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1951-03-12 第10回国会 衆議院 大蔵委員会 第33号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十六年三月十二日(月曜日)     午後二時二十八分開議  出席委員    委員長 夏堀源三郎君    理事 奧村又十郎君 理事 小山 長規君       有田 二郎君    佐久間 徹君       島村 一郎君    清水 逸平君       高間 松吉君    苫米地英俊君       三宅 則義君    水田三喜男君       宮腰 喜助君  早稻田柳右エ門君       田中織之進君    松尾トシ子君       深澤 義守君  出席政府委員         大蔵政務次官  西川甚五郎君         大蔵事務官         (主税局長)  平田敬一郎君         大蔵事務官         (主税局税関部         長)      石田  正君         大蔵事務官        (理財局次長)  酒井 俊彦君  委員外出席者         議     員 大泉 寛三君         專  門  員 椎木 文也君         專  門  員 黒田 久太君     ――――――――――――― 三月十二日  委員庄司一郎君、柳澤義男君及び益谷秀次君辞  任につき、その補欠として西村直己君、塚田十  一郎君及び川野芳滿君が議長の指名で委員に選  任された。     ――――――――――――― 本日の会議に付した事件  連合審査会開会に関する件  国家公務員等に対する退職手当臨時措置に関  する法律の一部を改正する法律案内閣提出第  三九号)  在外公館等借入金返済準備に関する法律案  (内閣提出第八七号)  緊要物資輸入基金特別会計法案内閣提出第八  八号)  物品税法の一部を改正する法律案内閣提出第  八九号)     ―――――――――――――
  2. 夏堀源三郎

    夏堀委員長 これより会議開きます。  去る九日、本委員会に付託に相なりました在外会舘等借入金返済準備に関する法律案緊要物資輸入基金特別会計法案、及び物品税法の一部を改正する法律案の三法律案一括議題といたします。まず政府当局より提案趣旨説明を求めます。西川政府委員
  3. 西川甚五郎

    西川政府委員 ただいま議題となりました在外公館等借入金返済準備に関する法律案提案理由を御説明申し上げます。  在外公館等借入金につきましては、さきに制定されました在外公館等借入金整理準備審査会法に基き、政府は鋭意その確認事務を進めて参つたのでありますが、確認を終えたこれらの借入金は、できるだけすみやかに返済いたしたい所存であります。よつて政府は、その返済昭和二十六年度中に開始することとし、返済に関して必要な事項を定める法律案を、この法律施行最初に召集される国会提出し、返済に必要な諸般の措置を講ずることとするとともに、右の返済に関する法律案に織り込むべき事項のうち、最も重要であり、また困難な問題でありますところの、借入金を表示する現地通貨評価について、特に諮問機関を設置して、評価に関する事項を調査審議させることといたしたいと存ずる次第であります。  次に緊要物資輸入基金特別会計法案提出理由を御説明申し上げます。  政府におきましては、特殊需要に応ずるため、緊急に取得することを必要とする外国で生産された物資の取得及び売拂いを円滑にする目的をもつて、緊要物資輸入基金を置き、一般会計からの繰入金をもつてこれに充てることとし、その運用に関する経理を一般会計と区分して行うために、緊要物資輸入基金特別会計を設置いたそうとするものであります。  この会計におきましては、ただいま申し述べました物資の取得及び売拂いは、基金運用として行うこととし、この会計歳入歳出といたしましては、基金運用によつて生じた利益の繰入金預託金の子利、借入金の借入及び融通証券発行による收入金決算上の不足補填のための一般会計からの補填金等をもつてその歳入とし、事務取扱費借入金及び融通証券償還金、一時借入金借入金及び融通証券の利子、融通証券発行及び償還に関する経費、並びに基金運用によつて生じた損失補填金等をもつて、その歳出といたしますとともに、この特別会計決算上の剰余及び不足の処理、予算及び決算の作成、提出手続等特別会計として必要な措置規定いたそうとするものであります。  なお政府貿易から民間貿易の移行に伴いまして、本特別会計の創設に際し、貿易特別会計はこれを廃止することが適当と思われますので、その廃止及びこれに伴う必要な措置をあわせて規定いたそうとするものであります。  次に税法の一部を改正する法律案につきまして、その提案理由を御説明申し上げます。  物品税につきましては、さきに第九回回会審議を経まして税率の引下げ、生活必需品及び事務用品に対する課税の廃止等改正行つたのでありますが、なお若干制度の改正を必要と認めまして、ここにその改正案提案いたした次第であります。  今回の改正内容は、二点でありまして、第一は、サツカリンまたはズルチンを原料とする錠剤甘味料につきましては、従来はその原料段階において課税いたしておるのでありますが、納税資金調達等を考慮いたしまして、今後は原料段階においては原料免税を行い、製品段階において課税することにいたしたのであります。  第二は、物品税の取締りを容易にし、脱税の絶滅を期するために、製造場から移出される際の形のまま、小売店舗において陳列販売されるような物品のうち、特に必要なものにつきましては、その製造者に対して、移出の際物品税証紙の貼付を命ずることといたしたのであります。この物品税証紙政府において発行し、納税義務者に無料で交付するのであります。  以上の改正によりまして、物品税につき一層納税円滑化、負担の適正をはかることができると考えるのであります。  以上が三法律案提出いたした理由でございます。何とぞ御審議の上、すみやかに賛成せられんことを切望してやまない次第であります。  なお各法案につきましては、もう少し具体的に御審議に入ります前に、もう一度御説明申し上げたいと存じております。     ―――――――――――――
  4. 夏堀源三郎

    夏堀委員長 この際お諮りいたします。委員外大泉寛三君より委員外発言を求められておりますので、これを許すことに御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  5. 夏堀源三郎

    夏堀委員長 御異議ないようでありますから、大泉君。
  6. 大泉寛三

    大泉寛三君 委員外発言をお許し願いましたことを厚く御礼申し上げます。  ただいま各務署で行われております富裕税資産申告に対してでありますか、この資産申告のうちに、有価証券として株式評価には、特に不合理な点あるいは不当と思われる点がありますので、主税局長にお伺いしたいのであります。それは最近個人から法人に変更された同族会社または前からの同族会社でありますが、この株の評価がきわめて有価証券としての価値から飛び離れた価格でもつて評定されておる。富裕税そのものはきわめて少額でありますから、むしろ資産を大きく見られるのは喜ばしいと言う人もありましようけれども、この額が厖大になりますと、ひいては財産税の問題も起つて来る。それから讓渡に対して讓渡所得というような計算も想像される。またこれを他に転売した場合においては、やはりその利得は当然課税されるというような、相当大きな広範囲な不安感を抱いておりますので、この際主税局といたしまして、同族会社に対してどんな基準でこの評価を見られておるか。場所によりますと、同じような物件ですらたいへん違つた評価でこれを見られて、この有価証券株式に割当てて評定しておる状態であります。この点一般市場に出ておる株式とを比較対照してあまり不合理ではないか。もう一つはどんな基準でもつてこの一般の査定をされておるかということを、まずもつてお伺いしたいと思います。
  7. 平田敬一郎

