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1951-03-29 第10回国会 衆議院 大蔵委員会 第45号
公式Web版
会議録情報
0
昭和二十六年三月二十九日(木曜日) 午前十一時十一分
会議
出席委員
委員長
夏堀
源三郎
君
理事
奧村又十郎
君
理事
小山
長規
君 有田 二郎君 大上 司君 川野
芳滿
君 佐久間 徹君 清水 逸平君 高間 松吉君
塚田十一郎
君
苫米地英俊
君 西村 直己君 三宅
則義
君
水田三喜男
君
宮幡
靖君 内藤 友明君 宮腰 喜助君
田中
織之進君
松尾トシ子
君 竹村奈良一君 深澤 義守君
出席国務大臣
大 蔵 大 臣 池田 勇人君
出席政府委員
大蔵事務官
(
主計局法規課
長) 佐藤 一郎君
大蔵事務官
(
銀行局長
)
舟山
正吉君
大蔵事務官
(
銀行局預金部
資金課長
) 高橋 俊英君
委員外
の
出席者
専 門 員 椎木 文也君 専 門 員 黒田 久太君
—————————————
三月二十八日
石油
及び
石油製品
に対する
関税撤廃
の
請願
(田 中不破三君
紹介
)(第一五六六号)
漁業用石油類
に対する
関税撤廃
の
請願
(
奧村又
十郎
君
紹介
)(第一六二八号)
関税定率法
の一部改正に関する
請願
(
三木武夫
君
紹介
)(第一六二九号)
とうもろこし
、こうりやん及び種卵に対する関
税撤廃
の
請願
(
千賀康治
君
紹介
)(第一六四五 号)
とうもろこし
及びこうりやんに対する
関税撤廃
の
請願
(
千賀康治
君
紹介
)(第一六四六号)
公務員
の新
退職給與制度確立
に関する
請願
(青
木正
君
紹介
)(第一六五六号)
資金運用部資金法制定
に関する
請願外
一件(早
稻田柳右エ門
君
紹介
)(第一六五八号) の審査を本
委員会
に付託された。
—————————————
本日の
会議
に付した事件
国家公務員等
に対する
退職手当
の
臨時措置
に関 する
法律
の一部を改正する
法律案
(
内閣提出
第 三九号)
農林漁業資金融通特別会計法案
(
内閣提出
第六 三号)
資金運用部資金法案
(
内閣提出
第七一号)
郵便貯金特別会評法案
(
内閣提出
第七三号)
会計法
の一部を改正する
法律案
(
内閣提出
第七 五号)
資金運用部特別会計法案
(
内閣提出
第七六号)
資金運用部資金法
の
施行
に伴う
関係法律
の
整理
に関する
法律案
(
内閣提出
第八六号)
公庫
の
予算
及び決算に関する
法案
(
内閣提出
第 一〇三号)
日本開発銀行法案
(
内閣提出
第一二八号)
—————————————
夏堀源三郎
1
○
夏堀委員長
これより
会議
を開きます。
資金運用部資金法案
、
郵便貯金特別会計法案
、
会計法
の一部を改正する
法律案
、
資金運用部特別会計法案
、
資金運用部資金法
の
施行
に伴う
関係法律
の
整理
に関する
法律案
、及び
日本開発銀行法案
の六案を
一括議題
といたします。
資金運用部資金法案
について
政府委員
より概略の
説明
を求めます。
舟山正吉
2
○
舟山政府委員
資金運用部資金法
の各
條項
につきまして、
主要点
を御
説明
申し上げたいと存じまするが、その前にこの
法案
の御
審議
につきまして、いろいろ御心配を願
つて
おるのでございますが、実は二十五年度もあさ
つて
までとな
つて
おります、そこでこの
会計年度
のかわりに際しまして、早くこの
資金法
が成立いたしませんと、いろいろの事務的な
支障
あるいは経済的な
支障
があることを、一言申し上げさしていただきたいと思うのでございます。 今回この
資金運用部資金法
を提案いたしました
経過
につきましては、すでに再三申し上げておるのでございますが、現在
大蔵省預金部
の
制度
におきましては、二十一年の
司令部指令
に基きまして、その
資金
の
運用
がきわめて限定されております。すなわち
国債
及び
地方債
に対する投資を中心としておるのでございますが、この
預金部資金
を
産業界
に還流せしめることの
必要性
、
緊要性
ということにつきましては、天下をあげての要望でございまして、これを再三
司令部
に折衝いたしました結果、
預金部
をこの際根本的に
改組
いたしまして、ド
ツジ
氏から授けられました
方針
にのつと
つて資金運用部
に
改組
する、こういうことを前提といたしまして、
金融債
の
引受
を認められることにな
つて
おるのでございます。そこで昨年の暮れ、二十五年度の
資金計画
といたしまして、もしこの
改組
に関する
法律案
が通るなら、二十五年度においては、二百億の
金融債
の
引受
を認めよう、さらに来年度におきましては、四百億の
金融債
の
引受
を認めようという内約があるわけでございます。この指示に基きまして、今年度におきましては、すでに
金融債
は昨年の暮れの二十億から始めまして、
発行
を見ておるわけでございまして、ただ三月分の六十七億というものが
残つて
お
つたの
でございます。ところがこの
資金運用部資金法案
の
審議
が進みませんために、との三月分の
金融債発行分
六十七億につきましては、まだ
引受
の
承認
が参
つて
おりませんので、この月末に
興業債券
、
勧業債券等
の
引受
を予定してお
つたの
でありますが、それも実行不可能になりまして、ごく僅少の
市中消化分
の
発行
のみをいたしたというようなことにな
つて
おるのでございます。さらにこの
状態
のままで進みますならば、四月になりまして大体四月、五月、六月、各月三十億内外の
金融債
の
引受
を予定しておるのでございます。その費途といたしましては、たとえば
興業債券
、
勧業債券等
におきましては、目下緊要とされております船舶の
建造資金
、あるいは
農林債券
の
関係
におきましては、
国会
でも非常に問題にな
つて
おります
農業災害共済保険
の
つなぎ資金——預金部資金
でも
つて
農林債券
を
引受
けまして、農林中金から
つなぎ資金
を出すということにな
つて
おるのでございますが、これらがすべて実行不可能になるのでございます。これらは経済問題といたしまして大きな重要問題でございまして、現に三月分の
金融債
の
発行
ができなくなることに対しまして、
銀行方面
でも非常に狼狽いたしまして、この
資金計画
に大きな齟齬が来たことにつきまして、
善後措置
と申しましても、ほとんど手の打ちようがないような
状態
で、各方思痛いたしておるような次第でございますので、この
資金運用部法案
の御
審議
につきましては、これらの点も十分御参酌願いたいと存ずるのでございます。 さてこの
法案
のおもなる
内容
につきまして、便宜上ごく簡単におもなる
條項
を拾いまして御
説明
申し上げたいと存じます。
預金部
の
改組
の
根本眼目
につきましてはすでに申し上げましたが、大体全部と申しますのは、
郵便貯金
の金を主として
運用
する、こういう
建前
で、明治初年から
参つたの
でございます。この際
政府
の各
特別会計
にありまする
資金
は、一箇所に
統合管理
いたしまして、確実かつ有利な
方法
で
運用
し、
国民経済
全体の
利益
を増進するという
建前
をとろうとしておるわけでございます。そこでこの
資金運用部
には、法制上必ず
預託
しなければならない
資金
、それからその他の
余裕金
につきましても、
資金運用部
に
預託
する以外の
方法
では、
運用
を認めないというものとわかれて来るのでございます。 第
二條
にはこの
資金運用部
へ
預託
しなければならない
資金
を
規定
したのでありまして、第一項は
郵便貯金
の金でございます。細目につきましては、この法文をごらんいただけば、文字
通り
判明いたすと思いますので、そういう点は
説明
を省略いたします。それから第二項に参りまして、
政府
の
特別会計
の
積立金
は、これを必ず
資金運用部
に
預託
しなければならないということにな
つて
おるのでございますが、ただ
簡易生命保険
の
積立金等
を
保険契約者等
に貸し付ける場合には、
資金運用部
への
預託
は不要としたわけでございます。 それから第三條は、従来
国庫余裕金
は日本銀行に預入するか、あるいは短期
運用
するかにとどめまして、
預金部
に
預託
することはなか
つたの
でありますが、ここに
資金運用部
に
預託
することができることといたしことでございます。第二項は、
特別会計
の
余裕金
は
資金運用部
に
預託
する
方法
以外には、
運用
してはいけないということをうたつたものでございます。但し
国債整理基金特別会計
で
国債
を保有するのは、この
特別会計
本来の
目的
でありますので、これを除外したのでございます。こういうふうにいたしまして、
資金運用部
に
預託
せられました
資金
につきましては、今度
預託
の
方法
を従来に比べまして改善いたしまして、
預託
いたします側の各
特別会計
に、非常に有利なようにいたしたのでございます。すなわち現在の
大蔵省預金部
におきましては、
普通預金
の
方法
と、それから六箇月以上の
定期預金
の
方法
とございました。
定期預金
におきましても、年三分五厘の
利率
をつけてお
つたの
でございますが、これらの
預託金
は
性質
上非常に
長期
な金が多いと思うわけでありますが、現行のような
制度
では、預ける側にと
つて不利益
な点がありますので、今度は
預託
の
期間
の長短に応じまして、最低三分五厘から
最高
五分五厘までの
利率
をつけるということにいたしたのでございます。それでありますから、
郵便貯金
とか
簡易生命保険
の側に立ちますると、それらの
資金
は
相当
性質
上
長期
なものでありまして、
最高
五分五厘の
運用利益
を得るという恩典に浴する場合が非常に多くな
つたの
でございます。こういうふうに
預託期間
を限りますが、もし当初約束いたしました
期間
以前に払いもどします場合には、その本来の
運用利率
から幾分低目に利子を付するという
趣旨
を、四項にうた
つて
おるのでございます。 それから次に重要なる事項は第七條でございまして、「
資金運用部資金
は、左に掲げるものに
運用
することができる。」といたしまして、「
国債
」、「国に対する
貸付
、」これは御
説明
を要しないと思います。それから次に「
法律
の定めるところにより、
予算
について
国会
の
議決
を経、又は
承認
を得なければならない
法人
の
発行
する
債券
」、及び第四号の「前号に
規定
する
法人
に対する
貸付
」でございまして、いわゆる
政府機関
に対するものでございます。国鉄とか
専売公社
とかその他
公庫
の類、すべてこれに入るわけであります。それから次に「
地方債
」及び「
地方公共団体
に対する
貸付
」、これも御
説明
はいらないかと思います。それから第七号に参りまして、特別の
法律
により設立された
法人
でありまして、国とか
政府機関
また
地方公共団体
以外の出資のないものであ
つて
、特別の
法律
により
債券
を
発行
し得るものの
発行
する
債券
、並びに「前号に
規定
する
法人
に対する
貸付
」、「これはたとえば
土地改良区域
のごときものが入るのでございます。
預金部
の昔からの行き方から申しまして、
公共組合
といつたようなものに類似する
法人
でございます。大体以上申し上げました
運用範囲
は、現在でも認められておるところでありますが、さらにこの際
改組
を機会といたしまして、第九号におきまする
金融債
の
引受
が認められたのでございます。その
経済的意味
につきましては、ここに御
説明
を省略いたしますが、ただこれらの
金融債
の
引受
と申しますものは、国または
地方公共団体
に比べまして、その
安全性
において若干の逕庭がございますので、
運用総額
というものを二項、三項において
制限
をいたしたのでございます。すなわち
金融債
に
運用
する
資金運用部資金
の額は、
資金運用部資金
の
総額
の三分の一を越えてはならないといたしたのでございます。大体戦前におきましても、
金融債等公共団体
以外に対しまする
債券
の
引受
あるいは
貸付金
は、
預金部
の
資金
の三分の一
程度
の実績を持
つて
お
つたの
でありまして、この
程度
ならば
安全性
を確保しつつ、
相当
の需要をまかなえると思うのでございます。なお第三項にもう一歩進みました
制限
があるのでございまして、
一つ
の
金融機関
の
発行
する
金融債
につきましては、五割を越えてはいけない。
興業銀行
とか
勧業銀行
とか各
金融機関別
に、その
発行
いたします
金融債総額
の五割以内ということにな
つて
おります。さらに
一つ
の
金融機関
の一回に
発行
する
金融債
の六割を越えてはならない。言いかえますれば、一回に
発行
いたします
金融債
の四割は、
市中消化
をしなければならないということであります。これは
資金運用部資金
でも
つて
、普通では
発行
できない
金融債
を全額
引受
けることによ
つて
、
資金運用部
にはからざる危険を与えてはいけない。
市中
でも円滑にある
程度
消化せられ、その
安全性
について
市中
もこれを確認するというものについて、
資金運用部
もそれにつき
合つて
よろしいて、こういう
趣旨
の
規定
であります。なお
資金運用部
が持ちます
金融債
は、
市中
の
條件並
でなければならないということを、後段にうた
つて
おるのでございます。 次に第
八條
は、
資金運用部資金運用審議会
の
設置
の点でありますが、これも従来の
預金部時代
におきますよりは、非常に改善されたのでございます。すなわち
大蔵省預金部
の
資金運用審議会
は、
大蔵省
内に
設置
せられまして、
大蔵大臣
の
諮問機関
であ
つたの
でございますが、これを
政府資金
がすべて
資金運用部
に統合せられ、これが
