の決算を締めてみませんとわかりませんので、買上げ償還に応じ得る力というものは、二十六年度については目下のところ不明でございます。ただ先ほども申しましたように、本年度は百億足らずの債務償還費が一般会計にございますから、そのうちから最小限度必要と認められるものは、漁業権証券の買上げ償還に充てて行きたいと考えております。
  30. 奧村又十郎

    ○奧村委員 この買上げ償還、特に漁業権証券の買上げ償還に、どの程度の金が予定されるかということも明らかになりませんと、実はこの審議に非常に困るのでありますが、これも明らかでありません。それでわれわれとしては、もう一つ政府の方針を確かめたいと思います。なぜならば、もうこの九月と十一月に実施になることであるし、これに対しては今年中に税金をおとりになるということでありますから、具体的でないとどうも審議に困るのであります。つまり漁業権証券に対して、六%の再評価税をかける。それでは漁民は、証券という紙はもらうが、六%の税は現金で納めるということになる。特に旧漁業権者の中には、一人で一漁業について何千万円という漁業権証券が入ることがあるので、その六%の百万円以上の再評価税を現金で納めなければならぬことになる。そうすると、現実にはそこに金がないということが起るので、これは主計局の方からお越しを願つて、もう少し具体的にお尋ねをしたいと思います。これは意見にわたりますが、特に大蔵省関係の方に申し上げ、また御意見も承つてみたいと思うのであります。  今度の漁業権証券の発行措置は、漁業法実施の今後の方向を決するものと思うのです。つまり漁業法実施は、いわゆる農地改革と同じような性格で、旧来の不在地主的な漁業権者が、単に漁業権を賃貸借しているという現状を打破して、主として零細漁民の共同化をもつて漁業権を行使させようというような思い切つた改革である。その目的を達するためには、零細漁民に何とかして漁場とともにその漁場の経営のための資金を与えなければならぬ。その資金を与えるためには、この漁業権証券資金化してやる。この漁業権証券資金化は、漁業法実施において一番大きなポイントになつているために、この資金化の方法を大蔵省としてはどう考えておられるか。現実にこの八月から実施して行くについて、いまだに具体的に方針がまとまつておらぬというので、われわれはこの委員会で取上げているわけであります。これは銀行局長あるいは主計局の方にお尋ねしなければならぬことでありますが、残念ながら関係の方が来ておられぬので、理財局長の方でおわかりであれば御答弁いただきたい。この漁業権証券に対して、将来金融はどういうふうに考えておるか。この漁業制度改革を実効あらしめるために、漁業権証券を担保にしてどういうふな金融をやつて行こうと考えておられるか。すでに今日まで水産庁との間に交渉があるはずであるが、今どういうふうに考えておられるか。その方針をお尋ねしてみたいと思います。
  31. 酒井俊彦

    ○酒井政府委員 まず先ほどの、税金を払うのに現金がいるじやないかという点につきましては、納税のために必要な額を含めて、債務償還費で買上げ償還をしようというふうに考えておりますので、納税資金はそちらの方で何とかまかないがつくのではないかと思つております。  それから金融の問題でありますが、これは銀行局長なりその他の方から御答弁申し上げた方がよいかと思いますが、ただいまのところ、さつきからたびたび申し上げました通り、最小限度必要な金だけは、債務償還費で買上げ償還の形で金を流して行きたいと考えております。
  32. 奧村又十郎

    ○奧村委員 買上げ償還はこれは私は金融じやないと思うのです。しかもその金額のわくがほぼわかれば、それによつて漁業制度改革の行き方が一応わかるのですが、買上げ償還というものはその年度々々の財政事情によつて左右されるので、計画的にはきまらぬ。しかも今年、来年の予定もおわかりにならぬ。そういう問題は別として、漁業権証券を担保にしての金融機関からの金融をどう考えておられるか、その点です。
  33. 酒井俊彦