    平田政府委員 同族会社株式評価の問題でございまして、この問題はなかなかむずかしい問題でございますが、法律では御承知通り時価によるという大原則を掲げておりまして、あとは時価の評定と申しますか、これをどうして正しくやるかという問題に帰着するわけであります。大体の考え方といたしましては、もちろん一般の、株式が上場されている会社は、十二月一箇月の平均相場によることになつておるのでありますが、同族会社の多くはそのような取引所相場みたいなものがないので、なかなかむずかしいのでございますが、できる限り上場株に近い種類のものにつきましては、それと類似評価方法をとる方がいいという考えからいたしまして、大体同族会社のうち株主の一人及びその親族で七割以上支配しておるものと、七割未満のものとにわけまして、七割未満のものにつきましては類似株式上場相場がございます場合におきましては、そういう相場十分考慮に入れる。それからもちろん売買実例があります場合におきましては、その実例相場を参酌して評価するということにいたしておるのでありますが、まつたく一人株主と申しますか、大部分を一人で、あるいはその親族で持つておる、こういう同族会社の場合におきましては、なかなか基準がむずかしい。そこでそういう会社につきましては、個人企業評価と申しますか、個人企業財産評価に準じまして、結局会社資産内容を調べまして、土地家屋、商品、そういう会社正味資産を調査いたしまして、負債はもちろん差引きまして、差引いた残りの株式一株当りが幾らの資産になるか、そういう方法でやるよりほかないということになるのでございまして、大体その基準でやることにいたしております。ただそういたしました結果、大分一般上場株値段開きがついておりまして、問題が御承知通り大分深刻のようでございますので、さしあたりといたしましては、納税者に対しましては自己の適当と認める時価で、申告していただくということにしていただきまして、なお相当実例等が集まりました上で、全部のものについて適切な基準をきめるかきめないか、その辺は申告を受けた後において令書を交付するようにいたしたい。收益が比較的少いようなものにつきましては、現在でもある程度しんしやくするというふうにいたしておりますが、なかなかそういう問題だけでは一般上場株とのバランスが、はたしてとれるかとれないか問題は多々あるようでございます。何しろ上場されている株の値段が低いと申しますか、正味資産一株当りで算定しましたものに対しまして、現在の株が非常に低くなつている。そういうところにも大分問題がございまして、個人企業資産に引きつけて評価するか、あるいは上場株会社株式に引きつけて評価するか、なかなかこの辺むずかしい問題が多いようでございます。従いましてさしあたりといたしましては、納税者自己の正しいと信ずる時価申告していただいて、相当実例が出て来ると思いますので、その上で政府といたしましては妥当な評価結論的に帰着するようにいたしたいという趣旨で、目下運用をいたしております。非常にむずかしい問題でありますので、御意見等十分に考慮いたしまして、適切な結論を見出すようにいたしたいと考える次第であります。
  8. 大泉寛三

    大泉寛三君 ただいまの主税局長の御答弁は、申告基礎としてやられるという御意見でたいへん満足いたしました。特に資産評価基礎でありまするが、もちろん物件としての見方、あるいは営業收益というような見方もありましようが、これに対してはやはり全国統一ある見方でやつてもらいたいということを、希望申し上げておきます。  それから同じ持株にしても、同族会社同族と意味するものは、いわゆる全部の七割、六割というところにねらいがあるようでありますが、その残余の二割とか三割とかいうものに対しては、やはりこれは証券であるとみなすべきことが至当ではないか。特に市場性もなし、また事業に直接参画しているわけでもないので、ただ持分だけを持たされているような若干の株に対して同じように見るということは、不合理ではないかと私は思いますが、これに対して局長の御見解を承りたい。  もう一つ、これをこういうふうに同族と思われたのではとてもかなわぬから、これをどこかに讓渡しよう。特に買つてくれる人に讓渡して、いわゆる独占権のないところの五割以下に下つた場合は、この評価をいかにすべきか。いわゆる同族株でなくなつた場合、増資したりあるいは転売したりした場合の後の評価が変更があるかどうか。変更した場合にこれは損失になるかあるいは欠損とみなすか。いわゆる資産の減額をそこに来すのでありますから、どうしても今までのような評価では、とうていこれは成り立たないと思いますけれども、その点もあわせて伺いたいと思います。
  9. 平田敬一郎

    平田政府委員 ただいまお話になりました二点のうち、最初の点はしごくごもつともな点だと私ども考えておるのでありますが、一応基準として考えておりますラインにおきましても、主たる株主以外の第三者の株、こういうものにつきましては、主たる株主につきまして評価したものに対しまして、少くとも二割程度の評価減評価を落すということは言つておるのであります。ただはたして二割でいいかどうか、これがまた問題でありまして、どうも今の一般上場株との比較からいたしますと、二割ではなお不十分だという御意見の方が多いようであります。そういうようなものにつきましては、一応申告をやつていただきまして、その後におきましてなるべく妥当なものになるようにいたしたいと考えております。  なお後に処分した場合に、評価された額より非常に低くしか売れないときは、どうするかという問題であります。これは富裕税におきましては、十二月三十一日現在ですべて物事を処理するということになつておりますので、もちろんその後に下りますれば、その次の年からは下つたものによるということに相なるのであります。今お話のような事例が、縁故関係とかその他の事由がなくて、ほんとうに合理的に経済的に取引される。こういう場合がありますれば、当然この持分評価というものは、おそらくそれに近い評価になるべきものではないかと考える次第であります。何しろ……     〔私語する者多く聴取不能〕
  10. 夏堀源三郎

    夏堀委員長 私語を禁じます。
  11. 平田敬一郎

    平田政府委員 従いまして一般株価との関係上、非常に問題があることは十分承知いたしております。そのような点につきましては、今後実例を集めまして善処いたしたいと思つております。
  12. 大泉寛三

    大泉寛三君 それから評価に対して非常に困難だという一つ結論なつておりまするけれども、金融業者がいろいろな角度からこれを評価して、これは妥当であるという場合には、完全に妥当に近い株の評価が出て来ると思いまするが、こういう第三者金融業者が査定した価格に対して、当局はどんなにこれを見ておられるかということをお伺いしたい。  それからもう一つは、二十一年に財産申告をして、財産税を徴收されたときには、あらゆる同族会社がきわめて厳密に調べられた。その申告の当時の株価と今日では著しく開きがある。一般物価に対する立場から値上りの率を見て行つて計算したものもありましようし、あるいはそうでないものもありまするけれども、どうも財産税申告した当時と現在の富裕税申告に対して、当局見方が著しくかわつておるのですが、これはどういうわけですか。これもひとつお伺いしておきたい。  それからまた財産税申告の当時と現在の評価に対する値開きに対して所得と見るか、あるいは財産自然膨脹と見て何かこれに対する手を打つか、打たないかということについてもお伺いいたしたい。
  13. 平田敬一郎

    平田政府委員 この前の財産税評価のときの評価と、最近の評価相当開きが出て来ますことは、これはもうお話通り一般物価の趨勢からも御了解願えるかと思います。卸売物価指数が大体再評価額できまつておりますが、十七倍くらい高くなつております。それから不動産――土地家屋等時価家屋はそれほどでもございませんが、土地等は少し上り方が遅れました関係もありまして、十数倍の高さになつておるかと考えます。一般消費者物価は、すでに財産税評価当時もやみがありまして、実効価格が高くなつておるという関係もありまして、実効価格指数はたしか七、八倍の高さであつたろうかと思います。物によつて違いますけれども、概して土地家屋といつたような種類のものは、相当値上りを示していることは事実でございます。従いまして私どももちろん土地家屋等評価につきましては、最近の売買率を調べまして、それをもとにしまして、多数のものを処理する便宜上賃貸価格に対する平均売買率をとりまして、それで評価いたしております。従つてところによりますと、住宅地評価は九百倍よりもおおむね低いところになつております。東京都内の例で申し上げますと、大体住宅地は五、六百倍、但し商店街等はこれに反しまして相当高い権利金もつけられて売買されておる実例がありまして、これの方は千倍か千倍ちよつと越えておるようなものもあるようでございますが、そういうような実例を多少調べまして、あくまでも昨年の十二月三十一日における適正時価を評定するように、努力いたしておるのでございます。従いまして財産税よりも評価が高くなることはあり得ると考えます。なおこれに関連しまして特に高くなるのがあるという問題だろうと思いますが、農地価格は実は財産税の当時も非常に買收価格が低く押えられておりまして、その後昔から持つている自作農の農地等につきましては、価格の統制がはずれておる、小作料等につきましても大分上つて来ているというような関係がありまして、大分高くなつておるのもあるかと思います。山林評価につきましても、大体最近の売買率もととして評価しているのでございますが、これも若干一般よりも幾分よけいに上つておるようでございます。ただ山林等につきましては、先般も御質問があつたかと思いますが、評価がむずかしくて、なかなか山林につきまして、個別的に適正を期しがたいので、先般申し上げましたように幾分無理のない評価をするということで、基準を定めておるのでございますが、若干ほかのものに比べまして、財産税評価当時と比べまして値上りの多い方かと存じます。これに反して一般株価値上り率がどうも低い。そこでこの会社が持つている財産を個別的に評価しますと高くなる。ところが一般会社の株が低いものですから、それで評価しますと、とかくその会社の株をそのまま出しますと、どうも比例がとれないという常識的感じを與える。それをどういうふうに最終的に解決するかが、さつき申しましたように問題でございますので、私どもも申告実例等と照しました上で適正な方針を定めまして、不公平のないように考えております。  なおそれから財産が非常に増減があつたらどうであるかという問題でございますが、これはやはり財産税当時は十万円の資産しかなかつた人が、一億円も資産があるというような例になつて来ますと、どういうふうにしてそうなつたんだろうということで、これは一応税務官庁に反省の機会を與えるということになるかと思います。しかしそれはそれだけの事実にしかすぎないのでありまして、それだけの理由でただちに更正決定追加決定をやるということには必ずしも参らない。そういうふえる理由がある、また減つた理由がございますれば、別な処置をするのでごいますが、ただそれだけの理由でただちにどうするということはないと思います。ただいろいろな調査の上におきまして、一つ参考材料になるということは、税法の性質上当然であると思います  それから金融業評価でありますが、これはおそらく担保に供する場合等の評価であろうと思いますが、これももちろん一つの有力な材料になるかと思います。その評価されたものから何割かのところで、資金を貸與するというのが通常の例でございますが、そればかりでも参らぬと思います。そういう点も実例がございますればよく調査いたしまして、最終的なバランスをとる場合におきましては十分参考にしたいと思います。
  14. 大泉寛三