国民経済
全体の
利益
のために、
運用
せられなければならぬということになりましたにつきましては、この
審議会
を
内閣総理府
の
付属機関
として、
設置
するということにいたしたのであります。それは第
八條
の
規定
するところであります。なおその
構成員
は、第十條の示す
通り
でございますが、十
一條
におきまして、
内閣総理大臣
が
会長
となり、
大蔵大臣
及び
郵政大臣
が
審議会
の副
会長
とな
つて
、
会長
を輔佐するということにな
つて
おります。この
審議会
は、
大蔵大臣
の
資金運用
に関する
諮問機関
でございます。 その他の
規定
は手続的な
規定
が多いので、特に御
説明
は要しないかと思いますが、附則におきまして、若干の
経過規定等
を設けております。大体第九項におきまして、この
法律施行
の際、
政府
の
特別会計
の
積立金
の
運用
にかかる
有価証券
及び
貸付金
は、この
統合管理
の
趣旨
に照しまして、
資金運用部
に一括帰属するということになるのでございますが、ただこの際におきましても、
簡易生命保険
、
郵便年金特別会計
の便宜をはからいまして、十項におきまして、現在そちらに属しております
有価証券
の保有、及び
保険契約者等
に対する
貸付等
につきまして、この
資金運用部
にただちに
移管
することをいたさない。それらの
運用
が終了いたしますまでは、そちらの
特別会計
に置いて参るということにいたしまして、そちらの
特別会計
におきまする
関係人員
の急激なる減少、その他によりまする不安というものを除いた次第でございます。それからなお十八項におきまして、先ほど来問題にな
つて
おりまする
簡易生命保険
の
独立運用
の問題につきまして、これはこの
簡易生命保険法
に、その
資金
にそちらの
特別会計
で
運用
するという
趣旨
の
規定
がございますのを削りまして、
統合運用
の精神を明確にいたしたいと
考え
てるのでございます。十九項は
郵便年金法
に関するもので、十八項の
簡易生命保険
に関しまする問題と同一でございます。 以上
資金運用部資金法案
の、
主要点
につきまして、簡単に御
説明
申し上げた次第でございます。
夏堀源三郎
3
○
夏堀委員長
御質疑はありませんか。
田中織之進
4
○
田中
(織)
委員
資金運用部資金法案
についてお
伺い
をいたしたいのでありますが、これはわれわれの聞くところでは、いわゆる
預金部
の
資金運用
に関するド
ツジ
氏の
覚書
に基いて、
政府関係
の
資金
の一元化をねらつたものであると思うのでありますが、すでに
銀行局長
も御承知のように、この
法案
のうちで一番問題にな
つて
おる点は、
郵政省所管
の
簡易保険積立金
並びに
郵便年金
の
資金運用
及び
預託
の問題でございますが、
大蔵省
としては、従来たびたび
国会
でも、この問題はいわゆる
郵政省設置法
並びに
簡易保険法
の
関係
で
規定
されておる
通り
に、
郵政省
にこの
運用
を現在残しておるものが、従来
相当
の行きがかりがあ
つて
、
預金部
に一時的に
預託
することに
なつ
たものがそのまま引続き踏襲せられ、今度の
法律
でそれが決定的に
大蔵省
の方に持
つて
行かれるということになるので、
郵政省関係
、ことに
保険
並びに
年金関係
の実際の
資金
を集める方の
仕事
に従事しておるものから、
郵政省関係
の
保険事業
の
むしろ存立
にも影響するということで、猛烈に反対をいたしておるわけであります。ド
ツジ覚書
とそれから従来の
国会
の
全会一致
の
議決
との
関係
、並びに
郵政省
及び
簡易保険
の
関係
の
法律
にありまする、
郵政省
にこの
運用権
を認めて参つたこととの間の
調整
については、
大蔵当局
として従来どういうようにやられて来たか。またこの
法案
の
提出
にあた
つて
は、この間の
調整
についてどういう努力を払つたかということについて、まずお
伺い
したいと思います。
舟山正吉
5
○
舟山政府委員
簡易生命保険積立金
の
資金運用部
への
移管
の問題につきましては、すでに当
委員会
ほか各
方面
の
委員総
で
相当
論議せられましたところでございまして、
大蔵大臣
もそれに対しましていろいろ答弁しておる次第でございますので、あまり詳しくは繰返すことを避けたいと存ずるのであります。私どもの
見解
といたしましては、これらの
政府資金
をどこかで
統合管理
して、むだなく最も能率的に
国民経済
全体のために
運用
する。しかもその際には
政府
の
財政政策
、
金融政策
と一体とな
つて
これを行うということが、きわめて適切なることであろうと思うのでありまして、その
意味
においてそれをだれが所管するかという問題については、
財政金融
の
当局
である
大蔵省
がこれをやるということが、唯一の道であろうと
考え
る次第でございます。この
法案
におちつくまでにはいろいろの
経過
もあつたことは、すでに論議せられたところでございますが、こういう
簡易保険
につきまして、
運用面
を
大蔵省
に
移管
することによ
つて
、
簡易生命保険自体
の発展ということを阻害しはしないかどうかということにつきましては、これは
政府部
内においてそれぞれ
担当
の部局において
担当
する
仕事
を、それぞれ専念してやるわけであります。また
大蔵省
としまして、
簡易保険
の発達につきましても非常に関心を持
つて
おり、必要なことであると
考え
ておるのでございますが、
運用面
を
大蔵省
においていたすということにいたしましても、決してそれを阻害するものではない、こういう
考え
を持
つて
いるのでございます。
田中織之進
6
○
田中
(織)
委員
その点は従来から論議せられて来た点でありますけれども、
国会
が
議決
いたしましたのはたしか
臨時国会
であつたかと思うのでありますが、
議決
をいたしたときの事情というものは、私何ら
変更
を見ていないと思う。その
意味
において
政府
が衆議院の意思を無規して、特に
郵便年金積立金
並びに
簡易保険代金
の
資金
の
運用
を、全部
大蔵省
に持
つて
行くということは、われわれその
議決
に参加したものとしてはきわめて遺憾に存ずるのであります。その
意味
でこれがなぜそういうことに
なつ
たかということについては、大体
預金部資金
の
運用
の
方針
について、いわゆるこの
資金
の成り立
つて
来ているものに対する還元の問題が十分に行われていないところに、根本的な原因が胚胎すると思うものであります。われわれの承知しているところでは
国会
の
議決
があり、あるいは
閣議決定
がなされているにもかかわらず、今度の
ドツジ書簡
が出て、この
ドツジ書簡
の解釈の問題でも、
大蔵当局
が
考え
ているのと、われわれがこの
書簡
をそのまま公正なる立場で見る場合においては、必ずしもこの
資金
の
運用
を
大蔵省
に持
つて
行かなければならぬというようにい
覚書
の中にそういう積極的な
内容
が見られるかどうかということについては、私はこれは議論の多分に存在するものだと思うのであります。大体こういう
ドツジ書簡
の出るについては、
大蔵省
は従来のそういう
方針
を、率直な言葉で言えば、哀竜のそでに隠れるような
意味
で、ド
ツジ
氏に要請をしたのではないかという疑いすら持たれております。
ドツジ書簡
が出るのについて、
大蔵省
の方で、私は率直に申しますが、そういう工作をしたという
疑惑
が
相当
持たれておるのでありますが、はたしてそういう
疑惑
が単なる
疑惑
であるのかどうか。この際
銀行局長
から明確にお答え願いたいと思います。
舟山正吉
7
○
舟山政府委員
簡易保険積立金
の
移管
につきましては、
両院
の
議決等
も
払つたの
でございますが、しかしいろいろの論議を拝聴しておりますと、基礎的な事実について誤解もあるようであります。
両院
でいろいろ御意見もあり、また
閣議
で
簡易保険
の
積立金運用
の
独立
を御
計画
に
なつ
たということは事実でございますけれども、しかしこの問題は、根本問題としましては二十一年の
司令部
の
指令
がございまして、
簡易保険積立金
は
大蔵省預金部
に預入しなければならぬことにな
つて
おるのでございます。現状までのところ、その
指令
は生きておるのでありまして、これを国内的にあるいは
簡易保険積立金
の
独立
を
計画
するということになりましても、この
占領下
におきましては
司令部
の
指令
の
変更
につきまして
承認
が得られない限りは、これは実現できない問題であるのでございます。
大蔵省
としましては、
金融面
からこの
預金部資金
の
運用
の拡大を
計画
いたしまして、再三
司令部
と折衝したのでございますが、昨年の秋になりまして、これを
金融債
まで
運用
拡張するということが、ただ
預金部
の
改組
を
條件
として認められたわけであります。
財政金融担当者
といたしましては、これらの
資金
は全部統令して一元的に
運用
することが最も効率的である、こういう
考え
を持
つて
おるのであります。
司令部
におきましても、ド
ツジ
氏等の
見解
はやはりこれと同様であ
つたの
でありまして、特にこちらから
覚書
の
発動等
を要請したということはないのでございます。大体この
法案
に盛られておりますような
趣旨
で、
司令部
から指導せられて参りました。ただ最後の瞬間に、その
司令部
の
趣旨
を明確にする
意味
において、
覚書
という形にな
つて
出たかと存じますけれども、決してこちらから
覚書
の
発動
を要請するとか、あるいはこれをたてにと
つて
、われわれの気持を強行しようということは絶対ないのでございます。
財政金融
の
担当者
といたしましては、
日本政府
におきましてもまた
司令部
におきましても、当然こういうような
考え
方におちつくものであると
考え
る次第であります。
田中織之進
8
○
田中
(織)
委員
それでは次にお
伺い
をいたしますが、この
法案
の第
一條
の
目的
に関連しての問題であります。これはわれわれの読み違いかもしれませんけれども、ド
ツジ覚書
を見る場合に、結局受入れたすべての
資金
という
表現
がなされておるのでありますが、この
内容
については、受入れなければならない
資金
のいわゆる
名目
というものが、明確に
規定
されておらないと思うのであります。その点から
考え
まして、同時に
簡易保険
及び
郵便年金
の
関係
につきましては、これは
預金部
に
預託
すること、これは第三條の
関係
と関連を持つた来るわけでありますけれども、
国庫余裕金
は
預託
することができる、こういうことにな
つて
おる
関係
との間において、どうしても一元的な運営という面を、
銀行局長
は強調せられるのでありますけれども、私は
預託
することができるという第三條の
国庫余裕金
に関する
規定
の問題と、それから
覚書
にありまする受入れたすべての
資金
という
表現
がありますけれども、その
資金
のうちどうしても受入れなければならないという
資金
の
名目
が明確でない場合に、この
郵便年金
及び
簡易保険積立金関係
の
資金
を
預金部
に統合するという根拠が、どこから出て参るかということについて御
説明
を願いたい。
舟山正吉
9
○
舟山政府委員
ただいまの御質問は、
法律
の
條項
で申しますと、第
二條
に、特に第二項に
政府
の
特別会計
の
剰余金
を積み立てた
積立金
は、すべて
資金運用部
に
預託
しなければならないと
規定
してございまして、すなわち
積立金
はすべて
預託
を義務づけられておるのでございます。ただ
余裕金
の方になりますと、第三條におきまするように
預託
することができるという
任意規定
でありますけれども、しかしこの
資金運用部
への
預託
以外には
運用
してはならない。ただ一時の
余裕金
として保有するということは認めておるのでございますが、いやしくも
運用
ということになると、
資金運用部
に
預託
しなければならない、こういう
趣旨
をうた
つて
あるのでございます。
田中織之進
10
○
田中
(織)
委員
そうすると、次にこの
資金運用
の問題についてでありますが、現在
郵政省
の
関係
で
運用
しておる三十数億の
資金
があるのでありますが、この
法律がかり
に成立をしました場合に、従来の取扱いから
郵政省
の方で
運用
を認めておる三十数億の問題も、当然これは
大蔵省
において一元的に
運用
するという
建前
からいたしまするならば、
郵政省
から
大蔵省
に移す御
方針
であるかどうか。
舟山正吉
11
○
舟山政府委員
ただいまの御質問の点は、附則の十項に
規定
してございます。すなわち現在この
法律施行
の際に、
簡易保険
の方で保有しております約三十六億円ばかりになるのでありますが、これはその
運用
が終了するまで、
大蔵省
には引継がないでよろしいということに相な
つて
おります。
田中織之進
12
○
田中
(織)
委員
私はそれはもちろん附則にあることは承知しておるのでありますが、そこに今度の
預金部資金
の一元的な統合運営という
法案
に出て来る不徹底さがあると思うのです。従
つて
この点が、おそらくわれわれの聞くところでは、
閣議
でも問題にな
つて
、一種の妥協的な産物として附則ができて来たのではないかという疑いを、われわれは持
つて
おるわけでありますけれども、
銀行局長
が
説明
せられるように、またこの
法律
の本條において明示しておるように、こういう
資金
の一元的な
資金
部による把握、
大蔵省
による一元的な
運用
という
建前
から見ますならば、現在
郵政省
にあるものについても、これは
大蔵省
へ持
つて
行くべきなんだ。これはもちろんこの
資金
の回収ができるまでとか、そういう時間的な
制限
はつけておりますけれども、三十数億のものが
郵政省
