運営者 Bitlet 姉妹サービス
使い方 FAQ このサイトについて | login

1951-05-08 第10回国会 衆議院 大蔵委員会 第48号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十六年五月八日(火曜日)     午前十一時十九分開議  出席委員    委員長代理理事 奧村又十郎君    理事 西村 直己君 理事 小山 長規君    理事 田中織之助君       川野 芳滿君    佐久間 徹君       清水 逸平君    高間 松吉君       塚田十一郎君    苫米地英俊君       水田三喜男君    宮幡  靖君       内藤 友明君    宮腰 喜助君       今野 武雄君  出席政府委員         大蔵政務次官  西川甚五郎君  委員外出席者         大蔵事務官   河野 通一君         (銀行局長)         大蔵事務官         (銀行局特殊金         融課長)    飯田 良一君         専  門  員 椎木 文也君         専  門  員 黒田 久太君     ――――――――――――― 三月三十一日  委員橋本登美三郎君、佐藤親弘君、高木松吉君、  天野公義君   及び川島金次辞任につき、  その補欠として大上司君、島村一郎君、塚田十  一郎君、宮幡靖君及び田中織之進君が議長の指  名で委員に選任された。 五月八日  委員竹奈良一君辞任につき、その補欠として  今野武雄君が議長指名委員に選任された。  西村直己君及び田中織之進君が理事補欠当議  した。 二月二十四日  在外公館等借入金返還促進に関する請願(守島  伍郎紹介)(第八二九号) 四月二日  公務員の新退職給與制度確立に関する請願(足  鹿覺紹介)(第一六七二号)  同(篠田弘作君外一名紹介)(第一七一七号)  同(圖司安正君外一名紹介)(第一七一八号)  同(山口六郎次紹介)(第一七三五号)  同(小川原政信紹介)(第一七三六号)  同(米原昶紹介)(第一七四五号)  同(細田榮藏紹介)(第一七六二号)  同(青木正紹介)(第一七六三号)  資金運用部資金法制定に関する請願中川俊思  君紹介)(第一六七九号)  同(佐藤親弘紹介)(第一七八六号)  未復員者給與法適用範囲拡大に関する請願(  山崎岩男紹介)(第一七〇四号)  たばこ小売人利益率引上げに関する請願(森  山欽司紹介)(第一七二二号)  未復員者給與法等改正に関する請願(小金義  照君紹介)(第一七二三号)  退職金に対する所得税免除請願塩田賀四郎  君紹介)(第一七二四号)  同(中川俊思君紹介)(第一七四〇号)  同(塩田賀四郎紹介)(第一七五二号)  同(山口武秀紹介)(第一七六〇号)  同(坂本泰良紹介)(第一七八五号)  保険事業監督行政機構整備強化に関する請願  (佐久間徹紹介)(第一七三二号)  旧漁業権に対する補償金免税に関する請願(  内藤隆紹介)(第一七五一号)  業務用冷蔵器に対する物品税撤廃請願(三宅  則義紹介)(第一七五八号)  羊革製手袋に対する物品税免税点設定に関す  る請願天野公義紹介)(第一七八二号)  たばこ民営反対請願圖司安正紹介)(第  一七八三号)  未復員者給與法による医療給付期間延長に関す  る請願亘四郎君外一名紹介)(第一七八四  号) 