    大泉寛三君 最後に私は、本人が正しいと思つた申告をそのまま見てもらうことと、また税務署が、これはとうてい承服できないというような折合いのつかない場合には、再審議機会を認めてもらうことを希望申し上げて、私の質問を終りたいと思います。     ―――――――――――――
  15. 夏堀源三郎

    夏堀委員長 国家公務員等に対する退職手当臨時措置に関する法律の一部を改正する法律案議題といたします。  本案に対しては、すでに去る二月二十一日質疑を終局いたしておりますので、これより討論採決を行いたいと思いますが、本案に対しましては、自由党国民民主党及び日本社会党三派共同による修正案提出されております。この趣旨説明を求めます。田中君。
  16. 田中織之進

    田中(織)委員 ただいま議題に相なりました国家公務員等に対する退職手当臨時措置に関する法律の一部を改正する法律案に対しまして、自由党国民民主党日本社会党の三党共同修正案提出いたしましたので、その修正案内容並びに修正案提出いたしました理由を、簡單に御説明申し上げたいと思います。  まず修正案を申し上げます。   国家公務員等に対する退職手当臨時措置に関する法律昭和二十五年法律第百四十二号)の一部を改正する法律案の一部を次のように修正する。  (1) 第二條の改正規定の次に次のように加える。    附則第五項第一号中「行政機関   職員定員法の一部を改正する法律   (昭和二十五年法律第百四十号)」の下に「及び行政機関職員定員法の一部を改正する法律昭和二十六年法律第 号)」を加える。  (2) 附則第五項の改正規定の次に次のように加える。    附則第七項第三号及び第四号を   次のように改める。    三 勤続期間二年以上三年未満の者     三月    四 勤続期間三年以上四年未満の者     三・五月    五 勤続期間四年以上の者         四月  (3) 改正法律附則を次のように改める。     附 則   1 この法は、公布の日から施行する。   2 この法律施行前において、昭和    二十六年度予算実行上の要請に因    り退職した職員で閣議で定めるも    のに対する一般退職手当の額    は、国家公務員等に対する退職手    当の臨時措置に関する法律第四條    及び、第五條の規定にかかわら    ず、同法附則第六項及び改正後の    同法附則第七項の規定により計算    した一般退職手当の額とする。  次に修正案提出いたしました理由を御説明申し上げますと、まず修正の第一点は、別途本国会提出せられておりまする行政機関職員定員法の一部を改正する法律によりまして、二十六年度において若干の整理人員が出て参りまするので、この場合に、この法律による退職金適用をはかるということが、修正案の第一点であります。  修正案の第二点は、従来この附則適用を受けておりました公団その他の政府機関は、成立後二年ないし三年等の短期間のものが多かつたので、特にこの附則を設けて、これらのものに対する特別の退職手当を本法律規定をいたしたのでありますが、今回こうした公団並びに閉鎖機関等が、二十六年度にわたつて閉鎖その他の整理を続けるわけでございますが、そのために別途恩給法改正が今国民に間に合わない関係から、一年間この法律適用を延期するということに相なりまして、勢い勤続年限も延びることに相なつたので、従来三年以上は一律に三箇月で打切られておつたのでありますが、特に勤続期間四年以上の者という新たなる項目を設けまして、それに相応する手当を出そう。同時に従来勤続期間二年以上三年未満の者に対しましては、二・五箇月の退職手当しか出ておらなかつたのでありますが、この点につきましては、従来貿易公団食料品配給公団石油配給公団配炭公団等、二年ないし三年未満廃止なつ公団につきましても、一律に三箇月分の退職手当が出ておるという前例もございますので、同時にこれらの閉鎖機関等関係から、また行政機構の改革等に伴つてやめる者が、新たに就職を見つけるということは、最近きわめて困難になつている事情もあり、かたがた物価の事情等も考慮してやらなければならないので、この際二年以上三年未満の者につきましては、従来の二・五箇月を〇・五箇月引上げ、新たに、三年以上四年未満の者につきましては、右の率に従いまして〇・五箇月増額し、新たに設けました四年以上の者につきましては、四箇月分の退職手当を出すということに退職手当の増額をはかることにいたそうとするものでございます。  改正の第三点の附則の点につきましては、これは当初予算等の関係から、四月一日より実施するという考え方もあつたわけでございますが、政府が二十六年一月十九日の予算閣議において、本年度の予算の編成をいたしましたときにさかのぼつて、政府予算上の措置のために退職しなければならない者につきましてはもちろん本則の中にあります勤続年限に基本給をかけた形において、勤続年限の長い者はそれに従う方が有利な規定に相なるのでありますが、それらおそらく四年未満勤続年限しか持たないというような者に対しましては、この附則適用をした方が、退職手当の実收入の上において有君になるということが考えられますので、こうした者につきましては、四月一日の新年度を待たずに、この法律の公布の日からこれを実施することにいたしました。さらに予算編成のときにさかのぼつて、これに基いて退職する者について適用するような方途を講じてやる方が親切である、こういう点から、改正の第三点として修正しようということにきめたものでございます。なおこれに伴いまして若干の予算の増加額をみるわけでありますが、この点につきましては、大蔵当局との間に折衝いたしまして、予算的な措置につきましては、大蔵当局と十分既定予算の範囲内でやりくりができることが確認せられておるのであります。  この修正案に対しまして賛成せられんことを希望いたします。
  17. 奧村又十郎

    ○奧村委員 この修正案について提案者にお尋ねいたしたいと思います。この修正案ははなはだ妥当なものと思うのでありますが、政府案と比べますと、退職金の率がそれぞれ多少上つておりますし、また勤続期間四年以上の者の規定もつくつてあるわけです。それで政府案実施の場合と、この修正案実施の場合と、予算で大体どのくらい増額することになるのであるか。それだけは政府予算の範囲内でやりくりができるということでありますが、増額は大体どれくらいになるのか。その点をお尋ねしたいと思います。
  18. 田中織之進