に
残つて
おるということは、私はその他の部分——約三百億以上になると思うのでありますが、そういうものも、これは
郵政省
の
関係
に残しておいても、十分その点の
運用
について
大蔵省
と
郵政省
間の連繋によ
つて
、いわゆる国による一元的な運営
方針
によるところの運営は期せられると思うのであります。その点はもしこの
法律
が一元的な運営と統合ということをねらいとするならば、そういうことを残しておくことは私は不徹底だと思いますが、その点に対する
銀行局長
の所見を伺
つて
おきたい。
舟山正吉
13
○
舟山政府委員
統合管理
運営という
建前
を貫きますれば、現在
簡易保険
で
運用
しております三十数億円のものにつきましても、これを
資金運用部
に統合すべきであると
考え
るのであります。私ども事務
当局
の最初の
考え
といたしましては、その
方針
を堅持してお
つたの
でございますが、この
簡易保険
におきまする機構の急激なる縮小等は、
相当
不安定な
状態
をかもし出すおそれもあるといつたような政治的な考慮もございまして、かつ従来すでに投資せられておりますものは、そのままにしておきましても、その金額から申しましても、大勢にはあまり影響はあるまいという見地も加えまして、
簡易保険
の方に置いて参ることにしたのでございます。しかしこれから蓄積されて参ります新しい
資金
につきましては、やはり
資金運用部
におきまして統合いたしまして、一元的な見地から運営することが必要である、こう
考え
ておる次第でございます。
田中織之進
14
○
田中
(織)
委員
ただいまの
銀行局長
の御
説明
でも、まだ実は納得できないのであります。やはり
簡易保険
の
関係
で三十六億
運用
しておる分については、
簡易保険
の
関係
の機構を急激に縮小するわけにも行かないから、これが区切りがつくまで
郵政省
の
関係
に残しておくというならば、私は
郵政省関係
から参りますものを、同一の
政府部
内でありますから
方針
だけをきめて、私は金が入
つて
来た窓口において、十分その
資金
の特殊性というものを生かした運営を行
つて
、さしつかえないものだと
考え
るのであります。その点については、これは
見解
の相違だと言えばそれまででありますが、まだ私はただいまの
説明
だけでは納得できない。この点についての
大蔵省
と
郵政省
との間の話合いにおいて、どうも
大蔵省
が
国会
の
議決
その他——
大蔵大臣
と
郵政大臣
と連名で
司令部
へこの
国会
の決議に基いての実行を要請したこと等についての、
司令部
の返事が得られないという
関係
、その他から見た一種の妥協的なもので、その点から見るならば不徹底である。もしこういう不徹底なもので、三十六億のものがそのまま残されるたらば、私はむしろ従業員諸君が、これは従来とも
相当
公共団体その他の
関係
にこの
資金
が使われるのだということで、年金並びに
簡易保険
の
積立金
が集められて来ておる実情から見まして、こういう無理押しをするというと、現在
預金部資金
の中で、いわゆる大衆的な基礎において蓄積されて来る部分が減少することは必至だと思うのであります。そういう点から見て
考え
なければならないと思うのでありますが、今
銀行局長
の御答弁を伺
つて
おりますと、この部分だけで、新たに今後吸収されて来る部分については、現在の三十億とは別個の取扱いで、もちろん
大蔵省
で一元的な運営をやるのだということであります。この三十六億の現在あるものは、これはやはりどうしても
簡易保険
事業をやる
関係
から見まして、
郵政省
で直接出して来た金だと私理解しておるのでありますが、この三十六億限りで、あと
保険
並びに年金、特に
保険
の
関係
で入
つて
来る金は、全部的に
預金部
で実際問題として
運用
できるか。この三十六億の
関係
は、
簡易保険
事業を遂行して行く過程で、どうしても必要なものだから、
郵政省
の所管で従来から三十六億というものが運営されて来たと思うのでありますが、その点を現在出ておる三十億だけで、今後残りの部分を全部
預金部
へ統合するのだということであれば、その点についてはどういう御処置をなさるお
考え
でありますか。
舟山正吉
15
○
舟山政府委員
この三十六億ばかりの金につきましては、二十一年の
司令部
の
指令
によりまして、
簡易保険
の
積立金
を
預金部
に一括統合しなければならぬことになります以前、
簡易保険
において
運用
した金であります。この
運用
につきましては
簡易保険
で
運用
するということになりまして、そちらでもまた
運用
機構を持ち、それからまた
簡易保険
でも、その
運用
はやはり国家的な広い視野に立
つて
やらなければならぬことでありますので、そちらでもたとえば
運用
審議会
のようなものでも設けなければならぬ、こういうことになると思うのでございますが、そういうふうに国家の行政機構をいろいろ重複させて存立せしめるといつたようなことが、はたして官庁機構の合理化ということの見地から見まして適当であるかどうか。これは私は議論の余地のないことではないかと
考え
る次第でございます。それからなおこの三十六億ばかりの
運用
資産につきましても、十一項にございますように、回収金がありますと、これは
資金運用部
に
預託
されて参る。だんだんとその
簡易保険
で
運用
しております資産は減
つて
行くことになるのでございます。
田中織之進
16
○
田中
(織)
委員
私なお
運用
の
審議会
の問題その他について、二、三お
伺い
したいのですが、ほかの用がありますので、その点を残しておきたいと思います。
夏堀源三郎
17
○
夏堀委員長
その他御質疑ありませんか。
深澤義守
18
○深澤
委員
私はこの
法案
の
内容
に入る前に、先般
大蔵省
からだと思いますが、
資金運用部資金法案
審議
保留のため
支障
を生ずべき重要事項、こういう資料が出ております。この第二の項目の中に、たとえば
資金運用部
の
予算
が成立しても、この
法案
が通らないと
預金部
のままでは非常に運営が困
つて
来る。たとえば俸給、手当あるいは旅費等の支弁は一切不可能となる。この空白に対して数百万円の事務費の
程度
を、個人の責任において銀行等からの借入れでつないでおくことをしいるというのは、
国会
がみずから
予算
に関する権限を放棄するものであるから、ゆゆしい問題を提起する。こういう文句を使
つて
、この
法案
の早期通過を要望しているがごとき
意味
が含まれているのでありますが、
国会
みずから
予算
に関する権限を放棄するものであるから、ゆゆしい問題を提起するという言葉を使
つて
、そうしてこの
法案
の
審議
を強く要求しておる
趣旨
は、それは通したい
趣旨
はわかるとしても、どうもこういう言辞を使
つて
、
国会
にこの
予算
の通過をしいるということは、非常に私は事務
当局
として適当な
表現
ではないと
考え
るのでありますが、この点の
趣旨
をお
伺い
したい。
夏堀源三郎
19
○
夏堀委員長
委員長
よりただいまの質問の点についてお答えいたします。これは
委員長
としても、この
内容
を十分に検討しておきたい、こう存じましたので、もしこれが今議会で通らぬ場合にはいかなる
支障
を来すかこれを事務的に検討せよということを命じたのであります。それで事務的にこれを検討して、こういう結果になるという刷りものができたということを聞いておりましたが、昨日私は休んでおりまして、これは
委員
諸君全部に配付することは、まだ時期が早いじやないかと
考え
ておりました。ところがそれをどこから手に入れたかよくわかりませんが……。
深澤義守
20
○深澤
委員
昨日配付にな
つたの
です。
夏堀源三郎
21
○
夏堀委員長
そうですか。よくわかりませんが、事務
当局
の方で、御親切にあなた方にそれを徹底させるために、事務
当局
の責任において配付したこと
考え
ております。これは
政府
の方の何ではありませんので、御了承願います。
深澤義守
22
○深澤
委員
事務
当局
というのは……。
夏堀源三郎
23
○
夏堀委員長
専門室方です。もしそれを御検討をなさ
つて
間違つた点がありますれば、それは
政府
の責任ではなくして、専門室の方で何かお
考え
のあることであろうと思いますけれども、私責任者でありますので答弁いたします。
深澤義守
24
○深澤
委員
それではこの問題について、
委員長
に、専門
委員
室に対する十分の御警告を願いたいと思います。「
国会
自ら、
予算
に関する権限を放棄するものであるから、由々しい問題を提起する」。というような用語は、私はきわめて不穏当であると思う。この点については
委員長
は十分調査せられまして、ひとつ警告を発していただきたいと思います。
夏堀源三郎
25
○
夏堀委員長
まだ私何も見ておりませんので、検討して適当に処置いたします。
深澤義守
26
○深澤
委員
それでは
法案
についていささかお
伺い
したいと思います。 第四條の
資金運用部
に対する
預託金
に対する利子の問題でありますが、これは
予算
説明
書にもありますように、
郵便貯金
に対する経費のコストというものは六分七厘もかか
つて
おるわけであります。これを
資金運用部
に
預託
いたしますと、期限の
最高
の五年以上のものでも五分五厘ということになりますと、
郵便貯金
の方では非常な損失をこうむるわけであります。従
つて
この
郵便貯金
に対して、一般会計から大体十五億二千五百四十二万七千円の繰入れをしなければならぬという大きな穴が、実はすでに出ておるわけであります。これは今度の
資金運用部
にこの
郵便貯金
等を統合するための無理が、ここに
一つ
現れて来ていると私は思うのです。おそらく今後継続的にずつと一般会計から毎年のように、この
郵便貯金
特別会計
に対する繰入れが行われて行く可能性があると私は思うのです。従
つて
ここに
預金部資金
あるいは
郵便年金
その他のものを集中し、これを統合操作して行くこの
運用
部
資金
の
運用
の反面において、国民の税金の中から毎年々々このような犠牲をしいなければならぬという結果になると思うのでありますが、この点についての御
見解
をひとつ承りたいと思います。
高橋俊英
27
○高橋(俊)
政府委員
ただいまの点について、これは実はこの
法案
によ
つて
、
預金部
の
制度
が
資金運用部
と切りかわる際に起つた
一つ
の現象でありますが、御質問の要旨は、
郵便貯金
が赤字を出すために年々繰入れを要する、一般会計の負担が生ずるという点でございます。実はただいままでの
預金部
の機構におきましては、
郵便貯金
はあたかも
預金部
の直営事業であるような形をと
つて
参りました。すなわち他の預金に対しましては、利子を支払うだけでありまして、その経費を特別に見るということはございませんでしたが、
郵便貯金
として受入れた現金は、これをただちに
預金部
預金とすることに今までな
つて
おりました。それで
預金部
特別会計
の
予算
におきましては、
郵便貯金
の利子を直接
預金部
から支払うような
建前
で計上いたしております。それから
郵便貯金
関係
で要しまする経費は、たとえば昭和二十六年度においては七十数億円を要しますが、その経費は
預金部
の
特別会計
の歳出に掲げまして、これを
郵政省
のプールの会計であるところの郵政事業
特別会計
に繰入れるような
建前
をと
つて
参つたの
であります。つまり
郵便貯金
は直営事業であ
つて
、それを母体とするところの
預金部
が他の会計の預金を預かる。それに対しては、銀行と同じように利子だけを払う、こういう
建前
をと
つて
参りましたので、
郵便貯金
が一時非常に高いコストがかかりまして、一割にも達したことがございますが、そのような
関係
で
預金部
がみずから赤字を出して、その赤字のためにたずいままで————つまり本年度初めて均衡したのですが、昨年度までに一般会計から繰入れを受けた赤字の累計は、七十数億円に達しておるのであります。今回はこの
制度
を改めまして、
郵便貯金
は今までの他の会計の預金とまつたく同じ取扱いをする。
郵便貯金
だけがいくら経費がかかりコストが高くな
つて
も、赤字という問題は起らなかつた。それは
預金部
の赤字として現われてお
つたの
であります。今度は
郵便貯金
も
独立
いたしまして、
郵便貯金
特別会計
を
設置
いたしまして、
簡易保険
特別会計
とまつたく同列の立場において、
預金部
から利子の支払いを受ける、かような
関係
になりました。その際にこの利子をきめる場合には、五分五厘をも
つて
最高
といたしましたのは、
国債
の利子が五分五厘でございます。それで
資金運用部
の主たる
運用
は、今後においても
国債
、
地方債
に重点が置かれるわけでございまして、そのようなものの金利を————
運用
による金利が五分五厘
程度
になる。ただいま
地方債
は六分五厘でありますが、われわれとしては一時も早く採算のとれる限りは、五分五厘まで持
つて
行きたいつもりでおります。そういうところから
最高
金利を五分五厘と定めたのでございますが、そのために生じました
郵便貯金
会計の赤字に対しましては、一般会計から繰入れることといたしまして、二十六年度におきましても十五億円余りの繰入れを予定しております。なるほどそれは、一方において国民の負担となるでございましようけれども、今まで三分五厘あるいは四分五厘
程度
しか払
つて
いなかつた
特別会計
にも、今度は五分五厘を支払うということになりますので、それによる非常な
資金運用部
の負担増加もございます。従
つて
いろいろコストが違い、ばらばらにな
つて
おつた取扱いを今度はみな同じように扱うというところから、そういうふうな結果が生じて来るのでございます。なおつけ加えて申し上げますれば、
郵便貯金
のコストは年々低下しております。それは
郵便貯金
の利子はあまりかわらないけれども、毎年元本が増加いたします
