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深澤委員 農民は赤子が乳を欲するように
資金を欲しておる。土地改良にしても灌漑排水にしてもそうなんです。今までこれを
政府自体がどしどしやらなかつたというところに問題があるのです。今日本で、食糧問題が解決できない、できないと言いながら、農民に対する国家の
資金の融通ということは、ほとんど行われなかつた。そこで今度これをやるということについては、
趣旨としてはいいのです。われわれは反対はしない。農民はいよいよ
資金融通法ができたというので、これに対して大きな期待を持
つているわけです。ところがこれがすずめの涙です。農民が欲している
資金は、実際はこんなわずかなものじやない。もつとたくさんです。そしてどしどし土地改良もやり、灌漑排水もやり、干拓もや
つて、日本の食糧問題を解決しようとする熱意は農民にあるわけです。ところが
政府がこれに対するところの十分な
資金融通をやらないというところに問題があるのです。そしてまた
資金融通をやつたところで、高い利子でも
つて返して行けるという経済的な余裕がないというのが、今日の農村の実情なんです。そこでこの
資金融通法は、農民が期待すればするほど、あまりに
内容が貧弱である。そして経済効果が書類の上ではあまりにりつぱにつくり上げられているというところに問題があるので、今
質問しているのであります。一反歩で三石五斗四升七合も収穫の上るところがあればけつこうです。これはどしどしや
つてもらいたい。それについては、私は先般来
委員長を通じてお願いしてお
つたのでありますが、各府県別の計画、それから水力の小発電施設七十五箇所の具体的な
資料、それから漁港の百七十三港並びに
災害復旧の百八十港について、具体的な
資料をお示し願わなければ、どうもわれわれはこの経済効果というものを期待し得る確信が持てないわけなんです。そういう意味でこの
資料を先般からお願しておつたわけでありますが、まだほとんど出ておりません。これを
法案を決定する前に御
提出を願いたいと思うわけであります。
それからもう
一つ、畑地灌漑の問題について政務次官にお伺いしたいのでありますが、この畑地灌漑はどういう
方法でも
つて経済効果を期待されるのか。どういうところへこの畑地灌漑をやられて経済効果を上げられようとしているのか。この点をひとつお伺いしたい。