同月十三日  公務員の新退職給與制度確立に関する請願(柳  澤義男紹介)(第一八〇九号)  同(門脇勝太郎紹介)(第一八一〇号)  同(山本利壽紹介)(第一八二三号)  同(佐瀬昌三君外三名紹介)(第一八四七号)  同(小高熹郎君紹介)(第一八四八号)  同(多田勇紹介)(第一八四九号)  同(田中豊紹介)(第一八六八号)  同(福井勇紹介)(第一八六九号)  同(山村新治郎君紹介)(第一八七〇号)  同(福田篤泰紹介)(第一八七一号)  同(久野忠治紹介)(第一八八八号)  同(中野四郎紹介)(第一八八九号)  同(川本末治紹介)(第一九〇三号)  同(八木一郎紹介)(第一九〇四号)  同(千賀康治紹介)(第一九〇五号)  同(田中元紹介)(第一九〇六号)  同(圓谷光衞紹介)(第一九〇七号)  同(小林信一紹介)(第一九三三号)  退職金に対する所得税免除請願(江前一治君  紹介)(第一八一二号)  同(前田種男紹介)(第一八三二号)  同(松澤兼人紹介)(第一八七九号)  同(水谷長三郎紹介)(第一八八〇号)  同(今澄勇紹介)(第一八九六号)  同(江崎一治紹介)(第一八九七号)  たばこ民営反対請願井上知治紹介)(第  一八一三号)  資金運用部資金法制定に関する請願松本善壽  君紹介)(第一八三三号)  同(阿左美廣治紹介)(第一八五二号)  織物消費税廃止に伴う損失補償に関する請願(  江崎一治紹介)(第一八五三号)  同(黒田寿男紹介)(第一八八一号)  同(竹村奈良一君紹介)(第一八九八号)  同(逢澤寛君紹介)(第一九五五号)  社会保険医療報酬に対する所得税減免に関する  請願外一件(田中元紹介)(第一八五四号)  管財職員に新退職給與制度適用に関する請願(  松澤兼人紹介)(第一八七二号)  一般用工業塩拂下げ価格引下げに関する請願(  小金義照君外一名紹介)(第一八八二号)  貸金業等の取締に関する法律施行に伴う損失  補償に関する請願川野芳滿君外三名紹介)(  第一八九五号)  農業者に対する所得税課税に関する請願千賀  康治君外一名紹介)(第一九四〇号)  在外公館等借入金返還促進に関する請願中川  俊思君紹介)(第一九五八号) の審査を本委員会に付託された。 三月三十一日  沖縄、大島諸島生産品に対する関税撤廃陳情  書(第  四八六号)  漁業権証券に対する課税免除陳情書  (第四八七号)  日本開発銀行設立に関する陳情書  (第四九九号)  未復員者給與法の一部改正に関する陳情書  (第五一九号)  徴税に関する陳情書  (第五二四号)  印紙税法の一部改正に関する陳情書  (第五二五号)  関税定率法改正に関する陳情書  (第五三六号) 四月六日  引揚者の外地よりの送金拂渡しに関する陳情書  (第五四五  号)  関税定率法の一部改正に関する陳情書  (第五九七号) 五月四日  公務員退職給與金に対する課税免除陳情書  (第六一七号)  地方銀行設立に関する陳情書  (第六八二号) を本委員会に送付された。     ――――――――――――― 本日の会議に付した事件  理事の互選  小委員会設置に関する件  相互銀行法案小山長規君外三十一名提出、衆  法第四一号)  信用金庫法案水田三喜男君外二十一名提出、  衆法第四三号)  信用金庫法施行法案水田三喜男君外二十一名  提出衆法第四四号)     ―――――――――――――
  2. 奧村又十郎