関係
で、経費率としては下
つて
来るのでございまして、いずれ遠からぬ時代にはこの赤字はなくなるものと思います。決して永久に継続するような
性質
の赤字ではないものと私は思
つて
おります。
深澤義守
28
○深澤
委員
それは結果
郵便貯金
が年々増額するという見通しの上に立
つて
、初めてこの赤字が解消して行くということになると思うのであります。しかし最近における傾向といたしましては、この一般大衆の生活の困難な状況に遭遇いたしまして、
郵便貯金
が必ずしもふえて行くという可能性は、私は非常に少いと思います。今までふえたということは、つまり三万円かの限度の預金が許されておる。それに対して脱税の
意味
で非常に預金がそこに流れておつた。ところが今度は今度の所得税法の改正によ
つて
、資本蓄積の
意味
において、非常に預金に対する優遇措置が行われたということで、私は一般
郵便貯金
に対するところの増額というものは、今後見通しはないのではないかと思う。そうすると継続的にこの赤字というものがずつと出て来る可能性があると思う。その点に対する
見解
はどうでありますか。
高橋俊英
29
○高橋(俊)
政府委員
郵便貯金
が国民の窮乏のために増加しなくなるかもしれぬというお尋ねでございますが、
政府
としては
郵政省
当局
の見積りにおきましても、二十六年度においては増加額四百億円を予定しております。実績から見ましても、月々の増加額としては多少の変動を免れませんが、全体としてある月が全然マイナスに
なつ
たというふうなことはございません。二十四年度は四百億円以上の増加がございました。二十五年度におきましてはそれには多少劣りますけれども、三百数十億円に達する増加があるという見込みでございます。今後におきましても、多少停滞するような時期はございましても、全体としては増加するであろうということは、過去数十年の歴史から見ましても、まずその点においては心配なかろうと思います。実際今の
郵便貯金
の残高は、物価の騰貴率その他から見てみますると、国民の蓄積全体が減つたと同様に、実質的には非常に小さいものでございまして、今後増加し得る余地が多分にあると私は
考え
ております。
深澤義守
30
○深澤
委員
その見通しについては、これは
見解
の相違でありまして、議論してもしようがないと思いますから打切りますが、第七條の「
資金運用部資金
は、左に掲げるものに
運用
することができる。」、この
運用
の第七号でありますが、これは今
銀行局長
の
説明
によると、土地改良区等のものであるというような
説明
があ
つたの
でありますが、聞くところによると、この
資金運用部
の
法案
が通らないと、自分の方にその金がまわ
つて
来ないことになるということで、幾多の陳情が来ておるのであります。その中には、地下鉄等も大体十億
資金運用部資金
からの融資を予定しておるのが、まわらなくな
つて
来るから困るというような陳情があるのでありますが、地下鉄等に対する
資金運用部資金
の融資は、一体どういう根拠によ
つて
やられるのか。その点をひとつお
伺い
いたします。
舟山正吉
31
○
舟山政府委員
地下鉄すなわち現在帝都高速度交通営団でございますが、これはただいま民間の出資があつたかと思います。そうしますと今ただちにこの第七号には該当いたしません。すなわち
政府機関
あるいは
地方公共団体
以外のもの、すなわち私人でありますが、それの出資があ
つて
はいけないのであります。これが肩がわり等によりまして、私人の出資がなくなりますれば、この号の該当
法人
になるかと
考え
ます。
深澤義守
32
○深澤
委員
この第七号に該当するのは、現在の状況のもとにおいては、どういうものが該当するのか、具体的にひとつ御
説明
願いたいと思います。
舟山正吉
33
○
舟山政府委員
現在は、先ほど申し上げました土地改良区のほかに、水害予防組合が入ります。
深澤義守
34
○深澤
委員
それから第七條の第二項に、「
金融債
に
運用
する
資金運用部資金
の額は、
資金運用部資金
の
総額
の三分の一をこえてはならない。」こういう
規定
があるのであります。そういたしますと、結局この三分の一というものが
最高
ということになりますが、私はおそらくこの
資金運用部資金
の
最高
の三分の一が、この
金融債
方面
に流れる可能性が、現在の状況においてはあると思うのですが、
大蔵省
当局
としては、この
最高
額の三分の一を
金融債
に振り向けるという
計画
を持
つて
おられるのかどうか。その点をひとつお聞きしたい。
舟山正吉
35
○
舟山政府委員
資金運用部資金
の
運用
は、第七條にございますように、国及び
地方公共団体
に対する
貸付
が主体となるのでございます。かるがゆえに
金融債
に対しまする
運用
というようなものは、第二項の
制限
もあるような次第でございます。しかして現在のところ
国債
の
発行
は見ておりませんけれども、国の
特別会計
等に対する
貸付
はございます。それから
地方債
等につきましては、現在のところでは
市中消化
がほとんど不可能な状況にございますので、これは他のものに優先して、
資金運用部資金
で
引受
けて行かなければならぬ状況にございます。よくよく
資金
は余剰ができまして、これが自由
運用
を認められるということになりますれば、
金融債
の
引受
の額も
相当
ふえるかと
考え
ますけれども、現在のところでは、先ほども申しましたように、
資金運用部資金
の
運用
計画
におきまして、二十五年度は二百億、二十六年度は四百億以内ということに目標を立てておるのであります。
深澤義守
36
○深澤
委員
今討論採決の連絡がありましたので、まだ質問がありますが、一応打切ります。
—————————————
夏堀源三郎
37
○
夏堀委員長
農林漁業資金融通特別会計法案
を議題といたします。
小山長規
38
○小山
委員
ただいま議題になりました
農林漁業資金融通特別会計法案
については、すでに質疑も盡番されたと思われますので、本案についてはこの際質疑を打切られんことを望みます。
夏堀源三郎
39
○
夏堀委員長
小山君の動議に御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
夏堀源三郎
40
○
夏堀委員長
御異議ないようでありまするから、本案につきましては質疑を打切り、これより討論に入ります。討論は通告順によ
つて
これを許します。竹村奈良一君。
竹村奈良一
41
○竹村
委員
私は日本共産党を代表いたしまして、本案に反対するものであります。 その第一点を申し上げますならば、わが国の現在の食糧は全体において二割不足しておるということから、この二割は外国から援助をするのだというので、われわれは完全に日本の自主権というものを、この一点において非常にはばまれておるのであります。御承知のように、この食糧輸入にあたりまして、いろいろな形で高い金で外国食糧を買い、そしてこれが援助の形で、あるいは見返り
資金
として積み立てられたりして、いろいろな面影いて日本の完全自立というものがはばまれておるのであります。そこで問題は、この現状をいかにして打開するかということは、日本にと
つて
、日本
独立
への第一主要目標であらねばならないのでありまして、この食糧自給のために、一体
政府
は現在六十億を農林漁業その他に融資をするという
法案
でありますけれども、実際六十億ではたしてこういうものができるかどうか。こういうことがもう全然できないことは、火を見るよりも明らかなことであります。まず現在の農林大臣であるところの廣川氏は、一体どういうふうに言明しておるか。これはもちもん一名宣伝大臣の名にふさわしい宣伝ではありましようけれども、しかし実際におきましては、この日本の現在の不足分だけを確実に増産するためには、少くとも七千億を必要とするのだ、こういうふうに言明しておるのであります。ところがこの七千億を必要とするという
建前
から
考え
まして、わずかに六十億でこの日本の農業あるいは漁業その他の
資金
が融通できると
考え
、しかもそれを出される
政府
自体の真意がどこにあるかということを、私は疑わざるを得ないのであります。しかも大体この六十億の
内容
を見てみますならば、 一般会計から二十億、見返り
資金
から四十億ということにな
つて
おるのでありますけれども、先ほど申しましたように、この四十億の見返り
資金
というものは、日本の国民が外国から入つた食糧を買
つて
、それを積み立てた金でありまして、少くとも国民の税金である。これを再び農村に還元してこれを貸し付けて高い利子をとる、こういう間尺に合わやない、自分の金に自分が高い利子を払わねばならぬということは、どう
考え
てもわれわれは納得できない。しかも
政府
は平気でこういうことをや
つて
おる。一体これはどういうことかと申しますと、現在農村に起
つて
来たところの非常な金詰まり、しかも現在の農村政策の結果がもたらしましたところの窮乏に対して、農民は非常に現
政府
の農村政策に対するところの反抗を示し始めておる。これは本日参議院で麦の統制撤廃が否決されたのを見てもはつきり現われておるように、現在の農村政策に対しましては農民自身がこれに反抗を示しておる。これに対して、反抗を示されることを何とかしなければならぬ。だからまずすずめの涙ほどのわずかに六十億というようなものを、高い利子で貸し付けるのだと言
つて
、そうして一応ごまかそうとするところに本
法案
のねらいがあるのでありまして、結局におきましては、本
委員会
において答弁されたことくに、もしこれが回収不能に
なつ
た場合におきましては、
政府
は八〇%の責任を負うのだと言
つて
いること自体は、あるいは回収不能になるかもわからない
條件
をはらんでいるのであります。しかもそういう土地改良等によ
つて
回収が不能に
なつ
た場合、その土地は一体どうな
つて
行くのか。結局これが大きな資本家か、あるいは国家独占資本の手に握られて行くことは、火を見るよりも明らかであります。結果におきましては、結局農村のフアツシヨ支配を強化することであり、あるいはまたこのためぐるところのいろいろなボス勢力が、この
資金
獲得のために暗躍する
一つ
の素地をつくるものであるという
考え
から、われわれは本
法案
には反対するものであります。
夏堀源三郎
42
○
夏堀委員長
小山君。
小山長規
43
○小山
委員
私は自由党を代表して、ただいま議題にな
つて
おります
法律案
について賛成の意を表するものであります。 共産党の諸君は、農民が長年要望しておつたところの
長期
資金
を与えようというこの
法律案
について反対であります。しかしわれわれは、現在の金額がいかに少かろうとも、こういう
制度
を打立てたというところに非常な意義を見出すのであります。もしもこの
法律案
を否決いたしましたならば、共産党の諸君は六十億と言われるが、その六十億の金すら国民に流れて行かないのじやないかということを
考え
ていただきたいのであります。わえわれはこの
法律案
が予定しておりますところの
資金運用部資金
が、まだこの中に明らかに入
つて
行くということが確定されないというところに、若干不満を持つものでありますけれども、これは
資金運用部資金法案
が可決されましたあかつきにおいては、われわれは必ずこの
資金運用部
に集まりましたところの金も、この
特別会計
を通じて農村に流れて行くであろうと確信しておる。従
つて
私どもは、こういうふうに農民なり漁民なりあるいは山村業者が長年要望しておつたところの農業改良の費用、あるいは漁港修築の費用、あるいは林道、塩田開発の費用というような
長期
かつ低利の金が、国民に流れて行くということは非常な善政であると思う。その
資金
が少いということは、日本の現在の財政
状態
がしからしめておるのでありまして、日本の資本の蓄積が進むならば、さらにさらに多額の
資金
がこれに注入されて行くことは、この
法律
ができて初めてできるのであります。その
意味
において満腔の賛成の意を表するものであります。(拍手)
夏堀源三郎
44
○
夏堀委員長
討論は終局いたしました。 これより本案を議題として採決に入ります。本案を原案の
通り
可決するに賛成の諸君の起立を願います。 〔賛成者起立〕
夏堀源三郎
45
○
夏堀委員長
起立多数。よ
つて
右案は原案の
通り
可決いたしました。 なお報告書作成の件については、
委員長
に御一任を願います。
—————————————
夏堀源三郎
46
○
夏堀委員長
すでに質疑打切りになりました
公庫
の
予算
及び決算に関する
法律案
を議題として討論、採決に入りたいと存じますが、本案に関しましては自由党、国民民主党、社会党及び共産党各派共同挺案の修正案が
提出
されておりますので、まず
提出
者より提案の
趣旨
弁明を求めます。
提出
者小山
長規
君。
小山長規
47
○小山
委員
ただいま議題となりました
公庫
の
予算
及び決算に関する
法律案
に対する修正案につきましては、お手元に配布してありますので、これをごらん願いたいのでありまするが、修正の
趣旨
をごく簡単に申し上げますと、この
法律案
には、本来
法律案
の附則に国民金融
公庫
に関する
條項
と、住宅金融
公庫
に関する
條項
を加えるべきであ
つたの
でありますが、住宅金融
公庫
に関する
條項
は、住宅金融
公庫
法の一部一改正
法律案
として
提出
される予定でありましたところ、該
法律案
が三月中に成立の見込みがないということがわかりましたので、ただいま議題とな
つて
おる
法律案
の中にこれを織り込もうとするのであります。その
趣旨
はお手元に配付してありまするところの修正案によ
つて
ごらん願いたいのでありましてまつたく事務的な
條項
であります。ただ一言つけ加えておきますと、最初用意いたしました修正案と一箇所違
つて
いる点があります。それはお手元に配付しました修正案の最後に近いところであります。「借入金」とありまして、第二十七條の二という項があります。この一項、二項は最初の修正案