    田中(織)委員 奥村君の御質問にお答えいたします。このうちで、清算中の肥料配給公団その他の清算中のもの、また本年の三月三十一日に解散予定の価格調整公団、産業復興公団、油糧砂糖配給公団等の九公団、並びに閉鎖機関等のこうした関係を含めまして、いわゆる政府の直接の行政機関関係を除きました部分につきましては、公団並びに閉鎖機関等関係を合せまして、大体政府の原案よりは一億四千万円程度の予算の増加を来すことに相なるわけであります。政府のいわゆる行政機関職員定員法の一部改正法律に基いて出て参りますものにつきましては、相当勤続期間の長い関係がありますので、そういう人たちが多くおることが予想せられるのであります。その関係から見まして、今回附則にある退職金の率を引上げた適用を受ける者を的確につかむということは、現在までの段階においてはできておらないのでありますが、その場合におきましても、若干この附則適用によつて、予算が増加する部分があると思うのでありますが、それは既定予算の節約その他の範囲内で十分まかない得るということについて、大蔵当局修正案の折衝過程において確約を得ておる次第であります。
  19. 夏堀源三郎

    夏堀委員長 それではこれより政府原案及び修正案を一括して討論に付します。奥村君。
  20. 奧村又十郎

    ○奧村委員 私は自由党を代表いたしまして、政府案並びに修正案に対して賛成の意見を述べるものであります。  国家公務員等に対する退職手当の恒久的な制度を実施するということは、われわれとして非常にこれを望んでおるのでありますが、その準備が進んでいない。従いましていま一年この臨時措置を延長するということで、これはやむを得ない処置であると思うのであります。  なお田中提案修正案につきましては、行政機関職員定員法によるところの退職者も適用するとか、あるいは今日の物価事情その他を勘案して、多少退職金の率を高める、あるいはその実施の時期を早める。これはそれぞれ妥当なものと考えまするので賛成をするものであります。
  21. 夏堀源三郎

  22. 松尾トシ子

    ○松尾委員 社会党を代表いたしまして、ただいま議題なつておりますこの法律案に賛成をいたすものであります。これは今回機構改正のためにこの法律適用を受ける方々が出て来たので、やむを得ず認めるのでありますけれども、一律的に給與をするということには、私どもは賛成はできかねるのであります。またこれらのやむを得ず退職をしなければならない方々は、今日の物価騰貴あるいは今日の就職の状態を見ましても、すぐに職業にありつけるとは考えられませんので、むしろ私ども社会党としましては、もう少しいい率を上げてもいいのではないかと思うくらいであります。  同時に、もう一言つけ加えたいことは、国鉄並びに專売の問題なのでありますが、この法律の中に、国家公務員等とございますので、この二つの団体も入ることと思いますが、これらはそれぞれの法規によりまして、給與もあるいは退職手当も団体交渉できめねばならない性質のものだと思います。それゆえに、これらの二つの国鉄並びに專売は、この法律から除外されて、独自の団体交渉できめるべきだと存じますので、さつそくこれらの手続をとつて除外されんことをつけ加えまして、賛成するものでございます。
  23. 夏堀源三郎

    夏堀委員長 深澤委員
  24. 深澤義守

    ○深澤委員 共産党を代表いたしまて改正案に賛成するものであります。政府案よりも一歩前進でありますから、一応これに賛成しておきます。  なお国鉄従業員並びに專売公社従業員が、本法律案適用を受けるということは、公労法第八條第二項にいうところの団体交渉の事項でありまして、この退職手当基準をきめるときは、これは当然切り離して、自主的に団体交渉によつて解決さるべきものでありまして、これは当然法的にも整備しなければならない問題であると考えております。この法律案によつて国鉄並びに專売公社等の職員に対する退職手当は切り離して、早急に団体交渉として解決すべき措置を講ずべきものであるということを強く要望いたしまして、本案に賛成しておきます。
  25. 夏堀源三郎

    夏堀委員長 他に通告はありませんので、これにて討論は終局いたしました。  これより採決いたします。まず修正案について採決いたします。本修正案に賛成の諸君の起立を願います。     〔総員起立〕
  26. 夏堀源三郎

    夏堀委員長 起立総員。よつて本修正案は可決されました。  次にただいまの修正部分を除く政府原案についてお諮りいたします。賛成の諸君の起立を願います。     〔賛成者起立〕
  27. 夏堀源三郎

    夏堀委員長 起立多数。よつて原案は修正可決されました。  なおお諮りいたしますが、衆議院規則第八十六條による報告書の作成等につきましては、委員長に御一任を願いたいと存じます。     ―――――――――――――
  28. 夏堀源三郎

    夏堀委員長 次に先ほど政府より提案理由説明を聽取いたしました三案を一括して議題といたします。
  29. 有田二郎

    ○有田(二)委員 ただいま大泉君から質問がありました富裕税の問題でありますが、先般地方へ参りましたときにも、地方の国税局の方々がやはりこの問題で非常に悩んでいる。このことはすでに主税局長もよくお聞きのことだろうと思います。ただいまの大泉君の質問に対しての答弁のうちにも、そういうような趣旨のものも含まれておると思うのでありますが、今日の税務吏員の中には、非常におもしろくない考え方なり、思想を持つている方がまだまだあるのであります。かような算定方式のままで、全部が主税局長のようなりつぱな税務吏員であるならば、その運営もうまく行くであろうと思うのであります。しかしながらたくさんの税務吏員の中には、まだまだ芳ばしくない人たちが相当多数おられますがゆえに、現状の主税局でおつくりになつた算定方式には、いろいろな問題が起つて来るのではないか、かように考えるのでありますが、これに対する御所見をお伺いしたいと思います。
  30. 平田敬一郎

    平田政府委員 確かに御指摘のような事実がすでに発生いたしておりますが、とりあえず先般国税庁長官から、とにかくさしあたりといたしましては、納税者がかりに正しい申告と思う額で申告するというようにする。あまり今のところむずかしい差出がましい指導は、しばらく見合せたらどうかというようなことにつきまして、そういう方針から、先般国税庁の方から税務署に通達いたしたのであります。ただこのまま放任いたしまして、先ほどお述べがありましたように著しく不公平になりましても、妥当ではございませんので、申告等が集まりました上におきまして、先ほどから申し上げましたような上場株バランスの問題、個人企業との比較の問題、こういつたような問題につきましてよく考慮いたしまして、できるだけ適当な措置を講じまして、十分わかつていないものが、あまりおもしろくない措置をするようなことがないように、その間におきましては十分考えたいと存じておる次第でございます。
  31. 有田二郎

    ○有田(二)委員 この委員会に資料として、富裕税に対する算定方式の資料を提出願いたいと思います。さらに現状の算定方式がいかなるものであるか、私は関知いたしませんけれども、すでに各地の国税局、税務署からそれぞれ意見主税局あるいは国税庁の方へ集まつておることであろうと思いますが、現状の算定方式を御修正になる御意思があるやいなや。この点は承りたいと思います。
  32. 平田敬一郎

    平田政府委員 評価の原則につきましては、一応先ほどから申し上げておりますように、国税庁から国税局長あてに通達を出しまして、大体それに準ずる改正資料等も流しておるのでございますが、それを実際見ました結果、どうもいかにも実際に即しない面も確かにあるやに見受けられましたので、先ほど申しましたような措置を、とりあえずとるということにしたのであります。従つて今後さらにそのような点につきましては、追加しまして必要な措置を講じ、妥当なる税務行政の運営に努めたいと考えております。
  33. 有田二郎

    ○有田(二)委員 主税局長の御答弁は、悪いところがあつたら改めてもいい、かように解釈をいたしていいのでありますか。
  34. 平田敬一郎

    平田政府委員 その通りでございまして、あまり機械的に流れて、実情に即しないというようなことがあるやに認められましたので、今申しましたようなことをいたしておるのであります。今後におきましては十分実際を調べた上で、正しくなかつたことにつきましては修正できる、かようなことにしたいと思つております。
  35. 有田二郎