    奧村委員長代理 これより会議を開きます。  議案の察査に入ります前にちよつとお諮りいたします。実は理事田中織之進君が去る三月五日、同じく理事西村直己君が同月十日委員辞任に伴い、また理事天野久君が議員辞職に伴いまして、理事が三名欠員となつておりますが、本日は都合により二名だけの補欠選任を行いたいと存じます。慣例によりまして委員長において理事二名の指名をいたすに御異議ございませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり)
  3. 奧村又十郎

    奧村委員長代理 御異議がなければ、田中織之進君並びに西村直己君が去る三月三十一日再び本委員となられましたので、右両君理事指名いたします。     —————————————
  4. 奧村又十郎

    奧村委員長代理 次に信用金庫法案及び信用金庫法施行法案の両法案一括議題といたしまして、まず提出者より提案趣旨説明を求めます。田中織之進君。
  5. 田中織之進

    田中(織)委員 ただいま議題となりました信用金庫法法案及び信用金庫法施行法案につきまして、その提案の理由を御説明いたします。  最近、中小企業金融はとみにその重要性を増加しつつあり、信用協同協同組合は、中小企業者に対する金融機関として目ざましい活動を示しておるのでありますが、信用協同組合根拠法である中小企業等協同組合法は、一般事業協同組合信用協同組合とをともに自由放任的色彩をもつて律しており、金融機関としての組織監督等に関し、ほとんど配慮せられていない現状にあるのであります。よつてこ際信用協用協同組合のほかに、同じく出資組織による信用金庫制度を設けて、中小金融機関としての体系を確立し、その活動を促進することにより、国民大衆のために金融の円滑をはかり、あわせてその貯蓄の増強に資するとともに、金融業務公共性にかんがみ、その監督の適正を期し、信用維持預金者等保護に資するため、信用金庫法を制定するとともに、信用金庫法施行法を制定して、現在の信用協同組合のうち適格なものについては信用金庫に転換せしめ、他方転換しないものの監督について所要の改正を加えることが必要となつたのであります。  以上の趣旨によりまして本法律案提案した次第であります。何とぞ御審議の上すみやかに御賛成あらんことをお願いいたします。     —————————————
  6. 奧村又十郎

    奧村委員長代理 次に相互銀行法案議題といたしまして、質疑を継続いたします。
  7. 田中織之進

    田中(織)委員 各党共同提案になつておりますがただいま私小委員になつておりませんので、小委員長に一、二点お伺いしたいと思うのであります。  相互銀行法案は、言うまでもなく現在既存のを金融機関として、さらに前進せしめた態勢に持つて行こうというねらいの法律でありますが、そのいみから既存の無盡会社が、この法律案が成立いたしましたときには、条件を具備したものから相互銀行になるということは、当然考えられることでありますが、今後無盡会社というものがふえて行く傾向にあると必ずしも考えられないので、そういう場合に無盡会社をつくつて、それが段階的に相互銀行に発展して行くというような形をとるよりは、むしろ私は最初から相互銀行としての条件を具備したものは、新らしくこの法律によつて設立を認められる。こういう形にした方がむしろいいのじやないかと思いますが、提案者の方でそういう点はお考えになつて、この立案せられた当時において、今後新らしくできて来るものは、いきなり相互銀行というこの法律に準拠したものに持つて行くつもりでありますか。あるいは階梯として、いわゆる無盡会社としての法律が現存しておるのでありますから、一応無盡会社としてこしらえたものが、さらに條件が進んだ場合に相互銀行になる、こういう段階的に進ませるお考えであるか。その点についてのお考えをお聞かせ願いたいと思います。
  8. 小山長規

    小山委員 お答えいたします。この法律案が通過いたしましたあかつきにおきましては、無盡業法の現在の無盡会社というものは、今後はできないことに相なります。しこうしてただできるのは物品無盡だけでありまして、金融業務を営む無盡会社というものは今後できません。従つて新しく相互銀行になりたいという方々は、相互銀行法に定めるところの適格條件を備えて申請をする。それに対して大蔵大臣認可をする、こういう形に相なるのでありまして、段階的にまず無盡会社、それから相互銀行という形はとらないのであります。
  9. 田中織之進

    田中(織)委員 それでその間の事情がわかつたのでありますが、そこで無盡業法がこの法律の実施とともになくなるわけでありますから、新しく無盡会社というものができなくなるわけであります。ここで私、むしろ大蔵省関係官からお聞かせを願いたいと思うのでありますが、最近私の手元に——これはもうすでに二年くらい前の問題になろうかと思いますけれども、いわゆる戦後簇出いたしました殖産会社、こういうものが整理せられまして、殖産無盡に全国で数社設立を認められたわけであります。これらの殖産無盡として無盡業法による認可をもらえなかつたところの殖産会社整理問題が、現在まだ残されておると思うのでありますが、もちろん金融業法によるいわゆる貸金業として残つておるものは別として、それ以外のものは現在整理段階にあるのでありますが、将来そういうものの中から相互銀行引上げられるような條件のものが、現在残つておりましようかどうかという点と、それからいわゆる殖産会社殖産無盡に統合ないし統合されないものが、現在整理段階にありますが、それは現在整理が順調に行つておるのでありましようかどうか。これらの点についてはむしろ大蔵省の方からお答え願いたい。
  10. 飯田良一