通り
でありますが、第三項に住宅金融
公庫
に
政府
が
貸付
をする場合に、
貸付
利子の減免をする
條項
があ
つたの
でありますけれども、そめ部分はこの住宅金融
公庫
が、国民金融
公庫
とは若干
性質
を異にしておりますので、それほどの優遇措置を講ずる必要はあるまいという結論に達しまして、その部分だけは修正から除いてあることをつけ加えておきます。
夏堀源三郎
48
○
夏堀委員長
修正案の
趣旨
弁明は終りました。 次に本案及び修正案を一括して討論に入ります。
小山長規
49
○小山
委員
本案については討論を省略して、ただちに採決に入られんことを望みます。
夏堀源三郎
50
○
夏堀委員長
ただいまの小山君の動議のごとく決定するに御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり)
夏堀源三郎
51
○
夏堀委員長
御異議ないようでありますから、本案については討論を省略して、これよりただちに採決に入ります。 まず小山長短君
提出
にかかる各派共同提案の修正案に賛成の諸君の起立を願います。 〔総員起立〕
夏堀源三郎
52
○
夏堀委員長
起立総員。よ
つて
本修正案は可決せられました。 次に本修正案の修正部分を除く原案に賛成の諸君の起立を願います。 〔総員起立〕
夏堀源三郎
53
○
夏堀委員長
起立総員。よ
つて
本案は小山
長規
君
提出
にかかる各派共同提案の修正案のごとく修正
議決
せられました。 これにて休憩いたします。 午後零時三十分休憩 ————◇————— 午後二時三十九分開議
西村直己
54
○西村(直)
委員長
代理 ただいまより再開いたします。 お諮りいたします。去る三月十二日、本
委員会
において討論採決の結果、修正
議決
せられました
国家公務員等
に対する
退職手当
の
臨時措置
に関する
法律
の一部を改正する
法律案
につきまして、なお手続上において未了の分がございましたので、本
会議
上程をとどめておりましたが、手続を完了いたしましたので、この際本案を再議に付したいと存じますが、この点御異議ありませんか。 〔「異議あり」「異議なし」と呼ぶ者あり〕
西村直己
55
○西村(直)
委員長
代理 御異議があるようでございますから、採決をいたします。 本案を再議に付することに賛成の諸君の御起立を願います。 〔賛成者起立〕
西村直己
56
○西村(直)
委員長
代理 起立多数。これによりまして本案を議題として討論、採決に入りたいと存じます。 自由党小山
長規
君より修正案が
提出
せられておりますが、本人がおられませんので、代理の方からまず修正案の
趣旨
弁明を求めたいと思います。
宮幡
委員
。
宮幡靖
57
○
宮幡
委員
ただいま再議に付せられました
国家公務員等
に対する
退職手当
の
臨時措置
に関する
法律
の一部を改正する
法律案
に対しまして、小山
長規
君
提出
にかかります自由党修正案について、かわ
つて
その
趣旨
を弁明いたします。 まず修正案を朗読すべきでありますが、お手元へ配付いたしてありますから、それをごらん願いまして、省略さしていただきます。 この修正案の
趣旨
はきわめて簡単でありまして、現行
国家公務員等
に対する
退職手当
の
臨時措置
に関する
法律
第
一條
第三項の
規定
によりますところの、恒久的な退職給与の
制度
がいまだ制定されておりませんやさき、本年度に引続きまして、昭和二十六年度におきましても、定員法の定むるところによりまして、おおむね行政
整理
に近い人員の
整理
があろうと思います。これを二十五年度と画然たる区別をいたしまして、待遇を落すということは、この際
公務員
の立場を
考え
まして、無理な行き方ではなかろうかと存じますので、昭和二十六年度も昭和二十五年度と同様に、やはり行政
整理
に準じた退職給与の支給ができるようにいたしたい。それが本修正案を
提出
いたしました理由でございます。 何とぞ皆さんの御賛成を賜わらんことを、お願いいたす次第でございます。
西村直己
58
○西村(直)
委員長
代理 修正案の
趣旨
弁明は終りました。 これより本案及び修正案を
一括議題
として討論に入ります。討論は通告順によ
つて
これを許します。
田中
織之進君。
田中織之進
59
○
田中
(織)
委員
私は日本社会党を代表いたしまして、修正案並びに本案に対しまして強い希望
條件
を付して、賛成の意思を表示するものであります。 ただいま採決によりまして本案が再議にな
つたの
でありますが、一旦
国会
の
委員会
におきまして、修正案並びに原案とも満場一致で
議決
されたものが再議に付されるということは、
国会
の自主権尊重の
建前
から見て、前例になることは非常によくないことだと
考え
るのであります。詳しい事情は
夏堀委員長
並びに本
委員会
の
理事
諸君の非常な御努力を知
つて
いる者といたしまして、詳細な理由については私は申し上げなくてもわかると思うのであります。そのうちで特に先般私が自由党、民主党、社会党を代表いたしまして提案いたしました修正案のうち、重要なる
公務員
の
退職手当
について、きわめて些少ではありますけれども、従来の廃止された、行政
整理
によ
つて
やめた公団あるいは閉鎖機関等の職員あるいは
国家公務員等
について、若干の
退職手当
の率を引上げるということが、いわゆる既定
予算
のわく内におきましても人件費のみでは無理でありまして、約一億四千万円足らずの新たな
予算
がいるわけでありますが、これは人件費だけではもちろん足りませんけれども、他の費目の流用あるいは
予算
の節約の過程において、十分捻出せられることが
大蔵当局
によ
つて
も確認せられながら、なおこの修正案が、われわれが本案を
審議
するまでの間において通らなかつたということは、非常に遺憾でございます。この点につきましては、その後の
大蔵大臣
の、もちろん非公式ではありますけれども、言明によりまして、
大蔵当局
においても率の修正の問題については、今後
国会
の修正案に現われた線に向
つて
、積極的な協力と努力を得られることのお約束を得ましたので、きわめてすみやかな機会にそれが実現するように、さらに
政府
当局
に一段の努力をしていただくということを、希望
條件
としてこれを述べまして、この三月三十一日で失效になりまする
法律
を、とりあえず一年延ばそうというこの
趣旨
、並びに修正案は、二十六年度において行政
整理
のため退職する者に、この
退職手当
の
規定
を適用するための修正案でございますので、われわれはもちろん行政機構の簡素化等のために出る
整理
人員はやむを得ないと思いますが、いわゆる首切りのための
整理
にはもちろん反対の立場でありますけれども、現実にやめて行く者のための
利益
を擁護する。ことに最近就職事情が悪く、また失業中における生活苦等の
関係
から見まして、率もわれわれとしては不満ではございますけれども、それらの人にこの
規定
の適用がなされるということは望ましいことであると思いますので、修正案並びに修正案を除く原案に対しまして、ただいま申し述べました希望
條件
を付して賛成するものであります。
西村直己
60
○西村(直)
委員長
代理 討論は終局いたしました。 これより本案並びに修正案の採決に入ります。 まず小山君
提出
にかかる修正案に賛成の諸君の御起立を願います。 〔賛成者起立〕
西村直己
61
○西村(直)
委員長
代理 起立多数。よ
つて
本修正案は可決せられました。 次に本修正案の修正部分を除いた原案に賛成の諸君の御起立を願います。 〔賛成者起立〕
西村直己
62
○西村(直)
委員長
代理 起立多数。よ
つて
本案は修正
議決
せられました。 なお報告書の作成及び
提出
手続等につきましては、
委員長
に御一任願いたいと思います。 それでは暫時休憩いたします。 午後二時五十分休憩 ————◇————— 午後五時五十六分開議
夏堀源三郎
63
○
夏堀委員長
休憩前に引続き
会議
を開きます。
日本開発銀行法案
を議題といたします。
田中
君。
田中織之進
64
○
田中
(織)
委員
開発銀行
法案
について若干お尋ねしたいと思います。 まず会期がまだ十分
残つて
おるわけでございますが、御承知のように近く案件の処理が終れば休会に入ろうというまぎわに、こういう重要な
法案
が
提出
されて、
審議
に十分の時間的な余裕を持ち得ないことは非常に遺憾でありますが、この点特に
大蔵省
関係
から毎
国会
多数の案件が出るのでございまして、
法案
提出
の準備等については、もう少しわれわれに時間的余裕を与えていただくように、
大蔵当局
の勉強を願いたいと思うのであります。そこで
法案
の
内容
についてお
伺い
する前に、この開発銀行
法案
が今
国会
に
提出
せられるということを、新聞紙等でわれわれ承知をしたのでありますが、
国会
に
提出
せられる前に、開発銀行の総裁がやれ小林中であるとか、あるいは工藤昭四郎であるとかいうことがいわれ、新聞紙の伝えるところによりますと、総裁は小林中氏に決定を見たーもちろん内定の
意味
であろうが————ということが伝えられるのでありますが、
法案
の成立しない以前に総裁の決定を行われたかどうか。ひとつ
大蔵大臣
からまずお答えを願いたいと思います。
池田勇人
65
○池田国務大臣
予算
委員会
におきましても、こういう話が出たのでありますが、えてして新機関ができます前には、だれがなるとかなんとかいうことが新聞に出やすいのであります。これは私はいけないことだと思うのでありますが、輸出銀行の場合におきましても、
法案
提出
以前からいろいろなことが新聞に出ておつた。今度もそういうことがありまして、私は嚴にそういうことがないようにいたしておるのであります。総理からこういう人はどうかという話が、内々あつたことは事実でございます。しかしこれをきめるのは、
内閣総理大臣
が
閣議
にかけておきめになることでございまして、まだしかと確定というところまでは行
つて
いないと私は了承いたしております。
田中織之進
66
○
田中
(織)
委員
大体そういう状況だろうということは推察してお
つたの
でありますが、私特に今総裁の有力候補に上
つて
おる小林中氏については、日発の総裁に擬せられて以来、現内閣のいろいろの人事の問題のときにいつも下馬評に上るので、世間からは現内閣と小林氏との関連、特殊
関係
を非常に問題にされておるのであります。私の最近聞いたとこいによりますと、もちろん富国生命の社長という金融
方面
に
関係
されておる人であり、その
意味
で生命
保険
を通じて、証券業の方にもタツチせられておることを聞くのでありますが、実は最近こういうことを聞いておるのであります。それは小林氏あるいは国策パルプの副社長でありますか、水野成夫君らで鳴門商事という証券会社ができておる。証券会社であるか商事会社であるかわかりませんが……。そこで山一証券とタイアツプして、東邦レーヨンの株式の操作に何か関連をされて、
相当
多額のいわゆる差益金をもうけておる。その金額は三千万円だと伝えられておるのであります。そういうことでこの東邦レーヨンの株式の買占めと、値段のつり上げによる売逃げに成功したことになるのだろうと思いますが、このことが証券取引
委員会
等でも問題にな
つて
、山一は処断され、鳴門商事はその問題があ
つたの
で解散することにきまつた。さらに証券取引
委員会
では、事務局長の湯地謹爾郎君がその責任を負
つて
最近やめたのだ、こういうようなことが伝えられておるのでありますが、証券取引
委員会
も
大蔵大臣
の所管下にあるのであります。これは別に刑法上の問題であるとか、どうとかいうことではないのですが、こういう形でもうけた金が、あるいは現内閣との何らかの橋渡しの問題にな
つて
、そこで最近何か現内閣できめる人事の問題のときに、ひんぴんと小林氏の名前が出るのだと、実はこういうまことしやかな報道が行われておるのであります。こういう人を総裁にするということ、ことにまだ
法案
が成立していないのに、新聞紙等が決定的な報道をせられるということは、私はその
意味
で
法案
の
審議
の上にも影響を持
つて
来ると思うのでありますが、大臣は、これはあるいは町の流説である、事実を調査してみないとわからないと言うかもしれませんけれども、こういう問題は
相当
————証券取引
委員会
の事務局長の湯地君が責任を負
つて
やめたのだということまで言われておるのでありますが、何かこのことについてお聞きにな
つて
おられるかどうか。
池田勇人
67
○池田国務大臣 東邦レーヨンの株の売買につきまして、よくないことがあつたことは確かであります。しこうして山一証券と鳴門商事との
関係
も知
つて
おります。しかし鳴門商事と小林中君とか水野何とかという人との
関係
は私も知りません。しこうして取引所法から申しまして、価格維持の度を越えまして行つた点につきましての不始末は認めまして、山一証券に対しまして適当を措置を講じたのであります。すなわち小池社長は
理事
を辞任する。そうして今後そういうことのないように、権利株の売買を当分やめる、こういうような措置を証券取引
委員長
がとつたという報告を受けております。私もその措置を適当な措置と是認いたしました。しかるところ証券
委員会
の事務局長の湯地君が、これに責任を負
つて
やめたということはこれは全然無根でございます。これは
大蔵省
の人事の異動につきまして————まだ発令はいたしておりませんが、前から
計画
しておつたところでございます。この鳴門商事との
関係
においてどうこうとかいうつむりでは全然ございません。この問題以前大体私の腹はできてお
つたの
であります。しこうして鳴門商事につきましては、解散を命じたようでございます。
田中織之進
68
○
田中
(織)
委員
はたしてそういう不始末に小林氏が
関係
しておるかどうかということは、まだ詳細に調査してみなければいけないことと私も