    ○酒井政府委員 先ほど申し上げましたように、この漁業権証券については、譲渡あるいは担保に入れることを全然禁止いたしておりませんので、水産のための金融を普通の金融機関から受けられる場合に、担保としてお使いになることは一向さしつかえないだろうと思つております。ただ特別の措置を何か講ずるかということになりますと、ただいまのところ本年度については、必要な額は買上げ償還の金で現金化して、その金で施設をしていただくというふうに考えておるのであります。
  34. 奧村又十郎

    ○奧村委員 利率がはつきりしておらぬので、かりに五分五厘ときめますと、五分五厘の証券を担保金融するのに、一般の金利は一割を越えておりまので、そうすると五分五厘の証券では、おそらく担保としては額面通りには受取らぬ。そういうものを一般の金融機関にやらせる特別措置を講じないということであれば、この証券金融というのはほとんど満足な金融は望めない。それでこれは何か相当特別に金融のわくをつくつて漁業権証券担保金融というものは考えられるべきはずである。その点はほかに銀行局あたりで考えておられるでしようが、理財局としてはおわかりにならぬ、理財局としてはそこまで考えておらぬ、また耳にも入れておらぬということならわかるのです。全然漁業権証券担保金融に対しては特別に措置を講じないということは、あなた方ははつきり断言できぬはずです。あなたの方でおわかりにならぬのならならぬでいいんで、銀行局か何かに出てもらつてお尋ねする。そごまでおわかりにならぬならならぬ、きまつておらぬということをお答え願いたい。
  35. 酒井俊彦

    ○酒井政府委員 私の聞いていない話があるいはあるかもしれませんから、その点はもう一応銀行局の方からお確かめ願つた方がいいかもしれないと思います。  それから銀行で担保にとります場合でございますが、性来普通銀行は、評価は額面というより発行価額を基準にして、ただそれにどこの銀行でも七割とか七割五分、八割とかいう担保かけ目がございますが、その基準になります価額としては、国債については発行価額を基準にして、それにかけ目をかけて担保にとるというやり方をいたしておりますので、漁業権証券につきましても、そういう担保価額で見てくれるだろうと考えております。
  36. 奧村又十郎

    ○奧村委員 これは私は主計局及び銀行局の政府委員の出席を待ち、そのとき御質問いたしたいと思います。
  37. 夏堀源三郎

    夏堀委員長 この際委員長より政府委員に申入れをしておきます。ただいま問題となつておりました漁業権証券資金化という問題は非常に大きな問題であつて、前臨時国会に、委員長から大蔵大臣に対して質疑を行つて、百七十億の漁業権証券は、委員長のおつしやつた通りごもつともである、従つてこれを資金化することを考慮するということを、たしか言明しておるはずであります。これは速記録に載つております。ただこれを具体的にどう持つて行くかということが、相当研究を要する問題でありまするので、実は本日の合同審査会に大蔵大臣の出席を求めて、この水産金融の問題に対する結論を求めたいと考えておりましたが、今日の会議に、どのような結論を求めるかにつきましては、非公式に私も大臣とも大蔵次官とも会いまして、若干意見を徴したのでありますけれども、まだ画然とこうするという案ができていないようであります。で私からもいろいろ注文はしておきましたけれども、さしあたりこの前の質問の際にも、四十億程度資金を必要とするのではないだろうか、こういうことも私は確かに申し上げてあつたはずでありますので、その線に沿うて何とかするということを考えておるだろう。大体この金は預金部資金においてまかないたい、あるいは農中において取扱わせたいという線までは考えておるのではないだろうか。しかし水産庁方面では、特別会計によつてという案もあるようでありまするが、この案に対しては、大蔵省としてまとまつた意見はまだ出ていない。もつともこれは関係方面の了解も得なければならぬでしようし、予算措置もいるので無理はないと存じます。それで各委員よりせつかくの御質疑がありましたので、明後日は主計局長なり銀行局長、でき得れば大臣も御都合して御出席になつて、この問題に対する大体の見通しを申し述べておくことがよろしいと存じますので、私が申し上げたことをお伝え願いたいと存じます。
  38. 井之口政雄