    飯田説明員 お答えいたします。問題は、一つ殖産会社の今後の問題についてのお話のように承りました。殖産会社、いわば当時非合法と認められました会社につきまして、その後優秀というか、内容の堅実なものにつきまして、しかも将来の見通しが確実であると思われるものについて、十数社に免許を当時與えたことはお話の通りでございます。しかしながらもちろん全国に数百ありましたいわゆる殖産会社の全部に及ぶことはでき得なかつたわけであります。従いまして、これに関して現在残存しておるものが存在することは事実なのであります。ただ当時といたしまして厳重な審査をいたしました結果、適格性のあるものについて無盡業法による免許を與えたのであります。従いまして残存するものにつきましては、いわば金融機関として営業を続けることは好ましくないと申しますか、不適格という判断が行われたわけであります。従いまして当時と同じような状態のまま、かりに相互銀行法による新銀行設立申請がありました場合におきましても、そのままでは免許は困難かというふうに存じております。  それから第二点でございますが、残つた殖産会社整理が順調に行われているかどうかという問題でございます。当時無盡業法免許を與えるにつきまして審査をした際に、内容が必ずしも良好でないというふうな関係から、免許を與えなかつたという状態にあるのであります。従つてその当時から内容的には芳ばしくないということは事実なのでありまして、従いましてそのまま整理におきましても、順調に整理が行われているというのもございますけれども、中には順調に行われないという関係にあるものもあります。しかしながら、この際これは正式ではございませんけれども、免許を與えられた無盡会社の方から、適当な意味の援助を與えるというふうなことによりまして、整理促進方ということは、いわば何と言いますか、黙認というふうな形で、その整理をなるべく順調にするようにということは認めておるわけであります。いかんせん元来が内容的に思わしくないという状態で、相当困難を来しておるものもあるということは事実であります。
  11. 田中織之進

    田中(織)委員 殖産会社善意預金者といいますか、出資者保護の問題は、殖産無盡に一つの規律を與えるときにも非常に問題になつたところでありますが、私はそういう意味で、もちろんはつきりした法的な根拠があるわけではないと思いますが、こういう純真な大衆預金者保護するという意味合いにおいて、やはり成規金融機関大衆が準拠して、預金その他の金融の利用ができるような方向へ、一般的に関心を高めて行く必要があろうかと思いますので、そういう点を大蔵省で十分今後も適切な、内面的な指導でけつこうですから、やつていただきたいという希望を申し上げておきます。  なおこの機会に、先ほど相互銀行法案小山委員長からのお話があつたわけでありますが、金融機関としての無盡会社というものが、相互銀行法案ができまするならば、今後はなくなるのでありますが、物品無盡が残るということを言われた。私もその傾向が現在非常に出ておることは十分承知しておるのであります。これは大蔵省に対して一種の警告的なものになるわけですが、物品無盡の形で、実は実質上は前の殖産会社的な金融をやるものが相当全国で見受けられます。これは私の郷里の和歌山県等においてもあります。そういう関係からいたしまして、ほとんど一箇月のうちに数国そういう物品無盡関係から来る一種の詐欺的な行為、そういうトラブルが起つて、司直の手を煩わしておることをたびたび見受けます。この点今度は金融機関としての無盡会社は、條件を具備しておるものが相互銀行ということで、前進する体制になるわけですが、残された物品無盡が、そういう形で実質的にはやはり一種金融機関的な機能を持つたものが、最近またふえる傾向にありますので、この点直接大蔵省の所管ではないかもしれませんが、金融貸金業等についても、大蔵省の取締りというか法規があるわけでありますから、そういう点に照して、善意預金者なりあるいは無盡加入者が不測の損害を受けないような面も、これはある意味から言えば、金融関係一般的な意識水準引上げる面における一種の教育活動的なものになるかもしれませんので、私はただ単に大蔵省銀行局が、金融機関監督なりそういう面をやるだけでなく、やはり金融に対する正しい認識を国民大衆に理解せしめることによつて金融機関の健全なる発達と、大衆が最も必要としている金融が、的確迅速に調達の目的が達せられるという面における指導を強化していただきたいというわけで、この物品無盡に対しまする大蔵省の内面的な査察を十分にやられまするとともに、それが金融機関の性格を持つておる場合には、それぞれの法規によつて大衆預金者保護するという建前において、適切な措置をとつてもらいたい。これは私の希望意見でありますが、大蔵省注意を喚起しておきたいと思います。
  12. 宮腰喜助