考え
るのでありますが、われわれの聞くところでは、
相当
密接な
関係
があつたやに聞いておるのでありまして、そういう点で
疑惑
を持たれておることは、小林氏の人格にも影響することでもありいたしまするので、りつばな人であるから最近ひんぴんとあらゆる
最高
級の人事の問題に、下馬評に上ることは当然のことであろうとわれわれも思うのでありますが、そういう問題と何か結びつけて
考え
られると、かえ
つて
政府
が
考え
られる人事の公正という面において、曇りを持
つて
参りますから、そういう点は総理大臣の任命するところでありましようけれども、主管の
大蔵大臣
とは当然御相談せられるところであろうと思いますので、小林氏が就任するしないの問題は別問題として、こういう点については、
大蔵大臣
として特に愼重にしていただきたいことを、私の希望として述べておきます。 次に
法案
についてお
伺い
をいたしたいのでございますが、まずこの日本開発銀行の構建つきましては、われわれ社会党といたしましては、いわゆる日本の経済自立を達成するという見地から見まして、こうした構想、特に
長期
の産業
資金
、設備
資金
の調達のこうしたものをつくるべきであるという
考え
方において、同一の方向にあるのでありまして、本案に対しても、われわれはそういう
意味
で
運用
その他の問題について、われわれの党の希望意見を申し述べまして、賛成をいたしたいと
考え
ておるわけであります。 そこでまずその資本金の問題は、さしあたりの問題といたしましては、対日援助
資金
から二十六年度において百億円、それはまあ金額がはつきり確定いたしておりますけれども、それと、いわゆる四十七條第一項または第三項の
規定
により、
政府
の一般会計から出資があつたものとされる金額との合計額、この後の部分は、いわゆる復興金融金庫を継承し、それからまた一般会計へ還付すべきものをこの方へ振り向けるという
意味
合いだろうと思うので、これは今ただちに金額を確定することは、事実問題としてむずかしいことは私も理解できるのであります。しかし一応こうした
金融機関
としての資本額というのは、少くとも出発にあた
つて
は確定したものでなければ、その
資金
の
運用
の
計画
を立てる上においても、不都合が生ずるのではないかと思うのでありますが、大体見返りの
資金
から出まする百億のほか、いわゆる復興金融金庫の引継ぎ
関係
から出て参りまする一般会計からの出資と見なされる部分は、本年度においてどの
程度
を予想しておるか。この点をまずお
伺い
したいと思います。
池田勇人
69
○池田国務大臣 初めの人事の問題につきましては、極力慎重にや
つて
おるのでございます。御了承願います。 それからこの資本金の問題につきまして、復興金融金庫の新規貸出しを停止して、今その回収に專念いたしておるのであります。しこうして今の
貸付
残高が八百六十億
程度
だつたと思います。これは期限がございますので、これが将来に向
つて
入
つて
来るのであります。従いまして普通の例ならば一般会計に入れて、一般会計からまた繰入おるという
方法
が普通のやり方だと思うのでありますが。そうしますと
予算
もふくれることになりますし、大体その回収の期限があるものですから、元金と利子は大体の見当がつくのであります。従いまして一般会計に繰入れてまた出資に充てるということよりも、大体の見当がついておりますから、こういう
規定
を置いて、四半期ごとにたまつたものをここに入れる、出資にしよう、こういうふうにいたしておるのであります。御承知の
通り
昭和二十五年度におきまして、復興金融金庫からは元利合計百八十億円を繰入れております。二十六年度には百二十億円の繰入れ予定に相な
つて
おるのであります。従いまして百二十億円を繰入れますと、二十五年度におきまして回収予定額以上のものがございますので、二十六年度においては百二十億円を一般会計に繰入れましても、なお大体三十億円余り入
つて
来るのではないか、こういう目途がついております。しこうして二十七年度からになりますと、今年度の回収の分を引きますと七百二、三十億になりますが、大体七、八十億円毎年入
つて
来るのではないか。これはだんだん減
つて
参りまするが、そういう予定でおるのであります。
田中織之進
70
○
田中
(織)
委員
そうしますと二十六年度における資本金の額というものは、その両者を合計すれば出て来ることにな
つて
、ややはつきりして来るのでありますが、第四條の第三項にありまする「必要があるときは、
大蔵大臣
の認可を受けて、その資本金を増加することができる。」という
條項
は、今後の問題でありますけれども、本年度においては復金
関係
から
政府
出資として合算されて来るもののほかに、いわゆる出資の資本金の増加で二十六年度中に何される
計画
が、現在から立てられておるかどうか。これは全体としての二十六年度における事業
計画
といいますか、
資金
の
運用
計画
というものの構想が示されると、その点もはつきりして来るのではないかと思うのであります。大体従来この種の
金融機関
の資本金の増加の問題につきましては、毎期
法律
できめることに相な
つて
おると思うのであります。この第三項によりますと、この点が
大蔵大臣
の認可にゆだねられるということになるので、われわれ関心を持
つて
おるのでありますが、その点はいかがでしようか。
池田勇人
71
○池田国務大臣 ただいまのところは百億円の出資で、しこうしてまた復金の回収金の予定以上のものを充てておりまするが、今後の
長期
資金
の需要の状況によりまして、見返り
資金
の方から出した方がいい場合が想定され得るのであります。出すか出さぬかは別問題でありますが、そういうような道を開いておいた方がいいのではないかと
考え
まして、こういう
規定
を置いたのであります。
田中織之進
72
○
田中
(織)
委員
あと二点ばかり
伺い
たいと思いますが、そういたしますと、特にこれが見返り
資金
からさしあたり百億が出る、こういうことになると勢いこれは日本の自立経済に
関係
のある面でありますけれども、最近特に問題になりますのは、月米経済協力の問題が出て来ておるのであります。ともすればこういう見返り
資金
の
関係
で、ある
意味
において向うのひものついておる
資金
からやられるという
関係
から見ますと、日本の本来の立場から見ると、自立経済のための
長期
資金
の調達ということではなくして、いわゆる日米経済協力の
関係
の面に、多くこの金がつぎ込まれるようなことになりはせぬかという危惧の念が持たれるのは、当然だと思うのであります。それは日米経済協力のあり方の問題については、
政府
の
考え
ておるのとわれわれの
考え
ておるものとの間には
相当
の懸隔があるわけで、それ自体をここでお尋ねしようとするわけではございませんけれども、少くともそういう点について見返り
資金
との関連において、この開発銀行の
資金
の
運用
の方向が、いわゆる日米経済協力
関係
の面に、重点的に向けられるような懸念があるのではないかということを一応
考え
るのでありますが、その点はいかがでありましようか。
池田勇人
73
○池田国務大臣 今の
田中
委員
の御質問は
予算
委員会
においても受けまして、私は意外に感じておるのであります。もともと開発銀行の構想は、昨年の十月ごろから私は持
つて
お
つたの
であります。それはなぜかと申しますと、わが国の金融
制度
がいたずらに商業金融を主眼といたしまして、
長期
金融を専門にや
つて
いるというものはほとんどない
状態
で、どうしても産業開発は
長期
資金
がいるということから出発いたしまして、そうしてこの発表は一月十日ごろいたしたのであります。何も日米経済協力の
関係
からこれが起
つたの
では全然ございません。しかもまた日米経済協力の具体的問題については、私は何も承知しておりません。従いまして私の気持では、そういうこととは
関係
なしに開発銀行を出発いたしたのであります。きよう、きのうの他の
委員会
でそういうことを聞きまして、実は驚いておるような
状態
でございまして、日米経済協力のためのものでは全然ございません。しからば今後において開発銀行がこれだけの資本金をも
つて
、新しい事態の日米経済協力態勢に寄与するかという問題につきましては、私はこれだけの金ではそんな大それたことはできない。それよりも日本の産業開発にはまだまだこれでも足らぬ。こういうような気持を持
つて
おるのであります。
田中織之進
74
○
田中
(織)
委員
大蔵大臣
の
説明
は一応理解できるのでございますけれども、たとえば先般本院を通過いたしました緊要物資輸入のための
特別会計
法案
等にも現われておる
関係
から見まして、どうもそういうことを申し上げることは、少し言い過ぎになるかもしれませんけれども、やはりわれわれは経済政策、特に
財政金融
政策におけるいわゆる日本の自主性という点を非常に熱望することは、われわれ日本国民として当然なことであります。まだ講和
会議
も開かれていないのでありますから、それがいろいろな形において制約されておることも、われわれ認めるにやぶさかではないのでありますけれども、講和
会議
が近づいて参れば参るだけ、実質的にやはり自主権というものが回復されなければならないにもかかわらず、われわれいろいろ
国会
に現われて参ります面だけを見ても、なかなかそういう自主権の回復という方向が、われわれの期待するようには行
つて
おらないのが現実だと思うのであります。そういう
意味
で日本の自立経済のほんとうのあり方から見て、必要ないわゆる日米間の経済協力態勢というものの設立されることが必要であるととは、わが党もこれを認めておるのであります。もちろんこの
程度
の
資金
では、はたしてそういう大がかりなものができるかどうかという大臣の御答弁で、ある
意味
から見てわくがはめられておるような形になりますけれども、私が御質問申し上げるのは、やはりこうした
資金
によ
つて
まかなわれるところのいわゆる
長期
資金
の方向というものは、ほんとうの
意味
における日本の自立経済達成のために必要な、本来の立場から
考え
た方向に向けるように、この
資金
を運営されたいという熱願から申し上げておりますから、この点は十分今後御留意願いたいと思うのであります。 なおもう一点お
伺い
をしておきたいのでありますが、これは先般復興金融金庫に関する事務的の改正
法案
のときにも、
大蔵当局
にお
伺い
したのでありますが、大体この開発銀行が発足いたしましてから、現在の復興金融金庫を解散いたしまして、この開発銀行に引継ぐ時期の問題は、この
法案
が出て参りまして、しかもできればこの
法案
を今月中に成立を期するということになりますと、発足の日時もおのずから目途がついて参ると思うのであります。この開発銀行が発足をいたしましたならば、復興金融金庫は大体いつごろ開発銀行に債権、債務を承継するお見込みであるかという点が一点、もう一点はこれまた先般お
伺い
したのでありますが、大体大臣がただいまお述べになりましたように、八百六十億ばかりの復金の
貸付金
の未償還分があるわけであります。中には貸出しを受けたけれども、すでに会社はなく
なつ
たというようなものも若干あるやに聞いておるのでありますが、なおそういう
資金
の
貸付
を受けておるようなところが、今後やはり開発銀行からの
貸付
の対象になると思うのであります。そういう点でこの復金の
貸付金
の回収の問題と、それから開発銀行から新たなる
資金
の融通の問題との
調整
をどういうようにされる心組みであるか。この二点についてお
伺い
をしたいと思います。
池田勇人
75
○池田国務大臣 ただいま最初にお話になりました日本の経済自立、自主性、この問題から
考え
まして、私は非常な躍進だと思うのであります。御承知の
通り
見返り
資金
からは電力、それから造船に出ております。しこうして私企業としまして鉄鉱、石炭あるいは水産物の高度利用に出ておるのでありますが、こういう場合におきましては、個々の会社について個々の事例を
関係
方面
に申請して金が出て行く、こういうかつこうにな
つて
お
つたの
であります。今度は総括的に百億円ぽんと出しまして、どこの会社に貸す貸さぬは、開発銀行の総裁が
関係
方面
との交渉なしに、独自の
考え
でできることに相なりますので、時間的にも手続的にも、また日本の経済を自主的に動かす
意味
におきましても、よほど進歩したと
考え
ておるのであります。しこうして御質問の点のいつこの復金の開発銀行が一緒になるかという問題につきましては、私は情勢を見て適当な時期ということにいたしております。すなわち昭和二十六年度中に適当な時期にやりたい。ではいつごろになるかと申しましても、開発銀行が今月末までに
両院
を通過いたしましても、一箇月くらいはかかろう。それからスタートいたしまして、復金の
貸付
の状況、回収の状況等を復金の投資者と開発銀行の投資者とがよく検討の上、適当な時期にやるのが一番いいのじやないか。初めはできましたら、すぐ引継ぐというふうなことも
考え
ないことはなか
つたの
でありますが、それはいかにも実態に沿わぬというふうな気がいたしますので、昭和二十六年度中の適当なときに債権債務を引継ぎたいと思
つて
おるのであります。 次に復金の
貸付
回収金と新規の開発銀行の
貸付
が、同一会社に行われることがあるかという問題でございます。これは
一つ
のみそでございまして、今まで貸している会社に、新たに今まで貸したものでできた設備を補強するとか拡張するとかいう場合に、新たに貸し付けるということは、債権確保の上からい
つて
も非常にいい場合があるのであります。また
市中
銀行の貸しているのに肩がわりをするのも、
一つ
の業務の範囲でございますが、復金が貸しておるところに新たに貸出しをするということも、あり得ることであると
考え
ておるのであります。とにかく債権の確保と同町に、産業の開発ということを主眼として行きたいと思います。