    ○井之口委員 私水産委員としてとりわけこの問題は重要視するのでありますが、この問題の複雑性はどこにあるかと申しますと、漁業制度改革、漁場制度の改革、こういう農地問題についても行われているような一大改革によつて引起されておる今日の漁業権補償金に対して、一般的な税法による譲渡課税がそのまま適用されるという点、従つてこれから引起されるさまざまな不合理な現象、このために起つておる問題であります。現在の法律をもつてやりますれば、漁業権補償額約百七十八億に対して、八十億または九十億からの税金がかかつて、これが没収されてしまうという形になつておる。だからして何らか法の適用の手かげんによつてこれを減らそう、あるいはまたこうして出て参りました租税特別措置法の一部を改正することによつて、まず十四億七千七百万円くらいに減らそうというふうな考えが出て来るわけでありますが、しかし今度の法案をもつてしても、漁業制度の一大改革の趣旨を徹底させた意味においての租税制度というふうなものにはならぬと思われるのであります。これが今の政府においてまるでちぐはぐな行政をやつておりまするために、一方においては、画期的な大改革をやろうとしておるにかかわらず、他面においては、ことまるで矛盾した反対の方向に進んで行くというふうな制度をとりつつある。この矛盾が従つてここに現われておるものとわれわれは見るのであります。第一、たとえば漁業権補償金を交付するにあたりましても、ここに出ておりますいろいろな資料によると、漁業会補償額として与えられる部分が百三十八億、それから会社有の漁業権補償額は七億一千万円、それから個人漁業権補償額は三十二億、こういうふうな算定になつております。しかし漁業会補償される百三十八億の中にも、寄生的な、まるで漁民の生き血を吸つて、この漁業権によつて従来長い間封建的な利得を続けて来ていた連中もおる。また会社有の漁業権に対して、これにもそういうものがおる。あるいは大資本家の連中で漁場を独占しておつて、それから厖大な利得を得ていたというような人間もおる。さらに個人有であつても、やはり同じような寄生的な個人がおる。こういう不合理があるのに、一般的な、一律的な算定をもつてしては、そういうものに利得さしておいて、せつかくの漁業制度改革利益を、まるで消滅さしてしまうような結果に立ち至るのである。こういうふうな寄生的なものからの漁業権の没収は、無償ですべき性質のものである。そういう方面に一般的に有償で与えてしまつたならば―現在の法案では与えてしまうことになるのでありますが、しかし税法をもし改革するとなれば、むしろそういうところには大きな課税をして、しかもその課税をもつて無償没牧の実質を実行するのが当然であり、これが農業におけるところの土地改革に、やはり匹敵するようなものになつて来るのであります。しかるにそういう考慮がこれには払われおらぬのみならず、またいよいよ補償して行く場合でも、今度新しく改正されようとするものは、再評価税の形で軽減して行こうというふうな点にしか限定されておりませんが、再評価するにしても、それが零細なる漁民に対して、依然として大きな課税が続けられて行つて、そして寄生的な漁場の所有者に対しては非常な恩恵になつて来る。のみならずまた零細漁民に対しては、将来許可料免許料というものがずつと続けてとられて行く仕組みになつているのですが、そうすればかえつて零細漁民税金負担でもつて、漁場は一応自分らの所有に帰するといえども、決して将来漁業を安心してやつて見くということにはならないと考るのであります。  そこで問題は、まずこの漁業権補償で、完全に寄生的な部分に渡つて行くのがどれくらいのパーセンテージになるのか。またたとい寄生的なものであつても、非常に零細なる生活を営んでいるところの、社会政策を必要とするような漁場の所有者、そういうふうなものがどれくらいの率になるのか。こういう点を政府において統計上明確に出してもらうと、はつきりそれが推定されるのでありますが、その点の算定方法を政府では考慮されたことがあるのか。そうした統計上の考慮の上にこの法案をつくられる意思はないか。これをちよつと第一番に聞いてみたいと思います。
  39. 藤田厳