    ○有田(二)委員 そこでさらに主税局長にお尋ねいたしたいと思いますが、かりに三十万円あるいは四十万円くらいの資本金の会社で、実際は相当資産内容があるのであるが、会社の資本金が少いから、届け出ぬでもいいだろうという軽い誤つた考え方を持つておる方も、私は相当あると思うので、従つて一定期限のうちに出さなければならないというて、ちやんと指示してあつた期日に、出せないという向きもあるだろうと思うのでありますが、これらに対しては、その期限が遅れてもこれを認めるのか。あるいは認めるという場合において、さらに私は一歩進んで税務署あるいは主税局においてこれらを奨励する、指導するというような御意図があるかどうか、この点を承りたい。
  36. 平田敬一郎

    平田政府委員 期限内に申告しなかつた人、それから申告したが、あとで精密に計算した数字と合わなかつた従つてあとで過少申告なつたような人、こういう人に対しましては後ほどよく調査しまして、正しい申告が出て来た場合に、お話の加算税をどうするかという問題が問題として残るかと存じます。ただその点につきましては、まだここでただちに申上げることはいかがかと思いますが、できる限り無理のないような方法をとりまして、税務署の一応正しくきまりました基準に従いまして、正しい申告が出て来た場合におきましては、加算税の徴收等につきましても、あまり無理をしない方がいいのではないかと私は考えております。まだそのような点につきましては、はつきりしたことを今日は申し上げかねますけれども、できる限り納税者の事情も考慮いたしまして、適当な措置をとりたいと考えております。
  37. 有田二郎

    ○有田(二)委員 主税局長の御趣旨はよくわかりました。相当資産があるのにかかわらずこれを出さないというようなものに対しては、断固たる処置をとることに決して私は反対するのではないのです。しかし現状は、大蔵省としても国税庁としても、まだはつきりしないという点もありますし、いろいろ議論の余地も私はあるところだろうと思う。従つて情状酌量すべき筋合いのものなり、かような考えを持ち得るものにつきましては、相当の指導あるいは相当の同情を持つて当るべきものだ、かような見解を持つておりますが、大体主税局長の御答弁は、私の御質問申し上げた趣旨に沿うておる、かような見解をとりましたので、この質問はこれをもつて保留するのでありますが、いずれ資料提出の上あらためて本問題を論議いたしたいと思います。
  38. 夏堀源三郎

    夏堀委員長 次は在外公館等借入金返済準備に関する法律案につきまして、もうちよつと具体的に説明願いたいと思います。
  39. 酒井俊彦

    ○酒井政府委員 それでは先ほど提案理由説明のございました在外公館等借入金返済準備に関する法律案につきまして、若干補足的に御説明を申し上げます。  在外公館等借入金返済に関する問題につきましては、すでに昭和二十四年の六月に、在外公館等借入金整理準備審査会法という法律が公布実施いたされまして、主として外務省におきまして、終戰時在外公館等において、現地の居留民等から引揚げ費用等に充てるために借入れをいたしました借入金確認を続けております。現在約二十一万件申請が出ておりまして、そのうち三万八千件ほどの申請は確認済みでございまして、なお残りが相当ございますが、この中には大体七万件ほどは確認の対象になりそうもないという件数が含まれておりますので、総体は十三万八千件くらいございまして、そのうち約三万数千件の確認を終り、あと十万件くらいの確認事務が残つております。これらにつきましては鋭意確認を促進いたしまして、おおむね本年内にはその確認が終了するはずでございます。そこでこの借入金でございますが、これは現地通貨、たとえば法幣とか満銀券というような現地通貨表示をもつて確認いたされておりますので、これを国が将来返済いたします場合には、日本の円に直して幾らの債務として返済するかということが、非常に重要な点でございまして、そういう借入金評価の問題につきまして、なかなか困難な問題がございましたために、支拂いの開始という段階まではなお至つていなかつた状況であります。しかしながらすでに三万数千件の確認を終りまして、大体出て参りました申請によりまして、各地の借入れ模様もわかつて参りましたので、できるだけ早く国といたしましてはこれを返済する必要があるということを考えまして、今回この法律におきまして、二十六年度中に返済を開始するという規定を設けたわけであります。ただこの返済の仕方につきましては、まず先ほど申し上げました評価をどうするかということがきまりませんと、これが財政負担その他に関連いたしましたいろいろな問題、たとえば国民負担の均衡というような見地から、どういう返し方をするかということは、評価がきまりませんとなかなか決定しにくいというような事情もございますので、今回この法律案によりまして、大蔵省に審議会を設けまして、大蔵省、外務省関係の官吏のほか、現地から引揚げて来られたような現地の経済事情に詳しい、しかもきわめて公平な見地を有しておられる学識経験者の中から、委員にお集まりを願いまして、在外公館の借入金評価をまず決定いたしまして、その評価の決定に基きまして、いかなる方法で返すかという返済方法を立案いたしまして、この国会の次に召集される最初国会に、返済に関する法律案提案いたしたいと考えておる次第であります。  法案内容から申しますと、第一條は、この国会の次の最初に来る国会に、返済に関する必要な法律案並びにこれに伴う予算措置――もしも補正予算を要しまするならば予算の補正案、あるいは予備金で間に合うという程度でございましたならば、予備金支出の方法をとるというふうなことをいたしまして、ともかく次の国会には必ず返済法律を出しまして、本年度中に返済を開始する。できるだけ早く返済を開始したいというのが第一條でございまして、これによつて政府は次の国会にこの法律案を出し、予算措置をするという義務を課せられることになるわけであります。第二條は、その法律案におきまして返済方法規定いたします場合に、若干精神的なものを規定いたしまして、国民負担の公平の見地から、公正かつ妥当な基準によつて返済方法をきめなければならぬということを書いております。これは御承知のように、似たような問題といたしまして、在外財産の問題もございますし、あるいは戰災を受けられた方々の負担の問題もございますし、また傷病兵等の関連問題もございますし、広くそういう戰争による犠牲、その他現在の国民財政負担といつたような見地からも総合的に見まして、公正かつ妥当な基準で定めたいという趣旨であります。第三條以下は、その審議会を設けるということと、この審議会の組織に関する規定でございまして、審議会は大蔵事務次官が会長になりまして、委員が八人、このうちの三人は大蔵省及び外務省の関係職員の中から選任いたしまして、あと五人が、先ほど申し上げました現地の経済事情に通じており、公平な意見を持つておられる学識経験者から選ぶ、かような趣旨なつております。簡單でございますが、この際補足的な説明を終りたいと存じます。     ―――――――――――――
  40. 田中織之進

    田中(織)委員 この際委員長を通じて政府に要求したいのですが、それは関税定率法の審議の参考に資するために、この関税定率法の改正について、司令部の方から勧告案というほど強いものではないかもしれませんが、いろいろの司令部側の意向が大蔵当局に示されておることと、実は聞いておるのであります。関税審議会の方へはそういう資料が出されておるということを聞きましたので、この点が本案審議の上に、われわれ非常に参考になる資料と考えますので、ひとつ本委員会審議に間に合うように出していただきたいということを、質料要求として申し上げておきたいと思います。
  41. 平田敬一郎

    平田政府委員 先般若干申し上げましたが、総司令部との間には、関税定率法の改正につきましては、実は大分前から二年越しにいろいろ話し合つているわけでございます。それで途中におきまして、お互いにいろいろな意見がありましたことは事実でございます。結局最近の状況のもとにおいて、最後にこの提出いたしておりますところの提案を、日本政府の案といたしまして出しましたところ、それに司令部の同意を得た次第であります。従いまして現在総司令部としては、この関税定率法を国会提案するということにつきまして、政府意見にまつたく同じであるということを申し上げて、御参考にいたしたいと思います。
  42. 田中織之進

    田中(織)委員 それは今回提出するについては、そういう司令部の了解の上に提出されたであろうことは了解できるのでありますが、私の聞いたところによりますと、審議会の方へ司今部から提示された意見というものがあるように私は聞いておりますので、せめてそれだけでも、これは非常に関税定率法の改正の基本的な部分に触れた資料のように私聞いておりますので、これはぜひひとつ出していただきたいと思います。
  43. 平田敬一郎