田中織之進
76
○
田中
(織)
委員
特に最後の復金の
貸付金
の回収と新規の貸出しとの
関係
の問題でございますが、私の希望する点は、同一のところで現在復金から借りてまだ未償還の分があるというようなところが、新規の
資金
の需要を受けるということになる。いわば復金債務を開発銀行が肩がわりするというような実質的な結果になると、それだけ積極的にこの
資金
でわれわれが生産増強を期待する面が、非常にぼけて来ると思いますので、そういう点から十分
貸付
対象については——もちろん復金の
貸付
が
残つて
おるようなところに、あらためて
資金
を注入しなければならぬところも出て参ることは了解できるのでありますが、これまた私どもとしましては、大体この
法案
に賛成の立場に立
つて
おるわけでございますから、希望を述べて終ります。
夏堀源三郎
77
○
夏堀委員長
松尾君。
松尾トシ子
78
○松尾
委員
日本開発銀行法案
が二、三日前に出ましたので、私はこれをよく検討して質問の材料をまだつく
つて
ないのですけれども、一応お聞きしてみたいと思います。 大臣が今
田中
委員
にお答えした
内容
を聞いておりますと、私がお尋ねしたいところをちよつと御返答があつたかのように思うのですが、なお一層深くお尋ねしてみたいと思うのであります。 大臣は
長期
貸出しをすることができない現状にあるので、こういうものをお出しになるとおつしやることはよくわかるのです。また同時に今の金融界を見てみますと、貸出しは形の上では短期で貸し出しても、書きかえに書きかえで事実上は
長期
にな
つて
しまつた。また預金の方はどうかというと、
長期
預金というものはあまりないので、こういう結果にたつたと思うのですけれども、この開発銀行をつくらなければならぬように
なつ
た事実と、もう少し
産業界
、金融界の面でお話を願いたいと思うのであります。
池田勇人
79
○池田国務大臣
法案
に書いてありますように、
長期
の設備
資金
とい
つて
おるのであります。御承知の
通り
原則といたしまして、今の日本の
市中
銀行は短期
資金
を扱うということに
建前
がな
つて
おるのであります。もちろん
長期
の
定期預金
があります場合におきましては、実際問題としてある
程度
長期
の設備
資金
を出しておる場合もあります。たとえばこのごろのように造船
資金
につきまして、
市中
銀行が出しておるのは
長期
の設備
資金
と言い得ると思うのであります。また一般の産業におきましても、
長期
の設備
資金
を
市中
銀行が出しておることは、これにもう否定できないことであります。しかしそうすることがいいか悪いかという問題はある。銀行の
制度
の上から申しまして、いわゆる兼営銀行と申しますか、
長期
、短期の両方をやる。そうして分業主義の銀行
制度
とこうありますが、日本はもともと分業主義の
建前
でありましたが、兼営の
状態
だ。しかし戦争後におきましては、分業主義の特殊銀行も普通銀行にな
つて
しまつた
関係
上、
制度
的に
長期
の設備
資金
を供給するということは実はないのであります。事実上は興銀を生体といたしまして、勧銀もある
程度
や
つて
おるのでありますが、
制度
上はない。これではいけない。特にこういう
長期
の設備
資金
を供給する銀行を置く必要があるというので、こしらえることにいたしたのであります。先般の
国会
におきまして、輸出のための
長期
資金
のために輸出銀行をこしらえた。今回は日本産業開発のためのこういう
制度
を設けることが、適切なやり方であるといろので、見返り
資金
から私企業に出しておりました
長期
資金
を、この銀行をも
つて
扱わすという
建前
にな
つて
、こしらえようとしておるのであります。
松尾トシ子
80
○松尾
委員
大体わかりましたけれども、そういたしますとそういう
内容
でいろいろなことをとりはからい、
長期
資金
をも
つて
産業の運転に充てるということになるのですけども、これをやりながら、また先ほど大臣がお触れに
なつ
たように、銀行の分業ということもお
考え
になる御意思があるか。たとえば正金を為替銀行にしたり、興銀をいわゆる不動産担保で借りられるような、元のようなふうになさるお気持はあるのでしようか。
池田勇人
81
○池田国務大臣 元の正金銀行のようなものを置くか置かないかということは、一般の為替銀行がどれだけの力を持つかということによ
つて
きまると思います。ただいまのような
状態
では、
相当
強力か為替銀行が必要ではないかと思います。御承知の
通り
今東京銀行は為替業務を主として取扱
つて
おりますが、これだけでいいかということになると疑問があるのであります。外国銀行の支店がどの
程度
取扱うか、日本の為替銀行がどの
程度
やるかという問題で、将来きめなければならぬと思うのであります。しこうして一般の金融銀行の分業主義、いわゆる商業金融、短期金融専門で行くと申しましても、これはなかなか一朝一夕にかえられるものじやございません。先ほど申し上げましたように、一般の銀行でも二年、三年の
長期
金融をや
つて
いるのが現状でございますが、私は徐々にこの
長期
資金
の供給につきましては、自己資本の増加とかあるいは社債の
発行
とかいうことをやりながら、またできれば開発銀行の業務にありますように、肩がわりということをや
つて
、徐々に日本の経済に沿うような形に持
つて
行きたいという気持を持
つて
おります。
松尾トシ子
82
○松尾
委員
これをずつと見て行きますと、銀行も非常に喜ぶし、またある面では産業家も非常に喜ぶような気がするのですけれども、ずつとながめてみますと、この新銀行はかなり困難なものに対する云々と書いてあるところを見ますと、不良貸しに近いものもあるだろうし、また焦げつきの肩がわりをするというふうなものも出て来ると思うので、大臣はきつとお怒りになるかもしれませんけれども、復金の二の舞を踏まないように、これを短い
期間
にトライアルにおやりになるような御意見はないですか。また私はその方がよいとも思うのですけれども……。
池田勇人
83
○池田国務大臣 私は一時的の問題としては
考え
ておりません。これは他の
金融機関
が貸し付けたくない、こういうふうな場合においてこれが乗り出す、こういうのですが、それだからとい
つて
不良貸しをやるというのじやございません。回収確実なものしか貸さないのでございます。ただ見方が、日本経済再建のために必要だと思うときには大膳にや
つて
行く、こういう気持であります。しかし大膳にや
つて
行くからとい
つて
、損の行くようなものにどんどん出すわけのものじやない。普通の銀行では恐ろしが
つて
できないというふうなものを検討の上、回収確実なものについてやる、こういうことでございます。しこうして日本のような資本蓄積のまだ少いところにおきましては、やはりこういう
長期
資金
を供給する特殊の銀行が必要であるということは、いわゆる後進国のドイツの例を見ましてもこれはあることでございまして、資本を吹つ飛ばしてしまつた日本といたしましては、私は
相当
長きにわた
つて
長期
資金
の供給をする専門銀行があ
つて
しかるべしと、
考え
ておるのであります。
松尾トシ子
84
○松尾
委員
そういたしますと、
国会
におきまして、
政府
はこの事業をやることになりましてから、各四半期にわれ
つて
その
内容
の報告をしていただきまして、その都度だんだんにこれを修正して行くというようなことがいいと思うのです。いわゆる強力な監督というふうにした方がいいのではないかという気持がするのですけれども……。
池田勇人
85
○池田国務大臣 私はその点には賛成できません。
制度
として、日本開発銀行が貸し出しておる分につきまして
国会
が監督するということは、いかなるものかと思います。私は適当なるりつぱな人物が責任をも
つて
、この
国会
できめられた
法案
の
趣旨
に従
つて
運営して行くのが、一番いいことと
考え
ております。
松尾トシ子
86
○松尾
委員
またあしたやりますから……。
深澤義守
87
○深澤
委員
ただいま大臣が、日本開発銀行の構想は今に始まつたことじやないと言われた。それはわれわれも、昨年の十月ごろから大臣がこういう構想を発表されたことはよく承知しております。ところが、この早くから構想されたことが、
予算
にも間に合わなかつた。そうして最近においてようやくこのオーケーがとれて、
国会
に出して来たといういきさつを見ますると、もちろんこれを構想された当時においては、いわゆる日米経済協力という
関係
はなかつたかと思うのでありますが、最近にこれが
国会
に出されて来たという
意味
において、やはり日米経済協力の一環として、こういうことの了解がついて出されて来たのだというぐあいに、印象を受けておるわけであります。この点をもう一度大臣からお
伺い
をしたいと思います。
池田勇人
88
○池田国務大臣 先ほど申し上げました
通り
に、日米経済協力
関係
のためにできたのではございません。深沢君がいかに想像をめぐらされようとも、私の答えははつきりいたしております。
深澤義守
89
○深澤
委員
それでお
伺い
したいのでありますが、大体この開発銀行は、抽象的には日本経済再建に必要なるものというぐあいに解釈されているのでありますが、どういう業種に重点的にこの開発銀行を利用せられようとしておるのか。その構想をひとつお
伺い
いたしたい。
池田勇人
90
○池田国務大臣 それは総理大臣の任命される総裁にお聞きくださればよろしいと思います。これは総裁がこの
法律
に基きまして、日本の産業開発に必要なる
方面
に重点的に出して行くのであります。
深澤義守
91
○深澤
委員
この
法律
が出て総裁がきま
つて
から、その総裁がか
つて
にやるのだという、こういうぐあいに解釈できるのでありますが、どうもそれはわれわれは理解しにくいのであります。一応こういう開発銀行の構想を持たれて、そうして
国会
に出す場合においては、やはり
大蔵当局
として日本再建のための構想を持たれて、そうしてこの開発銀行を重点的に、どういうところに使
つて
行くかという
方針
が決定せられて、初めて私はこういう
法案
が出て来るのが順序であると
考え
る。それをこの
法案
が成立後において、決定された総裁に聞いてくれというこの態度は、いかにも私は無責任きわまる態度であると思うのでありますが、この点はもう一ぺんお聞きしたいと思う。
池田勇人
92
○池田国務大臣 これは
予算
委員会
でも共産党の人から聞かれたのでありますが、それじや今鉄鋼に何ぼ出す、石炭に何ぼ出す、あるいは繊維
関係
をどうやる、化学肥料をどうやる、ということは、私は
大蔵大臣
としてお答えできません。その時の経済状況、金融状況によりましてこれはきめるべき問題であるのであります。私が今どこそこの鉄綱会社にどのくらい出すつもりであるというのは、これはナンセンスでございます。
市中
銀行も
相当
日本産業開発のために出すのであります。しこうして
市中
銀行がどんどん出すというものには、開発銀行は何も競争的にはできないのであります。初めは鉄網幾ら、石炭幾らとい
つて
や
つて
おりましても、
市中
銀行が石炭の方にどんどん出すということになると、それが今度は繊維
関係
、化学薬品
関係
に出るかもしれません。そういうことはそのときの事情によ
つて
やればいいので、私はそれを開発銀行の総裁が責任を持
つて
、日本産業開発に適当な時期にお出しになるのが一番いいのだと
考え
ておるのであります。
深澤義守
93
○深澤
委員
私はどういう会社に何ぼ出せ、どういう会社に何ぼ出せと、そういう具体的なことを要求しているのではないのであります。大体日本の現状として、日本経済再建のために産業の開発をやるのだ。しからばどこからこの産業開発をや
つて
行くのか。その場合にはどういう業種が重点的であるかというこの
方針
は、やはり決定されておると私は思うのです。どこの会社、どの業種へ幾ら幾らということでなくして、大体において日本再建のための重点はどこにあるか。この見通しについて、おそらく
大蔵当局
としては構想を持
つて
おられると思う。その点を私は聞いておるのです。
池田勇人
94
○池田国務大臣 それはもう常識ではございますまいか。たとえば水力に最も力を入れておりまして、しこうしてその次には造船に力を入れてお
つたの
であります。しこうしてこの二つのものは、開発銀行ができましても、やはり見返りから出るようにな
つて
おるのであります。しこうして見返り
資金
から造船の方は百十五億円出ているから、全然これから出せないかと、こういうことにな
つて
行きますと、鉄鋼、石炭の方の分はあまりいらぬが、どうしても船が足りないから、この際買船の方に金が早急にいるというときには、開発銀行から出せぬこともございますまい。それからたとえば将来綿花の問題が
相当
高くな
つて
輸入困難だ、かような場合におきまして、それじやいわゆるビニロンなんかを、これから日本で石灰石なんかをと
つて
ビニロンの繊維品をやつたらどうかというような、大きい切実な問題が起
つて
来ないとも限りません。鉄綱に幾ら、石炭に幾ら、化学薬品に幾ら、肥料に幾らということをきめても、これはあまり
意味
のないことじやないか。そのときどきの世界情勢によ
つて
かわ
つて
来るのでありまするから、これが一番いいのだというときにやるべきであると
考え
るのであります。従いまして、ものには重点産業というものがあるとわれわれは
考え
ておる。水力、造船、鉄鋼、石炭、こういうふうなものがあることは、これはみんなわか
つて
おることでありますから、そういうところに行くことは大体想像できますが、
大蔵大臣
として鉄鋼にこれだけだ、石炭にこれだけだということは言えないと思います。
深澤義守
95
○深澤
委員
私は額を明確にしろというのではありません。大体今の御答弁で、重点産業をを中心としてやるのだということが明確になりました。 次にお
伺い