    ○藤田政府委員 ただいま御質問の、いわゆる寄生虫的なものと、しからざるものというふうな区別は、非常に認定の困難な問題であります。同じ個人にいたしましても、どういうものが寄生虫的であり、どういうものがしからざるものか。また先ほど御質問が他の委員からございましたように、休業をいたしますものについても、休業をする事情というものがそれぞれ違つておることでありまするから、遺憾ながら私どもも、さような点については理論的には同じような感じがいたすのでありますが、統計的にはこれを把握することができないと考えます。
  40. 井之口政雄

    ○井之口委員 さきの川村委員からも、不労地主に該当するような漁業権所有者という言葉を使われておりましたが、これが非常に重大な問題であつて、算定するのに相当な困難は感ずると思う。しかし困難は感ずるが、これは絶対不可能なものではないと思う。この調査を完全にしないと、今日の漁業制度改革も、名あつて実なきものに立ち至ると思うのであります。農業関係では、これを農地委員会等の実際上の認定にかなりまつような仕組みになつておる。同時にまた農地法の改革では、小さないろいろな考慮が払われておつて、この算定がまず曲りなりでも幾分できるうになつておりますが、漁業問題については―これはただちに税金の問題と関係して来るのであります。しかも百七十億のうちから九十億も没収して来るということになれば、これは無償没収にも近い現象になつて来る。それを今度はまた十四億ぐらいにごそつと減らして行こうということになれば、それだけの負担は、また租税の形で当然一般が負担して来なければならぬという形にも到達する。なお一応百七十億の補償額を財源として与えておいて、そして買上げ償却をやるということになれば、財政上の点からも、減税をする財源がこういう方面に使われて行く。その買上げも、従来の零細なる漁民が有していた部分に対してなされるというならば、まだこれ合理的であるけれども、寄生的な部分にこれがなされるということになりますと、結局国民の重税になつて、今の有償買上げよりも、かえつて悪い結果に立ち至るというふうなことになつて参ります。こういうことに対して、政府は十分なる考慮を払われているのかどうか。
  41. 藤田厳

    ○藤田政府委員 先ほど御答弁を申し上げましたように、いわゆろ寄生虫的なものと、しからざるものの仕訳ということは、これは非常に困難な問題であろうと思つておりますので、私どもといたしましては、これはやはり一応客観的な基準によつて定めて行く以外に、方法はないというふうに考えます。
  42. 井之口政雄

    ○井之口委員 まつたくその通りであつて、客観的な基準によつてこれをされるとするような法案の作成を、やはり税法の問題でもひとつ入れなければ、租務負担の階級的な公平さというものが行われぬと思うのでありますが、それに対してどういう客観的な基準を考えられたか、その点を……。
  43. 藤田厳

    ○藤田政府委員 客観的な基準と申しますのは、同じく人に貸しておる場合でありましても、従来の漁業所有のものもあり、個人のものを又貸しして、る場合もあり、事情がいろいろ複雑いたしております。私の申し上げました客観的基準というのは、やはりその漁場の経済的な価値というものを判断して、それによつてやる。その主体の、何と申しますか、それが寄生虫的なものであるかどうかというふうな点については、これはなかなか基準のきめ方がむずかしかろうと思つております。その点の整理の仕方はできなかろうと考えております。
  44. 井之口政雄