    平田政府委員 関税審議会の方には別段そういう資料は提出していないのでございます。定率法の審議に必要ないろいろな資料は提供いたしておりますが、関係方面の意見と申しましても、それは過渡的な段階におきまするいろいろな意見でありまして、審議会等にも別段提出したものはございません。経過等につきまして必要でございますれば、いろいろ御説明申し上げてもよろしいかと思いますが、別段書面でお配りするような資料はないかと思つております。
  44. 田中織之進

    田中(織)委員 これは大蔵省から出されたのじやないかと私は想像しておるのですが、審議会の関係の諸君から私の方は入手する方法もあるのですが、今主税局長が言われたように、今までの経過について、もちろん基本的な問題に触れたような点についてのそれを、文書の形ででも提出していただきたいと思います。あとで私の方で審議会の諸君から入手して、実は大蔵省から提出された司令部の指示の意見というか、それはこういうものだという資料が出たら、困るようなことはありませんか。
  45. 平田敬一郎

    平田政府委員 審議会の方にはそういう資料は出しておりません。これは間違いございません。それからいろいろな経過につきましては、参考程度にちよつと申し上げたかもしれませんが、何しろ大蔵省としましてもすでに二年越しの仕事でありまして、その間いろいろないきさつもございます。従いましてそういうふうなものは、文書でお出しするよりも、むしろ石田税関部長がその方を主として担当してやつておりましたので、適当な方法でこの委員会で御説明申し上げるのは、さしつかえないかと思うのでございます。
  46. 田中織之進

    田中(織)委員 それでは何か審議会の審議の経過に関する記録でもあれば、そういう意味で私の聞いたことも参考になろうかと思うので、そういうものがありますれば、出していただきたいと思います。
  47. 平田敬一郎

    平田政府委員 審議会は、二日にわたりまして、朝十時から夕方五時ごろまで、非常に熱心な審議を続けましたので、その際の要録と申しますか、要点につきましては、これはもちろん御参考になるかと思いますので、必要でございますれば、取りまとめて提出してさしつかえないと思います。なるべく取急いで差出します。なお詳しいことは、必要に応じて口頭で御説明させていただきたいと思います。     ―――――――――――――
  48. 奧村又十郎

    ○奧村委員 在外公館等借入金返済準備に関する法律案に関連いたしてお尋ねいたしますが、この借入金が、現在までの調査によると、約三千件余り出ているということでありますが、大体大わけしてどういう地区が多いのか、その点をお尋ねしておきます。
  49. 酒井俊彦

    ○酒井政府委員 ただいま御説明申し上げましたように、申請が出ております件数は約二十一万件でございます。そのうち、大体確認の対象にならないのではないかと思われるものが約七万件ございまして、残り十三万件ぐらいが確認されるのじやないかと考えております。大体の幣種別の金額から見ますと、やはり非常に多うございますのは満州、それから華北、華中といつたようなところが圧倒的に申請が多いようでございます。
  50. 奧村又十郎

    ○奧村委員 この返済に関して一番の問題は、評価をいかにするかということであるようであります。そこでその評価をする場合に一番考慮すべきものは、負担の公平である。これはもちろんであります。しかしその負担の公平を考える場合に、われわれが一番考えねばならぬのは、在外公館の借入金をかりに返済するとするならば、そのほかに在外資産の補償をするのか、しないのか、あるいは外国に元あつた、つまり日本国家の朝鮮銀行その他の金融機関に預け入れたその当時の預金を補償するか、あるいはまた在外におけるいろいろな事業会社の補償をどうするか、こういうことをするか、しないかという方針がきまらなければ、負担の公平ということが勘案できないことになるわけであります。それで在外公館の借入金のみの返済をやるのであつて、その他の補償についてはしないとしてこの法律案を出されたのか。その他の補償についても今後やるとして出されたのか。それによつて評価がかわつて来る。その政府の根本方針はどういうふうになつておられるか。その点をここで御答弁できればぜひ承つておきたいと思います。
  51. 西川甚五郎

    西川政府委員 在外公館の借入金は別途に考えまして、在外資産等の方はやはり講和会議関係がございますので、講和会議後にこれは決定されるべきものだと存ずる次第であります。
  52. 奧村又十郎

    ○奧村委員 そういたしますと、在外公館の借入金以外の補償のことについては講和條約後にする。しかし講和條約ができれば多少の補償はしなければならぬ。その補償をするということになれば、負担の公平を考える場合、その審議会の委員のメンバーは、政府案としては多少これは不公平でないか。つまり現地の実情に明るい人を五人ばかり入れると言われるが、その以外に、そういう借入金以外の補償関係の人を相当入れるべきではないかと思うのでありますが、その点政府はどうお考えになつておりますか。
  53. 西川甚五郎

    西川政府委員 この審議会の八名のうち五名は民間の学識経験者でありますが、先ほど事務当局から申し上げましたように、満州とか朝鮮あるいは華北、その他南方、この方面におられた公正なる学識経験者を入れるということになつておりますが、この審議会では、為替レートをきめるというのが主体でありまして、従いまして現地におられた方におもに入つていただいて、そしてレートの決定に御盡力願う、こういうような方針をとつておる次第でございます。
  54. 奧村又十郎

    ○奧村委員 審議会のメンバーのうち、民間から出る八は為替レートを判定するというか、それに重点を置くということでありますが、そういたしますと、大体借入金評価は、その当時のレートを勘案し、なお今日までのインフレによる通貨価値の下落ということのみに限定して評価なさるのか。それともその他の資産の補償とのにらみ合せはお考えにならぬのか。その点をお尋ねしておきます。
  55. 西川甚五郎

    西川政府委員 この換算率の問題は、実は昨年当初よりいろいろ研究してみたのですが、なかなかむずかしい問題で、結局外務省に確認するところの審査会を設けたのでありますが、それともに大蔵省その他各方面との連繋をとりましてこのレートの問題を研究しておつたわけであります。ところがいろいろな情勢の関係によりまして、なかなかこのレートがきまらない。それで一日も早く支拂いたいというので、そこでこの為替レートを主体とした審議会を設けまして、一方外務省の方では確認をしていただき、大蔵省では換算率をきめる、こういうふうにいたして、そしてその当時と、あるいはまたそれから後の物価の変動とか、あるいは戰争被害者の全体の公平の点等も考慮いたしまして、そして決定いたしたい、こういう趣旨であります。
  56. 苫米地英俊

    ○苫米地(英)委員 外務省の方にお伺いしたいのですが、この為替レートをきめる前に確認の問題が先だと思うのです。その確認大分できておらないらしいのですね。そのために非常に多く財産を預けておきながら、現在生活に困つておるような人があるのですが、この確認はどういうぐあいにしてやつておられるのですか。何か確認の條項とか、條件とかいうものがあるのですか。
  57. 酒井俊彦

    ○酒井政府委員 ただいま外務省の方にお尋ねがありましたが、外務省の方がお見えになつておりませんので、私が知つております限りのことをお答え申し上げますと、先ほども申し上げましたように、大体確認の仕方といたしましては、借入れ主体別に、たとえば奉天地区で、奉天の元総領事官が借入れた金の性質は、引揚げのために使われたのか、あるいはどういうふうに使われたのか、はたしてこれは外務省からの訓令に従つて、現地居留民が引揚げのために必要であつたのかどうかというような点を中心にいたしまして、なお借入証が成規の借入証であるかどうかというような点を調べまして、その借入れ主体別に方針が決定いたしますと、その地区の借入れにつきましては、個別的にその決定いたしました方針に基いて、個々に審査をして現実にきめておるような状況であります。
  58. 苫米地英俊