したいことは、この業務の範囲の問題でありますが、この
法案
を見ますると、やはりわれわれは多少の危惧を持たざるを得ないのであります。それは十
八條
の第一号に「設備の取得、改良又は補修に必要な
資金
で銀行その他の
金融機関
から供給を受けることが困難なものを貸し付けること。」こういうような
規定
があるわけであります。これは一面の解釈によりますと普通の
市中
銀行が貸し出さない、そういうところへ貸し出して行くのだ。そういうところは、たとえば非常に厖大な
資金
を要するというようなものも
一つ
ありましよう。あるいは非常に危険負担をしなければならないというようなものも、想像せられるのであります。この場合における普通の
市中
銀行、
金融機関
から供給を受けることが困難なものを貸し付ける、こういうことについての具体的な解釈は、どういうぐあいに
考え
られておるか。この点をひとつお
伺い
したい。
池田勇人
96
○池田国務大臣 この困難というのは、
資金
の分量的に困難な場合もありましよう。それから事業の見通としてなかなか踏み切れぬところもありましよう。いろいろな事情があると思うのでありますが、この
規定
の主たるところは、一般
市中
銀行でまかなえるところはまかな
つて
もらう。しかしまかなえないからとい
つて
、産業開発がそれだけ遅れてはいけない。こういう場合にこれが乗り出すのだという気持を書いあるのであります。
深澤義守
97
○深澤
委員
それから第二号にはやはり同じように、「証券業者等が応募又は
引受
をすることが困難なものに応募すること。」とありまして、こういう場合に社債の応募をやるとか、あるいはまた返済
資金
としては、普通の証券業者が応募または
引受
をすることが困難なものに応募するということになると、どうも
相当
の危険負担をやる覚悟で開発銀行がやるのだ。そうなるとまた第二の復金の性格を持
つて
来る危険性が、多分にあるという危惧が、当然わいて来るのであります。この第二号、第三号の場合における解釈は、どういうぐあいに
考え
ておられるか
伺い
たい。
池田勇人
98
○池田国務大臣 この
貸付
と社債の
引受
というものは、経済的には大体同じで、それで書いてあるのであります。あなたはいかにも復金が非常に滞りがちであ
つて
、回収ができないものが多いように御想像なさいますが、決して復興金融金庫は、他の
金融機関
に比べて貸倒れがめちやくちやに多いということは、われわれは
考え
ておりません。復金に対する非難の点は、他の
委員会
においても申し上げたように、第一の点は、日本銀行の信用造出によ
つて
やつたということが
財政金融
上の問題である。次は貸出しにおきまして、これが政治的に行われたのではないかという疑問が起
つたの
が第二であるのでありますが、このために回収不能が非常に多かつたとも私は
考え
ていない。今調査いたしましても、そう回収不能な金額は——これは
程度
問題でありますが、特別に多いというふうなことには思
つて
おりません。
深澤義守
99
○深澤
委員
そこで私は復金の問題についてお
伺い
したいのでありますが、たしか第七
国会
においては約一千億くらいの復金の未済金がある。その
整理
については三段階にわけて
整理
する。
一つ
は近き将来において回収可能なものである。
一つ
は回収
相当
困難なものである。
一つ
は回収の見込みが非常に立たないものである。この三段階にわけて
整理
するのだという構想を、
大蔵当局
が発表されたことがあるのであります。ところが今の言葉によりますと、
大蔵大臣
は非常に安易にこれを
考え
られておるようでありますが、当時と現在とは違
つて
、そういう復金の回収の問題については、非常に安易な
條件
が出て来ておるのか。私はあの当時の印象から言いますと、
相当
これは焦げつき等が出ているという印象を受けておるのでありますが、第七
国会
当時における
整理
方針
と、現在の事情とはどういうぐあいに違
つて
おりますか。その点ひとつ……。
池田勇人
100
○池田国務大臣 そのときに回収容易なるもの、
相当
困難なるもの、それから回収不能なるもの、この三段階にわけて
説明
したように私も記憶いたしておりますが、あの当時回収困難なものという金額を明示いたしましたか。
深澤義守
101
○深澤
委員
たしか聞いたと思います。
池田勇人
102
○池田国務大臣 私はあの当時明示したかどうか知りませんが、回収不能と思われるものがこんなに少いのか、こういうことを感じたことを感じたことがあるのであります。今私の記憶にもまだその金額は
残つて
おりますが、会社も三つか四つの会社だつたと思います。しかし発表していないそうですから申し上げません。その後の回収状況をごらんになりましても、今年度におきましては百八十億円を越える回収がある。これは元本と金利の回収でありますが、予定の百八十億円を越えて回収にな
つて
おる。来年度におきましても、
予算
で御
審議
なすつたように、百三十億円を一般会計に入れるようにな
つて
おるのであります。私は決して非常にたくさんの不良貸しがあるとは思
つて
おりません。順調に回収されつつあると思
つて
おるのであります。
深澤義守
103
○深澤
委員
昨日の
政府委員
の答弁によりますると、実は八百八十六億の未済金がある。もちろんこの中で期限の来ているものが幾らかという問題については、具体的にまだ資料がなくて聞いていないのでありますが、とにかく八百八十六億——これは必ずしも不良
貸付
でも何でもないが、その金額のものがあるのであります。そこで私は昨日
政府委員
に対して、この復金の
整理
の問題は、これは天下の耳目を引いたところの問題であるから、いやしくも復金の
整理
の問題については、
国会
議員の前にある
程度
明らかにする必要がある。従
つて
現在の回収困難なような
状態
にあるものの、具体的な資料の御
提出
を願いたいということでお願いしたのでありますが、回収処置を進めて行くために非常に悪影響があるから、これは発表できないということで、その資料の
提出
を拒否されたのであります。そこで私はなお追究したところがこれは大臣に相談してからでなければ、返事ができないということにな
つたの
でありまするが、その後業種別によるところの現在の未済金の資料だけはいただいたのであります。ところが昨日のそういう答弁の中からわれわれが印象を受けたものは、非常に回収困難な焦げつきがある。それをどうも発表できないというような事情にあるというふうに、われわれは印象を受けたのであります。その点について、大臣は非常に安易に
考え
られておるのでありまするから、そういう具体的な回収困難な状況にあるものの資料を、明確にされることができますかどうか。その点をお尋ねしたい。
池田勇人
104
○池田国務大臣 これは一応は回収困難だと見るものもございまするが、経済界の状況によりまして、一旦回収困難だと思われるものが、また回収できるようになるものであります。ことにこういうことは、個々の会社の信用にかかる問題でありますから、発表することは私はいかがと思います。非常に疑念をも
つて
考え
られておるようでありまするが、大体銀行なんかにおきましての貸倒れ準備金は、二、三パーセントぐらいを目標にいたしております。私は復金におきましてもその
程度
を越えることはないということを、看取いたしておるのであります。
深澤義守
105
○深澤
委員
そこでこの開発銀行の
貸付
の場合における
利率
でありまするが、この法文におきましては、その
利率
が明確にな
つて
おらないのであります。もちろんこれは現在からこれを明確にすることは非常に困難だろうと思いまするが、大体どの
程度
の
利率
でこれはお貸しになる御
方針
であるか承りたい。
池田勇人
106
○池田国務大臣
予算
の方には収入を五億三千万円と計上しておりましたが、これは
貸付
利率
と所有
有価証券
の利子代であります。しかして大体五億何千万円の収入は、今まで復金の
貸付
が平均九分九厘でありますので、一応九分九厘として推算いたしました。しかしてそういう所有証券の分は大体食糧証券を持つつもりでおりますので、その利子で一応計算いたしておるのであります。しかしこの
貸付
利率
というものは、開発銀行の業務規程によ
つて
きめることに相な
つて
おりますが、やはり業態別に適当な
利率
がきめ得られると思うのであります。今幾ら幾らで貸すということはきま
つて
おりません。
深澤義守
107
○深澤
委員
現在日本の講和前の状況としては、こういうことが
考え
られるのであります。講和後においてのこの開発銀行のあり方の問題でありますが、これはアメリカの経済援助というものがなくなります。そのかわりに、これは新聞等に伝えられておりますが、二十億ドルの借款ということが問題にな
つて
いるのであります。その場合において、その
引受
等をこの銀行がやるというような構想を、今から持
つて
おられるのじやないかというようなことも聞いておるのですが、その点はどうですか。
池田勇人
108
○池田国務大臣 借款ができるかできないかわかりませんから、お答えができません。
深澤義守
109
○深澤
委員
それから外資が入
つて
来た場合における
引受
場所として、この銀行が
考え
られているということも言われておるのですが、その点はどうですか。
池田勇人
110
○池田国務大臣 その場合にな
つて
考え
ればいいことでございます。
深澤義守
111
○深澤
委員
それからこれはその他の問題にも通ずる問題でありますが、たとえば
預金部資金
を
資金運用部資金
特別会計
にされたということは、私には
一つ
の国家
資金
の総合統一であるというぐあいに
考え
られるのであります。もう
一つ
は、開発銀行が日本の唯一の
長期
資金
の銀行として、いわゆる国家
資金
の基礎の上にこれは
運用
されて行くのでありますが、こういう構想は、最近における日本の金融財政の国家的支配を強化するというか、統制強化の方向であるというぐあいに理解できるのでありますが、この
方針
は一体どういうぐあいに池田
大蔵大臣
としては理解されておりますか。その点をお
伺い
したい。
池田勇人
112
○池田国務大臣 今の金融機構の状況におきまして、
長期
資金
の調達が困難でございますので、こういう特殊の
金融機関
を設けることにをたしたのであります。民間の方で
長期
資金
をどしどし供給し得るような機関があれば、何もこういうものは必要じやないのです。御承知の
通り
今
長期
金融専門でや
つて
おると言い得るものは、日本
興業銀行
ぐらいなものでございましよう。その他の専門銀行というものはないのであります。しかるところ産業開発のために
長期
資金
が必要だというのでこれはや
つたの
でありまして、民間の方でこういうものができればそれに越したことはございませんが、今の情勢ではなかなかできにくいから、こういう
考え
にな
つたの
であります。
深澤義守
113
○深澤
委員
現在の
市中
金融のおもむくところは、結局特需の
関係
等による好景気の場面にこれが流れて行くのであります。ところが日本開発銀行という国家
資金
の上に立つたところの
長期
資金
の運営が、またやはり重点産業を中心として流れることになりますと、結局
資金
に恵まれない農林漁村
方面
は、この恩恵に浴することが私は非常に困難であると思うのであります。もちろん農林漁業金融に対して約六十億の
特別会計
を
設置
されて、この面へ流すということが今度の
国会
ではできたのであります。しかし現在日本の食糧問題の解決、あるいは漁業、あるいは漁業林業
関係
に対しましては、多額の
資金
が必要とせられるのであります。ところがこの農林漁業金融の六十億では、日本の農林漁村の経済自立のためにははなはだ微力であります。従
つて
この開発銀行を農林漁業
関係
に対しましても、十分に行き渡るように利用する
考え
がありますか。その点を
伺い
たい。
池田勇人
114
○池田国務大臣 今の見返り
資金
からも、水産物の高度利用等に対しまして出すことにいたしております。農林漁業にも出ておるのであります。産業の開発に必要ならば、何も先ほど申し上げましたような鉄鋼とか、石炭とかいうものばいかりに行くものではございません。だから私は何に何ぼ行くとか、これに幾ら行くとかいうことは今からきめられぬ。やはりそのときの情勢によ
つて
考え
なければならぬ問題だと思います。
深澤義守
115
○深澤
委員
それからこの
法案
によりますと、予備費を
相当
設けてありまして、予見しがたい事由による支出のために備えるというような項目があるのでありますが、この予備費はどのくらい準備されているのか。それから「予見し難い事由による支出
予算
の不足を補う」という、この「予見し難い」という解釈はどういうぐあいに
考え
られておりますか。
池田勇人
116
○池田国務大臣 予備費は四千万円
程度
持
つて
おつたかと思いますが、これ議員補充の
関係
その他いろいろの点が想像されますので、この四千万円
程度
を予備費に加えておるのであります。
深澤義守
117
○深澤
委員
復興金融金庫を、一応開発銀行が近き将来において全部
引受
けるということに相なるのでありますが、このまま大体復興金融金庫を
引受
けますと、開発銀行の資本の規模が
相当
大きなものになると思うのでありますが、大体どの
程度
の構想を持
つて
おられるか。その点を
伺い
たい。
池田勇人
118
○池田国務大臣 債権債務を
引受
けます。しかし資本に繰入れるのは、四十三條に書いてある
通り
であります。従いましてそれで御想像がつくと思います。現在の債権は八百六十億、それから来年度に予定しておる百二十億というものは一般会計へ入りますから、その残りが毎年々々入
つて
来ることになるのであります。一度に出資は多くはなりません。
深澤義守
119
○深澤
委員
よろしゆうございます。
夏堀源三郎
120
○
夏堀委員長
本日はこれをも
つて
散会いたします。 午後六時五十八分散会