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宮幡委員 それではまた少し前へもどるようになりますが、きのうあたり発表されました一
万田さんの
金融構想というのを拝見いたしますと、これからの
金融政策というものは、生産の増強とインフレの抑制の二大観点からやる。これは私
どもことごとく同感であります。先般
予算委員会の討論においても私申し上げました
通り、すでに昨年の十月を契機といたしまして、生産指数も戰前を上まわ
つたという
状況にな
つている。市場に物資が正常に流れております以上、たとい生産
資金といたしまして
通貨の増発があ
つても、これをただちにインフレだと心配する必要は、もはやないような時代にな
つて来たのじやないかというようなことも述べております。従いまして私は、生産の増強があれば、それによりまして、ある
程度の
通貨増発がありましても、インフレの抑制ができる、こういうことを
考えておる一人であります。従いまして今までと
つておられましたいわゆる
池田財政下に生れました
金融政策は、押えては放し、放しては押える、こういう形でよく生産の増強を全うする役割を果して参
つた。一部には締められた場合には非難もございましたが、
産業全般から見ますると、占領下におきまする
金融政策としては、まずまず万点と申しかねましても、
相当高く採点をしておる。ところが先ほど
お話のありました高率適用の強化と相まちまして、今度はひ
とつ法的に
資金を供給する面、たとえば市中銀行が自己の利益のために
日銀の貸出しを要求したような場合には、極端に締めて行く。また法的な措置をと
つて、従来のような
融資準則というものは設けぬが、自主的な質的な統制を強化するんだということを言
つております。この質的統制という
言葉を安本で使
つたときに、御記憶があるかもしれませんが、
大蔵大臣に質的統制とはどういうことを意味するのかとお尋ねいたしましたところ、さようなことはお
考えにな
つておらぬ、いやしくも統制などということはいたしたくない、こういう当時の
状況でありましたが、ただいまはまだ日数は短かくとも、
相当国際情勢も変化があり、
国内経済事情も変転いたしておりますので、この点につきまして、もし
日銀の操作いたしまするところの
信用供與に何かわくを設けるつもりか。あるいは一
万田さんのおつしやるように自主的な質的な統制をおやりになるのか。この点を明らかにしていただきたい。ともすればこの点は、先ほど
復金債の点で申し上げたように、
日銀が出したいと思う、あるいは個人一
万田さんが出したいと思うところへは金が出るけれ
ども、その他のところは、質的統制ということで、思惑
資金、不急不要の
資金だと言
つて押えられれば、市中銀行は今後参
つてしまうと同時に、これにつながりますところの各種
産業の痛手というものは、けだし想像に余るものがある。従いまして、この点につきまして一
万田金融構想というものを、
日銀貸出しを通ずる操作、こういう名目で発表しておりますが、この点に対しまする
大蔵大臣の御
意見を一応伺いたいと思うのであります。