    ○苫米地(英)委員 用途が引揚げに要する経費であつたかどうか、こういうことが一つ基準なつておるというお話ですが、貸した方はそういう用途ということで出しておるのですが、それが実際にどういうふうに使われたかは、これは貸し出した人には責任がないわけです。この用途が引揚げに必要でないものに使われておつたということになつておつたということになつた場合には、どうなるのでございますか。
  59. 酒井俊彦

    ○酒井政府委員 この引揚げ経費は、昭和二十年九月七日に、外務大臣から在外公館長あてに、在留邦人引揚げ経費に関する件ということで訓令が出ております。居留民の処置について適切な手を打つために、必要な経費がこちらから送金ができないから、いずれこれは政府として返すのであるから、そのために必要な金額は現地で借りるように、大体そういう趣旨の訓令が出ております。その場合に、もちろん貸しました方で、これは正確にどういうふうに使われたかということはわかりませんが、これも程度問題でありまして、おおむね在外公館の方で、この目的のために必要だからということで借りまして、その借りましたときには、使途、金額等の明細を付しまして、証拠書類を整備してございますから、その証拠書類に基いて返済を行うのでありまして、それが現実に何に使われたかということを一々こまかくつつ込んで参りますと、かなり疑問も出て参るかと思いますけれども、そういう趣旨で公館が借りたのだということが立証されますならば、それは確認の対象になるというふうに聞いております。
  60. 苫米地英俊

    ○苫米地(英)委員 そうしますと、居留民の引揚げに要する費用として貸したという証拠書類があれば、その用途が現実にどうであるかということは問題にならない、こういうわけでございますか。
  61. 酒井俊彦

    ○酒井政府委員 問題にならないということではございませんで、大体そういう趣旨で借りたのいだ。そうしてまた在外公館としてはそういうふうに使つたのだということが立証できる場合には、確認の対象になる。先ほど申し上げましたように、こういう趣旨でお借りいたしますということが、借用証に整備されてございますれば、おおむねそれによつで確認をいたしておるわけでございます。
  62. 苫米地英俊

    ○苫米地(英)委員 場合によると、その受入れを銀行などに取扱わせたようなところもあるらしゆうございますが、その場合にはどうなりますか。
  63. 酒井俊彦

    ○酒井政府委員 これは御承知かと存じますが、いわゆる調整料というものがございます。あの当時公定レートがきまつておりまして、その公定レートを維持いたします反面、実質的に相場が現実とは開いておつたというために、内地に送金いたします場合に、調整料をとつていた事例が相当あるのであります。その調整料かやはりとの確認の対象になるというふうに考えて、かなり申請が出て参つておりますが、ただいまお話のございました件は、この調整料などの問題ではないかと考えますが、いかがでございましようか。
  64. 苫米地英俊

    ○苫米地(英)委員 その調整料の問題でございますが、同時に成規の借入証ということになつて、銀行が代理人として金の受取りをやつておる。こういう場合には、その銀行の受取証で成規のものと認められるかどうか。
  65. 酒井俊彦

    ○酒井政府委員 ただいまお尋ねの点は、私も詳細はわかりませんので、外務省の方をこちらに出席させて御答弁することにいたします。
  66. 苫米地英俊

    ○苫米地(英)委員 そういたしますと、外務省の方から来ていただかないと、確認はいつごろまでにできるか、それから確認の要件がどういうものであるか、はつきりわからないらしいから、これはあらためて質問いたしたいと存じます。
  67. 島村一郎

    ○島村委員 この問題の御処理にあたつては、ずいぶん御苦労されておることとお察しするのですが、実は私が大蔵省に在職いたしておりました当時、この問題についてずいぶん陳情がありまして、こつちへ引揚げるときに、預り証ですか、借用証ですか、そういう書類を全部押收されたということを盛んに聞かされましたが、そういう人たちの確認は非常に困るのではないかというような感じがいたしますが、それに対しまして御所見を承りたいと思います。     〔委員長退席、奥村委員長代理着席〕
  68. 酒井俊彦

    ○酒井政府委員 その問題も外務省の方が来てから一緒にお願いいたします。
  69. 三宅則義

    ○三宅(則)委員 私はわずかの時間を利用いたしまして、物品税のことについてちよつとお伺いいたしたいと思います。  この前の国会物品税については大分免除するものができましたが、これはまことに国会並びに政府の努力であると感じておるのであります。今回ズルチン、サツカリン等に関しまして、一キロにつき千円というふうに改正せられておりますが、これに関連して二、三お伺いいたしたいと思います。物品税を納めたということを証明するには、物品税証紙または物品税表示証というのですか、それを張るというふうに定められておるのであります。この手数もしくはそれらに対しまする取扱い上においてなかなか困難であろうと思うのでありますが、政府はどういうふうにして民間業者にそうした証紙を渡し、もしくはそうしたものを張らせてこれを利用しようと思つておられますか。その辺について、実際面を担当しておられる主税局長から、詳しくお示し願いたいと思うのであります。
  70. 平田敬一郎

    平田政府委員 物品税につきまして、御指摘の通り今回改正いたしましたのは二点であります。一つサツカリン、ズルチンにつきまして、その製品の段階で課税し得るような規定を設けております。それからいま一つは、物品税証紙を貼付し得るようなことに規定した二点であります。物品税証紙政府で作成いたしまして、これを物品税納税義務者に渡すわけでございます。この証紙は取引高税の証紙や印紙と違いまして、額面金額は別に示しておりません。ただこのものは物品税を納めたものであるということをはつきり証明する意味において、課税物品の適当なところに貼付させるわけであります。そういたしました場合に、はたして成規の納税をしたメーカーのつくつた物であるか、あるいは脱税品であるかという見境が非常につきやすくなるのでございます。従つてその点で取締りが非常に容易になりますし、またその結果なかなか簡單に脱税ができにくくなりまして、物品税の課税に資するところが大きいと考えておるのでございます。今申しましたように、額面金額も何もないのでありまして、ただ成規の物品税を納めたものであるという証拠材料を示しておるというだけでございますから、これは割合に手数といたしましても簡單であろうかと考えております。大体メーカーの段階におきましては、何らかのマークをつけておいでですが、そういう際にあわせて証紙をつけるようにしてもらえばよいのでございます。ただ物によりましては意匠その他を非常に阻害するという場合がございますので、そういう場合には証紙を使わないで、自分のネーム・プレートみたいなものに税務署で証印をしてもらいますと、それでかえることもできる規定を設けております。また物品税表示証というものを使用しておりますけれども、そういうことによりまして、できるだけ納税者の便宜も品物の種類に応じてはかりたい。さらにこの制度をあらゆるものに対して適用する必要はないと思うのでございまして、このような方法によりましてはつきりさせるに値するものを、よく業界の実情等を調べましてきめたい。とても証紙なんか張れないものに対して張らせるつもりはないのであります。よく物品の実情を調べまして、物によりまして張らせるという形になります。それはすべて業者と国税庁とに聞きまして、大蔵省において処理いたしたいと思います。
  71. 三宅則義

    ○三宅(則)委員 ただいまの平田主税局長の御答弁によりまして物品には証紙を張る、あるいは表示証をつける、こういう事柄は一つの進歩であると考えまして、私も了承にやぶさかではありません。ただ私の憂えますことは、この証紙等を過分に多数受取つておいて、あるいは買つておいてかつてに張られたのではたまらないのでありますから、証紙を張るについては、その製品について多少検査をするということも必要ではないかということを考えるのでありますが、そういうことを製造業者にかつてにまかしておくべきであろうかということが一点。  それからもう一つ、どれだけ拂つたかという価格を表示した方が、むしろ適切であると考えておりますが、これは政府といたしまして、物品の流通上、物品税が幾らかとということを示さない方が、国民大衆から税をとる上において妥当であると考えておりますか。私はむしろ明示せられた方が穏当であろうと考えておりますが、それに対する感想について答弁を得たいと存じます。
  72. 平田敬一郎

