○湯河
説明員 先ほど御
質問の中に、農林中金は水産
関係に三十億くらい出しているのじやないかという
お話でございまして、私もさようかと存じたのでございますが、取調べてみますと、現在一月末で五十五億にな
つております。これは
お話のごとくに、沿岸の中小水産業者の団体でございまする水産業協同組合系統に、ほとんど放出されておりまする資金でございます。ちよつとそこのところを申し上げておきます。
ただいま御
質問がございました水産金融機構を別におつくりになるという御意向が
政府にあるという御様子は、新聞紙上で私も拜見しておるのでありまして、この問題は何と申しましても水産
関係、ひとり沿岸の中小水産業者ばかりでございませず、
相当の規模の
会社企業も非常に資金難に悩んでおりまするので、そういう資金需要を満すべく特別にお考えに
なつたことかと存じます。片一方は漁業権改革に伴いまして交付されまする漁業権証券を資金化する組織として、そして水産業協同組合の生産性の向上等に寄與するという二つの意図がおありのように存ぜられるのであります。われわれの方から見ておりましても、ただいま五十五億と申し上げたのでございますが、水産の資金需要は決してこんなものではございませんので、さような特別のおはからいになりまして、水産方面だけに特別の資金が用意されるということは、われわれとしても非常に時宜に適したことだけというふうに存じております。ただいま御審議中の農林漁業資金特別会計の財源といたしまして、あれではまだ足りないのだろうと思うのでございまして、水産の
関係者がかようなことを熱望しており、それに対して
政府がかような御
措置をお考えになりますことは、私よくわかるのでございます。ただ御
質問のごとくにもしもさようなことにな
つて、農林中金の従来や
つていた仕事は支障はないかという御懸念でございますが、新聞紙等で拝見しておりまするあの最近の水産銀行という構想は、やはりその
貸付等の仕事は農林中金その他の金融機関に委託なさるということが出ていたように覚えております。このたびの特別会計資金と同じようにお扱いになる御意図のようでございます。私はその点がしつかりしているならば、ただいまの懸念はなかろうと思うのであります。私は余計なことでございますが、あの新聞の欄を拝見して懸念に思いますることを——これは蛇足でございます。水産銀行をおつくりになりますということ、その点私の感じを申し上げますと、水産金融、特にその中に入
つております漁業権証券を資金化するという問題、これはやはり農林
大臣の監督が必要なんじやないかと思うのでございます。農林
大臣の御所管でなく、單なる普通銀行でさような御
処置をなさることに少し不安を持
つております。何か特別なおとりはからいで、特別の
立法等であの監督権限が農林
大臣はやはり確保されていないと、これは漁業権証券資金化の問題の上から申しましても、また沿岸中小水産業の協同組合金融と、中小株式
会社の営利水産業の金融の間の調整等が、はたして普通銀行で適切に行くかどうかということは、若干懸念いたしておる次第でございます。しかしよく御案の
内容を拝見しておりませんので、あまり申し上げることはどうかと思います。