    宮腰委員 私は提案者の一人なので、二、三疑問の点がありますので、警告がてらひとつお話を申し上げたいと思います。  まず第一に、この相互銀行内容は、一般銀行とさほど相違はないような状態でありまして、抽籤制度がなくなるかわりに、給付契約というものがあります。この給付契約拘束を受けないことが、内容としてはいろいろな條件をつけられますので、貸すか貸さぬかという場合には、本人信用状態なり、あるいは本人経営のまじめさ、こういうようないろいろな條件審査した上でなければ、金を貸さないということになりますので、私はこの法の全体を見る場合には、元の不動産貯蓄銀行のようなああいうニコニコ貯蓄制度と、何らかわらないような内容になつておりまして、旧来の無盡の内容を有するものが少し進歩したものになりまして、今後運営についても銀行らしい経営をしなければならないのでにないか。そういう意味合いにおいては銀行協会の方からも、これは本来無盡業者だから、無盡らしい経営をしなければならないという忠告もありますが、先ほど言つたように、内容はほとんど一般銀行とそうかわらないような性質を有しておりますので、その点について今後十分経営注意をしないと、間違いが起るという欠点があります。  それからまた第二点としては、店舗の改造に相当金がかかる。今まで無盡会社であれば、裏通りでもさしつかえなかつたものが、銀行らしい経営をするということになると、やはり大通りへ出て経営をする。銀行らしくカウンターなども置いて経営しようということになれば、相当経費もかさんで来るので、せつかくできた親心の中小金融機関が、そういう設備の方にあまり金をかけられてしまうと、経営上非常にうまく行かないような状態になると思うのでありまして、この点今後十分運営注意をしていただきたい。それから給付契約というものに相籤の條件が入らないために、結局貸出しが業者の自由になる関係上、不当な貸付が起きて参りまして、不健全な経営も起り得る可能性もありますから、この点も十分注意しなければならないのではないか。それから第八條区域の問題は、定款で定めていますが、こういうような場合には、おそらくいろいろ相互銀行間において摩擦が起る危険性がありますので、この点も監督官庁としては、支店の設置をする場合には十分考慮しなければ、摩擦の起ることは、第八條條文の上からでも想像されるのでありますから、十分注意していただきたい。  それから預金者保護規定でありますが、本来銀行と同様な内容を有するものでありますから、これは銀行法の準用によりまして、監督も厳重でありましようが、なお一層預金者保護規定を強化しないと、この銀行内容の中心をなす給付契約内容拘束受げて、一般預金者保護を受けない危険があり得るので、この点も十分強化していただきたい。  こういうような四、五点について、飯田課長さんに、今後の金融行政上どういうふうな方法で行けば、これを押えて行かれるか、監督して行かれるかを伺いたいと思います。
  13. 飯田良一