    平田政府委員 もしも完璧を期するつもりでございますれば、証紙を張る際に立ち会うと申しますか、現品検査を一々やるということが理想かと思いますが、しかしこれはなかなか手数でできないことになります。ときどき検査も必要かと思いますが、全部の場合に現品検査をやることは必要なかろう。証紙を幾ら使つて現在手持ちが幾らあるかということは、それは政府から交付する際に明らかにするつもりでありますが、全部一々現品検査までするというのは、少し行き過ぎじやないかと思います。  それからもう一つは、今お話の額面を示す御意見でございますが、これも理想はそういう案も考えられますが、額面をつけるとつけないとでは手数が非常に違う。それから証紙の枚数等も物によつては大分たくさんいるということになりまして、端数の場合どうするか、なかなかめんどうでございまして、取引高税の場合に照しましても、なかなか簡單ではございません。従つてそこまで複雑なものにするのもどうであろうか。ただこの品物は納税者が税金を納めたものであるかどうかということが、はつきり見やすいようなふうにすれば、これでその目的が達せられるのではないか。それによつてやみ品がすぐに見つかるようにしまして、比較的取締りを容易にする。またそれによつてやみ行為がなかなかできなくなる。その程度で満足すべきではないか。そのように考えておるのでありまして、あまりむずかしくすることは考えていないのであります。
  73. 三宅則義

    ○三宅(則)委員 政府の御意思も大体わかつて参りましたのですが、私はこういうことを思うのでございます。実は政府のお考えと比較してみたいと思いますが、各種団体には協同組合あるいは同業組合と言いますか、同種団体の組合がありまして、製品については一応検査をする。その検査をいたしますと、マークを打つとかあるいはレツテルを張るとかいうことになつておりまして、たとえば亜鉛板等につきましては、これが適正に亜鉛がついておるかどうかということを、組合から見に来ておるのであります。こういうような單純なる製品につきましては、ある程度組合に責任を持たせてやるということも、一つの案だろうと思いますが、政府といたしましては、税務職員が出張いたしまして、これらに対します検査をする必要があるかどうかということが一点であります。もう一つは証紙を盗まれる、あるいは多く買つておいて濫売する、人へわけてやる、こういうことになりますと、はなはだ面目を失するわけでありまして、私はデパートの肩持ちをするわけではございませんが、たとえば三越とか何とかはなはだりつぱなデパートにおきましては、自分のレッテルが張つてあることによつて責任を感ずる。自分の商品に間違いがないということを豪語しておるのでありまして、そういうふうに全店あるいは全組合等がなりますれば、もうとよりけつこうな話でありまして、統制は私はすきではありませんが、そういうような面から考えまして、検査をする機関というものを政府も助長いたしましてつくる方が、かえつて製品が上質になり、悪質なものを除去するという点に寄與貢献すること、きわめて大であると私は感じておるのであります。そういうふうにして一歩進める御勇気と熱意があるかどうかということをお伺いいたします。これと同時にあわせて証紙濫用の防止をすることをお考えになるか。これをもう一ぺん伺いたい。
  74. 平田敬一郎

    平田政府委員 この証紙につきましては、これは先ほど申しましたように、額面も表示しない。ただ物品税を納めておるものであるという証明の証票みたいなものを、物にくつつけるという程度のものでございますので、まず転売すると申しましても、比較的取締りに簡單ではないかと考えます。もちろん幾ら納税者に渡したか、それから課税物件を何個庫出したか、こういうことにつきましては、始終受拂いをはつきりいたしまして検査を必要とするかと存じます。それからもちろん偽造した場合その他につきましては、これは印紙と類似の取締りを行うことによりまして、それぞれそうういう行為がありました場合におきましては、徹底した取締りを実行いたしたい、そういう際に、納入者以外の組合があつた場合に、組合をどの程度使うかという問題でありますが、これははつきり申し上げまして、この制度を実行いたすために、納入者に若干手数がかかるわけであります。従つて交付金等を出したらどうかということも考えてみたのでありますが、しかしそれまで行きますのは、やはり行き過ぎではないか。なるべく徴税、納税の仕事は納税者と役所で責任を持つてやるべきだ、こういう原則がありまして、組合等にあまり責任ある仕事をやらせるということになつておりますので、特別な補助金等は交付しないことにいたしておるのでございます。しかし実際上そうい団体が現在ある場合におきまして、どの程度そういう団体にこの仕事をしてもらえますか、その点につきましてはよく実際を取調べまして、行き過ぎにならぬ程度におきまして、考えてみたいと思います。
  75. 三宅則義

    ○三宅(則)委員 私の申し上げることにつきまして御答弁があつたわけでありますが、この物品税につきまして相当幹部が濫用する。たとえば同業組合の理事、専務理事というものが濫用して適当に物品税を納めさせ、あとのものを免除するようなこともあつたように聞いたのでありますが、だんだん物品税も安くなつて来ましたから、そう悪質なものはなくなつたのでありますが、過去においては主税局長のお考えとたいへん違つたところを見ている。主税局長は半分くらい納まるであろうと言つておるが、私の聞くところによると、ガラス張り経営を商工会議所などで指導しているが、そのガラス張り経営でも実際に聞いてみると三割だ、その他の七割ないし八割はやみだ、こういうことを私どもに言うてくれたのです。全部が全部そういうことではありませんが、ややもすると物品税につきましては、そういうような脱落あるいは過少申告ということがあるわけでありますから、これにつきましては烱眼を持つておられまする当局ではございますが、なお一段と下の官吏の方を督励いたしましてこれをやつて行かないと、今申し上げましたように商売人にしてやられる。往々にしてそういうことを聞くのでありますが、ガラス張り経営においてもそうでありますから、まして一般経営においてはもつとひどいところがあるのじやないかということを言われておりますが、これに対しまして政府の御意思、今後の対策等についてお考えがありますれば、この際承つておきたいと存じます。     〔奥村委員長代理退席、委員長着席〕
  76. 平田敬一郎

    平田政府委員 物品税につきましてお話のような大分欠陥があることについては、私どもよく聞いているのでございます。そうしましてできる限り取締りの努力をいたしていたわけでございますが、またこの税率等の無理がそういうふうに原因しているという事情もございましたので、すでに二回にわたりまして相当大幅な引下げ、減税を実行いたして参つたわけでございます。従いまして私はそういう点は一挙に解決は行かないと思いますが、徐々によくなるだろうということを期待いたしております。それに今回のような措置も講じまして、役所といたしましても役人がしつかり勉強しておりますれば、そういうことはだんだん少くなりまして、そういうことによつて国庫收入もふえる、また正業者が困らない、正しい競争ができるということになると思います。そういうことにつきまして極力努力をいたしたいと思います。     ―――――――――――――
  77. 夏堀源三郎

    夏堀委員長 この際お諮りいたします。関税定率法の一部を改正する法律案について、通商産業委員会、農林委員会及び水産委員会より、本委員会に連合審査会を開きたい旨の申入れがありますが、これら三委員会と連合審査会を開くことに御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  78. 夏堀源三郎

    夏堀委員長 御異議なしと認め、さよう決定いたします。  連合審査会の開会時日につきましては、各委員長協議して決定することになつておりますが、明日午前十時より開会する予定でありますから、さよう御了承願います。     ―――――――――――――
  79. 夏堀源三郎

    夏堀委員長 次に資金運用資金法案、郵便貯金特別会計法案及び資金運用特別会計法案議題といたし、お諮りいたします。ただいまの三案につきましては、郵政委員会より連合審査会を開きたい旨の申入れがありますので、この三案につきまして郵政委員会との連合審査会を開きたいと存じますが、御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  80. 夏堀源三郎

    夏堀委員長 御異議なきようでありますから、さよう決定いたします。  なお連合審査会の開会時日につきましては、委員長と協議をいたしまして決定いたすことにいたします。さよう御了承願います。大体明後日十四日午前十時より開会いたす予定になるだろうと存じまするから、御了承願います。  それでは本日はこれをもつて散会いたします。     午後四時九分散会