    ○井之口委員 その根本的な問題ができないとすると、今言うような便宜的な一つ改正法案が出て来るということになつて、結局は零細漁民負担でもつて大きなところに補償をし、しかもその補償額はすぐ償却してやつて、そうして証券が銀行家の手に渡つている時分に、銀行家の腹を太らせるというふうな結果に必ず立至つて来ると思います。従つて漁民に対していつまでも免許料とか許可料というふうな、税金一つの変形したものが押しかぶさつて来て、ますます漁業経営が困難になつて来るということになりますが、この免許料許可料をもつて、今の補償額を何年かのうちに償却しようというふうな根本原則があるやに見える。この根本原則を依然として貫かれる方針なのかどうか。これがあるということになれば、これは今日の漁業制度改革に非常に障害になると思うのですが、この点をひとつお伺いいたします。
  45. 藤田厳

    ○藤田政府委員 やはり法律の建前といたしましては、補償金額に相当するものを一定の年限以内にとるという原則で考えております。もちろん特別な事情のございますものについては、これを免除する規定はあるわけであります。その建前はこちらとしてその通りにいたしたいと思つておりますが、現実に幾らとるかという問題は、先ほど町村委員からも御質問がございましたように、漁業経営上それが耐え得る負担の限度というものは、おのずからきまつておるわけでありますから、その限度内でやるというふうなことを慎重に考慮して、決定して参りたいと思います。
  46. 井之口政雄

    ○井之口委員 今の政府の方針は、やはり免許料許可料でもつてこれをカバーして行く。ただごく特殊の部分に対して免許料許可料の免除を考えているというふうなことでありましたが、そういうことぐらいでは、結局零細漁民負担によつて、大きなものに利得を与えて行くということになつて来るのじやないか。こういう場合でも漁民委員会の制度をもつて漁民自身が寄生的な漁場の所有者、魚業権の所有者を判断して、彼らに対する補償には、ほとんど無償没収の効果を上げるような決定をする。そうして実際の勤労漁民に対しては免許料許可料というふうなものを全免してやる。また漁業権に対しては、むしろそういう方面に健補償も十分にしてやろというふうな制度を考案すべきではないかと思うのです。そうすれば、あなたの言う不可能を転じたて、りつぱに可能とすることができると思うのですが、どうですか。
  47. 藤田厳

    ○藤田政府委員 今後実施の情況かんがみまして、いろいろの自体が出て来ると思うのであります。さような点については、十分それに対処するところの適当な措置を考えて行かなければならぬと思います。現在といたしましては、やはり従来の方針に従いましてこれを進めて参りたいと思います。
  48. 井之口政雄

    ○井之口委員 それじややはりこの一部の改正では、なかなかこの目的は達せられないように思います。でありますから、川村水産委員からもいろいろな反対意見が出ているのであります。ここはやはり根本的に漁民生活が成り立つような税法をもつとつつ込んで考えないと、そのために一切の漁業が荒廃し、今でさえも荒廃している漁業が、さらにさらに荒廃させられるということになると思います。なお五年以内において償却をする、のみならず三年以内にこれの買上げ償還もやつてやるというふうな話でありましたが、そうした場合に、今政府が約束している減税というものと根本的に違つて来はせぬか。減税方針というものはそのために犠牲になつて来ると思いますが、大蔵当局としてはどうですか。
  49. 原純夫

    ○原(純)政府委員 おつしやる通り、もろもろの歳出の増は税収の増加を要するか、あるいは減税しようと思うものができないということに相なると思います。税の立場から申しますれば、なるべく歳出を圧縮していただいて、国民税負担軽減したいという考え方になつておるわけでありますが、同時に諸般の関係で歳出がいるという事情もあります。これらを私の考えにおいて申し上げるのは少し大き過ぎますけれども、全体を勘案して、全体の予算計画、税制計画ということを御審議願うということになろうと思うのであります。はなはだとりとめのないことで……。
  50. 夏堀源三郎

    夏堀委員長 水産、大蔵連合審査会はこれをもつて散会いたします。     午後零時二十七分散会