    飯田説明員 あるいは順序が不同になるかもしれませんが、お答えいたします。  第一番のお話抽籤入札による順位の決定ということが、法律上の要件になつておりません点でございます。現在の無盡業法のもとにおきましても、いわゆる抽籤入札を用います典型的な無盡に対しまして、いわゆるみなす無蓋と申しますか、抽籤によることを要件としないで、会社資金繰りによつて給付するという形態が、すでに発達しておるのでございます。相互銀行法のあの給付業務規定と申しますのは、いわばその現段階の事実を、法的に明確にしたというふうに見るべき実態を備えておるわけでございます。無盡会社業務がすでにそこまで転移をしておるということになろうかと思います。従いまして相互銀行法という法律のもとにこれを運営いたします場合におきましても、いわばその意味において従来の延長というふうに解釈するか、あるいは発展的な進矛と申しますか、そういうふうなことになろうかと思うわけでありまして、急激に現在の実態がかわるものではないというふうに考えております。  それから店舗の問題でございますが、相互銀行普通銀行と異なる銀行として存在意義を認められる以上、普通銀行並の金がかかる店舗を構えることは、むしろ必要はないんではなかろうか。必要に応じて、その実力によりまして店舗改善をはかるととはよろしいかと思いますが、不必要に店舗資金を固定させることはむしろ避ける方がよくはないか。国民大衆に親しみのある金融機関とするのには、いたずらに店の構えだけによるものではないと存ずるわけでございます。ただ金融機関としての最小限度信用維持ということは、やはり店舗と微妙な関係にございますので、ある程度の改善なり何なりは必要かと思いますが、いたずらに一般銀行にならう必要はないんではないか。その意味におきまして、宮腰委員お話にまつたく同感でありますし、そういう面において指導もいたして参りたいと思つております。  それから区域の点についてお話がございましたが、現在の無盡業法におきましても、無盡会社営業区域定款で定め認可を要することになつております。地方的な金融機関としての相互銀行という建前から、その仕組みはやはり引継がれるわけでございます。大体そのきめ方につきましても、現在の無盡会社におけるきめ方と、同様の方針をとつて参りたいと存ずるのであります。いたずらな摩擦店舗の配置というふうなことは、極力避けて参りたいと思つております。ただいい意味の競争によりまして、二つの銀行の間に発展をはかるというふうな効果が認められる場合には、むしろ認めた方がいいという場合もありましようと思いますので、完全に業務の分界を区域によつてわけることはいかがかと思うわけであります。不当な摩擦を避けることに極力努めて参りたいと考えております。  なお預金者保護の点に万全を期して監督をしろというお話でございますが、これにつきましては私ども特に十分に注意しなければならないと思います。特に相互銀行は特殊銀行的な機能を果す使命を帯びておるのでございまして、国民大衆の零細な資金の集積を預かるという意味合いになるのでありまして、その点についてはお話のように特に注意をいたしまして、万全を期して参りたいというふうに考えております。
  14. 西村直己

    西村(直)委員 この相互銀行法案につきましては、大体休会前から小委員会を設けまして慎重に審議されました。またただいま各委員からも基本的な御意見が出ておりまして、大体質疑も盡きておるように思いますので、質疑を打切り、なお討論を省略されまして採決をいたされるよう、動議を提出いたします。
  15. 奧村又十郎

    奧村委員長代理 ただいまの西村君の動議のごとく決するに御異議ございませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  16. 奧村又十郎

    奧村委員長代理 御異議ないようですから、本案につきましては以上をもつて質疑を打切り、討論を省略して、これよりただちに採決に入ります。  本案に賛成の諸君の起立を願います。     〔総員起立〕
  17. 奧村又十郎

    奧村委員長代理 起立総員。よつて本案は原案の通り可決いたしました。  なお報告書の作成及び提出手続等につきましては、委員長に御一任願いたいと存じます。     —————————————
  18. 奧村又十郎

    奧村委員長代理 次に請願及び陳情書審査委員会設置に関する件を議題といたします。  当委員会におきましては、ただいままでのところ百八十五件の請願が付託に相なつており、また五十二件の陳情書が送付になつておりますので、請願陳情書審査を進める意味において、請願及び陳情書審査委員会設置いたしたいと存じますが、この点御異議ございませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  19. 奧村又十郎

    奧村委員長代理 異議なしと認めます。それでは請願及び陳情書審査委員会設置することに決定いたしました。  なお右小委員及び小委員長の選任につきましては、委員長に御一任願いたいと存じます。本日はこれをもつて散会いたします。     午前十一時四十九分散会